View
5
Download
0
Category
Preview:
Citation preview
公園維持管理のための
安全管理マニュアル
公益財団法人 東京都公園協会
「公園維持管理のための安全管理マニュアル」の
利用にあたって
マニュアル作成の目的
マニュアルの使い方
作業を行う職員が
サービスセンターの職員が
本社の職員が
本マニュアルは、公園等の維持管理作業を行う東京都公園協会職員や委
託業者の作業員が、作業中に自分自身が怪我をしたり、作業でお客様を怪
我させることの無いように、安全な作業の行い方、作業上留意すべき点に
ついて、イラスト等を用いて見て分かりやすく解説したものです。
サービスセンターの管理・監督者や作業を行わない職員が、安全作業
を理解し、組織で安全管理を実践します。
作業を行う職員が、本マニュアルを熟読し、安全管理全般についての知
識を得ます。
作業を行う職員が、作業の種類ごとに安全対策を確認し、事故の未然防
止のための知識を得ます。
始業時点検のKYミーティング時に活用することで、作業の危険の予知、
その日実施する作業の安全確認を行います。
本社技術職員や管理・監督者及び一般事務職員が、日々現場で行われ
る安全作業を理解し、作業を行う職員・サービスセンター職員・本社職
員が一体となって安全管理を実践します。
目 次 はじめに
第1部 安全管理と安全作業 ·············································· 1
第 1 章 安全管理 ························································· 1
1 公園における安全管理とは ········································· 1
2 安全管理の必要性 ·················································· 1
3 公園管理作業の特性 ················································ 2
4 安全作業の特質と配慮 ·············································· 2
5 労働災害の動向 ····················································· 3
6 労働災害の実態 ····················································· 4
7 労働災害防止対策 ·················································· 7
(1)安全衛生管理体制 ············································ 7
(2)労働安全衛生マネジメントシステムによる安全衛生管理の改善 ···· 7
8 労働災害防止に対する安全衛生管理の効果 ························· 17
第2章 安全作業の流れ ·················································· 18
1 作業計画の作成 ····················································· 18
2 安全作業の流れと配慮事項 ········································· 18
(1)始業時の安全点検及び危険予知活動 ···························· 18
(2)出発時の安全点検 ·············································· 19
(3)現場への移動 ··················································· 19
(4)現場での安全点検 ·············································· 19
(5)安全作業の実施 ················································· 19
(6)作業後(中断)の安全確認 ····································· 20
(7)作業の記録と準備 ·············································· 20
(8)日常点検等の安全対策の実施 ··································· 20
第3章 お客様の安全確保 ················································ 23
1 お客様の安全確保の手順 ··········································· 23
2 危険の予知 ························································· 23
3 「安全領域」の確保 ················································ 24
4 作業内容の周知 ····················································· 24
第4章 事故の発生と対応 ················································ 26
1 事故発生時の対応 ·················································· 26
2 傷病者保護と救急救命 ·············································· 27
3 主な傷病の応急手当 ·········································· 30
4 傷病者の搬送 ················································ 34
5 AEDによる応急手当 ········································ 35
第5章 委託業者の安全指導 ·············································· 38
1 作業計画の把握 ····················································· 38
2 作業状況の確認と報告 ·············································· 38
第2部 公園作業別安全シート
参考資料
第2部 公園作業別安全シート
〔 目 次 〕
項目 作業番号 作 業 名 頁 番 号
基 0 安全領域の確保 作業-0:1/2~2/2
樹木手入れ
1 高 木 剪 定 作業-1:1/9~9/9
2 中・低木剪定 作業-2:1/4~4/4
3 株物手入れ・刈込 作業-3:1/3~3/3
4 枯損木・支障木処理 作業-4:1/6~6/6
4.1 竹林の伐開 作業-4.1:1/2~2/2
5 病虫害防除 作業-5:1/4~4/4
6 控木取替・撤去 作業-6:1/2~2/2
7 補植・移植 作業-7:1/3~3/3
草刈芝刈除草
8 草 刈 り 作業-8:1/4~4/4
9 芝 生 管 理 作業-9:1/3~3/3
10 除草・除草剤散布 作業-10:1/2~2/2
施設設備管理
11 工作物補修 作業-11:1/2~2/2
12 遊 具 補 修 作業-12:1/2~2/2
13 池水維持管理 作業-13:1/2~2/2
14 排水設備・維持管理 作業-14:1/2~2/2
15 電気機械設備・維持管理 作業-15:1/2~2/2
運動施設
16 野球場・運動広場 作業-16:1/3~3/3
現場への移動
17 現場への移動 作業-17:1/3~3/3
ハチ類の駆除
18 ハチ類の駆除 作業-18:1/2~2/2
計 60p
巻 末 資 料
0 安全領域の確保
0
安全領域の確保
〔 作業-0:安全領域の確保 〕 1/2
作業項目 共通基本作業 作業名 0:安全領域の確保
作業内容
① 維持管理作業に必要な安全領域を確保する作業である。
② 安全領域は作業区域に、お客様などに危険が及ぶと予想される影響範囲と安全確保に必要
な範囲を加えて設定する。
③ 作業内容や作業場所に合わせて安全領域を決める必要がある。
※ 刈払機を使用する作業では小石等が飛ぶ方向や距離、剪定作業では剪定枝のバウンド範
囲、枯損木伐採作業では伐倒範囲や枝のバウンド範囲などを勘案する。
④ 作業告知看板や作業広報板等を、お客様の見やすい位置に設置する。
⑤ 必要に応じて、安全領域に近づいたりするお客様の対応(誘導や説明など)を行う職員を
要所に配置する。
作業準備
① あらかじめ現地を下見して、作業内容に合わせた作業区域及びお客様などに危険が及ぶと
予想される影響範囲と安全確保に必要な範囲を想定し、全員に周知する。
② 作業内容や作業場所に合わせて、必要なカラーコーン・バリケード・安全バー・ロープ・
テープ・作業告知看板や作業広報板等を準備する。
必要機材 ・カラーコーン、バリケード、安全バー、ロープ、テープ 等
・作業告知看板・作業広報板 等
保護具類 保護帽、保護眼鏡、安全靴、手袋などその他必要に応じて「東京都公園協会・保護具措置
要綱」に定められたもの。
作 業
の
ポイント
① 作業現場で安全領域の設定がよいか、再確認する。
修正が必要ならば全員に周知する。
② お客様に注意しながら、安全領域を確保する。
③ 作業告知看板や作業広報板等を、お客様の見やすい位置に設置し、園路を通行止めとする
場合は、う回路を明示する等きめ細かい対応を行うこと。
④ 作業前に安全領域が適切か、確認する。
⑤ 作業進行によって安全領域が変化する場合、作業に合わせて安全領域を変更する。
⑥ 必要に応じて、お客様の対応(誘導や説明など)を行う職員を要所に配置する。
〔 作業-0:安全領域の確保 〕 2/2
作 業
の
ポイント
作業片付
・完了
① 作業終了後、機材を回収する。
② 必要に応じて機材の点検、清掃、洗浄など手入れをしておく。
③ 作業に対する安全領域が十分であったか、全員で確認して、次回の作業に活かす。
安 全 領 域 の 概 念 図
( 作業区域 + 影響範囲 + 安全確保範囲 )
作 業 区 域
影 響 範 囲 及び 安 全 確 保 範 囲
安全に作業を実施するのに
必要な区域
カラーコーン、安全バー、ロープ、テープ等で区域の明示、侵入防止を行う
1 高木剪定
1
高木剪定
〔 作業-1:高木剪定 〕 1/9
作業項目 樹木手入れ 作業名 1:高 木 剪 定
作業内容
① 当作業は、公園等の樹木のうち、高木(高さ 3m 以上程度)類の剪定、整枝を行う作業で
あり、造園の技術を必要とする作業である。
② 作業に当たっては2名以上でチームを組み、各々の役割を分担しながら行う。
③ 野透かし、大透かしと呼ばれる樹木上での作業が主体となり、高所かつ広い範囲での作業
するため、十分な訓練が必要である。
作業準備
① あらかじめ現地を下見し、作業区域、地形状況、樹種、本数、必要機材等を確認する。
② 作業対象樹木に、高圧電線・通信線等が近接している場合は、その施設の「管理者」との
協議結果に基づく「対策」等を全員に周知し、理解しておく必要がある。
③ 使用する、梯子、ロープ等道具類は、事前に点検し、整備しておく。
④ 作業開始前に、道具類、人員、安全施設等と作業手順、剪定方法について打合せを行い、
全員が理解しておく。
⑤ 高所作業車(運転者付で貸与受ける場合)を使用する作業の準備に当たっては、貸与者・
使用者・運転者・作業指揮者・搭乗作業者等が、次の事項に留意すること。
〔 高所作業車使用時の準備事項 〕
〔 図-1-① 〕高所作業車作業の必要資格者等
〔 作業-1:高木剪定 〕 2/9
(1) 使用者は、貸与者から、機械の性能・取扱等説明書を受け取る(安衛則 666 条)
(2) 運転者に対し「資格を確認し、作業内容指示・指揮系統・合図法・災害防止措置等を通
知」し、(同則 667 条)、それらを守らせる(同則 668 条)こと。
(3) 高所作業車を運転操作する者に必要な資格(道路上の走行運転を除く):
