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140 │ MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 │ 141

 教養デザイン研究科は、2008年度に「人間性とその適正な環境の探求」を教育研究の目標として開設した、新しい教養系の研究科です。研究分野として、「思想」、「文化」、「平和・環境」の3コースを設置しています。 教養デザイン研究科の特色は次の3点にあります。 第1には、複数の教員が学際的な研究指導にあたり、1つの専門領域だけに偏らない総合的な研究指導を行っています。第2には、大学院の国際化に対応して、教育研究における国際的な連携を深め、海外へと開かれた研究科を目指しています。また、海外指定校制度を設け、本学の海外協定校から優秀な留学生を受け入れています。第3には、社会人に対して広く門戸を開放していることです。大学卒業後、それぞれの社会経験から得た学問的テーマの探求を希望する社会人を受け入れ、生涯学習社会に積極的に対応しています。

 教養デザイン研究科は、21世紀において人類が直面している諸課題を総合的・学際的に考察し、公共的観点に立って主体的に行動することのできる人材の養成を目指します。教育研究のテーマは「人間性とその適正な環境の探求」と、新時代にふさわしい「知の創造(デザイン)」です。科学技術の飛躍的発展によって生じた倫理的諸問題、グローバル化が進む現代世界における異文化理解、脱領域化状況の中での平和構築、自然環境との共生、これらの諸問題を総合的に考察し、解決へと導くことのできる高度な教養人と研究者を育成します。

 人類が直面する諸課題を包括的に探究するため、「思想」、「文化」及び「平和・環境」の3つの領域研究コースを設置しています。文理を融合し、総合化された知の創造と現代社会における新たな倫理の探求を目指します。科学技術の著しい発展、グローバル化の到来など、激変する現代社会において、生涯学習をも視野に入れて、高度な教養をデザイン(創造)できる人材と研究者を養成します。

教養の新しい意義と形を創造(デザイン)する

教養デザイン研究科の人材養成その他教育研究上の目的 教養デザイン専攻の人材養成その他教育研究上の目的

Graduate School of Humanities

教養デザイン研究科

事務取扱時間(和泉第一校舎 1F)

平 日▶ 9:00 ~ 11:30,12:30 ~ 17:00土曜日▶ 8:30 ~ 12:00電 話▶ 03-5300-1529U R L ▶ http://www.meiji.ac.jp/humanity/

140 │ MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 │ 141

教養デザイン研究科

■ 教育課程編成の考え方・特色

■ 論文テーマ

「思想」領域研究コース▶ガブリエル・タルドのミクロ社会学とモナドロジー

「文化」領域研究コース▶ブラジル日本移民 ―ライフヒストリーの分析から―▶村上春樹の初期長編小説における「壁」構築について▶テレビCMの広告表現から見る日中文化の比較 ―問題広告を中心に―▶トルコの女性労働 ―ジェンダーの視点から―

「平和・環境」領域研究コース▶日中両国歴史教科書の記述の比較 ―近現代史を中心に―▶『民約訳解』の中の「民主国」像の検討 ―「人情」、「道義」、「君」、「天」を中心に―▶環境保全に貢献しうる新しい食料生産システムとしての植物工場の稼働に関する研究▶スプリット方言における音韻と表記

2015 年度 修士論文テーマ

 教養デザイン研究科は、「人間性とその適正な環境の探求」をテーマとして、哲学・倫理学などの人文科学、法学・政治学などの社会科学、環境科学・生命科学などの自然科学の各分野から専門家を集めて教員とし、カリキュラムを組みました。学生は、次の3つのコースのうち、1つを選択することになります。

■ 「思想」領域研究コース 現代社会を読み解く鍵となる哲学・倫理・宗教について、グローバルかつアクチュアルな視点から考察していきます。また、現代倫理や現代思想に関する多面的研究にも取り組んでいます。

■ 「文化」領域研究コース 人間性の発現として文化を捉え研究します。共生社会における異文化理解ということを中心に、マイノリティの文化にも焦点をあて、文化マネジメントといった分野にも取り組んでいます。

■ 「平和・環境」領域研究コース 戦争・紛争と平和構築の問題、経済開発や貧困問題と平和の問題、また自然との共生の問題を中心に研究します。民族紛争、環境との関わり、科学技術と安全性の問題などを、幅広い視点で研究しています。

 これらのコースは、他の領域研究コースの科目も取り込んだきわめて学際的な研究が行えるよう設計されています。

カリキュラム概念図

人間性と適正な環境

「平和・環境」領域

研究コース

「思想」領域研究コース

「文化」領域研究コース平和構築

研究

地球公共論

文化論

文化理論研究

地域文化研究

言語文化研究

思想史研究

哲学研究倫理学研究

宗教学研究

科学技術史研究

地球環境研究

研究演習

研究演習

研究演習

文化マネジメント研究

人間性と適正な環境

142 │ MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017

教 養 デ ザイン 研 究 科 Graduate School of Humanities

■ カリキュラム一覧

カリキュラム一覧 

コース コース担当教員 担当教員授業科目 授業科目

コ ー ス 必 修 科 目

思 想

西洋思想領域研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 岩野 卓司西洋思想領域研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 井上 善幸西洋思想領域研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 釜崎  太東洋思想領域研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 金山 秋男 東洋思想領域研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 本間 次彦東洋思想領域研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 川野 明正

文 化

文化理論研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 広沢 絵里子文化理論研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 鈴木 哲也文化理論研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 畑中 基紀地域文化研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 虎岩 直子 地域文化研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 斎藤 英治地域文化研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 髙遠 弘美地域文化研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 池田  功地域文化研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 加藤  徹地域文化研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 菊池 良生地域文化研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 山岸 智子

