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すべての人に、チャンスを。 Living in Peace.

自己紹介

マイクロファイナンスプロジェクト

すべての人に、チャンスを。

本日お話したい内容

1. なぜ、今、課題解決なのか?

2. 課題解決のフレームワークについて

3. Living in Peaceが行なっている課題解決について

4. これからの課題解決について

5. 個人的にやっていること

5

すべての人に、チャンスを。

すべての人に、チャンスを。 Living in Peace.

1.なぜ、課題解決?

児童養護施設とは

• 様々な理由で親と離れ子どもが暮らしている施設です

• 2011年12月現在、全国の施設数は585

• 2歳から18歳子ども約31,000人が暮らす

• 施設に来る理由は、親の虐待、親の病気、経済的貧困など

子どもの最終的な施設入所理由

ソース:厚生労働省、「児童養護施設入所児童等調査結果の概要」(平成19年度)

虐待あり53%

虐待なし41%

不明6%

子どもの被虐待経験の有無

すべての人に、チャンスを。

7

親の放任、

怠惰、虐

待、酷使、

捨子、養育

拒否 33%

親の入院、

精神疾患、

死亡、行方

不明、拘

禁、離婚 36%

親の就労、

破産等の

経済的理

由 17%

その他 14%

入所児童の背景にあるもの1:児童虐待

• 児童養護施設の子どもの半数以上が被虐待児

すべての人に、チャンスを。

ネグレ

クト 51% 身体

的虐

待 30%

心理

的虐

待 16%

性的

虐待 3%

虐待の内訳(2008年)

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

1990 1996 2002 2008

年間の虐待報告件数

心身障

害なし 77%

心身障

害あり 23%

入所児童の心身障害

児童養護施設入所児童等調査結果より(平成20年2月1日現在)

8

• 現在では年間4万件以上の虐待が報告されている

• 近年特に多いのはネグレクト:「関係性を絶つ」虐待

• 子どもの約4分の1は何らかの心身障害を有している

入所児童の背景にあるもの2:貧困

18.4%

17.5%

17.1%

14.9%

14.8%

14.1%

12.9%

12.6%

12.4%

12.0%

11.4%

11.0%

10.8%

8.8%

8.7%

8.3%

8.1%

7.7%

7.3%

7.1%

7.1%

6.8%

6.6%

5.8%

5.3%

5.3%

0.0% 10.0% 20.0%

メキシコ トルコ

アメリカ 日本

アイランド スペイン

ポルトガル ギリシャ

オーストラリア カナダ

イタリア ドイツ

ニュージー…

ベルギー スイス

イギリス ルクセンブ…

オランダ フィンランド ハンガリー

フランス ノルウェー

オーストリア チェコ

スウェーデン デンマーク

OECD加盟国の貧困率比較

すべての人に、チャンスを。

日本の世帯構成と貧困率 人口構成比 貧困率 貧困層構成比

両親と子のみ 63.2% 11% 50% 三世代世帯 28.5% 11% 23% 母子世帯 4.1% 66% 19% 父子世帯 0.6% 19% 1% 高齢者世帯 0.1% NA NA その他世帯 3.4% 29% 7%

ソース:阿部彩、「子どもの貧困」、岩波新書

ソース:OCED Family Database

9

児童養護施設出身者の状況

• 高校中退率は全国平均の3倍以上

9.3%

47.3%

0.0%

50.0%

児童養護施設 全国平均

大学進学率 2005年

高校中退率 2005年、1年当たりの数字

7.6%

2.1%

0.0%

10.0%

児童養護施設 全国平均

33.9%

56.5%

64.1%

75.3%

0% 50% 100%

施設退所者女性

施設退所者男性

全国平均女性

全国平均男性

施設退所者の正規雇用率と全国平均 2011年調査

すべての人に、チャンスを。

10

• 大学進学率は全国平均の5分の1

• 正規雇用率は平均より25%低い

なぜ、課題解決か?