○ 作業床の高さが 10m 以上のもの:技能講習修了者(安衛令 20 条・15 号)
○ 作業床の高さが 10m 未満のもの:特別教育修了者(安衛則 36 条・10 の 5 号)
(4) 高所作業車による作業方法が示された「作業計画」(安衛則 194 条の 9)を準備すること。
(5) 作業場所への機械の据付及びその後の操作は、安衛則に準じた作業指揮者(則 194 条
の 10)・合図者(則 194 条の 12)・操作有資格者(安令 20 条 15 号・則 36 条 10 の 5 号)、
搭乗作業者(則 195 条の 15・20・22 等)が配置について、作業指揮、運転操作、及び作業
を行う準備をすること。
(6) 現場では、全体の作業範囲と高所作業車の作業範囲を明確にし、カラーコーン・バリケ
ード類で囲い、制札版・標識等を掲示し、2 名以上の誘導員を配置して作業関係者以外
の立入を防止する。
(7) その他、則 194 条の 8~28 等の事項を順守し作業を行うこと。
必要機材
高所作業車、梯子(4m、8m)、マニラロープ(30m)、細引き(2m、5m、10m)、丸縄、
鉤竿、大鋸、各自の剪定鋸、剪定鋏、長柄鋸、高枝剪定鋏、目立ヤスリ、熊手、ほうき、
箕(み)、ロープ付吊り袋、カラーコーン・バリケード類、トラロープ、制札版・標識類、
誘導合図旗等
保護具類
保護帽、安全帯(1本吊/U字吊兼用)、1本吊専ランヤード(二丁掛け用)、セイフティブ
ロック、巻付用親綱ロープ、縦横張用親綱、命綱、安全靴、手袋、保護眼鏡、その他必要
に応じて「東京都公園協会・保護具措置要綱」に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 用いる剪定手法と役割分担を明確にし、全員が役割を理解した上で作業を実施する。
② 作業に当たっては、上下同時作業とならないように相互に声を掛け合って作業する。
③ 梯子は、鋼製・木製ともに、法令に定められた要件を具備したものを使用し、定められた
方法で使用する。(安衛則 527 条及び解釈例規等:下記要件及び〔 図-1-② 〕参照)
〔 梯子の使用要件 : 安衛則 527 条及び解釈例規 〕
(1) 丈夫な構造とすること。
(2) 材料には、著しい損傷、腐食等が無いものとすること。
(3) 幅は、30 ㎝以上とすること。
(4) 滑り止め装置の取り付け、その他転位の防止措置〔 図-1-② 参照 〕をすること。
(5) 踏み桟の間隔は、25 ㎝以上 35 ㎝以下の等間隔とすること。
(6) 梯子は、原則として継いで用いることは禁止されているが、やむを得ず継いで用い
る場合は、次によること。
〔 作業-1:高木剪定 〕 3/9
(ア) 全体の長さは 9m 以下とすること。
(イ) 重合わせ継ぎ手のときは、1.5m 以上を重ね、2箇所以上で堅固に固定すること。
(ウ) 突合わせ継ぎ手のときは、1.5m 以上の添木を用いて4箇所以上で堅固に固定する
こと。
〔 図-1-② 〕 梯子の使用要件:安衛則 527 条4号・解釈例規等
〔 図-1-③ 〕 梯子の使用要件:安衛則 527 条4号:転位防止措置
必ず補助要員をつける
〔 作業-1:高木剪定 〕 4/9
④ 梯子を使用して昇降するときは、梯子が転位(滑ったり、ひっくり返ったり)しないよう
に確実に設置し、補助者による確保をして作業者が昇り、梯子の上部を立て掛け物に結束
固定する。
⑤ 梯子の据付地盤が軟らかい場合は敷板等をして安定を確保する。
⑥ 梯子の立て掛けは、原則として樹木の幹に掛けることとし、やむを得ず枝にかける場合で
も、太くて大きな枝にぐらつかないように掛けること。
⑦ 梯子の上での作業では、特に重心の安定確保に注意し、楽な姿勢で作業ができるように、
梯子の位置をこまめに移動して調整するとともに、下記のような事項に注意すること。
〔 梯子上作業の注意事項 〕
(1) 及び腰での作業をしないこと。
(2) 引っ張ったり押したり一方向に力を入れる作業をしないこと。
(3) 踏み面に背を向けた作業や昇降をしないこと。
(4) 同段に両足を掛けて作業しないこと。
(5) その他無理な姿勢での作業をしないこと。 等
〔 脚立上での作業の注意時事項 〕は、〔 作業-2:図-2-③ 〕等を参照
⑧ 樹木上の作業や移動では、下記のような注意をすること。
〔 樹上作業時の注意事項 〕
(1) 樹木の昇り降りに際しては、枯枝、弱枝に足や手を掛けないよう十分気をつける。
(2) 樹上で姿勢を保つ時は、できるだけ丈夫な枝を利用し、常に2本の枝に乗って体重を分散さ
せるようにする。
(3) 枯枝等は、その都度切り落とすことが望ましいが、その場合は安全帯を使用して作業をする
こと。
(4) 下枝に手の届かないときや枝間の広いときは、親綱・ロープや鉤竿(かぎざお)を利用して移
動する。
(5) 鉤竿は丈夫な枝元に確実に回すこと。
(6) 道具類は昇り終わって安全帯で確保した後に、吊り袋等を使用しロープで引き上げる。
⑨ 剪定作業については、下記の事項に注意すること。
〔 剪定作業の注意事項 〕
(1) 作業足場は、動作が安全で楽にできる位置を選ぶこと。
(2) 鋸は、位置が近い場合は剪定鋸を、遠い場合は長柄鋸を使用し、枝が太い場合は大鋸を使
用する。
(3) 大枝を切断するときは、必ずロープを掛けて複数名で吊り下ろす段取りをすること。
〔 作業-1:高木剪定 〕 5/9
(4) 長めの枝やたわんだ枝を切断する場合、思わぬ方向へはねる恐れがあるので、注意するこ
と。また蔓の絡んだ枝等の処理は、KYミーティングにおいて、段取りをよく検討して作業するこ
と。
(5) 鋸は、よく目立てしてあるものを使用すること。
(6) 枝を落とすときは、下部に声を掛け、人がいないことを確認してから落とすこと。
〔 図-1-④ 〕下部を確認してから枝を落とすこと
⑩ 樹木上で使用する「安全帯についての注意事項」は、下記のようなものである。
〔 安全帯(1本吊/U字吊兼用)の使用上の注意事項 〕
1). 安衛法に基づく「安全帯の規格」に合格したものを使用すること(同法 42 条・同令 13
条 40 号・同則 27 条等)。
当協会では、「安全帯の規格」に定められた「1本吊/U字吊兼用の安全帯」「一本吊専
ランヤード」(二丁掛け用)を使用するように定めて貸与している。
〔 作業-1:高木剪定 〕 6/9
〔 写真-1-① 〕1本吊り/U字吊り兼用の安全帯の例(部品名称)
(当協会が貸与している規格品と同等品の例)
〔 写真-1-② 〕1本吊り/U字吊り兼用の安全帯の例
(当協会が貸与している規格品と同等品の例)
2). 安全帯(1本吊/U字吊兼用)は、〔 取付け箇所 〕や〔 使用方法 〕に応じて、下記
のような事項に注意する。
(1) 1本吊/U字吊兼用安全帯を「1本吊り」で使用する場合:
・ 〔 安全帯の取付け箇所の注意 〕:
樹木上で、安全帯のランヤード(フックとロープの部分)を掛けられる「十分に強度
のある枝(回し掛けでも可)」・「親綱の設置」・「巻付けロープの設置」等があるときに
使用する。〔 図-1-②・③・⑤・⑥・⑦ 〕等参照。
〔 作業-1:高木剪定 〕 7/9
また、二丁掛け安全帯を使用して2点支持を行なうこと。
・ 〔 安全帯の取付け位置の注意 〕:
「1本吊り」で使用する場合の取付け箇所は、作業者が、もし墜落した場合でも、下部
の枝や地上等に体が激突しない高さ(安全帯のランヤードの長さ、取付け箇所のたわみ
等を考慮して)で確保できる箇所で、かつ、腰より高い箇所に、取り付けること。
〔 図-1-⑤ 〕 1本吊・U字吊兼用安全帯の「1本吊り」使用時の
ランヤード(フックとロープ部)の回し掛けの方法の例
〔 図-1-⑥ 〕「巻き付けロープ」の設置方法の例
(2) 1本吊/U字吊兼用安全帯を「U字吊り」で使用する場合:
・ 〔 安全帯の取付け箇所の注意 〕:
U字吊り安全帯は、樹上で、体重を支えられる足場(枝等)が確保できる時、太い幹
等に、安全帯のランヤード(フックとロープ部)を、伸縮調節器で長さを調整しながら、
回し掛けして、安全帯ベルト部とランヤードに体重を預けながら作業できる時に使用す
る。〔 図-1-⑥ 〕参照。
樹上での使用前に、地上で、樹木幹へ回し掛けして体重の預け方を試行しながら、体
重確保の要領と安全性を確認してから、樹上で使用すること。
回し掛けした「フック」は、胴ベルトの専用「D環」(他の箇所に掛けてはいけない)
に確実に掛かっていることを目で確認してから体重を預ける。
〔 作業-1:高木剪定 〕 8/9
・ 〔 安全帯の取付け位置の注意 〕:
U字吊りロープの回し掛けの高さ位置は、胴ベルトの位置より高い位置とし、預けた
体重が作業動作によって一瞬緩んだ時に、回し掛けしているロープがずり落ちないよう
な箇所に回し掛けする。
〔 図-1-⑦ 〕 「U字吊り」の使用例
・ 〔 ロープの切断に注意 〕:
刃物を使用しながら、「U字吊り」で作業する時は、体重を預けているロープを刃
物で切断しないように、体勢を整えて行うこと。
(3) 安全帯胴ベルトの締め付け位置:
・ 〔 安全帯胴ベルトの締め付け位置の注意 〕:
安全帯を腰に締める位置は、〔 図-1-⑧ 〕の中で、○印で示した位置とすること。
〔 図-1-⑧ 〕安全帯締め付け位置
足元は特に腐朽
に注意すること
身体をもたれ過ぎない
ように行うこと
二丁掛けロープで補助
〔 作業-1:高木剪定 〕 9/9
3). 「安全帯の廃棄の基準(図表)」: 〔 「添付資料」を参照〕
「安全帯の廃棄の基準(図表)」 を 「添付資料」に示すので、作業開始前、及び定期的に
自主点検を実施して、廃棄基準に相当すると思われる部品等が発見された場合は、管理
責任者に申し出て、部品または全体を交換すること。
定期的な点検方法としては、グル-プ作業者同士で、相互に部品等の損耗の程度を比較
検討しながら点検するのがよい。
また、時には、専門メーカー等の指導を受けながら点検し、判断基準を学習すること
が効果的である。
作業片付
・完了
① 切り取った枝等は、残さないように落として、当日中に片付ける。
② 剪定枝は、崩れないように積み重ねロープ等で固定して搬送する。
③ 作業に使用した道具類は、必要な手入れを済ませて収納する。
④ 特に鋸は目立てをして収納する。
⑤ 剪定作業について、全員で作業内容を検討し評価する。常に問題点や各自の癖等を改善し、
剪定技術を向上させることが、作業の安全性と効率を高めることとなる。
⑥ 当日手入れをした区域、樹種、幹周り、総本数を集計し記録しておく。
別添付
資料
〔 安全帯の廃棄の基準 -参考資料-37 参照 〕
2 中・低木剪定 2
中・低木剪定
〔 作業-2:中・低木剪定 〕 1/4
作業項目 樹木手入れ 作業名 2:中・低木剪定
作業内容
① 当作業は、主として花木類、松などの修景木が対象となる中木(高さ 3m 未満 1.8m 以上程
度)低木(高さ 1.8m 未満程度)の一般的な剪定作業である。
② 樹種により様々な剪定方法が用いられる。
③ 花木類は花付をよくし、樹形を整えることを目的とし、修景木では庭園風の剪定手法も用
いられる。
④ 比較的近くで眺める場合が多いので、技術的にすぐれた、丁寧な剪定が求められる。
作業準備
① あらかじめ現地を下見し、作業区域、地形状況、樹種、本数、必要機材等を確認する
② 使用する道具類、人員、安全施設等と作業手順、剪定方法について打合せを行い、全員が
理解しておく。
③ 作業範囲を明確にし、バリケードやロープで囲い、制札版・標識等を掲示して、作業関係
者以外の立入を禁止する。
必要機材
梯子(4m)、脚立(三脚)、杉小杖丸太等差し丸太、細引き(2m)、丸縄、熊手、ほうき、
箕(み)、各自の剪定鋏、木鋏、剪定鋸、カラーコーン・バリケード類、トラロープ、制札
版・標識、誘導合図旗等
保護具類 保護帽、安全帯(1本吊/U字吊兼用)、巻付用親綱ロープ・縦横張用親綱、命綱、保護靴、
保護眼鏡、その他必要に応じて「東京都公園協会・保護具措置要綱」に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 作業は、使用する機器具等で他の作業者に危険を及ぼさない範囲に分かれて分担し、かつ、
できるだけまとめて連続して行う。
