地図教材コンテストに応募されたマニアックな地図たち(と、少しキャズムについて)...

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初めに・・・

ある日、Twitterでこんな投稿が流れてきた

楽しみにしています。河童博士様

では・・・次ページから本題始まります

FOSS4G Advent Calender 2014

2回目を迎えた地図教材コンテストのマニアックな地図たち

伊能社中 西林 直哉

今年で2回目の開催となりました

伊能社中プレゼンツ

おかげさまで大盛況!!

大学生から、技術者、研究者や行政関係者、

もちろん教員など、多方面の分野の方から応募いただきました。

中には高校生も参加してくれました。

そんな中、

栄えある最優秀作品は・・・

なんて・・・

改めてここで発表したところで

誰が楽しんでくれるだろうか。

せっかくの

FOSS4G Advent Calender

なんだから

マニアックな内容にしたい

とうわけで、今日は惜しくも入賞を逃した作品もふくめて、

「こんなマニアックな地図教材」

が応募された。

とかっていうのを紹介します。

では、さっそく1つ目

「Japan City Plans」

ホームページシステム株式会社

大塚恒平 様

テキサス大学図書館のパブリックドメインデータにあった戦後直後の日本都市図の地図をオーバーレイした教材。

シンプルだが、平面の地図を立体に見せるだけでも、かなり印象が違います

こんな調子で次々と

「2014-03-17 「ナスカの地上絵」に挑戦!@屏水中学校(1年2組)」

久留米大学 非常勤講師増崎武次 様

GPSを生徒にもたせて、学校の校庭でナスカの地上絵に挑戦したもの。

この教材自体が授業で使われるかどうかは別として、教材作成の過程を考えると、GPSを触ったりGPSの仕組みを考えたりと、生徒にとってはとても地理に親しむ機会だと思います。

ただ、これは何を描いたものなのでしょうか・・・。

「墓場から学ぶ兵器」

NPO法人アンダンテ21 大賀俊彦 様

旧型の航空機が放置されているデービスモンサン空軍基地。別名「航空機の墓場」配置されている戦闘機に合わせて写真とwikipediaへのリンクが貼られているのだが、作者は大の戦闘機マニアで、Google Earthの衛星画像から、なんの戦闘機かを判読して作ったらし

い。本人曰く「コックピット、主翼、尾翼、エンジン。これさえあれば選別は可能」とかなんとか。

「奈良県の鉄道網」

大分大学 石田 光祐 様

奈良県内の鉄道線と、各路線の車両についての教材。

面白いのは、この教材を作ったのは奈良県民ではなく、大分大学の学生ということ。

おしいのは、駅の地点もあったらいいかも。

あと、タムスライダを設けて、時刻に合わせて電車のアイコンがダイヤ通りに移動するようにすれば面白いかも。

ここからは、入賞作品から特に審査で話題になった

2作品を紹介

グッドアイデア賞

「漬物マップ(世界版)」

奈良大学 海本卓矢 様

とあるファストフード店で「ピクルス抜きで」というのを聞いて、漬物好きの作者はショックを受け、少しでも漬物の良さを知ってもらうために教材化。世界各国の漬け方と代表的な漬物を紹介。日本版も合わせてご覧いただきたい。最終審査では、「こんな漬物マニアがいるとは・・・。」と審査員の笑いと評判を誘った。

作者は、食べるのも好きだが、いずれは世界各国の漬物を自分で漬けたいと述べた。

上記のような漬物も最終的には作りたいと意気込んでいたが・・・。

最優秀賞

「東南アジア植民地分布」

広島新庄高等学校 神尾啠範 様

東南アジアの植民地支配国を示した教材。タイが英と仏の緩衝地域になっていたことから、米の供給地になっていった歴史を考えることができる。

なんの変哲も無い教材だが、これが最優秀賞に選ばれたにはわけがある

島嶼部を拡大すると・・・

!?!?!?!?!?

お分かりだろうか。

それぞれの島嶼が繋がって一つのポリゴンになっているのである。もちろん実際に橋がかかっているわけではない。

これは一体なんなのか

GISが使える方なら、こんな細々したしたポリゴンもQGISやなんかでパパッとkmlにエクスポートで完成。

しかし、この教材の作者は高校の教師で、GISはあまり使えない。ポリゴンを作るにも、Google Earth上で”カチッカチッ”と、ひたすらクリックをし続けて書いていったのである。そう。これ全部を・・・。

考えただけでも大変な労力である

その際、島嶼部においては、いちいちポリゴンを閉じて、小さいポリゴンをたくさん作るより、見えないほど小さな面でつなげていっぺんに書いた方が楽だったのである。

その結果、この教材のようなものになったのである。正確そうに見える国境部もご覧の通り。

GISユーザーなら、「こんなもの正確な地図でない!!」などと騒ぎ立てるかもしれない。

しかし、それはこの作者の努力にたたえて大目に見て欲しい。

むしろ「GISのキャズム」とはここにあるのではないか。

我々GISユーザーが当たり前にできていることは世間では当たり前ではないのだ。

我々は正確な地図を作ろうとあれやこれや試行錯誤してどんどん深入りしていく。

しかし、一般の目からすると、そこまで正確じゃなくていい(少なくとも世界情勢を知る際の、細かい当初部のポリゴンにおいては)。

大事なのは使いやすさ、分かりやすさではないのでろうか。

「GISが使えない人が、頑張ってGISデータを作った。」

これは、まさしくキャズムを越えようとする大事な一歩ではないのだろうか

その意味も込めてこの教材には最優秀賞の価値があるのだと思う。

っと、話が脱線しかけてしまいましたので軌道修正

今回、応募していただいた教材は「OpenTextMap」にて随時公開していきます。気になった教材があれば、手にとって(?)みてください。http://opentextmap.org/library/

来年は皆様もマニアックな実用性のある電子教材をふるってご応募ください

最後になりましたが、FOSS4GなのにGoogle Earthを持ち込んでゴメンなさい。(Google Earthに代わるGlobe FOSS4Gの開発きぼぅ・・・)

以上

FOSS4G Advent Calender12月4日

「地図教材コンテストを通して超えたキャズム」

でした。

・・・・あれ?タイトル変わってる・・・ww

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