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キャリア1x年のORACLE MASTER Platinum保持エンジニアが
Autonomous Databaseを触ってみた
2019年04月24日株式会社コーソル 渡部亮太
Oracle Cloud Meetup 九州 #2オラクルの最先端データベース特集!
#OraCloudKyushu
[公開用]
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自己紹介+所属会社紹介
• 渡部 亮太(わたべ りょうた)
– Oracle ACE (Oracle Database分野、日本に4名)
– 著書「オラクルマスター教科書 Gold Oracle Database 12c」、「Oracleの基本」、「プロとしてのOracleアーキテクチャ入門」
– JPOUG 共同創設者、ボードメンバー
– ORACLE MASTER Platinum 12c/11g/10gMySQL OCP 5.6、OSS-DB Gold(INACTIVE)
• 株式会社コーソル
– 「CO-Solutions=共に解決する」の理念のもと、Oracle技術に特化した事業を展開中。心あるサービスの提供とデータベースエンジニアの育成に注力している
– 社員数: 134名 (2019年4月時点)
– ORACLE MASTER Platinum保持者数3年連続日本一11g 保持者数 48名 / 12c 保持者数 37名
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ORACLE MASTER Platinum保持者数 3年連続 No.1コーソル紹介
http://www.oracle.com/jp/education/promotion/showcase-jpawardfy19-5032444-ja.html
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3拠点体制 - 24x365/DR/グローバル化のニーズに対応
コーソル紹介
福岡
東京 カナダトロント
オラクル製品他各種製品サポート
基幹系DBの運用支援
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Autonomous Database概要
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Autonomous Database(ADB)とは?Autonomous Database概要
• 平たく言うと"Full-ManagedなOracle Database PDB on Exadata in Oracle Cloud"
– AWSユーザーにはAWS RDS for OracleのOracle Cloud版というとわかりやすいかもしれない
• Autonomous Data Warehouse(ADW)とAutonomous Transaction Processing(ATP)の2種類が存在
– それぞれの想定用途に向け構成し固定化(構成変更は原則不可)
• システム構成を"オンプレOracle屋 目線"で表現するとOracle Database 18c Enterprise Edition + 有償Option + MAA構成 + Elastic + Exadata + Full Managed PaaS (+ Multi-AZ/AD deployment)
• 過去互換性のための機能を大胆に排除
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システム構成Autonomous Database概要
CDB
Multi-Tenant
Architecture
Exadata
インスタンス
インスタンス
1~
128
oCPU
Service
PDB 1~128TB
HIGH MEDIUM LOW
可用性ドメイン1
Real Application Clusters
アプリケーション
Full-Managed
CDB
Multi-Tenant
Architecture
Exadata
インスタンス
インスタンス
1~
128
oCPU
PDB 1~128TB
Real Application Clusters
可用性ドメイン2
Active
Data Guard Autonomous Databaseの実体はExadata上のPDB
CPU数、ストレージサイズは動的にスケール可能
アプリケーションは要求サービス特性に応じたサービスに接続
※: Data GuardスタンバイDBの配置は詳細要検証
バックアップ、パッチ適用などのデータベース管理作業を自動化
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システム構成について補足Autonomous Database概要
構成要素 説明
Oracle Database 18c Enterprise Edition+ 有償Option
• おおむね最新版(*1)のOracle Database• Enterprise Editionの機能に加えて、大部分の有償Optionの機
能を使用可能
MAA構成 • オラクルが長年開発してきた高可用性構成のベストプラクティス
• RAC+Data Guard(*2)を中心に多数の機能で構成される
Elastic • CPUコア数(oCPU)およびストレージサイズを動的に変更可能• oCPUに比例してメモリサイズおよびI/O性能が増加