• 眼の前にある問題をなんとか変えたい

• もう一つの理由(後で)

11

すべての人に、チャンスを。

すべての人に、チャンスを。 Living in Peace.

2.課題解決とは

課題解決とは

正しい課題を

見つける

とりあえずの

答えを出す 試行錯誤

13

すべての人に、チャンスを。

正しい課題を

見つける

とりあえずの

答えを出す 試行錯誤

14

すべての人に、チャンスを。

正しい課題の要件

• Yes/Noで答えられる

• それが解けたら色々なものが説明できるようになる

• 解けたら次のステップに進むことができる

15

すべての人に、チャンスを。

参考文献: 「イシューからはじめよ」 「発想する会社」 「東大発 イノベーションの作り方」

カゼの例 16

すべての人に、チャンスを。

①はい・いいえで答えられる 病院で分かる

②解けたら、色々な問題を説明できる: 「そうか、カゼひいたからだ!」

③解けたら、次のステップに進める:

カゼをひいたのかな? 熱がある

のどが痛い

咳が出る

すぐに治る?

よく眠って栄養をとる

コペルニクスの例 17

すべての人に、チャンスを。

①はい・いいえで答えられる ケプラーのデータや技術進歩で明らかに

②解けたら、色々な問題を説明できる: 「そうか、地球が回っているからだ!」

③解けたら、次のステップに進める:

地球が回っている? 星の動きが説明できない

理論の不整合

神は地球にいないのか?

理論体系の再構築

正しい課題の特徴

• Yes/Noで答えられるので、時間をセーブできる

• 一つ高次元の問題であることが多い(対症療法でない)

• 技術やニーズ、事実が生じないと課題にならない・解けない

– 人権と近代市民革命

– 羅針盤と大航海時代

• 信念・思想の産物であることがある

18

すべての人に、チャンスを。

課題の設定は動的なプロセス(科学の例) 19

すべての人に、チャンスを。

小理論A 事実A

事実B

小理論B

事実X

事実Y

大理論

・ ・ ・

事実C

小理論A’

小理論B’

大理論’

実証研究 理論研究 (既存理論の枠内)

理論研究 (パラダイムシフト)

事実A’

事実B’

事実X’

事実Y’

参考文献: “The Structure of Scientific Revolution” “A Briefer History of Time” 「アブダクション」

正しい課題を

見つける

とりあえずの

答えを出す 試行錯誤

20

すべての人に、チャンスを。

正しい解決法を提示する

• 既存の解決法でできるのであれば、それに従う

“Standing on the shoulders of giants”

• 新しい方法が必要な場合にするべきことは、組み合わせ

“The art of innovation is connecting different things” Einstein

21

すべての人に、チャンスを。

組み合わせの例

• 金の王冠の測り方+お風呂:アルキメデスの発見

• オプションの価格付け+伊藤のレンマ:ブラックショールズ式

• 雑誌+テレビ:TIVO

• リベラルアーツ+テクノロジー:Apple

22

すべての人に、チャンスを。

参考文献: “Innovator’s DNA” “Metaphors We Live by”

正しい課題を

見つける

とりあえずの

答えを出す 試行錯誤

23

すべての人に、チャンスを。

とりあえずやってみる

“I haven’t failed. I’ve just found 10,000 ways that do not work.”

Thomas Edison

24

すべての人に、チャンスを。

• 問題点・可能性に気付く(算数の問題を紙と鉛筆で解くのに類似) • アンテナが研ぎ澄まされる • 人の意見がより多く聞くことができる

走りながら考えることの効果

全体像 25

すべての人に、チャンスを。

現場で問題に直面する

データや文献に触れて調べる

課題を設定する

既存の方法で解く 新しい方法(組み合わせ)で解く

アクションをはじめ、具体的な問題の潰し込み

世界を前に進める

PEファンドの仕事はこれを組織に組み込むこと 26

すべての人に、チャンスを。

現場で問題に直面する

データや文献に触れて調べる

課題を設定する

既存の方法で解く 新しい方法(組み合わせ)で解く

アクションをはじめ、具体的な問題の潰し込み

世界を前に進める

すべての人に、チャンスを。 Living in Peace.