平和・環境

平和構築研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 鳥居  高平和構築研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 山泉  進平和構築研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 佐原 徹哉平和構築研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 廣部  泉平和構築研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 丸川 哲史地球環境研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 森永 由紀地球環境研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 浅賀 宏昭地球環境研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 石山 徳子

共 通 必 修 科 目論文作成特論 鳥居  高

コ ー ス 必 修 科 目

思 想

研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 金山 秋男研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 岩野 卓司研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 本間 次彦研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 井上 善幸

文 化

研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 広沢 絵里子研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 虎岩 直子研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 斎藤 英治研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 髙遠 弘美研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 鈴木 哲也研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 池田  功研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 菊池 良生研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 山岸 智子研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 加藤  徹

平和・環境

研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 鳥居  高研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 山泉  進研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 佐原 徹哉研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 丸川 哲史研究論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 廣部  泉

共 通 選 択 科 目現代教養総合研究Ⅰ 丸川 哲史現代教養総合研究Ⅱ 薩摩 秀登

コ ー ス 選 択 必 修 科 目

思 想

西洋思想領域特別研究 岩野 卓司西洋思想領域特別研究 美濃部 仁東洋思想領域特別研究 金山 秋男東洋思想領域特別研究 本間 次彦

文 化

文化理論特別研究 薩摩 秀登文化理論特別研究 山岸 智子地域文化特別研究 加藤  徹地域文化特別研究 菊池 良生言語文化特別研究 鈴木 哲也

平和・環境

平和構築特別研究 鳥居  高平和構築特別研究 山泉  進地球環境特別研究 森永 由紀地球環境特別研究 浅賀 宏昭科学技術史特別研究 勝田 忠広

コ ー ス 選 択 科 目

思 想

西洋思想領域研究特論Ⅰ(終末論) 岩野 卓司西洋思想領域研究特論Ⅱ(ビザンティウム) 瀧口 美香西洋思想領域研究特論Ⅲ(イマージュの解体学) 井上 善幸西洋思想領域研究特論Ⅳ(現代社会とスポーツ) 釜崎  太東洋思想領域研究特論Ⅰ(文化としての生老病死) 金山 秋男東洋思想領域研究特論Ⅱ(東南アジア華人街概論) 川野 明正東洋思想領域研究特論Ⅲ(日本政治思想史(17 ~ 19世紀)) 本間 次彦思想領域研究特論Ⅰ(自己究明の諸相) 美濃部 仁思想領域研究特論Ⅱ(現代倫理学の困難と可能性) 合田 正人思想領域研究特論Ⅲ(人格の陶冶について)  

文 化

文化論研究特論Ⅰ(比較文化研究) 中村 和恵文化論研究特論Ⅱ(「文明」論をめぐる諸問題) 山岸 智子文化理論研究特論Ⅰ(日本語表現論) 黒﨑 典子文化理論研究特論Ⅱ(表象文化) 斎藤 英治文化理論研究特論Ⅲ(「うわさ」は文学をつくる) 畑中 基紀文化理論研究特論Ⅳ(モダニズム) 髙遠 弘美文化理論研究特論Ⅴ(自伝理論) 広沢 絵里子地域文化研究特論Ⅰ(日本) 池田  功地域文化研究特論Ⅱ(中国語圏) 加藤  徹地域文化研究特論Ⅲ(英語圏) 虎岩 直子地域文化研究特論Ⅳ(ドイツ語圏) 菊池 良生地域文化研究特論Ⅴ(ポストコロニアル圏) 中村 和恵地域文化研究特論Ⅵ(その他語圏) 薩摩 秀登言語文化研究特論Ⅰ(言語論と批評理論) 鈴木 哲也言語文化研究特論Ⅱ(独裁体制化の映画スタイル) 大楠 栄三言語文化研究特論Ⅲ(東西交渉史) 羽根 次郎文化マネジメント研究特論(芸能と国家・社会 ) 中村 雅之

平和・環境

地球公共論研究特論Ⅰ(国家と市民社会) 鳥居  高地球公共論研究特論Ⅱ(自然環境) 森永 由紀平和構築研究特論Ⅰ(平和思想) 山泉  進平和構築研究特論Ⅱ(国際政治史) 廣部  泉平和構築研究特論Ⅲ(日本の近代と中国の近代) 丸川 哲史平和構築研究特論Ⅳ(経済発展論) 鳥居  高平和構築研究特論Ⅴ(比較ジェノサイド論) 佐原 徹哉地球環境研究特論Ⅰ(自然環境) 森永 由紀地球環境研究特論Ⅱ(先端生命科学技術) 浅賀 宏昭地球環境研究特論Ⅲ(環境と社会) 石山 徳子科学技術史研究特論(科学と社会) 勝田 忠広

