「魔法のスター マジカルエミ 蝉時雨」読解

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マジカルエミ「蝉時雨」2007/12/3

1.夢と魔法

魔法とは何か?

舞にとっての夢

•大人•天才手品師•スター

→ エミ

夢をイレギュラーな方法で叶えるもの = 魔法

舞から見ると、母とトポは同じ夢の領域にある。

母トポ

成長するに従って母(現実)とトポ(魔法)との区別がつくようになる。

→ マジカルエミ全体のテーマ

トポ 母

魔法 現実

2.喪失と未練

蝉時雨の構成

舞が魔法と出会い、やがて離別する、というのがマジカルエミの構成。これは避けられない必然の流れである。

出会い 別れ

蝉時雨の構成

その大きな流れの中の一コマで、偶然(?)、あらゆる要素が暗示的に組み合わさった、というのが蝉時雨に描かれた「日常」である。

出会い 別れ

蝉時雨の一コマ

舞が将から贈り物を受け取る

地面に描いたエミの絵が消える

木から離れた舞と木にとまったトポ

蝉の声が止む

→ 魔法の喪失が暗示される

雨宿りのシーン

ゆき子と喪失

ゆき子は舞と母の中間にいる存在。少女ではないが大人にもなり切れていない。

辻のシーン

ゆき子と舞は同じ道を歩む。ゆき子の麦わらは風に飛ばされる。舞の麦わらは残る。

ゆき子はさらに髪を切ろうとするが、それを思いとどまる

→ 失われるものへの未練

プロデューサーと喪失

プロデューサーは「夢追い人」である。

具現化した「夢」 = エミ

• プロデューサーは3度喪失の場に立ち合う

湯呑み

舞のあやとり

線香花火

あやとりのシーン

サイレンの音は救急車?父子家庭であることと関連?

線香花火のシーン

舞とプロデューサーの前で線香花火が落ちる。

夢を持つ人と夢を追う人の前で、魔法(仮初めの夢)の喪失が暗示される。

プロデューサーは思わずそれを押しとどめようとする。

3.消えたものと残ったもの

爺とオルゴール

最後に、爺が作っていたものがエミのオルゴールであるとわかる。

→ 魔法は失われるが、歌は残る

喪失には寂寥感が伴うが、決してネガティブなことではない。また、魔法そのものが否定されているわけでもない。

舞がエミとして活動したことが• 歌   = オルゴール• 思い出 = アルバム

として残る

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