中山間地医療機関を拠点とした...

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あすけあい

中山間地医療機関を拠点とした地域コミュニティづくり

JA愛知厚生連 足助病院 早川富博

訪問看護

1996年6月

在宅医療におけるIT活用(画像・音声・生体情報の双方向通信)

1999年

医療・福祉共通カルテ

1998年・・・・・・・・・・・・・2005年

電子カルテシステム導入+地域医療連携システム

2004年10月

Web型電子カルテを活用した地域診療所との医療情報共有活用事業

2009年10月

2010年3月

健康ネットワーク研究会

中山間地域における高齢者向け『いきいき生活支援』の事業化

ICT街づくり推進事業ICカード(あすけあいカード)

2010年9月~2012年3月

2012年11月~2014年3月

2000年 2010年2005年

足助町稲武町旭町

下山村

長野県根羽村

豊橋

豊田・HP 設楽町

地域の医療・福祉・介護

山田医院

厚生連 足助病院巴の里包括支援センター

小石川医院

森下医院

下山クリニック 高橋医院

古橋クリニック

へき地巡回健診

へき地は半径4km以内に医療機関がなくて人口50人以上の人が住んでいる

支援センター

R153

安全・安心・満足の医療・福祉(介護)・

保健活動を通じ,中山間部地域住民の

生活を守り,自然と共生できる文化的

地域づくりに貢献する.

足助病院の理念(1997.10)

総ベッド数 190床 (内訳 一般床140床・療養50床)内科 小児科 外科 整形外科 脳神経外科 眼科 耳鼻咽喉科皮膚科 泌尿器科 産婦人科 リハビリテーション科 放射線科

介護関係 療養病床訪問看護ステーション 65-70名包括支援センター特養「巴の里」 96床 ショート16床

外来患者数 1日当 350名入院患者数 1日当 170名介護関係患者数(療養病床) 1日当 46名

(訪問看護) 1日当 10名

平均在院日数 一般病床 17-19日療養病床 180?日

病院概要

•病院からの情報公開と地域の人々からの意見

•真摯な回答と行動,意見交換が相互信頼

地域の人々が参加する病院患者・病院職員・見舞いの人・ボランティアなど,病院を構成する人々が醸し出す雰囲

気が大事

病院は,地域のコミュニティーの場であり,文化

(教育・健康)の発信地!

「開かれた病院」はその地域の文化の指標

開かれた病院

• 病院は多くの人が集まる

• 生活習慣病の管理は重症化の予防

高血圧症,糖尿病,高脂血症,高尿酸血症,

メタボ(肥満)のコントロールで心筋梗塞,

脳卒中,腎不全などを予防(QOLの維持).

• 外来通院は予防医療である

• 通院回数はコントロールの良し悪しによる.

• よって外来はサロン化する.

• サロン化するならコミュニティーでしょ!

医療機関はコミュニティーの場

足助病院((厚生連)

設立の経緯(医療に恵まれない地域の医療を守る

現状の不採算運営(赤字経営

改築事業による赤字増は負担できない

豊田市(行政)(国・県)

中山間地域の暮らしを守る責務

地域内の関係者、団体、施設等

(医師会、歯科医師会、消防署、医療機関、福祉施設等)

地域医療・地域保健・地域福祉の推進

患者・地域住民

公共交通が不便

医療機関が近くにない(通院の負担が大

高齢者が多いので予防に力を入れてほしい

支援

協力

存続

理解と参加

足助病院の改築事業

=足助病院の維持に必要な事業

=中山間地域の暮らしを守る事業

三河中山間地域で安心して暮らし続

けるための健康ネットワーク研究

(2010年3月)

三河中山間地域で安心して暮らし続けるために必要な、

保健・医療・福祉(介護)サービスを安定して確保する

こと.

それ統合的に活用することを目的とする.

研究会の目的

•住民の健康意識の醸成と健康に関する安心感の確保.

•サービス提供者側のネットワークの構築

•住民とサービス提供者側ネットワーク構築

•課題解決のためのツール開発

研究会のテーマ

会員は、個人会員、団体会員、賛助会員から構成

1.個人会員:地域住民、愛知厚生連職員、行政職員、地域開業医職員、福祉関連職員、農協職員、関連企業職員等

2.団体会員:コミュニティ・サークル活動グループ・NPO法人、関係事業体、関連企業等

3.賛助会員:会の活動に賛同された公益的な組織

研究会の会員

地域の啓発に必要な集会、講演会の開催.

