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生細胞内の1細胞レベルでの
機能イメージングを可能にする光活性化生理機能指示薬
北海道大学 電子科学研究所
教授 永井 健治
助教 松田 知己
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研究背景
ライブイメージングによる生体機能解析
ライブイメージング生体機能(情報)をリアルタイムに可視化する技術生細胞内での物質・反応の流れをリアルタイムに観察
情報が“細胞内”でどのように伝わっていくのか?情報入力と細胞応答の関係は?
空間的・時間的情報から新たな発見が得られる可能性
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蛍光ライブイメージング
蛍光試薬
・蛍光有機化合物
・蛍光タンパク質
・量子ドット
・希土類蛍光錯体
標的物質・細胞を蛍光試薬で標識して観察
4
遺伝子プロモーター制御下にコード
蛍光タンパク質
遺伝子にコードさせることができる
他のタンパク質、シグナル配列と融合(特定の位置での発現)
細胞への遺伝子導入により細胞内で生産できる⇒注入等による細胞へのダメージが無い
元気な細胞でのイメージング
細胞内のタンパク質局在のイメージング特定の細胞をラベリング
特定の時期で発現させてイメージング遺伝子発現のレポーター
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新技術の基となる研究成果・技術
・蛍光バイオセンサー
・光変換蛍光タンパク質
周囲の環境変化に伴い蛍光強度・波長が変化
生体内分子の濃度測定、分子間相互作用測定
光刺激を与えることにより蛍光強度・波長が変化
生体内分子・細胞の動態観察
蛍光タンパク質を利用した機能プローブ
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・蛍光バイオセンサー
Ca2+ 濃度センサー Cameleon
Miyawaki et al., Nature 1997
蛍光
強度
蛍光タンパク質を利用した機能プローブ
低
高
蛍光波長
Yellow
Ca2+ 濃度
Cyan
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・光変換蛍光タンパク質
光変換蛍光タンパク質 Phamret
細胞動態の観察
細胞内分子動態の観察
1細胞領域の特定光変換蛍光タンパク質
光活性化蛍光タンパク質(不可逆)
PA-GFP
Kaede
光活性化蛍光タンパク質(可逆)
Dronpa
蛍光タンパク質を利用した機能プローブ
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・光変換蛍光タンパク質
光変換蛍光タンパク質 Phamret
光刺激前
光刺激後
蛍光
強度
蛍光波長
蛍光タンパク質を利用した機能プローブ
9
バイオセンサー蛍光タンパク質
光変換蛍光タンパク質
新技術: 光活性化生理機能指示薬
光活性化生理機能指示薬
新技術
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Ca2+ 濃度センサー 光変換蛍光タンパク質
光活性化Ca2+指示薬PA‐Cameleon
新技術: 光活性化生理機能指示薬
Cameleon Phamret
刺激光の照射 → 標的細胞を可視化・計測
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1遺伝子コンストラクトで多様な組織をイメージング
複雑に入り組んだ細胞集団中の1細胞の機能をイメージング
新技術の特徴・従来技術との比較
従来のバイオセンサー蛍光タンパク質
・ 観たい組織に特異的に発現させる為
のプロモータ下流にバイオセンサー遺伝子を配置した遺伝子コンストラクトを作製する必要がある
新技術
・ 組織、個体に一様に発現
発現のタイミングを自由に制御適切なプロモータが見つかるとは限らない発現のタイミングの制御が困難
細胞集団の中の1細胞を特定し辛い
光活性化生理機能性指示薬
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chromoproteinPA‐GFP CPCalmodulin M13
acceptordonor
緑色蛍光にのみ注目し、無蛍光性の
Chromoprotein (色素タンパク質) を用いる蛍光強度
高
低
Ca2+
高濃度
低濃度
405nm 光刺激
Chromoprotein
吸収 蛍光蛍光タンパク質
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PA-GFP darkVenus(cp157)CaM-M13
Objective: UPLSAPO 60× Oil, NA = 1.35Excitation: 488 nm Emission: Channel-1 (G) 500-540 nm; Channel-2 (R) 560-660 nm
Ca2+
[F0/F
]
histamine5μM
HeLa 細胞
光刺激前後の蛍光スペクトル
光刺激前
光刺激後
光刺激
1回目
光刺激
2回目
光活性化 Ca2+ 指示薬 PA-Cameleon
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PA-GFP CPF1-ε subunit
HeLa 細胞
光刺激前後の蛍光スペクトル
↓ 10mM deoxyglucose
ATP imaging (deoxyglucoseで刺激)
光活性化 ATP 指示薬 PA-ATeam
光刺激前
光刺激後A
TP[F
0/F]
光刺激
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Zebrafish 幼魚
embryonic muscle の選択的ラベル
motor neuron の選択的ラベル
自発的な筋収縮に伴うCa2+ 濃度変化
Ca2
+
光活性化 Ca2+ 指示薬 PA-Cameleon
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想定される用途
• 病態メカニズム等の解析
• ドラッグスクリーニング
• バイオフィルム感染症予防法の確立
神経細胞ネットワーク中の任意の細胞間の機能相互作用イメージング
組織内の任意の細胞の動態と機能の同時計測
微生物バイオフィルムの任意の階層の細胞機能の可視化
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想定される業界
• 利用者・対象
細胞研究用試薬メーカー
生物・医歯薬系研究所
製薬企業スクリーニング部門
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実用化に向けた課題
• 単色の蛍光を観察しているため、細胞内の発現量や焦点面のずれ等の影響を受けやすい。しかし、蛍光寿命イメージングによりそれらを克服することが可能である。
• 今後、多光子顕微鏡を用いた光活性化について実験データを取得し、個体・組織中での1細胞レベルの光活性化を精度良く行うことができるように技術を向上させる。
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企業への期待
• センサードメインを入れ替えて新たな光活性化蛍光指示薬を作製するためには、蛍光タンパク質の繋ぎ方などのチューニングが必要である。哺乳類細胞でのハイスループットな蛍光スクリーニングの系を持つ企業の技術に期待をしている。
• 本センサーを用いたアプリケーションを提案出来る企業との共同研究を希望。
PA-GFP CP
acceptordonor
センサードメイン
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本技術に関する知的財産権
• 発明の名称 :光活性化生理機能
センサータンパク質
• 出願番号 :特願2009-233826• 出願人 :北海道大学
• 発明者 :永井健治、松田知己
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お問い合わせ先
<技術の育成及び特許の取り扱い等>北海道大学大学
産学連携本部 TLO部門 広域連携室特許流通アドバイザー 吉村 重TEL011-706 - 9559FAX011-706 - 9550e-mails-yoshimura@mcip.hokudai.ac.jp
<技術的内容>北海道大学大学
電子科学研究所 ナノシステム生理学分野教授 永井 健治TEL011-706 - 9438FAX011-706 - 9443e-mail tnagai@es.hokudai.ac.jp
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