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平成25年度 核物理研究センター 安全衛生講習会
4.電気の安全な取扱いと
事故防止について
これから、さらには、引き続き
実験室で活動を行う方へ
4. Electrical Safety & Prevention of Dangers Due to Electricity
*絶対にマネしないでください
映像については後でコメントします
Introduction
活線断線
RCNPで使用される電気の種類
直流 交流
低圧 750V以下 600V以下
高圧 750Vを超え7000V以下
600Vを超え7000V以下
特別高圧 7000Vを超えるもの
7000Vを超えるもの
• 大学中央変電所から6600Vで受電
• RCNPで変圧
o 単相100V/200V
o 三相200V
o 三相440V
• 一般家庭の場合
o 電柱上の変圧器まで6600V
o 引き込み線は200V/100V
• ほとんどの方は低圧のみ使用
電圧の種類 省令的分類
Types of Electricity Supplied @ RCNP
電気作業をするにあたって -資格について補足-
安全に関すること
電気工事の結果による
災害発生防止に関すること
• 電気の危険性
• 安全作業、管理
• 電気工事の際に守らなければならない事柄
(電気設備技術基準・解釈)
• 例:電線の太さ、遮断機の性能、接地工事の種類
o 1.6mm直径の電線の許容電流は27A (15Aラインに使用)
(低圧/高圧・特別高圧)電気取扱者安全衛生特別教育 (厚労省)
電気工事士/電気主任技術者
(経産省)
「低圧電気取扱者安全衛生特別教育」 「第2種電気工事士」
特に、実用的、かつ、現実的な資格としては
人 物
Education and Training for Electrical Engineering Qualifications
低圧電気取扱者安全衛生特別教育
• 「低圧の充電電路の敷設若しくは修理の業務、又は配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路のうち、充電部分が露出している開閉器の操作の業務」
• 低圧電気のブレーカの開閉操作、電源線の近傍の作業する従事者が受けなくてはいけない教育
• 実は、電気工事の仕事はできない!
安全衛生特別教育規程(抄)
・実技教育は、低圧の活線作業及び活線近接作業の方法について、7時間以上(開閉
器の操作の業務のみを行うものについては、1時間以上)行うものとする。
実験装置を扱っている皆様、 ブレーカを操作しないことが?!
• 「低圧の充電電路の敷設若しくは修理の業務、又は配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路のうち、充電部分が露出している開閉器の操作の業務」
必要な教育項目
1時間の実技教育しか受けてない者は、開閉器の操作の業務のみをしか行えない。
逆に
Special Education for Low Voltage Line Work
第2種電気工事士
• 低圧電気 ほぼ一般家庭の電気工事全般が行える資格
• ただし、低圧電気であっても、ブレーカの開閉操作、活線の近傍の作業するためには、「低圧電気取扱特別教育」を受ける必要がある!
「低圧電気取扱者安全衛生特別教育」 「第2種電気工事士」 共に必要な方が多いのでは?
「これで合格!第2種電気工事士頻出ポイント&問題集」 髙塚博志著 p.222 から転載
Qualification of Second-Class Electrician
電気による災害
• 電気災害
o 感電
o 火傷
o アークによる眼障害
o 火災、爆発、機器の焼損
• 感電(電撃)の危険因子
o 通電電流の大きさ
o 通電時間
o 通電経路(心臓通ると危険)
o (電源の種類)
「低圧電気取扱安全必携 特別教育用テキスト」 中央労働災害防止協会編 p.8 から転載
• 電圧の大小には必ずしも関係しない。
• 低圧だからこそ接する機会が多い。
絶えず注意が必要
直接的 人身災害
Electricity Accident
100V活線を切ると・・・ Live Line Demo 昨年の低圧電気取扱特別安全教育、実技講習から
低圧用保護手袋、絶縁マットなどを使用して専門家の指導の下、安全に実習しています。 絶対にマネしないでください。
人体への影響
感電:通電、帯電部に接触し人体を通して電流が流れること
b. 離脱電流(図b)
• 運動の自由がきかなくなる
• 不随電流:離れられない・声も出ない・意識はあるので 苦しいらしい
• 触らない!:2次災害の可能性大!
c. 心室細動電流(図c1~c3)
• 心臓の血液循環機能が失われ数分以内に死亡。
• C1(通電経路:左手~両足)
50mA・秒
• 電圧に対する危険度 o 交流30V、直流50V以下
危険度は低い
• 人体抵抗 o 内部:手~足間で500Ω
o 皮膚:0Ω(水濡れ)~10kΩ(乾燥)
「低圧電気取扱安全必携 特別教育用テキスト」 中央労働災害防止協会編 p.11 から転載
• およその感電の程度(AC 50~60Hz)
o 10mA:耐え難い苦痛
o 20mA:自力での離脱が困難
o 50mA:呼吸困難
o 100mA:致命的
低圧:心臓麻痺、呼吸停止 高圧:・熱傷(アーク熱など、表面) ・内部抵抗での熱量消費での火傷 組織を深く損傷
死亡原因
Electrical Hazards
災害事例 Accident Example
事故発生に関して
ヒヤリハット
「突発的な事象やミスにヒヤリとしたり、ハッとしたりするもの」
重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の発見をいう。
不安全な状態
情報の 共有
Heinrich's law The Background of A Major Accident
災害事例 1 ヒヤリハット事例
• 今年
• 実験室@RCNP
• 私ほか複数の実験者(無傷、ヒヤリ)
• 水配管工事(業者)不良
• 時間がたってから水が大量に流出。ピット内が水浸し→地下へ雨漏り
• 起動中の機器には当たっていなかったがテーブルタップには水がかかっていた。幸いショートは起こしていなかった模様(ヒヤリ)
o 安全確認して壁コンセントから分離
o 作業手順の確認
• 無理な力が加わる工程
o 長い時間スパンで安全確認
• 直後には漏れ無し確認を行っていた
o テーブルタップの設置場所
状況・被害 対策
Case #1: No Injury
災害事例 2 ヒヤリハット事例
状況・被害 対策
• 今年
• RCNP
• 助教(無傷)
• 配線後の熱縮チューブの熱縮にホットガンを使用。作業終了後、電源ケーブルの芯線露出に気づく(ハッと)
• 慣れで安全の確認を怠った
• 古い電気器具は極力使わない
• 事前に安全確認
• 不良ケーブル発見時に意図的に切断し、使用不可にして処分
• 故障前に保守を行う
RCNPには30~40年物も?!