3.LIPの課題解決例

(児童養護施設での事例)

すべての人に、チャンスを。 Living in Peace.

課題は何か

(施設住み込みと調査を通じて見えてきたこと)

児童養護施設の主要課題1:施設設備の改善

• 児童養護施設の7割は大舎(建物に20人以上が生活)のまま

• 耐震強度の不安

すべての人に、チャンスを。

70% 12%

13% 6%

大舎

中舎

小舎

グループ ホーム

集団生活は苦手…

29

主要課題2:ケア職員数の圧倒的不足

すべての人に、チャンスを。

一対一でケアしたい・・・

30

一人の職員が、平均して10人の子どものケアをしている

ここまでの二つが現場の声でもある 31

すべての人に、チャンスを。

必要とされるもの (施設へのアンケート結果)

人的資源

の拡充

54%

施設形態・

設備・機能

の強化・拡

充38%

その他8%

平成19年度「社会的養護施設に関する実態調査中間報告書」

主要課題3:社会全体の意識の高まり

• 対家族・子ども向け支出は、高齢者向け支出の11分の1

• 先進国中で最悪水準の格差

• 強烈に効いているとされるのは、少子高齢化と一人一票の格差

すべての人に、チャンスを。

各国のGDPに占める対高齢者支出と家族・子ども向け支出の分布*

*OECD Social Expenditure Database

ルクセンブルク

デンマーク

フランス スウェーデン

ノルウェー

オーストラリア アイスランド

オーストリア

フィンランド イギリス

ベルギー

アイルランド ニュージーランド

ドイツ

オランダ

ポルトガル

スイス

ギリシャ イタリア

カナダ

スペイン 日本

アメリカ

韓国 0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

14%

0.0% 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% 2.5% 3.0% 3.5% 4.0% 4.5% 5.0%

対高齢者支出

対家族・子ども向け支出

32

まとめ:LIPの認識する児童養護施設の課題

現場体験と事実収集を通じてやっと分かったこと

• 課題1:養育環境の改善

• 課題2:ケア職員の増員

• 課題3:社会意識の高まり

33

すべての人に、チャンスを。

すべての人に、チャンスを。 Living in Peace.

この課題を、可能な限り効率的に解決する方法は?

チャンスメーカーが劇的に変える施設の未来

すべての人に、チャンスを。

あなたの寄付

1.2億円借入 20年満期 無利子

補助金 2.8億円

+ = + × 8 × 4

¥1000/月 500人×20年

施設の資金調達 施設新設 + 職員増員

社会意識の 高まり

養育環境の 大幅改善

ケア職員 5割増員

非常に高い 資金効率

グループホーム

効果

チャンスメーカー の

仕組み

チャンスメーカーの仕組み(都内定員50人の施設の例) 資金効率が高まる点

35

現在の提携先

概要

• 茨城県に所在

• 東京都に暮らしていた子どもたち40人程度が暮らす

• 当初乳児院として開始

• 被虐待児童の受け入れニーズの増加に伴い、建物の一部を改築して1993年から学齢児童の受入れ開始

建物の状況

• 施設は1973年に建築

• 特に乳幼児が生活しているスペースの老朽化は激しく、東日本大震災時にも大きなダメージを受ける

• 園庭は大勢の子ども達が遊ぶには狭すぎ、4車線道路に面した敷地は子どもが生活するには好ましい環境ではない

36

すべての人に、チャンスを。

現在の施設建物前景

震災で特に激しく損傷した壁

現在支援中の児童養護施設の場合

すべての人に、チャンスを。

あなたの寄付

借入 0.8億円

補助金 2.8億円

+ = + × 8 × 4

¥1000/月 333人×20年

施設の資金調達 施設新設 + 職員増員

グループホーム チャンスメーカー の

仕組み

チャンスメーカーの仕組み(都内定員50人の施設の例) 資金効率が高まる点

37

手持ち資金0.6億円

すべての人に、チャンスを。 Living in Peace.

