第10章 対象事業に係る環境影響の総合的な評価10-1 第10章...

Preview:

Citation preview

10-1

第 10 章 対象事業に係る環境影響の総合的な評価

本事業に係る調査、予測及び評価の結果の概要は、第 10-1~11 表のとおりである。

本事業の実施による環境への影響は、環境保全のための措置を講じることにより、実行可能な範囲

で回避・低減が図られているものと評価する。

本事業の総合的な評価としては、本事業の実施に当たって環境保全のための措置を講じることによ

り、環境への影響が実行可能な範囲内で回避・低減が図られていることから、適切に配慮した計画で

あると評価する。

第 10-1 表(1) 調査、予測及び評価の結果の概要(粉じん等)

調査結果

【資料調査】

・降下ばいじんの状況

単位:t/k ㎡/月

年度 平成 7 年度 平成 8 年度 平成 9 年度 平成 10 年度 平成 11 年度

内郷 3.8 3.7 3.3 5.9 5.4

好間 3.1 3.0 2.6 5.9 4.7

・風向風速

(2018 年小名浜特別地域気象観測所)

単位:m/s

風向・風速

平均風速 最大風速 最大瞬間風速

風速 風向 風速 風向

1 3.6 14.8 西北西 26.3 西北西

2 3.6 15.3 北北西 21.8 西北西

3 3.8 14.4 北北西 23.1 南南西

4 3.6 12.7 北西 22.3 北北西

5 3.2 12.4 北北西 18.3 北北西

6 2.9 9.5 南南西 14.8 南

7 2.7 9.1 南南西 14.8 北東

8 3.2 12.2 北 19.4 北北東

9 2.5 12.6 南 21.0 南

10 3.0 21.6 南南東 41.5 南東

11 2.9 11.1 北北西 16.6 北北西

12 3.6 14.6 北北西 22.0 北西

【現地調査】

・降下ばいじんの状況

調 査 時 期 降下ばいじん量(t/km2/30 日) 目標値

(○:適合、×:不適合)

冬季: 2 月 8 日~ 3 月 10 日 2.4

10

春季: 4 月 1 日~ 5 月 1 日 1.0 ○

夏季: 7 月 1 日~ 7 月 31 日 1.6 ○

10-2

第 10-1 表(2) 調査、予測及び評価の結果の概要(粉じん等)

予測結果

【建設機械の稼働】

・建設機械の稼働に伴う粉じん等の予測結果は、対象事業実施区域の敷地境界における降下ばいじん量が 0.87~

2.32t/km2/月、近傍の住居が存在する地域の降下ばいじん量が 0.83~1.03t/km2/月である。

建設機械の稼働に伴う粉じん等の予測結果

(単位:t/km2/月)

予測地点 春季 夏季 秋季 冬季 最大 目標値

敷地境界 A 1.45 1.42 2.32 1.48 2.32

10 以下 敷地境界 B 0.94 0.87 1.01 1.30 1.30

高坂北第二公園 0.88 0.83 0.93 1.03 1.03

向山児童遊園 0.83 0.83 0.83 0.86 0.86

【資材及び機械の運搬に用いる車両の運行】

・資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に伴う粉じん等の予測結果は、予測地点における降下ばいじん量が 0.50

~1.87t/km2/月である。

資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に 伴う粉じん等の予測結果

(単位:t/km2/月)

予測地点 春季 夏季 秋季 冬季 最大 目標値

いわき泌尿器科

第2駐車場付近

西側 0.72 0.73 1.63 0.93 1.63

10 以下 東側 0.85 1.10 0.50 0.78 1.10

県営高坂南団地付近 北側 0.92 1.39 0.52 0.52 1.39

南側 0.82 0.58 1.87 1.33 1.87

【造成等の施工による一時的な影響】

・粉じん等の影響が考えられる風速が 5.5m/s 以上の出現割合は、年間 8.4%程度となっている。

粉じん等の影響が考えられる風速出現割合

項目 風向

N NNE NE ENE E ESE SE SSE S

出現時間(時間) 14 46 13 3 0 3 0 39 110

出現頻度(%) 0.2 0.5 0.1 0.0 0 0.0 0 0.4 1.3

項目 風向

計 SSW SW WSW W WNW NW NNW

出現時間(時間) 66 4 0 5 95 153 188 739

出現頻度(%) 0.8 0.0 0 0.1 1.1 1.7 2.1 8.4

注:1.小名浜特別地域気象観測所における1年間(2018年1月~12月)の地上気象観測結果より、地上10m風速が5.5m/s

以上の風を抽出した。

2.出現頻度は、四捨五入の関係で合計が一致しないことがある。

10-3

第 10-1 表(3) 調査、予測及び評価の結果の概要(粉じん等)

環境保全措置

【建設機械の稼働】

・建設機械の稼働が集中しないように分散化を図るとともに、稼働時間の制限等に努める。

・建設機械は、日常の点検・整備を行い、良好な状態で稼働するよう努める。

・必要に応じて散水、清掃を行う。

【資材及び機械の運搬車両の運行】

・工程等の調整による工事関係車両台数の平準化により、ピーク時の工事関係車両台数の低減を図る。

・造成工事に伴い発生する土砂は、全量を対象事業実施区域内で盛土として利用することで工事関係車両台数の低

減を図る。

・急発進、急加速の禁止等の励行により、粉じん等の影響の低減を図る。

・対象事業実施区域から出る際には、タイヤ洗浄を行う。

・上記の環境保全措置を工事関係者へ周知徹底する。

【造成等の施工による一時的な影響】

・造成によって発生する盛土法面については、できる限り早期に緑化を行う。

・強風時等の土埃等が舞い上がる気象条件の時は、必要に応じて散水を行う。

評価結果

建設機械の稼働】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、粉じん等の予測結果は、降下ばいじん量が対象事業実施区域の敷地境界

において 0.87~2.32t/km2/月、近傍の住居が存在する地域において 0.83~1.03t/km2/月と低いレベルである。また、

対象事業実施区域で測定したバックグラウンドの最大値(2.4t/km2/月)を加えると、予測結果は対象事業実施区域の

敷地境界において 3.27~4.72t/km2/月、近傍の住居が存在する地域において 3.23~3.43t/km2/月と低いレベルであ

り、建設機械の稼働に伴う粉じん等の影響は、実行可能な範囲内で回避・低減が図られているものと評価する。

・基準等との整合性

建設機械の稼働に伴う粉じん等に係る影響保全目標は、「道路環境影響評価の技術手法」において目標値として 10

t/km2/月が示されている。予測結果は、この目標値を下回っており、また対象事業実施区域で測定したバックグラ

ウンドの最大値(2.4t/km2/月)を加えてもこの目標値を下回っていることから、基準等との整合性が図られている

ものと評価する。

【資材及び機械の運搬に用いる車両の運行】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、粉じん等の予測結果は、予測地点における降下ばいじん量が 0.50~

1.87t/km2/月と低いレベルである。また、対象事業実施区域で測定したバックグラウンドの最大値(2.4t/km2/月)を

加えると、予測結果は予測地点において 2.90~4.27t/km2/月と低いレベルであり、資材及び機械の運搬に用いる車

両の運行に伴う粉じんの影響は、実行可能な範囲内で回避・低減が図られているものと評価する。

・基準等との整合性

資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に伴う粉じん等に係る影響保全目標は、「道路環境影響評価の技術手法」

において目標値として 10 t/km2/月が示されている。予測結果は、この目標値を下回っており、また対象事業実施

区域で測定したバックグラウンドの最大値(2.4t/km2/月)を加えてもこの目標値を下回っていることから、基準等

との整合性が図られているものと評価する。

【造成等の施工による一時的な影響】

前掲の環境保全措置を講じることにより、粉じんの造成等の施工による一時的な影響は、実行可能な範囲内で回

避・低減が図られているものと評価する。

10-4

第 10-2 表(1) 調査、予測及び評価の結果の概要(騒音)

調査結果

【資料調査】

・環境騒音

環境騒音の調査結果(一般環境)

測定地点 都市計画法に

よる用途地域 類型 調査月日

測定値

(dB)

環境基準

(dB) 主な音源

昼間 夜間 昼間 夜間

平成二丁目地内

(平成 2 号公園)

第一種低層

住居専用地域 A

H25.7.10

~7.11 42 39 55 45

自然音、

自動車音

内郷高坂町 1 丁目地内

(高坂北第二公園)

第一種中高層

住居専用地域 A

H26.8.4

~8.5 48 41 55 45

自然音、

自動車音

内郷白水町桜田地内

(桜田公園)

第一種

住居地域 B

H27.7.28

~7.29 48 41 55 45

自然音、

自動車音

内郷御厩町四丁目地内

(長町公園)

第一種

住居地域 B

H28.6.27

~6.28 49 43 55 45

自然音、

自動車音

内郷内町前田地内

(内町公園)

第一種

住居地域 B

H29.6.26

~6.27 46 43 55 45

自然音、

自動車音

「いわき市の環境(平成 26 年度版~平成 30 年度版)」(いわき市 HP) より作成

・道路交通騒音

環境騒音の調査結果(道路に面する地域)

測定地点

(路線名) 用途地域 類型 車線数 調査月日 評価対象区間

環境基準の達成率

(面的評価結果)

内郷御厩町 2 丁目

(一般国道 49 号)

第一種

住居地域 B 4

H25.10.21

~10.22

常磐上矢田町沼平

~内郷御厩町番匠地

100%

(2 戸/2 戸)

H26.11.18

~11.19

100%

(2 戸/2 戸)

H27.9.28

~9.29

100%

(17 戸/17 戸)

H28.10.18

~10.19

100%

(14 戸/14 戸)

H29.11.27

~11.28

100%

(12 戸/12 戸)

「いわき市の環境(平成 26 年度版~平成 30 年度版)」(いわき市 HP) より作成

10-5

第 10-2 表(2) 調査、予測及び評価の結果の概要(騒音)

調査結果

【現地調査】

・環境騒音

騒音の調査結果(対象事業実施区域の敷地境界)

項 目 時間の区分

朝(6 時~7 時) 昼間(7 時~19 時) 夕(19 時~22 時) 夜間(22 時~6 時)

気象状況

天 気 晴 晴 晴 晴

最多風向 西北西 北西 北北西 北北西

平均風速(m/s) 4.8 2.6 2.2 3.7

平均気温(℃) 0.7 4.9 2.6 0.6

平均湿度(%) 51.0 39.5 48.3 54.5

調査結果

(LA5)

調査地点 測定値 規制基準 測定値 規制基準 測定値 規制基準 測定値 規制基準

敷地境界 A

(dB) 52 (55)

54

(53~56) (60)

52

(49~54) (55)

51

(46~57) (50)

敷地境界 B

(dB) 40 (55)

47

(39~54) (60)

44

(42~48) (55)

48

(41~55) (50)

注:1.気象状況は各項目について、天気は現地調査点での観察結果、最多風向・風速・気温・湿度は小名浜特別地域気象

観測所のデータである。なお、風速は測定高度 20m を高度 1.2m に補正(べき指数 P=1/5)して用いた。

2.測定値の上段は対象時間帯の平均値、下段は対象時間帯の 1 時間値の最小と最大である。

3.時間区分は、「福島県生活環境の保全等に関する条例」(平成 8 年福島県条例第 32 号)に基づく、規制基準は特定

施設に係る値を準用し参考として記載した。

騒音の調査結果(近傍住居)

項 目 時間の区分

昼間(6 時~22 時) 夜間(22 時~6 時)

気象状況

天 気 晴 晴

最多風向 北西 北北西

平均風速(m/s) 2.7 3.7

平均気温(℃) 4.3 0.6

平均湿度(%) 41.7 54.5

調査結果

(LAeq)

調査地点 測定値 環境基準 測定値 環境基準

向山児童遊園

(dB)

44

(37~49) 55

40

(34~44) 45

高坂北第二公園

(dB)

44

(37~49) 55

43

(34~48) 45

注:1.気象状況は各項目について、天気は現地調査点での観察結果、最多風向・風速・気温・湿度は小名浜特別地域気象

観測所のデータである。なお、風速は測定高度 20m を高度 1.2m に補正(べき指数 P=1/5)して用いた。

2.測定値の上段は対象時間帯の平均値、下段は対象時間帯の 1 時間値の最小と最大である。

3.時間区分及び規制基準は、「騒音に係る環境基準について」(平成 10 年環境省告示第 64 号)に基づく。

10-6

第 10-2 表(3) 調査、予測及び評価の結果の概要(騒音)

調査結果

・道路交通騒音

道路交通騒音の調査結果

項 目 時間の区分

昼間(7 時~19 時)

気象状況

天 気 晴

最多風向 北西

平均風速(m/s) 2.6

平均気温(℃) 4.9

平均湿度(%) 39.5

調査結果

調査地点

路線名(車線数)

環境基準

の地域の

類型

要請限度

の区域の

区分

測定値

(LAeq)

(dB)

環境基準

(LAeq)

(dB)

要請限度

(LAeq)

(dB)

いわき泌尿器科第2駐車場付近

市道川原田・八反田線

(2 車線)

C c 61

(59~63) 65 75

県営高坂南団地付近

市道北好間・高坂線

(2 車線)

B b 64

(63~66) 65 75

注:1.気象状況は各項目について、天気は現地調査点での観察結果、最多風向・風速・気温・湿度は小名浜特別地域気象観測

所のデータである。なお、風速は測定高度 20m を高度 1.2m に補正(べき指数 P=1/5)して用いた。

2.測定値の上段は平均値、下段は対象時間帯における最小と最大である。

3.時間区分は、「騒音に係る環境基準について」(平成 10 年、環境省告示第 64 号)に基づく、時間帯の指定及び地域指定

はいわき市告示第 112 号に基づく。

4.環境基準、いわき市告示第 112 号に基づく昼間は、6 時~22 時であるが、調査時間帯は工事計画に基づき、7 時~19 時

に設定した。

・道路交通量

道路交通量の調査結果(市道川原田・八反田線)

調査実施日:平成 31 年 2 月 13 日(水) 単位:台

時 間 ゴルフ場方面 福島労災病院方面 合 計

大型 小型 合計 大型 小型 合計 大型 小型 合計

7:00 ~ 8:00 0 88 88 3 226 229 3 314 317

8:00 ~ 9:00 3 103 106 9 172 181 12 275 287

9:00 ~ 10:00 3 58 61 4 150 154 7 208 215

10:00 ~ 11:00 3 75 78 8 139 147 11 214 225

11:00 ~ 12:00 2 61 63 8 156 164 10 217 227

12:00 ~ 13:00 4 115 119 5 89 94 9 204 213

13:00 ~ 14:00 3 121 124 4 87 91 7 208 215

14:00 ~ 15:00 3 116 119 4 94 98 7 210 217

15:00 ~ 16:00 2 123 125 3 102 105 5 225 230

16:00 ~ 17:00 3 142 145 2 120 122 5 262 267

17:00 ~ 18:00 2 236 238 1 241 242 3 477 480

18:00 ~ 19:00 2 210 212 1 200 201 3 410 413

合 計 30 1,448 1,478 52 1,776 1,828 82 3,224 3,306

10-7

第 10-2 表(4) 調査、予測及び評価の結果の概要(騒音)

調査結果

・道路交通量

道路交通量の調査結果(市道北好間・高坂線) 調査実施日:平成 31 年 2 月 13 日(水) 単位:台

時 間 上り (ゴルフ場方面)

下り (国道 6 号線方面)

合 計

大型 小型 合計 大型 小型 合計 大型 小型 合計

7:00 ~ 8:00 2 176 178 3 162 165 5 338 343

8:00 ~ 9:00 3 105 108 1 167 168 4 272 276

9:00 ~ 10:00 2 79 81 2 127 129 4 206 210

10:00 ~ 11:00 3 89 92 2 110 112 5 199 204

11:00 ~ 12:00 2 118 120 2 107 109 4 225 229

12:00 ~ 13:00 3 118 121 1 97 98 4 215 219

13:00 ~ 14:00 5 109 114 1 104 105 6 213 219

14:00 ~ 15:00 1 106 107 2 96 98 3 202 205

15:00 ~ 16:00 4 136 140 3 113 116 7 249 256

16:00 ~ 17:00 4 155 159 1 123 124 5 278 283

17:00 ~ 18:00 2 159 161 1 150 151 3 309 312

18:00 ~ 19:00 1 155 156 1 84 85 2 239 241

合 計 32 1,505 1,537 20 1,440 1,460 52 2,945 2,997

10-8

第 10-2 表(5) 調査、予測及び評価の結果の概要(騒音)

予測結果

【建設機械の稼働】

・建設機械の稼働に伴う騒音の予測結果は、工事開始後 4・5 カ月目で対象事業実施区域の敷地境界における騒音レ

ベル(LA5)が 59~64dB、近傍の住居の存在する地域の騒音レベル(LAeq)が 54dB である。

建設機械の稼働による騒音の予測結果(LA5)

(工事開始後 4・5 カ月目 対象事業実施区域の境界) (単位:dB)

予測地点 測定値(LA5) 騒音レベルの予測結果(LA5) 特定建設作業

騒音規制基準 予測値 合成値

敷地境界 A 54 64 64 85

敷地境界 B 47 59 59

注:1.現況実測値及び規制基準は、昼前(7~19 時)の時間区分である。

2.合成値は、予測値と現況実測値を合成した値である。

建設機械の稼働による騒音の予測結果(LAeq)

(工事開始後 4・5 カ月目 近傍の住居のある地域) (単位:dB)

予測地点 測定値(LAeq) 騒音レベルの予測結果(LAeq)

環境基準 予測値 合成値

向山児童遊園 44 53 54 55

高坂北第二公園 44 53 54

注:1.現況実測値及び規制基準は、昼前(6~22 時)の時間区分である。

2.合成値は、予測値と現況実測値を合成した値である。

【資材及び機械の運搬に用いる車両の運行】

・資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に伴う道路交通騒音は、予測地点における騒音レベル(LAeq)が 61~64dB

