明るい人生 · 2019. 6. 8. · 明るい人生 平成31年度版 「特別の教科...

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明るい人生平成 31年度版「特別の教科 道徳」副読本 愛知県版

頒価    円(税込)300

編集 愛知県小中学校長会・名古屋市立小中学校長会発行       愛知県教育振興会公益財団法人

中学校用

Point 1郷土に特化した内容Point 2現代的な課題にも対応

Point 3授業がしやすい工夫

こんな特長があります!

愛知県の伝統や文化、自然、偉人の伝記を多数取り上げました。中学生の郷土への思いを育

みながら、道徳の授業を行える

新しい副読本です。

 小学校に続き、来年度から、中学校でも教科書を使用した道徳の授業が始まります。 愛知県教育振興会では昭和 33 年度、全国に先駆けて道徳副読本『明るい心』『明るい人生』(愛知県小中学校長会編集)を創刊し、以来、愛知の道徳教育の推進に寄与してきました。その実績を生かし、教科書と併せて使用することのできる新版副読本を発刊します。

○ 学年別(3点)○ 各学年 12 教材収録○ B5判、76 ページ○ 教師用「指導書」は無料  (1クラス1冊程度)

Point 2現代的な課題にも対応

 中学生に身近なインターネットやスマホの話題を扱った「情報モラル」や、学校生活の中で考えさせたい「いじめの問題」を各学年に配置しています。その他にも人権教育やキャリア教育など、学習指導要領にもあげられている現代的な課題に対応した内容となっています。

 平成 27 年3月、中央教育審議会の答申を受け、文部科学省は「特別の教科 道徳」(道徳科)

を設置する新学習指導要領を告示しました。

 答申では、「教科書のみを使用するのではなく、各地域に根ざした郷土資料など、多様な教

材を合わせて活用することが重要」としています。そして新学習指導要領では、教材について

次のように規定を設けています。「生徒の発達の段階や特性、地域の実情等を考慮し、多様な

教材の活用に努めること」「生命の尊厳、社会参画、自然、伝統と文化、先人の伝記、スポーツ、

情報化への対応等の現代的な課題などを題材とし、生徒が問題意識をもって多面的・多角的に

考えたり、感動を覚えたりするような充実した教材の開発や活用を行うこと」

 そこで、愛知県の道徳教育の充実の一助となるよう、偉人の業績や生きざま、自然・文化な

どの郷土性豊かな教材に、親や子の作文、県内の道徳研究者に好評な教材を加えた、愛知県版

の道徳「副読本」を発刊します。

新版副読本『明るい人生』の

ここが特長!

Point 1郷土に特化した内容

 愛知県の伝統や文化、自然、偉人などを扱った教材が多数収録されています。また、教材の選定から内容の検討、指導書の作成まで、県内 65 名の先生がたが携わっています。

Point 3授業がしやすい工夫

 教科書と置き換えができる教材だけでなく、授業の導入・終末で使うことのできる写真・コラムのページがあります。また、教材の文末には設問と、生徒が考えを書きこめる記入欄を設置し、学習の振り返りや評価の参考にも活用できます。