住民の健康づくりを促す仕組みづくりの構築.

医療・保健・福祉サービスの連携によるサービスの一元(ネットワークサービス)提供の研究.

森林の割合が90%、高齢化率40%、進む過疎化という三河中山間地域の特性を克服するためのICT利活用の研究.

ネットワークサービスの事業化の研究.

研究会の事業

1. 保健・医療・福祉(介護)関係者への研究会の広報活動、研究会への参加呼びかけ.

2. 住民の健康意識の醸成:講演会や健康講座の開催.

3. 住民の実態及び意識調査の実施と現状の分析・課題の把握.

4. サービス提供者の実態及び意識調査の実施と現状の分析・課題の把握.

5. 課題解決のための分科会を設置して解決にあたる.

これからの活動内容

1. 住民参加型 健康講座の開催.

2. 定点における定期講座と健康づくりへの住民参加

3. 住民の実態及び意識調査の実施と現状の分析・課題の

把握.

4. 課題解決のための分科会を設置して解決にあたる.

5. 癌撲滅作戦 – がん検診参加への呼びかけ

6. 精密検査結果の公表など

具体的活動

平成22年度 医療・介護等関連分野における規制改革・産業創出調査研究事業

(医療・介護周辺サービス産業創出調査事業)

「いきいき生活支援」事業とは?

(2)

足助病院では「三河中山間地域で安心して暮らし続けることを可能に

する仕組みつくり」を目指した地域貢献を展開してきた。この中で平成

22年度には経済産業省の公募する「医療・介護周辺サービス産業創

出調査事業」に対し「中山間地域の医療機関主体による複合輸送サー

ビス」の実施に応募したところ幸いにも採択を受けることができ「いきい

き生活支援」事業として展開することとなった。

平成22年度住民アンケート調査(約1万人:高齢者約5千人)を実施.

この結果をもとに、

平成23年度は、「医療受診の機会を確保するための輸送サービス」

「栄養バランスの取れた食生活を目指した配食サービス」「中山間地域

で自立した生活をするための自立的身体機能維持を目指したロコモ予

防」が重要と考え3本柱として実施した。

明らかになったこの地域の特徴

• 高齢者の独居および老夫婦のみの世帯が多く、地区によっては5

0%を占める地区もある

• 男性では85歳以上でも50%以上が自分で自家用車を運転

• 日常生活で困っているのは、イノシシなどの獣害が第1位で買物や

医療機関受診がこれに続いた。

• 公共交通機関は、「バス停が遠い」「バス停まで行けない」などによ

り利用できない住民が多く、特に旭地区で多い

• 独居や老夫婦のみの世帯では、子供や家族が豊田市や名古屋市

に居住しており、月に何回かは様子を見に来る

2年間の実証実験と地域アンケート調査などにより、この地域の特徴として次のような事項が明らかとなった。

21

足助病院・地域診療所医師

利用会員制(患者中心の組織構築)

利用者登録を紹介

予約センター・窓口

• コーディネーター機能

• デマンドシステム運行

• 料金収納

データベースPLR(*4)

自治体豊田市

②留意事項共有

サービス提供事業者

●輸送事業者

●配食・給食事業者

●小売店事業者

●身体・運動機能支援

●栄養管理

ロコモ予防(*1)

買物支援・宅配支援

BDHQ栄養摂取調査(*2)

中山間地域の医療機関主体による複合輸送サービス事業

地域:豊田市・設楽町

地域住民

会員登録

・JAあいち豊田(豊田市)・JA愛知東(設楽町)

配食サービス(*1)・見守支援

患者・高齢者の輸送(*1)

サービス提供

情報交換

地域保健機関

介護保険機関

期 間 :平成23年10月3日(月)~12月29日(木)

利用を希望される方、詳しく知りたい方はお尋ねください。

足助病院玄関受付コーナー(診療日の午前中開設)

