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Memorial Sloan Kettering Cancer Center視察報告
2019.5.12AMED小杉班 班会議
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松川愛未・平岡弓枝・高嶺恵理子
- MSKCC視察 -
1. Clinical Genetic Service
2. 二次的所見の対応
3. ラボでの解析
4. 遺伝カウンセリング
本日のアジェンダ2
- MSKCC視察 -
1. Clinical Genetic Service
2. 二次的所見の対応
3. ラボでの解析
4. 遺伝カウンセリング
本日のアジェンダ3
NYC市内のMSKCC 4
Clinical Genetics Team 5
Genetic Counselors
Clinical Geneticists
Research Lab Team
Top row, L-R: Zoey Steinsnyder, Sabine Topka PhD; VijaiJoseph PhD, Kenneth Offit MD MPH; Yelena Kemel MS, ScM, Vignesh Ravichandran MS;Bottom row, L-R: Jeffrey Levin, Kaitlyn Tkachuk, Hayley Smith, SemantiMukherjee PhD; Jada Hamilton PhD MPH (not pictured)
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Clinical Genetics Service(CGS)への紹介
CGS
院内IMPACTのpositive症例
院内遺伝性腫瘍疑い(病歴/家族歴)
院外院外医師から紹介
or紹介状ナシの患者
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2018年新患:3,350人F/U:730人
年間 約600人
年間 約1000人/年
- MSKCC視察 -
1. Clinical Genetic Service
2. 二次的所見の対応
3. ラボでの解析
4. 遺伝カウンセリング
本日のアジェンダ8
Called in MSKCC Lab Name Sample Genes Level Traits Order Return Time
cost
MSK-IMPACT (Part A)
MSK-IMPACT
Tumor Somatic only mutation in 468 genes
Research ・Clinical level tumor profiling・Germline mutation doesn’t
appear in the report
・MD (Oncologist)
・MD(Oncologist)
3wk(1.5-
6wk)
MSK-IMPACT (Part C)
Secondary-IMPACT
Blood Germline mutation in 88 genes
Research ・Clinical level・germline mutation screening
testing・Only Report: Pathogenic /
Likely Pathogenic
・MD ・CGC under
the CGS MD
First Contact:MD
Explain:CGC under the CGS MD
8wk
Clinical Testing
Primary-IMPACT
(Blood) Germline mutation in 5-10 genes / panel
Clinical ・Clinical germline testing・Report : Pathogenic / Likely
Pathogenic / VUS
・CGC under the CGS MD
・CGC under the CGS MD
4wk
CGS: Clinical Genetics Service, MD: Medical Doctor, CGC: Certified Genetic Counselor
MSK-IMPACT 種類
☑ Somatic (Part A)
☑ Germline (Part C)
タイミングは様々だが、基本的には
すべての患者にMSK-IMPACTをオファー※診療科によってはPart C未ICのこともあり、そのときはCGSでIC
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同意書
What is ”Actionable”??
Oncologistと “Actionable”の意味合いが異なる
という結論に至り、CGS独自の定義を改めて考えた
• 患者の治療に関連,影響する
• 患者個々が既知のがんリスクを知ることができる
• がんの浸透度/遺伝様式がわかる
• 家族のがんの発症リスク認識に繋がる
• 生殖への影響
• 保因者であること
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Part Aだけの結果開示では治療に結び付くGermline mutationを見逃すためPart Cが始まった
Part Cは”Germline Mutationスクリーニング”
Part C (germline) の偽陽性はさほど気にしていない
Part C 開始の背景と位置づけ11
Dr. Mandelker
“Germline Findings” 対象88遺伝子 (ver.6)
※ACMG:29遺伝子(赤字)/59遺伝子
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ALK, APC, ATM, BAP1, BARD1, BLM, BMPR1A, BRCA1, BRCA2, BRIP1, CDC73, CDH1, CDK4, CDKN2A, CEBPA, CHEK2, DICER1, EGFR, EPCAM, ERBB2, ERCC3, ETV6, FAM175A, FANCA,
FANCC, FH, FLCN, GATA2, HOXB13, HRAS, KIT, KRAS, MAX, MEN1, MET, MITF, MLH1, MRE11A, MSH2, MSH3, MSH6, MUTYH, NBN, NF1, NF2, NRAS, NTHL1, PALB2, PAX5,
PDGFRA, PHOX2B, PMS2, POLD1, POLE, PTCH1, PTEN, RAD50, RAD51, RAD51B, RAD51C, RAD51D, RB1, RECQL, RECQL4, RET, RTEL1, RUNX1, SDHA, SDHAF2, SDHB, SDHC, SDHD,
SMAD3, SMAD4, SMARCA4, SMARCB1, STK11, SUFU, TERT, TGFBR1, TGFBR2, TMEM127, TP53, TSC1, TSC2, VHL, WT1, YAP1
• ”known to be hereditary cancer predisposition”の遺伝子を選択
• 文献数が少なくても何かしらの報告があれば候補として選択
• 治験に使用されるかもしれない遺伝子
• 治療選択にはなにかしら役立つかもしれないもの
13MSKCCにおける“Germline Findings”の現状
• Tumor/Normalペア解析は約600件/月。そのうちSFは70-100件程度※ SF率 17.5% (Mandelker et al., 2017), AR含むので他の報告より高率
• 患者および血縁者の遺伝カウンセリングはCGSで対応
• 一年ほど前に、Part A とPart CのIC Form統合+ビデオ(6分) 導入Part Cの同意取得率が上がった
• しかし- 領域によってPart Cの同意取得率が異なる印象
例)Lung Cancerは低い
-宗教上の理由で生殖細胞系列の変異が見つかることを拒否する人も例)敬虔なAshkenazi Jewishが子どもの結婚に影響することを心配
“Germline findings” 対応フロー(全体)
Tumor Tissue & Blood
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Close out letter
例えばこのような文面:
You are consented by Dr. A for this test, the result is available. We strongly recommend that you come in for the consultation. Your result may impact your family members and your cancer risk. Here is our telephone number. If you are preferred to see a genetic counselor locally, we can help you with that.
