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社会情報天気図 景気ウオッチャー調査から、 地域の消費者の声を可視化し、景気動向を読む Dual ComBine Analysis By Dual ComBine Analysis for Data Cognitive Browser 2016年4月号 Vol.2 No.4 内閣府2016年4月8日発表データより 2016/4/30 1 Photo by Akiko 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved. Photo by Akiko

連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

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Page 1: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

社会情報天気図 景気ウオッチャー調査から、

地域の消費者の声を可視化し、景気動向を読む

Dual ComBine Analysis

By Dual ComBine Analysis

for Data Cognitive Browser

2016年4月号 Vol.2 No.4 内閣府2016年4月8日発表データより

2016/4/30 1

Photo by Akiko

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Page 2: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

社会情報天気図 ~景気ウオッチャー調査から地域の景気動向を読む~

今月の景気動向は、消費増税効果をいったん脱した昨年4月以来、一貫してダウントレンドを辿っており、景気DIは、変わらずの50ポイントを下回って、ほぼ全地域で45ポイント近くに団子状態となった。

特に、流通御三家ともいうべき百貨店は、“悪い”典型で、いわば氷河期であり、スーパは、“変わらず”の冬眠状態であり、コンビニは、良くも悪くも“何とも言えない” 荒天模様である。

今月も日本人の特有の中庸の“変わらない”選択志向が語る暗黙言語を、いわば簡易型デープラーニングで、読み解いた。つまり潜在的意味空間としての“変わりつつある”ゾーンから割り出されたのは、建設業や設計事務所関係と、通信業関係である。これらは、金利や電力の自由化等政策感度の高まりの結果のように思われる。

いま、金融という通貨に空間と時間の自由度を付与した人工の仕組が、真面目な通貨を出し抜いて暴れ、悪いマイナス金利を生み出している。従来 経済活動の律則は、蓄えが効く物質やエネルギー資源であった。金融という仕組みは、まだそこに基盤が固定されている。

国境や物や通貨などリアルだけに捉われた企業や産業や国家には、将来への展望が見え難いであろう。通貨は、リアルな国や現物にリンクした価値交換の手段であり、その秩序が保たれる限りにおいて、悪貨でも通用する。しかし金融という技術は、別な秩序を求め動き出しているのではないか?

この社会情報天気図は、あくまで最終消費動向の当月のデータに目を向けている。それは人々の抱えるニーズやトレンド、そこから見つけたい潜在的ニーズを含め、消費の全体構造を探る目的もある。マジョリティに隠くされた“変化”というメッセージのゾーンでは、既得権益を壊すわずかな政策変更でも大きな変化の契機となる兆候を垣間見ることができた。氷河期の百貨店や変化ゾーンの構造理解のためのディープラーニングへの挑戦も良いかも知れない。

はじめに

Dual ComBine Analysis

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全国の景気動向まとめ Dual ComBine Analysis

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・景気ウオッチャーの内、現在の消費者の動きを、全国11地域で、2016年3月度の各業種のビジネスの現場が伝えるデータを使用。

基本的には3ヵ月前と比較した景気判断、その理由としての市場動向、さらに追加説明文等の多様な多次元データを、マシンラーニングで情報圧縮し、クラスタ化した.

・現状を理解するため、多くの量的質的属性を組み合わせて、分別し、それらを判別し、組み立てて解釈する、分けて、判断し、解るアプローチを採った。

そして分類されたクラスタのプロフィリングにトライした。

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2016年3月の全国の家計DIマップ

全国のDI

◇ 「景気ウオッチャー調査」の2016年3月時点の“現状の家計動向”

・全国平均は、44.3で前月比+1.10ポイントながら対前年同期比-6.60で、45.ポイントにも届かず“小雨模様”で、昨年8月以来50ポイントを切っている。

・全国11地域中、35-45の“小雨模様”は、南関東、北関東、北陸、および四国と前月の10地域より減ったが、沖縄が曇りに転落した。

・沖縄だけだが50.0ポイントとなり、“曇り”で“変わらない”と判定。

・過去1年間の平均値では、全国で48.1ポイントで、前年同期比で3.5ポイント上回っているが、増税後の回復から下降に向かっている。

北海道I:45.1(+1.00)