■ 博士前期課程

コース コース担当教員 担当教員授業科目 授業科目

■ 博士後期課程

※2016年4月1日時点のものです。今後変更や見直しを行う場合があります。

MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 │ 143

教養デザイン研究科

■ 教養デザイン研究科の特色ある教育プログラム

「映像資料活用による学際的アプローチの醸成プログラム」一覧テ ー マ ・ 映 像 タ イ ト ル 講   師 開 催 日

「学ぶ」をもう一度考える『学ぶことの意味を探して~神田一橋 通信制中学の歳月~』

太田直子(映像ディレクター)╱東野 真(NHK エグゼクティブ・プロデューサー) 2015 年 6 月 20 日

福島からの報告 豊田直巳(写真家)╱ 鎌田 慧(ノンフィクション作家) 2015 年 10 月 8 日

嵐と現代思想—PV に見る「嵐」ブレイクの理由— 関 修(明治大学法学部兼任講師) 2015 年 10 月 10 日

ガザの現在『ガザ攻撃 2014 夏』

土井敏邦(フリージャーナリスト・映画監督)╱臼杵 陽(日本女子大学教授) 2015 年 12 月 4 日

『100 年の谺(こだま)』 田中 啓(監督)╱ 千原卓司(イメージブレーン代表) 2014 年 9 月 30 日

『山谷 やられたらやりかえせ』 中村光男(被爆労働を考えるネットワーク) 2014 年 10 月 20 日

『TOKYO アイヌ』 宇梶良子(アイヌ文化活動アドバイザー) 2014 年 11 月 18 日

映像資料シリーズ「日本人は何を目指してきたのか」「地方から見た戦後」(2013 年度放映シリーズ、第 5 回)『福島・浜通り 原発と生きた町』

東野 真(NHK エグゼクティブ・プロデューサー)╱浜田裕造(NHK 大型企画開発センター 本番組メインディレクター) 2014 年 12 月 4 日

在日のアイデンティティとヘイトスピーチ 裵哲恩(在日本大韓民国民団企画調整室次長) 2013 年 6 月 19 日

『細毛家の宇宙』 佐藤 賢(立教大学心理学部講師) 2013 年 6 月 21 日

ボイストレーニング私論 富塚研二(ヴォイストレーナー・オペラ演出家) 2013 年 10 月 30 日

『アリ地獄のような街』 渡辺大樹(NGO エクマットラ共同代表) 2013 年 11 月 15 日

 教養デザイン研究科では、2009年度より新しい教育プログラム「映像資料活用による学際的アプローチの醸成プログラム(略称:映像資料プログラム)」を実施しています。 異文化理解や環境問題あるいは紛争や貧困など平和に関する問題への理解を深めるため、ドキュメンタリーなど映像資料を活用するプログラムです。しかし、映像資料にも限界があるために、プログラムでは映像資料の上映と併せて監督やプロデューサーをお呼びし、作った側と見る側が映像を挟んで、実際に「キャッチボール」することによって、複眼的な思考や視点を醸成することを目的にしています。 また教養デザイン研究科は学際的研究をその特徴としており、映像資料について、思想的側面から、文化的側面から、更には社会経済的側面から見ることによって、それぞれの視点を「交差」させていくおもしろさを体験することをねらいとしています。

 本企画は、和泉キャンパスに大型テントを数日間にわたって設営し、そこで日頃の研究成果を報告したり、またワークショップを展開する実験的プログラムです。本企画の特色は、テントの設営から、教員、院生、そして学外の文化グループが共同作業として進行していくもので、プログラム内容のみならず、音響や照明なども自分たちで展開し管理するなどの手法を旨とするものです。テント空間の第一の魅力は、風や日差しの変化など環境との連続性にあり、またノウハウを共に容易に学んでいけるシンプルさ、そしてさまざまな工夫を自由に付け加えられる自主性にあります。テントは現在では、災害時などの需要から認知されているものですが、いわば人類史の大半の歴史において、人間は簡単な住居を持って移動していたわけで、そういった人類史の中に立ち返ってみる――そのような試みとして、テントは新たな研究と教育の可能性を秘めたものではないか、と考えています。

特定課題講座「風に吹かれて—テントが世界を包む—」ワークショップ/講義プログラム一覧タ イ ト ル 講   師 開 催 日

オープニング企画 無法地帯 [ 創作ダンス ] 構想・踊り手:リュウセイオー龍 2015 年 6 月 12 日

自分の身体と出会ってみよう [ ワークショップ ] ”Body Synergy” 2015 年 6 月 13 日

イラン~ペルシア華麗なる美の伝統 [ 講演+音楽 ] 講師:ソレマニエ・フィーニー・アミール(千代田トレーディング株式会社代表取締役)演奏:ルーミー・バンド 2015 年 6 月 14 日

沖縄、そのイメージの群島へ [ 講演 + スライド上映 ] 仲里 効(評論家) 2015 年 6 月 15 日

テント芝居「考」 わーくちょっぷα『テント場 考』発題と発語の稽古 桜井大造(テント劇団「野戦之月」) 2015 年 6 月 16 日

「アラブの春」と広場文化 [ 講演 + 動画紹介 ] 山本 薫(アラブ文学者、東京外国語大学非常勤講師) 2015 年 6 月 17 日

東洋演劇の実技と哲学について [ 京劇の体験型ワークショップ ] 魯 大鳴(ルー・ダーミン、京劇俳優) 2015 年 6 月 18 日

ゲルで暮らすということ—モンゴルの遊牧から考える—[ ビデオ/写真を用いた講義 ]

森永由紀(教養デザイン研究科・教授)╱絢野 那陳(アヤノ ナチン、岡山大学地域総合研究センター助教) 2015 年 6 月 19 日

「学ぶ」をもう一度考える [ 教養デザイン研究科映像資料プログラム]映像作品:「学ぶことの意味を探して~神田一橋 通信制中学の歳月~」

太田直子(映像ディレクター)╱東野 真(NHK エクゼクティブ・プロデューサー) 2015 年 6 月 20 日

テント芝居「考」 わーくちょっぷ β『ガマ 考』試演と感想戦 桜井大造・森美音子(テント劇団「野戦之月」) 2015 年 6 月 21 日

映像資料活用による学際的アプローチの醸成プログラム

和泉キャンパス特設テントを活用したワークショップ/講義プログラム

144 │ MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017

教 養 デ ザイン研 究 科 Graduate School of Humanities

MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 │ 145

■ 院生・修了生メッセージ

博士前期課程教養デザイン専攻

「平和・環境」領域研究コース2 年

宮本 司MIYAMOTO Tsukasa

 私の研究テーマは、日本人のアジア認識についてです。具体的には、日本人がアジア(そして日本)をどのように捉え、それとどう関わってきたかという歴史のなかでの、戦前のいわゆる「アジア主義」の考察です。一見現代社会とはあまり関わりが無いテーマに思えますが、ここ最近の東アジアに対する、日本とアジアの関わりの歴史性抜きの多くの言説の存在からして、非常に現代性のあるテーマといえます。特に最近では、その東アジア認識を根拠として、日本の具体的政治状況が動いています。また、日本人の国際理解、特に東アジア認識ほど教養の質が具体的な形で問われるものもあまり見当たりません。そのような意味から、本研究科、そして丸川哲史先生のもとへ進学し研究をすることを決めました。