・Close out letterはlegalなもの
・Certified UPSで送る(=相手が受け取ったか連絡あり)
・一度送付したら、MSKCCの責任外となる
・受け取ったほとんどの人がCGSに電話かけてきてくれる
・ 既に患者が亡くなっているときは家族に送る
家族から電話がかかってくる
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“Middle Risk Genes” の遺伝カウンセリング
• GC内容
- germlineとsomaticの違い
- 家族歴の確認
- 遺伝子と疾患の説明
• サーベイランス
- 各診療科にお任せ。GC以降CGSは関与しない
・日本との比較
- Confirmation testを希望する人はほぼいない
- 血縁者で保険がカバーされなさそうな人は安価で容易に検査可能なColor Genomics社などを利用して検査することを勧めていた
- 特に同伴者のサジェスチョンは行っていない
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“Low Risk Genes”の遺伝カウンセリング(電話)• 毎週月曜日@自宅
- 1-4人/day- 30-45分/call- 費用無- 自宅でEMR記録
• GC内容
- 簡単なmedical review, 検診状況、家族歴, 祖先
- 何を理解しているか
- germlineとsomaticの違い
- ARとADの違い
- どういうときに必要となる情報か
例)BLM mutationの場合:あなたはBloom症候群ではない。あなたの治療は変わらない。
あなたの娘には重要な情報。
・苦労など
- Ptが高齢なことも多く説明が長くなることも多い
- 治療と関係ないことだが説明しなければならない(IRBが…)
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“Germline Findings” これまでの苦労あれこれ (1/2)
• “IRB上の義務”- 医師へリマインドメールを必ず送付しなければならない
例)Baby with Neuro Blastoma, we don’t care APC I13077K mutationとレスポンスがあったことがある
- 患者が同意書に記載している人とOncologistが伝えようとする人が異なるが、IRB上は同意書に記載している人に伝えなければならない
例)同意書(患者本人)にはフィアンセに, 主治医は息子に
→フィアンセに息子に伝えていいか同意を得る必要
• High Risk Geneに変異だが、同意書「誰にも教えないでほしい」
方法 (1) 主治医にコンタクトをとり、診療時に同伴者はいたか聞く
方法 (2) 初診時に記載した緊急時のコンタクト者
方法 (3) 手術時に記載した緊急時のコンタクト者
→いずれの方法も難しい場合はGAPにコンタクトをとる
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• コンタクトするタイミング- 患者家族にとっては”大変な”時期
例)特に小児がん患者・家族は一度に多くの「困難」に直面していることが多く”Don’t bother the Patient”と主治医から言われたことがある。
→両親にとっては次子を考える上で重要な情報。CGSのgeneticistを交えてチームで治療のタイミングとの兼ね合いを考えた
• よく聞かれる質問- 自分ががんになった原因と遺伝子, 変異の関係
19“Germline Findings” これまでの苦労あれこれ (2/2)
GAP:Genomics Advisory Panel
• 対応困難例の判断を委ねたいときに申請
• genomicsに精通した医師などが参加しているので、IRBよりも話が通じやすい
• GAP参加者: 医師4人, IMPACT studyの研究者2人, 心理士1人, 患者代表者1人, RA4人
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GAPにおけるDiscussion Point① Actionableか
介入方法がある, 予測性がある, 何かできることがある, AR:血縁者にとって有益
②患者が結果を知りたいと思っているか
とてもactionability高いけれど、「伝えてほしくない」という症例は幸い今のところ経験していない
- MSKCC視察 -
1. Clinical Genetic Service
2. 二次的所見の対応
3. ラボでの解析
4. 遺伝カウンセリング
本日のアジェンダ21
• 解析基準- 腫瘍率は20%以上- Surgical pathologyの部門がブロックを選択。フェローがHE染色のスライドをみて腫瘍率の高い箇所をマーク。目視で細胞数カウント。
• variant評価- Clinvar, HGDV, FACETS, OncoKB (in house ver.) を使用-評価が難しいケースは週に一度、キュレーションスタッフとlab director (MD 2人, PhD 1人、全員ABMG)で話し合い最終評価
ABMG: American Board of Molecular Genetics
22Part A (Somatic)の解析
23Part C (Germline) の解析
