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病棟薬剤業務実施加算 入院基本料に100点加算

投薬・注射状況の把握 安全性情報等の把握と医療従事者からの相談応需 持参薬の確認と服薬計画の提案 相互作用の確認 患者へのハイリスク薬等の詳細な説明 投与にあたり、流量・投与量の計算等の実施 その他、医政局通知で定める業務

病棟(入院患者)での薬学的管理の強化

抗がん剤の混合調製 処方変更への迅速な対応 (処方箋変更、服用薬入替、モニター変更)

病棟配置薬の管理 持参薬の管理 (持参薬利用・経費削減、処方立案・・)

退院時の保険薬局との連携

他職種の業務軽減

他の医療従事者の 職務軽減 (案)

CDTM

注射薬混合調製

処方箋記載(立案含む)

治療モニター (フィジカルアセスメント、採血含む)

1)薬剤師を積極的に活用することが可能な業務 以下に掲げる業務については、現行制度の下に おいて薬剤師が実施することができることから、薬 剤師を積極的に活用することが望まれる。 ① 薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等 の変更や検査のオーダについて、医師・薬剤師 等により事前に作成・合意されたプロトコールに 基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と 協働して実施すること。

医政発0430第1号 H22.4.30

CDTM??

② 薬剤選択、投与量、投与方法、投与期間等

医師に対し、積極的に処方を提案すること。 ③ 薬物療法を受けている患者(在宅の患者を 含む)に、薬学的管理(患者の副作用の状況 の把握、服薬指導等)を行うこと。 ④ 薬物の血中濃度や副作用のモニタリング等に 基づき、副作用の発現状況や有効性の確認 を行うとともに、医師に対し、必要に応じて 薬剤の変更等を提案すること。

モニタリングにPAや検査値(採血)など不可欠、但し 患者の理解を得て実施(セクハラ、不必要行為の誤解) 触ってはいけないと勝手に解釈していた 採血(IV)は医行為(医師の補助)かも?

⑤ 薬物療法の経過等を確認した上で、医師に

対し、前回の処方内容と同一の内容の処方 を提案すること。(⑧とでREFILE?) ⑥ 外来化学療法を受けている患者に対し、 医師等と協働してインフォームドコンセントを 実施するとともに、薬学的管理を行うこと。 ⑦ 入院患者の持参薬の内容を確認した上で、 医師に対し、服薬計画を提案するなど、 当該患者に対する薬学的管理を行うこと。 ⑧ 定期的に患者の副作用の発現状況の確認等 を行うため、処方内容を分割して調剤すること。 ⑨ 抗がん剤等の適切な無菌調製を行うこと。

CDTM

Collaborative Drug Therapy Management

共同薬物治療管理

一連の規則(プロトコール)に基づく手順で、 適切な薬物治療を選択し、患者を教育し、 モニタリングし、治療のアウトカムを継続的に 評価する 米国医療薬剤師会 ASHP

1人以上の医師と薬剤師の共同実務契約で、 薬剤師はプロトコールに従って、患者を評価し、 薬物治療に関連する臨床検査を指示し、投薬し、 投与計画を選択し、開始してモニタリングし、 継続し、修正するなど専門的な責務を担う

米国臨床薬学会 ACCP

対象患者(疾患 例)

冠動脈疾患 喘息 整形外科領域疼痛 脂質異常症 大うつ病 変形性関節炎 高血圧 緊急避妊 慢性疼痛(除がん) 糖尿病 禁煙 HIV ホルモン・更年期 血栓塞栓症 骨粗鬆症 単純性尿路感染(女性) 心不全 H.ピロリ菌感染 ワクチン接種

CDTMへの過程

民間保険会社(主流) メディケア(高齢者) メディケイド(貧困者) の費用低下要求

コストベネフィットの追求

マネジドケア Diagnosis Related Groups 導入 (1983年) 安価でEBMのある薬物治療 ・薬剤師の干渉 リフィルの導入 ・ 医師の裁量低下(金銭優位) メディケアの処方薬改善法(2003年)薬物治療管理 プログラムの確立