 私たちが暮らす現代の情況は、ここ最近幅を利かせている、いわゆる「実用主義」的な方向からのみ、理解できるものではありません。具体的には、昨今の「安保法案」を議論することは、当然のことながら、否応なく「教養」の必要性を我々に迫った事態の一つであったと思います。 知識の集積のみならず、それを底でつなぎ発展させる「教養」を深めることができる環境がある本研究科は、目の前の社会情況に対する本質的な思考の訓練に最適の場であると思います。「実学」や「実用教育」重視という風潮の中での、一面的な言説への安易な追従が蔓延している現代の状況こそ、むしろ本研究科の重要性を逆説的に証明しているように思えてなりません。

院生からのメッセージ

東アジアと現代日本人の教養Message #1

輝く未来をデザインする

博士前期課程教養デザイン専攻

「文化」領域研究コース2016 年 3 月修了

金 玲JIN Ling

 私は中国の大学で日本語を勉強しました。大学を卒業してから日本でさらに勉強したいと思い大学院への進学を決め、虎岩直子先生のご指導のもと研究を進めました。人間のイマジネーションが壁を作り上げ、時として私達はその壁に囲まれた世界に住んでいます。私は村上春樹の作品に興味があり、「村上春樹の初期長編小説における壁構築」というテーマについて研究しました。文学作品を研究するには政治学、社会学、心理学など幅広い分野の知識が必要とされますが、私は様々な学問領域に触れるならば、教養デザイン研究科こそが最も適していると思います。教養デザイン研究科は「思想」「文化」「平和・環境」三つの研究分野が設置されておりその中から自由に講義を選択することで、従来の専門の枠にとらわれないより学際的な人文・社会・自然の諸学を修めることが出来るからです。自らが専攻する領域研究コースだけではなく、他コースの

授業を履修することで、異なる分野の知識を学ぶのみならず異なる領域からの思想や意見をより積極的に先輩や学友と交換・交流することにより自分の研究をさらに豊かにすることができます。このような一つの領域に偏らない総合的な研究ができる研究環境が私にとって大きな魅力の一つです。本研究科では大学院事務室のスタッフが丁寧にサポートしてくれますので、安心して充実した大学院生活を過ごすことが出来ます。日本語で論文を作成する際に苦労した私のような留学生のためにも、留学生向けの論文添削サポートや論文作成授業が設置されているので、レポートや論文を作成することに不自由することはありません。そして、充実した各種奨学金支援が用意されているため経済的な負担を減らして研究に集中することができます。大学院への進学を考えている皆様、教養デザイン研究科で新しい一歩を踏み出しませんか?

Message #3

贅沢な研究空間

博士後期課程教養デザイン専攻

「平和・環境」領域研究コース3 年

鈴木 真奈美SUZUKI Manami

 大学院の専攻を問われ「教養デザイン」と答えると、必ずと言っていいほど「え?」と聞き返されます。日本語になったデザインという単語は、美術、工芸、建築、ファッションなど造形的な作業を連想させるためか、形として表すことのできない教養とは結び付きにくいのかもしれません。実はデザインの語源には意匠や設計などに加え、問題解決という意味も含まれています。教養とは、人間や人間社会が抱える諸々の問題を分析し、解決するための方法を組み立て、それを実行に移すにはどのような知識が有用かを知っていることだと思います。つまり教養をデザインするとは、分野にとらわれない学際的な知識を身に付け、問題解決に向けたアイディアを創造し、それを具体化する能力を構築していく

ことではないでしょうか。 教養デザイン研究科は学際的研究の基本を学び、その礎の上に自分のテーマをさまざまな視角から検討し、作品へと仕上げていく場です。教授陣はそれぞれの専門分野――人文科学、社会科学、自然科学――から私たちの研究を支援してくださいます。ここで学ぶ仲間たちは、出身学部はもとより、年代も、育った土地も、母語も、社会での経験も異なります。固定化した枠の中で研究していたのでは得ることができない刺激と気づきを、さまざまなバックグラウンドをもつ仲間たちから享受できるのが、この研究科の特徴です。この贅沢な研究空間に新しい仲間が増えることを期待しています。

院生からのメッセージ

Message #2

修了生からのメッセージ

144 │ MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 │ 145

教養デザイン研究科

■ 教 員 一 覧 ※2016年4月1日時点のものです。今後変更や見直しを行う場合があります。

金山 秋男KANEYAMA Akio

教授 仏教思想/宗教民俗学および死生学研究分野

【最終学歴】東京大学大学院【担当授業科目】東洋思想領域研究演習/東洋思想領域研究特論Ⅰ/研究論文指導/東洋思想領域特別研究【研究テーマ】日本人の死生観、 霊魂観、 他界観についての仏教民俗学的アプローチ【主な著書・論文】『絶後再蘇の構造』(『生と死の図像学』・至文堂)/『無常仏法─道元の死生観と宇宙観』『「生と死」の東西文化史』(方丈堂出版・2008 年)

岩野 卓司IWANO Takuji

Ph.D.教授

哲学/思想史/精神分析/暴力の系譜学/言語と政治

研究分野

【最終学歴】東京大学大学院/パリ第 4 大学大学院【担当授業科目】西洋思想領域研究演習/研究論文指導/西洋思想領域特別研究【研究テーマ】西欧思想史における暴力の解釈とそれが抑圧してきたものの考察/終末論と死の問題の研究/哲学・宗教・人類学における贈与論とスカトロジーの探求【主な著書・論文】『ジョルジュ・バタイユ─神秘経験をめぐる思想の限界と新たな可能性─』(水声社・2010 年)/『贈与の哲学-ジャン=リュック・マリオンの思想』

