シンギュラリティ大学 x SONY x WBA若手の会 講演資料

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シンギュラリティとゲームAI技術

三宅 陽一郎

2018.1.13

シンギュラリティ大学 x SONY x WBA若手の会

経歴

京都大学(数学) 大阪大学(原子核実験物理) 東京大学(エネルギー工学/人工知能)

高エネルギー加速器研究所(半年ぐらい。修士論文)

http://www.facebook.com/youichiro.miyake

My Works (2004-2017)

AI for Game Titles

Books

本日の講演内容

• 第一章 人工知能とは

• 第二章 ゲームAIとは

• 第三章 プロシージャルとは

• 第四章 シンギュラリティとは

• 第五章 人工知能の発展の方向とは

本日の講演内容

•第一章 人工知能とは

•第二章 ゲームAIとは

•第三章 プロシージャルとは

•第四章 シンギュラリティとは

•第五章 人工知能の発展の方向とは

第一章 人工知能とは

自然知能と人工知能

人間=自然知能

機械=人工知能

機械(マシン)

ソフトウェア

知能

身体

機能

知能

http://www.1999.co.jp/blog/1210192http://ja.wallpapersma.com/wallpaper/_-%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%80%81%E5%A3%81%E7%B4%99%E3%80%81%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%89%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B 3%E3%81%AE%E3%80%81%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AF%E3%80%81%E3%83%9A%E3%83%83.html

身体性とインテリジェンス

Gray’s anatomy

脳の中心の部位は身体とつながっている。生理機能を司っている。それを囲うように、辺縁体、大脳がある。

http://square.umin.ac.jp/neuroinf/brain/005.html

http://www.amazon.co.jp/Grays-Anatomy-Anatomical-Clinical-Practice/dp/0443066841

意識/無意識の知性

身体の制御につながる

感覚を統合する

知性全体 人の意識的な部分意識自身には機能がない

環境

身体

意識

無意識

意識的な知性

無意識的な知性

表象 意識に浮かび上がるイメージ

人間の精神

意識

前意識

無意識

知能

言語による精神の構造化

外部からの情報

言語化のプロセスシニフィアン/シニフィエ

言語回路(=解釈)

意識の形成

世界を分節化している

人間の精神

意識

前意識

無意識

外部からの情報

生態学的人工知能※生態=環境・身体との結びつきを考える

伝統的な人工知能

身体知

人間の精神、機械の精神

意識

前意識

無意識

外部からの情報

意識

前意識

無意識

外部からの情報

言語・非言語境界面

知覚の境界面

人工知能は、人間の知能を機械に移したもの。

この300年の技術の動向

時間

規模

産業革命

情報革命

ネット革命

知能革命

機械化・自動化(オートメーション化)

電子情報化

オンライン化

知能化

第二次産業革命

電動化

1750 1860 1960 1990 Now…

現代は「知能化」の時代に入りつつある。

第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム

人工知能ブーム

時間

規模

情報革命

ネット革命

知能革命

電子情報化

オンライン化

知能化

1960 1990 2000

第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム

1970 1980 2010

二つの人工知能

IF (s_collison==true)register_all(s_star);

assign_edge();assign_vertex();mix_all();

シンボルによる人工知能(シンボリズム))

ニューラルネットによる人工知能(コネクショニズム)

IBM ワトソンGooogle検索

など

AlphaGoなど

http://www.nature.com/nature/journal/v518/n7540/full/nature14236.html

神経素子(ニューロン)とは?

入力

入力

入力

出力

入力

この中にはイオン(電解,Na+,K+)溶液が入っていて、入力によって電圧が高まると出力する仕組みになっています。

100mVぐらいニューラルネットワーク内シグナル伝達スピード 100(m/sec) … 案外遅い

http://www.brain.riken.go.jp/jp/aware/neurons.html

ニューラルネットを理解しよう② 数学的原理

http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/brain/brain/11/index-11.html

医学的知識

http://www.biwako.shiga-u.ac.jp/sensei/mnaka/ut/sozai/ai.html

モデル化

数学的モデル

ニューロン人工ニューロン

入出力関係のグラフ 入出力関係の関数(シグモイド関数)

ニューラルネットワーク(ニューロンをつなげたもの)

道具はこれで全て。これで何ができるだろう?

