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この3月にオープンした東京ミッドタウン日比谷。入口に長蛇の列が出来るほどの大盛況です。この街を手掛けたのが三井不動産株式会社(以下 三井不動産)。これまで同社は,霞が関ビルディングや東京ディズニーランド,三井ショッピングパーク「ららぽーと」など,その時代時代にマッチした新しい文化を提案,新市場を開拓,進化を続けてきました。春風も彩る2018年4月25日,私たち学生分科会

のメンバー4人はそんな同社で活躍中の先輩方を訪ねました。東京メトロ三越前駅を降りてすぐ,人気ドラマの撮影地として話題となった国の重要文化財,三井本館前で,人事部の中谷美奈子さんと2人のOB篠原爽さん(H25経シ28修経),水口正教さん(H27土・環境29修土)の出迎えを受けました。

日本橋再生計画プロジェクトを見学

同社が進める「日本橋再生計画」プロジェクト,日本橋界隈の街並みを先輩方に案内していただきました。そのコンセプトは,「残しながら,蘇らせながら,創っていく」。ここ日本橋は江戸の昔から続く町人の街,五街道の起点,商業の中心・文化の中心として発展してきた歴史があります。歴史ある三井本館を望み,その隣には日本橋三井タワーを建設し,保存と開発の両立を実現しています。低層部の高さを31

メートル(昭和38年までの建物の高さ制限値に由来)に揃えることは街の景観づくりに寄与しています。かの徳川家康も参詣したという千年以上の歴史を有する福徳神社を囲む森がコレド室町に隣接しています。こうして歴史や文化を残しながらそれに学び,街を再生していきます。ミクストユース化によって職・住・遊の近接を実現することで,ビジネス街にありがちな平日の賑わいだけではなく,休日の賑わいも創出し,更に春の桜フェスティバルや福徳神社を中心にした昔ながら

の夏祭りなどのイベント行事で,同社はこの街に新たな価値と魅力を生み出しています。

先輩方との座談会・ 先輩方が入社された動機は水口さん:自分の考えを形にしたいという思いから東工大6類を志望し,アーキテクチャルな仕事を希望していました。就職を考えた時,街づくりや人の流れを創るデベロッパーである三井不動産での仕事が自分のやりたいことだと感じました。篠原さん:東工大時代(その間,清華大学に留学),人間工学を専攻していました。これは自らの研究を

後列左から 篠原さん,水口さん,中谷さん前列左から 大関B2, 伊藤B2, 南B4, 浴B2

左から 篠原さん,水口さん 座談会で

新たな価値・市場を創造し進化し続ける三井不動産株式会社

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学術的な範囲に留めることなく,その成果を実生活で具現化し,人々に役立てることに重点を置いた専門分野でした。革新的で魅力的な街づくりを通じて暮らしを快適で豊かなものにしているデベロッパー三井不動産に私の好奇心が刺激され,とても面白い会社だと感じました。・具体的にはどのようなお仕事をされていますか水口さん:世の中ではICTが加速度的に進化しています。私は社内のITシステムとデベロッパー業務をつなぐ仕事をしています。またITとアウトレットやショッピングモールを連携させた合理化計画の推進,さらに業務のAI化やロボット化など新しい取り組みにもチャレンジしています。篠原さん:三井不動産レジデンシャル㈱という会社に出向し,分譲マンションの商品企画を担当していました。不動産の商品企画ではその土地固有の特長を最大限引き出すことが大切です。住宅事業ではとくに,その場所に住みたいと思うお客様のイメージを想定し,より具体的なコンセプトまで落とし込んで,それを企画に反映しています。・ 少子高齢化社会や人手不足に対してどのように対応されていますか水口さん:AIやIoTなど新しいテクノロジーは時代の変化に対応するための必須ツールです。例えばビルや商業施設では掃除ロボットが利用され,物流施設でも人力に代わってロボットがコンテナーの出し入れを行うシステムの導入が進んでいます。こんな時代にこそ,不動産業と最新テクノロジーをかけ合わせる

ことが非常に重要になってきます。篠原さん:住宅分野では,シニアレジデンス事業部を新設する等,急速な社会・環境の変化や多様化するお客様の「くらし」に関するニーズの変化を的確に捉え,新しいビジネスモデルの構築を進めています。また,少子高齢化対策や人手不足対策だけではなく,「職住近接のライフスタイル」や「単身・DINKS世帯の増加」なども,住宅市場の直近のトレンドとして重要なポイントになっています。

水口さん:皆さんが東工大で勉強し,研究してきたことが理系の業務のみで活きるわけではありません。会社では事務系の仕事にも関わる場面がでてきます。そこでも勉強の成果を発揮できる時が必ずやってきます。今を大切にしてください。篠原さん:社会人になると,これまでの自分のバックグラウンドと異なる様々な人 と々関わって,仕事を進めていくことになります。学内や研究室に閉じ籠らず,学生のうちに様々な機会を利用してより多くの人と交流してください。私の場合,競技スキー部での部活や清華大学への留学など,多様な価値観を持つ人々との交流は今でも貴重な財産になっています。

訪問を終えて歴史書や小説,浮世絵,映画にも出てくる「お江戸日本橋」は知っていました。しかし現実のそこは歴史的レジェンドではなく,過去から未来へと今なお,脈 と々進化し続ける街 日本橋界隈でした。その進化をささえる三井不動産の基本姿勢である「経年優化」「多機能,多彩なコンテンツの融合」「コミュニティの創造」を念頭に,街づくりに活躍している先輩の皆さんの働きを実感することができました。 文:南 和樹(理学部 地球惑星科学科B4) 伊藤将寛(工学院 システム制御系B2)

コレド室町界隈

現役東工大生へのメッセージ

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