Plone for ou

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大阪大学におけるPloneの活用事例

大阪大学クリエイティブユニット

竹村治雄 伊藤雄一@yuichi_itoh

自己紹介• 専門分野

– ユーザインタフェース

– ヒューマンコンピュータインタラクション

• 研究内容– 実物体を利用したコンピュータとのインタラクション

– ウェブを用いた写真の魅力度推定

– Twitterを用いた鬱レベル推定

– 対人社会心理学の知見に基づいたコミュニケーション支援

ユーザビリティが高く直感的に利用できるデバイスなどを研究

• クリエイティブユニットでの仕事– トータルディレクター

• アートディレクション,企画/運営管理…

– システムエンジニア

– システムアドミニストレータ2

大学広報の変化

• 独立行政法人化後,大学の広報が変化しつつある

– 広く一般へ向けた大学活動の告知(アウトリーチ)

– 少子化の時代における優秀な学生の確保

• 中高生へのアピール

– 即時性のある情報発信

– グローバルな情報発信

本部事務機構

クリエイティブユニットの位置づけ

総長

広報担当理事

ユニット長兼務

広報課

事務組織から独立した組織とすることで動きを軽くし,影響力も確保

クリエイティブユニット

同じ事務室を共有し,情報を共有

クリエイティブユニットの構成

• ユニット長

• 副ユニット長

• トータルディレクター

• アートディレクター

• デザイナー

• 映像ディレクター

• 英文エディタ

– 日本人1名,米国人1名

理事

教授1名

准教授1名

特任研究員1名

特任研究員2名

特任研究員1名

特任研究員2名

クリエイティブユニットの様々なミッション

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大学におけるステークホルダー

教師予備校教師

教職員

企業・メディア官公庁

受験生

在校生

卒業生

受験生保護者

在校生保護者

地域・一般

ソサイエティ 学生 コミュニティ

インターナル

エクスターナル

プレ・インターナル

最も重視すべきはプレ・インターナル

大学が関係するメディア

TV・ラジオ雑誌・新聞

マスメディア記事掲載

インターネットメディア

(バナー,キャンペーンなど)

公式ウェブ公式SNS

ブログ・SNS

ツイッター

屋外看板POP

イベント

各種出版物パンフレット

アウトリーチ活動

クチコミリアルトーク

マスメディア Web OOH(Out of Home: 屋外,現場)

Owned Media(所有しているメディア)

Earned Media(評判を得るメディア)

Paid Media(広告費を支払うメディア)

日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会提唱モデル

Earned Mediaにいかに取り上げられるか

記者クラブ

一般の方の接触経路

順位 項目 スコア(%)

1 見聞きしたり話題にしていない

46.2

2 家族や友人・知人 14.2

3 新聞記事 12.4

4 教授陣・学生・卒業生 11.0

5 大学のウェブ 7.2

順位 項目 スコア(%)

1 見聞きしたり話題にしていない

55.6

2 テレビ番組 6.2

3 新聞記事 5.8

4 教授陣・学生・卒業生 5.0

5 家族や友人・知人 4.0

2〜3年内での接触経路

関西

首都圏

日経新聞社による調査(n=500)

クチコミ

こちらからアピール可能

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大阪大学入学生アンケート

• 大阪大学を知る上で役立った情報源は?

※平成24年度入学生に実施

広告媒

体, 17.3%

オープン

キャンパ

ス, 19.9%

進学相談

会, 1.8%

高校の先

生, 18.9%

塾・予備

校, 17.8%

家族・親

戚, 8.6%

知人・先

輩, 11.3%

大阪大学教

員による出

張講義, 1.2%

高校主催の

大学見学

(オープン

キャンパス

を除

く), 1.4%

無回答, 1.8%

クチコミ

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大阪大学入学生アンケート

• 大阪大学を知る上で役立った広告媒体は?

※平成24年度入学生に実施

大阪大学案

内・各学部

案内40.5%

大学・学部

ホームペー

ジ38%

受験情報誌14%

受験産

業Web

サイト4%

受験産

業携帯

サイト2%

新聞1%

無回答1%

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本学に興味のある人が全世界からいつでも情報にアクセスできる.

