ファイナンシャル通信 グローバルマーケット動向 世界経済...

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●本ご案内のデータ・分析等は過去の一定期間の実績に基づくものであり、将来の投資成果および市場環境の変動等を保証もしくは予想するものではありません。また各指数に直接投資することはできず、費用や流動性の市場要因も考慮されておりません。●本ご案内は、三井住友銀行が信頼できると判断したデータを基に作成していますが、データ・分析等の正確性・完全性等について当行が保証するものではありません。 ■本資料に関するお問い合わせは、現在のお取引店までお願い申し上げます。

ファイナンシャル通信 ― グローバルマーケット動向

1.リスクオン相場が継続新型コロナウイルスのワクチン開発期待と、各国中銀による緩和的な金融政策を背景としたリスクオン相場が継続し、主要国で株高・債券安(利回り上昇)となりました。米中は香港や南シナ海をめぐり対立姿勢を強めましたが、貿易面では第1段階の貿易合意の進展を確認するなど、決定的な対立は回避されました。

NYダウは4月以降、5ヵ月連続の上昇。対象範囲の広いS&P500種やハイテク銘柄の多いナスダック総合はともに過去最高値を更新しました。一方、米10年国債利回りは8月上旬の0.50%をボトムに反転しましたが、米FRB(連邦準備理事会)のゼロ金利政策が長期化するとの観測が支配的で、金利上昇には歯止めがかかりました。金相場には米長期金利の反転上昇で変調がみられました。8月初めに過去最高値をつけた後は、利益確定売りが優勢となりましたが、代替資産や安全資産としての金の魅力は変わっていないとみられます。

2.ドル安の流れは一服し、ドル円相場には円安の動き為替市場では、ユーロや円に対するドル安の流れが一服する一方、商品市況の上昇を背景に豪ドル等の資源国通貨の上昇が続きました。豪ドル円は78円近くまで上昇し、昨年5月以来の水準を取り戻しました。ドル円は米長期金利の反転上昇を背景に円売りドル買いが優勢となりました。7月末に104円台へ下落した後、一時107円近くへ戻しました。安倍首相の突然の辞任表明は1円強の円高を引き起こしましたが、105円台で下げ止まり、思惑的な円買いは収束しました。ユーロ円は復興基金の具体化を見極める局面に入り、戻り相場は120円台半ばで足踏みとなりました。バイデン氏が当選した場合、株安やドル安につながりかねない増税や規制強化等が懸念されますが、米国の失業率が高いうちは景気を損ねる政策が行われないとみられます。

3.新興国の政治経済情勢には不透明感新興国へのマネーの戻りは限定的なものにとどまっています。多くの新興国でコロナの感染拡大が進行していることに加え、経済成長率や対外債務などの経済ファンダメンタルズの悪化が予想され、先行き政治経済情勢への不透明感が浮上しています。リラ円は8月上旬に過去最安値となる14円台に下落し、その後も安値圏で低迷しました。海底ガス田の探索をめぐりトルコとギリシャの対立などが意識されました。通貨防衛のために中銀が大幅利上げに踏み切るかに焦点が集まっています。レアル円は下落に歯止めがかかりましたが、コロナの爆発的感染やボルソナロ大統領の指導力の低下から、先行きには懸念があります。

2020年9月1日

景気は4-6月期に底入れし、世界経済は回復過程をたどるとみられます。ただし、行動制限緩和によるコロナの再流行や第2波到来リスクが残り、先行きには不確実性が残ります。

米大統領選挙では、民主党のバイデン氏がやや優勢とみられますが、情勢は最後まで予断を許さないとの見方が圧倒的です。ただし、大統領選でバイデン氏が当選し、議会選挙で民主党が上院の過半数を奪取する場合は、民主党色の強い政策運営への警戒感が一時的に広がるとみられます。

▲日米の株価は、企業収益対比の割高感や景気回復の足取りの重さなどが意識され、上値の重い展開になりそうです。コロナ等のリスク要因に関連した株価の調整場面では、各国の中央銀行による大規模な量的緩和や新型コロナウイルスのワクチン開発への期待感が相場を下支えするとみられます。

ドル円は米中対立や米大統領選挙に関連して円高に振れる場面がありそうです。ただし、リスク回避の円買いに大きな持続性はないとみられます。ユーロ円は復興基金の具体化につれて上値を試す展開になりそうです。豪ドル円は、感染終息後の世界経済への回復期待を背景に安値圏からの修正が続くとみられます。鉄鉱石や金などのオーストラリアの主要輸出産品の商品市況の上昇も追い風です。

