Settled Life ~ The Most Biggest Evolution in the History of Human ~

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読書するエンジニアの会第9回(2009/2/15 テーマ「革命」)用の資料です。 参考にした書籍は「西田 正規 (著), 人類史のなかの定住革命 (講談社学術文庫) (文庫)」です。 http://www.amazon.co.jp/dp/4061598082

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人類史上最大の革命とは  「定住」を始めたこ

とだった

2009/2/15(日 )

読書するエンジニアの会 第 9回

今日紹介する本はこれ!

人類史のなかの定住革命西田正規(にしだまさ

き)著 筑波大学教授 (自然人類学 )

講談社学術文庫268p

http://www.amazon.co.jp/dp/4061598082/

どんな話かというと・・・ 人類が 1万年前に遊動生活を放棄して、定住生活

を始めたことは、人類史上最大の出来事(の 1つ)。革命と言ってもいい出来事だったんですよ

霊長類が長い進化史を通じて採用してきた遊動生活。不快なものには近寄らない、危険であれば逃げてゆくという基本戦略を、人類は約一万年前に放棄する。 ヨーロッパ・西アジアや日本列島で、定住化・社会化はなぜ起きたのか。栽培の結果として定住生活を捉える通説はむしろ逆ではないのか。生態人類学の立場か ら人類史の「革命」の動機とプロセスを緻密に分析する。 ( Amazonの内容紹介より)

なぜこれを選んだのか?

1. 最初、チェ・ゲバラにしようと思った なんかミーハーでヤダ 革命は男の憧れだけど、 Tシャツにプリントされるなん

てなんかいや2. カストロとキューバの教育・医療にしようとも

革命で死ぬより理想の社会を築く方が性に合ってるな3. あ、でもやっぱ人類史で大きな革命の方がインパ

クトあっていい どうも定住生活を始めたのが人類発展の起爆剤らしい

ちょっと話変わりますが・・・・

こんな風に思ったことありませんか? 都会は息苦しい・・・ どっかに逃げたい・・・ 旅行に行くと、気分が高揚する・・・ 掃除なんて大嫌い・・・ 会社の人間関係に行き詰ったことある・・・ なんかふらふらしながら、生きていければいい・・・

私も骨の髄まで四国の田舎の子なので、働く以外に東京にいる理由はあまりないと感じたり・・・・・

あなたは自然です

だって、ホモ・サピエンス以前を含めて、数千万年前から我々は遊動生活をしていたから 我々は、驚くほど 1万年前までの生活の影響を受

けている 現代の人類の身体的、心理的、社会的能力はこの

ころに作られている(恋愛感情ですら・・・)我々の昔の基本戦略『不快なものに近寄らな

い、危険なものからは遠ざかる』だった『逃げられない社会』に生きることの方が不自然

例えばチンパンジーは未だに流浪している

100頭程度の「輪郭のある集団」で遊動生活し、日常的には小集団に別れて生活する

集団同士で離合集散することで固体間のガス抜きをしている

遊動生活により食料の確保、住環境の極度の汚染の防止などをしている

( www.wallpaperlink.comより引用)

遊動生活にどんなメリットがあるのか?

安全性・快適性の維持 風雨や洪水、寒冷、酷暑を避ける

ゴミや排泄物の蓄積から逃れる

経済的側面 食料、水、原材料を得

る 交易をする 共同狩猟

社会的側面 キャンプ構成員の不和の解消 他の集団の緊張から逃れる

生理的側面 肉体的、心理的に適度な負荷

をかける(環境を常に変えることで動物の本能を奮い立たせていた)

観念的側面 死や死体からの逃避 災いからの逃避

はっきり言うと、定住する必要もなかったんですよ・・・たしか、学校では氷河期が終わり、農耕

が可能になったから、定住したみたいに習いましたよね?後で説明しますが、実は農耕→定住はまったく

逆だったんですこれは、定住生活の方が進歩的であり、経済的基盤がないから遊動生活をせざるを得なかったんだという、定住生活至上主義の現代人の感覚から来ているものだと筆者は言ってます