(明治大学出版・2014 年)

教 養 デ ザ イ ン 専 攻「思想」領域研究コース

本間 次彦HONMA Tsugihiko

教授 中国前近代思想研究分野

【最終学歴】東京大学大学院【担当授業科目】東洋思想領域研究演習/東洋思想領域研究特論Ⅲ【研究テーマ】帝政後期中国の思想状況に対する多角的分析(文学・宗教なども含む)【主な著書・論文】『コスモロギア――天・化・時』(「シリーズ・キーワードで読む中国古典」1・共著・法政大学出版局・2015 年)/ B.A.エルマン『哲学から文献学へ――後期帝政中国における社会と知の変動』(共訳・知泉書館・2014 年)

川野 明正KAWANO Akimasa

博士(文学)教授 中国民俗学・東アジア比較文化論研究

分野

【最終学歴】東京都立大学大学院【担当授業科目】東洋思想領域研究演習/東洋思想領域研究特論Ⅱ【研究テーマ】中国民間信仰(呪術・神像版画・石獅・文字信仰・門画)/東南アジア華人街・中国及び台湾旧市街の形成過程と街並景観の研究【主な著書・論文】『神像呪符〈甲馬子〉集成─中国雲南省漢族・白族民間信仰誌』(単著・東方出版・2005 年)/『中国の〈憑きもの〉─華南地方の蠱毒と呪術的伝承』(単著・風響社)/『雲南の歴史─アジア十字路に交錯する多民族世界』(単著・白帝社・2013 年)

井上 善幸INOUE Yoshiyuki

教授 ヨーロッパ文学と哲学/モダニズム文学/サミュエル・ベケット/西洋精神史/科学哲学

研究分野

【最終学歴】関西大学大学院【担当授業科目】西洋思想領域研究特論Ⅲ/西洋思想領域研究演習【研究テーマ】文学と哲学/記憶術【主な著書・論文】[ 共著 ]Beckett and Animals. Cambridge University Press, 2013. /『サミュエル・ベケットと批評の遠近法』(未知谷・2016)/[ 論文 ] ‘Cartesian Mechanics in Beckett’s Fin de partie’. Samuel Beckett Today / Aujourd’hui 24. Rodopi, 2012. /「『人べらし役』の生理学─プネウマの循環と変貌─」(『人文科学研究所紀要』・2010)

釜崎 太KAMASAKI Futoshi

博士(教育学)准教授 身体教育論/ドイツスポーツ研究研究

分野

【最終学歴】広島大学大学院【担当授業科目】西洋思想領域研究演習/西洋思想領域研究特論Ⅳ【研究テーマ】身体教育の可能性の探究及び身体・メディアを中心とするスポーツ史研究【主な著書・論文】

「ドイツ第二帝政期における Fußball(フースバル)の誕生-教養市民コンラート・コッホの理想と現実」(明治大学教養論集 502 号・2014 年)/「思想としての “ 広島 ” オリンピック―もうひとつの平和運動をひらく『痕跡たち』―」(現代スポーツ研究 12 号・2011 年)

瀧口 美香TAKIGUCHI Mika

Ph.D.准教授 ビザンティン美術史/キリスト教図像学研究

分野

【最終学歴】ロンドン大学大学院【担当授業科目】西洋思想領域研究特論Ⅱ【研究テーマ】ビザンティン写本挿絵/初期キリスト教聖堂舗床モザイク/ビザンティン聖堂フレスコ壁画【主な著書・論文】2012 年 11 月『ビザンティン四福音書写本挿絵の研究』、創元社/“Some Greek Gospel Manuscripts in the British Library: Examples of the Byzantine Book as Holy Receptacle and Bearer of Hidden Meaning,” single-authored, The Electronic British Library Journal (2011), 1-16.

広沢 絵里子HIROSAWA Eriko

教授 ドイツ文学/自伝研究研究分野

【最終学歴】立教大学大学院【担当授業科目】文化理論研究演習/文化理論研究特論Ⅴ/研究論文指導【研究テーマ】精神分析と自伝/ドイツ語圏の文化【主な著書・論文】ゲルマニスティネンの会・光末紀子他編『ドイツ文化を担った女性たちーその活躍の軌跡』(共著・鳥影社・2008 年)/広沢絵里子・M. マンデラルツ編『Auto-/Biographie: Erzähltes Selbst, erinnerte Bilder』(共編著・日本独文学会・2010 年)

鈴木 哲也SUZUKI Tetsuya

教授 言語社会学研究分野

【最終学歴】英国リーズ大学大学院【担当授業科目】文化理論研究演習/言語文化研究特論Ⅰ/研究論文指導/言語文化特別研究【研究テーマ】コミュニケーション・テクノロジーの発達と社会構造の変化の相関性【主な著書・論文】『ケルト 口承文化の水脈』(共著・中央大学出版部・2006 年 3 月)

教 養 デ ザ イ ン 専 攻「文化」領域研究コース

畑中 基紀HATANAKA Motoki

准教授 近代日本文学・表現論研究分野

【最終学歴】早稲田大学大学院【担当授業科目】文化理論研究演習/文化理論研究特論Ⅲ【研究テーマ】物語芸術におけるリアリティの構造【主な著書・論文】「『日日平安』から『日々平安』へ ー原作小説からシナリオへの改変過程ー」(『明治大学教養論集』)/「縁談の文体論-『細雪』における〈うわさ〉による縁談のストーリー形成について」(『文体論研究』)

