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Higher vs Lower PEEP ALVEOLI
2004 LOVS 2008
ExPress 2008
対象患者 P/F≦300 273 vs 276
P/F≦250 508 vs 475
P/F≦300 382 vs 385
介入 FiO2によって決められるhigh PEEP
FiO2によって決められるhigh PEEP プラトー圧≦40
プラトー圧が28〜30になるような最大PEEP
比較 FiO2によって決められるlow PEEP
FiO2によって決められるlow PEEP
酸素化の目標が達成される5〜9のPEEP
介入初日のPEEP
8.9 vs 14.7 (p<0.01) 10.1 vs 15.6 (p<0.001) 7.1 vs 14.6 (p<0.001)
院内 死亡率
24.9% vs 27.5% 8p=0.48)
40.4% vs 36.4% (p=0.19)
39.0% vs 35.4% (p=0.31)
非人工 呼吸器
使用日数(28日間)
14.5日 vs 13.8日 (p=0.5)
10日 vs 10日 (p=0.92) 3日 vs 7日 (p=0.04)
その他のPEEPの決め方
• LIPを指標にする方法
• Best compliance method
• 人工呼吸器の圧波形stress index
• 食道内圧
• CT
• EIT(electrical inpedance tomography)
LIPを指標にする方法 supersylinge法
CHEST 2002; 121:1595–1601
大きなシリンジを上図のように挿管チューブに接続し、少しずつvolumeを入れながら、その都度pressureを測定し、PVループを描く方法
人工呼吸器の圧波形 stress index
VCV(矩形波)の圧波形は、PEEP設定がちょうどよく虚脱も過膨張もしていなければ、ピーク圧までの波形は直線状となる (stress index=1)
PEEPが低い 肺が虚脱
PEEPが高い 肺が過膨張
Best Compliance method
• 徐々にPEEPを上げていき、静的コンプライアンスが一番良くなるPEEP値を選ぶ
• Recruitment Maneuverを行い病的肺を広げてから、コンプライアンスが一番良くなるPEEP値を設定すれば、よりコンプライアンスの改善、driving pressureの改善が得られるのでは?
目的
Moderate/Severe ARDSの管理において
ARDS net protocolによる呼吸器管理と
Recruitment Maneuverに引き続き、
Best compliance methodでPEEPを設定する
Open Lung Approachによる呼吸器管理を
比較する
方法 Design
• 多施設パイロットランダム化比較試験 • MGH(アメリカ)、Hospital das Clinicas
(ブラジル)、Ulsan College(韓国)、スペイン17施設の計20施設(THE OPEN LUNG APPROACH NETWORK)
• 各施設での倫理審査済み • 患者・家族の同意あり • Web-based systemで割り付け、施設、年
齢(55歳<, or >)、APACHEⅡ(<20, or ≧20)で層別化
方法 Patient
• Inclusion
18歳以上のICUに入室した挿管患者
AECC定義を満たすARDS患者(P/F<200)
人工呼吸管理開始から96時間以内
上記基準を満たし48時間以内に本研究に参加
方法 Patient
Exclusion • 18歳以下、80歳以上
• 理想体重35kg以下 • BMI 50以上 • 慢性肺疾患(COPD/喘息/嚢胞性線維症etc)の • 急性増悪による気管挿管 • 急性頭部外傷 • 頭蓋内圧の上昇(ICP>18mmHg) • 免疫不全患者(化学療法/放射線療法施行2ヶ月以内) • 重症心疾患(NYHA class 3 or 4/ACS/persistent VT) • 妊娠 • 神経筋疾患 • 末期癌患者 • 4つ以上の肺以外の臓器不全あり • barotarumaあり • 血行動態不安定が持続している(max doseの昇圧剤投与でも
2h以上MAP<60mmHgが遷延)
方法 Mechanical ventilation
基準を満たしたら、以下のStandard ventilation settingsに変更して24時間 その後Specific ventilation settingsに変更して、moderate / severe ARDSであるかをre-assessmentする(エンロール後12-36時間以内に)
方法 Intervention
Recruitment Maneuver(RM)