② 梯子(安衛則 527 条:〔作業-1:図-1-②〕参照)や脚立(同 528 条:〔図-2-①〕参照)
は、鋼製・木製ともに、法令に定められた要件を具備したものを、定められた方法で使用
する。
〔 作業-2:中・低木剪定 〕 2/4
〔 図-2-① 〕
③ 梯子や脚立の上での作業では、重心の安定確保に特に注意し、下記のような事項に注意す
ること。
〔 梯子・脚立上の作業の注意事項 〕
(1) 及び腰での作業をしないこと。
(2) 引っ張ったり押したり一方向に力を入れる作業をしないこと。
(3) 踏み面に背を向けた作業や昇降をしないこと。
(4) 同段に両足を掛けて作業しないこと。
(5) 脚立と木との両方に跨いで足を掛けて作業をしないこと。
(6) 脚立の天板上に立って作業をしないこと。
(7) その他無理な姿勢での作業をしないこと。
(8) 梯子や脚立の作業では、常に安定した姿勢で作業できるように、位置をこまめに移動して調
整する。
(9) 軟弱な地盤では脚足を安定させる等の措置を講ずること。
等
(三脚)
〔 作業-2:中・低木剪定 〕 3/4
〔 図-2-② 〕
④ 梯子は、上部の結束や補助者による確保(同則 527 条・4 号;転位防止措置〔作業-1:
図-1-②〕参照)をする。
⑤ 梯子や脚立は、足元が滑らないように確実に設置し、昇る前に何度か揺らして安定を確認
する。
⑤ 梯子や脚立の据付地盤が軟らかい場合は敷板等をして安定を確保する。
⑥ 三本足脚立は、足が二等辺三角形を組むように設置し、必要な時は上部や側面を枝・幹な
どに結束する。
⑦ 梯子や脚立は、必要に応じて、「差し丸太・布掛け支柱」等で足場を組み結束して安定を図
る。
(三脚)
〔 作業-2:中・低木剪定 〕 4/4
〔 図-2-③ 〕 脚立の固定方法の例
⑧ 樹上における「安全帯の使用上の注意」については、〔 作業-1:高木剪定・「安全作業のポ
イント・⑩ 安全帯の使用上の注意事項 〕を参照すること。
⑨ 切った枝等を落とす時は、下部を十分に確認して、声を掛けて行う。〔作業-1:図-1-④ 〕
参照
作業片付
・完了
① 切り取った枝等は、残さないように落として、当日中に片付ける。
② 剪定枝は、丸縄で束ね、崩れないように積み重ねて搬送する。
③ 作業に使用した道具類は、必要な手入れを済ませて収納する。
④ 特に鋸は目立てをして収納する。
⑤ 剪定作業について、全員で作業内容を検討し評価する。常に問題点や各自の癖等を改善し、
剪定技術を向上させることが、作業の安全性と効率を高めることとなる。
⑥ 当日手入れをした区域、樹種、幹周り、総本数を集計し記録しておく。
各脚長を調整して
段を水平に据え付ける。
傾斜地における脚立設置の例
(三脚)
3 株物手入れ・刈込
3
株物手入れ・刈込
〔 作業-3:株物手入れ・刈込 〕 1/3
作業項目 樹木手入れ 作業名 3:株物手入れ・刈込
作業内容
① 当作業は、株物類および笹等の剪定刈込み作業が主であるが、ヤゴの除去、実生木の処理、
簡単な移植、間引き等も含む。
② 景観的な配慮を重視し、植栽密度によっては株物の移植、間引き等も行う。
間引きを行う場合、根元から切るようにし、幹を残さない。
③ 株によっては主幹(主枝)密度の調整のための間引きを行い、枯枝、余分な枝の除去の後、
剪定整枝を行う。このとき株物内のごみ、空き缶等の除去もあわせて行う。
④ 刈込みは、前記作業終了後、整姿のため行うもので、単に刈込みだけの作業は行わない。
作業準備
① あらかじめ現地を下見し、作業区域、地形状況、樹種、本数、必要機材等を確認する
② 事前に、バリカン式刈込機、脚立等は点検、整備しておく。
③ 使用する道具類、人員、安全施設等と作業手順、剪定方法について打合せを行い、全員が
理解しておく。
④ エンジン付バリカン式刈込機を使用する時は、「特別教育に準じた教育を修了した者」が行う。
〔通達:H12.2.16 基発第 66 号「刈払機取扱者に対する安全衛生教育について」を参照。 〕
⑤ 作業範囲を明確にし、カラーコーン・バリケード類やロープで囲い、制札版・標識等を掲
示して、作業関係者以外の立入を禁止する。
必要機材
バリカン式刈込機、脚立、細引き(2m)、丸縄、各自の剪定鋏、木鋏、刈込み鋏、バケツ、
砥石類、ジョレン、レーキ、熊手、ほうき、箕(み)、唐竹、しゅろ縄、肥料等、カラーコ
ーン・バリケード類、トラロープ、制札板・標識類、誘導合図旗、蜂刺され防止用品等
保護具類 保護帽、安全靴、保護眼鏡、手袋、保護衣その他必要に応じ「東京都公園協会・保護具措
置要綱」に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 株物では、使用する機器具で他の作業者に危険を及ぼさない範囲で、できるだけ2人以上
でまとまって連続して作業を行う。また、作業前にゴミ、空き缶などの障害物の除去、蜂
の巣のチェックを行うこと。
② 剪定鋏木鋏、刈込み鋏などで手を切らないよう十分注意する。特に刈込み鋏は刃渡りも長
く、手を切りやすいので搬送中、作業中とも注意を要する。
③ 鋏類は樹脂がつくと切れなくなるので、ヤニの出る季節はバケツ、砥石を持参し、こまめ
に研いで使うこと。
④ とげのあるものや手を傷つける恐れのあるものは、軍手、革手袋等を使用する。
⑤ 小枝等で目を刺さないように保護眼鏡等を使用する。
⑥ バリカン式刈込み機は構造上、ブレードが露出しているため、稼働中はもとより移動時も
〔 作業-3:株物手入れ・刈込 〕 2/3
十分注意すること。また移動時は必ずエンジンを切ること。
⑦ 植込地等で足元がよく見えない作業の場合や、傾斜地での作業は十分注意をし、雨上がり
等は滑りやすいので作業は控えること。
⑧ 狭い空間や無理な姿勢でバリカン式刈込機は使用しない。
⑨ バリカン式刈込機は右足を前に出し、半身で操作し刃を体に向けて作業をしない。
⑩ 電動式バリカンでは、コードの処理が混乱しないようにこまめに発電機を移動させると共
に、電線コードをブレードで切らないよう注意する。(〔図-3-①〕参照)
〔図-3-①〕電動バリカンの取扱
⑪ エンジン式バリカンでは、マフラーが高温になるのでやけどをしないよう注意する。
⑫ 脚立上での刈込み機の使用にあたっては、無理な姿勢で作業をしたり、機械の操作に熱中
しバランスを崩したりしないよう注意する。
⑬ 脚立(同 528 条:〔作業-2:図-2-①〕参照)は、鋼製・木製ともに、法令に定められた
要件を具備したものを使用する。
⑭ 脚立の据付地盤が軟らかい場合は敷板等をして安定を確保する。
⑮ 三本足脚立は、足が二等辺三角形を組むように設置し、必要な時は上部や側面を枝・幹な
どに結束する。
⑯ 脚立作業では、常に安定した姿勢で作業できるように、位置をこまめに移動して調整する。
⑰ 脚立の上での作業では、重心の安定確保に特に注意し、下記のような作業動作は行わない
こと。〔作業-2:図-2-③ 〕参照
〔 作業-3:株物手入れ・刈込 〕 3/3
〔 脚立上での不安全作業 〕
(1) 及び腰での作業をしないこと。
(2) 引っ張ったり押したり一方向に力を入れる作業をしないこと。
(3) 踏み面に背を向けた作業や昇降をしないこと。
(4) 同段に両足を掛けて作業しないこと。
(5) 脚立と木との両方に跨いで足を掛けて作業をしないこと。
(6) 脚立の天板上に立って作業をしないこと。
(7) その他無理な姿勢での作業をしないこと。
等
作業片付
・完了
① 切り取った枝等は、残さないように落として、当日中に片付ける。
② 剪定枝は、丸縄で束ね、崩れないように積み重ね、確実に結束して搬送する。
③ 作業に使用した道具類は、必要な手入れを済ませて収納する。
④ 今日の作業について、全員で作業内容を検討し評価する。常に問題点や各自の癖等を改善
し、技術を向上させることが、作業の安全性と効率を高めることとなる。
⑤ 当日手入れをした区域、樹種、幹周り、総本数を集計し記録しておく。
4 枯損木・支障木処理
4
枯損木・支障木処理
〔 作業-4:枯損木・支障木処理 〕 1/6
作業項目 樹木手入れ 作業名 4: 枯損木・支障木処理
作業内容
① 当作業は、枯損木や支障木を伐倒処理する作業であり、間伐、間引きを含む作業である。
② 伐倒作業は、現在はチェーンソーが一般的に使用されているが、時には、大鋸や斧によっ
て行われる場合もある。
③ 伐倒の方法は、周辺の状況を判断して決定する。
④ 状況により、吊り切り等の特殊な方法で行わなければならない場合もある。
⑤ 密度調整のための間伐、間引き等を行う場合は、景観的な配慮をする必要がある。
⑥ 伐倒作業に当たっては、周辺住民等の問い合わせにもきちんと対応できるようにしておく
必要がある。
作業準備
① あらかじめ現地を下見し、作業の緊急性、作業区域、地形及び周辺状況、樹種、樹高、幹
周、本数、必要機材等を確認する。
② 伐倒作業を周辺住民、各種自然保護団体等に周知する必要がある場合は、その旨を一週間
程度前から広報掲示したり、電話連絡等をする。
③ 伐倒作業に使用する道具類、人員、安全施設等と作業手順、伐倒方法および伐倒方向等に
ついて打合せを行い、全員が理解しておく。
④ 「胸高直径 70 ㎝以上の伐木・胸高直径 20 ㎝以上の偏心木の伐木」、「吊り切り」、「直径 20
cm以上のかかり木の処理」、「チェーンソーによる立木の伐倒、造材」の作業に従事する
ときは、「特別教育を修了した者」が行うこと。 〔 安衛則 36 条・8号、8号の 2、 通達:S50.4.10
基安発第 7 号「チェーンソーの振動障害予防対策の強化について」等 〕参照。
⑤ チェーンソー等の道具類は使用時に迅速に稼働出来るよう、事前の点検整備に努めておく
こと。機械類に故障等ある場合は速やかに責任者に申し出て専門業者に修理を依頼する。
⑥ 梯子、ロープ等道具類は、事前に点検し、整備しておく。
⑦ 伐倒する樹高に対応した余裕のある作業範囲を決定し、バリケードやロープで囲い、制札
版・標識等を掲示して、作業関係者以外の立入を禁止する。
必要機材
チェーンソー(防振機構内蔵型)、チェーンオイル、混合ガソリン、工具類、棒ヤスリ、マ
ニラロープ(15m、30m)、カケヤ、クサビ、大鋸、斧、槍丸太(2m程度)、細引き、ワ
イヤロープ、滑車、梯子(4m、8m)、ロープ付吊り袋、カラーコーン・バリケード類、
トラロープ等、制札版・標識類、誘導合図旗等
保護具類 保護帽、安全帯(1本吊U字吊兼用)、巻付用親綱ロープ、縦横張用親綱、命綱、安全靴、
防護手袋、その他必要に応じて「東京都公園協会・保護具措置要綱」に定められたもの。
〔 作業-4:枯損木・支障木処理 〕 2/6
安全作業
の
ポイント
① 用いる剪定手法と役割分担を明確にし、全員が役割を理解した上で作業を実施する。
② 熟練者の意見をよく聴き、統制のとれた作業を行うと共に、各自がそれぞれの役割を確実
に遂行する。
③ 作業に当たっては、上下同時作業とならないように相互に声を掛け合って作業する。
④ 立木伐倒の標準的「作業手順」は下記のように行う。
〔 立木伐倒の作業手順 〕
(1) 木に登る。
(2) 剪定した枝や主幹を吊り降ろす。
(3) ロープの長さは樹木の高さ以上のロープを用意し2本掛ける。
(4) 倒す方向に合わせてロープを張り、人をつける。
(5) 受け口を切る。 〔 図-4-① 〕参照。
(6) 追い口の切断作業を行う。
(7) クサビを打ち込む。
(8) 最後のつる切りをする。
(9) 方向を合わせてロープを引く。〔 図-4-② 〕参照。
(10)倒木の玉切りを行う。 〔 図-4-③ 〕参照。
(11) 幹は出来るだけ低く地際から切除する。
(12) 搬送、片付けを行う。
〔 図-4-① 〕受け口・追い口
〔 作業-4:枯損木・支障木処理 〕 3/6
〔 図-4-② 〕伐倒合図
⑤ また、立木伐倒作業については、「労働安全衛生規則」により下記のような事項が定めら
れているので留意すること。
〔 伐倒作業についての法令の定め 〕( 安衛則 477 条・479 条 )
(1) 伐倒の際に退避する場所をあらかじめ選定しておくこと。( 477 条 1 項・1号 )
(2) かん木、枝、つる、浮石等の危険物を取り除くこと。( 同上・2号 )
(3) 立木の胸高直径が 40 ㎝以上のときは、伐根直径の4分の1以上の深さの「受け口」
を切ること。( 同上・3号 )〔 図-4-① 〕参照。
