超促進耐候性試験”¾射照度:78.5W/ (波長域300~400nm)...

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電子回路故障解析チーム

超促進耐候性試験~メタルハライドランプ式試験の促進性確認~

概況

近年、ガラス張りの外壁や太陽電池・LED看板などの採用等で

製品が直接太陽光当たり、その状態で長期間設置されます。

それにともない、製品本体や筐体は、従来以上の

耐候性の長期間の保証をする必要があり、信頼性試験の

重要性は増しています。

また、ニーズの多様化や、次々と開発される新素材・表面

処理の性能確認など、耐候性試験の重要性と試験時間の

長期化は避けられない状況です。

市場要求

開発期間の短縮、市場のニーズに素早く対応するため、

信頼性試験の促進倍率向上が求められています。

従来の耐候性試験(紫外線カーボンアーク・キセノン)では、

促進倍率が低く、長期間の試験が必要です。

解決するには、紫外線照度をあげて、促進倍率を上げる

必要があります。

しかし、試験機が規格化されており、促進倍率を上げることが

難しいのが現実です。

超促進耐候性試験機

メタルハライドランプ式耐候性試験よって新しい試験機

耐候性試験とは

耐候性とは

・屋外条件下での曝露に対する耐久性を

耐候性という。

・耐候性を調べる方法が耐候性試験である。

屋外暴露試験人工促進試験

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実際に使用されている環境に近い状態で試験できる。

⇒材料及び製品の品質・機能等の経時変化が現実に即しているため

正確な耐候性を評価できる。

その反面、次のような問題点が挙げられる。

①結果が得られるまでに長時間要する。

②試験実施場所、試験開始時期及び実験方法によって結果が大きく異なる。

③環境計測に多大な費用がかかる。

大気屋外暴露試験

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大気環境中における特定の環境因子を主要因として材料及び製品の品質・機能の経時変化を促進させる。⇒暴露試験よりも短期間で経時変化が現れるため、品質管理を行うのに有効な方法である。

その反面、次のような問題点が挙げられる。①屋外暴露の結果に比べると、大気環境下における耐候性を評価できない。

⇒劣化する機構が屋外暴露とは異なる可能性がある。②材質又は目的によって試験装置及び試験条件をかえる必要がある。

主な試験装置として、4種類ある。

①サンシャインカーボンカーボンアーク灯式②キセノンアークランプ式③紫外線蛍光ランプ④メタルハライドランプ

人工促進試験

人工促進試験

① サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機

・国内では標準的な試験機・光源はカーボンアークによる紫外線・促進倍率数~数十倍

② キセノンアークランプ式耐候性試験機

・ヨーロッパを中心にISOの規格化・再現性高い光源・促進倍率数倍

人工促進試験

③ 紫外線蛍光ランプ式耐候性試験機

・光源が蛍光ランプで発熱量が少ない・複数の線光源、照射均一性を確保・社内規格が多い

② メタルハライドランプ式耐候性試験機

・太陽光の紫外緯線量が約20~30倍・熱線成分(赤外線)は、ほぼ含まない・促進倍率数倍・社内規格に留まっている

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機種(光源) 促進性 相関性 再現性 規格 需要

サンシャイン

カ-ボンアーク灯△ ○ △ ◎

キセノン

アークランプ式△ ◎ ◎ ◎

紫外線

蛍光ランプ式○ △ △ ○

メタル

ハライドランプ式◎ ○ ◎ △

人工促進試験機の種類

屋外暴露・人工促進試験

1000V

マイグレーションモニタ

オープンフレーム

カーボンアーク式耐候性試験

・太陽光に比べ紫外線量が多い領域があり・太陽光にない短波長領域に照射あり(少量)

・促進倍率:屋外暴露の数倍~10数倍

キセノンランプ式耐光性試験

・太陽光に近似した分光分布・カーボンアーク式からの乗り換えが増えている・カーボンアークの1倍~3倍程度

メタルハライドランプ式耐光性試験

・太陽光の20~30倍の紫外線量・各メーカーによる照度の差あり・促進倍率:約100倍/カーボン・キセノン式より約10倍

超促進耐候性試験機

PVC

サンシャインカーボンアーク灯式

メタルハライドランプ式①

メタルハライドランプ式②

照射時:63℃/50%RH放射照度:78.5W/㎡(波長域300~400nm)