人工知能がブームになるとき

時間

規模

1960 1990 2000

第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム

1970 1980 2010

ニューラルネットによる人工知能は、浮き沈みが激しい。

人工知能がブームになるとき

時間

規模

1960 1990 2000

第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム

1970 1980 2010

ニューラルネットによる人工知能は、浮き沈みが激しい。

= しかし、人工知能がブームになる時は、必ず改良されたニューラルネットワークが現れる。

この300年の技術の動向

社会

機械レイヤー

情報処理レイヤー

人工知能レイヤー

2 第1次AIブーム

時間

規模

情報革命

ネット革命

知能革命

電子情報化

オンライン化

知能化

1960 1990 2000

第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム

1970 1980 2010

2 第一次AIブーム(1960年代)

• コンピューターは大型のものしかない。

• 人工知能という分野自体が誕生したばかり。

• ニューラルネットという新しい分野のブーム。

19世紀後半

人間の脳はニューロンというもので出来ているらしい

20世紀前半ニューロンの電気的性質が解明される

(ホジキン博士、ハクスレー博士)

1950年代に

ニューラルネット発明

1963年に

ホジキン=ハクスレー方程式がノーベル賞

2第一次AIブーム(1960年代)

もし A ならば B

もし B ならば C

よって、

もし A ならば C

シンボルによる人工知能(記号主義)

ニューラルネットによる人工知能(コネクショニズム)

推論ベース ニューラルネット誕生

3 第二次AIブーム(1980年代)

• パソコンが普及して行く。

• ルールを集めて知能を作ろう。

• 逆伝播法によるニューラルネットのブーム。

パソコンが世の中で普及して行く

知識主義=

たくさんの知識を人工知能に与えて推論

すれば知能ができる

インターネットもなく、知識が足りない。推論も専門的な機能のみ。

3第二次AIブーム(1980年代)

IF (A) then B

IF (C) then D

IF (E) then F

IF (G) then H

IF ( I ) then J

シンボルによる人工知能(記号主義)

ニューラルネットによる人工知能(コネクショニズム)

ルールベース新しい学習法=逆伝搬法

3 第二次AIブーム(1980年代)

0 0 0

【逆伝播法】ここが1になるように、結合の強さを、さかのぼって変えて行く。

4 第三次AIブーム(2010年代)

• インターネットが普及して行く。

• インターネットで蓄積されたデータを学習させて知能を作ろう。

• 改善されたニューラルネットのブーム。

インターネットが世の中で普及して行く

データ学習主義=

たくさんのデータを人工知能に学習させる

現在、進行中

4第三次AIブーム(2010年代)

シンボルによる人工知能(記号主義)

ニューラルネットによる人工知能(コネクショニズム)

データベース新しい学習法=ディープラーニング

データベース

検索エンジン

キーワード 検索結果

検索

次の章で説明します

インターネットによる膨大なデータ

4 第三次AIブーム(2010年代)

時間

規模

1960 1990 2000

第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム

1970 1980 2010

ルールベース

逆伝播法

データベース

ディープラーニング

推論ベース

ニューラルネット誕生

小型・中型コンピュータの普及

大型コンピュータ専門家のみのブーム

本日の講演内容

•第一章 人工知能とは

•第二章 ゲームAIとは

•第三章 プロシージャルとは

•第四章 シンギュラリティとは

•第五章 人工知能の発展の方向とは

第二章 ゲームAIとは(人工知能技術の一つとして)