(4) 伐倒の合図を定めて伐倒作業者周知すること。( 479 条 1 項 )
(5) 伐倒のときは、伐倒作業者以外の作業者にも合図して退避させてから伐倒すること。
( 479 条 2・3項 )
⑥ 梯子は、鋼製・木製ともに、法令に定められた要件を具備したものを定められた方法で使
用する。〔 「作業-1:高木剪定」の「安全作業のポイント⑩項」等 〕参照 】
〔 梯子の要件 : 安衛則 527 条等 〕
(1) 丈夫な構造とすること。
(2) 材料には、著しい損傷、腐食等が無いものとすること。
(3) 幅は、30 ㎝以上とすること。
(4) 滑り止め装置の取り付け、その他転位の防止措置をすること。
(5) 踏み桟の間隔は、25 ㎝以上 35 ㎝以下の等間隔とすること。
(6) 梯子は、原則として継いで用いることは禁止されているが、やむを得ず継いで用いる
場合は、次によること。
〔 作業-4:枯損木・支障木処理 〕 4/6
(ア)全体の長さは 9m 以下とすること。
(イ)重ね合わせ継ぎ手のときは、1.5m 以上を重ね、2箇所以上で堅固に固定すること。
(ウ)突合せ継ぎ手のときは、1.5m 以上の添木を用いて4箇所以上で堅固に固定するこ
と。
⑦ 梯子を使用して昇降するときは、梯子が転位(滑ったり、ひっくり返ったり)しないよう
に確実に設置し、補助者による確保(同則 527 条・4 号;転位防止措置〔作業-1:図-1-
②〕参照)をして作業者が昇り、梯子の上部を樹木等に結束固定する。
⑧ 梯子の据付地盤が軟らかい場合は敷板等をして安定を確保する。
⑨ 梯子の立て掛けは、原則として樹木の幹に掛けることとし、やむを得ず枝にかける場合で
も、太くて大きな枝にぐらつかないように掛けること。
⑩ 梯子の上での作業では、特に重心の安定確保に注意するとともに、下記のような事項に注
意すること。
〔 梯子上作業の注意事項 〕
(1) 及び腰での作業をしないこと。
(2) 引っ張ったり押したり一方向に力を入れる作業をしないこと。
(3) 踏み面に背を向けた作業や昇降をしないこと。
(4) 同段に両足を掛けて作業しないこと。
(5) その他無理な姿勢での作業をしないこと。
等
⑪ 樹木上で使用する「安全帯の使用上の注意事項」については、〔 「作業-1:高木剪定」の⑩
の項 〕を参照すること。
⑫ チェンソーを使用する作業では、下記のような事項に注意すること。
〔 チェーンソー使用時の注意事項 〕
(1) 「チェーンソーによる立木の伐倒、玉切り」等の作業に従事する者は「特別教育を修了
した者」が行うこと。 安衛則 36 条 8 号~8 号の 2・〔 図-4-③ 〕等参照。
(2) チェーンソーは、使用前に「点検表」(別添資料参照)により点検すること。
(3) チェーンソーの刃を新しく取り替えた後の使用では、刃の緩みが生じやすいので、特に
注意して点検する。
(4) チェーンソーは両手で持ち、保持する体勢は、右足を前に出し半身で行う。自分の体に
向けて刃を作動させない。〔 図-4-③ 〕参照
(5) 竹の伐採には原則チェーンソーは使用しないこと。
(6) 樹上では、絶対にチェーンソーを使用しないこと。
(7) チェーンソー作業は、1日2時間以内とし、一連続使用時間は、10分間までとし、休
憩等をはさむ。
〔 通達:S50.4.10 基安発第 7 号「チェーンソーの振動障害予防対策の強化について」等 〕
(8) 直径 10 ㎝以下の伐木にはチェーンソーを使用しないこと。
(9) チェーンソーによる玉切りは、2人が丸太を用いて介添えし、対象木が動かないように
しっかり確保した上で作業をする。
〔 作業-4:枯損木・支障木処理 〕 5/6
(10) 「切り曲がり」する癖のあるチェーンソーは使用しないこと。
(11) 「突っ込み切り」等を行うときには「キックバック(跳ね返り)」に注意すること。
〔 図-4-④ 〕参照。
〔 図-4-③ 〕 チェーンソー使用には「特別教育」が必要
〔 図-4-④ 〕キックバックに注意
⑬ かかり枝を棒等を用いて落とす場合は枝の落ちる方向を予測しながら作業すること。
台木を入れる
〔 作業-4:枯損木・支障木処理 〕 6/6
作業片付
・完了
① 伐倒した樹木はできるだけ当日中に片づける。
② 現場に置かざるを得ない場合は、きちんと整理して崩れたり動いたりしないよう措置する。
③ 剪定枝は、丸縄で束ね、崩れないように積み重ねて搬送する。
④ 作業に使用した道具類は、必要な手入れを済ませて収納する。
⑤ 特にチェーンソーは目立ておよび整備を完全に行ってから収納する。
⑥ 長期間、機械を使用しない場合は燃料を抜いておく。
ガソリンを抜きとるホース等で抜いた後、エンジンをかけ自然に停止するまで回しつづけ
ること(キャブレター内まで抜きとること)。
⑦ 伐倒作業について、全員で作業内容を検討し評価する。
⑧ 当日伐倒した場所、樹種、樹高、幹周、総本数を集計し記録しておく。
〔 作業—4.1:竹林の手入れ 〕 1/2
作業項目 竹林の手入れ 作業名 4.1: 竹林の伐開
作業内容
① 当作業は、竹を処理する作業であり、間引き、間伐、皆伐を含む作業である。
② 竹林作業は、竹ノコギリ、ナタ、等を使用しているが、竹は材質が硬く、滑りやすいので
竹引きノコギリを使用する。
③ 伐開の方法は、周辺の状況を判断して決定する。
④ 密度調整のための間伐、間引き等を行う場合は、景観的な配慮をする。
作業準備
① あらかじめ現地を下見し、作業の緊急性、作業区域、地形及び周辺状況を確認する。
② 地上部のみの作業か、地下茎を含む作業なのか決める。
③ 竹の伐開作業に使用する道具類、人員、安全施設等と作業手順、伐開する人、監視する人、
運搬する人を決め連携して作業を行う。
④ 伐開する竹の高に対応した余裕のある作業範囲を決定し、バリケードやロープで囲い、制
札版・標識等を掲示して、作業関係者以外の立入を禁止する。
⑤ 足袋の使用はさけ安全靴を使用する。
必要機材 混合ガソリン、工具類、棒ヤスリ、カマ、斧、マニラロープ(15m、30m)、カラーコー
ン・バリケード類、トラロープ等、制札版・標識類、誘導合図旗等
保護具類 保護帽、巻付用親綱ロープ、安全靴、防護手袋、その他必要に応じて「東京都公園協会・
保護具措置要綱」に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 用いる手法と役割分担を明確にし、全員が役割を理解した上で作業を実施する。
② 熟練者の意見をよく聴き、統制のとれた作業を行うと共に、各自がそれぞれの役割を確実
に遂行する。
③ 作業に当たっては、上下同時作業にならないよう相互に声を掛け合って作業する。
④ 竹伐採の標準的「作業手順」は下記のように行う。
〔 竹の伐開作業手順 〕
(1) 2~3人でチームを作る。
(2) 傾斜地では下のほうから伐採を始める。
(3) 稈(幹)と枝の置き場を別々に決める。
(4) 稈(幹)を倒す方向を決める。
(5) 受け口を切る。追い口の切断作業を行う。枯損・支障稈、枝処理〔 図-4-① 〕参照。
〔 作業—4.1:竹林の手入れ 〕 2/2
(6) 1本切り倒したら整理してから次を切る。
(7) 竹の枝払い、玉切りを行う。
(8) 稈(幹)の切口は出来るだけ低く地際で水平になるように切除する。
(9) 作業場の安全性や、作業性を考慮し枝や稈(幹)を縄やシュロ縄を使用して取りまと
める。
(10)搬送、片付けを行う。
伐採時期(参考)
・竹を材料として使う------10月~12月頃 ・増えすぎた竹の広がりを防ぐ------3月~7月頃
作業片付
・完了
① 伐採した竹はできるだけ当日中に片づける。
② 現場に置かざるを得ない場合はきちんと整理して崩れたり動いたりしないよう措置する。
③ 竹は運搬可能な長さで切断し丸縄で束ねる。枝、笹についても丸縄で束ね崩れないように
積み重ね運搬する。
④ 作業に使用した道具類は必要な手入れを済ませて収納する。
5 病虫害防除
5
病虫害防除
〔 作業-5:病虫害防除 〕 1/4
作業項目 樹木手入れ 作業名 5:病虫害防除
作業内容
① 当作業は、樹木、株物その他に発生した病虫害を、最小の被害で抑えるために行う。
② 主な対象病虫害には、アメリカシロヒトリ、チャドクガ、モンクロシャチ、ツゲノメイガ、
ルリハムシ等がある。
③ 病虫害を早期に発見して、分散する前に、被害枝を切除又は焼殺する方法が最も良い。病
虫害が広く分散したり、大量発生したりした場合は薬剤散布を行う。
作業準備
① 病虫害の予防駆除のための薬剤(農薬)の使用に関しては、農薬取締法、農薬安全使用基
準等農薬関係法令、労働安全衛生法関係法令等に定められた事項、並びに薬剤メーカーが
示すラベル(作業者・環境への安全性・防除効果・薬害等を表示)、化学物質等安全データ
シート(MSDS)等の使用上の注意事項等に対応して作成された使用計画に従って作業の
準備をするものとし、事前に、作業従事者全員がこれらの注意事項を熟読し、よく理解し
ておくこと。
② 使用する薬剤の保管と出し入れの管理は、上記①の関係法令、メーカーの指定する安全基
準、取扱注意事項等に準じて、定められた責任者が確実に行うこと。
③ 保管は、所定の場所に設置された専用保管箱等に施錠して行い、保管量、出し入れ消費量、
現場での溶液等の残量と処理方法の記録管理を明確にしておくこと。〔 図-5-① 〕参照
〔 図-5-① 〕薬剤の管理取扱
〔 作業-5:病虫害防除 〕 2/4
④ 薬剤の容器を移し替えたり、空になった容器を所定外の場所に捨てたりしない。 誤使用、
誤飲等の原因となる危険性がある。 〔 図-5-① 〕参照
⑤ 薬剤散布作業の準備計画に当たっては、あらかじめ現地を下見し、作業区域、利用お客様、
付近の状況(居住者、通行者、池水路、魚等)、樹種、本数、必要機材等を調査確認し、付
近環境への危害を与えないように事前対策をしておく。
⑥ 春から初夏にかけては、病虫害の発生の予測される樹種を中心に継続して観察を行う。
⑦ 初期防除が「 小の被害、 小の労力」で駆除できる も効果的な手段であることを認織
し、いつでも使えるよう動力噴霧機等の機材および薬剤を整備しておく。
⑧ 害虫等の生態、対象樹木、対応の方法などあらかじめ打合せをしておき、発生と同時に出
動可能な体勢を整えておく。
⑨ 作業現場での準備に当たっては、作業影響範囲を明確にし、バリケードやロープで囲い、
制札版・標識等を掲示し、見張員を配置して作業関係者以外の立入を防止する準備をする。
必要機材
薬剤・薬剤保管箱、動力噴霧機、手押し式噴霧器、ホースリール、燃料油脂、工具類、唐
竹、ウェス、剪定鋏、高枝剪定鉄、長柄鋸、梯子、脚立、細引き、ロープ付吊袋、病害虫
付着枝葉等収納袋、ガムテープ、括り紐、カラーコーン・バリケード類、トラロープ、制
札版・標識、誘導合図旗等
保護具類
防毒マスク(使用薬剤に対応した国家検定合格品)、保護衣(ゴム合羽)、保護長靴(ゴム
長靴)、保護手袋(ゴム手袋)、保護帽、安全帯(1本吊/U字吊兼用)、巻付用親綱ロープ・
縦横張用親綱、命綱、その他必要に応じ「東京都公園協会・保護具措置要綱」に定められ
たもの。
安全作業
の
ポイント
① 薬剤散布作業の実施に当たっては、上記作業準備①等の事項を再確認し、作業開始前に、
使用薬剤、道具類、保護具、人員、防護施設の設置等と作業手順等についての具体的打合
せを行って全員が確認する。
② 現場での薬剤散布作業開始前には、上記作業準備⑤⑨等の事項について、公園利用お客様、
近隣居住者、通行者等、及び、付近の池水路、魚等への危害防止対策の実施状況を確認し
た上で作業を開始する。
③ 薬剤散布作業は、長雨、日照り、強風の時を控え、なるべく涼しく、公園利用お客様、近
隣通行者等の少ない時間帯を選んで行う。
④ 薬液を調合する時は、薬剤の魚毒性ランク等を確認し、原液に素手で触れないようにし、
防護手袋(ゴム手袋)を着用して作業する。
⑤ 薬剤の希釈液調合する時は、指定の濃度となるよう正確に混合し、割竹等で十分撹拌して
から使用する。
⑥ 薬剤散布作業をする時は、薬剤の危険性に対応した防護手袋(ゴム手袋)、防毒マスク、
防護衣、防護長靴等を着用して作業すること。〔 図-5-② 〕参照
〔 作業-5:病虫害防除 〕 3/4
〔 図-5-② 〕殺虫剤散布作業注意:薬剤に対応した防護具を着用する
