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「『助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)
活用ガイド』 解説編」について
助産実践能力強化支援に関するワーキング
井本寛子
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助産師の実践能力強化を支援する
作成の経緯
⽬ 的
『助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)』の開発
『助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)』活用ガイドの作成
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助産実践能習熟段階(クリニカルラダー)レベルⅢ認証制度始動が決定
「助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)
活用ガイド 解説編」の作成
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本日の内容
助産師を取り巻く現状と課題
ALL JAPANで活⽤する助産師の助産実践能⼒習熟段階の概要助産師のクリニカルラダーとはクリニカルラダーの⽬的クリニカルラダーの構造
「助産実践能力習熟段階 (クリニカルラダー)活用ガイド 解説編」について
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助産師を取り巻く現状と課題
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すべての妊産褥婦と新⽣児に助産師のケアを提供する
助産師の「量」と「質」が求められる
⽬的安全で安⼼な妊娠・出産・育児環境の整備
課題
医療法上、助産師の定数が明記されていない。よって分娩件数に⾒合う助産師数の確保が難しく、助産師1⼈あたりの分娩件数は施 設間の差が⼤きい。
集約化と機能分化が必ずしもうまく機能しておらず、周産期⺟⼦センター以外でもハイリスク妊産婦が増加している。
産科混合病棟が増加しており、79%に⾄る。そのうち59%の産科混合病棟では、助産師が産科と他科患者を同時に受け持っている。他科患者の⼊院基準についてもルールが形骸化しており、新⽣児の感染リスクが危惧される。
周産期医療体制出産場 所 は病院 と 診療所 が
ほぼ同数にも関わらず、77%の助産師が病院勤務しており、助産師の就業先の偏在是正が求められる。
77病院で、他施設への助産師出向経 験 があり 、 現在出 向している病院は17施設、助産師の回答でも53名が現在他施設へ出向している。助産師出向は全国で実施されている。
⼀定の条件が整えば、他施設への出向を検討する病院は292施 設 ( 59 % ) 、 助 産 師 は3,079⼈(79%)である。
助産師の偏在助産師養成数は増加し、⼤学院
教育も21校まで増加したが、多くは⼤学での養成増である。看護師免許との同時取得者が助産師国家試験合格者の32%を占める中、新卒助産師研修のあり⽅が問われている。
助産師に特化したクリニカルラダーがある施設は17%。
助産師に特化した新卒助産師研修は実施していない施設が68%にのぼる。
助産師のローテーションを実施している施設は31%。そのうち47%は内科や外科も含めた、全部署がローテーション先である。
助産実践能⼒の質助産師が⾃信をもって、助産師
としての専⾨性を発揮できる場と、そのための現任教育が必要。しかし、助産師の育成を⽬的とした定期的な⾯接も31%の施設で実施していない。
医師、看護師との連携の中で、助産師としての役割を担うことが求められる。院内助産を実施している施設は11%、助産外来の実施は51%である。現在導⼊していない施設の50%が院内助産の導⼊希望ありで、70%が助産外来の導⼊希望あり。
助産師の専⾨性発揮
量を巡る課題 (働く場と働く助産師) 質を巡る課題 (助産師の実践能⼒)
平成25年度・平成26年度助産関連事業の背景と根拠平成24年8⽉〜9⽉ 助産関連実態調査の実施 「助産師の出向システムと助産実習の受け⼊れ可能性等に関する調査」
○助産師の就業先の偏在是正と助産実践能⼒強化⽀援を⽬的とした助産師出向システムの推進
○周産期医療体制のもとでの、妊産婦リスク等に応じた助産師適正配置の検討
○産科混合病棟におけるユニットマネジメントの提案
○助産実践能⼒の強化⽀援○助産師のキャリアパスと助産実践能⼒習熟段階(クリニカ
ルラダー)と研修プログラムの提⽰○院内助産システムの推進強化
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ALL JAPANで活⽤する助産師の助産実践能⼒習熟段階
(クリニカルラダー)
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助産師の臨床実践に必要な助産実践能⼒を段階的に表現したもの
「クリニカル」→臨床における能⼒に焦点化「 ladder (はしご)」
→経験を積みながら、⽬標が定められた階段を⼀つ⼀つ登っていく
→臨床実践能⼒を⾼めていく
助産師のクリニカルラダー
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助産師としてのキャリアのゴールをどこに持っていくかを考え、それを達成するためにどのような経験が必要か、自らのキャリアを組織の資源を活用してデザインする
経験年数 入職~ ~3年目 4年目~ 6年目~ ~ ~10年 11年目~ 16年目~ 25年目~年 齢 23・24歳~ 27歳 28・29歳 30歳頃 34歳 35歳 40歳 45歳 50歳 60歳~