ゲーム全体の知能化

ゲーム・ソフトウェア知能化された

ゲーム・ソフトウェア

ゲームも知能化の時代を迎えようとしている。では「ゲームの知能化」とはどういうことだろうか?それを見ていこう。

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AIの分化

ゲームシステム

メタAI

キャラクターAI ナビゲーションAI

3つのAIシステムは序々に分化して独立して行った。では、今度はナビゲーションAIについてさらに詳しく見てみよう。

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フィールド

3つのAIの連携の例

ナビゲーションAI

メタAI

キャラクターAI

状況を監視し、キーとなる役割を適切なタイミングでエージェントに指示する。

自律的な判断。仲間同士の協調

地形を解析する目的に応じた点を見つけ出す目的地までのパスを計算する

Support

エージェントが自律的に戦闘・協調しつつ、ナビゲーションAIが戦術的ポイントを教え、メタAIは、全体の戦闘の流れを作る。

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レベル

ナビゲーションAI

メタAI

キャラクターAI

エージェントを動的に配置レベル状況を監視エージェントに指示ゲームの流れを作る

自律的な判断仲間同士の協調時にチームAIとなる

メタAI, キャラクターAIの為にレベルの認識のためのデータを準備オブジェクト表現を管理ナビゲーション・データの管理パス検索 / 位置解析

Support

敵キャラクタ-プレイヤー

頭脳として機能

情報獲得

コントロール

http://dear-croa.d.dooo.jp/download/illust.html

http://www.anne-box.com/

3つのAIの連携の例

環境

人工知能とは?

身体

人工知能=人工的な存在(=身体)を環境の中で活動させる

入力(センサー) 行動(アウトプット)

知能

知能の世界

環境世界

認識の形成

記憶

意思の決定

身体制御

エフェクター・身体

運動の構成

センサー・身体

意思決定モジュール

意思決定モジュール

意思決定モジュール

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報統合

運動統合

意思決定モデル

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ステート(状態)ベースAI

ゴール(目標)ベースAI

ルール(規則)ベースAI

ビヘイビア(振る舞い)ベースAI

意思決定というものは非常に高度で複雑なプロセスです。でも、ゲームで用いるいくつかの簡易モデルが存在します。

シミュレーションベース AI

ユーティリティ(効用)ベース AI

Rule-based AI

State-based AI

Behavior-based AI

Goal-based AI

Utility-based AI

「○○-based AI」とは、○○をAIを構築する基本単位として採用したAIということ。

タスク(仕事)ベース AITask-based AI

意思決定

Simulation-based AI

3. ルールAIシステム• ルールAI

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ベヒモスのルール

意思決定モデル

©2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

ゴール(目標)ベースAI

ルール(規則)ベースAI

ビヘイビア(振る舞い)ベースAI

意思決定というものは非常に高度で複雑なプロセスです。でも、ゲームで用いるいくつかの簡易モデルが存在します。

シミュレーションベース AI

ユーティリティ(効用)ベース AI

Rule-based AI

State-based AI

Behavior-based AI

Goal-based AI

Utility-based AI

「○○-based AI」とは、○○をAIを構築する基本単位として採用したAIということ。

タスク(仕事)ベース AITask-based AI

意思決定

Simulation-based AI

ステート(状態)ベースAI

F.E.A.R.のプランニングシンボルによる連鎖プランニング

ターゲットAが死んでいる

ターゲットAが死んでいる

攻撃

武器が装填されている

武器が装填されている

装填する

武器を持っている

武器を持っている

武器を拾う

条件なし

プラナー

プランニング

Jeff Orkins, Three States and a Plan: The AI of FEARhttp://alumni.media.mit.edu/~jorkin/gdc2006_orkin_jeff_fear.pdf

計画を立てるAI/計画を変更するAI

Jeff Orkins, Three States and a Plan: The AI of FEARhttp://alumni.media.mit.edu/~jorkin/gdc2006_orkin_jeff_fear.pdf

