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中堅・中小製造業によるIoTツール導入事例紹介と

本当の課題

講演資料

2017年6月1日

ものづくり革新事業センター 主任研究員/シニアプロデューサー 大川真史

名古屋商工会議所 IoTワールド 「気づき」セミナー

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自己紹介

【プロジェクトテーマの変遷】

主に製造業の経営/マネジメント改革/イノベーション支援に従事

製造業のサービス事業コンサルティング(戦略、マネジメント、組織、人事評価)

製造業の新サービス開発プロデューサー(ユーザー起点、アジャイル、UX)

【プロジェクト実績(民間、官公庁)】

製造業の新サービス開発(BtoB製造業各社、2014~)

IoT国際標準規格/ユースケースに関する調査(経済産業省、2015-2016)

中堅・中小製造業へのIoT導入手法調査(経済産業省、2016)

第4次産業革命クリエイティブ研究会(経済産業省、2016-2017)

【情報発信(講演、執筆)】

講演:日本経団連、経済同友会、日本商工会議所、東京商工会議所、大阪商工会議所、名古屋商工会議所、地方自治体、学会、企業

出版:IoTまるわかり、ビジュアル解説IoT入門(ともに日本経済新聞出版社)

寄稿:読売新聞朝刊、朝日新聞朝刊、日本経済新聞社朝刊、週刊東洋経済、日経コンピュータ、日経 Biz Gate、日経ビッグデータ(連載)

【社外活動】

明治大学 サービス創新研究所 客員研究員

ロボット革命イニシアチブ 中堅中小製造業AG

勉強会コミュニティ「エンタープライズIoTLT」主催者

大川真史(おおかわまさし)

株式会社三菱総合研究所 ものづくり革新事業センター

主任研究員/シニアプロデューサー

IoTまるわかり

2015年9月16日発売 15刷

ビジュアル解説 IoT入門

2016年7月7日発売

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そもそもIoTとは何か

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背景:第四次産業革命

デジタル技術革新により産業・社会・就業の構造が劇的に変わる

出所:経済産業省 産業構造審議会「新産業構造ビジョン」(中間整理)より三菱総合研究所作成 http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/008_05_01.pdf

第1次産業革命 第2次産業革命 第3次産業革命 第4次産業革命

動力を獲得 (蒸気機関)

動力が革新 (電力・モーター)

自動化が進む (コンピュータ)

自律的な最適化が可能に (大量の情報を基にした人工知能)

非連続な技術進化 処理性能の向上 データ量の増加

世界のデータ量は 2年ごとに倍増

ハードウェアの性能は、 指数関数的に進化

ディープラーニングによりAI技術が非連続的に発展

これまで実現不可能と思われていた社会の実現が可能になり、 産業構造や就業構造が劇的に変わる可能性

実社会のあらゆる事業・情報が、データ化・ネットワークを通じて自由にやりとり可(IoT)

集まった大量のデータを分析し、新たな価値を生む形で利用可能に(ビッグデータ)

機械が自ら学習し、人間を超える高度な判断が可能に(ML、AI、DL)

多様かつ複雑な作業についても自動化が可能に(ロボット)

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モノ

(物や人)

IoT → 新しくデジタルになるモノ・コト

出所:三菱総合研究所

IoT = モノ(物や人)やコトが、つながってやりとりして新しいコトをする

これまでリアル(アナログ)だったモノやコトが「デジタル」になって、誰もが気軽に触れる・知るようになります。

この変化によって、これまでにない新しい「コト」が起きます。これが「IoTとは?」の答えです。

IoTサービス開発で最も重要な点は、ユーザーにとって新しい「コト」を実証することです。

ちなみにIoT(Internet of Things)は、IT(Information Technology)ではありません。ITに縁遠いと思っている方も身構えずに気楽に取り組みましょう!

モノ

(物や人)

データ蓄積、データ分析

デジタルで表現された「モノ」「コト」

新しいコト

デジタルで 「新しいコト」

ビッグデータ

3Dプリンタ

ロボット

スマホ

シングルボードコンピュータ

AI

センサー

スマホ

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競争優位の源泉が変化する(例:ワイパー関連メーカー)

つながってやりとりすることで、思いもよらない価値を提供しなければならず、

製造業としての競争優位の源泉が変化する可能性が高い。

出所:三菱総合研究所

自動車ワイパー製造 (企業) 完成車メーカー(顧客)

自動車の運転手(顧客の顧客)

他企業(競合)

顧客 の競合

顧客の業界団体

官公庁 ・

独法

関連 業界

社会

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答えはデジタルネイティブが知っている

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1986年 1991年 1996年 2001年 2006年 2011年 2016年

PC普及率

スマホ普及率

PC-9801 1982年発売 Macintosh 1984年発売

iPhone3G 2008年発売

人類史上初、身近にデジタルが存在

↓ 人・社会が

デジタルで表現

Windows95 1995年発売

デジタル体験の新世界 (第4次産業革命)

・体験が違う

・価値観が違う

・コミュニーションが違う

・働く環境が違う

・マネジメントが違う

・・・・・・・・

パソコン、スマートフォンの世帯普及率

コンピュータがある生活 (第3次産業革命)

PCやインターネットの家庭内普及と企業内普及が同期 スマートフォンの家庭内普及が先行(新興国では同期)

IoTは、これまでアナログであった体験や感想や作業がデジタルになる。社会に出る前からデジタルを使いこなす「デジタルネイティブ」の人材が、より良いツールを作り出す。