問合せ先 0565-62-1211

担当 後藤、白井、滝沢、杉浦

足助地区・・・・500円

旭地区・・・・・・750円

夕食のみ 1食 500円

片道

これからのサービス提供の考え方

•当面は行政などの支援を考えない

•継続可能な仕組みを輸送や配食事業者そして地域の方たちみんなで考える

•送迎や配食に必要な経費を利用者が負担

•病院の役割は、事業者と利用者の「橋渡し」として安全・安心の確保とする

配食サービスについて

•内 容 :夕食の利用者宅までの配達

•配達日 :土・日・祝日を除く毎日

•開始時期:7月から

•配達地域:足助地区・旭地区

•利用料金:550円(ご飯なしは520円)

• メニュー :肉中心と魚中心の2種類から選択

配食サービスは、以下の方法により実施します。

これまでの送迎の問題点

• 1台の車に乗っていただく人数が平均で2名以下で、一

人だけの乗車も多くあった。

•全ての予約に対応したため、少人数での運行が多く

なった。(デマンドシステムの特徴)

• タクシーを朝7時から午後3時まで貸切で使用していた

ため、車輌代が非常に高額であった。

•貸切で使用するほど利用者が確保できなかったため、

車輌の実稼動率は30%台であった。

送迎サービスについて

• 送迎サービスは、これまでの実証実験(デマンドサービス)では収支が悪く大幅な持ち出し(赤字)となりました。

• しかし、地域の皆さんの要望は配食サービスと同様に多くの人が必要と感じています。

継続可能な輸送方法は

•毎日の運行でなく、必要人数の利用者が集まった場合の運行にする。

•利用料金は、利用者で全て負担する。

•タクシー車輌は貸切でなく、運行が確定した場合のみ依頼する。

•各地域で利用者を集めていただく。

(診察日や主治医の変更も必要となる)

支援が無くても継続できる仕組みにするためには、次のような事項が必要と考えます。

考えている送迎の実施方法は?

玄関から玄関の送迎方法は変えません。

地区ごとに金額は異なりますが何時も同じ料金。

タクシーとジャンボタクシーを利用して、相乗り利用。

利用料金は、タクシー料金を利用者が負担しますので1

回利用が1,500円くらいの負担になる地区もあります。

地区ごとの送迎は、一緒に来院して一緒に帰っていた

だきますので待ち時間は多くなります。

日の出タクシーとオーワ交通に送迎を委託する。(雇用

確保と利用者増加に繋がる)

新しい送迎方法の良い点と悪い点

<良い点>

•支援が無くても継続可能な方法である

•同じ地域の方の相乗りになるため、時間調整などが容易で安心して利用できる

<悪い点>

• タクシーを利用して、利用者で料金を負担しますので利用料金が高くなる。(個人使用の1/3~1/4)

•来院便で利用された方が一緒に帰宅便も利用しますので、待ち時間が長くなります。

•ある程度人数が集まらないと運行できない

•予約により運行を確定するため、当日の利用は困難

新しい送迎の実施

平成25年正月から開始.

• 6の自主グループが乗り合いタクシーで来院されます.

•毎回、次回の予約をします.

•診察日変更の申し出用紙があります.

•取りまとめは病院で行い前日タクシー会社に連絡します.

(31)

平成25年1月7日

平成25年1月11日

「いきいき支援」事業の目指す形

地域住民

足助病院・地域診療所医師

輸送配食・栄養

ロコモ・メタボ・ニンチ予防

豊田市 ・JAあいち豊田(豊田市)・JA愛知東(設楽町)

地域保健機関・介護保健機関

他医療機関

中山間地域において、へき地中核病院を中心に診療所,民間事業者が連携し、高齢者および在宅療養者とその家族が安心して暮らし続けるための生活支援の仕組づくりと輸送・配食等のサービスの提供

ロコモ予防教室脳イキイキ教室

栄養教室

院長サロン

歌謡教室整膚サービス

地域住民参加 地域への出張

ロコモ予防教室脳イキイキ教室

栄養教室

院長サロン

医師

看護師

理学療法士etc

介護士

薬剤師

ケアマネージャ

検査技師

放射線技師

社会福祉士

ヘルパー

訪問看護師

NST、ICT、褥瘡対策チーム、在宅ケアチーム、薬剤チーム、介護・福祉チーム、ロコモチーム、保健チーム内視鏡・検査普及チーム

地 域 住 民

啓発意

医師

看護師

理学療法士etc

介護士

薬剤師ケアマネージャ

検査技師

放射線技師

社会福祉士

ヘルパー

訪問看護師

住 民

住 民

住 民

住 民

住 民住 民

医師

看護師

理学療法士etc

薬剤師

ケアマネージャ

検査技師

社会福祉士

ヘルパー

訪問看護師

2013年から始まった新しい試み

「あすけあいカード」の使い方(MEDICAによる救急搬送支援)