Exadata • オラクルが長年開発してきた超高速ハードウェア• Smart Scan、HCCなどExadata使用時のみ使用できる処理高
速化機能が多数存在
Full Managed PaaS • バックアップ、パッチ適用などのデータベース管理作業を自動化
Multi-AZ/AD(*3)
deployment• 複数データセンターに分散配置することでデータセンターレベ
ルの障害にも耐える(*4)
*1: 正確には最新版は19c。ただしオンプレミスExadata環境向けにのみリリース*2,4: 現時点では未リリースの模様、詳細要検証*3: AD=可用性ドメイン(AWSにおけるAZに相当するため、併記している)
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自動化された管理作業 "Full-Managed"Autonomous Database概要
機能 説明
自動パッチ適用とアップグレード
• メンテナンス時間帯で自動的に適用される。ダウンタイムは発生しない(ローリング適用)
自動バックアップ • メンテナンス時間帯で自動的取得される• 別途手動でバックアップを取得することも可能
自動チューニング • 自動的にSQLチューニングが実行されるOracle Database Tuning Packを拡張した機能と思われるが詳細は公開されていない
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制限事項 - 実行不可の操作Autonomous Database概要
実行不可操作 説明
OSへのssh接続 • ssh接続を含め、OSへの操作は一切不可
データベースへのSYSユーザー接続
• 権限が限定されたADMINローカルユーザーのみが解放される
表領域の追加 • ASMの導入により、表領域設定の必要性は大幅に減っている
メモリサイズの変更 • oCPU数に応じて自動変更される
オンプレミスで取得したバックアップを用いたPDB作成
• OS操作不可のため、バックアップのリストアも同様に不可の模様
Enterprise Manager Cloud Controlを用いた監視
• 現状、専用の管理コンソールを用いて監視• 将来的にはOracle Cloud側で別途管理サービス
が提供されると思われる
セキュリティ設定の変更 • セキュリティ強度担保のため• 将来的にはセキュリティ強度を弱めない範囲で
柔軟性が得られることが期待される
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SLAとMAA構成
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Autonomous DatabaseのSLASLAとMAA構成
https://speakerdeck.com/tazyamah/bi-jiao-dewakaru-oraclecloud-awstobi-betemiyou
• おそらく現状99.95%
– サービス品質低下が21.6分(/月)以上で返金対象
– 参考) Oracle CloudのSLA: 可用性 +管理性 + 性能の3要素
• 99.995%(月間 2.2分)という数字も散見されるが・・・おそらく以下のように整理されるはず
SLA 説明
99.95% (月間 21.6分) • 通常のAutonomous Database• Active Data Guard未使用
99.995% (月間 2.2分) • Extreme Availability option(未リリース)のAutonomous Database
• Active Data Guard使用
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[参考] 障害/メンテナンス作業とMAA機能SLAとMAA構成
障害/メンテナンス作業 MAA
サーバー障害 RAC
AZ/AD障害(データセンター障害) Active Data Guard
データ破損 Active Data Guardブロックリカバリ
パッチ適用(PSUなど) RACローリングアップデート
データベースのアップグレード Active Data Guardローリングアップグレード
オブジェクトの変更(テーブル、インデックスなど)
各種オンライン操作
ユーザー操作ミスによるデータ消失 フラッシュバックテクノロジ
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スケーリングと処理性能
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Autonomous Databaseのスケーリングスケーリングと処理性能
• oCPUとストレージを独立してスケーリングできる– 当然ながらその分だけ料金が発生する
• スケーリングでダウンタイムは発生しない
• oCPUを増減すると、それに合わせてメモリサイズとI/O帯域が増減する
[参考] 実装
• oCPU → リソースマネージャによるリソース制限(CPU_COUNT)
• I/O帯域 → Exadata IORM
インスタンス 1~128 oCPU
ストレージ(PDB)
1~128TB
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oCPUと処理性能 - ADWスケーリングと処理性能
• oCPU増 → 所要時間 小(性能 高) : 当たり前ではある
• oCPU=1の性能がイマイチ・・・ おそらくリソースマネージャのオーバーヘッド