である。

資材及び機械の運搬車両の運行に伴う道路交通騒音の予測結果(LAeq)

(工事開始後 3 カ月目~5 カ月目) (単位:dB)

予測地点

路線名

予測値

b

測定値

a

増加分

b-a 環境基準 要請限度

いわき泌尿器科第2駐車場付近

市道川原田・八反田線

(2 車線)

61 61 0 65 75

県営高坂南団地付近

市道北好間・高坂線

(2 車線)

64 64 0 65 75

注:現地調査及び予測結果は、工事関係車両の通行する時間帯(7~19 時) における値を示す。

10-9

第 10-2 表(6) 調査、予測及び評価の結果の概要(騒音)

環境保全措置

【建設機械の稼働】

・低騒音型の建設機械の採用に努め、周辺地域への騒音の影響の低減を図る。

・建設機械の稼働が集中しないように分散化を図るとともに、稼働時間の制限等に努める。

・建設機械は、日常の点検・整備を行い、良好な状態で稼働するよう努める。

・建設機械の不要なアイドリングや過負荷運転を防止するよう、運転手へ周知徹底する。

【資材及び機械の運搬に用いる車両の運行】

・工程等の調整による工事関係車両台数の平準化により、ピーク時の工事関係車両台数の低減を図る。

・造成工事に伴い発生する土砂は、全量を対象事業実施区域内で盛土として利用することで工事関係車両台数の低

減を図る。

・工事関係者の通勤においては、可能な限り乗り合い等により、工事関係車両台数の低減を図る。

・大型車両については、通勤、通学時間帯の通行を避ける等の運行管理を徹底し、騒音の影響の低減を図る。

・急発進、急加速の禁止及びアイドリングストップ等の励行により、騒音の影響の低減を図る。

・上記の環境保全措置を工事関係者へ周知徹底する。

評価結果

【建設機械の稼働】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、騒音レベルの予測結果は、対象事業実施区域の敷地境界において 59~

64dB、近傍の住居が存在する地域において 54dB であることから、建設機械の稼働に伴う騒音の影響は、実行可能な

範囲内で回避・低減が図られているものと評価する。

・基準等との整合性

対象事業実施区域は、「騒音規制法」及び「福島県生活環境の保全等に関する条例」に基づく特定建設作業及び騒音

指定建設作業に係る規制基準として、敷地境界における基準(85dB 以下)が適用される。また、対象事業実施区域近

傍の住居の存在する地域は、B 類型の環境基準(昼間:55dB 以下)が適用される。騒音レベルの予測結果は、全ての

予測点において基準に適合していることから、基準との整合が図られているものと評価する。

【資材及び機械の運搬に用いる車両の運行】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、騒音レベルの予測結果は 61~64dB であり、予測地点における騒音レベル

の増加は 0dB であることから、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に伴う道路交通騒音の影響は、実行可能な

範囲内で回避・低減が図られているものと評価する。

・基準等との整合性

予測地点は、「環境基本法」に基づく道路に面する地域の基準(昼間:65dB)及び「騒音規制法」に基づく自動車騒

音の要請限度(昼間:75dB)が適用される。工事関係車両等の走行に伴う騒音レベルの増加はほとんどなく、環境基

準に適合していること、自動車騒音の要請限度内であることから、基準との整合が図られているものと評価する。

10-10

第 10-3 表(1) 調査、予測及び評価の結果の概要(振動)

調査結果

【資料調査】

いわき市の環境白書等によれば、振動の状況について測定された事例は確認できなかった。

【現地調査】

・環境振動

振動の調査結果(対象事業実施区域の敷地境界)

項 目 昼間(7 時~19 時) 夜間(19 時~7 時)

気象状況

天 気 晴 晴

最多風向 北西 北北西

平均風速(m/s) 2.6 3.4

平均気温(℃) 4.9 1.1

平均湿度(%) 39.5 52.7

調査結果

調査地点 測定値 規制基準 測定値 規制基準

敷地境界 A (L10)

(dB) 25 未満 (60) 25 未満 (55)

敷地境界 B (L10)

(dB) 25 未満 (60) 25 未満 (55)

注:1.気象状況は各項目について、天気は現地調査点での観察結果、最多風向・風速・気温・湿度は小名浜特別地域気象

観測所のデータである。なお、風速は測定高度 20m を高度 1.2m に補正(べき指数 P=1/5)して用いた。

2.時間区分は、「振動規制法に基づく地域及び基準指定」(平成 27 年、いわき市告示第 112 号)に基づく地域指定が、

対象事業実施区域に対してはなされていないが、規制基準は特定施設に係る値の第 1 種区域の値を参考として記

載した。

振動の調査結果(近傍住居)

項 目 時間の区分

昼間(7 時~19 時) 夜間(19 時~7 時)

気象状況

天気 晴 晴

最多風向 北西 北北西

平均風速(m/s) 2.6 3.4

平均気温(℃) 4.9 1.1

平均湿度(%) 39.5 52.7

調査結果

(L10)

調査地点 測定値 規制基準 測定値 規制基準

向山児童遊園

(dB) 25 未満 (65) 25 未満 (60)

高坂北第二公園

(dB) 25 未満 (65) 25 未満 (60)

注:1.気象状況は各項目について、天気は現地調査点での観察結果、最多風向・風速・気温・湿度は小名浜特別地域気象

観測所のデータである。なお、風速は測定高度 20m を高度 1.2m に補正(べき指数 P=1/5)して用いた。

2.昼夜の時間区分は、「振動規制法に基づく地域及び基準指定」(平成 27 年いわき市告示第 112 号)による。

3.調査地点は、「振動規制法に基づく地域及び基準指定」(平成 27 年いわき市告示第 112 号)に基づく区域に指定さ

れていないが、第 2 種区域の規制基準を準用し( )内に示した。

10-11

第 10-3 表(2) 調査、予測及び評価の結果の概要(振動)

調査結果

・道路交通振動

道路交通振動の調査結果

項目 時間の区分

昼間(7 時~19 時)

気象状況

天 気 晴

最多風向 北西

平均風速(m/s) 2.6

平均気温(℃) 4.9

平均湿度(%) 39.5

調査結果

調査地点

路線名(車線数) 要請限度の区域の区分

測定値

(dB)

要請限度

(dB)

いわき泌尿器科第2駐車場付近

市道川原田・八反田線(2 車線) 第 2 種 36 70

県営高坂南団地付近

市道北好間・高坂線(2 車線) 第 1 種 35 65

注:1.気象状況は各項目について、天気は現地調査点での観察結果、最多風向・風速・気温・湿度は小名浜特別地域気象

観測所のデータである。なお、風速は測定高度 20m を高度 1.2m に補正(べき指数 P=1/5)して用いた。

2.要請限度は、「振動規制法施行規則」(昭和 51 年 11 月 10 日 総理府令第 10 号)に基づく、地域指定はいわき市告

示第 112 号に基づく。

3.いわき市告示第 112 号に基づく昼間は、6 時~22 時であるが、調査時間帯は工事計画に基づき、7 時から 19 時に

設定した。

10-12

第 10-3 表(3) 調査、予測及び評価の結果の概要(振動)

予測結果

【建設機械の稼働】

・建設機械の稼働に伴う振動の予測結果は、対象事業実施区域の敷地境界における振動レベル(L10)が 26~50dB、近

傍の住居が存在する地域の振動レベル(L10)が 25dB である。

建設機械の稼働による振動の予測結果(L10)

(工事開始後 3~7 カ月目 対象事業実施区域の敷地境界) (単位:dB)

予測地点 測定値(L10) (dB) 振動レベルの予測結果(L10) 特定建設作業

振動規制基準(dB) 予測値(dB) 合成値(dB)

敷地境界 A 25 未満 50 50 (75)

敷地境界 B 25 未満 25 未満 26

注:1.現況実測値及び規制基準は、昼前(7~19 時)の時間区分である。

2.合成値は、予測値と現況実測値を合成した値である。なお、測定値(L10)の 25dB 未満については、25dB として計算

した。

3.対象事業実施区域は、「振動規制法」(昭和 51 年法律第 64 号)に基づく指定区域に該当しないが、特定建設作業に伴っ

て発生する振動の規制基準を準用し、( )内に示した。

建設機械の稼働による振動の予測結果(L10)

(工事開始後 3~7 カ月目 近傍の住居のある地域) (単位:dB)

予測地点 測定値(L10) (dB) 振動レベルの予測結果(L10) 基準等

(感覚閾値) (dB) 予測値(dB) 合成値(dB)

向山児童遊園 25 未満 25 未満 25 (55)

高坂北第二公園 25 未満 25 未満 25

注:1.現況実測値及び規制基準は、昼前(7~19 時)の時間区分である。

2.合成値は、予測値と現況実測値を合成した値である。なお、測定値(L10)の 25dB 未満については、25dB として計算

した。

3.基準等はないため、人が振動を感じるといわれる感覚閾値を参考として記載した。

【資材及び機械の運搬に用いる車両の運行】

・資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に伴う道路交通振動の予測結果は、予測地点における振動レベル(L10)が

36~37dB である。

資材及び機械の運搬車両の運行に伴う道路交通振動の予測結果(L10)

(工事開始後 6・7 カ月目) (単位:dB)

予測地点

路線名

将来

計算結果

調査結果と

予測モデルの

差分

予測結果

b

現地

調査結果

a

増加分

b-a

環境

基準

要請

限度

いわき泌尿器科第2駐

車場付近

市道川原田・八反田線

(2 車線)

41 -4 37 36 1 - 70

県営高坂南団地付近

市道北好間・高坂線

(2 車線)

40 -4 36 35 1 - 65

注:現地調査及び予測結果は、工事関係車両の通行する時間帯(7~19時)における値である。

10-13

第 10-3 表(4) 調査、予測及び評価の結果の概要(振動)

環境保全措置

【建設機械の稼働】

・低振動型の建設機械の採用に努め、周辺地域への振動の影響の低減を図る。

・建設機械の稼働が集中しないように分散化を図るとともに、稼働時間の制限等に努める。

・建設機械は、日常の点検・整備を行い、良好な状態で稼働するよう努める。

・建設機械の過負荷運転を防止するよう、運転手へ周知徹底する。

【資材及び機械の運搬に用いる車両の運行】

・工程等の調整による工事関係車両台数の平準化により、ピーク時の工事関係車両台数の低減を図る。

・造成工事に伴い発生する土砂は、全量を対象事業実施区域内で盛土として利用することで工事関係車両台数の低

減を図る。

・工事関係者の通勤においては、可能な限り乗り合い等により、工事関係車両台数の低減を図る。

・大型車両については、通勤、通学時間帯の通行を避ける等の運行管理を徹底し、振動の影響の低減を図る。

・急発進、急加速の禁止等の励行により、振動の影響の低減を図る。

・上記の環境保全措置を工事関係者へ周知徹底する。

評価結果

【建設機械の稼働】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、振動レベルの予測結果は、対象事業実施区域の敷地境界において 26~

50dB、近傍の住居の存在する地域において 25dB であることから、建設機械の稼働に伴う振動の影響は、実行可能な

範囲内で回避・低減が図られているものと評価する。

・基準等との整合性

対象事業実施区域は、振動規制法に基づく指定区域に該当しないが、特定建設作業に伴って発生する振動の規制基

準を準用し、敷地境界における基準(75dB 以下)と比較した。また、環境振動に係る規制基準はないが、参考値とし

て感覚閾値と比較した。振動レベルの予測結果は、これらの基準等に適合していることから、基準との整合が図ら

れているものと評価する。

【資材及び機械の運搬車両の運行】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、振動レベルの予測結果は 36~37dB であり、予測地点における振動レベル

の増加は 1dB と小さいことから、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に伴う道路交通振動の影響は、実行可能

な範囲内で回避・低減が図られているものと評価する。

・基準等との整合性

予測地点は、「振動規制法」に基づく道路交通振動の要請限度が適用される。振動レベルの予測結果は自動車騒音の

要請限度内であることから、基準との整合が図られているものと評価する。

10-14

第 10-4 表(1) 調査、予測及び評価の結果の概要(水質)

調査結果

【資料調査】

・浮遊物質量

浮遊物質量の測定結果

河川名 測定点 類型 年度

浮遊物質量(SS)

(mg/L)

最小 最大 m/n 平均 環境基準

好間川

岩穴つり橋 A

25 <1 2 0/12 1

25

26 <1 3 0/12 2

27 <1 3 0/12 1

28 <1 9 0/12 2

29 <1 2 0/12 1

夏井川合流前 B

25 <1 4 0/12 1

25

26 <1 7 0/12 2

27 <1 10 0/12 3

28 1 12 0/12 3

29 <1 9 0/12 3

新川 一之矢橋 -

25 1 8 - 3

26 1 6 - 3

27 2 12 - 5

28 2 4 - 3

29 1 5 - 3

注:1.「m/n」は、「環境基準に適合しない検体数/総検体数」である。

2.「<1」は、1mg/L 未満であることを示す。

3.新川の一之矢橋は、環境基準点ではないことから、類型、環境基準等が設定されていない。

10-15

第 10-4 表(2) 調査、予測及び評価の結果の概要(水質)

調査結果

【現地調査】

・浮遊物質量

浮遊物質量に係る調査結果(好間川)

項 目 降雨時 晴天時

調査日時 令和元年 7 月 4 日(木) 11:15 令和元年 7 月 11 日(木) 10:30

浮遊物質量 65.5mg/L 3.4mg/L

天気の状況(降水量)

(小名浜特別地域気象観測所)

(平地域気象観測システム)

令和元年 7月 3日 23 時~7 月 4日 11 時

小名浜で合計 57.0mm、平で合計 45.5 ㎜

令和元年 7 月 10 日、11 日

小名浜、平とも 0mm

河川の水位

(好間水位観測所) 11 時 0.50m 12 時 0.56m 10 時 0.23m 11 時 0.23m

河川の状況 水位が高く、流速も早い。水は濁って薄

茶色の状態で、川底は視認できない。

水位が低く、流れは緩やかである。水は

澄んでいて、川底は視認できる。

注:天気の状況(降水量)は「気象庁 過去の気象データ検索」(気象庁 HP)、河川の水位は福島県土木部いわき建設事務所の

資料による。

浮遊物質量に係る調査結果(新川)

項 目 降雨時 晴天時

調査日時 令和元年 7 月 4 日(木) 12:15 令和元年 7 月 11 日(木) 13:30

浮遊物質量 31.7mg/L 5.9mg/L

天気の状況(降水量)

(小名浜特別地域気象観測所)

(平地域気象観測システム)

令和元年 7月 3日 23 時~7 月 4日 11 時

小名浜で合計 57.0mm、平で合計 45.5 ㎜

令和元年 7 月 10 日、11 日

小名浜、平とも 0mm

河川の流量

(梅本水位観測所) 12 時 14.56m3/s 13 時 17.26m3/s 13 時 0.74m3/s 14 時 0.77m3/s

河川の状況 水位が高く、流速はやや早い。水は濁って

薄茶色の状態で、川底は視認できない。

水位が低く、流れは緩やかである。水は

澄んでいて、川底は視認できる。

注:天気の状況(降水量)は「気象庁 過去の気象データ検索」(気象庁 HP)、河川の水位は福島県土木部いわき建設事務所の

資料による。

10-16

第 10-4 表(3) 調査、予測及び評価の結果の概要(水質)

調査結果

・土質

沈降試験の結果(1)

経過時間

草地 1 草地 2

浮遊物質量

(mg/L)

残留率

(Ct/C0)

沈降速度

(m/s)

浮遊物質量

(mg/L)

残留率

(Ct/C0)

沈降速度

(m/s)

0 分 2,000 - - 2,000 - -

1 分 290 0.145 3.3×10-3 110 0.055 3.3×10-3

3 分 170 0.085 1.1×10-3 65 0.033 1.1×10-3

5 分 130 0.065 6.7×10-4 51 0.026 6.7×10-4

10 分 100 0.050 3.3×10-4 42 0.021 3.3×10-4

30 分 62 0.031 1.1×10-4 26 0.013 1.1×10-4

1 時間 46 0.023 5.6×10-5 18 0.009 5.6×10-5

3 時間 27 0.014 1.9×10-5 12 0.006 1.9×10-5

6 時間 20 0.010 9.3×10-6 8 0.004 9.3×10-6

12 時間 12 0.006 4.6×10-6 5 0.003 4.6×10-6

24 時間 6 0.003 2.3×10-6 2 0.001 2.3×10-6

48 時間 5 0.003 1.2×10-6 1 0.001 1.2×10-6

沈降試験の結果(2)

経過時間

樹林 1 樹林 2

浮遊物質量

(mg/L)

残留率

(Ct/C0)

沈降速度

(m/s)

浮遊物質量

(mg/L)

残留率

(Ct/C0)

沈降速度

(m/s)

0 分 2,000 - - 2,000 - -

1 分 370 0.185 3.3×10-3 320 0.160 3.3×10-3

3 分 240 0.120 1.1×10-3 190 0.095 1.1×10-3

5 分 180 0.090 6.7×10-4 160 0.080 6.7×10-4

10 分 130 0.065 3.3×10-4 120 0.060 3.3×10-4

30 分 72 0.036 1.1×10-4 72 0.036 1.1×10-4

1 時間 58 0.029 5.6×10-5 48 0.024 5.6×10-5

3 時間 37 0.019 1.9×10-5 32 0.016 1.9×10-5

6 時間 25 0.013 9.3×10-6 27 0.014 9.3×10-6

12 時間 14 0.007 4.6×10-6 15 0.008 4.6×10-6

24 時間 7 0.004 2.3×10-6 7 0.004 2.3×10-6

48 時間 5 0.003 1.2×10-6 4 0.002 1.2×10-6

10-17

第 10-4 表(4) 調査、予測及び評価の結果の概要(水質)

予測結果

【造成等の施工による一時的な影響】

・予測条件

①仮設沈砂池の諸元

仮設沈砂池の諸元

流 域 流域面積

(ha) 設置数

容 量(m3)