146 │ MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017

教 養 デ ザイン研 究 科 Graduate School of Humanities

MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 │ 147

鳥居 高TORII Takashi

教授 多民族国家における政治・経済システムの研究

研究分野

【最終学歴】中央大学【担当授業科目】平和構築研究演習/地球公共論研究特論Ⅰ/平和構築研究特論Ⅳ/研究論文指導【研究テーマ】多民族国家の社会安定装置について、市民権、政党、選挙、経済テクノクラートなどに焦点を当てている【主な著書・論文】『マハティール政権下のマレーシア』(編著・アジア経済研究所・2006 年)/『アジア中間層の生成と特質』(共編著・アジア経済研究所・2002 年)

山泉 進YAMAIZUMI Susumu

教授 社会思想史研究研究分野

【最終学歴】早稲田大学大学院【担当授業科目】平和構築研究演習/平和構築研究特論Ⅰ/研究論文指導/平和構築特別研究【研究テーマ】初期社会主義思想/「大逆事件」の国際的反響【主な著書・論文】

『平民社の時代─非戦の源流』(論創社・2003 年)/『帝国主義』(幸徳秋水著、山泉校注・解説、岩波文庫・2004 年)/『大逆事件の言説空間 』(編著・論創社・2007 年)/『布施辰治研究』(共著・日本経済評論社・2011 年)/『木村礎研究』(共著・日本経済評論社・2014 年)

教 養 デ ザ イ ン 専 攻「平和・環境」領域研究コース

池田 功IKEDA Isao

博士(文学)教授 日本近代における文学と文化及び社会研究

分野

【最終学歴】明治大学大学院【担当授業科目】地域文化研究演習/地域文化研究特論Ⅰ/研究論文指導【研究テーマ】日本近代の文芸研究/病と人間の文化研究/死生観の研究/石川啄木研究【主な著書・論文】『啄木 新しき明日の考察』(新日本出版社・2012 年)/『啄木日記を読む』(新日本出版社・2011 年)/『新版 こころの病の文化史』(おうふう・2008 年)/『石川啄木 その散文と思想』(世界思想社・2008 年)/『石川啄木 国際性への視座』(おうふう・2006 年)

加藤 徹KATO Toru

教授 中国伝統演劇(京劇)/中国文化研究分野

【最終学歴】東京大学大学院【担当授業科目】地域文化研究演習/地域文化研究特論Ⅱ/研究論文指導/地域文化特別研究【研究テーマ】中国の文化を、日本社会との比較という視点もふまえつつ研究【主な著書・論文】『京劇』(中公叢書・2001 年 ) /『貝と羊の中国人』(新潮新書・ 2006 年)

菊池 良生KIKUCHI Yoshio

教授 ドイツ・オーストリア文化史研究分野

【最終学歴】早稲田大学大学院【担当授業科目】地域文化研究演習/研究論文指導【研究テーマ】後期中世から近世にかけての近代国家形成の歴史【主な著書・論文】『ハプスブルクをつくった男』(講談社現代新書・2004 年)/『ハプスブルク帝国の情報メディア革命』

(集英社新書・2008 年)/『ハプスブルク家の光芒』(ちくま文庫・2009 年)/『ハプスブルク家の人々』(新人物往来社文庫・2009 年)/『警察の誕生』(集英社新書・2010 年)/『哀しいドイツ歴史物語』

(ちくま文庫・2011 年)/『検閲帝国ハプスブルク』(河出書房新社・2013 年)/『皇帝銃殺』(河出文庫・2014 年)

山岸 智子YAMAGISHI Tomoko

博士(学術)教授 イラン地域研究/文化論研究

分野

【最終学歴】東京大学大学院【担当授業科目】地域文化研究演習/研究論文指導【研究テーマ】イスラームとグローバル化の諸問題、イメージとイデオロギーの関連性、など【主な著書・論文】“Can Japan embrace a Muslim Public? A study on responses to newcomer Muslims,” K.Ohtsuka & D. F. Eickelman eds., Crossing Boundaries; Gender, the Public, and the Private in Contemporary Muslim Societies,Tokyo,ILCAA,2008. /「 テロリスト討 伐と女 性 像( イメージ)」(東北大学『国際法・国際関係とジェンダー』・2007 年)

薩摩 秀登SATSUMA Hideto

社会学博士教授 西洋中・近世史/東欧史研究

分野

【最終学歴】一橋大学大学院【担当授業科目】地域文化研究特論Ⅵ/文化理論特別研究【研究テーマ】東欧の中・近世における政治および社会構造と文化【主な著書・論文】『プラハの異端者たち 中世チェコのフス派に見る宗教改革』(現代書館・1998 年)/『物語チェコの歴史 -森と高原と古城の国』(中公新書・2006 年)/『辺境のダイナミズム』(共著・岩波書店・2009 年)

中村 和恵NAKAMURA Kazue

教授 比較文学・比較文化/英語圏文学研究分野

【最終学歴】東京大学大学院【担当授業科目】文化論研究特論Ⅰ/地域文化研究特論Ⅴ【研究テーマ】旧英領植民地を中心とする非西洋圏の文化・文学の比較研究、少数者の目に関心がある【主な著書・論文】『つきまとう故郷—トランス・ナショナルな英語文学とネイションの問題』(「岩波講座文学 13」・2003 年)/『帝国を飼いならせ』

(「早稲田文学」1996-2000 年)/『世界中のアフリカへ行こう』(岩波書店・共著・編集者・2009 年)/『地上の飯』(平凡社・2012 年)/『日本語に生まれて』(岩波書店・2013 年)

髙遠 弘美TAKATO Hiromi

教授 フランス文学・文化史/日本の古典藝能

研究分野

【最終学歴】早稲田大学大学院【担当授業科目】地域文化研究演習/文化理論研究特論Ⅳ【研究テーマ】プルースト『失われた時を求めて』及び文楽研究【主な著書・論文】『七世竹本住大夫 限りなき藝の道』(講談社・2013 年)/プルースト『失われた時を求めて』全 14冊個人全訳中(光文社古典新訳文庫・2010 年~)/ロミ『完全版 突飛なるものの歴史』(平凡社・2010 年)/P・レアージュ『完訳 Oの物語』(学習研究社・2009 年)