新聞記事や雑誌とは異なり,本学が,本学の言葉でアピールできる.

冊子体では数ヶ月かかるのに比べ,情報の鮮度が高いうちに公開できる.

大阪大学におけるウェブ広報の位置づけ

ウェブによる広報活動

• 本学が持ちうる最も効果的,強力な広報ツールと設定

即時性 独立性 到達性

見せるウェブから魅せるウェブへ対応するためクリエイティブユニットを設立し対応

OCU設立以前のウェブ広報

• ウェブ更新担当者は1名– 本部広報事務担当者

• FTPによるHTMLソースの直接管理

• アカウントは各部署に発行– コンテンツの更新責任の所在が不明

– トップページが書き換えられるなどの事故が発生

• アイコンなどの作成は都度外注– デザインの統一化が困難

– 高コスト

• 貧弱な英語ページ– 更新頻度が日本語1に対して英語0.01程度

– 優秀な海外留学生の確保が困難

CMSとしてPloneを採用

• 強力なワークフローサポート

• コンテンツごとの権限の付与

• ブラウザ上で利用できるエディタ

• 教育機関・研究期間などで採用実績あり

• オープンソースでカスタマイズが(ある程度)自由

2007年ごろから利用開始

• 公式WEBページにワークフロー管理を導入したい• そのために調査を兼ねて幾つかのサイトで利用

– 国際会議 International Symposium on Mixed and Augmented Reality 2007 (ISMAR07)

– グローバルCOE アンビエント情報社会基盤創成– 大学教育のグローバル化に対応したFD支援事業(途中で

Wordpressに移行) など

• その他にも– 大阪大学オープンコースウェア(独自CMSからの移行)– 大学教育実践センター (2012年から全学教育推進機構)– 全学教育推進機構 などで利用

国際会議 ISMAR07

• Plone 2.xx利用

• カスタマイズほとんど無し

• 複数の担当者でページを作成するのに威力を発揮

グローバルCOE

アンビエント情報社会基盤創成拠点

• Plone 3.0

• スキンを外注

• 複数の担当者での共同構築に活用

大学教育のグローバル化に対応したFD支援事業• 当初はPloneで構築,その後別システムに移行

大阪大学オープンコースウェア

• 最初はLinux,Apache, MySQL, PHPで独自CMSを構築.その後,Plone BaseのEduCommonsに移行

大阪大学オープンコースウェア(OCW)

• 2005年5月13日から公開を開始– 日本オープンコースウェア連絡会発足と同時

• 現在,公開5年目• 当初は大阪大学サイバーメディアセンターが,独自にサイト構築と運営を実施

• 大阪大学本部,教育・情報室での議論を経て,2006年1月より,全学規模e-Learning 環境基盤整備事業の一環として,大阪大学CMCがサイトの維持・運営を担当(非常勤職員1名での対応)

• 2010年5月サイトのコンテンツ管理システムをeduCommonsへ移行(2年以上前からテストは実施)

大阪大学OCWの現状

現在の公開コースは55

映像素材は12コースで50本程度存在動画は様々な形式が存在

シラバス、講義日程等の情報に加えて以下のいずれかの内容を含む

– 講義資料(パワーポイントファイル)をPDF化したもの

– オンライン学習教材(Flash等で作成されたもの)

– 講義用インタラクティブ教材– 講義収録システムの映像

2010年4月までのOUOCW

• LAMP(Linux+Apache+MySQL+PHP)を用いた独自CMCで運用

• 管理者はWebインタフェースを用いて教材のアップロード等を実施する

• コンテンツのメタデータはデータベースに、教材自体はLinuxのファイルシステム上で管理

• 2007年からEduCommons 2.xの試験運用

• 2010年4月末にオープンソースCMSであるEduCommons 3.x へ移行

eduCommonsとは

• eduCommonsはユタ州立大学が,ウィリアム・フローラ・ヒューレット財団の支援を得て,オープンソースCMSであるPloneをベースに開発

• OpenCourseWareに特化したCMS

• 現在は4.xが最新バージョンのよう• ソフトウェアは,GNU General Public Licenseで配

布• ユタ州立大学での開発は終了,コミュニティーベー

スでのサポートに移行した(http://educommons.com)その後は?