① ② ③ 合計

A 11.04 3 470 500 1,220 2,190

B 26.88 3 480 2,980 2,050 5,510

②流出係数

流出係数は、造成地、草地、残置森林等について、一律で 0.9 を設定した。

③降水量

時間降水量は、「面整備事業環境影響評価技術マニュアル」(平成 11 年、建設省都市局都市計画課)に基づき、人間

活動が見られる日常的な降雨の条件とされる 3mm/時間とした。

日降水量は、小名浜特別地域気象観測所における日降水量の平年値(1981~2010 年)によれば、日降水量の累積頻度

が 1mm 以上 10mm 未満の区分で 80%を超えていたことから 10mm/日とした。また、参考値として 100mm/日を設定し

た。

④濁水処理フィルターの諸元

濁水処理フィルターの濁度低減率は、メーカーカタログ値である 45%とした。

10-19

第 10-4 表(6) 調査、予測及び評価の結果の概要(水質)

環境保全措置

【造成等の施工による一時的な影響】

・できる限り既存のゴルフ場の地形を利用し、主にゴルフ場のコースに太陽光パネルを設置することで、造成量を

少なくする。

・造成工事に先立って仮設沈砂池を設置し、土砂や濁水の流出防止に努める。

・造成した部分は、できる限り早期に緑化を行い、土壌の流出防止に努める。

・仮設沈砂池の出口には、濁水処理フィルターを設置して土砂等の濁り成分を除去する。

・仮設沈砂池からの排水を定期的に監視し、必要に応じて濁水処理フィルターの交換を行う等、適切な管理を行う

ことで、対象事業実施区域外への土砂や濁水の流出防止に努める。

・調節池の設置工事を早期に行い、完成後は調節池も沈砂池として利用することで、より一層の土砂や濁水の流出

防止に努める。

評価結果

【造成等の施工による一時的な影響】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、、降水量が 3mm/時間の場合は仮設沈砂池の出口における浮遊物質量が

15mg/L であること、10mm/日の場合は仮設沈砂池において雨水を 2 日間以上貯留できること、100mm/日の場合でも

仮設沈砂池の出口における浮遊物質量が 20mg/L であることから、造成等の施工による浮遊物質量への一時的な影

響は、実行可能な範囲内で回避・低減が図られているものと評価する。

・基準等との整合性

降雨時の浮遊物質量について、整合を図るべき基準等はないが、予測結果は「福島県生活環境の保全等に関する条

例」に基づく排水基準(70mg/L(日間平均 50mg/L)以下)を下回っている。また、排水先の好間川は「環境基本法」に

基づく「水質汚濁に係る環境基準について」により、生活環境の保全に関する環境基準の B 類型(25mg/L 以下)に指

定されているが、予測結果は、この基準値に適合している。これらのことから、基準との整合が図られているもの

と評価する。

10-20

第 10-5 表(1) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

調査結果

【資料調査】

哺乳類は 11 種、鳥類は 296 種、両生類は 15 種、爬虫類は 15 種、昆虫類は 1,023 種、魚類は 97 種、底生生物は

32 種が確認された。

【現地調査】

哺乳類は、6 目 10 科 12 種、鳥類は一般鳥類調査で 13 目 30 科 52 種、猛禽類調査で 2 目 2 科 7 種(下表のとおり)、

両生類は 2 目 6 科 7 種、爬虫類は 1 目 5 科 9 種、昆虫類は 15 目 181 科 831 種、魚類は 7 目 10 科 20 種、底生生物は

17 綱 30 目 85 科 154 種が確認された。

猛禽類調査結果

№ 目名 科名 種名 2019 年

1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月

1 タカ タカ ツミ ○ ○ ○

2 ハイタカ ○ ○ ○

3 オオタカ ○ ○ ○ ○ ○ ○

4 サシバ ○ ○ ○ ○

5 ノスリ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

6 ハヤブサ ハヤブサ チョウゲンボウ ○ ○

7 ハヤブサ ○ ○ ○ ○ ○

合計 2 目 2 科 7 種 5 種 5 種 5 種 4 種 3 種 4 種 4 種

注:種名、配列は、「日本鳥類目録改訂第 7 版」(日本鳥学会、平成 24 年 9 月)に準拠した。

【重要な種】

・重要な種

重要な種は、資料調査では、鳥類 9 目 17 科 24 種、両生類 1 目 1 科 1 種、爬虫類 1 目 1 科 1 種、昆虫類 2 目 4 科

4 種が、現地調査では、哺乳類 1 目 1 科 1 種、鳥類 7 目 9 科 13 種、両生類 2 目 4 科 4 種、爬虫類 1 目 4 科 6 種、昆

虫類 4 目 6 科 7 種、魚類 6 目 6 科 6 種、底生生物 3 目 4 科 4 種が確認された。

10-21

第 10-5 表(2) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

調査結果

重要な種の調査結果(現地調査)(1)

№ 項目 目名 科名 種名 重要な種選定根拠

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

1 哺乳類 ネズミ ネズミ カヤネズミ 情報不足

2 鳥類 カモ カモ オシドリ 情報不足 準絶滅危惧

3 (猛禽類 ペリカン サギ ミゾゴイ 絶滅危惧Ⅱ類 絶滅危惧 IB 類

4 含む) チドリ シギ ヤマシギ 情報不足

5 タカ タカ ツミ 準絶滅危惧

6 ハイタカ 準絶滅危惧 準絶滅危惧

7 オオタカ 準絶滅危惧 絶滅危惧Ⅱ類

8 サシバ 絶滅危惧Ⅱ類 準絶滅危惧

9 フクロウ フクロウ フクロウ 準絶滅危惧

10 ハヤブサ ハヤブサ チョウゲンボウ 準絶滅危惧

11 ハヤブサ 国内 絶滅危惧Ⅱ類 絶滅危惧Ⅱ類

12 スズメ サンショウクイ サンショウクイ 絶滅危惧Ⅱ類 準絶滅危惧

13 カササギヒタキ サンコウチョウ 準絶滅危惧

14 ヒタキ コサメビタキ 準絶滅危惧

15 両生類 有尾 サンショウウオ トウキョウサンショウウオ 絶滅危惧Ⅱ類 絶滅危惧Ⅰ類

16 イモリ アカハライモリ 準絶滅危惧 準絶滅危惧

17 無尾 ヒキガエル アズマヒキガエル 準絶滅危惧

18 アカガエル ニホンアカガエル 準絶滅危惧

19 爬虫類 有鱗 トカゲ ヒガシニホントカゲ 準絶滅危惧

20 タカチホヘビ タカチホヘビ 情報不足

21 ナミヘビ シロマダラ 準絶滅危惧

22 ヒバカリ 準絶滅危惧

23 ヤマカガシ 準絶滅危惧

24 クサリヘビ ニホンマムシ 準絶滅危惧

25 昆虫類 バッタ バッタ ショウリョウバッタモドキ 情報不足

26 チョウ タテハチョウ ウラギンスジヒョウモン 絶滅危惧Ⅱ類

27 オオムラサキ 準絶滅危惧

28 コウチュウ ガムシ ガムシ 準絶滅危惧

29 ハチ スズメバチ モンスズメバチ 情報不足

30 ドロバチモドキ ニッポンハナダカバチ 絶滅危惧Ⅱ類

31 ミツバチ クロマルハナバチ 準絶滅危惧

32 魚類 ウナギ ウナギ ニホンウナギ 絶滅危惧ⅠB 類 情報不足

33 コイ ドジョウ ドジョウ 準絶滅危惧 情報不足

34 ナマズ ギギ ギバチ 絶滅危惧Ⅱ類 絶滅危惧ⅠB 類

35 ダツ メダカ ミナミメダカ 絶滅危惧Ⅱ類 絶滅危惧ⅠB 類

36

カサゴ カジカ ウツセミカジカ(回遊型) 絶滅危惧ⅠB 類 準絶滅危惧

37 スズキ ハゼ オオヨシノボリ 準絶滅危惧

10-22

第 10-5 表(3) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

調査結果

重要な種の調査結果(現地調査)(2)

№ 項目 目名 科名 種名 重要な種選定根拠

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

38 底生生物 トンボ エゾトンボ ハネビロエゾトンボ 絶滅危惧Ⅱ類 絶滅危惧Ⅱ類

39 カメムシ コオイムシ コオイムシ 準絶滅危惧

40 コウチュウ ミズスマシ コオナガミズスマシ 絶滅危惧Ⅱ類 準絶滅危惧

41 ドロムシ ケスジドロムシ 絶滅危惧Ⅱ類 準絶滅危惧

合計 7 項目 24 目 34 科 41 種 0 種 1 種 0 種 24 種 34 種

注:重要な種の選定根拠とそのカテゴリーは以下に示す通りである。

Ⅰ:「文化財保護法」(昭和 25 年 法律第 214 号)並びに県及び市の文化財保護条例

特別天然記念物 国指定天然記念物 県指定天然記念物 市指定天然記念物

Ⅱ:「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(平成 4 年 法律第 75 号)

国際希少野生動植物種 国内希少野生動植物種

Ⅲ:「福島県野生動植物の保護に関する条例」(平成 16 年 福島県条例第 23 号)

特定希少野生動植物

Ⅳ:「環境省レッドリスト 2019 の公表について」(平成 31 年 1 月 24 日 環境省報道発表資料)

絶滅 絶滅危惧ⅠA 類 絶滅危惧ⅠB 類 絶滅危惧Ⅱ類 準絶滅危惧 情報不足

Ⅴ:「ふくしまレッドリスト 2018 年版」(平成 31 年 3 月 福島県生活環境部自然保護課)

絶滅 絶滅危惧Ⅰ類 絶滅危惧Ⅱ類 準絶滅危惧 情報不足 絶滅のおそれのある地域個体群

重要な種の確認状況(哺乳類)

種 名

確認位置

確認状況 対象事業

実施区域 対象事業実施

区域の周囲 改変区域 非改変区域

カヤネズミ ○ ○ 春季に 4 地点で確認された。確認環境は対象事業実施区域の

高茎草地で、巣が 4 地点で合計 4 個確認された。

合計 1 種 1 種 0 種 1 種

10-23

第 10-5 表(4) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

調査結果

重要な種の確認状況(一般鳥類)

種 名

確認位置

確認状況 対象事業実施区域 対象事業

実施区域

の周囲 改変区域 非改変区域

オシドリ ○ 冬季に対象事業実施区域で確認された。

ミゾゴイ ○ ○ ○ 春季に対象事業実施区域及びその周囲で確認された。

ヤマシギ ○ ○ ○ 冬季及び春季に対象事業実施区域で確認された。

オオタカ ○ ○ 春季に対象事業実施区域で確認された。

フクロウ ○ ○ ○ 春季に対象事業実施区域で確認された。

サンショウクイ ○ ○ ○ 春季に対象事業実施区域で、夏季に対象事業実施区域の周辺

で確認された。

サンコウチョウ ○ ○ ○ 春季及び夏季に対象事業実施区域で、夏季に対象事業実施区

域の周辺で確認された。

コサメビタキ ○ ○ 夏季に対象事業実施区域で、春季に対象事業実施区域の周辺

で確認された。

合計 7 種 6 種 7 種 8 種

注:ミゾゴイ、ヤマシギ及びフクロウは、複数区域の境界部付近において鳴き声のみを確認しており、生息区域を特定できな

いことから、鳴き声を確認した範囲が包含する全区域での確認として扱った。

重要な種の確認状況(猛禽類)

種 名

確認位置

確認状況 対象事業

実施区域 対象事業

実施区域

の周囲 改変区域 非改変区域

ツミ ○ ○ ○ 2019 年 1 月、4 月、6 月に対象事業実施区域で、2019 年 1 月

に対象事業実施区域の周囲で確認された。

ハイタカ ○ ○ ○ ハイタカは 2019 年 1 月~3 月に対象事業実施区域及びその

周囲で確認された。

オオタカ ○ ○ ○

2019 年 1 月、2 月、6 月、7 月に対象事業実施区域で、1 月

~3 月、5 月、7 月に対象事業実施区域の周囲で確認され

た。7 月には対象事業実施区域から、対象事業実施区域の外

側への餌運びが確認された。

サシバ ○ ○ ○ 2019 年 4 月~7 月に対象事業実施区域及びその周囲で確認さ

れた。

チョウゲンボウ ○ 2019 年 2 月、3 月に対象事業実施区域の周囲で確認された。

ハヤブサ ○ ○ ○ 2019 年 1 月~4 月に対象事業実施区域で、2019 年 2 月~4

月、7 月に対象事業実施区域の周囲で確認された。

合計 5 種 5 種 6 種 6 種

10-24

第 10-5 表(5) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

調査結果

重要な種の確認状況(両生類)

種 名

確認位置

確認状況 重要な種選定根拠 対象事業

実施区域 対象事業

実施区域

の周囲 改変区域 非改変

区域

Ⅰ Ⅱ Ⅲ

Ⅳ Ⅴ

トウキョウ

サンショウウオ ○ ○

早春季に 4 地点、春季に 4 地点、初夏季に 3 地点で

確認された。確認地点は対象事業実施区域の沢沿い 7

地点で、捕獲により幼生 14 個体、卵嚢 4 個が確認さ

れたほか、対象事業実施区域の周囲の沢沿い 2 地点

で、捕獲により卵嚢 5 個が確認された。

Ⅳ:絶滅危惧Ⅱ類

Ⅴ:絶滅危惧Ⅰ類

アカハライモリ ○

初夏季に 2 地点で確認された。確認地点は対象事業

実施区域の沢沿いで、捕獲により成体 5 個体が確認

された。

Ⅳ:準絶滅危惧

Ⅴ:準絶滅危惧

アズマヒキガエ

ル ○

春季に 3 地点で確認された。確認地点は対象事業実

施区域の池で、幼生が約 100 個体、卵塊が 11 個確認

された。

Ⅴ:準絶滅危惧

ニホン

アカガエル ○ ○

早春季に 1 地点、春季に 2 地点、初夏季に 3 地点で

確認された。確認地点は、対象事業実施区域の池 1

地点で捕獲により幼体 1 個体が確認されたほか、対

象事業実施区域の周囲の水田や樹林等 5 地点で捕獲

により成体 4 個体、幼体 51 個体、幼生 1 個体が確認

された。

Ⅴ:準絶滅危惧

合計 0 種 4 種 2 種 4 種 4 種

重要な種の確認状況(爬虫類)

種 名

確認位置

確認状況

重要な種選定根拠

対象事業

実施区域 対象事業

実施区域

の周囲

Ⅰ Ⅱ Ⅲ

Ⅳ Ⅴ 改変区域 非改変

区域

ヒガシニホントカ

ゲ 〇

初夏季に 5 地点、秋季に 1 地点で確認された。確認

地点は対象事業実施区域の周囲の針葉樹林や草地等

で、目撃により 6 個体が確認された。

Ⅴ:準絶滅危惧

タカチホヘビ ○

初夏季に 1 地点で確認された。確認地点は対象事業

実施区域の周囲の針葉樹林で、捕獲により 1 個体が

確認された。

Ⅴ:情報不足

シロマダラ ○

初夏季に 1 地点、秋季に 1 地点で確認された。確認

地点は対象事業実施区域の周囲の草地や住宅地で、

脱皮殻が 2 個体分確認された。

Ⅴ:準絶滅危惧

ヒバカリ 〇

初夏季に 1 地点で確認された。確認地点は対象事業

実施区域の周囲の水田で、死体 1 個体が確認され

た。

Ⅴ:準絶滅危惧

ヤマカガシ ○ 〇

初夏季に 3 地点で確認された。確認地点は対象事業

実施区域の草地で捕獲により 1 個体が確認されたほ

か、対象事業実施区域の周囲の草地で、捕獲により 2

個体が確認された。

Ⅴ:準絶滅危惧

ニホンマムシ ○ ○

春季に 1 地点、初夏季に 2 地点、秋季に 2 地点で確

認された。確認地点は対象事業実施区域の広葉樹林

等で、成体 3 個体と死体 1 個体が確認された。この

ほか、対象事業実施区域の周囲の広葉樹林で幼体 1

個体が確認された。

Ⅴ:準絶滅危惧

合計 0 種 2 種 6 種 6 種 6 種

10-25

第 10-5 表(6) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

調査結果

重要な種の確認状況(昆虫類)

種 名

確認位置

確認状況

重要種選定根拠

対象事業実施区域 対象事業

実施区域

の周囲

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 改変区

非改変

区域

ショウリョウ

バッタモドキ ○

夏季に 1 地点で確認された。確認地点は対

象事業実施区域の周囲で目撃法により 1 個

体が確認された。

Ⅴ:情報不足

ウラギンスジ

ヒョウモン ○ ○

夏季に 2 地点で確認された。確認地点は対

象事業実施区域区域、および対象事業実施

区域の周囲で任意採集法により 3 個体が確

認された。

Ⅳ:絶滅危惧Ⅱ類

オオムラサキ ○

夏季に 1 地点で確認された。確認地点は対

象事業実施区域の周囲で目撃により 1 個体

が確認された。

Ⅳ:準絶滅危惧

ガムシ ○

春季に 1 地点で確認された。確認地点は対

象事業実施区域の周囲で任意採集より 1 個

体が確認された。

Ⅳ:準絶滅危惧

モンスズメバ

チ ○

夏季に 1 地点で確認された。確認地点は対

象事業実施区域で任意採集法により 1 個体

が確認された。

Ⅳ:情報不足

ニッポンハナ

ダカバチ ○ ○

夏季に 2 地点で確認された。確認地点は対

象事業実施区域で任意採集法により 2 個体

が確認された。

Ⅳ:絶滅危惧Ⅱ類

クロマルハナ

バチ ○

夏季に 1 地点で確認された。確認地点は対

象事業実施区域で任意採集法により 1 個体

が確認された。

Ⅳ:準絶滅危惧

合計 2 種 3 種 4 種 7 種 7 種

10-26

第 10-5 表(7) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

調査結果

重要な種の確認状況(魚類)

