新聞製作業務を支える仮想化基盤を VMware vSAN...

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業界MEDIA/PUBLISHING

課題• 新聞製作業務用のシステム群を収容する仮想化基盤の環境改善

• 複雑化するインフラ環境のシンプル化、運用管理の効率化、省力化

• 障害/トラブルへの対応や運用管理の煩雑さの解消

• 24時間365日稼働に対応できる信頼性、可用性の確保

• 物理サーバーのさらなる集約に耐え得る柔軟なスケーラビリティ

ソリューション個別のサーバー/ストレージ/スイッチで構成された旧仮想化基盤の全面的な刷新を決断。新たなインフラとしてVMware vSAN ™をベースとしたHCI「Dell EMC VxRail」を導入し、新聞製作に用いられる各種の業務システム群を移行。今後は全社サーバー統合のインフラとしても活用していくと同時に、新聞製作業務の中核を担う「編集組版システム」の構築も進めていく。

導入効果• 外付けの共有ストレージを必要としないシンプルな仮想化基盤を確立

• VMware vSphere® Webクライアントによる一元的な運用管理環境を実現

• システムの拡張や保守・メンテナンス作業のためのダウンタイムを極小化

• 部門を超えたサーバー統合を推進し、全社 ITインフラ環境の最適化を加速

導入環境• Dell EMC VxRail

中部・北陸・関東エリアにおいて、一般紙やスポーツ紙の発行を手がける中日新聞社。国内外にまたがる広範な取材網を活かし、新鮮なニュースを日々読者に送り届けています。業務の IT化にも積極的に取り組む同社では、社内情報インフラの整備・拡充に注力。新聞製作業務用のシステム群を収容する新たな仮想化基盤を構築しました。 ここでは、VMware vSANをベースとしたHCI「Dell EMC VxRail」を新たに採用。複雑化するインフラ環境のシンプル化や運用管理の効率化、省力化など、さまざまなメリットが生み出されています。

属人的な運用の解消に向けて 仮想化基盤の刷新を決断中日新聞、東京新聞、北陸中日新聞、日刊県民福井の一般紙4紙、ならびに中日スポーツ、東京中日スポーツのスポーツ紙2紙の発行を手がける中日新聞社。近年は書籍の発行や中日文化センターの運営に加えて、Webを活用した記事、動画配信など、各地域で長年にわたって培ってきた読者との信頼をもとにした事業の拡大を進めています。

同社の新聞製作業務を ITの側面から支えているのが、技術局報道システム部です。同部の部次長を務める山尾信二氏は「新聞を購読者のもとに確実にお届けするためには、限られた時間の中で確実に製作業務を遂行する必要があります。それだけに報道システム部としても、システムの安定稼働には細心の注意を払っています」と語ります。

こうした取り組みの一環として同社が決定したのが、新聞製作に関連するシステム群を収容する仮想化基盤の再構築です。それまで利用してきた旧仮想化基盤は2013年に社内で自主構築したものでしたが、ここには仮想化技術の知識、また環境改善やトラブル対応などのノウハウを習得する狙いがありました。

しかし、こうした取り組みの一方で、新たな課題も浮上します。「仮想化する以前の環境では、システムを構築したベンダーが一括で保守・サポートを行ってくれましたので、障害などが発生した場合もそこに連絡すれば良かった。ところが、個別の製品を組み合わせて自前で構築した旧仮想化基盤は、問い合わせ窓口もすべてバラバラです。これにより障害原因の切り分けなどに想定以上の時間を要するようになりました」と明かすのは、同部の雨下将隆氏です。

また、同部の平野雅人氏も「もう1つの大きな

課題だったのが、運用管理の属人化です。新聞社という業種柄、私たち報道システム部も三交代制で勤務していますが、仮想化技術に精通した部員が不在の時間もあり、何らかのトラブルが起きてしまうと対応に困るケースも考えられます。そのため今回の更新では、もっとシンプルで、誰でも運用できる環境に変えたいと考えました」と続けます。

ストレージ要件に柔軟なHCIで インフラのシンプル化を実現次期仮想化基盤を支えるインフラ製品の選定に際しては、性能、信頼性、拡張性、保守性、サポートなど、高いレベルの要求が課せられました。これらをすべて満たす製品として最終的に選ばれたのが、Dell EMC VxRail(以下、VxRail)でした。

旧仮想化基盤は、サーバー、スイッチ、ストレージのいわゆる3 Tier構成で作られていましたが、HCI製品を活用することで、これらの環境をシンプルに集約できます。また、vSANによって要求されるストレージ要件にも柔軟に対応することが可能です。平野氏は「最新の ICT技術を積極的に取り入れていくという意味でも、今回はHCIを採用したいと思っていました。なかでもvSphere環境との親和性が高いVxRailは、コントローラVMなどを用いる

