J-PARC 3GeV RCS におけるペインティング入射の研究

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A(real). B(real). A(imag). B(imag). x. QFL. QDL. 1 st Foil. ISEP1,2. (125.56mm, -4.6mrad). (94.34mm, 0mrad). PB1,2. PB3,4. s. SB1. SB2. SB3. SB4. 100π. 100π. 100π. 100π. 500μsec. 500μsec. J-PARC 3GeV RCS におけるペインティング入射の研究. - PowerPoint PPT Presentation

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J-PARC 3GeV RCSJ-PARC 3GeV RCS におけるペインティング入射の研究におけるペインティング入射の研究原田寛之 *1, 入江吉郎 2, サハプラナブ 3, 發知英明 3, 菖蒲田義博 3, 高柳智弘 3, 野田文章 4, 志垣賢太 1

1 広島大学・理学研究科 , 2KEK, 3 J-PARC/JAEA, 4 日立製作所 電力・電機開発研究所

* 1st Author : 原田寛之 , Email : harada@hepl.hiroshima-u.ac.jp

RCSRCS入射システム入射システム

J-PARC

100-deg dump

90-deg dump

Injection dump (4kW)

3N dump (4kW)

RF cavities

Injection section

Extraction section

L3BT

3NBT

3-50BT

From Linac

To MR

To MLF

1st stripping foil

Longitudinal primary collimator

Transverse primary collimator

Secondary collimators

IPMKicker

BPM324WCM

FCT

FCT

WCM

WCM

DCCT/SCT

R-BPM

R-BPM

R-BPM

MCTTune-BPM

Exciter

J-PARC は LINAC, 3GeV RCS, 50GeV MR の 3 基の加速器で構成される。

<RCS><RCS>

•パルスあたり陽子数 → 8.3×1013 個

•出射エネルギー → 3 GeV

•繰り返し → 25 Hz

1MW のビーム出力2007 年 10 月より、初期ビームコミッショニング開始

50kW のビーム出力達成

ビーム出力の増強につれ、空間電荷効果による粒子間相互作用の増加が懸念される。そこで、広いエミッタンス領域にビームを入射し、これらの効果を緩和させるペインティング入射を用いる。

PB1,2 PB3,4

QFL QDL

SB1 SB2 SB3 SB4

x

ISEP1,21st Foil

(125.56mm, -4.6mrad)

(94.34mm, 0mrad)

s

バンプ軌道(中心入射)

ペイントバンプ軌道

(ペインティング入射)

入射時間 500μsec の間にペイントバンプを徐々に減衰させていき、入射ビームを実空間に広がらせる。

図. RCS の入射部

図.ビーム入射の模式図

オプティクスパラメータの補正オプティクスパラメータの補正リングにマッチした入射を行うために、リングのオプティクスパラメータの把握および調整は必須となる。そこで、ベータ関数、分散関数、ベータトロンチューンを測定し、加速器モデルでそれらの独立に測定したパラメータを統一的に再現する四極電磁石のパラメータを導出し、初期設定値との差分を補正量 (fudge factor) として、四極電磁石に与えた。一回の補正で十分補正できたことを確認した。この加速器モデルでの計算をもとに、ペイントバンプ (PB)4 台の設定値を算出した。

βx, β

y [m

]

βx, β

y [m

]

ηx,

ηy

[m]

ηx,

ηy

[m]

図.補正前 図.補正前

Injection + 1st Arc Injection + 1st Arc

ペイントバンプ波形作成ペイントバンプ波形作成

x

x‘

/

y

y‘

SB

PB

600μsec

400μsec

モデルの Twiss parameter にマッチした入射点 (x,x’),(y,y’) を決め、パターンを作成した。まずは、矩形波でビーム調整を行い、トップの電流値を決定する。次にそのトップの電流値から減衰する減衰波を作成する。減衰波とビーム入射の関係を 100μsec ごと変化させながら、各時間ごとの入射点での位相空間座標を押さえ、ペインティング過程を議論する必要がある。

精度の良いペインティング入射を議論するためには、入射点での位相空間座標の導出が必須である。図.周回軌道を軸中心とした場合の入射

点における位相空間

SB

PB

600μsec

500μsec

図.矩形波の電流パターンの模式図

図.減衰波の電流パターンの模式図

位相空間座標の同定手法位相空間座標の同定手法 入射点での位相空間座標の同定のために、リング内のベータトロン振動の応答から算出する手法をとる。

リング内のある BPM での n ターン目のビーム重心値は、

入射点の制御入射点の制御

foil

foil

foil

foil

x

x

L

L

x

x

x

x

Kx

Kx

Kx

Kx

K

K

@

@

4

3

4

3

4

3

1

2

4

1

4

2

3

1

3

2

1

'1

1

00

000

0

入射点は、水平方向が ISEP1,2、垂直方向が ISTMV1,2で調整する。まず、それぞれの蹴り角に対する軌道の応答を測定し、その応答より入射点を制御する。

そこで、 ISEP1,2に対するMWPM3,4での応答を測定した。

ISEP1,2 → ±0.5%

測定後、 (Δx,Δx’)@foil = (0mm, -1.5mrad)を設定しMWPMで測定を行った。この応答行列で入射点での位置と傾きを操作できることを確認した。