種 名

確認位置

確認状況

重要な種選定根拠

対象事業

実施区域 対象事業

実施区域の周

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

改変区域 非改変

区域

ニホンウナギ

ニホンウナギは、春季に好間川で 1

個体が、新川で 2 個体が確認された。

確認環境は岸際の植生下などであっ

た。

Ⅳ:絶滅危惧ⅠB 類

Ⅴ:情報不足

ドジョウ

ドジョウは、春季に新川で 2 個体が

確認された。確認環境は岸際の植生

下などであった。

Ⅳ:準絶滅危惧

Ⅴ:情報不足

ギバチ

ギバチは、春季に好間川で 7 個体が

確認された。確認環境は岸際の植生

下であった。

Ⅳ:絶滅危惧Ⅱ類

Ⅴ:絶滅危惧ⅠB 類

ミナミメダカ

ミナミメダカは、新川で春季に 7 個

体、夏季に 4 個体、秋季に 3 個体が

確認された。確認環境は岸際の植生

付近やたまり部であった。

Ⅳ:絶滅危惧Ⅱ類

Ⅴ:絶滅危惧ⅠB 類

ウツセミカジカ

(回遊型)

ウツセミカジカ(回遊型)は、好間

川で春季に 7 個体、夏季に 3 個体、

秋季に 2 個体が確認された。確認環

境は流心部の石礫下であった。

Ⅳ:絶滅危惧ⅠB 類

Ⅴ:準絶滅危惧

オオヨシノボリ

オオヨシノボリは、夏季に好間川で

2 個体、秋季に新川で 1 個体が確認

された。確認環境は流速の早い場所

の岸際の植生下であった。

Ⅴ:準絶滅危惧

合計 0 種 0 種 6 種 6 種 6 種

重要な種の確認状況(底生生物)

種 名

確認位置

確認状況

重要な種選定根拠

対象事業

実施区域 対象事業

実施区域の周

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

改変区域 非改変

区域

ハネビロエゾト

ンボ ○ ○

ハネビロエゾトンボは、春季に池 1

で 1 個体、下流 1 で 3 個体が、夏季

に下流 1 で 2 個体が確認された。確

認環境は岸際の植生下などであっ

た。

Ⅳ:絶滅危惧Ⅱ類

Ⅴ:絶滅危惧Ⅱ類

コオイムシ

コオイムシは、春季に池 2 で 1 個体

が確認された。確認環境は岸際の植

生下などであった。

Ⅳ:準絶滅危惧

コオナガミズス

マシ

コオナガミズスマシは、夏季に好間

川で 1 個体、新川で 8 個体が確認さ

れた。確認環境は岸際の植生周辺な

どであった。

Ⅳ:絶滅危惧Ⅱ類

Ⅴ:準絶滅危惧

ケスジドロムシ

ケスジドロムシは、夏季に好間川で

3 個体が確認された。確認環境は岸

際の水中に没した植生周辺であっ

た。

Ⅳ:絶滅危惧Ⅱ類

Ⅴ:準絶滅危惧

合計 1 種 2 種 2 種 4 種 4 種

10-27

第 10-5 表(8) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

【建設機械の稼働、造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の改変)】

・哺乳類

重要な種と影響要因との関係(哺乳類)

種 名

影響要因

建設機械の稼働 造成等の施工による

一時的な影響

敷地の存在(土地の改

変)

カヤネズミ △ × △

注:影響要因との関係は、以下のとおりである。

×:影響が考えられる △:影響は小さい、または、ほとんどない。 -:影響要因との関係はない

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

カヤネズミ

建設機械の稼働

対象事業実施区域の草地環境が主要な生息地であると考えられ

る。建設機械の稼動に伴う騒音等の発生等により、忌避行動が

生じると考えられるものの、低騒音、低振動型の建設機械を使

用する等の配慮により、影響は低減されると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工による巣の消失等、繁殖個体への影響が予測され

る。なお、繁殖地を含む草地を残置し、周囲の緑地との連続性

を維持する保全措置の実施により、事業による影響は低減され

ると予測される。

敷地の存在(土地の改変)

土地の改変により、対象事業実施区域の生息地の一部が消失す

る。なお、繁殖地を含む草地を残置し、周囲の緑地との連続性

を維持する保全措置の実施により、事業による影響は低減され

ると予測される。

・一般鳥類

重要な種と影響要因との関係(一般鳥類)

種 名

影響要因

建設機械の稼働 造成等の施工による

一時的な影響

敷地の存在(土地の改

変)

オシドリ △ △ △

ミゾゴイ △ △ △

ヤマシギ △ △ △

オオタカ △ △ △

フクロウ △ △ △

サンショウクイ △ △ △

サンコウチョウ △ △ △

コサメビタキ △ △ △

注 1:影響要因との関係は、以下のとおりである。

×:影響が考えられる △:影響は小さい、または、ほとんどない。 -:影響要因との関係はない

10-28

第 10-5 表(9) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

オシドリ

建設機械の稼働

対象事業実施区域の水辺が渡り期の一時的な利用環境であると

考えられる。建設機械の稼動に伴う騒音等の発生等により、忌

避行動が生じると考えられるものの、一時的な利用に限定され

るため、影響は軽微であると予測される。また、低騒音、低振

動型の建設機械を使用する等の配慮により、影響は低減される

と予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

本種の利用環境であるため池やその周辺の緑地環境は、非改変

区域にも分布するため、造成等の施工による影響は軽微である

と予測される。

敷地の存在(土地の改変) 本種の利用環境であるため池等の水辺環境は非改変区域に分布

するため、敷地の存在による影響は軽微であると予測される。

ミゾゴイ

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の樹林環境を広く利用すると推

察される。建設機械の稼動に伴う騒音等の発生等により、忌避

行動が生じると考えられるものの、一時的な利用に限定される

ため、影響は軽微であると予測される。

また、対象事業実施区域において、林内環境の調査により抽出

した営巣適地について、その行動圏の植生改変面積を計算した

ところ、高木林植生の面積全体に対し 12~24%であり、実行可

能な範囲内で生息環境への配慮がなされた計画になっていると

考える。

加えて、囀り調査で鳴き声を確認した生息確認範囲には、古巣

が確認されなかったこと、対象事業実施区域の周囲には、囀り

調査で鳴き声を確認した生息確認範囲を行動圏に含む営巣適地

が連続的に存在することから影響は軽微であると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、

生息に適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に分

布するため、影響は軽微であると予測される。

敷地の存在(土地の改変)

土地の改変により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、生

息に適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に分布

するため、影響は軽微であると予測される。

ヤマシギ

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の水辺環境が、主な採餌場所で

あると考えられる。建設機械の稼動に伴う騒音等の発生等によ

り、忌避行動が生じると考えられるものの、本種は行動圏が広

く、対象事業実施区域の周囲にも採餌環境が分布するため、影

響は軽微であると予測される。また、低騒音、低振動型の建設

機械を使用する等の配慮により、影響は低減されると予測され

る。

造成等の施工による

一時的な影響

本種の利用環境であるため池や湿地等の水辺環境は非改変区域

や対象事業実施区域の周囲に分布するため、造成等の施工によ

る影響は軽微であると予測される。

敷地の存在(土地の改変)

本種の利用環境であるため池や湿地等の水辺環境は非改変区域

や対象事業実施区域の周囲に分布するため、土地の改変による

影響は軽微であると予測される。

10-29

第 10-5 表(10) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

フクロウ

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の樹林環境を広く利用すると推

察される。本種は夜行性であり、建設機械の稼動は日中である

ため、影響は軽微であると予測される。また、低騒音、低振動

型の建設機械を使用する等の配慮により、影響は低減されると

予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、ネズミ類やカエル類等が生息する採餌環

境の減少が考えられるものの、本種の行動圏は広く、採餌環境

が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に広く分布するため、

造成等の施工による影響は軽微であると予測される。

敷地の存在(土地の改変)

土地の改変により生息環境(樹林)の一部が消失するが、本種

は行動圏が広く、生息に適した環境が非改変区域や対象事業実

施区域の周囲に広く分布するため、土地の改変による影響は軽

微であると予測される。

サンショウク

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の樹林環境等が生息環境に含ま

れると推察される。建設機械の稼動に伴う騒音等の発生等によ

り、忌避行動が生じると考えられるものの、本種の行動圏は広

く、生息環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に分布す

るため影響は軽微であると予測される。また、低騒音、低振動

型の建設機械を使用する等の配慮により、影響は低減されると

予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、昆虫類が生息する採餌環境の減少が考え

られるものの、本種の行動圏は広く、採餌環境が非改変区域や

対象事業実施区域の周囲に広く分布するため、影響は軽微であ

ると予測される。

敷地の存在(土地の改変)

土地の改変により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、生

息に適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に広く

分布するため、影響は軽微であると予測される。

サンコウチョ

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の樹林環境等を広く利用すると

推察される。建設機械の稼動に伴う騒音等の発生等により、忌

避行動が生じると考えられるものの、一時的な利用に限定され

るため、影響は軽微であると予測される。また、低騒音、低振

動型の建設機械を使用する等の配慮により、影響は低減される

と予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、

生息に適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に分

布するため、影響は軽微であると予測される。

敷地の存在(土地の改変)

土地の改変により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、生

息に適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に分布

するため、影響は軽微であると予測される。

10-30

第 10-5 表(11) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

コサメビタキ

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の比較的明るい樹林環境(アカ

マツ林、落葉広葉樹林)が生息環境であると推察される。建設

機械の稼動に伴う騒音等の発生等により、忌避行動が生じると

考えられるものの非改変区域や対象事業実施区域の周囲に生息

可能な環境が分布するため、影響は軽微であると予測される。

また、低騒音、低振動型の建設機械を使用する等の配慮によ

り、影響は低減されると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、昆虫類が生息する採餌環境の減少が考え

られるものの、本種の行動圏は広く、採餌環境が非改変区域や

対象事業実施区域の周囲に広く分布するため、影響は軽微であ

ると考えられる。

敷地の存在(土地の改変)

土地の改変により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、生

息に適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に広く

分布するため、影響は軽微であると予測される。

・猛禽類

重要な種と影響要因との関係(猛禽類)

種 名

影響要因

建設機械の稼働 造成等の施工による

一時的な影響

敷地の存在(土地の改

変)

ツミ △ △ △

ハイタカ △ △ △

オオタカ △ △ △

サシバ △ △ △

チョウゲンボウ △ △ △

ハヤブサ △ △ △

注:影響要因との関係は、以下のとおりである。

×:影響が考えられる △:影響は小さい、または、ほとんどない。 -:影響要因との関係はない

10-31

第 10-5 表(12) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

ツミ

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の樹林環境を広く利用すると推察

される。建設機械の稼動に伴う騒音等の発生等により、忌避行動

が生じると考えられるものの、本種の行動圏は広く、生息環境が

非改変区域や対象事業実施区域の周囲に分布するため、影響は軽

微であると予測される。また、低騒音、低振動型の建設機械を使

用する等の配慮により、影響は低減されると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、小鳥類が生息する採餌環境の減少が考えら

れるものの、本種は行動圏が広く、非改変区域や対象事業実施区

域の周囲に採餌環境が広く分布するため、影響は軽微であると予

測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により生息環境(樹林)の一部が消失するが、生息に

適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に広く分布す

るため、影響は軽微であると予測される。

ハイタカ

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の樹林環境を広く利用すると推察

される。建設機械の稼動に伴う騒音等の発生等により、忌避行動

が生じると考えられるものの、本種の行動圏は広く、生息環境が

非改変区域や対象事業実施区域の周囲に分布するため、影響は軽

微であると予測される。また、低騒音、低振動型の建設機械を使

用する等の配慮により、影響は低減されると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、小鳥類が生息する採餌環境の減少が考えら

れるものの、本種は行動圏が広く、非改変区域や対象事業実施区

域の周囲に採餌環境が広く分布するため、影響は軽微であると予

測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により生息環境(樹林)の一部が消失するが、生息に

適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に広く分布す

るため、影響は軽微であると予測される。

オオタカ

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の樹林環境を広く利用すると推察

される。建設機械の稼動に伴う騒音等の発生等により、忌避行動

が生じると考えられるものの、本種の行動圏は広く、生息環境が

非改変区域や対象事業実施区域の周囲に分布するため、影響は軽

微であると予測される。また、低騒音、低振動型の建設機械を使

用する等の配慮により、影響は低減されると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、小鳥類が生息する採餌環境の減少が考えら

れるものの、本種は行動圏が広く、非改変区域や対象事業実施区

域の周囲に採餌環境が広く分布するため、影響は軽微であると予

測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により生息環境(樹林)の一部が消失するが、生息に

適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に広く分布す

るため、影響は軽微であると予測される。

10-32

第 10-5 表(13) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

サシバ

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の樹林環境を広く利用すると推察

される。建設機械の稼動に伴う騒音等の発生等により、忌避行動

が生じると考えられるものの、本種の行動圏は広く、生息環境が

非改変区域や対象事業実施区域の周囲に分布するため、影響は軽

微であると予測される。また、低騒音、低振動型の建設機械を使

用する等の配慮により、影響は低減されると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、両生類等が生息する採餌環境の減少が考え

られるものの、本種は行動圏が広く、非改変区域や対象事業実施

区域の周囲に採餌環境が広く分布するため、影響は軽微であると

予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により生息環境(樹林)の一部が消失するが、生息に

適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に広く分布す

るため、影響は軽微であると予測される。

チョウゲンボ

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の草地環境等が渡り時期の一時的

な利用環境であると推察される。建設機械の稼動に伴う騒音等の

発生等により、忌避行動が生じると考えられるものの、影響は軽

微であると予測される。また、低騒音、低振動型の建設機械を使

用する等の配慮により、影響は低減されると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、ネズミ類や昆虫類が生息する採餌環境の減

少が考えられるものの、本種は行動圏が広く、非改変区域や対象

事業実施区域の周囲に採餌環境が広く分布するため、影響は軽微

であると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により生息環境(草地)の一部が消失するが、生息に

適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に広く分布す

るため、影響は軽微であると予測される。

ハヤブサ

建設機械の稼働

対象事業実施区域及びその周囲の草地環境を広く利用すると推察

される。建設機械の稼動に伴う騒音等の発生等により、忌避行動

が生じると考えられるものの、本種の行動圏は広く、生息環境が

非改変区域や対象事業実施区域の周囲に分布するため、影響は軽

微であると予測される。また、低騒音、低振動型の建設機械を使

用する等の配慮により、影響は低減されると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、小鳥類等が生息する採餌環境の減少が考え

られるものの、本種は行動圏が広く、非改変区域や対象事業実施

区域の周囲に採餌環境が広く分布するため、影響は軽微であると

予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により生息環境(草地)の一部が消失するが、生息に

適した環境が非改変区域や対象事業実施区域の周囲に広く分布す

るため、影響は軽微であると予測される。

10-33

第 10-5 表(14) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

・両生類

重要な種と影響要因との関係(両生類)

種 名

影響要因

建設機械の稼働 造成等の施工による

一時的な影響

敷地の存在(土地の改

変)

トウキョウサンショウウオ △ × ×

アカハライモリ △ × ×

アズマヒキガエル △ △ △

ニホンアカガエル △ △ △

注:影響要因との関係は、以下のとおりである。

×:影響が考えられる △:影響は小さい、または、ほとんどない。 -:影響要因との関係はない

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

トウキョウサ

ンショウウオ

建設機械の稼働

対象事業実施区域の非改変区域及び対象事業実施区域の周囲が主要

な生息地及び繁殖地であると推察される。ロードキルが発生する可

能性があるものの、車両の運用は一時的であり、本種の主要な生息

環境は車両の通行経路から離れているため、影響はほとんどないと

予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域の非改変区域及び対象事業実施区域の周囲の谷

戸環境が主要な生息地であると推察される。造成等の施工に伴う濁

水の排水により、生息地の水質への影響が予測される。なお、濁水

や土砂の流出防止措置を実施することにより、影響は低減されると

予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

施設供用時の濁水発生により、生息地の水質への影響が予測され

る。なお、濁水や土砂の流出防止措置を実施することにより、影響

は低減されると予測される。

アカハライモ

建設機械の稼働

対象事業実施区域の非改変区域が主要な生息地及び繁殖地であると

考えられ、本種の主要な生息環境は建設機械の稼働位置と離れてい

るため、影響はないと予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域の非改変区域及び対象事業実施区域の周囲の谷

戸環境が主要な生息地であると考えられ、造成等により生息環境及

び生息個体が改変されないため、変化は生じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

生息環境及び生息個体は改変されずに残存することから、敷地の存

在による生息環境及び生息状況の変化は生じないと予測される。

10-34

第 10-5 表(15) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

アズマヒキガ

エル

建設機械の稼働

対象事業実施区域の非改変区域及び対象事業実施区域の周囲の水

辺や樹林が主要な生息地であり、繁殖地としても利用していると推

察される。ロードキルが発生する可能性があるものの、車両の運用

は一時的であり、本種の主要な生息環境は車両の通行経路から離れ

ているため、影響は軽微であると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、生息環境(水辺や樹林)の一部が消失する

が、主要な生息地は非改変区域や対象事業実施区域の周囲である

ため、影響は軽微であると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により、生息環境(水辺や樹林)の一部が消失するが、

主要な生息地は非改変区域や対象事業実施区域の周囲であり、影響

は軽微であると予測される。なお、繁殖地として利用されている池

等の水域を残存させる配慮により、影響は低減されると予測される。

ニホンアカガ

エル

建設機械の稼働

対象事業実施区域の周囲の谷戸や水田が主要な生息地であり、繁殖

地としても利用していると推察される。一方、対象事業実施区域に

おいても生息が確認されており、主に成体等の利用環境であると考

えられる。ロードキルが発生する可能性があるものの、車両の運用

は一時的であり、本種の主要な生息環境は車両の通行経路から離れ

ているため、影響は軽微であると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、生息環境(谷戸)の一部が消失するが、主