RM前に無呼吸になるよう鎮静±筋弛緩 循環動態安定を確認 ①CPAP 40cmH2O, 40sec(いわゆる40-40) ②OLA=PVカーブにより得たLIPから設定したPEEP ③RM PEEP 25cmH2O, Pi 15cmH2Oで開始, 4分換気後、5cm刻みで上げていく, 2分換気したら40/25に戻し、これを
最大換気圧が60cmH2Oになるまで継続する
Am J Respir Crit Care Med Vol 174. pp 268–278, 2006
方法 Intervention
RM前の循環動態安定とは? ・PPV≦10(測定時はTV 8ml/kg PBW≦にする) ・SvO2 or ScvO2≧70% ・CVP>12cmH2O 上記を満たさなければ、適宜輸液を投与する RMの中止基準 ・MAP<60mmHg or 20mmHg以上の低下 ・SpO2<88% ・HR>130 or <60/min ・新規不整脈の出現 ・SvO2<65% or 20%以上の低下
方法 Intervention
The decremental PEEP trial
①RM後、AC/VC TV 4-6ml/kg、PEEP 25cmH2Oに設定
②3分間安定したのを確認して、動的コンプライアンスを測定
③PEEPを2cmH2Oずつ減らしながら、コンプライアンスを測定していく (Servo iが自動測定)
④最大コンプライアンスが測定されたら、再度RMを行い、最大コンプライアンスのPEEP+3cmH2O(max 25)に設定する
(その際AC/PCで、Ppeak 30cmH2O以下、TV 4-8ml/kgにする。TV<5ml/kgに成ってしまう場合は、Ppeak 30cmH2Oを許容)
⑤徐々にFiO2を減らす、FiO2 0.4になるまで24時間PEEPはそのまま、PEEPを減らすときは2cm/8時間を超えないように
方法 Others
その他、以下についてはprotocolに記載あり
・Fluid Management
・Vasopressors
・Inotropic therapy
・Glucose control
・SBT
・Post-extubation
・General care after randomization
Outcome
• Primary Outcome
60日死亡率
• Secondary Outcome
28日目の人工呼吸器離脱率
気道傷害の発生率
肺外臓器傷害
ICU/院内入院期間
ICU/院内死亡率
統計
• スペインのEspana StudyではVT
6~8ml/kgで管理されたARDSの死亡率
45.5%、対してOLA群は33%という結果
となった
• これらのデータからイベント発生率45%
と換算し、αエラー0.05 power 80%とし
て、必要なサンプルサイズは600人とした
• p値<0.05を有意とした
• Intention-to-treat解析
結果
• OLA群でのday1の筋弛緩薬の使用は60/99例
• ARDSnet群での筋弛緩薬の使用は42/101例
• ベースライン、その後の筋弛緩薬の使用については両群間で差はなし
• ICUAWなど筋弛緩の有害性を示すデータは提示されていない
• 腹臥位療法を施行したのはARDSnet群10例、OLA群4例
P<0.05
結果 Adverse Event
• 気胸(OLA 6%vs 8%)
• 心停止(8%vs6%)
• 低血圧(35% vs 29%)
• SpO2低下(34% vs 22%)
• 不整脈(15% vs 10%)
両群有意差なし
結果のまとめ
• primary outcome:60日目の死亡率は両群有意差なし
• secondary outcome:ICU/院内死亡率・人工呼吸器離脱期間・気道傷害・臓器障害・入院期間 両群有意差なし
• 24・48・72時間後のDriving Pressure・P/F ratioはOLA群が有意に改善していた
• 有害事象:両群有意差なし
Limitation
• 必要としていたサンプルサイズに達して
いない
• 肺リクルートメント手技期間以外では
fluid managementを施行していない
• 腹臥位療法の施行をprotocolに含めていな
い
Discussion
• OLAは死亡率や人工呼吸離脱率、有害事象の出現率を悪化させることなく酸素化・Driving Pressureを改善させることが可能であった
• OLAは、atelectraumaを防ぐとともにDriving Pressureを改善させることによって、ARDSの経過を変えるかもしれない
• ARDS患者における人工換気戦略のstudyにおける死亡率改
善効果は、1回換気量とPEEPの背景にあるΔPという独立変
量と強い関連が示唆された
• 低1回換気量、高PEEP戦略はΔPが低下しているときにおい
て有益であった
Discussion
• 必要なサンプルサイズが集まらなかった原因として、ヨーロッパのARDS患者数が少ないこと・資金面で研究の継続が困難であったこと・研究者のequiposeの欠如等が考えられる
• 肺リクルートメント手技・decremental PEEP trialについて、大規模多施設研究による検証が望まれる