プランニングによる物語生成技術

アレックスはそこでジャンプして

ダンジョンの地図を手に入れました。

鍵を持っていない

鍵を持っていない

地図を持っていない

地図を持っている

前提条件

あらすじ

結果条件

物語要素

プランニングによる物語生成技術

アレックスは地図を見ながら鍵の隠されている宝箱を開きま

した。

鍵を持っていない

鍵を持っている

地図を持っている

地図を持っている

物語要素

プランニングによる物語生成技術

アレックスは地図を見ながら、ダンジョン

の出口を目指しました。

鍵を持っていない

鍵を持っている

地図を持っている

地図を持っている

物語要素

マップフィールドにいる

プランニングによる物語生成技術

アレックスは地図を

見ながら魔王のいる部屋の扉を開けました。

鍵を持っている地図を持っている

地図を持っている

ラスボスバトルスタート

物語要素

プランニングによる物語生成技術

アレックスは飛龍を呼んで空を飛んで城に返りました。

城にいる

物語要素マップフィールドにいる

プランニングによる物語生成技術

プランニングによる物語生成技術

「結果条件」と「前提条件」が同じ物語要素をつなげる=チェインニング

プランニングによる物語生成技術

チェインニングを続けること=プランニング

プランニングによる物語生成技術

プランニングによる物語生成技術アレックスはそこでジャンプして

ダンジョンの地図を手に入れました。

アレックスは地図を見ながら、ダンジョン

の出口を目指しました。

アレックスは飛龍を呼んで空を飛んで城に返りました。

強化学習(例)強化学習

(例)格闘ゲーム

キック

パンチ

波動

R_0 : 報酬=ダメージ

http://piposozai.blog76.fc2.com/

http://dear-croa.d.dooo.jp/download/illust.html

強化学習(例)格闘ゲームTaoFengにおけるキャラクター学習

Ralf Herbrich, Thore Graepel, Joaquin Quiñonero Candela Applied Games Group,Microsoft Research Cambridge"Forza, Halo, Xbox Live The Magic of Research in Microsoft Products"http://research.microsoft.com/en-us/projects/drivatar/ukstudentday.pptx

Microsoft Research Playing Machines: Machine Learning Applications in Computer Gameshttp://research.microsoft.com/en-us/projects/mlgames2008/Video Games and Artificial Intelligencehttp://research.microsoft.com/en-us/projects/ijcaiigames/

レベル

ナビゲーションAI

メタAI

キャラクターAI

エージェントを動的に配置レベル状況を監視エージェントに指示ゲームの流れを作る

自律的な判断仲間同士の協調時にチームAIとなる

メタAI, キャラクターAIの為にレベルの認識のためのデータを準備オブジェクト表現を管理ナビゲーション・データの管理パス検索 / 位置解析

Support

敵キャラクタ-プレイヤー

頭脳として機能

情報獲得

コントロール

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3つのAIの連携の例

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ネットワーク上のグラフ検索法

A*法

M

F

L

B

A

O

P

D

C

G

S

V

H

QX

K

N

J

R

T

W

EI

U

Z

Y

54

6 3

7 23

B C

3

3

2 24 3

5

5

出発点(S)を中心に、そのノードまでの最も短い経路を形成して行く。

Gにたどり着いたら終了。

ゴール地点がわかっている場合、現在のノードとゴールとの推定距離(ヒューリスティック距離)を想定して、トータル距離を取り、それが最少のノードを探索して行く

各ノードの評価距離=出発点からの経路+ヒューリスティック距離

ヒューリスティック距離(普通ユークリッド距離を取る)

3+14.2 3+13.8

G H

3

5+10.5 6+8.4

パス検索とは現在の地点から指定したポイントへの経路を、リアルタイムで計算して導く技術。

RTS - Pathfinding A*https://www.youtube.com/watch?v=95aHGzzNCY8

Counter Strike: Path Following (デモ)