要な生息地は非改変区域や対象事業実施区域の周囲であるため、

影響は軽微であると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により、生息環境(谷戸)の一部が消失するが、主要な

生息地は非改変区域や対象事業実施区域の周囲であるため、影響は

軽微であると予測される。

・爬虫類

重要な種と影響要因との関係(爬虫類)

種 名

影響要因

建設機械の稼働 造成等の施工による

一時的な影響 敷地の存在(土地の改変)

ヒガシニホントカゲ △ △ △

タカチホヘビ △ △ △

シロマダラ △ △ △

ヒバカリ △ △ △

ヤマカガシ △ △ △

ニホンマムシ △ △ △

注:影響要因との関係は、以下のとおりである。

×:影響が考えられる △:影響は小さい、または、ほとんどない。 -:影響要因との関係はない

10-35

第 10-5 表(16) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

ヒガシニホン

トカゲ

建設機械の稼働

対象事業実施区域の周囲の林縁や耕作地等が主要な生息環境であ

ると考えられる。ロードキルが発生する可能性があるものの、車両

の運用は一時的であり、本種の主要な生息環境は車両の通行経路か

ら離れているため、影響は軽微であると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、昆虫類等が生息する採餌環境の減少が考えら

れるものの、採餌環境が非改変区域及び対象事業実施区域の周囲に

広く分布するため、影響は軽微であると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により生息環境(林縁)の一部が消失するが、確認位置

周辺の樹林環境は大部分が非改変区域であるため、影響は軽微であ

ると予測される。

タカチホヘビ

建設機械の稼働

非改変区域の周囲の樹林が主要な生息環境であると考えられる。ロ

ードキルが発生する可能性があるものの、環境に十分配慮した車両

の運用により生息は保全されると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

主要な生息地は対象事業実施区域の周囲であるため、造成等の施工

による影響はほとんどないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により、生息に適した環境の一部が消失するものの、主

要な生息環境は対象事業実施区域の周囲であるため、影響はほとん

どないと予測される。

シロマダラ

建設機械の稼働

対象事業実施区域の周囲の草地や樹林が主要な生息環境であると

考えられる。ロードキルが発生する可能性があるものの、環境に十

分配慮した車両の運用により生息は保全されると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

主要な生息地は対象事業実施区域の周囲であるため、造成等の施工

による影響はほとんどないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により、生息に適した環境の一部が消失するものの、主

要な生息環境は対象事業実施区域の周囲であるため、影響はほとん

どないと予測される。

ヒバカリ

建設機械の稼働

本種は対象事業実施区域の周囲の樹林や水田等が主要な生息環境

であると考えられる。ロードキルが発生する可能性があるものの、

車両の運用は一時的であり、本種の主要な生息環境は車両の通行経

路から離れているため、影響は軽微であると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、主要

な生息地は非改変区域及び対象事業実施区域の周囲であるため、造

成等の施工による影響はほとんどないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、主要な

生息環境は非改変区域及び対象事業実施区域の周囲であるため、影

響はほとんどないと予測される。

ヤマカガシ

建設機械の稼働

対象事業実施区域の周囲の樹林や水田等が主要な生息環境である

と考えられる。ロードキルが発生する可能性があるものの、車両の

運用は一時的であり、本種の主要な生息環境は車両の通行経路から

離れているため、影響は軽微であると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、主要

な生息地は非改変区域及び対象事業実施区域の周囲であるため、造

成等の施工による影響はほとんどないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、主要な

生息環境は非改変区域及び対象事業実施区域の周囲であるため、影

響はほとんどないと予測される。

10-36

第 10-5 表(17) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

ニホンマムシ

建設機械の稼働

対象事業実施区域の周囲の樹林や水田等が主要な生息環境である

と考えられる。ロードキルが発生する可能性があるものの、車両の

運用は一時的であり、本種の主要な生息環境は車両の通行経路から

離れているため、影響は軽微であると予測される。

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、主要

な生息地は非改変区域及び対象事業実施区域の周囲であるため、造

成等の施工による影響はほとんどないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により、生息環境(樹林)の一部が消失するが、主要な

生息環境は非改変区域及び対象事業実施区域の周囲であるため、影

響はほとんどないと予測される。

・昆虫類

重要な種と影響要因との関係

種 名

影響要因

建設機械の稼働 造成等の施工による

一時的な影響 敷地の存在(土地の改変)

ショウリョウバッタモドキ - △ △

ウラギンスジヒョウモン - △ △

オオムラサキ - △ △

ガムシ - △ △

モンスズメバチ - △ △

ニッポンハナダカバチ - △ △

クロマルハナバチ - △ △

注:影響要因との関係は、以下のとおりである。

×:影響が考えられる △:影響は小さい、または、ほとんどない。 -:影響要因との関係はない

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

ショウリョウ

バッタモドキ

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域とその周囲のチガヤ、ススキ等の生育する草地等

が主要な生息環境であると考えられる。造成等の施工に伴う生息環

境改変や減少により改変区域に生息する個体が影響を受ける可能

性があるものの、本種は移動能力が高く、対象事業実施区域の周囲

にも生息環境が存在するため、その影響は軽微であると予測され

る。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により改変区域に存在するチガヤ、ススキ等の生育する

草地が消失するものの、本種は移動能力が高く、対象事業実施区域

の周囲には生息環境となるチガヤ、ススキ等の生育する草地が残存

しているため、個体群への影響はほとんどないものと予測される。

10-37

第 10-5 表(18) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

ウラギンスジ

ヒョウモン

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域とその周囲の草地と草地に隣接した樹林が主要

な生息環境であると考えられる。造成等の施工に伴う生息環境改変

や減少により改変区域に生息する個体が影響を受ける可能性があ

るものの、本種は移動能力が高く、対象事業実施区域の周囲にも生

息環境が存在するため、その影響は軽微であると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により改変区域に存在する草地と樹林が消失するもの

の、本種は移動能力が高く、対象事業実施区域とその周囲には生息

環境となる草地と草地に隣接した樹林が残存するため、個体群への

影響はほとんどないものと予測される。

オオムラサキ

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域とその周囲のエノキ、コナラなどが生育する落葉

広葉樹林が主要な生息環境であると考えられる。造成等の施工に伴

う生息環境改変や減少により改変区域に生息する個体が影響を受

ける可能性があるものの、本種は移動能力が高く、対象事業実施区

域の周囲にも生息環境が存在するため、その影響は軽微であると予

測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により改変区域に存在する落葉広葉樹林が消失するも

のの対象事業実施区域とその周囲には生息環境となるエノキ、コナ

ラなどが生育する落葉広葉樹林が残存するため、個体群への影響は

ほとんどないものと予測される。

ガムシ

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域とその周囲の止水域が主要な生息地であると考

えられる。造成等の施工により、生息環境の減少が考えられるもの

の、本種は移動能力が高く、対象事業実施区域の周囲にも生息環境

が存在するため、影響はほとんどないものと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

主要な生息環境は対象事業実施区域の周囲であるため影響はほと

んどないものと予測される。

モンスズメバ

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域とその周囲の落葉広葉樹林が主要な生息環境で

あると考えられる。造成等の施工に伴う生息環境改変や減少により

改変区域に生息する個体が影響を受ける可能性があるものの、本種

は移動能力が高く、対象事業実施区域の周囲にも生息環境が存在す

るため、その影響は軽微であると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により改変区域に存在する落葉広葉樹林が消失するも

のの対象事業実施区域とその周囲には生息環境となる落葉広葉樹

林が残存するため、個体群への影響はほとんどないものと予測され

る。

ニッポンハナ

ダカバチ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工に伴う砂地の改変により、改変区域に存在する砂地が

消失する可能性があるものの、対象事業実施区域とその周囲には生

息環境となる砂地が残存するため、個体群への影響はほとんどない

ものと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により改変区域に存在する砂地が消失する可能性があ

るものの、対象事業実施区域とその周囲には生息環境となる砂地が

残存するため、個体群への影響はほとんどないものと予測される。

10-38

第 10-5 表(19) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

クロマルハナ

バチ

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域とその周囲の草地や樹林が主要な生息環境であ

ると考えられる。造成等の施工に伴う生息環境改変や減少により改

変区域に生息する個体が影響を受ける可能性があるものの、本種は

移動能力が高く、対象事業実施区域の周囲にも生息環境が存在する

ため、その影響は軽微であると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により改変区域に存在する草地や樹林が消失するもの

の対象事業実施区域とその周囲には生息環境となる落葉広葉樹林

が残存するため、個体群への影響はほとんどないものと予測され

る。

・魚類

重要な種と影響要因との関係

種 名

影響要因

建設機械の稼働 造成等の施工による

一時的な影響 敷地の存在(土地の改変)

ニホンウナギ - △ △

ドジョウ - △ △

ギバチ - △ △

ミナミメダカ - △ △

ウツセミカジカ - △ △

オオヨシノボリ - △ △

注:影響要因との関係は、以下のとおりである。

×:影響が考えられる △:影響は小さい、または、ほとんどない。 -:影響要因との関係はない

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

ニホンウナギ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工に伴い濁水の排水が考えられるものの、濁水や土砂の

流出防止措置を実施することにより、影響は低減されると予測され

る。

敷地の存在(土地の改

変)

周辺の地形や対象事業実施区域との位置関係から、施設供用時にお

ける生息地の水質等は変化しないと考えられるため影響はほとん

どないと予測される。

また、本種の生息地は対象事業実施区域の周囲の河川等であり、土

地の改変による影響は予測されない。なお、濁水や土砂の流出防止

措置を実施することにより、影響は低減されると予測される。

ドジョウ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工に伴い濁水の排水が考えられるものの、濁水や土砂の

流出防止措置を実施することにより、影響は低減されると予測され

る。

敷地の存在(土地の改

変)

周辺の地形や対象事業実施区域との位置関係から、施設供用時にお

ける生息地の水質等は変化しないと考えられるため影響はほとん

どないと予測される。

また、本種の生息地は対象事業実施区域の周囲の河川等であり、土

地の改変による影響は予測されない。なお、濁水や土砂の流出防止

措置を実施することにより、影響は低減されると予測される。

10-39

第 10-5 表(20) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

ギバチ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工に伴い濁水の排水が考えられるものの、濁水や土砂の

流出防止措置を実施することにより、影響は低減されると予測され

る。

敷地の存在(土地の改

変)

周辺の地形や対象事業実施区域との位置関係から、施設供用時にお

ける生息地の水質等は変化しないと考えられるため影響はほとん

どないと予測される。

また、本種の生息地は対象事業実施区域の周囲の河川等であり、土

地の改変による影響は予測されない。なお、濁水や土砂の流出防止

措置を実施することにより、影響は低減されると予測される。

ミナミメダカ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工に伴い濁水の排水が考えられるものの、濁水や土砂の

流出防止措置を実施することにより、影響は低減されると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

周辺の地形や対象事業実施区域との位置関係から、施設供用時にお

ける生息地の水質等は変化しないと考えられるため影響はほとん

どないと予測される。

また、本種の生息地は対象事業実施区域の周囲の河川等であり、土

地の改変による影響は予測されない。なお、濁水や土砂の流出防止

措置を実施することにより、影響は低減されると予測される。

ウツセミカジ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工に伴い濁水の排水が考えられるものの、濁水や土砂の

流出防止措置を実施することにより、影響は低減されると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

周辺の地形や対象事業実施区域との位置関係から、施設供用時にお

ける生息地の水質等は変化しないと考えられるため影響はほとん

どないと予測される。

また、本種の生息地は対象事業実施区域の周囲の河川等であり、土

地の改変による影響は予測されない。なお、濁水や土砂の流出防止

措置を実施することにより、影響は低減されると予測される。

オオヨシノボ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工に伴い濁水の排水が考えられるものの、濁水や土砂の

流出防止措置を実施することにより、影響は低減されると予測され

る。

敷地の存在(土地の改

変)

周辺の地形や対象事業実施区域との位置関係から、施設供用時にお

ける生息地の水質等は変化しないと考えられるため影響はほとん

どないと予測される。

また、本種の生息地は対象事業実施区域の周囲の河川等であり、土

地の改変による影響は予測されない。なお、濁水や土砂の流出防止

措置を実施することにより、影響は低減されると予測される。

・底生生物

重要な種と影響要因との関係(底生生物)

種 名

影響要因

建設機械の稼働 造成等の施工による

一時的な影響 敷地の存在(土地の改変)

ハネビロエゾトンボ - △ △

コオイムシ - △ △

コオナガミズスマシ - △ △

ケスジドロムシ - △ △

注:影響要因との関係は、以下のとおりである。

×:影響が考えられる △:影響は小さい、または、ほとんどない。 -:影響要因との関係はない

10-40

第 10-5 表(21) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

ハネビロエゾ

トンボ

造成等の施工による

一時的な影響

改変区域及び対象事業実施区域の周囲の池や細流が主要な生息地

であると考えられる。確認された生息環境は、非改変区域や対象事

業実施区域の周囲にも存在することから影響は影響はほとんどな

いと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により生息環境(池や細流)の一部が消失するものの、

主要な生息環境は対象事業実施区域の非改変区域や対象事業実施

区域の周囲であるため、影響はほとんどないと予測される。

コオイムシ

造成等の施工による

一時的な影響

非改変区域及び対象事業実施区域の周囲の水田や池沼などの止水

域や細流が主要な生息地であると考えられ、生息環境となる水域

は、非改変区域や対象事業実施区域の周囲にも存在することから影

響は軽微であると予測される。また、造成等の施工に伴い濁水の排

水が考えられるものの、濁水や土砂の流出防止措置を実施すること

により、影響は低減されると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

土地の改変により生息環境(止水域や細流)の一部が消失するもの

の、主要な生息環境は対象事業実施区域の非改変区域や対象事業実

施区域の周囲であるため、影響はほとんどないと予測される。

コオナガミズ

スマシ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工に伴い濁水の排水が考えられるものの、濁水や土砂の

流出防止措置を実施することにより、影響は低減されると予測され

る。

敷地の存在(土地の改

変)

周辺の地形や対象事業実施区域との位置関係から、施設供用時にお

ける生息地の水質等は変化しないと考えられるため影響はほとん

どないと予測される。

また、本種の生息地は対象事業実施区域の周囲の河川等であり、土

地の改変による影響は予測されない。なお、濁水や土砂の流出防止

措置を実施することにより、影響は低減されると予測される。

ケスジドロム

造成等の施工による

一時的な影響

造成等の施工に伴い濁水の排水が考えられるものの、濁水や土砂の

流出防止措置を実施することにより、影響は低減されると予測され

る。

敷地の存在(土地の改

変)

周辺の地形や対象事業実施区域との位置関係から、施設供用時にお

ける生息地の水質等は変化しないと考えられるため影響はほとん

どないと予測される。

また、本種の生息地は対象事業実施区域の周囲の河川等であり、土

地の改変による影響は予測されない。なお、濁水や土砂の流出防止

措置を実施することにより、影響は低減されると予測される。

10-41

第 10-5 表(22) 調査、予測及び評価の結果の概要(動物)

環境保全措置

【建設機械の稼働、造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の改変)】

・残置森林及び草地を確保するとともに、樹木伐採を必要最小限に留めることにより、可能な限り動物の生息環境

の保全に努める。

・対象事業実施区域内の流域は変更せず、調節池からの許容放流量を確保し、周辺の水系への排水状況を現状と変

更しないことにより、可能な限り動物の生息環境の保全に努める。

・低騒音、低振動型の建設機械の採用をすることにより、可能な限り動物の生息環境の保全に努める。

・改変区域の樹林のうち重要な種の利用が考えられると判断した範囲については、造巣期前に伐採を行う。

・今後新たに行う希少動物調査により営巣地が確認され、工事区域がその営巣地近傍に含まれる場合は繁殖期にお

ける対象範囲の工事を中止するとともに、行動圏に含まれる工事区域については、営巣地との位置関係、工事内

容等を踏まえてコンディショニングを実施する。

・太陽光パネル設置範囲と樹林との間の草地において、除草剤の使用を避けたり、減らしたりすることにより、餌

となる土壌生物への影響を低減する。

・太陽光パネル設置範囲と樹林との間の草地の草刈りにおいて、刈りとった草を樹林側に寄せて残置することによ

り、餌となる土壌生物が増加するようにする。

・草刈りの際の環境保全措置を作業マニュアルに記載し、草刈り作業実施者へ周知する。

・改変区域で確認された重要な種については、非改変区域及び対象事業実施区域の周囲の生息状況を確認し、必要

に応じて適切な環境保全措置を講じる。

評価結果

【造成等の施工による一時的な影響】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、建設機械の稼働、造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の

改変)に伴う動物への環境影響は小さいと考えられることから、実行可能な範囲内で回避・低減が図られているもの

と評価する。

10-42

第 10-6 表(1) 調査、予測及び評価の結果の概要(植物)

調査結果

【資料調査】

いわき市の植物は、174 科 2,233 種が確認された。

【現地調査】

・植物相

植物は、128 科 693 種(対象事業実施区域内 109 科 524 種、対象事業実施区域の周囲 123 科 581 種)が確認された。

植物分類群別確認種数

分類群

調査区域

主な現地調査の確認種 対象事業

実施区域

対象事業

実施区域

の周囲

調査範囲

全体

科数 種数 科数 種数 科数 種数

シダ植物 14 42 14 46 16 55

スギナ、ゼンマイ、ワラビ、オオバノイノ

モトソウ、ベニシダ、イワシロイノデ、ミ

ゾシダ、イヌワラビ等

種子植物

裸子植物 7 14 7 10 7 14 モミ、アカマツ、スギ、ヒノキ、イヌガヤ

被子植物

双子葉類

離弁花類 54 235 59 246 62 298

バッコヤナギ、イヌシデ、クリ、コナラ、

エノキ、イタドリ、クロモジ、キクザキイ

チゲ、イカリソウ、ヤブツバキ、タネツケ

バナ、タマアジサイ、カスミザクラ、ネム

ノキ、カタバミ、サンショウ、ヤマウル

シ、オオモミジ、イヌツゲ、タチツボスミ

レ、アオキ、コシアブラ、セリ等

合弁花類 23 115 26 129 26 156

イチヤクソウ、ヤマツツジ、ヤブコウジ、

オカトラノオ、エゴノキ、マルバアオダ

モ、テイカカズラ、ムラサキシキブ、ホト

ケノザ、オオバコ、ニワトコ、ツリガネニ

ンジン、ヨモギ、ノアザミ、セイヨウタン

ポポ等

単子葉類 11 118 17 150 17 170

チゴユリ、カタクリ、ヤブラン、シャガ、

スズメノヤリ、ツユクサ、アズマザサ、ス

スキ、ヨシ、シバ、カントウマムシグサ、

クロカワズスゲ、ショウジョウスゲ、アオ

スゲ、シュンラン、ネジバナ等

合 計 109 科 524 種 123 科 581 種 128 科 693 種

【重要な種】

・重要な種

重要な種は、資料調査では 430 種、現地調査では 25 種が確認された。

10-43

第 10-6 表(2) 調査、予測及び評価の結果の概要(植物)

