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マイナンバーについて 社会保障・税番号制度

吉田 隆直

健康生きがいづくりアドバイザー

ファイナンシャルプランナー

特定社会保険労務士

平成28年 11月 生きがい世田谷の会 例会資料

マイナンバーについて

• 本日のテーマ

1. マイナンバーとは何か

2. なぜできたか? マイナンバー制度の経緯

3. これがマイナンバーカードだ!

4. 必要になる場面

5. マイナポータルについて

6. マイナンバー制度導入の効果

7. マイナンバー制度の問題点、安全のために大切なこと

8. 法人番号について

9. その他 今後の展開など

社会保障・税番号制度

マイナンバーとは何か

• マイナンバーは、「個人番号」のことです。12桁の番号で出来ていて住民票を有するすべてのひとにひとつずつ指定されるその人だけの番号。悉皆性(しっかいせい)唯一無二性

• マイナンバー法の正式名称 →行政手続きにおける個人を識別するための番号の利用等に関する法律

• 原則 番号は変更できない。

• 番号は通知カードでお知らせ! 通知カードとともに個人番号カード交付申請書も届く。市区町村長は顔写真付きの個人番号カードを交付する。このとき通知カードは返戻する。

マイナンバー制度導入の経緯

• 1968年 佐藤内閣時代 「国民総背番号制」の導入検討

• 1980年 少額貯蓄非課税制度(マル優)の仮名口座防止のため、グリーンカード制度の導入が盛り込まれた所得税法改正する法律成立したが、最終的には廃止1985、マル優自体2005廃止

• 1999年(平成11年)住民基本台帳ネットワークシステム構築(11桁の住民票コード)国立市、横浜市、杉並区、藤沢市、福島県矢祭(やまつり)町 今はいずれも参加

• 2007年 第一次安倍内閣 「年金記録問題」年金もれ発生 出来なかった名寄せ・照合

• 2011年より社会保障・税一体改革実現のため共通番号導入に向けた検討が進んだ。同年東日本大震災 身元確認手段がなく金融機関の作業に支障

2013年5月 マイナンバー法が国会で成立

2015年10月 日本在住者に付番開始

2016年1月 マイナンバー使用開始

• 2015/5 年金番号流出の事故あり、年金の使用遅れている。

マイナンバー制度の目的(導入趣旨)

内閣府

不正受給の防止

災害時本人確認。災害時積極的な支援に活用できる。

添付書類の削減

お知らせ機能の向上など行政サービス向上

検索が楽になるなど情報管理効率化、

情報提供ネットワークシステムにより迅速な情報の授受

磁器ストライブ 地方自治体でマイナンバーカードを利用するときに使う部分

ICチップ おもて面に書かれた基本4情報と写真、マイナンバー、住民票コードなどが保存されている。電子申告で使う電子証明書も入っている

QRコード マイナンバーの12桁の数字が記録

マイナンバー 「個人番号」と表記される12桁の数字。 まわりからぬすみ見られにくいように数字の後ろはグレーに塗られている

これがマイナンバーカードだ!

1234 5678 9012

見本

電子証明書の有効期限

ご参考

内閣府説明資料から

マイナンバーが必要となる場面 詳細

番号法で規定

マイナンバーは法令で定められたもの及び地方公共団体の

条例で定められた手続き以外では使用できません

民間企業が法定調書などに記載する場面 業種・業務 法定調書の種類

金融機関

証券会社 配当、剰余金の分配および基金利息の支払調書

株式等の譲渡(売却)の対価等の支払調書

生命保険会社 生命保険契約などの一時金または年金の支払調書

損害保険会社 損害保険契約等の満期返戻金または年金の支払調書

銀行 国外送金又は国外からの送金の受領

一般企業

人事給与業務 給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票

各種の契約による取引業務 別途詳細

報酬・料金・契約金・賞金の支払調書

不動産の使用料の支払調書

マイナンバーを提出!

原稿料・講演料

集められた個人情報は法令に従い公的機関に分散管理され

情報提供ネットワークにより、情報連携されます。

個人は「マイナポータル」により、自分の個人情報を閲覧出

来るとともに公的機関間の情報のやり取りの記録を閲覧できる。

マイナポータルについて

マイナンバーを国民が有効に活用できるようにするための、インターネットを用いた行政サービスのことです。ポータルサービスから個人ページにアクセスでき、 自分のための情報を得ることができます。(正式名:情報開示等記録開示システム) 例えば

• 行政機関やそのほかの機関が、自分のどのような情報を知っているかがわかる。「こちらはあなたのこういう情報をもっています!」

• 自分の受けられる行政サービスについて教えてくれる。 「もうすぐ赤ちゃんの予防接種の時期です!」

• 面倒な行政手続きなどを、サイト上で一度にすませることができる。 「ここをクリックすれば手続きが完了します!」

• どこのだれが自分の情報を調べて、どういう目的で使用したかがわかる。 「この機関があなたの、この情報を調べました!」

※マイナポータルの機能の詳細は目下検討中です

ポータルとは? マイナポータルの「ポータル」は、「入り口」や「門」という意味。インターネットで情報を得たいときの入り口となるサイトをさすことばです。マイナポータルは、マイナンバーをよく知り、利活用するための入り口と言えます。

ご参考

世田谷区

マイナンバー制度導入の効果(まとめ)