そうすると、 2つのことを問わなければなりませんなぜ 1万年前に我々の祖先は定住を始め

たのか?遊動生活から定住生活に、生活環境を激

変させるにあたって、定住によるデメリットをいかに克服したか? これは、定住してる我々が、逆に一生、遊動生

活をしろといわれるのに等しいくらい、生活環境や価値観の再編成を要求されます・・・・

数年年前~ 1万年前までの祖先の暮らし

更新世(氷河期)だった狩猟生活をしていた我々の祖先は、男達

は大型有蹄類(マンモス)を捕獲し、女は子供を育てながら身近にある植物を収集し、生計をたてていた

その当時は、中緯度(日本とか)も寒帯・亜寒帯に属していたので、世界中で同じような生活をしていたなんか、氷河期とかマ

ンモスの捕獲と聞くだけでワクワクする

1万年前、最後の氷河期が終わった

完新世という時代に移った中緯度まで温帯が広がり、世界の大部分

が温帯性森林で多い尽くされた氷河が後退し、大型有蹄類の生息場所が少なくなった。また、草原がなくなることにより狩猟自体が困難になった。

動物性タンパク質を補うために、人類は漁を活発にやるようになった

定置漁具の使用・食料の貯蔵のため、定住生活が始まった魚に依存すると冬の時期は食料が枯渇するた

め、夏場に定置漁具を使って大量の魚を捕獲し、冬まで食料を貯蔵するようになった

定置漁具の製作には繊維や木材の加工に高度な技術が必要となり、多くの時間が必要

食料の貯蔵の必要性が定住生活を推し進めただいぶ後になるが、食料確保のリスクを抑え

るために農耕生活も始まる・・・・

まとめると・・・

氷河期が終わったことが定住のきっかけになったのは正解。ただし、定住が先にあって、農耕は定住の結果だった。

学術的に正しいのかはよく分かりませんが、定住生活の出現と定置漁具の出現が並行することを示す考古学的な証拠はあるらしい

では、定住によるデメリットをいかに克服したか?

安全性・快適性の維持 風雨や洪水、寒冷、酷暑を避けるための住居を構えるようになった(そのための木材加工の技術も発達)

生活環境を清掃したり、ゴミ捨て場・便所を設置

経済的側面 年間必要な食料は植物・魚類資源から得た

続き

社会的側面 不和や不満を解消するために、和解の条件を提示して納得させる拘束力、権威の体系の育む下地を作った

死や災いとの共存 生きる者と死んだ者の生活圏を分離するため墓地ができた

死者の霊を鎮める壮大な儀式をやるようになった

私の個人的な補足道具や経済基盤の発達が、後々の文化の発達に

大きく寄与していると思います 逃げることより、逃げないことを選択すること

により、社会構成員の不満を解消するための法律の概念の下地ができたのではないか?

共同体が拡大していくことにより、「我々」の範囲が拡大し、「国家観」の下地にもなってる?

ただし、遊動生活時代は牧歌的な社会でしたが、定住生活により経済基盤が拡大し、いわゆる資本家みたいなのが現れ、経済格差が生まれ始める

最後に

時々、日本人はなんでそんなに「逃げない」んだろう?と思うときがある(自分を含めて) 例えば、電車で見かける会社・家族・ローンでがんじが

らめになったオジサン わりと、欧米の人(ラテンの人は特に)はわりか

し欲望に忠実で、いやなものから逃げる傾向にある・・・ 新卒一括採用の概念がないので、卒業して 1年くらい世界中を旅する人とか割りといる

いやなことするくらいなら、貧乏で楽しめる道を探す 自分を縛ってるのは実は自分。自由になろう!

ご清聴ありがとーございました

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