ライフサイクルイベント
定年退職 セカンドキャリア
キャリア分岐点
キャリアカウンセリングの時期
小児科、NICU 産科外来内科 ・手術室 ・救急外来など
•産科病棟
•助産外来主担当
職能開発の要件•基本的知識・技術の習得
•事例のまとめ・発表
•疾患の管理・看護を学び、合併症妊婦のケアに活かす
•専門職としての方向性を絞り、準備を開始
• チーム 医療の推進に伴う人間 性・社会性の向上•専門分野の強化・展開
•役割モデルとなる •自身の健康 や体力に合わせた能力の発揮
サポートの視点
•職場や職業への適応状況の把握と支援•OJTの活用
•新たな部署での経験支援•学習の機会を提供/実践力の強化
•活動の場の拡大に伴う動機付け
•専門分野以外の経験を支援
•選択肢の確認・支援
• 院 外研修、 教育の活用
• 管理 、 運営状況の把握と助言
•熟練助産師 のパワーを活用
•後輩育成
•セカンドキャリアに向けた準備
•セカンドキャリアを支援
(松田憲二(1989):民間企業におけるキャリア開発プログラム ジョブ管理からキャリア管理へ, 看護展望, 14(8), p.37より一部改変)
•病棟・助産外来・院内助産所を経験する•地域での社会貢献活動に参加する
助産師のキャリアパス
35年目~
•ハイリスク新生児(家族も含む)の管理・看護に関する知識・技術の習得・実能力強化のための学習強化
•院内助産 主担当
キャリア開発の方向付け
助産師資格取得後、就職 ~結婚 第1子出産 ~第2子出産~ ~第3子出産~
キャリアローテーション •長期研修(院内助産のある
病院へ)•助産師職能委員として活動
•産科病棟•分娩介助30例以上(分娩第1期から分娩第4期まで継続した観察と介助)•妊婦健診100例以上•産褥健診50例以上(産褥0日から産褥5日までの各日令の褥婦を50人ずつ)
基本的実践能力獲得期
実践能力
獲得期
セカンドキャリア準備期
ライフイベント再来
実践能力強化・拡大と
ライフイベントの調和期
役割(視野)拡大期
キャリア充実期
1回目
目的:育成計画の共有
(個人目標と組織目標のすり合
2回目
目的:キャリア継続、役割拡
大、実践能力強化
3回目
目的:キャリアの方向性の確認、
キャリアチェンジの可能性
4回目
目的:専門分野の強化・展開、
後輩の育成
5回目
目的:セカンドキャリアの支援、生涯助産師
として就業継続する
優れたジェネラリストとして活躍
開業に向けた準備
管理職・教員職・研究職・行政への道
(キャリア分岐点で発生)
ワーク・ライフ・ハーモニー(生活と仕事と学習の調和)
ラダー新⼈〜ⅠラダーⅡ
ラダーⅢラダーⅣ
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①助産師の臨床実践能⼒を評価する②能⼒向上への動機づけとする③教育的サポートの基準にする④助産師の職務満⾜度を向上させる⑤助産師の個々のキャリア開発に役⽴てる⑥⼈事考課、配置転換、給与等への資料とする⑦助産実践能⼒の保証となる
・井部俊⼦他監修 ⼿島恵編集:看護管理学習テキスト第2版 第4巻 看護における⼈的資源活⽤論、⽇本看護協会、2011⼀部改変
・梶原豊(1997):⼈材開発論 ⼈材開発活動の実践的・体系的研究 ,第2版、⽩桃書房
クリニカルラダーの⽬的の明確化
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活⽤ガイドP32〜
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クリニカルラダーレベルⅢ正常な妊娠・分娩・産褥・
新⽣児の助産ケアを責任もって⾏うこと
助産師の臨床実践能⼒
クリニカルラダーの構造
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指⽰・⼿順・ガイドに従い、安全確実に助産ケアができる
1.健康⽣活⽀援の援助のための知識・技術・態度を⾝につけ、安全確実に助産ケアができる
2.助産外来・院内助産について、その業務内容を理解できる3.ハイリスク事例についての病態と対処が理解できる
1.⼊院期間を通して、責任をもって妊産褥婦・新⽣児の助産ケアを実践できる2.助産外来において、個別性を考慮したケアを⾃律して提供できる3.助産外来において、指導的な役割を実践できる4.院内助産において、⾃律してケアを提供できる5.ハイリスクへの移⾏を早期に発⾒し対処できる
1.助産過程を踏まえ個別的なケアができる2.⽀援を受けながら、助産外来においてケアが提供できる3.先輩助産師とともに、院内助産におけるケアを担当できる4.ローリスク/ハイリスクの判別および初期介⼊ができる
1.創造的な助産実践ができる2.助産外来において、指導的な役割を実践できる3.院内助産において、指導的な役割を実践できる4.ローリスク/ハイリスク事例において、スタッフに対して教育的なかかわりができる
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活⽤ガイドP34 & P38〜 表2-2
Ⅱ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅰ
新⼈
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「助産実践能力習熟段階 (クリニカルラダー)活用ガイド 解説編」
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① 助産師の⼈材育成⽅針② 助産師のキャリア発達⽀援の実際③ 「助産実践能⼒習熟段階(クリニカルラダー)」の導⼊④ 助産実践能⼒を育むための教育計画
1 助産師のキャリア発達を⽀援しよう!