・データ取得と解析- tumor, blood, order, consentがすべて別々のタイミングでラボにやってくる。2015年に始めたときはadministrationの人たちがマニュアルでトラッキングしていたが、今はinformatic systemでtrackingしており、”ready to be run”がシステムでわかるようになっている。
- Part A解析時にgermline dataも取得されるが、Part Cがコンセントされるまでは、Germline Dataはマスクされる
- allele frequencyは25%以上:allele frequencyは25%未満だとデータの質が保てないことが判明し25%とした。モザイクも疑って詳細解析をしたが、germlineモザイクは認められなかった
- Clinical levelで返すのでPart CもSNV, small in/del はSanger法で, CNV, large in/delはMLPAで確認検査を実施している
- 自分たちで評価したことのあるvariantが増えてきたので、MSK-IMPACT (Part C) 結果返却が早くなってきた
・データの保存- NY州の法律はデータは最大で7年, 検体は60日までと決まっているが、MSKCCでは患者に同意をとりBAMファイル, FFPEブロック, DNAを半永久的に保存
- BAMファイルは毎年アーカイブデータとして圧縮
・in house Germline Panel (Primary-IMPACT) との違いPart Cでは - VUSは報告されない (だから”Research”と呼ぶ)
- 遺伝子ごとにカットオフ値が設定されていない
- MSKCC視察 -
1. Clinical Genetic Service
2. 二次的所見の対応
3. ラボでの解析
4. 遺伝カウンセリング
本日のアジェンダ24
遺伝カウンセリング(一般予約)
予約前
• Webにて,MSK仕様のPROGENYで家系図を作成し,予約手順へ OR• administrativeアシスタントが問診票とPROGENYリンクをメールで送る
予約
• アシスタントがPROGENY家系図を確認,L1~L3に分類
• MDとCGCのスケジュールを調整し,受診希望者と予約調整
MD: Medical Doctor, CGC: Certified Genetic Counselor
患者を4レベルに分類
L0 (緊急度:高):緊急
L1 (緊急度:中):家族歴、既往歴 [未確認]
L2 (緊急度:低):家族歴、既往歴 [確認済み] = 短時間GCでOKL3 :その他
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遺伝カウンセリング(初診)
CGC• 問診票/病歴/家族歴の確認、リスクアセスメント
• 症候群/サーベイランス/遺伝学的検査について情報提供
報告
• CGCは一旦席を外し,担当MDに共有・報告
• 再アセスメント
+MD• MDも加わり質疑応答,MDの同意書サイン (10-15 min)(Webカメラで対応する場合もある)
CGC• 遺伝学的検査の同意文書を説明,患者サイン
• CGS検査担当者が採血実施
Test• 検査担当者は検体をラボに送る(ラボが出検管理)• 商業パネル,研究パネル
※NYC州はCGCのライセンスがまだ整備されておらず、費用をとるためにMDがセッションに加わる
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MD: Medical Doctor, CGC: Certified Genetic Counselor
遺伝カウンセリング(結果開示)
予約
• ~4 weeksで結果が届き,ラボからCGCに直接連絡が入る
• アシスタントは患者に連絡し,予定を調整する
結果
• 陽性の場合
• CGCが対面で結果を返却,MDが補足説明を行う
• VUS時も対面で返却
• 陰性の場合
• CGCは電話で患者に結果を報告する
close• CGCは名刺(個人メールアドレス)を渡し,何かあれば連絡もらう
• CGCは記録を作成し,MDがサインする
検診
• 臨床医は記録を見て検診を実施 (メールで補足することも…)• CGCは患者フォロー特にしていない
患者が小児の場合,外来や入院病棟にCGCが行くこともある
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MD: Medical Doctor, CGC: Certified Genetic Counselor
各領域ごとの対応
・Breast - 術式決定, がん診断告知直後などのPt対応のための外来枠あり
・GI- Lynch症候群Universal Screening:大腸癌患者, 子宮体癌患者全例MMR-IHC
・GYN- 卵巣サーベイランス:超音波, CA125は意味ない。RRSOが唯一の方法と説明
- 卵巣がん:全例MSK-IMPCT (Somatic & Germline) のICとるようにしている(膵がんも)
・Pediatrics- RB clinic, Brain tumor clinicなど各腫瘍ごとにチームがある- CGSは横断的に関わっており、タイミングはまちまちだがほとんどすべての 小児がん患者と面談している
・Prenatal- 出生前診断, 着床前診断等を希望した場合はニューヨーク市内のgenetic clinicに紹介しており、MSKCCでは周産期領域のGCは一切行っていない
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