調査結果

重要な種の確認状況(植物)(1)

種 名

確認位置

確認状況

重要種選定根拠

対象事業

実施区域 対象事業

実施区域

の周囲

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

改変

区域

非改変

区域

マツバラン ○ マツバランは、対象事業実施区域において春

季に 1 地点で 7 個体が確認された。生育環境

は竹林内であった。

Ⅳ:準絶滅危惧

Ⅴ:絶滅危惧ⅠA 類

オオクジャクシダ ○

オオクジャクシダは、対象事業実施区域にお

いて夏季に 1 地点で 2 個体が確認された。生

育環境は谷の竹林内であった。

Ⅴ:準絶滅危惧

オオベニシダ ○ ○ ○

オオベニシダは、対象事業実施区域において

早春季に 5 地点で 7 個体が、春季に 1 地点で

1 個体が、夏季に 3 地点で 7 個体が確認され

た。また、対象事業実施区域周辺において早

春季に 2 地点で 7 個体が、春季に 3 地点で 4

個体が、夏季に 1 地点で 1 個体が確認された。

生育環境は樹林内や林縁であった。

Ⅴ:準絶滅危惧

ヒノキ ○ ○ ○

ヒノキは、対象事業実施区域において早春季

に 7 地点で 98 個体が、春季に 4 地点で 16 個

体が、夏季に 4 地点で 53 個体が確認された。

また、対象事業実施区域周辺において早春季

に 4 地点で 190 個体が、春季に 3 地点で 95 個

体が、夏季に 1 地点で 1 個体が確認されたほ

か、広範囲で確認された。確認されたものは、

植栽または逸出個体であった。

Ⅴ:準絶滅危惧

サネカズラ ○ ○

サネカズラは、対象事業実施区域において早

春季に 4 地点で 13 個体が、夏季に 1 地点で 1

個体が確認された。また、対象事業実施区域

周辺において早春季に 2 地点で 2 個体が、春

季に 1 地点で 1 個体が、夏季に 1 地点で 3 個

体が確認された。生育環境は樹林内や林縁で

あった。

Ⅴ:準絶滅危惧

ムベ ○ ○

ムベは、対象事業実施区域において夏季に1地点

で2個体が確認された。また、対象事業実施区域

周辺において春季に 1 地点で 1 個体が確認され

た。生育環境は林縁や竹林内であった。

Ⅴ:情報不足

ツヅラフジ ○ ○

ツヅラフジは、対象事業実施区域において春

季に 1 地点で 10 個体が、夏季に 2 地点で 26

個体が確認された。生育環境はスギ植林内や

林縁部であった。

Ⅴ:準絶滅危惧

ナガミノツルキケマン ○ ○

ナガミノツルキケマンは、対象事業実施区域

において夏季に 2 地点で 21 個体が確認され

た。また、対象事業実施区域周辺において夏

季に 1 地点で 20 個体が確認された。生育環境

はやや湿った林縁や竹林であった。

Ⅳ:準絶滅危惧

ムカゴネコノメ ○ ムカゴネコノメは、対象事業実施区域におい

て早春季に 2 地点で 80 個体が確認された。生

育環境は谷底部のスギ植林内であった。

Ⅳ:準絶滅危惧

シャリンバイ ○ シャリンバイは、対象事業実施区域において

早春季に 1 地点で 1 個体が確認された。確認

されたものは、植栽または逸出個体であった。

Ⅳ:絶滅危惧ⅠB 類

10-44

10-6 表(3) 調査、予測及び評価の結果の概要(植物)

調査結果

重要な種の確認状況(植物)(2)

種 名

確認位置

確認状況

重要種選定根拠

対象事業

実施区域 対象事業

実施区域

の周囲

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

改変

区域

非改変

区域

マンリョウ ○ ○ ○

マンリョウは、対象事業実施区域において早

春季に 8 地点で 25 個体が、春季に 3 地点で 3

個体が、夏季に 3 地点で 26 個体が確認され

た。また、対象事業実施区域周辺において早

春季に 1 地点で 2 個体が、春季に 6 地点で 12

個体が確認された。生育環境は樹林内や林縁

であった。

Ⅴ:情報不足

カラタチバナ ○

カラタチバナは、対象事業実施区域周辺にお

いて早春季に 1 地点で 1 個体が、夏季に 1 地

点で 1 個体が確認された。生育環境はコナラ

林内やスギ植林内であった。

Ⅴ:準絶滅危惧

ヒイラギ ○ ○

ヒイラギは、対象事業実施区域において早春

季に 11 地点で 23 個体が、春季に 14 地点で 18

個体が、夏季に 9 地点で 19 個体が確認され

た。また、対象事業実施区域周辺において早

春季に 4 地点で 5 個体が、春季に 4 地点で 5

個体が、夏季に 1 地点で 1 個体が確認された。

生育環境は樹林内や林縁であった。

Ⅴ:準絶滅危惧

ヤナギタンポポ ○

ヤナギタンポポは、対象事業実施区域におい

て夏季に 1 地点で 5 個体が確認された。生育

環境はアカマツ林であった。

Ⅴ:絶滅危惧Ⅱ類

ノニガナ ○ ノニガナは、対象事業実施区域において春季

に 1 地点で 1 個体が確認された。生育環境は

路傍の低茎草地であった。

Ⅴ:絶滅危惧ⅠB 類

コオニタビラコ ○

コオニタビラコは、対象事業実施区域の周囲

において早春季に 2 地点で 22 個体が、春季に

1 地点で 5 個体が確認された。生育環境は水

田であった。

Ⅴ:絶滅危惧Ⅱ類

ウリカワ ○

ウリカワは、対象事業実施区域周辺において

夏季に 2 地点で 100 個体が確認された。生育

環境は水田であった。

Ⅴ:絶滅危惧ⅠB 類

イトモ ○

イトモは、対象事業実施区域周辺において夏

季に 1 地点で 500 個体が確認された。生育環

境は池であった。

Ⅳ:準絶滅危惧

Ⅴ:準絶滅危惧

ミクリ ○

ミクリは、対象事業実施区域周辺において夏

季に 1 地点で 100 個体が確認された。生育環

境は池の縁であった。

Ⅳ:準絶滅危惧

Ⅴ:準絶滅危惧

ノゲヌカスゲ ○ ○

ノゲヌカスゲは、対象事業実施区域において

春季に 2 地点で 3 個体が確認された。また、

対象事業実施区域の周囲において春季に 1 地

点で 1 個体が確認された。生育環境は路傍の

低茎草地などであった。

Ⅴ:絶滅危惧Ⅱ類

モエギスゲ ○ モエギスゲは、対象事業実施区域において春

季に 2 地点で 20 個体が確認された。生育環境

は明るいアカマツ林内などであった。

Ⅴ:絶滅危惧Ⅱ類

ギンラン ○

ギンランは、対象事業実施区域周辺において

春季に 1 地点で 10 個体が、夏季に 1 地点で 1

個体が確認された。生育環境はスギ・ヒノキ

植林内であった。

Ⅴ:準絶滅危惧

10-45

第 10-6 表(4) 調査、予測及び評価の結果の概要(植物)

調査結果

重要な種の確認状況(植物)(3)

種 名

確認位置

確認状況

重要種選定根拠

対象事業

実施区域 対象事業

実施区域

の周囲

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

改変

区域

非改変

区域

キンラン ○ ○

キンランは、対象事業実施区域において春季

に 5 地点で 28 個体が確認された。また、対象

事業実施区域の周囲において春季に 3 地点で

17 個体が確認された。生育環境は主にコナラ

林内であった。

Ⅳ:絶滅危惧Ⅱ類

アケボノシュスラン ○

アケボノシュスランは、対象事業実施区域に

おいて早春季に 1 地点で 1 個体が、春季に 1

地点で 3 個体が確認された。生育環境は谷底

部のスギ植林内であった。

Ⅴ:準絶滅危惧

カヤラン ○ ○

カヤランは、対象事業実施区域において春季

に 1 地点で 50 個体が確認された。また、対象

事業実施区域の周囲において早春季に 1 地点

で 8 個体が確認された。確認されたものは、

ウメなどの樹木に着生したものであった。

Ⅴ:準絶滅危惧

注:1. 種名、配列は、「植物目録 1987」(環境庁、昭和 63 年 12 月)に準拠した。

2.重要種の選定基準とそのカテゴリーは以下に示す通りである。

Ⅰ:「文化財保護法」(昭和 25 年 法律第 214 号)並びに県及び市の文化財保護条例

特天:特別天然記念物 国天:国指定天然記念物 県天:県指定天然記念物 市天:市指定天然記念物

Ⅱ:「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(平成 4 年 法律第 75 号)

国際: 国際希少野生動植物種 国内:国内希少野生動植物種

Ⅲ:「福島県野生動植物の保護に関する条例」(平成 16 年 福島県条例第 23 号)

県特:特定希少野生動植物

Ⅳ:「環境省レッドリスト 2019 の公表について」(平成 31 年 1 月 24 日 環境省報道発表資料)

絶滅 絶滅危惧ⅠA 類 絶滅危惧ⅠB 類 絶滅危惧Ⅱ類 準絶滅危惧 情報不足

Ⅴ:「ふくしまレッドリスト 2018 年版」(平成 31 年 3 月 福島県生活環境部自然保護課)

絶滅 絶滅危惧Ⅰ類 絶滅危惧Ⅱ類 準絶滅危惧 情報不足 絶滅のおそれのある地域個体群

10-46

第 10-6 表(5) 調査、予測及び評価の結果の概要(植物)

予測結果

【造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の改変)】

重要な種と影響要因との関係

種 名 影響要因

造成等の施工による一時的な影響 敷地の存在(土地の改変)

マツバラン - -

オオクジャクシダ - -

オオベニシダ △ △

ヒノキ - -

サネカズラ - -

ムベ - -

ツヅラフジ △ △

ナガミノツルキケマン - -

ムカゴネコノメ - -

シャリンバイ - -

マンリョウ △ △

カラタチバナ - -

ヒイラギ - -

ヤナギタンポポ × △

ノニガナ - -

コオニタビラコ - -

ウリカワ - -

イトモ - -

ミクリ - -

ノゲヌカスゲ - -

モエギスゲ × △

ギンラン - -

キンラン - -

アケボノシュスラン - -

カヤラン × △

注:影響要因との関係は、以下のとおりである。

×:影響が考えられる △:影響は小さい、または、ほとんどない。 -:影響要因との関係はない

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

マツバラン

造成等の施工による

一時的な影響

造成等により生育環境及び生育個体が改変されないため、変化は生

じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

生育環境及び生育個体は改変されずに残存することから、敷地の存

在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

オオクジャク

シダ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等により生育環境及び生育個体が改変されないため、変化は生

じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

生育環境及び生育個体は改変されずに残存することから、敷地の存

在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

10-47

第 10-6 表(6) 調査、予測及び評価の結果の概要(植物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

オオベニシダ

造成等の施工による

一時的な影響

改変区域の 2 か所 2 個体(10.5%)は造成等により消失すると考え

られるが、非改変区域の 4 か所 6 個体が保全措置により残置とさ

れるなど全体で 17 個体(89.5%)が残存することから、影響は軽

微と予測される。また、工事関係者等による生育地への過度な立ち

入りを制限することで、影響を低減できると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

改変域の生育環境及び生育個体が消失するが、残置される生育環境

及び生育個体が残存することから、敷地の存在による影響は小さい

と予測される。

ヒノキ

造成等の施工による

一時的な影響

改変区域の 5 か所 37 個体(9.3%)は造成等により消失すると考え

られるが、非改変区域の 6 か所 77 個体が保全措置により残置とさ

れるなど全体で 362 個体(90.7%)が残存することから、影響は軽

微と予測される。また、工事関係者等による生育地への過度な立ち

入りを制限することで、影響を低減できると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

改変域の生育環境及び生育個体が消失するが、非改変区域に生育環

境及び生育個体が残存することから、敷地の存在による影響は小さ

いと予測される。

サネカズラ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等により生育環境及び生育個体が改変されないため、変化は生

じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

生育環境及び生育個体は改変されずに残存することから、敷地の存

在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

ムベ

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域の周囲において確認されており、造成等による生

育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

対象事業実施区域の周囲の生育環境及び生育個体が残存すること

から、敷地の存在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと

予測される。

ツヅラフジ

造成等の施工による

一時的な影響

改変区域の 1 か所 10 個体(100.0%)は造成等により消失する。な

お、保全措置として非改変区域へ移植を行うことから影響は低減す

ると予測される。また、工事関係者等による生育地への過度な立ち

入りを制限することで、影響を低減できると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

改変区域の生育環境は消失するが、個体移植により保全措置を行う

ことから、敷地の存在による影響は小さいと考えられる。

ナガミノツル

キケマン

造成等の施工による

一時的な影響

造成等により生育環境及び生育個体が改変されないため、変化は生

じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

生育環境及び生育個体は改変されずに残存することから、敷地の存

在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

ムカゴネコノ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等により生育環境及び生育個体が改変されないため、変化は生

じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

生育環境及び生育個体は改変されずに残存することから、敷地の存

在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

シャリンバイ

造成等の施工による

一時的な影響

今回改変区域で確認されたものは植栽または逸出個体であったた

め、影響予測は行わない。

敷地の存在(土地の改

変)

今回改変区域で確認されたものは植栽または逸出個体であったた

め、影響予測は行わない。

10-48

第 10-6 表(7) 調査、予測及び評価の結果の概要(植物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

マンリョウ

造成等の施工による

一時的な影響

改変区域の 1 か所 1 個体(2.4%)は造成等により消失すると考え

られるが、非改変区域の 10 か所 24 個体が保全措置により残置とさ

れるなど全体で 41 個体(97.6%)が残存することから、影響は軽

微と予測される。また、工事関係者等による生育地への過度な立ち

入りを制限することで、影響を低減できると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

改変域の生育環境及び生育個体が消失するが、非改変区域の生育環

境及び生育個体が残存することから、敷地の存在による影響は小さ

いと予測される。

カラタチバナ

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域の周囲において確認されており、造成等による生

育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

対象事業実施区域の周囲の生育環境及び生育個体が残存すること

から、敷地の存在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと

予測される。

ヒイラギ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等により生育環境及び生育個体が改変されないため、変化は生

じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

生育環境及び生育個体は改変されずに残存することから、敷地の存

在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

ノニガナ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等により生育環境及び生育個体が改変されないため、変化は生

じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

生育環境及び生育個体は改変されずに残存することから、敷地の存

在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

ヤナギタンポ

造成等の施工による

一時的な影響

改変区域の 1 か所 5 個体(100%)は造成等により消失すると考えら

れるが、保全措置として非改変区域へ移植を行うことから影響は回

避されると予測される。また、工事関係者等による生育地への過度

な立ち入りを制限することで、影響を低減できると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

改変区域の生育環境は消失するが、個体移植により保全措置を行う

ことから、敷地の存在による影響は小さいと考えられる。

コオニタビラ

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域の周囲において確認されており、造成等による生

育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

対象事業実施区域の周囲の生育環境及び生育個体が残存すること

から、敷地の存在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと

予測される。

ウリカワ

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域の周囲において確認されており、造成等による生

育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

対象事業実施区域の周囲の生育環境及び生育個体が残存すること

から、敷地の存在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと

予測される。

イトモ

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域の周囲において確認されており、造成等による生

育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

対象事業実施区域の周囲の生育環境及び生育個体が残存すること

から、敷地の存在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと

予測される。

ミクリ

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域の周囲において確認されており、造成等による生

育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

対象事業実施区域の周囲の生育環境及び生育個体が残存すること

から、敷地の存在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと

予測される。

10-49

第 10-6 表(8) 調査、予測及び評価の結果の概要(植物)

予測結果

重要な種の影響予測

種 名 影響要因 内 容

ノゲヌカスゲ

造成等の施工による

一時的な影響

造成等により生育環境及び生育個体が改変されないため、変化は生

じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

生育環境及び生育個体は改変されずに残存することから、敷地の存

在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

モエギスゲ

造成等の施工による

一時的な影響

改変区域の 2 か所 20 個体(100.0%)は造成等により消失する。な

お、保全措置として非改変区域へ移植を行うことから影響は低減す

ると予測される。また、工事関係者等による生育地への過度な立ち

入りを制限することで、影響を低減できると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

改変区域の生育環境は消失するが、個体移植により保全措置を行う

ことから、敷地の存在による影響は小さいと考えられる。

ギンラン

造成等の施工による

一時的な影響

対象事業実施区域の周囲において確認されており、造成等による生

育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

対象事業実施区域の周囲の生育環境及び生育個体が残存すること

から、敷地の存在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと

予測される。

キンラン

造成等の施工による

一時的な影響

造成等により生育環境及び生育個体が改変されないため、変化は生

じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

生育環境及び生育個体は改変されずに残存することから、敷地の存

在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

アケボノシュ

スラン

造成等の施工による

一時的な影響

造成等により生育環境及び生育個体が改変されないため、変化は生

じないと予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

生育環境及び生育個体は改変されずに残存することから、敷地の存

在による生育環境及び生育状況の変化は生じないと予測される。

カヤラン

造成等の施工による

一時的な影響

改変区域の 1 か所 50 個体(86.2%)は造成等により消失する。な

お、保全措置として非改変区域へ移植を行うこと、対象事業実施区

域の周囲に 8 個体(13.8%)が残存することから、影響は低減する

と予測される。また、工事関係者等による生育地への過度な立ち入

りを制限することで、影響を低減できると予測される。

敷地の存在(土地の改

変)