① レベルに応じた評価② 学習内容と教育体制③ 産科以外で働く助産師について④ ポートフォリオの活⽤
2 クリニカルラダーを活⽤しよう!
① 「レベルⅢ」の認証制度② 「レベルⅢ」の認証申請に向けた準備③ 「レベルⅢ」の認証申請の⼿順④ 「レベルⅢ」の認証申請に関するQ&A
3 「レベルⅢ」を申請しよう!
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1 助産師のキャリア発達を⽀援しよう!1 助産師の⼈材育成⽅針
「助産師の⼈材育成⽅針」の意義⼈材育成⽅針を策定する
2 助産師のキャリア発達⽀援の実際
3 「助産実践能⼒習熟段階(クリニカルラダー)」の導⼊
4 助産実践能⼒を育むための教育計画
施設におけるキャリア発達⽀援体制 / 「キャリア⾯接」とはモチベーションとキャリア発達⽀援・クリニカルラダー助産師が少ない職場におけるキャリア発達⽀援
助産実践能⼒習熟段階(クリニカルラダー)の意義助産実践能⼒習熟段階(クリニカルラダー)の活⽤⽬的助産実践能⼒習熟段階(クリニカルラダー)を導⼊する・アレンジ可能部分と不可部分 ・看護師ラダーとの関連は? ・⾯談がない場合は?
具体的な研修企画について経験年数の違う対象者に対する研修企画「倫理的感応⼒」に関する研修企画について産科以外で勤務する助産師に対する研修企画について
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2 クリニカルラダーを活⽤しよう!1 レベルに応じた評価
2 学習内容と教育体制
3 産科以外で働く助産師について
4 ポートフォリオの活⽤ポートフォリオが必要な理由ポートフォリオの作成ポートフォリオの様式
評価者について / 他者評価について / 産科以外にいる場合の評価について経験者の評価について / 育休等取得後の評価について他科経験後、異動した場合の評価について / 評価のツールについて
所属施設や部署で経験できない場合 / レベルⅢ申請の要件となる研修時間e-ラーニングで学べる内容 /
産科以外にいる助産師における助産実践能⼒習熟段階(クリニカルラダー)の活⽤出向先する際に注意すること / 助産師としてブランクがある場合
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3 「レベルⅢ」を申請しよう!1 「レベルⅢ」の認証制度
2 「レベルⅢ」の認証申請に向けた準備
3 「レベルⅢ」の認証申請の⼿順
4 「レベルⅢ」の認証申請に関するQ&A
「レベルⅢ」認証制度のしくみ「レベルⅢ」認証申請の流れ
[レベルⅢ」に到達するまでのプロセスのイメージ
「レベルⅢ」認証申請⽤書類⼀覧(案)申請に必要な書類の⼊⼿先URL
過去の実績を証明する書類が⼊⼿不可の場合健康診査1例の数え⽅
必ず、最新情報をご確認ください。
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助産師のキャリア発達を⽀援しよう!
クリニカルラダーを活⽤しよう!
「レベルⅢ」を申請しよう!
①各施設の実状にあった助産実践能⼒習熟段階(クリニカルラダー)が作成されたか
9・10・11・12
②助産実践能⼒習熟段階(クリニカルラダー)活⽤ガイドを活⽤して助産師の評価が⾏われたか
21・22・23・24・25・26・27・28・29
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③ポートフォリオの準備・作成が⾏われているか 40・41・42
④助産実践能⼒習熟段階(クリニカルラダー)とリンクした助産師教育プログラムが作成されたか
15・16・17・18・19・20 30・32・35・
⑤助産師の実践能⼒獲得に向けた施設内外での教育体制が整ったか
1・2・3・4・5・13・14・15・18
30・31・33・34・36・39
⑥その他 37・38・ 43・44・45
助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)活用の視点
表中の数字は、「解説編」におけるQの番号です。
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受講先 個⼈・施設 都道府県看護協会
配 信 期 間 平成26年11⽉5⽇〜平成27年2⽉13⽇ 11⽉〜12⽉の都道府県看護協会指定⽇
応 募 期 間 平成26年11⽉5⽇〜平成27年2⽉6⽇ 各都道府県看護協会の指定期間
申 込 先https://jna-net.jp/ インターネット配信研修
[オンデマンド]より開催する都道府県看護協会
受 講 料( 税 込 )
<個⼈>会●員:2,000円⾮会員:3,000円
<施設>会●員:2,000円⾮会員:3,000円
※施設単位です。
会●員:2,000円⾮会員:3,000円
受講先 都道府県看護協会(受信会場) 神⼾研修センター(配信元)
配 信 ⽇ 平成26年12⽉20⽇応 募 期 間 開催する都道府県看護協会の指定期間 平成26年9⽉1⽇〜16⽇
申 込 先 開催する都道府県看護協会 公益社団法⼈⽇本看護協会神⼾研修センター
受 講 料( 税 込 )
会 員:4,000円⾮会員:6,000円
会 員:10,000円⾮会員:15,000円
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