発 刊 趣 旨

郷土に特化した内容愛知県に親しみを

1年「国産化を夢見た少年」 ▶名古屋市・林市兵衛1年「開国の灯」 ▶新城市・岩瀬忠震

2年「海を陸地に」 ▶名古屋市・津金文左衛門2年「雪の日の誓い」 ▶田原市・渡辺崋山

3年「夢の大ダム」 ▶名古屋市・福沢桃介3年「パリのオギス」 ▶稲沢市・荻須高徳3年「軽い鉄」 ▶刈谷市・加藤与五郎

マンガ教材愛知に関わる偉人の物語をマンガ化し(各学年1教材)、中学生が興味・関心をもちやすいようにしました。

1年「ゆっくり登れカタツムリ」

 ▶東海市・蟹江一太郎

今でこそ、あたりまえに食べられているトマト。終戦直後、その普及に創意工夫を凝らした蟹江一太郎の人生に迫る。

偉人愛知県にゆかりのある先人の生きざまや業績を紹介するとともに、それを支えた心や信念に迫ります。

2年「世界に響くバイオリン」

 ▶名古屋市・鈴木政吉

政吉の心を夢中にしたバイオリンの音色。自分の手で作り上げてみせるという情熱を胸に、失敗を繰り返しながら、ついに完成させたのであった。

1Poin t

他にもこんな教材があります

自然守っていきたい自然や、動植物との関わりを、愛知県内の題材を用いて教材化しています。

2年「ぼくの湿地レポート」 ▶知多郡武豊町・壱町田湿地

祖父と一緒に武豊町の壱町田湿地にやってきた「ぼく」は、絶滅危惧種の植物や生き物が身近にあることを知る。

1年「高速道路がサギのすみかになったわけ」 ▶弥富市

高速道路に巣を作るサギたち。その原因を探りながら、人間と自然の「共生」の道に思いを馳せる。

3年「カメたちの楽園」 ▶名古屋市・名古屋城

名古屋城のお堀で甲羅干しをするカメたち。のどかに見える風景の裏には、外来種の問題が潜んでいた。

1年「愛知県の伝統工芸品」 3年「意外と知らない?   愛知県の特産品」

写真のページ授業の導入や終末でも使える写真のページが各学年に配置されています。

伝統と文化愛知県に古くから伝わるお祭りなどの伝統行事や文化、伝統工芸品などを扱っています。

1年「犬山城の秘密」 ▶犬山市・犬山城

国宝・犬山城。その階段が急なことから、犬山城に興味を抱いた「ぼく」は、文化の中心としての役割を果たしていることを知る。

2年「七宝の里」 ▶あま市・七宝焼2年「小原の和紙」 ▶豊田市・小原和紙

1年「有松・鳴海絞り」 ▶名古屋市・有松絞り

3年「酢の街に生まれて」 ▶半田市・酢3年「茶の味」 ▶西尾市・抹茶

他にもこんな教材があります

2Poin t

現代的な課題にも対応これからを生きるための

3年コラム「こんな時、どうする?ケータイ・スマホのトラブル」

短い時間でも読めるコラムページも。

2Poin t

情報モラルインターネットやスマホなど、中学生に身近な問題を取り上げ、考えさせるようにしています。

1年「楽しさの裏側に」

念願のスマホを買ってもらった「ぼく」。オンラインゲームにお金なんてかけないと思っていた。実際に夢中になるまでは……。

3年「消せない炎」

合唱コンクールの練習中、さくらと茜は衝突してしまう。茜が軽い気持ちで投稿した悪口の書きこみは膨れ上がっていき……。

いじめの問題中学生の生活の中でよく見られる場面をもとに、人間関係やいじめについて考えさせます。

人権教育 キャリア教育3年「患者様とともに」

不安だらけの実習先で出会った患者さんとの交流を経て、「わたし」は理想の看護師像を見つける。

2年「今を素直に」

「いい子」でいるために自分の気持ちを我慢してきた「わたし」は、友達の言葉をきっかけに人権について考える。

3年「わたしが生まれかわった日」

病弱な身体や家庭環境のために、小学生の頃からいじめに遭ってきた「わたし」。母親にぶつけた言葉、そして返された言葉とは……。

いじめられないように、いじめに加担してきた「私」は、いじめられる側になり、そのつらさに初めて気づく。

1年「一人じゃないよ」

他にもこんな教材があります

人権教育やキャリア教育、国際理解教育など、さまざまなテーマを扱っています。

他にも

2年「冬の橋」

仲間はずれになっているクラスメイトを無視し続けた「ぼく」は、ある朝 、クラスの誰からも声をかけられなくなって……。

授業がしやすい工夫さまざまな使い方で

3年「中国人のいとこ」

記入欄各教材の文末には、設問が配置されています。それを受けて、生徒が考えたことを記入できるようにスペースを設けました。授業の最後に学習の振り返りとして使ったり、評価の参考に活用したりすることもできます。

 他国には,日本と同様に伝統に裏打ちされたよさがあることや,その国独自の伝統や文化に各国民が誇りをもっていることを理解させることは,これからの国際社会を生きていくうえで大切である。国によってものの感じ方や考え方,生活習慣などが違っても,どの国の人々も同じ人間として尊重し合い,差別や偏見をもたずに公正,公平に接する。これが,世界の平和と人類の発展に貢献するという理想の実現のための基本である。

 世界のさまざまな国々に対しての興味・関心が高まり,多くの知識・情報・技術をインターネットなどを使って瞬時に手に入れることもできる時期である。 国によってものの感じ方や考え方,生活習慣などの違いがあっても,同じ人間として尊重し合い,対等な立場で接することが国際理解の基本であり,国際人として求められる生き方でもある。国際社会において,自らの役割と責任を果たすことができる日本人となる心情を培うことができるようにしたい。