(全国平均+0.80)

南関東I:41.8(+.030)

(全国平均-2.50)

東北DI:46.6 (+4.90)

(全国平均+2.30)

北関東I:43.0(+3.20)

(全国平均-1.30)

四国DI:44.1(+4.70)

(全国平均-0.20)

九州:45.7(+0.50)

(全国平均+1.40)

東海DI:45.4(+1.40)

(全国平均+1.10)

沖縄DI:45.7(-4.30)

(全国平均+1.40)

近畿DI:42.4(-2.00)

(全国平均-1.90)

中国DI:46.8(+2.00)

(全国平均+2.50)

北陸I:44.0(-0.90)

(全国平均-0.30)

全国家計“変わらない”

DI:44.3 (同月比+1.10)

65以上 良くなっている(快晴)

55~65 やや良くなっている(晴れ)

45~55 変わらない(曇り)

35~45 やや悪くなっている(小雨)

35未満 悪くなっている(大雨)

Dual ComBine Analysis

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“景気ウオッチャー調査”の定義、凡例

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地域DI:50.0以上

(全国平均比)

地域DI:50.0未満

(全国平均比)

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全国

北海道

東北

北関東

南関東

東海

北陸

家計関連動向DIの地域別推移(1/2) Dual ComBine Analysis

地域別DIの推移

◆家計関連動向DIの3年間の東日本の推移

◇全国平均は、44.3で前月比+1.10ポイントながら対前年同期比-6.60で、昨年8月以来50ポイントを切っている。

・消費税ショック時の2014年4月から約1年間沈んでいた。1年後の4月に持ち直したが、その後のダウントレンドは変わらない。

・東海を含む東日本では、北海道以外全地域で昨10月以来50ポイントを切り、ダウントレンドは変わらず、全地域で45.ポイントゾーンに集中した団子状態である。

・東関東では2014年11月に、消費増税後と同程度の落ち込み現象があるが、通貨かマネタリーベースの変動か原因は不明。

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2014年4月消費税8%実施

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・マネタリー残の増加率▽40%?

・元の切り下げ?

・消費税見送り効果?

消費税効果

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全国

近畿

中国

四国

九州

沖縄

家計関連動向DIの地域別推移(2/2) Dual ComBine Analysis

地域別DIの推

◆家計関連動向DIの3年間の西日本の推移

◇全国平均は、44.3で前月比+1.10ポイントながら対前年同期比-6.60で、 、昨年8月以来50ポイントを切っている。

・消費税ショック時の2014年4月から約1年間沈みこみ昨年4月にいったん持ち直した。しかし再びダウントレンドとなっている。

・近畿以西でも、先月辛うじて50.0だった沖縄も含め、東日本と同様、45ポイントゾーンに固まった。

・沖縄と四国は、サンプルサイズが小さいためバラツクが、今月は全国と同様に低い水準となり、ダウントレンドに重なっている。

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2014年4月消費税8%実施

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消費税効果

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◆ 「景気ウオッチャー調査」の2016年3月の“現状の家計動向”

◇全国平均は、44.3で前月比+1.10ポイントながら対前年同期比-6.60で、昨年8月以来50ポイントを切っている。

・全国平均の過去1年間平均は48.1ポイントで、前年同期比+3.5ポイントではあるが、消費税効果のダメージから抜けられない.

