IFRSの取材で 知ったこと感じたこと - AIRnet · (16)ロードマップ...

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Copyright 2009 Nikkei Business Publications, Inc.

IFRSの取材で知ったこと感じたこと             2009年11月28日

日経BP社

日経コンピュータ編集・内部統制.jp/IFRS担当

記者 島田優子

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日経コンピュータとは

コンピュータの「総合誌」 技術からマネジメントの話題まで

  幅広く扱います 企業のシステム部門と

  IT企業を支援

隔週水曜日発行 約4万8000部発行

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Webサイト「内部統制.jp/IFRS」とは

内部統制/IFRSに特化した情報サイト

制度や製品の動向、

  専門化執筆の

  解説などを掲載

IFRSが名前についた

  のは2009年9月~

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日経コンピュータのIFRS掲載の歴史(1)

08年12月1日号:「国際会計基準に備えよ」 「IFRSとは?」「IFRSとシステムとは?」を解説 日経コンピュータでIFRSが初めて登場

09年3月15日号:

「2015年に向け国際会計基準の対応支援 」 IFRS対応をうたった製品・サービスが登場

09年4月15日号:

「パッケージを活用した「IFRS」対応 」 初めて「IFRS」を見出しに使う。この頃から「IFRS」が

浸透してきたと判断

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日経コンピュータのIFRS掲載の歴史(2)

09年6月24日号:

 「国際会計基準、2015年から適用」 金融庁がIFRSの強制適用について文書を正式に発

表。この時期からコンサルティング・サービスなどが増えだす

09年8月30日号(=日経ソリューションビジネスにて)

 「動き出したIFRSビジネス」を特集

IT企業側に対して、IFRSのビジネスチャンスを解説するまで浸透!

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本日の内容

記事とコンテンツから分析するIFRSの現状 「IFRS検定」にチャレンジ

「入門」か「入門の入門か」

取材現場からみるIFRSの現状 IFRSが取材しにくい3つの理由

J-SOXとの比較 「似てる」ところ「違う」ところ

最後に

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IFRS検定にチャレンジ

IFRS検定とは IFRSにかかわる知識を問う問題10問で構成

09年10月に開催した「ITpro EXPO」の会場に加えて、事前にWebで設問を公開

作成はデロイトトーマツコンサルティングに依頼

700人強が受験し、平均点は約66点

現在、Webサイト「ITpro」内にて解説を公開中

以下では10問中5問を抜粋

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IFRSの現状を記事から分析(1)

「入門の入門」が根強い人気 2009年5月8日に公開した「今さら聞けない国際会

計基準6つの疑問」が人気コンテンツ

「疑問」は以下の通り

1. IFRSの読み方は?

2. IFRSの邦訳は何が正しいのか?

3. 「IFRSs」という複数形の場合は何を指すのか?

4. コンバージェンスとアダプションの違いは?

5. うちの会社に関係があるのか?

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IFRSの読み方と邦訳

IFRSの読み方は何が正しいのか? 「イファース」が正式の模様。IASBの理事に確認済み 「アイエフアールエス」が浸透中と実感

IFRSの邦訳は何が正しいのか? 雑誌や新聞、金融庁は「国際会計基準」で統一 会計の専門家は「国際財務報告基準」の傾向

両者とも現状では統一されていない!!

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「IFRSs」の正体

一般的なIFRSは以下の4つを指す

(1) IASBの前身である「国際会計基準委員会    

  (IASC)」が策定する「国際会計基準(IAS)」

(2) IASBが策定する「国際財務報告基準(IFRS)」

(3)国際財務報告解釈指針委員会(IFRIC)の指針

(4)IFRICの前身旧解釈指針委員会(SIC)の指針

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IFRSsの正体

「広義のIFRS」と「狭義のIFRS」が存在 現在マスコミなどで「IFRS」という場合、4つの文書の

総称として利用=広義のIFRS IASBが策定する「国際財務報告基準」だけを指すの

が、狭義のIFRS 「広義」と「狭義」を厳密に使い分けたい場合に、

「IFRSs」と複数形で示す。この場合は、4つの文書の総称となる

「広義のIFRS」=IFRSが一般的に

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アダプションとコンバージェンス

記事では両者をどう書いているか コンバージェンス(収斂)

   :日本の会計基準をIFRSに近づける取り組み

アダプション

   :日本の会計基準をIFRSそのものにする取り組み

IFRSの関心の中心は「アダプション」になりつつある

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アダプションのスケジュール

日経コンピュータ2009年11月25日号より

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IFRSの現状を記事から分析(2)

(1)IFRS 

(2)IASB 

(3)コンバージェンス 

(4)アドプション 

(5)原則主義 

(6)収益認識 

(7)公正価値 

(8)BS重視 

(9)初度適用 

(10)包括利益 

(11)マネジメントアプローチ 

(12)連結経営管理 

(13)研究開発費 

(14)工事進行基準 

(15)MoU 

(16)ロードマップ 

(17)J-SOXとの関係 

(18)複数帳簿 

(19)XBRL 

(20)ERPパッケージとの関係

(21)グローバル・ロールアウト 

●「キーワードで理解するIFRS」のキーワード一覧

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IFRSの現状を記事から分析(2)

(1)IFRS 

(2)IASB 

(3)コンバージェンス 

(4)アドプション 

(5)原則主義 

(6)収益認識 

(7)公正価値 

(8)BS重視 

(9)初度適用 

(10)包括利益 

(11)マネジメントアプローチ 

(12)連結経営管理 

(13)研究開発費 

(14)工事進行基準 

(15)MoU 

(16)ロードマップ 

(17)J-SOXとの関係 

(18)複数帳簿 

(19)XBRL 

(20)ERPパッケージとの関係

(21)グローバル・ロールアウト 

●「キーワードで理解するIFRS」のキーワード一覧

人気のキーワード

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IFRSの現状を記事から分析

IFRSについて一般的にはどういう状態か

「一体何?」といった「入門の入門」が人気の段階

「包括利益」や「工事進行基準」といった最近、話題に

なっているコンバージェンス項目にも注目

セミナーは経理部門や経営企画の担当者が来場者

の中心。ユーザー企業のIT部門には、まだ関係がな

い状態か?