The Official Counter-Strike Bothttp://aigamedev.com/insider/presentation/official-counter-strike-bot/

レベル

ナビゲーションAI

メタAI

キャラクターAI

エージェントを動的に配置レベル状況を監視エージェントに指示ゲームの流れを作る

自律的な判断仲間同士の協調時にチームAIとなる

メタAI, キャラクターAIの為にレベルの認識のためのデータを準備オブジェクト表現を管理ナビゲーション・データの管理パス検索 / 位置解析

Support

敵キャラクタ-プレイヤー

頭脳として機能

情報獲得

コントロール

http://dear-croa.d.dooo.jp/download/illust.html

http://www.anne-box.com/

3つのAIの連携の例

メタAIの歴史

1980 1990 2000

古典的メタAI

現代のメタAI

キャラクターAI技術の発展

その歴史は古く、1980年代にまでさかのぼる。その時代と現代のメタAIは、異なる点も多いので、古典的メタAI、現代のメタAIと名づけて区別することにしよう。

(例)「ゼビウス」(ナムコ、1983)敵出現テーブル巻き戻し

敵0

敵1

敵2

敵3

敵4

敵5

『あと面白い機能なんですけれど、ゼビウスには非常に簡単なAIが組み込まれています。「プレイヤーがどれくらいの腕か」というのを判断して、出てくる敵が強くなるんです。強いと思った相手には強い敵が出てきて、弱いと思った相手には弱い敵が出てきます。そういったプログラムが組み込まれています。ゲームの難易度というのは「初心者には難しくて、上級者には簡単だ」ということが、ひとつの難易度で(調整を)やっていくと起きてしまうので、その辺を何とか改善したいな、ということでそういったことを始めてみたのですけれど、お陰で割合にあまり上手くない人でも比較的長くプレイできる、うまい人でも最後のほうに行くまで結構ドラマチックに楽しめる、そういった感じになっています。』

- 遠藤雅伸(出演)、1987、「糸井重里の電視遊戯大展覧会」『遠藤雅伸ゼビウスセミナー』フジテレビ -

ゼビウス

現代のメタAI

より積極的にゲームに干渉する。

メタAI

敵配位 敵スパウニング ストーリーレベル動的生成

ユーザー

メタAI Left 4 Dead の事例

Michael Booth, "The AI Systems of Left 4 Dead," Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment Conference at Stanford.

http://www.valvesoftware.com/publications.html

今回は Left 4 Dead の事例を見てみる。

メタAI(=AI Director)によるユーザーのリラックス度に応じた敵出現度

ユーザーの緊張度

実際の敵出現数

計算によって求められた理想的な敵出現数

Build Up …プレイヤーの緊張度が目標値を超えるまで敵を出現させ続ける。

Sustain Peak … 緊張度のピークを3-5秒維持するために、敵の数を維持する。

Peak Fade … 敵の数を最小限へ減少していく。Relax … プレイヤーたちが安全な領域へ行くまで、30-45秒間、

敵の出現を最小限に維持する。

Michael Booth, "The AI Systems of Left 4 Dead," Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment Conference at Stanford.http://www.valvesoftware.com/publications.html

より具体的なアルゴリズム

メタAIが作用を行う領域(AAS=Active Area Set)

Michael Booth, "The AI Systems of Left 4 Dead," Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment Conference at Stanford.http://www.valvesoftware.com/publications.html

安全な領域までの道のり(Flow Distance)

メタAIはプレイヤー群の経路をトレースし予測する。- どこへ来るか- どこが背面になるか- どこに向かうか

Michael Booth, "The AI Systems of Left 4 Dead," Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment Conference at Stanford.http://www.valvesoftware.com/publications.html

まとめ

メタAIは、ゲームの流れを動的に作るAIで、キャラクターAI、イベントなどには命令だけを出す。これは明確に、メタAIと他のモジュールが独立した関係にあるから可能なこと。