・地域別の過去1年間平均は、前年同期比は全地域プラスで、特に北海道、北陸、沖縄の順で回復度が高く共に50を超えている。

景気ウオッチャーのDI

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Dual ComBine Analysis

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「景気ウオッチャー調査」のデータ

全国 北海道 東北 北関東 南関東 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄

2013年3月 56.9 55.7 53.6 53.8 58.3 55.8 58.5 62.6 57.9 54.4 55.5 56.5

2013年4月 55.5 54.7 52.6 53.4 57.2 55.9 57.3 59.6 54.4 54.5 53.7 54.62013年5月 54.4 51.9 52.1 55.4 55.3 50.7 56.7 58.8 53.4 51.2 55.5 55.62013年6月 52.2 58.6 51.0 50.4 53.6 48.5 54.1 55.0 52.2 50.0 50.0 52.92013年7月 50.6 56.9 47.6 47.6 51.4 50.5 49.6 52.0 51.7 50.0 49.6 52.92013年8月 49.3 54.9 48.4 46.0 49.2 50.2 47.4 48.8 47.9 50.8 49.0 62.02013年9月 50.6 52.8 47.6 47.1 52.9 49.5 50.0 53.0 49.8 49.2 50.8 58.02013年10月 49.2 52.2 45.4 46.5 49.2 49.5 50.0 50.4 50.9 46.8 50.4 54.82013年11月 51.3 50.0 48.4 49.1 50.0 53.9 50.4 54.6 52.5 51.2 51.5 49.12013年12月 53.1 53.5 49.1 51.7 53.8 56.6 52.2 54.1 53.7 54.4 51.8 48.02014年1月 52.2 51.9 48.3 50.4 54.3 54.3 49.6 53.7 53.8 50.0 52.7 50.02014年2月 50.2 55.3 45.9 41.3 47.8 53.1 52.2 53.4 53.2 52.5 50.4 55.8

2014年3月 57.0 52.6 55.4 53.7 59.5 55.7 52.9 60.1 57.4 62.3 57.0 60.6

2014年4月 37.2 37.3 35.9 34.7 40.5 38.7 36.8 40.4 32.7 29.1 36.4 41.72014年5月 42.1 38.8 37.8 43.4 45.5 40.8 44.6 43.1 40.1 43.7 41.7 48.12014年6月 45.1 46.5 43.5 43.9 46.8 44.7 43.9 46.8 43.3 45.6 44.4 50.02014年7月 49.4 49.1 49.8 48.7 50.1 47.9 48.2 50.3 49.8 49.6 46.5 61.62014年8月 45.8 46.7 44.8 46.2 45.4 47.2 46.0 49.9 43.6 43.6 42.0 47.22014年9月 46.7 45.7 46.2 44.7 46.4 47.7 43.7 50.2 44.8 46.5 47.7 48.12014年10月 42.3 41.3 40.2 39.7 39.4 42.3 46.0 45.9 41.7 41.5 44.8 50.02014年11月 39.5 33.7 38.6 35.7 36.1 39.5 39.6 43.2 41.7 43.6 43.0 43.52014年12月 44.2 39.5 41.3 40.1 45.9 45.1 43.0 48.2 43.1 41.8 47.2 47.92015年1月 43.9 46.3 42.5 41.2 43.6 45.4 45.1 47.4 41.0 44.6 42.0 45.42015年2月 48.4 48.7 46.0 44.6 49.6 47.2 50.8 52.3 46.8 49.6 47.8 51.0

2015年3月 50.9 51.9 49.1 47.1 50.0 48.0 56.3 54.1 50.9 49.6 53.8 50.0

2015年4月 53.2 55.8 51.6 51.1 53.1 51.5 59.3 55.0 51.6 49.6 55.0 51.92015年5月 53.6 53.2 53.0 50.4 55.4 53.2 59.3 53.4 53.6 50.4 52.9 55.82015年6月 50.4 53.2 48.6 47.4 51.9 48.8 51.5 53.6 49.6 49.6 48.8 53.72015年7月 50.8 55.6 48.7 47.7 49.9 50.5 51.5 51.2 50.9 52.2 52.3 55.02015年8月 48.8 52.0 46.2 45.0 48.4 49.2 53.3 50.4 48.7 46.9 48.3 57.02015年9月 47.0 49.1 45.6 42.5 45.5 44.7 50.8 50.8 45.4 46.6 48.6 59.32015年10月 48.1 46.2 44.9 47.1 48.4 48.8 47.4 49.5 48.7 45.7 49.8 56.02015年11月 44.4 44.6 42.3 42.7 44.1 45.8 47.4 44.2 48.3 40.9 42.7 48.12015年12月 47.7 51.0 45.7 43.8 49.1 47.7 47.1 45.7 52.4 46.9 48.4 46.92016年1月 45.6 51.6 47.3 43.8 43.7 45.4 46.7 46.8 48.7 35.6 43.8 51.92016年2月 43.2 44.1 41.7 39.8 41.5 44.0 44.9 44.4 44.8 39.4 45.2 50.0