新型コロナウイルス終息の遅れ(行動制限緩和による再流行や秋から冬に第2波到来のリスクが懸念されます) 米国の政治情勢(貿易協議、ハイテクでの主導権争い、香港情勢等をめぐって中国との対立が強まる恐れがあります)

新興国経済の不安定化(新興国発の金融不安定化のリスクがあります) 原油相場の低迷(協調減産体制が崩れれば再び急落する恐れがあります)

主なリスク要因としては、以下の4つが挙げられます。

▶▶▶今後のマーケット環境

▶▶▶世界経済・金融市場のトレンド▼代表的資産の騰落率(2020年8月末時点)

<使用ベンチマーク> 世界国債:Bloomberg Barclays Global Aggregate USD Sovereigns、世界ハイイールド:Bloomberg Barclays Global High Yield、米国ハイイールド:Bloomberg Barclays US Corporate High Yield、欧州ハイイールド:Bloomberg Barclays Pan-European High Yield(Euro)、新興国ハイイールド:Bloomberg Barclays Emerging Markets Hard Currency Aggregate[以上 Bloomberg Barclays の指数は全て Total Return Index Value Unhedged USD ベース]、世界(除く日本)株式:MSCIコクサイ・インデックス、日本株式:MSCI日本指数、新興国株式:MSCIエマージング・マーケット・インデックス、先進国(除く日本)REIT:S&P先進国REIT指数、日本REIT:東証REIT指数 出所:Bloomberg L.P.

▼最近の出来事 ▼今後の重要スケジュール

出所:報道資料を基に作成

9/10 ユーロ圏 ECB(欧州中央銀行)理事会

9/15 -16 米国 FOMC(連邦公開市場委員会)

9/15 -30 - 国連総会(各国首脳による一般討論演説は

事前録画の可能性)

9/16 -17 日本 日銀金融政策決定会合

9月半ば 日本 自民党総裁選挙、臨時国会で新首相選出

9/24 -25 欧州 EU(欧州連合)首脳会議

9/29 米国 米大統領選挙 第1回TV討論会

10/16 -18 - IMF(国際通貨基金)世銀年次総会(TV会議)

10月 中国 五中全会(中国共産党中央委員会第5回全体会議)

11/3 米国 大統領選挙

11/21 -22 - G20(主要20カ国・地域)首脳会議

評価 日付 国/地域 経済指標やニュースなどのイベント

〇 8/4 - 金(ニューヨーク市場、現物)相場が初の2,000ドル超え~6日に2,063.54ドルの過去最高値

● 8/6 米国トランプ大統領が動画投稿アプリ「TikTok」に 関わる取引を禁じる大統領令を発出~14日に米国事業の売却命令

〇 8/7 米国 7月雇用統計 雇用者数は前月比176万人増、失業率は11.1%から10.2%へ低下へ

〇 8/8 米国 大統領令で失業給付の上乗せを一部延長~議会での追加対策協議は物別れに

〇 8/11 ロシア 新型コロナウイルスのワクチンを承認

● 8/17 日本 4-6月期GDP 前期比年率マイナス27.8%~過去最大のマイナス成長

〇 8/18 米国S&P500種株価指数が2月の過去最高値を更新~ナスダック総合は6月に先行して過去最高値を更新済み

- 8/20 米国民主党全国大会でバイデン氏が民主党の大統領 候補に~コロナ、経済、人種差別、気候変動の 4つの危機に

〇 8/24 米国 米中閣僚が貿易合意の推進を確認

〇 8/27 米国 米FRB(連邦準備理事会)が平均インフレ目標を導入~ゼロ金利政策の長期化を示唆

● 8/28 日本 安倍首相が辞任表明

評価は株式市場の見方:○はプラス、-は中立、●はマイナス

■3ヵ月前(2020年5月末)比■12ヵ月前(2019年8月末)比

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●本ご案内のデータ・分析等は過去の一定期間の実績に基づくものであり、将来の投資成果および市場環境の変動等を保証もしくは予想するものではありません。また各指数に直接投資することはできず、費用や流動性の市場要因も考慮されておりません。●本ご案内は、三井住友銀行が信頼できると判断したデータを基に作成していますが、データ・分析等の正確性・完全性等について当行が保証するものではありません。

(データ期間)2018/7/2~2020/8/31 (資料)Bloomberg L.P. 日本経済新聞等

▶▶▶マーケットを動かしたイベント

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