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
0 2 4 6 8 10
SSBクエリ#1実行時の所要時間
SSBクエリ#1実行時の所要時間
OCPU=8の所要時間を1とする結果キャッシュ無効化、3回実行の平均SSB: Star Schema Benchmark
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oCPUとメモリサイズ - ADWスケーリングと処理性能
*1: sga_target*2: pga_aggregate_limit*3: pga_aggregate_target
• oCPU増 → メモリサイズ大
– 比例して増えるようだ
oCPU数 sga_t (*1) pga_a_l (*2) pga_a_t (*3)
1 3400M 10200M 5100M
4 13600M 40800M 20400M
8 27200M 81600M 40800M
実測値。仕様などで明示されたものではない
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SQLリアルタイム監視レポートからExadataを感じる
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ADWとATP
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ADWとATPの比較 - オラクル社情報から整理
ADWとATP
ADW(Autonomous Data Warehouse)
ATP(Autonomous Transaction Processing)
想定用途 複雑な分析処理 トランザクション処理(少量データの更新処理)
および 分析処理
データ保管形式 列指向形式(HCC)
行指向形式(従来同様の方式)
想定されるメモリの用途 大量データの作業領域(PGA)
データのキャッシュ(SGA/DBCC)
パラレル処理の活用方針 大量データを処理するために積極的に活用
トランザクション処理では原則不要。分析処理では使用。→ サービス毎にパラレル処理使用/不使用を使い分け
一番大きい違いはADWはデフォルトでHCCが有効なことただし、ATPでもHCCは使用可能ではある
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事前定義されたサービスとその利用ADWとATP
• Autonomous Databaseを作成するといくつかのサービスが定義される
• データベースに接続するときは、事前定義されたサービスで接続する
– データベース名では接続しない(というかできない)
• アプリケーションで必要なサービス特性を持つサービス名を選んで接続する
– それぞれのサービスでサービス特性が異なる
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ADWの事前定義サービスADWとATP
サービス名(*1) RCグループ名(*2) サービス特性
xxx_HIGH HIGH • CPU割り当て優先度: 最高• パラレル処理: 可
xxx_MEDIUM MEDIUM • CPU割り当て優先度: 中• パラレル処理: 可
xxx_LOW LOW • CPU割り当て優先度: 低• パラレル処理: 不可
分析処理で使用
優先度の低い非分析処理で使用
*1: サービス名の "xxx"にはデータベース名が入る*2: リソースコンシューマグループ。サービスに1対1する
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ATPの事前定義サービスADWとATP
サービス名 RCグループ名(*1) サービス特性
xxx_TPURGENT TPURGENT • CPU割り当て優先度: 最高• パラレル処理: 明示的に指定すれば可
xxx_TP TP • CPU割り当て優先度: 高• パラレル処理: 不可
xxx_HIGH HIGH • CPU割り当て優先度: 高と中の間• パラレル処理: 可
xxx_MEDIUM MEDIUM • CPU割り当て優先度: 中• パラレル処理: 可
xxx_LOW LOW • CPU割り当て優先度: 低• パラレル処理: 不可
トランザク
ション処理で使用
分析処理で使
用
優先度の低い非分析処理で使用
*1: サービス名の "xxx"にはデータベース名が入る*2: リソースコンシューマグループ。サービスに1対1する
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コストモデルと価格性能比
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Autonomous Databaseのコストモデルコストモデルと価格性能比
• スケーリングに合わせて課金
• 基本的に、oCPUとストレージの両方の支払いが必要
• ストレージは最小1TB
• インスタンス停止でoCPU分の課金は停止
– ストレージ分は課金継続
インスタンス 1~128 oCPU
PDB 1~128TB
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Autonomous Databaseの価格体系コストモデルと価格性能比
完全従量 前払い
ライセンス費用込み(非BYOL)
ライセンス費用含まず
(BYOL)
BYOL or 非BYOLによらず費用発生
+価格同じ
位置づけ的に当然ですが、以下の関係となるPay as You Go > 月次フレックス
