第108回JCA技術ゼミナール...CV? % 鶏舎毎 CVの単純平均だと 正確な鶏群全体...

Preview:

Citation preview

第108回JCA技術ゼミナール

飼養管理の注意点と 省力化機器の紹介

於:大阪ガーデンパレス 2019年4月11日

株式会社 日本チャンキー

河合 泰典

テーマ

省力・省人化

種鶏 ブロイラー

斉一性 増体

【ブロイラー】

増体に影響する要因

トリはより効率的になっている

データ:日本チャンキー協会 実績調査結果より

45

47

49

51

53

55

57

59

61

63

65

'89 '91 '93 '95 '97 '99 '01 '03 '05 '07 '09 '11 '13 '15 '17

g/日, 日 日増体 出荷日齢

出荷年

1989年

56.0日

2017年

47.2日

1989年

46.8 g/日

2017年

63.9 g/日

増体に影響する要因

温度 換気

育雛管理

給餌・給水

光線プログラム

✹ ✹ ✹ ✹

✹ ✹ 病気

腸の健康

後半の増体低下 2018年10月頃から話題に挙がった

→全てのユーザーから声が上がったわけではない

コメント:

・飼育後半に食下量が減少

・育成率、FCRは悪化していない

・舎内温度が低すぎるとトリが動かない

・トリの高さの風速をつけすぎると トリが動かない

一番のポイントは・・・

体感温度

最適生産温度帯

ブロイラー鶏舎の環境コントロール 2010より

トリの体感温度 20~21℃

推奨温度帯

<初期> 早めの減温

<中期> 減温抑え気味

<後期> 換羽終わり頃から減温スピードアップ

<出荷前> 17℃を目標に

日齢 ※湿度60~70% 育種改良により、推奨温度帯も変わります

野外事例(2019年2月出荷)

日齢 【出荷成績】

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

舎内温度(15時) 舎内温度(6時)

育成率 日齢 体重 DG FCR PS 坪羽数

96.7 48.0 3,364 70.1 1.596 424.4 53.1

体重と増体の推移

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

22

24

26

28

30

32

34

36

38

40

42

44

46

48

50

DG増加量 体重 日増体 DG

日齢

g g/日

※ブロイラー成績目標2014 無鑑別

1

2

0

g/日

日増体ピーク

出荷日齢を早めると日増体が同じでも、出荷時のDGが結果として変化することを考慮する必要あり

その他の増体に影響する要因

育雛管理

体重推移

換気

エサ/水の質とアクセス

※出典:Aviagen社

トリの健康

腸の健康

光線プログラム

育雛管理

良好な1週齢体重の 達成

温度 温度ムラ

換気 空気質

給餌給水 早期給餌 照度

照度ムラ

腸管の発育

第104回JCAゼミ Aviagen社Hong氏 講演「 Broiler Health 」より

腸の発育

換気:最低換気量の変化

【最低換気量】 トリに十分な酸素を供給し、空気の質を維持するために 必要な1時間当たりの空気量

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.55

01

00

20

03

00

40

05

00

60

07

00

80

09

00

10

00

12

00

14

00

16

00

18

00

20

00

22

00

24

00

26

00

28

00

30

00

32

00

34

00

36

00

最低換気量

1996

2016

2018

換気量(m3/時間/羽)

体重(g)

この2年間で 1.2倍に増加!

換気:密閉度の確認

※出典:Aviagen社 鶏舎の床面積(㎡)

排気ファン1台の能力(

㎥/

時間)

陰圧(Pa)

トリの変化:FCR

フィードステーション:FCR選抜手法の1つ ⇒トリの採食回数と1回に食べる餌量/時間 ⇒1回に多く食べ、長く休むトリを選抜 ⇒1回の採食量は増えている(食欲増)が、 採食回数が減っている?