2012年2月5日現在のチャンスメーカー数

230人

すべての人に、チャンスを。 Living in Peace.

2012年1月の月間寄付金額

38万円

すべての人に、チャンスを。 Living in Peace.

4.これからの課題解決について

一番大きな変化

情報技術の進歩

41

すべての人に、チャンスを。

Did you know?

ビデオ

42

すべての人に、チャンスを。

再掲:課題解決とは

正しい課題を

見つける

とりあえずの

答えを出す 試行錯誤

43

すべての人に、チャンスを。

技術が進歩すれば、課題も変わる

「人間が立ち向かうのはいつも自分が解決できる課題だけである、というのは、さらにくわしく考察するなら、課題そのものは、その解決の物質的諸条件がすでに現存しているか、または少なくともそれができはじめている場合に限って発生するものだ、ということがつねにわかるであろうから。」

マルクス、「経済学批判」

44

すべての人に、チャンスを。

情報革命からすでに見えていること 45

すべての人に、チャンスを。

情報流通速度の増大

グローバル化の進展

同一労働

同一賃金

先進国の

平均所得低下

情報処理速度の増大

コンピューターのセマンティッ

ク化

ロボット工学の発展

必要な労働力の減少

課題解決のプロセス毎のバリューが変わる

バリューの落ちるもの:代替できそうなもの

• 出ることが分かっている答えを出す能力

• ロジカルシンキング≒演繹的思考

バリューの変わらないもの:代替されないもの

• 課題発見能力

• 課題解決手法の発見能力

46

すべての人に、チャンスを。

課題の解決手法も変わる 47

すべての人に、チャンスを。

参考文献 ・What mines is yours ・Mesh

結果として

• 世界中の人がコラボレートする場が飛躍的に増大

– オープンソース、ブログ、掲示板

• パートタイムでできる活動の幅も拡大

少し前: 手紙 or 有料電話

これから: Email、無料会議電話、クラウド

少し前: 一緒にいないと仕事にならない

これから: オンラインならどこでもいい

全体像のなかでも 48

すべての人に、チャンスを。

現場で問題に直面する

データや文献に触れて調べる

課題を設定する

既存の方法で解く 新しい方法(組み合わせ)で解く

アクションをはじめ、具体的な問題の潰し込み

世界を前に進める

これから大きく変わっていくことは 49

すべての人に、チャンスを。

現場で問題に直面する

データや文献に触れて調べる

課題を設定する

既存の方法で解く 新しい方法(組み合わせ)で解く

アクションをはじめ、具体的な問題の潰し込み

世界を前に進める

なぜ、課題解決か?

• 眼の前にある問題を変えたい

• 未来に直面する課題を解決するための、知の技法化

50

すべての人に、チャンスを。

すべての人に、チャンスを。 Living in Peace.

5.自分の試していること

これまで:キリのいいところまでやってみる

• 囲碁:9年間

• サッカー:12年間

• 空手:6年間

• 古典:岩波文庫

• 演劇:出演、舞台美術制作

• 音楽:ドラムとギター、作詞・作曲

• トライアスロン:アイアンマンレース

• マラソン:208kmウルトラマラソン

• NPO活動:マイクロファイナンス、児童養護施設支援

• 勉強会:「Economist Readers」

52

すべての人に、チャンスを。

今年からやっていること

「Googleの選んだ20世紀の古典100冊」

• 毎週一冊ずつ読んでブログに書く&意見交換する

• 特に印象深かったことをカード化

• 言語は読むのも書くのも英語

イノベーション・デザイン・課題解決に関連した活動

• ワークショップ、展示等のイベントに参加・企画

53

すべての人に、チャンスを。

なぜ?

• 課題設定のセンス磨き

• 組み合わせのネタ作り

• 「知へのアクセス」を得るためにより重要性が増す英語

54

すべての人に、チャンスを。

すべての人に、チャンスを。 Living in Peace.

なぜ?