緊急避妊 適応 緊急避妊を望む(妊娠希望しない) 避妊してない性交・120時間以内

・年齢 14歳未満は小児クリニック・救急へ

・子宮外妊娠・妊娠 STDのチェック

・Plan B錠 もしくは Ovral錠の処方(投与)

・フォローアップの実施

HIT(Heparin Induced Thrombocytopenia) 対する選択的抗トロンビン剤 Bivalirudin アルガトロバン(スロンノン・ノバスタン) 投与への医師のOrders

HITの診断

・血小板数 15万/mm3 もしくは ヘパリン投与前の50%減少 ・経過、検査値、血栓の画像、スコア(他参照)、表を参照

スコア 1.血小板減少 50%<の減少と 2万以上 2 30~50%の減少と 1~1.9万 1 <30% の減少と 1万以下 0 2.血小板数の減少タイミング ヘパリン投与5~10日、あるいは 以前投与終了30日以内者が投与1日目 2 不鮮明だが投与5~10日続く減少 あるいは 10日以降 あるいは 以前投与30~100日以内者が投与1日目 1 最近の投与が無い者の投与4日以内 0 3.血栓症 あるいは他の続発症 新血栓、皮膚壊死 あるいはヘパリン静注点滴後の 急性全身性反応 2 進行性あるいは再発血栓、非壊死性(エリテマトス)皮膚 あるいは証明不可の血栓疑い 1 無し 0 4.血小板減少症発生の他の原因 明らかでない 2 可能性( ) 1 明確な( ) 0

可能性6-8 高い 4-5 中位 0-3 低い

血小板第4因子抗体

Positive Negative

HIT 確定 ヘパリン製剤中止 DTI投与開始

HITの可能性 SRA依頼 ヘパリン製剤中止 血小板減少の理由考察 DTI投与の有益性図る

臨床性の 可能

HITの可能性 SRA依頼 ヘパリン製剤中止 血小板減少の理由考察 DTI投与の有益性図る

HITではない 必要ならヘパリン再開 DTIは不必要

SRA: 14Cセロトニン血小板を患者血漿+ヘパリン添加し、14C放出を測定

Order

1.ヘパリン製剤の中止(ヘパフラッシュ、低分子ヘパリン含む) 2.DTI(アルガトロバン)の適応確認 3.至急もしくは何時から 投与量 4.モニター ①投与前 aPTT値 ②投与2時間後aPTT値 ③4時間毎aPTT値 ア 治療範囲値が2回連続(エへ) イ 範囲外であれば投与量の調整(下表使用) ウ 調整2時間後に治療域なら4時間毎 エ 2回連続治療域内で下降値ならば1日に1回aPTT (腎もしくは肝障害では12時間毎) 5.投与していない方の腕から採血 6.モニター維持は抗凝固モニターフォローシート 7.DTI投与速度調節はスケール(下表)を使用

aPTT(秒) 投与中止 投与速度 次回検査

<50 20%増加 2時間

検査し<50なら 医師OR投与量の PharmD 呼ぶ

50~80 変更なし 4or12時間 毎日(エ)

>80 1時間投与、迅速検査 50~80なら50%投与再開 まだ>80なら医師OR 投与量PhamDがチェック

50%減速 2時間

DTIの投与速度

ワルファリン療法への移行法

1. 血小板数(毎日測定) 2. 移行考慮(条件) ① 血小板数 >10万/mm3 (CHESTは15万推奨) ② DTI投与で安定している 3. Bivalirudin単独 W併用2日間 INR2~3 4. アルガトロバン単独 INRが上昇するのでダイアグラム使用

アルガトロバン(A)療法から

ワルファリン(W)療法への移行

WのLDoseは禁、 他の抗凝固剤は禁、A+W併用

INR測定(毎日)