ポイント

給餌給水スペース アクセス 餌量と吐出量 高さ

給餌・給水スペース

45-80羽/パンは3kg出荷だけに 対する指標ではない

注意

世界中のマーケットサイズを加味した指標 ⇒3kg出荷であれば45羽/パンに近づける必要あり

※ブロイラーハンドブック2018

アクセス

給餌器・給水器へのアクセスも重要 ⇒目標1m以内

給餌器の餌量と給水器の吐出量

※ブロイラーハンドブック2018

【餌量】 餌皿の深さに対して 2分の1~3分の2

多すぎる:餌こぼれ 少なすぎる:DG低下

【吐出量】

給餌器・給水器の高さ

給餌

給水

脚の健康を 損なう

敷料悪化を助長

<低い> 座ったまま食べる

<低い> 顔を横にして飲む

トリの健康 ワクチンプログラム

→特に免疫抑制を引き起こす病気の ワクチン投与タイミングと用量

病気

・呼吸器症状を引き起こす病気:

IB、ND、SHS、マイコプラズマなど

・免疫抑制を引き起こす病気:

IBD、CAV、MG/MSなど

洗浄と消毒プログラム

ネズミや害虫のコントロール ※出典:Aviagen社

腸の健康 栄養吸収や飼料効率に大きく影響する

悪影響を与える要因 ・温度と換気(隙間風、熱、アンモニアレベルなど)

・ストレス(高い/低い温度、病気、エサの変更など)

・エサと水(細菌やウイルス、カビ毒など)

・病気(コクシ、細菌感染症、ウイルスなど)

敷料や免疫システムに影響

※出典:Aviagen社

光線プログラム

日齢 点灯時間 照度

0~7日齢 23時間 30~40 lux

8日齢~出荷 18~20時間 5~10 lux

※ブロイラーハンドブック2018

※消灯時間は少なくとも4時間を1ブロックとする

トリに休息を与え、活力を維持させる

体重推移 骨格や器官が正常に発達しているか?

→体重測定により問題発見がしやすい

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

1 4 7

10

13

16

19

22

25

28

31

34

37

40

43

46

49

52

指標 体測結果

※画像:ブロイラーハンドブック2018

g

日齢

【種鶏】

斉一性管理

なぜ斉一性?

2,170

2,180

2,190

2,200

2,210

2,220

2,230

2,240

12.0

12.2

12.4

12.6

12.8

13.0

13.2

13.4

'07 '08 '09 '10 '11 '12 '13 '14 '15 '16

kg/羽 育成期給餌量と20週齢メス体重

給餌量(1-24週齢) メス体重(20週齢) g/羽

餌付け年

種鶏も効率的になっている →バラツキやすい データ:日本チャンキー協会 実績調査結果より

バラツキが生産初期に与える影響

平均体重

体重 小 体重 大 刺激に反応しない

卵巣発育不足

産卵開始の遅れ

初期卵重減

就巣鶏の増加

など

刺激に過剰反応

早期産卵開始

二黄卵の増加

卵墜や脱肛増加

など

バラツキが成績に与える影響

80

82

84

86

88

90

92

94

96

98

100

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40

生存率および産卵率 産卵率(指標) 産卵率 生存率

週齢

% %

【産卵率低下】 ピーク産卵率

採種率

【生存率低下】 卵墜、脱肛、ポックリ

削痩

ヒナ獲得羽数低下

キーポイント

体重、骨格の バラツキ

初期管理 均一給餌

グレーディング 入れ換え

体重、 性成熟の バラツキ

均一給餌

光線

刺激

光線

※種鶏ハンドブック2018

初期管理

※情報:Aviagen社

【CV値を用いた初期管理の良否判定】

管理項目はブロイラーと同じ

ヒナ到着時

CV値の変化 評価

変化なし 素晴らしい!

+1% 非常に良い

+2% 良い

+3% 普通

+4% 悪い

+5%以上 非常に悪い

1週齢体測時

均一な給餌管理

給餌スペース

グレーディング

入れ換え

配餌時間

配餌方法

餌嵩

食下 配餌

良好な斉一性

配餌時間

配餌時間が長いと?

補助ホッパーの使用

高速給餌機の導入

3分以内

ホッパー出口

食下量 多

体重 大

食下量 少

体重 小

【手やり】自動給餌機に慣れさせる

・給餌スペースを確保した上で 均一配餌

【初期】均一に良いスタートを切らせる

・敷紙、餌箱 ・頻回給餌、餌箱集中配置など

【自動】均一配餌を維持

・2周目の餌量が足りなければ止めない ・計画通り各ホッパーに餌を搬送する

配餌方法

餌嵩

●餌量/餌嵩が少ない場合 変則給餌

●各給餌ラインで

食下時間は同じ?

餌の厚みは均等?