新聞製作業務を支える仮想化基盤をVMware vSANベースのHCIで刷新インフラ運用の効率化・省力化を実現

株式会社中日新聞社名古屋本社 技術局報道システム部部次長山尾 信二氏

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新聞製作業務を支える仮想化基盤をVMware vSANベースのHCIで刷新インフラ運用の効率化・省力化を実現

「 Dell EMC VxRailを採用したことで、新聞製作業務を支える新たな仮想化基盤を無事に確立できました。性能や信頼性についても十分満足していますので、今後は社内で稼働するさまざまな業務サーバーを集約するためのインフラとしても活用したいと考えています」株式会社中日新聞社山尾 信二氏

他のHCI製品と違って信頼性面での不安もありません」と説明します。

もう1つの決め手となったのが、サポートの充実度です。VxRailはリモートメンテナンスが可能であることに加えて、サポートセンター側で実施する操作をチャットや画面で共有することもできます。これにより、従来のように電話やメールで状況を伝えたり、大量のログデータを送ったりする必要もなくなります。さらに、ファームウェアやVMware ESXi™のバージョンアップなどについても、一元的な保守対応を受けることが可能になります。こうした環境が実現することによって、サポートに関する懸念は払拭されます。

高い性能・信頼性・拡張性を活かし システム集約を加速中日新聞社では現在、本番サイトとなる名古屋本社、予備サイトとなる東京データセンターのそれぞれにVxRailを設置。ここではDell EMCから提供されるツール利用した遠隔バックアップ環境も構築されています。

「vSANの操作は vSphere Webクライアントから簡単に行えますし、運用管理の効率性は格段に向上しました。また、旧仮想化基盤よりも構成がシンプルになったことで、属人化の解消にも弾みがつくはずです」と語るのは、技術局報道システム部の伊藤圭佑氏です。同部の山本正史氏も「特にストレージに関しては、以前はシステムの性能要求に応じてRAIDグループを分けるなど、かなり煩雑な作業を強いられていましたが、現在はこうした手間も完全に不要になっています」と評価します。

新聞製作システムは一年間ほぼ無停止で稼働するだけに、以前はメンテナンスの時間の確保にも苦労していました。この点についても同部 課長の長尾守氏は「VxRailは、朝刊と夕刊の間のちょっとした隙間時間にファームウェアのアップデートなどを実施できることから、『止まらないシステム』の実現においても成果を期待しています」と話します。

「本格的な活用はまだこれからという段階ですが、新たに運用マニュアルも作成しましたので、部内でもVxRailを操作できるユーザーをどんどん増やしていこうと考えています」と話すのは、同部の田仲真氏です。また、同部の権田裕昭氏も「単一の画面から環境全体を容易に管理できる現在の環境なら、仮想化技術にそれほど精通していない担当者に任せられる作業の幅が広がります。これも大きなメリットです」と手応えを感じています。

さらに同社では、近い将来におけるHCIの適用領域の拡大も見据えています。山尾氏は「今回は比較的重要性の低いサブシステム群から移行を行いましたが、vSANそのものやVxRailの性能・信頼性が十分に確認できたため、現在は新聞製作の根幹を支える『編集組版システム』の構築を進めているところです。加えて、今後は技術局関連部や他部門で稼働する業務サーバー群の統合・集約にもVxRailを活用していきたい」と意気込みを語っています。

そのためのインフラとして、東京・名古屋のそれぞれでHCI環境を増設も予定しているという中日新聞社。今後も、VxRailが新聞報道の最前線を支える重要な役割を果たし続けていきます。

図:構成図

株式会社中日新聞社東京本社 技術局報道システム部雨下 将隆氏

株式会社中日新聞社名古屋本社 技術局報道システム部平野 雅人氏

株式会社中日新聞社名古屋本社 技術局報道システム部山本 正史氏

株式会社中日新聞社東京本社 技術局報道システム部田仲 真氏

株式会社中日新聞社名古屋本社 技術局報道システム部伊藤 圭佑氏

株式会社中日新聞社名古屋本社 技術局報道システム部 課長長尾 守氏

株式会社中日新聞社東京本社 技術局報道システム部権田 裕昭氏

カスタマープロフィール創刊から130年以上の歴史を有する新聞社。現在は中部・首都圏の4本社3支社において、中日新聞、東京新聞、北陸中日新聞、日刊県民福井の一般紙4紙、中日スポーツ、東京中日スポーツのスポーツ紙2紙、ならびに中日こどもウィークリーを発行。また、書籍発行や中日文化センターの運営に加え、中日文化賞、中日産業技術賞、中日教育賞、中日体育賞などの表彰事業、中日社会事業団、中日青葉学園などの社会貢献事業も行っている。

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