本日の講演内容

•第一章 人工知能とは

•第二章 ゲームAIとは

•第三章 プロシージャルとは

•第四章 シンギュラリティとは

•第五章 人工知能の発展の方向とは

第三章 プロシージャルとは

プロシージャル技術

ゲームAI技術

AI技術プロシージャル

技術

コンテンツ自動生成技術(PCG, Procedural Contents Generation )

Rogue (1980)のダンジョン生成法

Rect[0] Rect[0] Rect[1]

Rect[0]

Rect[1]

Rect[2] Rect[3]

このようにアセット(ゲームのデータ)をツールなどを通して製作するのではなく、プログラムで作ることを「プロシージャル・コンテンツ・ジェネレーション」(PCG)と言う。

http://racanhack.sourceforge.jp/rhdoc/intromaze.html

ブラウン運動

ロバート・ブラウン博士によって、1827年に発見された現象。微粒が媒質(液体)の中で行う不規則な運動。

アインシュタイン博士によって、熱運動する媒質の不規則な衝突によって引き起こされると説明された。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E9%81%8B%E5%8B%95

ブラウン運動から地形生成

ロバート・ブラウン博士によって、1827年に発見された現象。微粒が媒質(液体)の中で行う不規則な運動。

アインシュタイン博士によって、熱運動する媒質の不規則な衝突によって引き起こされると説明された。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E9%81%8B%E5%8B%95

宮田一乗「プロシージャル技術の動向」(CEDEC 2008)

ブラウン運動から地形生成

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E9%81%8B%E5%8B%95

http://www.kenmusgrave.com

ブラウン運動から地形生成

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E9%81%8B%E5%8B%95

http://www.kenmusgrave.com

NO MAN’S SKY (Hello Games, 2016)

http://www.no-mans-sky.com/

宇宙、星系、太陽系、惑星を自動生成する。

FarCry2 におけるプロシージャル技術

50km四方のマップを作るオブジェクト(草木)&アニメーションデータを自動生成

FarCry2 (Dunia Engine ) デモ

草原自動生成 時間システム

樹木自動生成 動的天候システム

動的天候システム

http://www.farcry2-hq.com/downloads,18,dunia-engine-nr1.htm

本日の講演内容

•第一章 人工知能とは

•第二章 ゲームAIとは

•第三章 プロシージャルとは

•第四章 シンギュラリティとは

•第五章 人工知能の発展の方向とは

第四章 シンギュラリティとは

シンギュラリティ

= 人間と人工知能の関係が新しい段階に移ること

閉じた問題を設定すれば、今でも人工知能は人間を凌駕する。

(例)閉じた問題=偶発性のない問題。画像診断、将棋、囲碁、など。

開いた問題に対して、人工知能は基本的に対応できない。

シンギュラリティ

= 人間と人工知能の関係が新しい段階に移ること

専門的な状況を設定すれば、今でも人工知能は人間を凌駕する。

(例)専門的な状況=完全に定義された状況。精密組み立て、経路検索

総合的な状況に対して、人工知能は基本的に対応できない。

人工知能が解ける問題

閉じている

開いている

総合型専門型

人工知能が得意

運動、運転、身体性新しい芸術

人工知能が解ける問題

閉じている

開いている

総合型専門型

画像診断、将棋、囲碁、文書整形

運動、運転、身体性新しい芸術

人工知能が解ける問題

閉じている

開いている

総合型専門型

画像診断、将棋、囲碁、文書整形

直観

精密

運動、運転、身体性新しい芸術

人工知能が解ける問題

閉じている

開いている

総合型専門型

画像診断、将棋、囲碁、文書整形

直観

精密

運動、運転、身体性新しい芸術

人工知能が解ける問題

閉じている

開いている

総合型専門型

運動、運転、身体性新しい芸術

画像診断、将棋、囲碁、文書整形

直観

精密

人工知能が解ける問題

閉じている

開いている

総合型専門型

直観

精密

総合型人工知能(汎用人工知能)