Case #2: No Injury
災害事例 3 ヒヤリハット事例
• 昨年度
• RCNP
• 助教(無傷、ヒヤリ)
• 不要装置除去のため、電線をペンチで切断。電線に電力が供給されていた(活線)ためショート
• 火花が散り、壁がすこし焦げた
• 幸い、触っていたのがペンチの絶縁の握り手のみ、閉回路が人体を通らなかったため、感電しなかった
• 元のブレーカ配線を外していたと「思い込んでいた」
o 慣れでの流れ作業の禁止
o 作業直前の配線の確認
o 現場でも検電器などを使い確認
o 手間でも保護具(ゴム手袋など)の使用を
状況・被害 対策
Case #3: No Injury
災害事例 4 RCNPで聞いた話
状況・被害 対策
• RCNP
• 技官(重症)
• 高電位に浮かせて置いていたオシロのつまみを触って感電。電撃をうけ両手に火傷、気絶。
o 他方の手はハウジングの扉を触っていた。(閉回路形成)
o 直前に教員もオシロつまみを触ったが教員は片手だった。
o 絶縁性の棒などを使って離れたところから操作すべきだった
o 先生を信用するな!
• 真似するなら細かいところまで
• 危険ポイントを自己で判断
o 理解して行う人(スタッフ、先輩)も、他人が真似する可能性を考え模範的行動/教育指導を
閉回路形成は大きな事故発生ポイント 電気的には片手で“横着”も 危機回避につながる?!
Case #4: Major Injury
災害防止策
• 過去の事例に学ぶ o ヒヤリハット情報の収集・活用
• RCNP安全衛生委員会へ情報を
• 無事だったから…×
• 危険予知(KY)活動 o 作業開始時ミーティング
• 5分でもその作業の危険予知に
o 危険予知訓練
• 予測と落ち着いた対処
o 感電した人に接触しない!
o 高電圧
空気中放電もありうる
10KV で20cmは離れる
保護具、防護具
o ブレーカ、装置を落とす
• 災害時 o 電気火災
• ブレーカ、電源落とした後
• 電気火災用消火器
o 人的被害
• 危険除去を行ってから対処を
• 電気災害の要因
o 停電せずに作業
o 誤操作(違う電路を停電など)
停電作業、検電
o 停電範囲が周知されていない
o 誰かが開閉器を投入した
指揮系統、禁止処置:
アナウンス、張り紙、テープ
・終了処置も! ・日時+“年”を
2次災害!
Heinrich's law
Prevention of Dangers Due to Electricity
日頃の注意
居室、一般生活でも
• タコ足配線:危険 o 単に配線が数が問題ではない
o 許容電流に注意 発熱、発火
• 壁コンセント・テーブルタップ
1500W(=100V x 15A)
• ポット、電気ストーブ:容量大
• 機器のアース:感電防止 o 電気容量が大きいもの
o 必ず接地を
• 日常の点検 異常の検知 o 異臭、異音、黒ずみ、(黒)粉末
• トラッキング火災対策 o ほこり:気が付いたときに除去を
水気が加わると容易にショート
• 停電対策 o 事前に個々の機器について対策を
• 復電で自動起動のものは要注意
• (計画)停電前の停止手順をマニュアル化
• 瞬停に対する対策
o 夜間時対策
• 行動ルートを事前確認
• 常備灯:RCNPは完備されているはず
General Precautions
結びに
• 安全ガイドブックの電気の章も一読を
• 実験に携わる方は、是非、下記資格の取得を
o 低圧電気取扱者安全衛生特別教育(2日間)
10名程度の都合が合えば、講師を招いてRCNPで開催可能
o 第2種電気工事士(今年度の申し込みは終了)
上期:6月に筆記試験→7月に技能試験
下期:10月に筆記試験→12月に技能試験
毎年3月上旬から4月上旬に上期下期共に申込受付
• 普通救命講習(AEDの取り扱い、心肺蘇生法による人工呼吸の実施等)
o 低圧電気の災害に多い心肺停止の応急処置に有効
o 春の安全衛生管理部の募集は締切
o 昨年度はRCNPでも実施
電気という比較的身近なものについても十分な知識と注意をもって 安全に取り扱えるよう心がけましょう
Etc.
END
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