⑦ 噴霧液が作業者に掛かったり、噴霧液を吸入したりしないよう、風上から風下に向かって
散布する。
⑧ 高所に向かって散布する時は、特に風下への影響範囲を確認して立入防止範囲を定める。
⑨ 散布作業者は、2時間から3時間で作業を交替する。
⑩ 防除作業の時期によっては連日作業となるので、体調の悪い時は作業に従事しない。
⑪ 作業中、気分が悪くなった場合等は、直ぐ作業を中止し、うがい、洗顔等をする。また、
衣服に薬剤が浸透している場合には、すぐに衣替えして休養をとる。 症状がひどい場合は
直ちに病院で診てもらう。
⑫ 現場に散布した薬剤へのお客様等の接触による害の持続時間等に応じて、その間の立入や
接触の防止措置を講じておくこと。 少なくとも薬剤散布当日中は、お客様等の接触を防止
する措置をしておく。
⑬ 剪定防除のために切除した枝葉等は、所定の包装用袋に収納密封し、定められた場所に運
搬回収して、確実に焼却処分等する手配をする。
⑭ 害虫の幼虫や卵等が目視される枝葉等については、包装袋等に入れて踏み潰してから収納
密封しておく。
⑮ 剪定防除作業においては、それぞれの対象樹種等に応じて、当「公園作業別安全シート」
の〔 作業-1:高木剪定 〕、〔作業-2:中低木剪定〕、〔作業-3:株物手入れ刈込 〕の項
を参照し、墜落・転落等の危険防止対策を行って作業すること。
〔 作業-5:病虫害防除 〕 4/4
作業片付
・完了
① 当日調整した薬剤はその日のうちに散布し、タンク内に残留させないようにし、残った薬
剤は、回収し解毒中和等の処理をした後、所定の処分をする。
② 噴霧磯やバケツ等薬剤に触れたものは、定められた場所で水洗いし、ノズルはホースから
外しておく。
③ 薬剤散布作業終了後は、定められた場所で、顔、手、足などをよく洗い、タバコ、酒類は
控えて十分休養をとる。
④ 剪定作業に使用した道具類は、必要な手入れを済ませて収納する。
⑤ 病虫害防除作業については、その効果と危険性等について、全員で検討し評価することが、
今後の作業の成果と安全性を高めることとなる。
⑥ 当日防除作業した場所、発生病虫害、薬剤の種類と使用量、回数、天候状態、樹種、幹周
り、総本数、周辺環境対策の方法等を記録しておく。
6 控木取替・撤去
6
控木取替・撤去
〔 作業-6:控木取替・撤去 〕 1/2
作業項目 樹木手入れ 作業名 6:控木取替・撤去
作業内容
① 植栽した樹木の根が十分成育し、自立出来ると判断したら、できるだけ早く控木を撤去す
る。一般に植栽後3年程度経過すれば撤去可能となる。
② 自立が遅く、控木の強度が損なわれたものは、控木の取替えを行う。
③ 丸太は再利用するが、しゅろ縄が切れたり、控木の結束が木に食い込んだ場合は、結束直
しを行う。
④ 控木の撤去にあたり、養生のための幹巻、杉皮、しゅろ縄等も樹木から完全に撤去する。
作業準備
① 植栽年度を確認し、取り外す区域を下見して、作業範囲、樹種、本数、樹高、必要機材等
を確認する。
② チェンソ一、脚立等は事前に点検、整備しておく。
③ 使用する道具類、人員、安全施設等と作業手順、剪定方法について打合せを行い、全員が
理解しておく。
④ 作業範囲を明確にし、バリケードやロープで囲い、制札版・標識等を掲示して、作業関係
者以外の立入を禁止する。
⑤ 発生材料の搬送、集積の場所を確認しておく。
必要機材
取替用控木、番線、釘、しゅろ縄、梯子、脚立、バール、ペンチ、カッター、スコップ、
ツルハシ、チェンソー、カナヅチ、大鋸、カラーコーン・バリケード類、トラロープ、制
札版・標識、誘導合図旗等
保護具類
保護帽、安全靴、手袋、安全帯(1本吊/U字吊兼用)、巻付用親綱ロープ・縦横張用親綱、
命綱、保護眼鏡、その他必要に応じ「東京都公園協会・保護具措置要綱」に定められたも
の。
安全作業
の
ポイント
① 控木に打ち込まれた釘や鉄線で踏み抜きしたり、手に刺したり、引っ掻いたり、目を突い
たりしないように注意する。
② 外した丸太の釘はハンマーで打ち曲げておく。
③ 丸太を外す時は、振り回したりして扱うと、他の作業者を傷つけたりする場合があるので
注意する。
④ 切断した番線はまとめて回収し所定の処理をする。放置しておくと、公園利用者が踏み付
けて怪我をしたり、草刈り作業のときに引っ掛けたりして危険である。
〔 作業-6:控木取替・撤去 〕 2/2
〔 図-6-① 〕切断鉄線屑の片付け・釘仕舞い
⑤ チェンソ一による切断作業は危険性が高いので、特別教育を修了した者が行うこと。
〔 作業‐4:枯損木支障木処理・「⑫ チェンソー使用時の注意事項」参照 〕
⑥ 梯子、脚立、樹上での作業を伴う場合は、〔 作業‐1:高木剪定・「梯子の要件」、「梯子上
の作業の注意事項」等 〕、〔 作業‐2:中低木剪定・「脚立の要件」、「脚立上の作業の注意
事項」等 〕の項を参照の上、十分注意して行う。
⑦ 根杭の番線結束は、杭の裏側の方で止め、内側に曲げておく。
⑧ 撤去した控木を一時的に公園内に集積する場合は、荷崩れしないよう木杭を打ち、ロープ
掛けしておき、公園利用者等が近づいたり、乗ったりしないように囲いをしておくこと。
作業片付
・完了
① 撤去した控木はできるだけ当日中に片づける。 日を越えて現場に置かざるを得ない場合
は、崩れたりしないように固定措置しておくと共に、公園利用者等が近づいたり、登った
りしないように囲いをし、必要に応じて標識等を設置しておく。
② 動いたり、いたずらされたりしないようきちんと整理しておく。
③ 切り取った枝等は、残さないように落として、当日中に片付ける。
④ 剪定枝は、丸縄で束ね、崩れないように積み重ねて搬送する。
⑤ 作業に使用した道具類は、必要な手入れを済ませて収納する。
⑥ 特に鋸やチェンソーは目立ておよび整備を完全に行ってから収納する。
⑦ エンジン付機械を長期間使用しない場合は、燃料を抜いておく。
⑧ 作業について、全員で作業内容を検討し評価する。
⑨ 常に問題点や各自の癖等を改善し、剪定技術を向上させることが、作業の安全性と効率を
高めることとなる。
⑩ 当日、控木を取替又は撤去した場所、樹種、総本数を集計し記録しておく。
7 補植・移植
7
補植・移植
〔 作業-7:補植・移植 〕 1/3
作業項目 樹木手入れ 作業名 7:補植・移植
作業内容
① 景観構成上あるいは樹林構成上必要な補植又は移植を行う。
② 移植は主として過密地の間引きや枯死した樹木の取替え等を行う時に実施する。
③ 移植のための根回しは、移植が難しい樹種や大径木、老木で移植が困難な樹木に行うが、
当作業では、人力による移動運搬の可能な低木等の補植、移植作業等を対象とする。
④ 移植後は養生、控木、灌水を行う。
作業準備
① 植栽位置、樹種、数量、時期をあらかじめ調査し、材料の手配、根回しの有無等手順を打
ち合わせておく。
② 落葉樹、針葉樹、常緑樹等の性状を知り、適期に適正な方法で行う。
③ 使用する道具類、人員、安全施設等と手順について打合せを行い、全員が理解しておく。
④ 作業範囲を明確にし、カラーコーン・バリケード類やロープで囲い、制札板・標識等を掲
げ、作業関係者以外の立入りを禁止する。
必要機材
重量取扱機械機具( チェーンブロック、檜丸太、コロ道板、テコ、リヤカー、一輪車、ロ
ープ、ワイヤー)、掘削具(スコップ、ツルハシ、ジョレン)、 控木材(唐竹、梢丸太、
切丸太、釘、鉄線、杉皮、カケヤ、金槌、ペンチ)、養生材(しゅろ縄、こも、わら、テー
プ、丸縄)灌水用具(ゴムホース、バケツ、つき棒)、梯子、脚立、鋸、鋏、カラーコーン・
バリケード類、トラロープ、制札版・標識、誘導合図旗等
保護具類 保護帽、安全靴、手袋、その他必要に応じて「東京都公園協会・保護具措置要綱」に定め
られたもの。
安全作業
の
ポイント
① どのような工法で行うか、役割分担はどのようにするか、事前によく打合せて、全員が理
解した上で実施する。
② 熟練者の意見を聞き、統一のある作業を行うと共に、各自がそれぞれの場面で役割を確実
に遂行する。また、相互で声を掛け合って協力して作業する。
〔 標準作業手順 〕
・植栽作業について:
(1) 植穴床掘をする。
(2) 剪定、幹巻、苗木の立込みをする。
(3) 埋戻し、灌水、水きめをする。
(4) 水鉢切りをする。
(5) 仮支柱をする。
(6) 控木取付けをする。
(7) 清掃、片付けをする。
〔 作業-7:補植・移植 〕 2/3
・移植作業について:
(1) 掘取りをする。
(2) 根鉢をとる。
(3) 剪定、幹巻きをする。
(4) 移動、運搬をする。
(5) その後は、植栽と同じ作業手順で行う。
③ 重量が大きいものを人力作業で行う時は、危険性も増加するので、重量物取扱いに精通し
ている者の指揮で、一人の人に負担が集中しないよう、全員の気心と力を合わせて行うこ
と。(一個の重さ 100kg 以上樹木等をトラック等に積み卸しする時は、作業手順を定めて、
作業指揮者を指名し、その者の指揮により作業を行うこと。安衛則 151 条の 70 )
④ 仮八ツ掛け等仮設材を上手に使用して、人の体に負担をかけないようにする。
〔 図-7-① 〕重量物運搬は力を合わせて
⑤ 植付けや移植の際、足場の悪い場合が多いので、足元はできるだけ整地し、資材を片づけ
て作業を行うこと。
⑥ 生き物を扱うので段取りを上手に行い、短時間で植込みが完了するよう心掛けると共に、
作業の中途で終わらないよう注意する。
⑦ 脚立上での作業を伴う場合は、〔 作業‐2:中低木剪定・「脚立の要件」、「脚立上の作業の
注意事項」等 〕の項を参照の上、十分注意して行う。
〔 作業-7:補植・移植 〕 3/3
作業片付
・完了
① 作業後の穴は埋め戻し、転圧し、整地しておく。
② 使用した機材は整備して収納する。泥や汗が付着したままの状態にしておくとすぐに発錆
し、使用不能となる。鉄製品は水洗の上、乾布で水気をとり、機械油で磨いておく。木製
品は水洗し、乾布で拭き取る。
③ 作業について全員で内容を検討し評価する。
8 草 刈 り
8
草
刈
り
〔 作業-8:草刈り 〕 1/4
作業項目 草刈り、芝刈り、除草 作業名 8.草刈り
作業内容
① 植込地、園地の管理上必要な草刈りを行うもので、機械刈りが主体となる。
② 広場、草地、植込地等それぞれの利用目的に応じて標準草丈を設定し、刈込み回数を決定する。
③ 地表面に不陸があったり、草丈が 20 ㎝程度以上の時は、ハンマーナイフモアを使用する。
④ 地表面が平坦で、草丈が 20 ㎝程度以下、隔離距離が 30m 以上確保できる時は、ロータリーモ
アを使用する。
⑤ 樹木周辺や機械刈りの補助刈りとして、肩掛式草刈機を使用する。使用する刃は原則としてナイ
ロンコード等は使用せず、鋼製草刈刃を使用する。鋼製草刈刃には、8 枚刃、十字刃、チップソー、
ノコギリ刃等がある。草の長さや草の種類等の状況を見ながら適切に使用すること。
作業準備
① 現地を観察し、作業区域、区域の地形状況、作業工程、必要機材及び草の繁茂状況を確認する。
② 機械類は、取り扱い説明書により、事前に点検し、整備しておく。(注油、ネジ締め、エンジン
調整、刈り刃等)
③ 機械類の取扱は、取扱教育を受けて指名された者が行うこととし、「取扱説明書」により、機械の
起動、運転、停止等一連の取扱について熟知しておき、操作手順を間違わないよう慎重に行う。
④ 肩掛式草刈機の使用は、「特別教育に準じた教育を終了した者」が行う。
【通達:H12.2.16 基発第 66 号「刈払機取扱者に対する安全衛生教育について」を参照】
⑤ 作業区域内に、鉄線、石やガラス、枯れ枝、空き缶など作業に危険なものが落ちていないか、
事前に調べて除去しておく。
〔 図-8-① 〕事前に支障物の除去作業を
⑥ 肩掛式草刈機を使用する時は、作業区域の地形に対応して、作業箇所から 10m 程度(草刈機
回転刃により支障物が飛ばされる可能性のある範囲)は、お客様の立ち入り禁止区域とし、
事前にカラーコーン、バリケード等やトラロープで囲い、制札板、標識等を設けておく。
刈り進む方向は人のいる場所や通る場所を背にして進めることとする。また、園路際や道路際を
刈る時は石飛防止ネット等を設置して作業すること。
〔 作業-8:草刈り 〕 2/4
〔 図-8-② 〕立入禁止区域の設置・草刈機の安全教育
〔 図-8-③ 〕石飛防止ネット設置例