降雨サイクル:12分/60分

試験時間:360hr(72hr毎抜取)JIS D 0205(WAN-1S)

モード :時間:照度:温度:湿度゙照射 :4hr :90W/c㎡:63℃:70%暗黒 :4hr :- :70℃:90%結露 :4hr :- :30℃:結露スプレー 結露前後に10秒

試験時間:60hr(12hr毎抜取)

モード :時間:照度:温度:湿度゙照射 :16hr :90W/c㎡:63℃:70%暗黒 :2hr :- :70℃:90%結露 :6hr :- :30℃:結露スプレー 結露前後に10秒

試験時間:120hr(24hr毎抜取)

・ サンシャインカーボンアーク灯式の

促進倍率は6倍

・ 促進倍率は約9倍

・ ややデータにバラツキあり

PVC

PP

サンシャインカーボンアーク灯式

メタルハライドランプ式①

メタルハライドランプ式②

照射時:63℃/50%RH放射照度:78.5W/㎡(波長域300~400nm)

降雨サイクル:12分/60分

試験時間:360hr(72hr毎抜取)JIS D 0205(WAN-1S)

モード :時間:照度:温度:湿度゙照射 :4hr :90W/c㎡:63℃:70%暗黒 :4hr :- :70℃:90%結露 :4hr :- :30℃:結露スプレー 結露前後に10秒

試験時間:60hr(12hr毎抜取)

モード :時間:照度:温度:湿度゙照射 :16hr :90W/c㎡:63℃:70%暗黒 :2hr :- :70℃:90%結露 :6hr :- :30℃:結露スプレー 結露前後に10秒

試験時間:120hr(24hr毎抜取)

・ サンシャインカーボンアーク灯式の

・ 促進性は約3.5倍

・ 促進性は約9倍

・ 条件②の方が相関性あり

PP

ナイロン

サンシャインカーボンアーク灯式

メタルハライドランプ式①

メタルハライドランプ式②

照射時:63℃/50%RH放射照度:78.5W/㎡(波長域300~400nm)

降雨サイクル:12分/60分

試験時間:360hr(72hr毎抜取)JIS D 0205(WAN-1S)

モード :時間:照度:温度:湿度゙照射 :4hr :90W/c㎡:63℃:70%暗黒 :4hr :- :70℃:90%結露 :4hr :- :30℃:結露スプレー 結露前後に10秒

試験時間:60hr(12hr毎抜取)

モード :時間:照度:温度:湿度゙照射 :16hr :90W/c㎡:63℃:70%暗黒 :2hr :- :70℃:90%結露 :6hr :- :30℃:結露スプレー 結露前後に10秒

試験時間:120hr(24hr毎抜取)

・ サンシャインカーボンアーク灯式の

促進性は約4.5倍

・ 紫外線以外の劣化要因

・ 水分による影響が大きい

ナイロン

ABS

サンシャインカーボンアーク灯式

メタルハライドランプ式①

メタルハライドランプ式②

照射時:63℃/50%RH放射照度:78.5W/㎡(波長域300~400nm)

降雨サイクル:12分/60分

試験時間:360hr(72hr毎抜取)JIS D 0205(WAN-1S)

モード :時間:照度:温度:湿度゙照射 :4hr :90W/c㎡:63℃:70%暗黒 :4hr :- :70℃:90%結露 :4hr :- :30℃:結露スプレー 結露前後に10秒

試験時間:60hr(12hr毎抜取)

モード :時間:照度:温度:湿度゙照射 :16hr :90W/c㎡:63℃:70%暗黒 :2hr :- :70℃:90%結露 :6hr :- :30℃:結露スプレー 結露前後に10秒

試験時間:120hr(24hr毎抜取)

・ サンシャインカーボンアーク灯式の

促進倍率約24倍

・ 高い促進倍率

・ 水分による影響が大きい

ABS

まとめ

今回はメタルハライドランプ式試験とサンシャインカーボンアーク試験との、

色差による促進性を中心に試験を行った。

その結果メタルハライドランプ式の「高い促進性」を確認しましたが、

試験データの蓄積や、その他の試験との緻密な比較・検証が

必要な事が解りました。

よって、サンシャイン・キセンアーク等の従来の試験は、規格に

対応した採用等の最終性能試験に、メタルハライドランプ式は

その特徴を活かした、開発や性能比較など短期間での

評価に、有効であると考えます。

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