>> BYOL Pay as You Go > BYOL 月次フレックス
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BYOL / BYOL to PaaSコストモデルと価格性能比
• PaaSに対するBYOL方法
– もちろん対象のPaaSにADBも含まれる
• ライセンス条件が複雑だが、基本的にEEの場合オンプレ 1 Processor → ADB 2 oCPU として移行可能
– Standard Editionの場合、特別な優遇策アリ(後述)
• すでにオンプレ環境のOracle Databaseライセンスを持っている場合、クラウド料金の大幅軽減が可能
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ADBへのBYOL to PaaSの費用イメージコストモデルと価格性能比
オンプレミスサポート料金
オンプレミスサポート料金
ADBストレージ
料金
ADB oCPU料金
オンプレミス ADB BYOL
ADBストレージ
料金
ADBoCPU料金
ADB 非BYOL
費用UP vs クラウドおよびADBの利点 とのトレードオフ
BYOLによる価格優遇
※:ごめんなさい、紛らわしいですが↑の図の四角の大きさに基本的に意味はありません
ポイント• BYOL後もオンプレミスサポート料金を支払う必要がある• ADB oCPU料金はBYOLで優遇される• ADB ストレージ料金はBYOLでも非BYOLと同じ料金
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オンプレStandard Edition向けBYOL優遇策コストモデルと価格性能比
• オンプレミス環境のOracle Database Standard Edition向けにADBへのBYOL優遇策が提供されている
– SEユーザー狙い撃ちのクラウド移行推進施策と思われる
• 詳細は以下URLを
– Oracle Database SEユーザーにお得な情報 - 感じたままのイノベな日々https://mai-naga17.hatenablog.com/entry/2019/01/10/164338
– Oracle DB SEのクラウド移行に断然お得なキャンペーンhttps://go.oracle.com/LP=79079?elqCampaignId=195384
項目 説明
- クラウド費用の発生
• オンプレミスライセンスのサポート料金に加えてクラウド料金が発生(ただし、BYOLで優遇)
+ 機能の大幅な強化
• Enterprise Edition限定の有償オプションを使用可能に• ADBの利点を享受(Full-Managed、高性能、高可用性
など)
+ BYOL時のoCPU数優遇
• オンプレ 1 Processor → ADB 4 oCPU(EEでは 1 Processor → 2 oCPU)
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RedshiftとADWの価格性能比較コストモデルと価格性能比
• Viscosity社の資料が参考になる
– https://viscosityna.com/data-warehouse-comparison-redshiftadw/
– 性能 : ADWがRedshiftの4倍程度の処理速度
– 価格 : 割引なしでADWがRedshiftの7倍程度、ただし、割引(Monthly Flex)を使用すると4倍強程度まで差が縮まる。さらにオンプレミスのライセンスをBYOLすると、同程度になる
• 渡部が整理したViscosity社の結論
– "いわゆる正価ベースで単純に価格を比較すると、どうしてもADWCの費用が大きくなってしまいますが、 割引を適用すると差は縮まり、性能を考慮するとADWCの方が優れている! "
• http://cosol.jp/techdb/2018/12/oracle-autonomous-data-warehouse-cloud-redshift-cost-comparison.html
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まとめ的な感想
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Autonomous Databaseを使用しての感想
• やはりFull-Managedはらくちんでしょう
– Oracle Databaseプロフェッショナルサービスを提供する弊社のビジネス的には問題ですが ;-p
• といっても、やることは他にもたくさんあるのでおそらく仕事がなくなることはないと思っていますがね
• 一部機能制限があるとは言え、これだけの低価格でExadataを使用できるのは魅力
– ただし、MMA構成のあたりは継続注視
• 第2世代のOracle Cloudデータセンターが東京に5月開設予定ということもあり、オンプレミス環境のOracle Databaseライセンスをお持ちの方にはBYOLでのクラウド移行が魅力になるはず
– (ひとりごと)個人的には非BYOLの価格も下げてもらえると・・・ですが、いろいろ難しいのでしょうかね ;-p
• オンプレStandard Edition向けADB BYOL優遇策はパワフル– Oracle Database Standard Editionを使用する既存パッケージソフト
ウェアのOracle Cloud移行を大いに後押しするのでは
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