〔 作業-8:草刈り 〕 3/4
必要機材
ハンマーナイフモア(草丈 20cm 程度以上対象)、ロータリーモア(草丈 20cm 程度以下対
象)、肩掛式草刈械、燃料油脂等、手刈鎌、カラーコーン・バリケード類、トラロープ、制
札・標識、誘導合図旗等、支障物回収器・袋等
保護具類 保護帽、保護眼鏡、安全靴、防振手袋、手袋、脛当て、エプロン、その他必要に応じて「東
京都公園協会・保護具措置要綱」に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 作業開始前に、利用者の立入防止柵の設置範囲、刈り進む方向(上記準備欄)を確認する。
② 草刈機等を使用する作業では、互いの接近による危険を防止するために、各員の役割分担
と作業区域を事前によく打合せて、全員が理解した上で実施する。
③ ハンマーナイフモア、ロータリーモア使用時等では、エンジン始動の時や機械を回転させ
る時等に、足をシャシーの中に差し入れたりしないこと。
④ 同上機械等の運転時は、前進、後進させる際のギアチェンジを間違えないよう注意する。
特に金網柵や塀、堀、崖等を背にしてバックに入れることのないよう注意する。
⑤ 機械の運転はなるべく一定速度をもって均等に刈り込む。エンジンを高回転させたり、エ
ンジン不調等未整備状態での運転をすると、過度な振動が発生し、疲労や振動障害の原因
となる。
⑥ 作業中に機械を点検等する場合は、エンジンを止め、ブレードの回転が完全に止まったこ
とを確認してから行う。
⑦ 機械を作業場所への搬送及び作業中現場を離れる時は、必ずエシジンを止める。
〔 図-8-④ 〕
〔 作業-8:草刈り 〕 4/4
⑧ 機械は必要以上に振り回さず、刈りむらや、刈り残しのないよう入念に刈る。
⑨ 夏場の作業では、熱中症(日射病等)にならないように十分注意する。
<参考>〔 管理上の注意事項 〕
(1) 草丈が高くなると、機械の回転を上げたり、押す力を大きくしたりする必要が出くる。そのため、刃等の磨耗も激しくなり、作業性が悪くなり、危険性も高くなるので、草丈の低いうちに刈りとる計画を立てておく。
(2) また、機械の整備、刃の研磨等も定期的に行なって作業性をよくしておく。 (3) 機械作業によって、付近の樹木や株物の下枝、支柱等を傷つけないように注意する。 (4) 刈りとった草は必要に応じ集積するが、できるだけ植込地に還元するよう努める。
作業片付
・完了
① 作業終了後の機械等収納にあたり、カバー内の草カスをレーキ、バール等で除去し、水洗
いした上、油を塗布しておく。
② 本体外装部を水洗いし、乾布で水気を取り、オイルを浸した布で乾拭きしておく。
③ エアクリーナー、キャブレター、プラグ等のクリーニングを必要に応じ行う。
④ 長期間作業を行わない場合は、燃料を抜いておく。
⑤ 作業箇所を記録するとともに、作業について全員で内容を検討し評価する。
9 芝生管理9
芝生管理
〔 作業-9:芝生管理 〕 1/3
作業項目 草刈り、芝刈り、除草 作業名 9:芝生管理
作業内容
① 芝刈り作業が主体となるが、環境条件、利用状況を考慮しながら、刈高、刈込み回数を設
定する。
② 必要に応じ、目土、施肥、除草、病虫害防除を行う。また、冬期に芝焼きを行う場合もあ
る。
③ 株物等の周囲は樹木、枝葉の保護上、手刈りを併用する。また、芝が株物の中に入り込ま
ないよう芝切りを行う。
④ 刈った芝は原則として集草、片付けを行う。
作業準備
① 年間の作業計画を策定し、適時に行えるよう機械器具の整備、道具の点検を行う。
② 機械等の取扱は、取扱教育を受けて指名された者が行うこととし、「取扱説明書」により、
機械等の起動、運転、停止、使用時間等一連の取扱いについて熟知しておき、操作手順を
間違えないよう慎重に行う。
③ 肩掛式草刈機の使用は、「特別教育に準じた教育を修了した者」が行う。
〔通達:H12.2.16 基発第 66 号「刈払機取扱者に対する安全衛生教育について」を参照。
④ 作業区域内に、鉄線、石やガラ、枯れ枝、空き缶など作業に危険なものが落ちていないか
事前に調べて除去しておく。〔 作業-8:草刈;図-8-① 〕参照
⑤ 現地を観察し、作業区域、区域内の地形状況、作業工程、必要機材及び草の繁茂状況を確
認する。
⑥ 肩掛式草刈機を使用する時は、作業区域の地形に対応して、作業箇所から 10m程度(草刈
機回転刃により支障物が跳ね飛ばされる可能性のある範囲)は、お客様等の立入り禁止区
域とし、事前にカラーコーン・バリケード等やロープで囲い、制札板・標識等を設けてお
く。〔 同上;図-8-② 〕参照
⑦ できるだけ利用者の少ない時間帯を選んで作業を行うと共に、周囲に十分注意して作業を
進める。 〔 除草剤等散布作業については、「作業-5:除草・防虫剤散布」を参照 〕
必要機材
・芝刈り: ロータリーモア、肩掛式草刈機、機燃料油脂等、刈込鋏、小鋏、除草ホーク、
バケツ、砥石、リヤカー、熊手、箕(み)
・目土入れ: 一輪車、レーキ、鍬、バケツ、コーガイ板、良質土、洗砂、油粕、骨粉、過
性リン肥、化成肥料、
・除 草 : 除草ホーク、小鎌、砥石、バケツ、熊手、箕(み)
・除草剤散布: 動力噴霧機、除草剤
・共 通 : トラロープ、カラーコーン・バリケード類、制札・標識、誘導合図旗等、支
障物回収袋・用具等
〔 作業-9:芝生管理 〕 2/3
保護具類 保護帽、保護眼鏡、安全靴、防振手袋、手袋、脛当て、〔除草剤等散布作業については「作
業-5:病虫害防除」を参照 〕、その他必要に応じて「保護具措置要綱」に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 作業開始前に、利用者に対する立入防止柵の設置範囲(上記準備欄)を確認する。
② 肩掛式草刈機等を使用する作業では、互いの接近による危険を防止するために、各員の役
割分担と作業区域を事前によく打合せて、全員が理解した上で実施する。
③ ロータリーモア使用時等では、エンジン始動の時や機械を回転させる時等に、足をシャシ
ーの中に差し入れたりしないこと。
④ 同上機械等の運転時は、前進、後進させる際のギアチェンジを間違えないよう注意する。
特に金網柵や塀、堀、崖等を背にしてバックに入れることのないよう注意する。
⑤ 機械の運転はなるべく一定速度をもって均等に刈り込む。エンジンを高回転させたり、エ
ンジン不調等未整備状態での運転をすると、過度な振動が発生し、疲労や振動障害の原因
となる。
⑥ 作業中に機械を点検・給油等する場合は、エンジンを止め、ブレードの回転が完全に止ま
ったことを確認してから行う。
⑦ 機械を作業場所への搬送及び作業中現場を離れる時は、必ずエシジンを止める。
〔 図-9-① 〕給油時等はエンジン停止
⑧ 手刈り作業では、刃物に手を触れないようにし、現場で鎌などを置く時には、リヤカーの
中などに置く。
⑨ 肩掛式草刈機械は、必要以上に振り回さず、刈りむらや、刈り残しのないよう入念に刈る。
〔 作業-9:芝生管理 〕 3/3
⑩ 夏場の直射日光下の作業では、熱中症(日射病等)にならないように、日陰での定期的な
休憩と水分(スポーツドリンク等)をとる。
⑪ 除草剤・病虫害防除剤散布作業については、「作業-5:病虫害防除」を参照すること。
作業片付
・完了
① 作業終了後の機械等収納にあたり、カバー内の草カスをバール・レーキ等で除去し、水洗
いのうえ油を塗布しておく。
② 本体外装部を水洗いし、乾布で水気を取り、オイルを浸した布で乾拭きしておく。
③ エアクリーナー、キャブレター、プラグ等のクリーニングを必要に応じ行う。
④ 長期間作業を行わない場合は、燃料を抜いておく。
⑤ 作業箇所を記録するとともに、作業について全員で内容を検討し評価する。
⑥ 除草剤等散布作業については、「作業-5:病虫害防除」を参照すること。
10 除草・除草剤散布
除草・除草剤散布
10
〔 作業-10:除草・除草剤散布 〕 1/2
作業項目 草刈り、芝刈り、除草 作業名 10:除草・除草剤散布
作業内容
① 植込地、株物植栽地、芝生地等の宿根、球根性の雑草や一年、二年生の雑草を除去する。
② 一般的には雑草の根際から、もしくは地下部から小鎌等を使用して除去する。
③ 芝生地では、除草ホークを用いて根より除去する場合も多い。
④ 大面積、もしくは人力除草の困難な箇所の除草を行う場合は、除草剤を散布する。但し除
草剤の使用にあたっては環境問題に十分配慮する。
⑤ 除草作業に当たっては、ごみ、瓦礫、空き缶等も除去しておく。〔 作業-8:図-8-① 〕
参照
作業準備
① あらかじめ現地を下見し、雑草の繁茂状況、工法等を確認する。
② 除草剤を使用する場合は、周辺の環境条件、使用薬剤等について、知識を有する人の意見
を聞くことが望ましい。
③ 機械類は事前に点検し整備しておく。
④ 除草剤散布の場合は、作業範囲を明確にし、カラーコーン・バリケード類やロープで囲い、
作業関係者以外の立入りを禁止する。
⑤ 除草用薬剤の管理や準備については、〔 作業-5:病虫害防除 〕、〔 同:図-5-① 〕を参
照すること。
必要機材 小鎌、除草ホーク、砥石、バケツ、動力噴霧機、薬剤、熊手、箕(み)、廃棄物回収袋
カラーコーン・バリケード類、トラロープ、制札・標識、誘導合図旗等
保護具類 保護帽、防毒マスク、保護衣(合羽)、安全靴、ゴム長靴、手袋、ゴム手袋、その他必要に
応じて「東京都公園協会・保護具措置要綱」に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 作業開始前に、作業区域へのお客様等の立入防止の柵の設置(上記準備欄)の確認をする。
② 小鎌を扱う場合は、むやみに振り回さないようにすると共に、特に研ぐ時、手を切りやす
いので注意する。
③ 人力除草の場合、長時間連続して作業をすると、腰や手首を傷めやすいので、適宜休憩を
取り、腰痛防止体操等を行うようにする。
〔 作業-10:除草・除草剤散布 〕 2/2
〔 図-10-① 〕
④ 夏場の直射日光下での除草作業では、熱中症(日射病等)にならないように、定期的に日
陰に入って休憩を取り、水分(スポーツドリンク等)を補給しながら作業する。
⑤ 動力噴霧機等を使用して除草剤散布する時は、作業者が薬液を吸入しないよう風上に立っ
て作業するよう注意するとともに、お客様や動物等に降りかからぬように、作業区域周辺
の見張り等して注意する。〔 作業-5:病虫害防除 〕、〔 同:図-5-② 〕等参照。
⑥ 除草剤薬液の調合は、必要以上に薬液を作ったり、散布したりしないようにする。
⑦ 使用した薬液は残さないで使いきること。
⑧ 散布後は、草や地面に付着した薬液が乾いて、お客様等に危害の及ばない状態なったこと
を確認してから、立入防止柵を開放する。
⑨ その他、除草剤の散布作業については、〔 作業-5:病虫害防除 〕の項を参照すること。
作業片付
・完了
① 使用した道具、機械器具類は水洗し、整備してから収納する。特に噴霧機はタンク内、ホ
ース、噴口等をよく水を通して洗浄する。
② 除草剤散布後は、所定の場所で、手、顔その他露出部を石鹸でよく洗うこと。
③ 薬剤の入っていた空ビンは、所定の場所で中を水洗し、指定された方法で処理すること。
④ 現場で残った薬剤は、所定の場所で、20 倍以上に薄めてから、指定された方法で処理する
こと。
⑤ 作業箇所を記録するとともに、作業について全員で内容を検討し評価する。
11 工作物補修
工作物補修
11
〔 作業-11:工作物補修 〕 1/2
作業項目 施設、設備管理 作業名 11:工作物補修
作業内容 ① ベンチ、柵、屑籠等の公園内工作物、施設の補修、移動等の作業を対象とする。
作業準備
① 補修の必要な危険施設を発見したら、ロープ、バリケード等を設置し、お客様の使用防止
の措置をとる。
② 作業の種類に応じた適切な工具を用意する。
③ 工具類は常に手入れを行い、不足している場合は補充しておく。
必要機材
金槌、釘、鋸、かんな、バール、ペンチ、針金、ドライバー、ネジ、スケール、ドリル、ボ
ルト・ナット類、工具箱等、脚立、梯子、トラロープ、カラーコーン・バリケード類、制札・
標識、誘導合図旗等
保護具類 保護帽、安全靴、手袋、安全帯、その他必要に応じ「東京都公園協会・保護具措置要綱」