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中堅・中小製造業によるIoTツール導入事例紹介

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中堅・中小製造業によるIoT導入イメージ

中小企業におけるIoT導入イメージ

Ⓧ 重量計

通い箱 現場課題を 設備・治具 帳票など アナログで 解決

これまでの現場改善イメージ

マネジメント システム中心 現場・現物・ 現実と分断

これまでのIT導入イメージ

装置、機器、在庫

センサ、アクチ

機器運転ツール

実行管理

業績管理

分断

オフサイト マネージャー

オペレーター

現場 マネージャー

現場の小さな困りごとをデジタルツールを使って少額短期間で解決

ユーザーが自分で使いたいサービスを自分で作る

出所:三菱総合研究所

在庫重量が基準値を下回ると、担当者に

アラームが飛ぶ 機械自体にスマホやセンサーを貼って、直接データを取る

スマホで可視化、報・連・相

何でも写真・動画でデジタル化

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事例:スマホでノウハウ・知見伝承

スマホで写真/動画 + コメント入力 = 現場で使えるデジタルマニュアル

出所:Teachme BIZ(https://biz.teachme.jp/)より三菱総研作成

有償導入社数 1,300 社

稼働率の向上

技術伝承・知見伝承

作業内容の明確化

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事例:自前で機械監視ツールを開発

古いスマートフォンや自作用小型PC(Raspberry Pi)を使って、現作業場可視化・自律的改善活用のツールを自社開発(武州工業 東京都青梅市 従業員160名)

現場従業員の自律的判断

モチベーション向上・離職率低下

画期的な生産性向上施策の実現

出所:ロボット革命イニシアチブ協議会スマートものづくり応援隊ツール(https://www.jmfrri.gr.jp/info/314/)、より三菱総合研究所作成

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事例:情報伝達は全部チャットで

社内コミュニケーションの円滑・強化

プロジェクトの状況把握が容易に

オープンイノベーションの基盤

分散している設計・製造・営業それぞれのやりとりを社内SNSで共有

フロー型ビジネスの中、案件の技術や知見をデジタルで残し伝承している

出所:chatwork(http://www.chatwork.com/)、slack(https://slack.com/)各社webサイトより三菱総合研究所作成

社内SNS チャットアプリ

設計 (1ケ所集中)

営業 (3拠点)

製造 (4工場)

出荷

加工プログラム

図面、 写真

質問、 留意事項

質問、 確認事項

顧客

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事例:プログラミングしないでIoTアプリ開発

「If This Then That(こんな時にあれをする)」がクリックだけで実現可能

「自分で作る」の最終形態のひとつ

出所:IFTTT(https://ifttt.com/)より三菱総研作成

300種類以上の 登録数 重量計もつながる

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事例:プログラミングしないでIoTアプリ開発

日本でも、Yahooが「myThings」を開始し、誰でも始められるIoTの普及に取り組んでいる

出所:myThings(https://mythings.yahoo.co.jp/)より三菱総研作成

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事例:もっと自由に簡単に安く色んなものを繋げたい

Nefry(ネフリー)=手軽にIoTに挑戦できる小型キット

複雑な初期設定不要、はんだ付け不要、初めから無線LANに繋がる、C言語で開発

出所:Nefry販売サイト(https://dotstud.io/shop/nefry-connect-internet/) SWITCH SIENCE(https://www.switch-science.com)より三菱総研作成

80種類以上のセンサーやモジュールとつながる (多くが1000円以下)

IFTTTとも繋がります ¥3,980(税込)

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本当の課題~誰か必要か、何をすべきか~

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「明日からIoTを導入しよう!」時の課題

平成28年版情報通信白書、経産省「中小企業におけるIoTの導入に関する調査」など各種調査では、人材育成・採用が課題だといわれている

IoTの進展に係る課題についての国際企業アンケート(日、米、英、独、韓、中)結果として、日本はインフラ面については他国と比較して課題と感じている企業が少ない一方、人材育成を課題と感じている企業が多い。

平成28年版情報通信白書

導入を検討している企業では、プロジェクトマネージャー、ハード・ソフトウェア技術者など人材の面が課題となっている。

人材以外には、”カネの不⾜“と”外部パートナーの探索“が課題となっている。

中小企業におけるIoTの導入に関する調査

出所:平成28年版情報通信白書(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h28.html)、 経産省「中小企業におけるIoTの導入に関する調査」 (http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000642.pdf)より三菱総研作成

IoT人材育成策

エンジニア向けIoTイベント参加・コミュニティ作り

デザイン思考、UI/UX重視のプロジェクト機会

多様な技術知識の獲得

中小企業におけるIoTの導入に関する調査

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IoT人材育成策に対する支援について

出所:経済産業省「「中小企業におけるIoTの導入に関する調査」(公開版)より三菱総研作成 http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000642.pdf

IoTツール 導入支援策

IoTイベント、コミュニティ作り支援

初期トライアルの支援

中小製造業向け中立的なIT/IoTメディア設立

IoT人材育成策 エンジニア向けIoTイベント参加・コミュニティ作り

デザイン思考、UI/UX重視のプロジェクト機会

多様な技術知識の獲得

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名古屋のIoT非営利コミュニティを探しました

まず地元でコミュニティやチームを作りましょう!そして手を動かしましょう!

アイデア出して、ジャーニーマップを作って、プロトタイプを作りませんか?

2017/2/15に第6回イベント

IoTLT名古屋 https://www.facebook.com/groups/NGOIoTLT/

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