斎藤 英治SAITO Eiji

教授 現代アメリカ文学およびアメリカ映画史研究分野

【最終学歴】明治大学大学院【担当授業科目】地域文化研究演習/文化理論研究特論Ⅱ/研究論文指導【研究テーマ】D.W.グリフィスの映画から現代アメリカ文学まで、アメリカ文化の魅力と特質を研究【主な著書・論文】The Sound of Silent Films : Griffith’s Innovations on Sound in Home, Sweet Home /「『風』とそのハッピーエンドに関する覚え書き」(『明治大学教養論集第 445 号』・2009 年)

虎岩 直子TORAIWA Naoko

Ph.D.教授

現代アイルランド文学/イギリス諸島とカナダの文化

研究分野

【最終学歴】東京大学大学院/ Sussex University【担当授業科目】地域文化研究演習/研究論文指導【研究テーマ】現代アイルランド社会と文学/トランスレーション論/パブリック・アート【主な著書・論文】『近・現代的想像力に見られるアイルランド気質』(共著・渓水社)/『アイルランド・ケルト文化を学ぶ人のために』(共著・世界思想社)

146 │ MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 │ 147

教養デザイン研究科

森永 由紀MORINAGA Yuki

博士(理学)教授 気候学・環境科学研究

分野

【最終学歴】筑波大学大学院【担当授業科目】地球公共論研究特論Ⅱ/地球環境研究特論Ⅰ【研究テーマ】モンゴルの遊牧知と自然環境【主な著書・論文】『多元的環境問題論(増補改訂版)』(共編著・ぎょ

うせい・2006 年)/「モンゴル国における気象災害の早期警戒システムの構築に向けて」(地理学評論、78 巻 13 号、928-950、2005 年、共著)/Who is making airag (fermented mare’s milk) in Mongolian households? Nomadic Peoples, 19,7-29,2015, (共著)

浅賀 宏昭ASAGA Hiroaki

理学博士教授

ヒトを中心に考える生命科学ならびに生命科学教育

研究分野

【最終学歴】東京都立大学大学院【担当授業科目】地球環境研究演習/地球環境研究特論Ⅱ/地球環境特別研究【研究テーマ】「動物細胞の機能に関する研究」および「生命科学分野における実験教材の開発」ならびに「バイオテクノロジーの利用・普及に関する研究」【主な著書・論文】『知っておきたい最新科学の基本用語』(技術評論社・2009 年)/ Abnormal Accumulation of Citrullinated Proteins Catalyzed by Peptidylarginine Deiminase in Hippocampal Extracts from Patients with Alzheimer’s Disease., J. Neurosci. Res. 80, p.120-128, 2005.

石山 徳子ISHIYAMA Noriko

Ph.D.教授 地理学/地域研究(アメリカ合衆国)研究

分野

【最終学歴】ラトガース大学大学院【担当授業科目】地球環境研究演習/地球環境研究特論Ⅲ【研究テーマ】環境正義問題。特に、核開発と植民地主義、経済格差、人種差別との関係について【主な著書・論文】単著 『米国先住民族と核廃棄物─環境正義をめぐる闘争』

(明石書店・2004)/共著 秋本英一・小塩和人編著『豊かさと環境』ミネルヴァ書房(2006)/歴史学研究会編『震災・核災害の時代と歴史学』(2012)/『地域環境の地理学』(2012)/淺野敏久、中島弘二編著『自然の社会地理』(海青社・2013)

勝田 忠広KATSUTA Tadahiro

博士(工学)准教授

使用済核燃料管理/プルトニウム処分問題

研究分野

【最終学歴】広島大学大学院 【担当授業科目】科学技術史特別研究【研究テーマ】原子力発電及び核燃料サイクルの安全政策【主な著書・論文】The influence of the Fukushima accident on Japan’s Reprocessing policy and the challenges ahead, Institute of Nuclear Materials Management, 55th Annual Meeting, July 20-24, 2014. /「福島第一原子力発電所事故が明らかにする日本の再処理政策の矛盾-安全確保のための使用済核燃料サイト内乾式貯蔵の影響-」海外事情 2013 年3 月 p.17-39./Japan’s spent fuel and plutonium management challenge, Energy Policy, 39, p.6827-6841 (2011).

廣部 泉HIROBE Izumi

Ph.D.教授 国際関係史研究

分野

【最終学歴】東京大学教養学部/ハーバード大学大学院【担当授業科目】平和構築研究演習/平和構築研究特論Ⅱ【研究テーマ】日米関係についての研究【主な著書・論文】Japanese Pride, American Prejudice(単著:Stanford University Press, 2001 年)/『グルー:真の日本の友』(単著・ミネルヴァ書房・2011 年)

丸川 哲史MARUKAWA Tetsushi

博士(学術)教授 東アジア政治・文化論研究

分野

【最終学歴】一橋大学大学院【担当授業科目】平和構築研究演習/研究論文指導【研究テーマ】ナショナリズムと知識人【主な著書・論文】

『冷戦文化論』(双風舎・2005 年)/『日中一〇〇年史 二つの近代を問い直す』(光文社・2006 年)/『台湾における脱植民地化と祖国化─二 . 二八事件前後の文学運動から』(明石書店・2007 年)/『台湾ナショナリズム』(講談社・2010 年)/『魯迅と毛沢東』(以文社・2010 年)/『思想課題としての現代中国』(平凡社・2013 年)/『魯迅出門』(インスクリプト・2014 年)