に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 作業開始前に、作業区域へのお客様等の立入防止の柵の設置(上記準備欄)の確認をする。
② 工作物の補修作業を中断する場合等には、作業区域内への立入り防止措置等を十分にして、
お客様等が誤って使用したりしないように対策を講じておく。
〔 図-11-① 〕
③ 補修部材の加工は、できるだけ回収して持ち帰り作業所で行う。
〔 作業-11:工作物補修 〕 2/2
④ 工具の取り扱いについては、作業の目的に適合したものを用いる。
⑤ 直営で対応出来ない場合は、専門業者へ依頼する手続きをとる。
⑥ 重量物を運搬・移動する場合は、腰を傷めたり、足の上に落としたりする危険があるので、
何人かで力を合わせて、各者に平均に力がかかるような体制で取り組み、声をかけあって
作業を行う。
⑦ 切断作業を行う場合は、特に手指を切断しないように十分注意する。
⑧ 掘削作業や土砂敷均し作業にあたっては、腰を傷めないよう注意する。
作業片付
・完了
① 作業が終了したら、工作物の安全な作動や塗装の乾燥状況等を確認した上で、現場及び周
辺を復旧し開放する。
② 工具類は数量を確認した上、手入れを行い、所定の場所へ収納する。
③ 作業箇所を記録するとともに、作業について全員で内容を検討し評価する。
12 遊具補修
遊具補修
12
〔 作業-12:遊具補修 〕 1/2
作業項目 施設、設備管理 作業名 12:遊具補修
作業内容 ① 遊具、アスレチック施設の破損箇所等の補修維持管理の作業を対象とする。
作業準備
① 補修の必要な危険施設を発見したら、ロープ、バリケード等を設置し、使用禁止の措置を
とる。
② 作業の種類に応じた適切な工具を用意する。
③ 工具類は常に手入れを行い、不足している場合は補充しておく。
必要機材
金槌、釘、鋸、かんな、バール、ペンチ、針金、ドライバー、ネジ、スケール、ドリル、ボ
ルト・ナット類、工具箱等、脚立、梯子、トラロープ、カラーコーン・バリケード類、制札・
標識、誘導合図旗等
保護具類 保護帽、安全靴、手袋、安全帯、その他必要に応じ「東京都公園協会・保護具措置要綱」
に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 作業開始前に、作業区域への利用者等の立入防止柵の設置(上記作業準備)の確認をする。
② 補修部材の加工は、できるだけ回収して持ち帰り作業所で行う。
③ 工具の取り扱いについては、作業の目的に適合したものを用いる。
④ 遊具の補修は、細部の加工、取り合わせ等に注意し、突起やささくれのないように仕上げ
し、お客様(特に小さいお子様)等が怪我をしないようにする。
〔 図-12-① 〕遊具の補修
〔 作業-12:遊具補修 〕 2/2
⑤ 遊具類は、特殊な部品を使用している場合が多いので、代替品の使用には十分注意する。
できるだけ正規の部品が届くまで使用禁止とすることが望ましい。
⑥ 直営で対応出来ない場合は、専門業者へ依頼する手続きをとる。
⑦ 重量物を運搬・移動する場合は、腰を傷めたり、足の上に落としたりする危険があるので、
何人かで力を合わせて、各者に平均に力がかかるような体制で取り組み、声をかけあって
作業を行う。
⑧ 遊具類の補修作業を中断する場合等には、作業区域内への立入り防止措置等を十分にして、
お客様(特に小さいお子様)等が誤って使用したりしないように対策を講じておく。
作業片付
・完了
① 作業が終了したら、工作物の安全な作動や塗装の乾燥状況等を確認した上で、現場及び周
辺を復旧し開放する。
② 工具類は数量を確認した上、手入れを行い、所定の場所へ収納する。
③ 作業箇所を記録するとともに、作業について全員で内容を検討し評価する。
13 池水維持管理
池水維持管理
13
〔 作業-13:池水維持管理 〕 1/2
作業項目 施設、設備管理 作業名 13:池水維持管理
作業内容 ① 池の清掃、護岸等の補修の作業、水辺植物の維持管理、補植、植替えの作業、ボートによ
る水草、藻、ごみ等の除去の作業を対象とする。
作業準備
① 現地を下見し、現場の状況を把握しておく。
② ボートを出す場合は、気象条件に留意する。
③ 水中から回収する水草やゴミ等の水切り場所や廃棄処分する場所と方法をあらかじめ定め
ておく。
必要機材 ボート、ゴミ等回収用熊手・レーキ、バケツ、ゴミ等回収用袋、一輪車、リヤカー、手網、
手鉤、手綱、ロープ、トラロープ、バリケード、制札・標識等
保護具類 ロープ付救命浮輪、救命胴衣、保護帽、安全靴(ゴム長靴・胴長靴)、手袋(安全用ゴム手
袋)、その他必要に応じて「東京都公園協会・保護具措置要綱」に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 池周辺でのゴミ除去等の作業では、護岸、岩、周辺斜面等に藻などが付着して、滑りやす
くなっているので十分注意し、足場を確保しながら作業する。
② ボート上での作業では、一方に荷重が掛からないよう、バランスを考えて行動する。また、
ボートを固定していない状態で立ち上がっての作業は、非常に危険なので絶対に行わない。
〔 図-13-① 〕ボート上での作業
③ 特に、ボート上から、水中の物を引っ張り上げたりする時は、水面上へ引き上げてからの
〔 作業-13:池水維持管理 〕 2/2
重さが増し、ボートが転覆する危険性があるので十分注意する。
④ ボートの乗り降りは、桟橋や護岸にボートをロープで固定するか、補助者がしっかりと確
保した上で、片足ずつ確実に乗り移る。 決して飛び移ったりしてはならない。
⑤ ボート上に回収した水草、ゴミ等をボート外に運び出す時は、ボートをロープ等で桟橋や
護岸に固定した上で行う。
⑥ 池等の中から回収した水草やゴミ等は、お客様の妨げとならない定められた場所で、よく
水切りし乾燥させてから廃棄物として所定の処理をする。
作業片付
・完了
① 水草やゴミの搬出作業の時、水切りした場所の清掃確認した上で、現場及び周辺を復旧し
開放する。
② 使用した道具類は、泥や汚れをよく落とし、所定の場所に収納する。
③ 作業に使用したボートは、お子様等の遊びに使われたりしないよう保管管理する。
④ 作業箇所を記録するとともに、作業について全員で内容を検討し評価する。
14 排水設備・維持管理
排水設備・維持管理
14
〔 作業-14:排水設備・維持管理 〕 1/2
作業項目 施設、設備管理 作業名 14:排水設備・維持管理
作業内容 ① 排水溝、排水桝の機能維持のため、清掃、落葉取りなどを行う作業を対象とする。
作業準備
① 現地を事前に調査し、堆積状況等を把握し、作業方法を検討する。
② 作業の時間帯等を考慮した上で、必要に応じて排水設備の利用中止の対策をしておく。
③ 作業の種類と施設の構造寸法に応じた適切な機材器具を準備する。
④ 回収したゴミや泥土の水切りと処分の場所と方法をあらかじめ定めておく。
必要機材 スコップ(丸角大小)、ジョレン、ホー、レーキ、つるはし、バール、バケツ、一輪車、リ
ヤカー、ゴミ泥土等回収用袋、トラロープ、カラーコーン・バリケード類、制札・標識等
保護具類 保護帽、安全靴(ゴム長靴)、手袋(安全用ゴム手袋)、その他必要に応じて「東京都公園
協会 保護具措置要綱・別表」に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 排水桝、排水溝の蓋を取り除く際は、手指や足をはさんだり、腰に負担が掛からないよう
慎重に取り扱う。
② 取り除いた蓋や溝は、利用者に危険のないよう措置しておく。 お客様等の通行経路とな
っている箇所は、確実な通行止めと立入防止の措置を取ると共に迂回路の表示をする。
〔 図-14-① 〕蓋の開放時は転落防止措置を確実に
③ 排水溝の清掃にあたっては、腰を低くしてスコップ等を扱わなければならないため、腰に
〔 作業-14:排水設備・維持管理 〕 2/2
対する負担が大きいので、定期的に休憩をとり、腰痛予防体操等を行う。
④ 砂、泥等重いものを持ち上げる場合は、1人で無理をしないで共同して行う。
⑤ 排水施設から回収したゴミや泥土等は、お客様等の妨げとならない定められた場所で、よ
く水切りし乾燥させてから廃棄物として所定の処理をする。
⑥ 取り除いた排水溝の蓋等は、確実に元のように設置し、安定性を確認する。
作業片付
・完了
① ゴミや泥土の搬出作業の時、水切りした場所の清掃を確認した上で、現場及び周辺を復旧
し開放する。
② 使用した道具類は、泥や汚れをよく落とし、所定の場所に収納する。
③ 作業箇所を記録するとともに、作業について全員で内容を検討し評価する。
15 電気機械設備・維持管理
電気機械設備
・維持管理
15
〔 作業-15:電気機械設備・維持管理 〕 1/2
作業項目 施設、設備管理 作業名 15:電気機械設備・維持管理
作業内容 ① 日常管理の際、分電盤、配電盤の点検、及び屋内照明器具類の点検、電球交換等を行う作
業を対象とする。(高圧設備管理は専門職員が行う。)
作業準備
① 現地を事前に調査し、故障状況等を把握し、対応方法を検討する。
② 電気設備の故障等については、取扱い説明書等を参照の上、故障の原因が何なのか、判る
範囲で突き止める。(ブレーカ、ヒューズ、電球・蛍光管、加熱箇所等)
③ 補修作業の時間帯等を考慮した上で、必要に応じて設備の一時的利用中止等の対策をして
お客様に分かりやすく知らせておく。
④ 作業の種類と施設の構造寸法に応じた適切な機材器具、及び必要部品を準備する。
⑤ 回収した電球、蛍光灯管等の廃棄処分の場所と方法をあらかじめ定めておく。
必要機材
補充・交換用機材部品(電球・蛍光灯管・ヒューズ等)、蛍光管・部品等回収容器、脚立、
梯子、機械整備・電工用工具一式、懐中電灯、カラーコーン・バリケード類、制札・標識等、
誘導合図旗等
保護具類 保護帽(絶縁用)、安全靴、手袋(低圧絶縁用手袋)、その他必要に応じて「東京都公園協会・
保護具措置要綱」に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 電気、機械設備の取扱いにあたっては、特に慎重に行うこととし、むやみに機器充電部に
手を触れないこと。
② 配電盤等電気設備、機器具充電部等に触れる時は、低圧絶縁用手袋を着用して行う。
③ 電気・機械設備の故障等の点検に当たっては、先ず、電源を確実に切ってから点検等作業
を行うこと。その際、電源を切っても他の関係施設の維持管理に支障がないかどうかを確
認してから電源を切ること。
④ 電気・機械の点検作業の必要な時は、お客様の関係施設の利用中止の措置をとり、その旨
を説明して理解を求めること。 無理をしながら利用中に点検することは、お客様へ危害を
及ぼす結果となる可能性がある。
⑤ スイッチの「入・切」は、他の作業者が機器類に触れていないことを確認の上行う。特に、
共同作業者がいる時に、「スイッチを入れる」時は、スイッチを入れる者が「電源スイッチ
を入れるぞ、ヨイカッ!?」と声を掛け、共同作業者の「電源スイッチ入れて ヨッシ!」
という返事を聞いてから「スイッチを入れる」こと。
⑥ 直営で対応出来ない電気・機械設備の点検整備の必要が生じた場合は、各専門業者へ依頼
する手続きをとる。
⑦ 屋外照明等の点検整備等の高所作業は、電気工事専門業者に任せる。
〔 作業-15:電気機械設備・維持管理 〕 2/2
⑧ 天井照明器具の交換等を行う場合は、二人で行い、脚立を正しく立てると共に、機器具を
落としたりしないように機器具の受渡しを確実に行うこと。
〔 図-15-① 〕蛍光灯管の取替等は2人で行う
⑨ 設備から回収した蛍光灯管、部品等は、回収容器に収納して持ち帰り廃棄物として所定の
処理をする。
⑩ 点検整備した電気機械設備等が正常に作動していることを確認する。
作業片付
・完了
① 撤去部品等の回収と作業箇所の清掃を確認した後、お客様への開放を行う。
② 使用した道具類は、整備して、所定の場所に収納する。
③ 作業箇所を記録するとともに、作業について全員で内容を検討し評価する。
16 野球場・運動広場
野球場・運動広場
16
〔 作業-16:野球場・運動広場 〕 1/3
作業項目 施設、設備管理 作業名 16:野球場・運動広場
作業内容 ① 野球場、広場の機能維持のためのグラウンド内の芝刈り、草刈り、整地、不陸直し、施設