問題特化型人工知能

人工知能が解ける問題

閉じている

開いている

総合型専門型

運動、運転、新しい芸術

画像診断、将棋、囲碁、文書整形

直観

精密

閉じている

開いている

総合型専門型

直観

精密

総合型人工知能(汎用人工知能)

問題特化型人工知能

最終的に人工知能がカバーする問題群

閉じている

開いている

総合型専門型

直観

精密

総合型人工知能(汎用人工知能)

問題特化型人工知能

最終的に人工知能がカバーする問題群

人間が得意とする問題群

閉じている

開いている

総合型専門型

直観

精密

総合型人工知能(汎用人工知能)

問題特化型人工知能

最終的に人工知能がカバーする問題群

人間が得意とする問題群

完全なシンギュラリティ

人工知能と社会

ロボット

世代

人口

人工知能

少子高齢化社会ロボットと人工知能で少子高齢化社会を支える

人工知能と社会

ロボット

世代

人口

人工知能

少子高齢化社会ロボットと人工知能で少子高齢化社会を支える

人間と人工知能の関係はどうあるべきか

閉じている

開いている

総合型専門型

直観

精密

総合型人工知能(汎用人工知能)

問題特化型人工知能

西欧的知能感

人間

人工知能

垂直的知能感

人間に似ていれば似ているほど良い。= Human-like AI =単一の軸

命令=サーバント

東洋的知能感

人間人工知能

鹿ゾウリムシ

初音ミク

AIBO たまごっち

水平的知能感

すべてに神が宿る(「八百万の神」世界観)

話者=仲間

デジタルの海

要素を集めて積み重ね、構築的に人工知能を作る = 西欧的人工知能

デジタルの海

人工知能

電子の海から人工知能を見つけ掘り出す= 東洋的人工知能

積み重ねる

掘り出す

掘り出す

積み重ねる

人工知能

本日の講演内容

•第一章 人工知能とは

•第二章 ゲームAIとは

•第三章 プロシージャルとは

•第四章 シンギュラリティとは

•第五章 人工知能の発展の方向とは

第五章人工知能の発展の方向とは

この300年の技術の動向

時間

規模

産業革命

情報革命

ネット革命

知能革命

機械化・自動化(オートメーション化)

電子情報化

オンライン化

知能化

第二次産業革命

電動化

1750 1860 1960 1990 Now…

現代は「知能化」の時代に入りつつある。

人工知能と社会

ロボット

世代

人口

人工知能

少子高齢化社会ロボットと人工知能で少子高齢化社会を支える

エンジニアリングとしての人工知能の二つのアプローチ

人工知能を作る(キャラクターAI、ロボット…)

既にあるものを知能化する(家電、電車、ポスター、なんでも…)

知能化

• 工場 → (知能化) → オートスケジューリング

• 配送 → (知能化) → 自動分配・自動配送

• 車 → (知能化) → 自動走行・ITS

• 家電 → (知能化) → コミュニケーション家電(ルンバなど)

• インターネット → (知能化) → Web.4.0 (GoogleのDeep Learning など)

• TV → (知能化) → キーワード・趣向による自動録画

• 注文サービス → (知能化) → 自動受付・自動サービス

社会の隅々にまで、知的機能がインプリメント(実装)される。

知能化

知能化社会の隅々にまで、知的機能がインプリメント(実装)される。

知能化現実世界(~1995)

現実世界2.0

(2015~)

エンジニアリングとしての人工知能の二つのアプローチ

人工知能を作る(キャラクターAI、ロボット…)

既にあるものを知能化する(家電、電車、ポスター、なんでも…)