佐原 徹哉SAHARA Tetsuya

博士(文学)教授 東欧現代史・中東現代史・紛争研究研究

分野

【最終学歴】東京大学大学院【担当授業科目】平和構築研究演習/研究論文指導【研究テーマ】ジェノサイドの比較研究/東欧・中東の近現代史【主な著書・論文】『ボスニア内戦─グローバリゼーションとカオスの民族化』(有志舎・2008 年)/ War and Diplomacy(共著:Salt Lake City・2012)/ War and Nationalism(共著:Salt Lake City・2013)/ What happened in Adana on April 1909 ?(Istanbul:2013)/『中東民族問題の起源』(白水社・2014)

148 │ MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017

教 養 デ ザイン研 究 科 Graduate School of Humanities

■ 「入学者受入」、「教育課程編成・実施」、「学位授与」方針

【博士前期課程】 教養デザイン研究科博士前期課程は、科学技術の発展により惹き起こされた諸問題に対する倫理的判断、グローバル化が進む現代社会における異文化への理解、平和構築と自然環境との共生、これらの諸課題を総合的・学際的に考察し、公共的観点に立ち、問題解決にむかって主体的に行動することができる人材の養成を目的とします。このため、次のような資質と意欲を持つ学生を積極的に受け入れます。○�出身学部にとらわれることなく、現代的な諸課題を総合的・学際的に考察し、問題解決にむけて主体的・積極的に行動しようとする意欲のある者。○�現代的な課題に関心を持ち、国際的な場で活躍を希望する者。○�自己の社会的経験に基づき、現代社会への学問的考察の意欲を持つ社会人。 以上の求める学生像に基づき、学内選考入学試験、一般入学試験、外国人留学生入学試験、社会人特別入学試験を実施し、入学者選抜を行ないます。なお、社会人特別入試には50歳以上を対象とするシニア入学試験を含みます。 なお、修得しておくべき知識等の内容・水準を以下のとおり求めます。○�哲学的考察力を身につけておくこと。○�異文化理解についての知識を修得しておくこと。○�平和と環境に関する基礎的な学力を修得しておくこと。【博士後期課程】 教養デザイン研究科博士後期課程は、「思想」「文化」「平和・環境」の3研究領域において、優れた修士学位論文を作成したことを前提として、さらに専門性と複眼的視野とを深め、独創的な研究成果を発表することのできる研究者の養成を目的とします。このため、次のような資質と意欲を持つ学生を積極的に受け入れます。○�修士学位論文をさらに高度な研究に深化させるアカデミック・スキル(外国語能力を含む)と研究計画を持つ者。○�現代的な課題に学際的視点から対応できる自立した研究者、または高度な教育研究活動を職業とすることを目指す者。

 以上の求める学生像に基づき、一般入学試験、外国人留学生入学試験を実施し、入学者選抜を行ないます。 なお、修得しておくべき知識等の内容・水準を以下のとおり求めます。○�高度な哲学的考察力を身につけておくこと。○�異文化理解や平和と環境に関して、高度な研究活動を遂行できる能力を修得しておくこと。

【博士前期課程】 教養デザイン研究科博士前期課程は、教育研究の総合的なテーマとして「人間性とその適正な環境の探求」を掲げています。「人間性」「環境」「行動倫理」がキーワードとなります。この3つのキーワードを研究対象として統合化し、整理したものが「思想」「文化」「平和・環境」の3つの領域研究コースです。学際的知識の修得と主体的に倫理的行動をとりうる人材を養成することを目的として、次のような方針に基づきカリキュラムを編成し、実施します。○�人文科学・社会科学・自然科学の分野にまたがる総合的・学際的知識を修得するための科目を配置します。

○�専門的知識を深めると同時に、専門的知識の殻に閉じこもらない総合的・学際的知識を深め、複眼的視野を育成することを配慮します。○�指導教員と副指導教員による複数指導体制をとり、研究科全体で段階的に研究指導を行ないます。

【博士後期課程】  教養デザイン研究科博士後期課程の教育研究の総合的なテーマである「人間性とその適正な環境の探求」を行ないうる、個別学問分野における深い専門性と高い倫理性を持った研究者を養成するため、次のような方針に基づきカリキュラムを編成し、実施します。○�指導教員と副指導教員による複数指導体制のもと、専門分野における知識の高度化と研究の独創性を育成すると同時に、専門分野に関連する幅広い知識の修得とアカデミック・スキルの向上に配慮します。

○�博士前期課程において培った総合的・学際的知識と複眼的視野の深化を目指します。

○�学会誌等への投稿を促して、研究の対外的評価を求めていきます。

【博士前期課程】 教養デザイン研究科博士前期課程は、現在人類が直面している諸課題を総合的・学際的に考察し、公共的観点に立って主体的に行動することができる人材の養成を目指しています。そのため、所定の単位を修得したうえで、優れた学業成績を上げ、かつ、次に示す資質や能力を備えたと認められ、優れた修士学位論文を作成した学生に対して、修士(学術)の学位を授与します。○�総合的・学際的な視点に立ち、各自が専攻した研究分野のみならず、他研究領域に関しても、学士課程よりも深い教養や専門的知識を得ていること。

○�現代的な課題に対して、地球公共的な視点から行動しうる能力を有していること。 

【博士後期課程】 教養デザイン研究科博士後期課程では、人材養成の目的を踏まえ、所定の単位を修得したうえで、学業成績と研究業績を上げ、かつ、次に示す資質や能力を備えたと認められ、優れた博士学位論文を作成した学生に対して、博士(学術)の学位を授与します。○�総合的・学際的な視点に立ち、各自が専攻した研究領域のみならず、他研究領域との関連性を十分に認識して、高度な研究能力と豊かな学識により、独創的な研究成果を発表できること。

○�自立した研究者として高い倫理性を持ち、地球公共的な視点に立って、現代社会のかかえる問題の解決への企画力と行動力を有していること。

入学者受入方針

教育課程編成・実施方針※2016年4月1日時点のものです。今後変更や見直しを行う場合があります。

学位授与方針