より正確な所得把握が可能となり、社会保障や税の給付と負担の公平化が図られる

真に差し伸べるべき者を見つけることが可能となる

大災害時における真に手を差し伸べるべき者に対する積極的な支援に活用できる

社会保障や税に係わる各種行政事務の合理化が図られる

ITを活用することにより添付書類が不要となるなど、国民の利便性が向上する

行政機関から国民にプッシュ型の行政サービスを行うことが可能となる(一人ひとりに合ったお知らせ)

マイナンバー制度における問題点と安心・安全の確保

マイナンバー制度に対する懸念

国家により個人の様々な個人情報が個人番号をキーに名寄せ・突合されて一元管理されるのでないか

個人番号の不正利用等(例えばなりすまし)により財産その他の被害をうけるのでないか

集積・集約された個人情報が外部に漏えいしやすくなるのでないか

保護措置が取られています

安心・安全な仕組みへ

安心・安全な仕組みへ

マイナンバーの取り扱いの注意点

マイナンバー法 個人情報保護法との違い

出所 社労士研修会

マイナンバーは行政機関に個

人情報が集中しないよう分

散管理!

マイナンバー制度における問題点と安心・安全の確保

マイナンバー制度に対する懸念

集積・集約された個人情報が外部に漏えいするのでないか

個人番号の不正利用等(例えば成りすまし)により財産その他の被害をうけるのでないか

国家により個人の様々な個人情報が個人番号をキーに名寄せ・突合されて一元管理されるのでないか

制度面の保護措置 ① 本人確認措置(個人番号の確認・身元の確認) (番号法16条) ② 番号法の規定によるものを除き、特定個人情報(マイナンバーをその内容に含む個人情

報)の収集・保管、特定個人情報ファイルの作成を禁止(20条、28条) ③ 特定個人情報保護委員会による監視・監督(50~52条) ④ 罰則の強化(67~77条) ⑤ マイナポータルによる情報提供等記録の確認

システム面における保護措置 ① 個人情報を一元的に管理せずに、分散管理を実施 ② 個人情報を直接用いず、符号を用いた情報連携を実施 ③ アクセスできる人の制限。管理 ④通信の暗号化 セキュリティは念には念を!

法人番号の制度について 個人番号に加えて法人番号も付番されます

国税庁が法人番号を指定し、通知します。税申告や

社会保険の申請などで使用します

預金口座の付番について • 預貯金の場合、受け取る利子は税率20%の源泉分離課税。源泉徴収の段階で納税が完了するため、支払調書は提出されていない。一方証券の証券取引や生保の保険支払いに対し支払調書の税務当局への提出が義務ずけられている。

• 2016年のマイナンバー法導入後、証券や生保は番号付きの支払調書を当局に提出することになるが、銀行は提出必要ない。(銀行でも非課税預金などマイナンバー必要)

• 現在、預金者は銀行から、マイナンバーの告知を求められても、法律上告知義務は課されていない。

• 行政としては預金口座への付番促進をはかりたく付番開始後3年を目途に(平成30年)制度の見直しをしたいとしている。個人預金の口座数は10億口座を上回るとされており実務上付番へは課題が多いです。

例えば、マイナンバーと預金口座の紐付けが実現されれば、税務署は個人の納税状況と預金額とを参照できることになり、これによって脱税の摘発が容易になります。 さらには、生活保護など社会保障の不正受給も同様です。

あるいは、多額の貯金を持っているけれども収入が少ないせいで課税されていない人に対して、「資産課税」という形で税金を徴収できるようになるかもしれません。

そういった不公平な状態が是正される一方で、国がわたしたち個人の金融資産を把握できるようになるのを心配する声も上がっています。

①例えば不動口預金を国に没収されてしまわないか ②預貯金の金利の分離課税→総合課税となり結果として増税にならないか ③社会保険料の徴収も強化 70万社もの会社が社会保険に入っていないといわれています ④国の財政破綻で預金封鎖が行われる危険も

世田谷区作成

今後の展開・課題

マイナポータルの実用化 2017年7月より本格稼働 年金との連携 2017年5月末まで延期(それまでに何らかの発表があるはず) 対象拡大

• 預貯金口座 付番することは法律できまった。具体的なことはまだ決まっていない、(現状)義務ではなく、あくまで任意

• 戸籍など 2019年通常国会に向けて検討、併せて旅券事務も外務省を

中心に検討を進める。(戸籍がマイナンバー利用されるのであれば、旅券申請時戸籍謄本・抄本提出必要なし)

• 医療分野 2018年度より段階的運用開始 無駄な投薬など医療費の節約 効率的な医療計画 ⇒医療等 ID に係る法制度整備等に関する医師会声明 あり

中長期には利便性向上が見込まれる一方で、漏えいリスクも懸念されます。 マイナンバーをもとめられても応じなかった場合どうなるか?

今後の展開 国の意向 Q マイナンバーの利用範囲拡大の見通しや必要な手続はどうなっていますか。

A マイナンバーそのものの利用範囲は、法律又は地方公共団体の条例で限定的に定められています。現在の利用範囲である社会保障、税、災害対策の3つの行政分野の事務以外での利用については、法律の施行の状況等を勘案し、国民の理解を得る必要があることから、3年後くらいを目途に検討を進めていきたいと考えています。

他方で、マイナンバーカードやマイナポータルの利活用については、マイナンバーそのものを利用しない活用が可能であり、法改正も不要であることから、可能なものから順次実現していきたいと考えています。

例えば、以下のような民間活用策が検討されています。

オンラインバンキングをはじめ、各種の民間オンライン取引での利用

医療保険のオンライン資格確認を行うことによる健康保険証としての機能

クレジットカード、キャッシュカードとしての利用についても検討。

(2016年2月 内閣府)

ひとまず終わりです

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