併用で<4続く A中止で>4

4~6時間後INR再測定

W単独の目標値内 W単独で目標下回る ならばA再開(併用)

脳卒中患者に対する薬局の取り組み

t-PA製剤(グルトパ®注)

田辺三菱製薬ホームページより引用

超急性期脳卒中加算(平成20年度新設)

一定の要件を満たす状況下でt-PA製剤を投与した場合(12,000点)

→人員基準として専任の常勤医師の他、薬剤師・診療放射線技師

臨床検査技師が常時配置されていることが求められる

一般名:アルテプラーゼ

効能・効果

①虚血性脳血管障害急性期に伴う

機能障害の改善

(発症後4.5時間以内) ②急性心筋梗塞における冠動脈

血栓の溶解

(発症後6時間以内)

医師の診断

脳卒中のCDTM(案)

tーPA投与のプロトコールに基づく

投与後の観察 再発の予防

t-PA適応チェック・投与 禁忌症 NIH JCS等チェック含む

発症後 4 . 5時間以内

t-PA静注療法プログラム開始

病歴聴取,既往歴確認 臨床検査,ルート確保

内科学的診察,神経学的診察

CT(MRI) (脳血管評価)

適応・非適応チェックリスト確認

適応 慎重投与 禁忌

投与再検討

インフォームドコンセント

アルテプラーゼ静注療法開始

除外例

引用: 日本脳卒中学会医療向上・社会保険委員会 rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法指針部会 (脳卒中 27(2):327-354, 2005より、一部改変)

発症後4.5時間以内に治療開始は可能か?

薬に関わる部分を 薬剤師がチェック

NO

YES

服薬歴チェック 抗凝固薬 INR<1.7(TT22.5%)

投与後24時間以内の 抗凝固、血小板凝集抑制、血栓溶解薬は禁

エタラボン併用チェック(エビデンス無い)(現在は併用効果良好)

禁忌症チェック

出血あり、消化管・尿路出血(21日以内)、術後(14日以内)

血糖値>400mg/mL、血圧s>185、d>110mmHg、血小板<10万/mm3 膵炎、てんかん

慎重投与チェック 神経障害(NIH23以上)、意識障害(JCS100以上)

投与量・投与方法の実施

発症4.5時間以内である

10%を1~2分静注、 その後1時間で点滴、

混注方法L-アルギニン析出、血圧の測定間隔チェック

服薬指導(家族等へ副作用等の説明)

来院時から 実質1~3時間の勝負

脳卒中のCDTM(案) t-PA適応チェック 投与

投与後の観察

再発の予防

血液凝固能・血小板数検査 血圧管理(180/105

mmHg以下) 消化管・眼・皮下などの出血

脳卒中のCDTM(案) t-PA適応チェック 投与 投与後の観察

再発の予防

危険因子の管理 (高血圧 糖尿 脂質異常 心房細動 喫煙 飲酒)

ハイリスク群 (睡眠時無呼吸症候群 メタボリック 慢性腎障害者)

脳卒中起因の予防治療 (WF・抗血小板抑制薬の増減 INR2.5 など)

◎チーム医療を円滑に進めるための CDTMハンドブック Sarah A.Tracy et al

日本薬剤師会 監修 薬事日報社 2010年

◎土橋 朗 他 米国におけるCDTM、そして日本

日病薬誌、47、287(2011) ◎Tanna Cooper etal, Implementation of a CDTMservice for inpatients receiving direct thrombin inhibitor, Am J Health-syst Pharm 66, 1297(2009)

CDTMの参考書・文献

ちょっと気になる事件

医薬品副作用被害救済制度における 不支給事例と医薬品の適正使用について

PMDA No286(2011.12)

不適切使用のため救済給付が認められない事例が散見

これは誰の責任か? 給付されない患者が 告訴したら?

私が入院したら 過誤の無い 適正治療を 皆さんに 期待してます

ますます 楽しくなる

病院薬剤師のお仕事

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