補修の作業を対象とする。
作業準備
① 現地を下見し、作業に必要な作業区域、作業工程、必要機材、芝等の必要状況を確認する。
② 機械、道具類は事前に点検し、整備しておく。
③ 機械器具等については、起動、運転、停止等一連の取扱いについて、取扱説明書により確
認し、順序を間違えないよう慎重に行う。
④ あらかじめ作業区域の施設利用中止の分かりやすい知らせとお客様の立入防止の措置をし
ておく。
〈参考〉 〔 管理上の注意事項 〕
(1).芝刈りは草丈の余り高くならないうちに定期的に行う。
(2).グラウンド内の凸凹は直しておく。特に一塁、ホームベース周辺は使用が激しいので不陸直
し後はローラーを掛ける。
(3).野球場のベース板は、常に点検しておく。破損したものは新しいものに取り替える。
(4).ベース等のポイントがとれていないか常に点検し、古いものは取り替えておく。
(5).白線を引く時は、必ず水糸を張って行う。
必要機材
ハンマーナイフモア、ロータリーモア、肩掛式草刈機、燃料油脂、手刈鎌、グランドボーイ、
ローラ、スコップ、レーキ、ホー、カラーコーン・バリケード類、トラロープ、制札板標識
等、支障物回収器・袋等
保護具類 保護帽、保護眼鏡、安全靴、脛当て、手袋(防振用)、手袋、その他必要に応じて「東京都
公園協会・保護具措置要綱」に定められたもの。
安全作業
の
ポイント
① 作業開始前に、お客様に対する立入防止柵の設置範囲(上記準備等)を確認する。
② 草刈作業については、作業区域の石やガラ、空き缶など危険な支障物は除去しておく。〔 作
業-8:図8-①〕参照
③ 肩掛式草刈機による草刈作業では、作業区域の地形により作業箇所から 10m程度は立入り
禁止区域とし、カラーコーン・バリケード類やロープで囲い、制札板・標識等を設ける。〔 作
業-8:図8-② 〕参照
④ 野球場等でのグランドボーイ等による作業では、付近運動施設から急に作業場内に飛び込
んで来るお客様(特にお子様等)がいる可能性があるので、常時周囲の確認をしながら作
業する。
〔 作業-16:野球場・運動広場 〕 2/3
〔 図-16-① 〕野球場等では急な飛び入り者に注意する
⑤ ハンマーナイフモア、ロータリーモア等の草刈機を使用する作業では、エンジン始動の時
や機械を回転させる時、足をシャシーの中に差し入れたりしないこと。
⑥ グランドボーイ、ローラー等での作業の際は、掘削刃やローラーに巻き込まれないよう注
意する。
⑦ 機械の運転はなるべく一定速度をもって均等に刈込む。エンジンを高回転させたり、エン
ジン不調等未整備状態での運転をしたりすると過度な振動が発生し、疲労や振動障害の原
因となる。
⑧ 作業中に機械を点検整備する場合は、エンジンを止め、ブレードの回転が完全に止まった
ことを確認してから行う。〔 作業-8:図8-④ 〕、〔 作業-9:図9-① 〕等参照
⑨ 作業場所への機械の搬送及び作業中現場を離れる時は、必ずエンジンを止める。
⑩ 草刈機、ローラー、道具類等の管理作業専用機材器具を現場に置く場合は、お客様(特に
お子様等)の手に触れないように措置しておく。
⑪ 夏場の作業では、熱中症(日射病等)にならないよう十分注意する。
〔 作業-16:野球場・運動広場 〕 3/3
〔 図-16-② 〕作業用機器具はお客様の手に触れないように管理
作業片付
・完了
① 草刈機等機械類の収納にあたり、カバー内等の草カスを除去し、水洗いのうえ油を塗布し
ておく。
② 本体外装部を水洗いし、乾布で水気を取り、オイルを浸した布で乾拭きしておく。
③ エアークリーナー、キャブレター、プラグ等のクリーニングを必要に応じ行う。
④ 草刈機等を長期間使用しない場合は、燃料を抜いておく。
⑤ 使用した道具類は、整備して、所定の場所に収納する。
⑥ 作業箇所を記録するとともに、作業について全員で内容を検討し評価する。
17 現場への移動
現場への移動
17
〔 作業-17:現場への移動 〕 1/3
作業項目 現場への移動 作業名 17:現場への移動(車両を利用した)
作業内容
① 車両による現場への移動作業は、サービスセンターから作業現場、作業現場から作業現場、
作業現場からゴミのストックヤード等の間をパワーカート、軽トラック等で移動する作業
を対象とする。
② 移動に当たっては2~3名でチームを組み、各々の役割を分担しながら行う。
作業準備
① あらかじめ運搬車両の点検者を定めておき、日々の点検整備を行い不良箇所は修繕を行
い、良好な状態に保つ。 点検は、別途の点検表を定めてチェックする。
② 一般公道上の移動運搬については、道路交通法の定めに準じた車両と運転者を配置につけ
る準備をする。
③ 園内における移動運搬については、運搬車両の種類に応じた所定の有資格者を運転者に指
名して運転作業を行う準備をする。
④ 作業開始前に、当日のイベント等の開催や、お客様来園の状況を把握した上で、移動作業
の要否、移動コースの選択等を検討決定して、全員が理解しておく。
必要機材
軽トラック、パワーカート、積載物の飛散防止・車両からのはみ出し防止用の固縛ロープ・
カバーシート、車両逸走防止用歯止め具、カラーコーン・バリケード類、誘導合図旗・笛
等。
保護具類 保護帽、安全靴、手袋、その他必要に応じて「東京都公園協会・保護具措置要綱」に定め
られたもの。
安全作業
の
ポイント
〔 移動時の安全確保 〕
① 移動する場合は運転者、積載貨物の見張り、お客様の誘導員など、役割分担を明確にし、
全員が役割を理解した上で実施する。
② 原則として、通常の安全な通行ルートを決めておき、ルートに従って移動する。
③ 園内移動は、園内制限速度 10km/hr 以下を遵守し、絶えず来園のお客様の動向に注意し、
お客様の安全を最優先し、移動する。
④ イベント開催時等の来園のお客様が多いような状況では、原則、移動作業をしないことと
し、どうしても移動せざるを得ない場合は、最徐行 5km/hr 以下で、誘導員を付けるなど
の配慮をして移動する。
⑤ 園内移動では、お客様が後ろからの運搬車両の接近に気づいていないと思われる状況では、
追い抜き運転はしないこと。 後ろからの車両接近に気づいていないお客様(特にお子様等)
が、急に運搬車両の前に飛び出してきて車両や積荷に激突する可能性がある。
⑥ 園内移動で、お客様が車両の接近に気がつかない場合は、降車して理解を求める。決して
クラクションは鳴らさない。
〔 作業-17:現場への移動 〕 2/3
⑦ お客様が車両の接近に気づき、立ち止まる・道を譲っていただいた場合、助手席の人は会
釈して応える。運転手一人の場合は、口頭で挨拶する。
⑧ 運転時はブレーキ等の踏みはずしを避けるため作業靴の底が滑り易いものは使用しない。
⑨ 荷台に乗って剪定などの作業は行わない。
〔 資材等の積載方法と運搬 〕
① 重量が少なくてもかさ張る積載物等は、無理なはみ出し積載は避け、複数回に分けて運搬
する。
② 積載物が車両横サイドからのはみ出した状態での運搬は厳禁とする。
③ 車両後部からはみ出すような場合は、ロープでしっかりと固定し、積載物最後部先端に赤
旗等を設置して目立ちやすくした上で、最徐行 5km/hr 以下でかつ誘導員を付けるなどの配
慮をして運搬する。
④ 枝が横に広がらないように、つい立板等を設置するなど工夫する。
⑤ 長物については、作業エリア内で運搬に支障がないように切断して搬出する。
⑥ あおりを外したり倒す際は、落下しないか充分に注意して慎重に作業すること。
⑦ 駐車の際には、ギアをニュートラルに戻しておくこと。
〔 図-17-① 〕 園内の移動運搬
〔 作業-17:現場への移動 〕 3/3
〔 駐車時と発進時の安全確保 〕
① 現場で車両を駐車する場合は、お客様、特にお子様たちが不用意に近づくことを防止する
ため、バリケード・カラーコーン・コーンバー等で接近防止措置をするとともに、エンジ
ンキーを抜いて運転者が保持して置く。「エンジンキー抜き、ヨッシ!」
② 特に、軽トラックを駐車する場合は、上記①に加え、ドアー・窓を閉めてロックしておく
こと。 「 ドアーロック、ヨッシ!」
③ 各車両には、常時、「歯止め具」を積載しておき、駐車時には、駐車ブレーキを掛けた上、
逸走防止のために、必ず歯止め具を設置しておくこと。「歯止め設置、ヨッシ!」
④ 駐車していた車両を発進させる時は、「歯止め具」を外して車両に積み込み、「後ろ、ヨッ
シ!」、「前、ヨッシ!」と「前後の確認」してから乗り込み、後進、前進させる習慣をつ
ける。
⑤ 特に、バックで発進する時の運転では、原則、誘導員の誘導によること。
〔 パワーカートでの移動 〕
① 特に車両の横サイドへの積載貨物のはみ出しのないように注意する。
② 積載貨物がずり落ちないようにロープで固定して移動する。
③ 積載貨物の落下防止ための荷台への添乗については、お客様の動向に対応して、細心の注
意を払って行なうこと。
〔 軽トラックでの移動 〕
① 一般公道上の移動では、道路交通法を遵守する。
② 園内の移動では、軽トラックの通常の安全移動運転ルートを定めておく。
③ 園内では、軽トラックも積載物の有無に係わらず、制限速度 10km/hr 以下、最徐行速度
5km/hr 以下を遵守する。
④ 特に軽トラックでは、バック運転の時には、小さいお子様等が見え難いので、誘導に従う
ようにする。
作業片付
・完了
① 車両の点検を行う。
② 車両の清掃。
③ 燃料の残数量の確認。
④ 一定保管場所へ車両を保管する。
⑤ 鍵の引抜きと、一定保管場所へ保管する。
18 ハチ類の駆除
ハチ類の駆除
18
〔 作業-18:ハチ類の駆除 〕 1/2
作業項目 18:ハチ類の駆除
主な ハチ類
資材 ポイズンリムーバー、エピペン、ハチノック、携帯電話等
保護具類 フード付き防護服あるいは防護服と専用ヘルメット、手袋、安全靴
安全作業 の
ポイント
① 駆除の際は、必ず防護服、手袋、安全靴を着用し、刺されにくくする。 ② 作業は、比較的気温が低い時間帯を選び、2 人以上で行う。 ③ 来園者に被害が及ばないよう、事前の周知を徹底し、作業区域を広めに設定し
て立入制限を確実に行う。
ハチ の 知識
1.ハチが現れる時期
5月の連休ごろから 11 月ごろまで活動し、ハチに刺される事故は 8~9月に最も
多い。 2.巣を作りやすい場所
種類により違いがあるが、樹木の枝や軒下などで見かけることが多い。体が小さ
いクロスズメバチは、地中や空き缶などにも巣を作る。 3.エサ
アシナガバチ・スズメバチ類は、蛾や蝶の幼虫(アオムシやケムシ)をエサにす
ることが多く、また、花の蜜や甘い果実、ジュースなども摂取する。 4.ハチに刺されない対策
(1)服の色
黒い色に対して攻撃性がある。白・黄・銀色は比較的安全とされる。 (2)化粧品の匂い
甘い香りはスズメバチ類を刺激することがあり、作業時は使用を避ける。 (3)危険区域
巣から 10mくらいの範囲に人が入ると威嚇されやすい。キイロスズメバチやオ
オスズメバチは、人が近づくとあごを噛み合わせてカチ、カチという音を出す。
(4)人の左右の動きに反応
人の動きについて、前後より左右の動きに敏感に反応するといわれ、また、急
な動きにも反応して攻撃しやすい。
アシナガバチ オオスズメバチ キイロスズメバチ
〔 作業-18:ハチ類の駆除 〕 2/2
ハチに刺されたときの対処法
1.応急処置
(1)ポイズンリムーバーを傷口に当て、毒液を吸い出す。 (2)清潔な水で15分程度洗う。(ポイズンリムーバーがない場合もまず洗う。)
(3)抗ヒスタミン剤ステロイド軟膏を塗る。 (4)頭を低くして仰向けになる。吐き気がある場合は、横向きになる。 2.めまいや嘔吐、呼吸困難などのアナフィラキーショック症状がある場合
(1)医者にいけない場合は、エピペンを注射する。 (2)できるだけ早く、医師の診察を受ける。 ハチは害虫ではない!
ハチも豊かな自然を構成する生物です。 ハチの生態を知り、適切な接し方をすれば人と共存できます。 管理に当たっては、過剰な対策にならないよう留意してください。
公園維持管理のための安全管理マニュアル
平成 27 年 3月改訂
編集・発行 公益財団法人 東京都公園協会
東京都新宿区歌舞伎町 2-44-1
電話 03(3232)3011
印 刷 株式会社まこと印刷
東京都港区虎ノ門 5-9-2
電話 03(5405)2050
Recommended