• eduCommonsを採用しているOCWサイトは50前後,日本でも京都大学,筑波大学等が採用している

従来のOUOCW

• 限定的にCSSを用いているが,基本的にPHPコードにデザインに関するHTMLタグも埋め込まれており,管理画面からのデザインの変更は出来ない.

• デザインの変更にはPHPスクリプトを書き換える必要があり,メンテナンス性が悪い.

eduCommons 2.3版

• 大学教員だけで構築

• 独自CMS版のデザインを踏襲

• eduCommonsのオリジナルデザインの変更が大変– CSSの属性が何カ所かで共有されているため,思った通りのデザインにするのに工夫が必要.

eduCommons 3.x 版

• デザイン等は外部業者に委託し,大阪大学の公式ホームページ等と統一感を持たせた.

• 構築は外部業者に協力を依頼

• 2010年当時のトップページ

eduCommons 3.x 版オーサリング画面

• 管理者としてログインすることで,編集に関するタグ等が表示される.

• 基本的にはPloneによるオーサリングと同等の編集が行える.

• コースビルダーを用いることで,コースの登録が容易にできる.

eduCommons 3.x 版コースの作成

• コースビルダーでテンプレートに基づくコースが作成される.次に,コンテンツを順次追加する.

• コースサマリに作業の進捗が表示される.

他システムとの連携の状況

• IMSコンテントパッケージを用いて,コース管理システムBlackboard Learn+ との教材の相互連携を現在検証中

Blackboard

L. S. VISTAコンテントパッケージ

eduCommons

学務情報システムKOAN

学務データ連携

引き続きOCW教材を増やすことを検討

• 全学的な呼びかけ– 全学に講義提供の依頼をしてもあまり集まらない

– 個別に依頼するとうまくいく場合もある

• 公開できる素材を増やす– 動画コンテンツを今後増やす方向で検討中

• echo360(最新コンテンツ:大阪大学の歴史)

• 講義映像の収録環境の構築

– CMS上に教材を集めてくる• STSによる教材作成支援

大阪大学OCWの位置付け

• 教育担当理事配下の教育情報化WGで管理

• 全学規模e-Learning環境基盤整備事業の一部として実施

• 教育担当理事配下がよいのか広報・社学連携担当理事配下が良いのか?

• 正規授業を扱うのであれば,教育

• 公開講義(サイエンスカフェなど)は広報・社学連携

総合大学の責務として継続運用を図る

大学教育実践センター

• Plone 3.xで構築

• Content

Collection とCollage を利用

全学教育推進機構

• Plone 4.0で構築,基

本的に大学教育実践センターと同じつくり

• 主に職員,非常勤職員が管理

• ロゴのみクリエイティブユニットが制作

公式ウェブページ第1期ウェブリニューアル(2009年6月)以降

• ウェブ更新担当者は1名

– 本部広報事務担当者

• CMSによるコンテンツ管理

– 部署に更新責任のあるコンテンツのみのアクセス権限を付与

– コンテンツ審査機構の導入

• OCUによる画像やアイコンの作成

– デザインデータの内製化によるコスト削減

– イメージの統一化

• 英文エディタによる日英1対1完全対応

– 日本語公開後2時間〜1日での英語公開

ワークフロー• コンテンツが公開されるまでの更新作業の流れをシステム上で編集者が意識することなく実現

編集者

広報担当者

英文エディタ

コンテンツの編集

確認と審査

翻訳(日本人)

公開

公開

自動通知

自動通知

• 編集者は自分の担当のコンテンツ以外は編集できない– 更新責任所在の明確化

修正(米国人)