改変区域の生育環境は消失するが、個体移植により保全措置を行う

こと、対象事業実施区域の周囲の生育環境及び生育個体が残存する

ことから、敷地の存在による影響は小さいと考えられる。

環境保全措置

【造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の改変)】

・残置森林及び草地を確保するとともに、樹木伐採を必要最小限に留めることにより、可能な限り植物の生育環境

の保全に努める。

・改変区域で確認された重要種については、非改変区域及び対象事業実施区域の周囲の生育状況を確認し、必要に

応じて適切な環境保全措置を講じる。

評価結果

【造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の改変)】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の改変)に伴う植物

への環境影響は小さいと考えられることから、実行可能な範囲内で回避・低減が図られているものと評価する。

10-50

第 10-7 表(1) 調査、予測及び評価の結果の概要(生態系)

調査結果

・生態系に係る環境要素の概況

項 目 概 況

地形 対象事業実施区域及びその周囲は丘陵地となっており、対象事業実施区域は西側にかけ

て標高が高く、対象事業実施区域の敷地境界には沢地や斜面がある。

表層地質 対象事業実施区域は、人工改変地であり、表層地質は主に泥岩である。周囲には乾性褐色

森林土壌や黄色土壌等が分布している。

水系 対象事業実施区域の北に好間川、南に新川がある。また、沢に沿った水路が田畑、住宅街

を経て河川へ注いでいる。

植生及び土地利用 対象事業実施区域の周囲の状況について、北側は樹林、工場と田畑が存在し、南側と東側

は樹林と住宅街、西側は樹林と畑地が広がっている。

・環境類型区分

環境類型区分 特 徴

樹林 コナラ群落、アカマツ群落、ハリエンジュ群落、スギ・ヒノキ植林、竹林、先駆性低木群落、

アズマネザサ群落等から成る。主に対象事業実施区域境界から周囲に広がるほか、周囲の丘

陵地にみられる。

草地 セイタカアワダチソウ群落、ゴルフ場・芝地、放棄水田雑草群落等から成る。主に対象事業

実施区域中央部に広がるほか、丘陵地から平地にかけてみられる。

耕作地 樹園地、畑雑草群落、水田雑草群落等の耕作地から成る。主に丘陵地から平地にかけてみら

れる。

市街地等 市街地・建ぺい地、自然裸地等から成る。植生が少なく、人による影響が多い区分である。

主に平地にみられる。

水域・湿生草地 ヨシ群落、ミゾソバ群落、開放水面等から成る。主に丘陵地から平地にかけてみられる。

・動植物の概要(文献その他の資料調査)

項 目 現地調査

哺 乳 類 アズマモグラ、キクガシラコウモリ、ニホンザル、ノウサギ、タヌキ、イタチ等 11 種

鳥 類 キジ、コガモ、キジバト、ダイサギ、カモメ、オオタカ、カワセミ、ハヤブサ、ハシボソガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、カワラヒワ等 296 種

両 生 類 トウキョウサンショウウオ、アカハライモリ、ニホンアマガエル、ヤマアカガエル等 15 種

爬 虫 類 クサガメ、ニホンカナヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシ、ニホンマムシ等 15 種

昆 虫 類

シオカラトンボ、カマキリ、カワラバッタ、アブラゼミ、シロヘリカメムシ、オオアメンボ、ウスバカゲロウ、ウラナミシジミ、アオスジアゲハ、モンキチョウ、オサムシモドキ、カワラハンミョウ、コクワガタ、カブトムシ、タマムシ、オオキノコムシ、ゴマダラカミキリ、オオルリハムシ、クロオオアリ、ヤマトアシナガバチ等 1,023 種

魚 類 ニホンウナギ、コイ、ギンブナ、モツゴ、ドジョウ、ミナミメダカ、マハゼ等 97 種

底生生物 カワニナ、モノアラガイ、ヌマエビ、テナガエビ、サワガニ、モクズガニ等 32 種

植 物 相

スギナ、ゼンマイ、ベニシダ、ミゾシダ、モミ、スギ、タチヤナギ、スダジイ、コナラ、エノキ、ミゾソバ、ホオノキ、ニリンソウ、ヤブツバキ、スカシタゴボウ、ヤマザクラ、フジ、イロハモミジ、マユミ、スミレ、ヒシ、アオキ、コシアブラ、セリ、ヤマツツジ、フデリンドウ、テイカカズラ、アカネ、ヒルガオ、ムラサキシキブ、カキドオシ、イガホオズキ、アゼナ、ナンバンギセル、オオバコ、ヤマウグイスカグラ、ホタルブクロ、ヨモギ、セイタカワダチソウ、オモダカ、ササバモ、カタクリ、イ、ツユクサ、ススキ、ヨシ、ガマ、カサスゲ、イガガヤツリ、エビネ、キンラン等 2,233 種

植 生 ヤブコウジ-スダジイ群集、クリ-コナラ群集、クヌギ-コナラ群集、アカマツ群落、ススキ群団、ヨシクラス、スギ・ヒノキ・サワラ植林、水田雑草群落、市街地等

10-51

第 10-7 表(2) 調査、予測及び評価の結果の概要(生態系)

調査結果

・動植物の概要(現地調査)

項 目 現地調査

哺 乳 類 アズマモグラ、ノウサギ、ムササビ、アカネズミ、タヌキ、ハクビシン等 12 種

鳥 類 キジバト、アオサギ、ダイサギ、オオタカ、ノスリ、フクロウ、コゲラ、ハシボソガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、スズメ等 58 種

両 生 類 トウキョウサンショウウオ、ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、シュレーゲルアオガエル等 7 種

爬 虫 類 ヒガシニホントカゲ、ニホンカナヘビ、アオダイショウ、ヒバカリ、ヤマカガシ等 9 種

昆 虫 類

クロイトトンボ、クロスジギンヤンマ、サラサヤンマ、ヤマトゴキブリ、モリチャバネゴキブリ、ヒゲジロハサミムシ、コブハサミムシ、コロギス、シブイロカヤキリ、ナキイナゴ、ナナフシモドキ、アザミウマ目の一種、マルウンカ、ツマグロオオヨコバイ、メンガタカスミカメ、ラクダムシ、ヤマトシリアゲ、ニンギョウトビケラ、ウラギンヒョウモン、キタキチョウ、フタオビモンメイガ、ナミマガリケムシヒキ、ホソヒメヒラタアブ、オオヒラタシデムシ、クシコメツキ、セボシジョウカイ、トビイロシワアリ、キオビツヤハナバチ、セイヨウミツバチ等 831 種

魚 類 ニホンウナギ、コイ、モツゴ、キバチ、ミナミメダカ、ボラ、ウキゴリ等 20 種

底生生物 ナミウズムシ、カワニナ、サカマキガイ、シマイシビル、ヌマエビ、スジエビ、アメリカザリガニ、モクズガニ、シロハラコカゲロウ、アメンボ等 154 種

植 物 相

スギナ、ゼンマイ、ワラビ、オオバノイノモトソウ、ベニシダ、イワシロイノデ、ミゾシダ、モミ、アカマツ、ヒノキ、イヌガヤ、バッコヤナギ、イヌシデ、クリ、コナラ、エノキ、イタドリ、クロモジ、キクザキイチゲ、イカリソウ、ヤブツバキ、タネツケバナ、タマアジサイ、カスミザクラ、ネムノキ、カタバミ、サンショウ、ヤマウルシ、オオモミジ、イヌツゲ、タチツボスミレ、アオキ、コシアブラ、セリ、イチヤクソウ、ヤマツツジ、ヤブコウジ、オカトラノオ、エゴノキ、マルバアオダモ、テイカカズラ、ムラサキシキブ、オオバコ、ニワトコ、ツリガネニンジン、ヨモギ、ノアザミ、セイヨウタンポポ、チゴユリ、カタクリ、ヤブラン、スズメノヤリ、ツユクサ、アズマザサ、ススキ、ヨシ、カントウマムシグサ、クロカワズスゲ、ショウジョウスゲ、アオスゲ、シュンラン、ネジバナ等 693 種

植 生 コナラ群落、アカマツ群落、スギ・ヒノキ植林、竹林、先駆性低木群落、アズマネザサ群落、セイタカアワダチソウ群落、ゴルフ場・芝地、樹園地、畑雑草群落、水田雑草群落、市街地・建ぺい地、開放水面等

10-53

第 10-7 表(4) 調査、予測及び評価の結果の概要(生態系)

調査結果

・注目種

注目種の候補及び選定に当たっての検討結果

種名 理由 選定

上位性 ノスリ 対象事業実施区域西側において営巣地が確認されている。また、対象事業

実施区域に及びその周辺において生息する上位性種の中でも確認回数が多か

った。

元ゴルフ場である改変区域の主要な環境類型区分は草地であり、ノスリが

採餌場所として利用しているものと考えられる。本事業により草地が大幅に

改変され、生息環境に影響があることが考えられることから、注目種として

選定した。

フクロウ 対象事業実施区域及びその周辺において確認されているが、主に樹林を餌

場として利用していると考えられる。

改変区域の主要な環境類型区分は草地であることから、本事業による改変

の影響が少ないと考え、選定しなかった。

×

典型性 ノウサギ 対象事業実施区域及びその周辺において複数確認されている。

元ゴルフ場である改変区域の主要な環境類型区分は草地であり、ノウサギ

が生息場所及び採餌場所として利用しているものと考えられる。本事業によ

り草地が大幅に改変され、生息環境に影響があることが考えられることから、

注目種として選定した。

アカネズミ 対象事業実施区域において確認されているが、主に樹林を生息場所として

利用しているものと考えられる。

改変区域の主要な環境類型区分は草地であることから、本事業による改変

の影響が少ないと考え、選定しなかった。

×

10-54

第 10-7 表(5) 調査、予測及び評価の結果の概要(生態系)

予測結果

【建設機械の稼働、造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の改変)】

・上位性:ノスリ

a.生息環境への影響

本事業に伴い、行動圏における区分Aは約 24%、区分Bは約 5%減少するが、大部分はゴルフコースとして人工的

に改変された場所である。また、対象事業実施区域における残存緑地をみると、いずれの区分も半分以上の面積は

確保されている。また、調査の結果、対象事業実施区域においてノスリの営巣が確認されたが、改変区域外に位置

している。

改変によるノスリの好適性区分面積減少率

好適性区分 行動圏全域(ha) 改変区域(ha) 減少率(%)

A 80.8 19.1 23.7

B 223.1 10.9 4.9

C 500.0 1.2 0.2

合計 803.8 31.2 3.9

注:面積は小数点以下の数値を内包しているため、合計値と一致しない場合がある

b.採餌への影響

(餌量の推定)

営巣期の行動圏内全域における餌現存量は、ネズミ類が 473,419gであり、これを重量(34.4g)で換算すると、ネズ

ミ類 13,762 頭に相当する。改変による餌動物の減少率は、ネズミ類が 9.4%である。

餌動物の現存量及び改変による減少率(営巣期)

餌動物

行動圏内全域 改変区域 現存量

減少率

(%) 現存量

(g)

個体数

(頭)

現存量

(g)

個体数

(頭)

ネズミ類 473,419.0 13,762.2 44,389.0 1,290.4 9.4

注:餌動物の個体数算出は、現地調査による捕獲個体の平均体重(34.4g)を用いた。

(生存に必要な餌量)

ノスリが生活するために必要なエネルギーを「鳥類の食物連鎖と住環境に関する一考察」(青島正和、平成 12 年、

大成建設技術研究所報第 33 号)より算出した結果、1 日に必要なエネルギーは 889.1kJ となった。ノスリ 1 羽が営

巣期に必要とする餌量はネズミ類が 16,186g、非営巣期に必要とする餌量はネズミ類が 32,371gと考えられる。

10-55

第 10-7 表(6) 調査、予測及び評価の結果の概要(生態系)

予測結果

ノスリの生活に必要なエネルギーと餌量(ネズミ類)

ノスリ

体重

W

(g)

必要な餌量等

1 日あたり 営巣期(120 日) 非営巣期(240 日)

エネルギー

(kJ)

Y

10.90W0.640

ネズミ類の

重量(g)

a

Y×0.1517

個体数

(頭)

a/34.4

ネズミ類の

重量(g)

b

a×120 日

個体数

(頭)

b/34.4

ネズミ類の

重量(g)

a×240 日

個体数

(頭)

c/34.4

970.0 889.1 134.9 3.9 16,185.5 470.5 32,371.1 941.0

注 1:ノスリの体重は、「日本鳥類大図鑑」(清棲幸保、昭和 27 年、大日本雄弁会講談社)から引用した。

注 2:ノスリが 1 日に必要なエネルギーは、「鳥類の食物連鎖と住環境に関する一考察」(青島正和、平成 12 年、

大成建設技術研究所報第 33 号)に従い、次式から算出した。

エネルギーY(kJ)= 10.90W0.640

W:ハヤブサの生体重

注 3:ネズミ類の重量は、エネルギー1kJ あたりの哺乳類の生重量(g)は 0.1517 として算出した。

注 4:ノスリの営巣期は 120 日、非営巣期は 240 日とした。

注 5:ノスリが 1 日に必要なネズミは、現地調査による捕獲個体の平均体重(34.4g)から算出した。

(餌動物量の予測結果)

営巣期のノスリの推定生息可能数は、改変により現状の 29.2 羽から 26.5 羽と、2.7 羽減となる。現地調査では 1

箇所での営巣と、少なくとも 1 羽の雛が確認されており、実際の生息数と比較すると十分な餌量が確保されるもの

と考えられる。

改変によるノスリの生息可能数の増減(営巣期)

時期

餌動物(ネズミ類)現存量 ノスリ

行動圏内

全域(a)

改変区域

(b)

現存量

(a-b)

営巣期に必要な餌量

(c)

生息可能数

((a-b)/c)

生息可能

増減

改変前 473,419.0 - 473,419.0 16,186.0 29.2 -2.7

改変後 473,419.0 44,389.0 429,030.0 16,186.0 26.5

注:a、b、cの数字は全て重量(g)である。また生息可能数の数値はノスリの個体数(羽)である。

10-56

第 10-7 表(7) 調査、予測及び評価の結果の概要(生態系)

予測結果

【建設機械の稼働、造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の改変)】

・典型性:ノウサギ

a.生息環境への影響

本事業に伴い、区分Aは約 48%、区分Bは 25%、区分Cは約 13%減少するが、大部分はゴルフコースとして人工

的に改変された場所であるとともに、いずれの区分も半分以上の面積は残存緑地として確保されている。

改変によるノウサギの好適性区分面積減少率

好適性区分 対象事業実施区域(ha) 改変区域(ha) 減少率(%)

A 40.0 19.1 47.8

B 18.4 4.6 25.0

C 47.6 6.3 13.2

D 1.5 1.2 77.0

合計 107.5 31.2 29.0

注:面積は小数点以下の数値を内包しているため、合計値と一致しない場合がある

b.採餌への影響

(餌量の推定)

繁殖期の対象事業実施区域における餌植物量は 179,789g、改変による餌植物の減少率は 41.6%であ

る。

植物の現存量及び改変による減少率

餌植物

対象事業実施区域 改変区域 現存量減少率

(%) 面積

(ha)

重量

(kg)

面積

(ha)

重量

(kg)

106.0 179,789.4 30.0 74,789.2 41.6

(生存に必要な餌量)

ノウサギが生活するために必要なエネルギーを「飼育されたトウホクノウサギの接食量について」(平岡ほか、昭和

52 年、京都大学農学部演習林報告 49)より、100gとした。ノウサギ 1 頭が繁殖期に必要とする餌量は、7kg、非繁

殖期に必要とする餌量は、29kg と考えられる。

ノウサギに必要な餌量

ノウサギに必要な餌量(kg)

1 日 繁殖期(70 日) 非繁殖期(290 日)

0.1 7 29

注 1:ノウサギが 1 日に必要な餌量については、「飼育されたトウホクノウサギの接食量について」

(平岡ほか、昭和 52 年、京都大学農学部演習林報告 49)により、100g とした。

注 2:ノウサギの繁殖期間は、妊娠期間(約 40 日)と、哺乳期間(約 30 日)の合計(70 日)とした。

10-57

第 10-7 表(8) 調査、予測及び評価の結果の概要(生態系)

予測結果

(餌動物量の予測結果)

繁殖期のノウサギの推定生息可能数は、改変により現状の 25,684 頭から 15,000 頭と、10,684 頭減となる。ノウ

サギは現地調査では 12 地点で確認された。また、糞粒調査結果により推定された生息数は 37 頭であったことか

ら、十分な餌量が確保されるものと考えられる。

改変によるノウサギの生息可能数の増減(繁殖期)

時期

餌植物現存量 ノウサギ

対象事業実

施区域(a)

改変区域

(b)

現存量

(a-b)

繁殖期に必要な餌量

(c)

生息可能数

((a-b)/c)