・遅くても127日齢に毎日給餌に戻す

給餌方法

給餌日:◎ 無給餌日:×

月 火 水 木 金 土 日

毎日給餌 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

6-1給餌 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ×

5-2給餌 ◎ ◎ × ◎ ◎ ◎ ×

4-3給餌 ◎ ◎ × ◎ × ◎ ×

(例)

給餌スペース ・スペースが狭すぎる

→大きい(強い)トリが餌を多く食べる

・スペースが広すぎる →広い場所で食べるトリが多くの餌を食べる

※種鶏ハンドブック2018

トリを観てスペース調整 給餌器拡張 樋を板などで塞ぐ

グレーディング

・体重(競争力)を揃え、バラツキをコントロール

・28日齢頃に実施:遅すぎると修正できる期間が短くなる

・計量器を使用し、正確にトリを分ける

入れ換え/移動

・体重(競争力)を維持し、斉一性を維持

・小群のトリは競争力が弱いトリ

→中群に移動すると競争が増し、餌量が減る

→ストレスに耐えれる大きなトリを移動

嗉嚢を触って確認

均一給餌が出来ているか確認

ストックマンシップ ※種鶏ハンドブック2018

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

全体CV 単純平均CV

週齢

正確な鶏群全体CV? %

鶏舎毎CVの単純平均だと 正確な鶏群全体CVが 分からない

光線:照度 【育成期】5~10 lux

・遮光が不十分

→性成熟のバラツキ

→ダークアウトカーテン ライトトラップ

・光漏れを無くす:消灯して確認する

【成鶏期】30~60 lux

・WDLから開放鶏舎に移動する場合は要注意

→照度が急激に上がり、トリに過剰刺激

→代謝障害(卵墜、脱肛など)の発生

光線:点灯プログラム ・最初の点灯時間増(光線刺激)によって、

トリに刺激を与える

・過剰刺激により代謝障害(卵墜、脱肛など)やツツキが発生する場合:

育成期の点灯時間を延ばす

→最初の点灯時間の増加幅を減らす

点灯時間の増加を遅らせる

週齢 22 23 24 25 26 27 28 29 30

修正前 8 12 13 14 14 14 14 14 14

修正後 9 12 12 13 13 14 14 14 14

省力・省人化機器 の紹介

海外展示会を視察

IPPE (The International Production & Processing Expo)

期間:2019年2月12-14日

場所:米国 ジョージア州アトランタ

Georgia World Congress Center

出展:1,380以上

VIV ASIA 期間:2019年3月13-15日

場所:タイ バンコク Bangkok International Trade &

Exhibition Centre

出展:1,250以上

敷料攪拌ロボット

OCTOPUS ROBOTS社 Octopus Scarifier

幅 約80cm 長さ 約120cm 重量 約65kg

移動速度 約10m/分

攪拌ブレード 直径8~12cm

AI搭載、多くのカメラでトリを巻き込まない様に周囲を確認

巣外卵対策

TIBOT社 SPOUTNIC

重量 約10kg、幅 63cm

壁や物などに当たると方向を変え、ランダムに動く

速度やライトの色など、刺激を与える為に変更可能

ブロイラー用 種鶏用

スラット洗浄機

Big Dutchman社 Slat Washer

1時間あたり150~200枚のスラットを 洗浄できる

高圧および高温(MAX 80℃)で洗浄できる

薬注機

DUTRION社 Compact Dosing Robot

薬注だけでなく、合計や毎日の飲水量を確認でき、データとして記録できる

Wi-FiによりPCやタブレットでプログラム設定できる

パンフィーダー

Roxell社 Natural Beak Smoothing

皿の中央部がヤスリ状になっており、採食時に 嘴が削れる

アニマルウェルフェアの関係でビークトリミングが 出来ないEU圏に有用と考えられている

体感温度センサー

Big Dutchman社 iDol 120

温度だけでなく風速も感知し、体感温度を加味できるセンサー

カメラテクノロジー

Scio+社が現在開発中のシステム

定期的に撮影された写真からCVなどを算出

自動包丁研ぎ機

OMNI SHARP社 SHARPER BLADES

刃長測定、研ぎ、仕上げの順で行う

約100本/時間/アームの処理

設定刃長より短くなった包丁は自動廃棄

その他

ドリンカーや点灯(照度) のためのコントローラーも 増えてきている

その他

モバイル端末に対応した環境コントローラーも 増えてきている

まとめ

トリはより効率的になっている

飼養管理の注意点

省力・省人化機器

トリを観て、動く環境調整を ブロイラー

種鶏 細部にこだわり、斉一性を維持

世界的に省力・省人化機器が必要とされている IoTを使用した機器が増えてきている

Recommended