iPad atras in Sendai

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iPadを利用した 「デジタル地図帳」のアプリの 開発と運用 -次世代地理教育教材としての普及を視野に-

2013年8月25日 地理教育学会(佐賀大学) 伊藤 智章(静岡県立裾野高校)

@仙台&名取

本日の報告

1.これまでの研究の経緯

2.画期的な地図アプリ

(ただし東北限定)

「震災記憶地図」

3.実証実験

宮城県高校地理部会の先生方と

4.考察と展望

5.まとめ

1.はじめに

これまでの研究の経緯

タブレット端末を使った 「デジタル地図帳」教材の試作

(2013.3.30日本地理学会)

3つのスタイル ①PDFや画像の連続表示

② Google Earthを操作

③ 観光案内アプリ

「ちずぶらり」の援用

既製の「デジタル教科書」に頼らず 授業者の手で 「デジタル地図帳」の開発を目指す。

地理なし

パソコンGISで教材づくり パソコンでGIS実習

タブレットでGIS学習

毎日使う “システム”

思いついたそばから 地図を端末に搭載できて

<課題は多く、発展途上>

貧弱な(or全くない)通信環境で着実に動作して

お金がほとんどかからない 仕組みはできないものか?

そんな夢みたいな アプリが・・・・。

ありました・・・・!

2 復興支援地図アプリ “震災記憶地図”

・2011年6月提供開始 ・「ちずぶらり」シリーズを 手がける「ATR-Creative社」の復興支援事業の一環

震災直後から次々に生み出される地図や地理情報 →ネットが通じない環境で も安定的に見られるように

地図のアップロードや 情報の公開を 一般ユーザーに開放 ・・・思い出のアーカイブ ・・・情報交換に

ほとんど 反応がないまま3ヶ月が経過・・・。

日本地図学会 学校教育GIS専門部会に よるサポート

伊藤智章 「震災記憶地図」)

(地理 2012年5月号)

観光案内用の 絵地図を 集めました

これでもかと地図を詰め込んだ レンタルiPadを23台引っさげて 仙台に乗り込みました。

3 “震災記憶地図” meets 宮城の先生

2013年8月8日~9日 仙台市郊外の宿泊施設で実施 (歴史部会・公民部会と共催) 1日目:室内でiPad地図帳体験 2日目午前:宿泊施設周辺で 野外巡検 2日目午後:希望者を募り 名取市閖上地区へ

フィールドは、何の変哲も なさそうな「郊外の団地」

仙台駅

ここ

フィールドは、何の変哲も なさそうな「郊外の団地」

団地・・・・。

前の週に下見 「難易度高すぎです・・・!」

と頭を抱えました。

「仙台市宅地造成履歴情報マップ」

2013年4月~ 公開開始

赤:盛土 青:切り土

現在地表示

造成開始年代

1960’s

1970’s

1980’s

1990’s

1970’s 1960’s

旧版地形図

(時代によって切り替え)

無料GISソフト「今昔マップ2」より

何の変哲もなさそうな住宅地の巡検が ものすごく面白くなる!!

大変好評でした。

大津波の被災地

名取市閖上(ゆりあげ)の場合

浸水区域と津波の高さ

GISソフト

「地図太郎」で作成した 標高区分地図

地形図(震災前)の三角点・標高点の高さと標高メッシュ(震災後)差違、 「0m未満」エリアから地盤沈下が激しい場所を探す。

標高点では 2m

標高メッシュでは

0m未満

災害危険区域図 (再居住禁止エリア)

「国境未確定帯」 をゆく

6m

使用感・先生方の意見

非常に便利である。様々な地図を目的にあわせて次々に切り替えることができるのがよい。

「オフライン」で動くのがよい。 未完成な部分の改良に期待。

Wifiモデムを使った位置測定は全く あてにならない=外付けGPS必要?

先生方の意見

撮った写真やメモをその場で地図上 に書き込めるようになるとさらによい。

地図の搭載はパソコン経由とのことだが、iPadで完結させることはできないか?

何の地図を使って何を確認させるか、 綿密なストーリー展開を考える必要

4 考察と展望

“デジタル地図帳”

地理教育の活性化

次世代型の教材

有望な教材であることを 再確認

iPadと専用アプリ の威力

紙地図や、パソコンGISの 代替ではない 新たな地図の活用法 を示唆している

【課題】

優れたシステム、アプリがあるが 「端末」が普及していない。

【課題克服にむけて①】 東北での活動を継続する →各種イベントや課外授業等

を通じて有用性をPR →「実験校」の獲得 (特に“防災教育”への ニーズは高い)

選択と 集中

「防災教育」ができない! 「危ないところ探し」 「災害の結果論的な解説」

とても今の生徒には できない 現場の声

意識の差 被災経験により

大きい

復興の過程で生ずる諸問題 意思決定プロセスを教材化

仙台市はなぜ

この地図を公開したのだろうか?

団地は高齢化が進む。 「次の災害」に向けた 対策は?

6m

「再居住禁止」のエリア 何に使う?

「かさ上げ」にかかる 費用は?

【課題克服にむけて②】 OS横断による実証実験を! ・「生徒用Windows8」で なんでもやろうとしない ・たとえ数台でも 「地理教育用iPad」を用意 して比較検討するべき “先進地”の使命

「地理教育」の裾野を広げてみる

・“正科の一斉授業”での実践 にこだわる必要はない

・対象を“地元の生徒”に絞る必要 もない →研修旅行やボランティア 訪問者の意識付けに 「防災教育」の質的転換を地理から

5.まとめ

「持ち出せる」 「大量にストックできる」 「自分で作れる」 「ネットで共有できる」

デジタル地図帳は、地理教育を劇的に変える可能性を持つ

かなり 面白い!

「地理教育」の対象や 方法論を見直すことで、 大いに活性化するだろう。

大人向けの 地理教育があったって いいじゃないか!

「東北」には、データとチャンスが詰まっている

東北限定のアプリ

教材化が可能な 膨大なデータ

人の出入りがさかん 活発な研究会組織

全国展開 を目指す

「震災」 で一気に整備

アイデアを

実行に移して検証できる

今、日本の地理教育の未来は iPadと、東北にかかっている!

(石巻にて)

教材化と連携を推し進めていきたい。

おわり