いきなり、人工知能を作ることは難しい。まずは「知能化」を考えてみましょう。

http://static.flickr.com/5051/5525304279_65012a492c_s.jpg

?http://flopdesign.com/download/Human_S/pages/B50.ht

ml

人間の知能の形/人工知能の知能の形

人間(生物)の知能=総合的知能一つの知能がいろんなことをできる

お料理できる

将棋が打てる

目的地へ行ける

何でもできる可能性を持つ総合知性

人間の知能の形/人工知能の知能の形

AlphaGO=囲碁しか打てない=人間より強い

ナビ=目的地へのルート=とても正確

お掃除ロボット=お掃除しかできない= 24時間掃除

IBM ワトソン=記号の統計情報しかない=何百万行のテキストの関係を記憶

お料理ロボット=お料理しかできない=何万と言うレシピ

人工知能=専門的知能一つのことしかできない。

人間の知能の形/人工知能の知能の形

お料理ロボット=お料理しかできない

AlphaGO=囲碁しか打てない

ナビ=目的地へのルート

お掃除ロボット=お掃除しかできない

IBM ワトソン=記号の統計情報しかない=何百万行のテキストの関係を記憶

人工知能=専門的知能一つのことしかできない。一つのことがとても(人間より)得意。

時間(イメージ)

空間(論理)

殆どの人工知能は与えられたフレーム(問題設定)の外に出ることはできない。

人間は柔軟にフレーム(問題設定)を創造し変化させることができる。

人間と人工知能の違い

人工知能は自分で問題(フレーム)を作れない。

与えられた問題の中で、人間より賢くなる。

これからの時代に必要な能力=問題を作る能力=人工知能を使役する能力

閉じている

開いている

総合型専門型

直観

精密

総合型人工知能(汎用人工知能)

問題特化型人工知能

フレームが閉じている問題領域

閉じている

開いている

総合型専門型

直観

精密

総合型人工知能(汎用人工知能)

問題特化型人工知能

フレームが閉じている問題領域

フレームが閉じていない問題領域

閉じている

開いている

総合型専門型

直観

精密

総合型人工知能(汎用人工知能)

問題特化型人工知能

閉じている

開いている

総合型専門型

直観

精密

総合型人工知能(汎用人工知能)

問題特化型人工知能

フレームが閉じている問題領域

フレームが閉じていない問題領域

閉じている

開いている

総合型専門型

直観

精密

総合型人工知能(汎用人工知能)

問題特化型人工知能

フレームが閉じている問題領域

フレームが閉じていない問題領域

機械

人間はどのように人工知能を発展させて来たか?

記号

自然言語

概念

人間

AI 意味

言葉

情報

画像

範疇

判別

イメージ

意味

映像

判別

時系列

流れ

意味

Deep Learning

機械

人間はどのように人工知能を発展させて来たか?

記号

自然言語

概念

人間

AI 意味

言葉

情報

画像

範疇

判別

イメージ

意味

映像

判別

時系列

流れ

意味

機械(マシン)が得意なこと(=情報処理、画像処理、映像処理)と、人間が得意なこと(=概念、イメージ、想像)は正反対。

人工知能

人はどのように人工知能を使っているか?

情報の海を母体として、人工知能が育っている。= 情報の海を母体として人工知能が生まれる

人間

記号の海

言葉の海

意味の海

概念の海

情報の海

IT技術による新しい現実空間のサービス(新規)

ネット空間

現実空間

クラウド/人工知能インターネット

進出・浸食

ロボット

実空間センシング

ドローン

IoT

現在起こっていること=実世界思考 ~ネット空間から現実空間への回帰

ローカルなデジタル空間

人工知能

https://www.ingress.com

実世界指向

情報空間の拡大~人工知能の舞台が広がる• やがて街全体を制御する人工知能が出現する。

http://www.s-hoshino.com

情報空間の拡大~人工知能の舞台が広がる• やがて街全体を制御する人工知能が出現する。• やがて家全体を制御する人工知能が出現する。

http://www.s-hoshino.com

これからのゲームの作り方

オープンワールド

プロシージャル(自動生成)

メタAI(自動AI配置、自動ミッション生成)

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