1 外国の文化に驚いた経験を発表する。

 ① 日本と違う外国の文化に関して,驚いた経験はあり

ますか。

  ○ 日本では,頭をなでて褒められることがあるが,

国によっては頭をなでてはいけない。

  ○ 食事の時に手で食べる国がある。

4 他の国を理解した交流体験などの教師の体験談を聞く。

2 本教材を読んで話し合う。

 ① 他の国の文化は理解できないと諦めている父や母の

けんかを見ている「わたし」は,どんな気持ちでしょ

うか。

  ○ 互いの文化を理解しようとしていない。情けない。

  ○ わたしは,そんなふうにはなりたくない。

  ○ 父が中国人でなければよかったのに。

 ② いとこと話している時,「わたし」はどんな気持ち

でいたでしょう。また,いとこは,どんな気持ちでい

たでしょう。

  ◯ 〈わたし〉言葉が通じないのに,気持ちが伝わる。

  ◯ 〈いとこ〉本当に楽しんでくれているのかな。

 ❸ 「わたし」が中国人のいとこに自分から思いを伝え

ようと思ったのはなぜでしょう。

  ○ いとこを頼ってばかりだったことに気づいたから。

  ○ 自分の身勝手な考えでいとこを不安にさせていた。

  ○ 相手のことを受け止め,自分からわかろうとしな

いと,お互いが気持ちを理解し合えないから。

3 外国の人とわかり合うために何が必要かを考える。

 ① なぜ,他の国の人や文化を理解することが大切なの

でしょうか。

  ○ 同じ人間として尊重し合うため。

  ○ これから先は,共生はあたりまえだから。

  ○ 異文化の人とともに生きていかねばならないから。

 ② 他の国の相手のことを知り,自分のこともわかって

もらうには,どうしたらよいでしょうか。

  ○ 国によってものの感じ方や考え方,生活習慣が違

うことをわかろうと努力し,自分から関わる。

  ○ 異文化の中で生きている相手の立場にたって考え

てみる。

○ さまざまな国には,多様な文

化があり,理解しにくいことも

あることをおさえる。

○ 同じ人間として他国の人々と

関わる大切さに気づいたことを

話す。

○ 父が中国人でなければよかっ

たと思い,父の国のことを理解

しようとは思っていなかった「わ

たし」の気持ちに気づかせる。

◯ なぜこのような違いが出てき

たかを考えさせる。

○ 言葉は通じないのに思いは伝

わっていると,自分だけ身勝手

に考えて後悔している「わたし」

の心を話し合いの中からおさえ

ていく。

○ 国際化が進む世界の中で,関

わり方を積極的に考え,他国の

人を理解しようとする真摯な姿

勢が必要なことに気づかせる。

○ 他の国の人を理解するために,

具体的な活動としてどんなこと

ができるか考えさせる。

○ 自分ならどのように行動する

かということをグループで意見

を出させ,その後,全体で話し

合わせる。

 本教材は,中国人の父と日本人の母がするけんかは,いつも「どうせ他の国の文化は理解できない」で終わる,という出だしの生徒作文である。両親の様子から,国が違うと人々は理解し合えないと漠然と思っていた「わたし」が,中国人のいとこの本音を知り,他の国の人や文化を理解するとはどういうことかを考える。 いとこが不安そうにしていることに気づいたあとの「わたし」の行動に目を向けさせ,他国の人々との関わりを大切にすることについて考えさせるのに適した教材である。

 第1の着眼点は,他の国の文化は理解できないと諦めている父や母のけんかを見ている時の「わたし」の心情を把握させる。 第2は,中国人のいとこの不安に気づいたあとの「わたし」の行動から,相手のことを知り,

自分のこともわかってもらうにはどうしたらよいか考えさせる。 第3は,他の国の人や文化を理解することの大切さと難しさについて,自分の課題を導き出させる。

 他国との文化や習慣の違いを理解し,その人々との関わりを大切にしようとする気持ちを高める。

C 国際理解,国際貢献

 

指導書

指導の「ねらい」を端的に示しています。

授業の流れに沿った板書例を示しています。

⑤授業を進めるうえで留意することを、できるだけ具体的に記述しています。

⑦教材について (1) 教材についての解釈 (2) 指導のポイントを記述しています。

④主な発問を①②③で、予想される生徒の発言を◯で示しています。

本時のねらいや発問、指導上の留意点など赤刷りで示しています。

教師用の指導書では、生徒用書の赤刷りに加え、主題設定の理由や教材についての解釈、学習指導過程例を掲載しています。

3Poin t

指導書は無料です(1クラス1冊程度 )

② ③④

⑥⑦

②主題設定の理由には (1) ねらいとする 価値について (2) 生徒の実態    についてを記述しています。

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