垂直方向も同様の手法で入射点を制御した。

図. ISEP1,2 の蹴り角に対するMWPM3,4 での軌道の応答

xxxxx nxnnxnx 2sin2sin2cos '00

x0, x0’ : 1 ターン目の位置と傾き、 αx, βx : BPM での Twiss Parameter 、 νx :ベータトロンチューン

である。このビーム振動をフーリエ変換すると、ベータトロンチューンのピークにおける実数部 Re[ ] と虚数部 Im[ ] は、ある応答行列を介して以下のように表すことができる。

xxxxx

xxxxxx

xx

x

SSC

SSCR

x

xR

X

X

ImImIm

ReReRe

Im

Re'0

0

入射点での位置と傾きをそれぞれ独立に変化させながら、フーリエ変換後のベータトロンチューンのピークでの実数部と虚数部の応答を取得することで、上記の応答行列 Rを算出することができる。応答行列を取得することで、入射点での位相空間座標 (xe, xe’) を同定することができる。

xe

xe

e

e

X

X

imagBimagA

realBrealA

x

x

Im

Re

)()(

)()(1

'

)()(

)()(

imagBimagA

realBrealAR x

A(real) B(real)

A(imag) B(imag)

図.位相空間座標同定ツール : ( 左 )BPM で検出された波形とフーリエ変換後のスペクトル、 ( 右 ) 測定された応答行列

図.水平・垂直における入射軌道と周回軌道の軸合わせ前後のプロファイルモニタのマウンテンプロット

20μs

ec

上記手法とは独立に、リング内のドリフトの 2 台 BPM で測定されたビーム重心値から BPM での位置と傾きを求め、それをモデル計算の Transfer Matrix を用いて、入射点での位相空間座標を導出した。

ペイントバンプのバランス調整とペイントバンプ軌道ペイントバンプのバランス調整とペイントバンプ軌道 ペイントバンプ On/Off における COD を測定し、そのCODの差分を加速器モデルに与えた。そのモデルを用いてペイントバンプ 4 台の調整量を導出し、バランスを調整した。調整前の COD 差分は最大 5mm あった。調整後の COD 差分は 1mm 以下となった。

 次に、ペイントバンプ軌道に入射ビームを合わせ、入射点におけるペイントバンプ軌道を MWPM3,4 から導出し、ターゲットのペイントバンプ軌道とよく一致していることを確認した。

ターゲットの入射点 (x,x’) = (31.1mm, -4.4mrad)

測定された入射点 (x,x’) = (31.2mm, -4.6mrad)

s[m]

PB

on/

offの

CO

Dの

差分

[mm

]

図.調整前 ( 青 ) 後 ( 赤 ) の COD の差分

ペインティング入射過程の入射点での位相空間座標ペインティング入射過程の入射点での位相空間座標

ペインティング入射時のビームプロファイルペインティング入射時のビームプロファイル

目的目的  J-PARC 3GeV RCS では、大強度出力時に懸念される空間電荷効果等の粒子間相互作用を緩和するために、時間的に入射および周回軌道を変化させつつビーム入射を行い、 、実空間上にビームを広がらせるペインティング入射を用いる。精度の良いペインティング入射を議論するために、リングパラメータの把握・調整、入射点における位相空間座標の同定が必須となる。本研究では、 J-PARC 3GeV RCS におけるリングパラメータの把握および調整、時間的に変化する入射点における位相空間座標の同定を行い、大強度出力に向けて必須である横方向のペインティング入射の調整手法の確立を目指す。

まとめまとめ 本研究では、 J-PARC 3GeV RCS における大強度出力に向けて必須である横方向のペインティング入射の研究を行った。 2008 年 5 月 ,6 月に行われたビーム調整試験において、 RCS におけるリングパラメータの把握および調整、精度の良い入射軌道の調整、時間的に変化する入射点における位相空間座標の同定を行い、大強度出力に向けて必須である横方向のペインティング入射の調整手法を確立した。

 ビーム増強時における低ビーム損失の実現に向け、チューン探索、横・縦方向のペインティング入射、ビーム不安定性などを詳細に議論していく必要がある。

J-PARC 3GeV RCSJ-PARC 3GeV RCS

図. 500μsec( 約 235 ターン ) でのペインティング入射時の水平・垂直プロファイルのマウンテンビュー

500μ

sec

500μ

sec

100π 100π 100π 100π

低ビーム電流で横方向ペインティング入射を行い、プロファイルを測定。

<ビーム条件>

 入射時間: 500μsec( 約 235 ターン )

 ピーク電流: 5 mA( 定格 1/10)

 ビーム chopping : 56 nsec( 定格 1/10)

 粒子数:定格の 1%

プロファイルが徐々に大きくなる様子を観測した。

図. 100π エミッタンス領域へのペインティング入射過程における入射点での位相空間座標

水平 (x) 垂直 (y)

100π 100π

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