不備による差し戻し

システム構成• フロントエンド(キャッシュサーバ) 2台

• アプリケーションサーバ 3台

• データベースサーバ 1台

• 編集用サーバ 1

• 3万PV/日

キャッシュ1

キャッシュ2

アプリケーション1

アプリケーション2

アプリケーション3

データベース

バックアップ

HUB

編集用

HUBHUB

内部外部

相互生存確認

コンテンツの移行

• 約600ページのコンテンツを洗い出し

– 移行すべきコンテンツかどうか

– 新たな階層構造の構築

• 全てを3階層以内に

• バッチ処理によるコンテンツ移行

– 特殊なPloneコンテンツタイプを作成

• 細かいデザインの修正

– 受験生向けなどは新たにリデザイン

運用における考察

• CMSを利用することで更新頻度が増加– 更新されていないコンテンツのチェックと依頼

– 更新作業のハードルの低下

– WYSIWYGエディタによるデザインの統一化

• ワークフローによる更新作業の効率化– ブラウザ上で全ての状況が管理できる

– 更新作業時の事故は発生していない

– 日英完全一対一対応の実現

• データベースファイルData.fsの肥大化によるレスポンスの低下

• デザインに関するフレキシビリティの低下

良い点

課題

第2期ウェブリニューアル(2012年8月)以降

• デザインの大幅な見直し– ウェブフォントの利用

• 検索をトップに

– あるキーワードで特別なページに

• トップページに研究リリースを追加

– 大学の活動を明確にアピール

• FacebookやTwitterへのリンクを追加

– 双方向性のウェブサイトの実現

Ploneならではのカスタマイズ

大学におけるステークホルダー

教師予備校教師

教職員

企業・メディア官公庁

受験生

在校生

卒業生

受験生保護者

在校生保護者

地域・一般

ソサイエティ 学生 コミュニティ

インターナル

エクスターナル

プレ・インターナル

インターナルにリーチできるメディアの構築

大阪大学学内向けポータルマイハンダイ

• 阪大内の様々なウェブサービスを統合するポータルサイト

• 大阪大学全学IT認証基盤下に入ることで利便性を確保– Ploneのアカウントと全学IT認証基盤のアカウントの統合

– Shibboleth

• ログインしたユーザの属性によって見えるコンテンツを変化させる– 学生,教員,職員からスタート

• ウェブフォームシステムの実装– 科研費の申請など

マイハンダイ

• https://my.osaka-u.ac.jp

全学IT認証基盤のユーザ

ウェブサービスへのリンク(アイコンによるビジュアルの固定化)

各コンテンツはパネルとし,パネルごとに表示ユーザ属性の指定が可能

大阪大学学内向けポータルマイハンダイの現状と今後

• サーバ1台で運用を始めたが履修科目登録などの時期には何とか動いたがサーバが激重に– 14万PVを記録

– 大阪大学クラウドサービスへの移行を検討中

• 公式ウェブと同じPloneを用いたことで,事務方の編集作業の効率化,高機動化が図れた

• さらに細かいユーザ属性を利用した情報提示– キャンパスごと,学部ごと,学年ごと

• ユーザによるトップページのカスタマイズ– パネルの移動など

大阪大学ウェブライブラリOWL• 構成員向けマルチメディアライブラリ

• 写真,PPTデザイン,大学地図等が版権フリーでダウンロード可能

• https://owl.osaka-u.ac.jp

• 統一されたデザインを提供し,大阪大学のブランディングを目的とする

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まとめ

• Ploneを利用した大阪大学のさまざまなウェブサイトの詳細– ワークフローによるコンテンツの管理

– 編集権限の付与によるコンテンツ更新責任所在の明確化

– 日英完全一対一対応の実現

• デザインが固定されないようなシステムの実現– ApacheとZopeの共存をもっと強力に進める

• AWSの利用などによるサーバのアウトソーシング– 停電にも強いシステムの構築

– サーバリソースの動的な配分による更新作業の効率化

• 部局ウェブページとの連携

今後の検討課題

今後の夢

• マクロからミクロへの転換– 全学→部局→研究室→研究者個人

– Ploneのテンプレートを用いた実装

– ウェブページによるブランディング

• 教員基礎データベースとの連携– 教員の経歴,業績が入力されたもの

• 定期的に入力してもらう必要がある

– テンプレートなどを選択することでウェブページを作れるシステムの構築• 教員に対する情報入力のインセンティブともなる

ご静聴ありがとうございました

大阪大学クリエイティブユニット大学院情報

科学研究科(兼)伊藤雄一

@yuichi_itoh on Twitter