MEDICA(メディカ)

MEDICA(メディカ)システムとは

MEDICAは患者情報を連携し、救急搬送を支援するシステムです ICカードには救急医療に必要な患者情報および医療情報が書き込まれています。

病院でICカードに書き込み、救急隊員が専用端末で読み込みます。

ID番号氏名、住所、電話番号生年月日、血液型既往歴、投薬(成分)

アレルギー感染症、特記事項

救急隊員端末

病院で書き込み 常時携帯 救急車で読み取り

電子カルテ

必要情報へ変換

発行システム

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緊急時通報1 救急隊到着2

患者情報参照3救急搬送4

A病院

すぐ受入準備を始めよう

●カード常時携帯

MEDICAの利用シーン(救急搬送支援)

平時

至急!救急車お願いし

ますカード持っていますか?

ここにあります

●カード提示

なるほど・・・この患者ならA病院が

いいだろう!

患者の受入をお願いします

容態急変

カードを利用することで、迅速で的確な救急搬送が行えます。

平成24年度事業実績

モニター募集開始 平成25年2月18日~

カード配布開始 平成25年3月21日~

カード作成枚数 854枚

あすけあいカードを利用した地域巡回バスへの乗車

平成25年4月1日

救急車での活用回数 5 回(4か月分)

比率

足助病院でのアンケート調査結果足助病院でのアンケート調査結果• 高齢の保有者が多いため、カードの機能を認識し保有している人は6割弱。このうち、8割強が、カードが医療情報の媒体であることを認識。

• 現非保有の8割以上が、カードのことを「魅力的」だと回答しており、本事業の参加者の拡大期待できる。

• 医療情報の記録利用が31.0%、“よくわからないが受付で提示”が34.5%である。後者については、高齢者が多いため、正確な認識が困難なことが理由と考えられるが、“正しく使ってもらえている”との視点では問題はないと考える。

• カード保有者の9割が救急時の安心感向上に効果的だと認識している。また、この点は、カード非保有者でも同様の傾向である。

• あいま~る利用者は、先述のカード記録データでも利用割合が約11%(≒93÷855)であり、バス利用者はほぼ回数券機能を利用しており、その大半が、評価している。

• カード保有回答者の9割以上が、あすけあいカードを「財布の中」、「定期入れの中」、「カバンの中」といった、常時携行する形態をとっており、本事業のカードによる仕組みが有効に機能している。

• カード保有者/非保有者ともに、医療機能充実の要望が多い。また、交通系では、おいでんバスや名鉄電車等、その他の公共交通決済機能の導入意向が多い。

現在進行形■ 2拠点(トヨタ記念病院、豊田厚生病院)より足助病院の患者情報を参照①オフライン参照:タブレット端末を設置し、医療カードに記載された内容を参照可能

②オンライン参照:各病院に設置されている電カル参照端末にて、足助病院の電子カルテ情報を参照可能

③カード認証:電カル参照端末にて医療カードをかざすことで、患者を認証

④カード発行:医療カードの発行枚数を増加

⑤カード認識:カードにシールを貼り、そのシールを専用受信機で認識すると音で知らせる(要素検証)

救急隊 足助病院 センター

診療情報

拠点病院

個人情報救急情報

電子カルテ(既設)

カード発行

VPN

カード情報を参照

カード情報を参照

① ②

・個人情報・救急情報・カルテNo

電話電話

救急搬送支援システム

認証

Medica

ID連携システム

HumanBridgeカルテ連携サーバ

オフライン参照 オンライン参照

VPN医療情報システム

電カル情報を参照

・トヨタ記念病院・豊田厚生病院

カードで認証・足助病院のカルテ参照

⑤ カード認識

増加

カード情報を参照

シール

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