生息可能

増減

改変前 179,789.4 - 179,789.4 7.0 25,684.2 -10,684.2

改変後 179,789.4 74,789.2 105,000.2 7.0 15,000.0

注:a、b、cの数字は全て重量(kg)である。また生息可能数の数値はノウサギの個体数である。

環境保全措置

【建設機械の稼働、造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の改変)】

・残置森林及び草地を確保するとともに、樹木伐採を必要最小限に留めることにより、可能な限り生態系の保全に

努める。

・低騒音、低振動型の建設機械の採用をすることにより、可能な限り動物の生息環境の保全に努める。

・対象事業実施区域(改変区域外)でノスリの繁殖巣が確認されたことから、営巣期にあたる 2~7 月においては、

夜間照明や騒音などを極力抑えるよう配慮するとともに、作業員への注意喚起の周知徹底を行う。

評価結果

【建設機械の稼働、造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の改変)】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、建設機械の稼働、造成等の施工による一時的な影響、敷地の存在(土地の

改変)に伴う生態系への環境影響は小さいと考えられることから、実行可能な範囲内で回避・低減が図られているも

のと評価する。

10-58

第 10-8 表(1) 調査、予測及び評価の結果の概要(景観)

調査結果

【資料調査】

主要な眺望地点の状況及び景観資源の状況

地点名称 対象事業実施区域

との位置関係 主要な眺望点の状況及び景観資源の状況

白水阿弥陀堂 南南西 約 1.7km

浄土式庭園からの視点場である。低い位置にあり、

対象事業実施区域方向は背後の山に遮られ視認され

ない。

産業戦士像 北 約 1.1 ㎞ コンクリート像前からの視点場である。対象事業実施

区域方向は背後の樹林に遮られ視認されない。

熊野神社 北 約 1.1 ㎞

神社内の駐車場からの視点場である。低い位置にあ

り、対象事業実施区域は背後の樹林に遮られ視認さ

れない。

龍雲寺 北東 約 1.1 ㎞ 神社内の駐車場からの視点場である。対象事業実施区

域方向は背後の樹林や民家に遮られ視認されない。

湯殿山神社 東 約 1.1 ㎞ 境内からの視点場である。対象事業実施区域方向は背

後の樹林に遮られ視認されない。

飯野平城跡 東 約 1.1 ㎞ 場内からの視点場である。対象事業実施区域方向は背

後の樹林に遮られ視認されない。

光景寺 東 約 1.5 ㎞ 境内からの視点場である。対象事業実施区域方向は山

林に遮られ視認されない。

内郷山神社跡・相撲場跡 南 約 1.6 ㎞ 場内からの視点場である。対象事業実施区域方向は背

後の樹林に遮られ視認されない。

水石山 北西 約 7.4 ㎞

頂上付近のハイキングコースからの視点場である。対

象事業実施区域が視認されるが、遠景であり、視認量

は少ない。

湯の岳 南西 約 5.4 ㎞

頂上付近の展望台からの視点場である。対象事業実施

区域が樹林の間から確認されるが、遠景であり、視認

量は少ない。

高坂跨線人道橋 南東 約 0.6km

JR に架かる跨線橋の上からの視点場である。対象事

業実施区域の敷地境界の樹林と草地の一部が道路の

先に確認される。

注:対象事業実施区域との位置関係欄の方位は「対象事業実施区域から見た調査地点の方位(16 方位)」を、

距離は対象事業実施区域の敷地境界から調査地点までの直線距離である。

10-59

第 10-8 表(2) 調査、予測及び評価の結果の概要(景観)

調査結果

【現地調査】

主要な眺望点候補地の概要及び眺望の状況

地点名称 対象事業実施区域

との位置関係 主要な眺望点の状況及び景観資源の状況

白水阿弥陀堂 南南西 約 1.7km

浄土式庭園からの視点場である。低い位置にあり、

対象事業実施区域方向は背後の山に遮られ視認され

ない。

産業戦士像 北 約 1.1 ㎞ コンクリート像前からの視点場である。対象事業実施

区域方向は背後の樹林に遮られ視認されない。

熊野神社 北 約 1.1 ㎞

神社内の駐車場からの視点場である。低い位置にあ

り、対象事業実施区域は背後の樹林に遮られ視認さ

れない。

龍雲寺 北東 約 1.1 ㎞ 神社内の駐車場からの視点場である。対象事業実施区

域方向は背後の樹林や民家に遮られ視認されない。

湯殿山神社 東 約 1.1 ㎞ 境内からの視点場である。対象事業実施区域方向は背

後の樹林に遮られ視認されない。

飯野平城跡 東 約 1.1 ㎞ 場内からの視点場である。対象事業実施区域方向は背

後の樹林に遮られ視認されない。

光景寺 東 約 1.5 ㎞ 境内からの視点場である。対象事業実施区域方向は山

林に遮られ視認されない。

内郷山神社跡・相撲場跡 南 約 1.6 ㎞ 場内からの視点場である。対象事業実施区域方向は背

後の樹林に遮られ視認されない。

水石山 北西 約 7.4 ㎞

頂上付近のハイキングコースからの視点場である。対

象事業実施区域が視認されるが、遠景であり、視認量

は少ない。

湯の岳 南西 約 5.4 ㎞

頂上付近の展望台からの視点場である。対象事業実施

区域が樹林の間から確認されるが、遠景であり、視認

量は少ない。

高坂跨線人道橋 南東 約 0.6km

JR に架かる跨線橋の上からの視点場である。対象事

業実施区域の敷地境界の樹林と草地の一部が道路の

先に確認される。

注:対象事業実施区域との位置関係欄の方位は「対象事業実施区域から見た調査地点の方位(16 方位)」を、

距離は対象事業実施区域の敷地境界から調査地点までの直線距離である。

10-61

第 10-9 表(1) 調査、予測及び評価の結果の概要(人と自然との触れ合いの活動の場)

調査結果

【資料調査】

人と自然との触れ合いの活動の場の概要

名 称 概 要 駐車場 対象事業実施区域と

の位置関係

白水阿弥陀堂

平安時代後期の代表的な阿弥陀堂建築で、福島

県内唯一の国宝建造物であり、浄土式庭園を兼

ね備えている。夏に古代ハスが咲き、秋にはイ

チョウやモミジなどが彩る。

無料

30 台(大型可)

以上収容

西南西 約 1.7km

岩穴吊り橋 古河好間炭鉱・墨田川炭鉱などへ通う炭鉱住宅

の人達のために作られ、現在も生活道路として

使われている。

無 北北西 約 1.6km

松坂吊り橋 無 北 約 1.8km

いわきワイナリーガ

ーデンテラス 四季折々のブドウ畑や阿武隈山系を眺め、くつ

ろぎながらワインを楽しむことができる。

無料

30 台(大型可)

以上収容

北西 約 0.4km

高坂北第二公園 対象事業実施区域に最も近い公園。 無 南 約 0.3 ㎞

好間川堤 日常の散歩コースとして利用されている。 無 北東 約 1.7km

好間川親水広場 親子が一緒に遊べる環境を作るために、安全に

河川敷へ降りる階段が設置され、水辺の学校等

が行われている。

無 北 約 2.3km

新川堤 日常の散歩コースとして利用されている。 無 南東 約 0.9km

【現地調査】

主要な人と自然との触れ合いの活動の場の利用状況等

項 目 内 容

地点名称 白水阿弥陀堂

利用形態 花見、紅葉、史跡鑑賞、眺望、散歩

利用状況

春は桜、夏は古代ハス、秋は大イチョウやモミジが美しい。

福島県では建造物として唯一の国宝。また、境域は国指定史跡となっ

ており、木造阿弥陀如来及両脇侍像及び木造持国天立像・多聞天立像

が国指定重要文化財、法華経版木が市指定有形文化財、大イチョウが

市指定天然記念物に指定されている。

参拝者数は、東日本大震災以前は 1 年間で約 7 万人であったが、現在

は 1 年間で約 5 万人。その他、日常の散歩に近隣の多くの方が利用し

ている。

アクセス

県道 20 号、66 号を経て新川沿いに市道を西に向かう。

公共機関としては JR 内郷駅から徒歩で 35 分程度である。

自家用車、大型バスの利用が多いが、散策による利用もある。

10-62

第 10-9 表(2) 調査、予測及び評価の結果の概要(人と自然との触れ合いの活動の場)

調査結果

道路交通量の調査結果:平日

調査実施日:平成 31 年 2 月 13 日(水) 単位:台

時 間 ゴルフ場方面 福島労災病院方面 合 計

大型 小型 合計 大型 小型 合計 大型 小型 合計

7:00 ~ 8:00 0 88 88 3 226 229 3 314 317

8:00 ~ 9:00 3 103 106 9 172 181 12 275 287

9:00 ~ 10:00 3 58 61 4 150 154 7 208 215

10:00 ~ 11:00 3 75 78 8 139 147 11 214 225

11:00 ~ 12:00 2 61 63 8 156 164 10 217 227

12:00 ~ 13:00 4 115 119 5 89 94 9 204 213

13:00 ~ 14:00 3 121 124 4 87 91 7 208 215

14:00 ~ 15:00 3 116 119 4 94 98 7 210 217

15:00 ~ 16:00 2 123 125 3 102 105 5 225 230

16:00 ~ 17:00 3 142 145 2 120 122 5 262 267

17:00 ~ 18:00 2 236 238 1 241 242 3 477 480

18:00 ~ 19:00 2 210 212 1 200 201 3 410 413

合 計 30 1,448 1,478 52 1,776 1,828 82 3,224 3,306

道路交通量の調査結果:休日

調査実施日:平成 31 年 2 月 17 日(日) 単位:台

時 間 ゴルフ場方面 福島労災病院方面 合 計

大型 小型 合計 大型 小型 合計 大型 小型 合計

7:00 ~ 8:00 0 47 47 0 87 87 0 134 134

8:00 ~ 9:00 0 76 76 2 132 134 2 208 210

9:00 ~ 10:00 0 109 109 2 152 154 2 261 263

10:00 ~ 11:00 1 126 127 1 178 179 2 304 306

11:00 ~ 12:00 0 135 135 0 152 152 0 287 287

12:00 ~ 13:00 0 128 128 1 164 165 1 292 293

13:00 ~ 14:00 1 155 156 0 138 138 1 293 294

14:00 ~ 15:00 1 156 157 0 144 144 1 300 301

15:00 ~ 16:00 1 163 164 0 152 152 1 315 316

16:00 ~ 17:00 0 203 203 0 132 132 0 335 335

17:00 ~ 18:00 0 177 177 0 122 122 0 299 299

18:00 ~ 19:00 0 133 133 0 101 101 0 234 234

合 計 4 1,608 1,612 6 1,654 1,660 10 3,262 3,272

10-63

第 10-9 表(3) 調査、予測及び評価の結果の概要(人と自然との触れ合いの活動の場)

予測結果

【敷地の存在(土地の改変)、構造物の存在】

主要な人と自然との触れ合いの活動の場の利用状況等

主要な人と自然との

触れ合いの活動の場

一般車両

(台)

工事関係車両

(台)

合 計

(台)

工事関係車両等

比率(%)

白水阿弥陀堂 3,306

116 3,422 3.4

3,272 3,388 3.4

注:上段が平日、下段が休日である。

環境保全措置

【資材及び機械の運搬車両の運行】

・主要な交通ルートは、白水阿弥陀堂及びその一帯の重要な観光資源等の近隣を、できる限り通らないルートを選

定する。

・原則として工事の時間帯は 8 時から日没までとし、日曜日には工事を行わない。

・造成工事は、対象事業実施区域内で切土量、盛土量の土量バランスを図り、残土を発生させないことで、ダンプ

トラックの走行台数を低減する。

評価結果

【資材及び機械の運搬車両の運行】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、工事関係車両の比率は 3.4%と小さいことから、資材及び機械の運搬に

用いる車両の運行に伴う人と自然との触れ合いの活動の場への影響は、実行可能な範囲内で回避・低減が図られて

いるものと評価する。

10-64

第 10-10 表(1) 調査、予測及び評価の結果の概要(廃棄物)

予測結果

【造成等の施工による一時的影響】

廃棄物

廃棄物 発生量 (t)

再資源化量 (t)

再資源化率 (%)

備 考

廃プラスチック類 305 20 7.6 定期的に回収し、有価物として売却する。

産業廃棄物として適切に処理する。

金属くず 833 833 100 定期的に回収し、有価物として売却する。

ガラス陶磁器くず 245 0 0 産業廃棄物として適切に処理する。

コンクリートがら 7,471 7,471 100 有価物として売却する。

紙くず(段ボール等) 73 70 95.9 定期的に回収し、有価物として売却する。

産業廃棄物として適切に処理する。

木くず(パレット等) 228 228 100 定期的に回収し、有価物として売却する。

繊維くず 1 0 0 産業廃棄物として適切に処理する。

アスファルトがら 2,291 2,291 100 有価物として売却する。

石膏ボード 296 296 100 有価物として売却する。

蛍光灯 3 3 100 有価物として売却する。

建設混合廃棄物 45 0 0 産業廃棄物として適切に処理する。

石綿含有建材 10 0 0 産業廃棄物として適切に処理する。

合 計 11,801 11,212 95.0

伐採木

建設工事に伴う副産物 発生量 (万 m3)

再資源化量 (万 m3)

再資源化率 (%)

備 考

伐採木 3,570 2,142 60.0 幹は有価物として売却し、枝葉と根は産業廃棄物として適切に処理する。

残土

建設工事に伴う副産物 発生量

(万 m3)

再資源化量

(万 m3)

再資源化率

(%) 備 考

残 土 約 140 約 140 100 切土量、盛土量のバランスを図ることに

より残土を発生させない。

【工場の稼働】

廃棄物(太陽光パネル)

廃棄物の種類 発生量 (t)

再資源化量 (t)

再資源化率 (%)

備 考

太陽光パネル 3 3 100 有価物として売却する。

10-65

第 10-10 表(2) 調査、予測及び評価の結果の概要(廃棄物)

環境保全措置

【造成等の施工による一時的影響】

・太陽光パネル等の資材の梱包材等については、可能な限り簡素化したものを用い、再利用可能なコンテナ(段ボー

ル)を極力採用すること、使用した梱包材は分別し、有価物として売却することで、廃棄物の発生量を抑制する。

・造成工事は、対象事業実施区域内で切土量、盛土量のバランスを図り、残土を発生させない。

【工場の稼働】

・破損した太陽光パネルは、「太陽光設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」(平成 28 年 3 月、環境省)

に基づいて適切に処理する。

評価結果

【造成等の施工による一時的影響】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、廃棄物の再資源化率を 95.0%とすること造成工事に伴う残土を発生させ

ないことから、造成等の施工による一時的影響による廃棄物及び建設副産物の発生に伴う環境影響は、実行可能な

範囲内で回避・低減が図られているものと評価する。

なお、廃棄物の発生量を抑制するために伐採樹木を破砕する等の必要が生じた場合は、いわき市の関係部署と相談

し、適正に処理する。

【工場の稼働】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、工場の稼働による廃棄物に発生に伴う環境影響は、実行可能な範囲内で

回避・低減が図られているものと評価する。また、太陽光パネルの廃棄に当たってはその時点で業者を選定し、適

切に処分する予定である。

なお、再生可能エネルギーの固定価格買取制度における売電期間が終了後において、電力会社による買い取りが継

続される場合はそのまま発電を続ける計画であり、事業を廃止する際の処理費用として、建設費の 5%を積み立て

ている。

10-66

第 10-11 表 調査、予測及び評価の結果の概要(温室効果ガス等)

予測結果

【工場の稼働】

発電所全体の二酸化炭素削減効果

事 例

発電設備の

規模

(MW)

伐採面積

(ha)

伐採による樹林伐採面積

当たりの二酸化炭素

年間固定量の低下量

(t-CO2/年/ha)

伐採による二酸化炭素

年間固定量の低下量

(t-CO2/年)

発電所全体の

二酸化炭素削減効果

(t-CO2/年)

本事業 20 11.2 49.8 558 9,902

10,002

他事例 1 40 35.9 49.8 1,787 12,609

他事例 2 50 63.67 44.0 2,802 21,642

注:1.本事業における「発電所全体の二酸化炭素削減効果」記載欄の上段は平成 29 年度(0.000523t-CO2/kWh)、下段は平成

30 年度(0.000528t-CO2/kWh)における東北電力株式会社の二酸化炭素排出係数を使用した数値である。

2.伐採による伐採面積当たりの二酸化炭素年間固定量の低下量は、他事例のうち低下量の大きい方の値を本事業に当

てはめた。

3.本事業における発電量は、年間発電時間を 1,000 時間と設定した値である。

発電所全体の二酸化炭素削減効果:期間全体

事 例 2029 年まで(6 年間) 2030 年以降(11 年間) 期間全体(17 年間)

本事業 60,012 t-CO2 75,262 t-CO2 135,274 t-CO2

注:1.二酸化炭素削減効果の算出に当たっては、2029 年までは平成 30 年度(0.000528t-CO2/kWh)における東北電力株式会

社の二酸化炭素排出係数を使用し、2030 年以降は東北電力株式会社の加入する電気事業低炭素社会協議会の目標値

である二酸化炭素排出係数(0.000370t-CO2/kWh)を使用した。

2.本事業における FIT 制度の下の運転は 17 年間と想定されることから、事業全体の期間を 17 年間として示したが、

FIT 制度後においても売電が経済面から可能である場合は発電を継続する方針である。

環境保全措置

【工場の稼働】

・対象事業実施区域に残置森林を確保するとともに、樹木伐採を必要最小限に留めることにより、二酸化炭素の吸

収源としての樹木の保全に努める。

・供用後は、定期的(月 1 回)に発電施設内の巡視を行い、必要に応じて除草を行うことにより、発電効率の低下を

防ぐ。

評価結果

【工場の稼働】

・環境影響の回避・低減

前掲の環境保全措置を講じることにより、、発電所全体の二酸化炭素削減効果は毎年 9,902~10,002t、事業全体(17

年間)で 135,274t となり、工場の稼働による温室効果ガス等(二酸化炭素)への環境影響については、実行可能な範

囲内で環境保全への配慮が適正に実施されているものと評価する。

なお、電気エネルギーを一時的に貯留し有効活用するための技術の活用等については、その技術動向の情報を収集

し、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のもとで経済的に適合するかどうか検討する。

Recommended