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IFRSが取材しにくい3つの理由

IFRS関連の話題は取材が難しい分野の一つ

その理由は大きく3つ

4. 実は決まっていないことが多い

5. 範囲が広すぎる

6. 先例が(少)ない

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理由1:実は決まっていないことが多い

IFRSで決まっていないことはたくさんある 適用時期:「本当に2015年なのか?」

         「2015年3月期?それとも16年3月期?」

         「そもそも適用する?」

「工事進行基準はなくなるの?」

「いつから財務諸表の表示が変わるの?」

政権交代の影響がありそう !?    

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日本の立場は難しい?

複雑化しているIFRSに関する意思決定

金融庁

ASBJIASB

FASB(米国)

IFRSを作成

日本より1年早く強制適用?

コンバージェンス実施中

FASBとIASBの話し合いの状況を見ながら、日本の基準を作成

日本での強制適用を決定

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日本の立場は難しい?

日本の今後の命運を握るのは米国の動向 日本が「2012年に強制適用」を決めるのは、米国次第か?

FASBとIASBのコンバージェンスの話し合い次第で日本のコンバージェンス項目・適用時期も変化

取材する立場から見ると、FASBとIASBの動向を追わないと日本の状況は読めない

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政権交代の影響が?

亀井大臣の発言に「!」となったマスコミ

「(前略)国際基準が、アメリカもヨーロッパも日本も同じというのは理想です。そうはいきません。これは、国々にはそれぞれの営みがあるのです。会社の経営にしたって、それに合った形でやれば良い話であって、今だってアメリカとヨーロッパはそうでしょう。(中略)日本だってそうです。日本の経営は、やはり日本の実態に合った形で会計基準も運用していくべきで、恐らく将来一緒になっていくでしょう」

金融庁:亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(09年10月9日)

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理由2:範囲が広すぎる

情報システムの例

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情報システムの影響範囲が見えづらい

どのシステムが関係あるのか? 企業の対応方針によって、大きく異なる!

会計システムにつながる「すべてのシステム」?

どうやって対応すればよいのか? 連結子会社を含めてすべて「同一のERPで統一」か

ら、連結パッケージを導入による「連結財務諸表の組み換え」、表計算ソフトを利用した「力技」までオプションは多数

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「IFRS」対応サービス/製品が登場

IFRS対応の中心は「コンサルティング」と「ERP」「連結会計パッケージ」 コンサルティングサービスのメニューは「影響分析」

「ロードマップ策定」など

監査法人系コンサルティング会社に加え、ITベンダー系のコンサルティング会社もメニュー化

ERPと連結会計パッケージでは、連結会計パッケージベンダーが先行

現状では「対応ロードマップ」の公表が主で、製品はまだ出荷されていない

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ERPベンダーにとってチャンスか?(1)

ERPのIFRS対応の注目の機能は「複数元帳」 「IFRS」と「(税法などに対応するための)日本基準」

の2種類の元帳を保持できるか

1回の仕訳で「IFRS」と「日本基準」の両者に書き込めるか

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ERPベンダーにとってチャンスか?(2)

先行する「外資系製品」vs追う「国産製品」の構図【外資系製品の主な状況】 主要な外資系製品は複数元帳の機能を実装 先行してIFRSが強制適用になった欧州などでの導入実績をアピール

【国際製品の主な状況】 日本のコンバージェンス、アダプションの状況が不明

なため、対応に苦慮 IFRS対応を保守料金の範囲内にするか苦慮 複数元帳の2つの機能は開発に時間がかかる…

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理由3:先行事例が(少)ない

先行する欧州の事例は参考になるか? 日本よりも急速にIFRSの強制適用が進行

初年度は「力技」での対応が主だった模様

10年3月期から始まる日本の先行適用は…? 数社が名乗りを上げる

経団連がワーキンググループを設立。そこでの対応が先行事例になる予定

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IFRSとJ-SOXの比較

「似ている」ところ 登場人物

市場の立ち上がり

「原則主義」

米国が先行

2009年11月5日開催の「内部統制報告制度」ラウンドテーブルでも

類似点を指摘

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IFRSとJ-SOXの比較

「違う」ところ 対象範囲

準備期間

企業の姿勢

今後の市場の伸び

2009年5月18日発行で現在も好調な売れ行き

2006年8月発行

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まとめ

IFRSを取材していて J-SOX「以上」は間違いない

情報システムの視点で伝える難しさ

国際社会での「日本」の立ち位置の難しさ

企業情報システムの将来像を見据えて

ありがとうございました! 「日経コンピュータ」および「内部統制.jp/IFRS」を今後

とも宜しくお願い致します

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