2016年3月 44.3 45.1 46.6 43.0 41.8 45.4 44.0 42.4 46.8 44.1 45.7 45.7

年平均 48.1 50.1 46.9 45.4 47.7 47.9 50.3 49.0 49.1 45.7 48.5 52.6

前年の年平均 44.6 43.8 43.0 42.5 44.9 44.5 45.3 47.7 43.3 44.1 44.8 48.7

対前年平均比 1.08 1.14 1.09 1.07 1.06 1.08 1.11 1.03 1.13 1.04 1.08 1.08

対前年同期比 -6.60 -6.80 -2.50 -4.10 -8.20 -2.60 -12.30 -11.70 -4.10 -5.50 -8.10 -4.30

対前月比 1.10 1.00 4.90 3.20 0.30 1.40 -0.90 -2.00 2.00 4.70 0.50 -4.30

対全国比 0.00 0.80 2.30 -1.30 -2.50 1.10 -0.30 -1.90 2.50 -0.20 1.40 1.40

ヒートマップから

・消費増税ダメージを脱した昨年4月は、北海道と沖縄によるインバウンド効果も貢献していた。

・また北陸新幹線効果も重なっていたとも言えよう。

・とはいえ、それらの地域を除いた地域でもほぼ50ポイント以上だったのが、今月は、全地域で45ポイントとなっている。

Page 8: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

全国の景気動向まとめ Dual ComBine Analysis

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・家計動向に関する景気ウオッチャーのクラスタリング

今回は、2016年3月の単月データで、景気動向判断DIと、その地域要因、業種要因、市場要因、およびDIの説明文等の5要因の総合相関関係(連環性)で5クラスタに分類

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Page 9: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

何とも言えないCL.3

変らずCL.4

悪い、やや悪CL5

変わるCL.2

良い、やや良CL.1

クラスタ別特徴

◆景気動向とその構成要因:(1/6)・・・3月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・日本の2016年3月の景気動向を、消費者の現場のビジネスに従事している11地域の825人が良くなっているから悪くなっている等5段階で判断したオーディナル・データと、その説明文章のノミナル・データをマシンラーニングで統合解析し5クラスタに分類した。

・個別のデータは、地域、景気判断DI、業種、市場要因の4要員、および説明のキーワード属性の5枚のクロス表を統合し解析した。

・左上方向が「悪い」で、右下に「良い」の景気軸。左下が「不変」で、右上が「変化」の変化軸の構成マップが出現した。

景気動向の構成要因 Dual ComBine Analysis

2016/4/30 9 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

景気ウオッチャーを5クラスタに類型化

5つのクラスタと空間構成

・ウオッチャーの地域別、業種別、市場因子別、景気DI別、およびその説明文等の変数の統合的相関性(連環性)を知るため、次元圧縮して俯瞰マップ化。5つにクラスタリング。

・結果主要なクラスタがDIと相関を持って現れた。

・CL.1.「良い、やや良くなっている」

・CL.2.「変わる」

・CL.3.「何とも言えない」

・CL.4.「変わらない」

・CL.5.「悪い、やや悪くなっている」

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クラスタ別特徴

◆景気動向とその構成要因:(2/6)・・・ 3月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・「良い、やや良CL.1」に、東海、北海道、沖縄がある。ただ沖縄はサンプル数が少ないためか特徴はややあいまい。

・「悪くなったCL.5」の近くに、近畿がポジショニングされる。四国も同じだがサンプル数が小さいので、あいまい。

・「変らずCL.4」に九州、北陸もあるが特徴は強くは無い。「何とも言えないCL.3」に東北、中国がある。

・「変わるCL.2」には南関東と北関東がある。南関東は悪い方向に近いが、北関東は良い方向に近い。

景気動向の構成要因 Dual ComBine Analysis

「景気動向DI+地域因子」

2016/4/30 10 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップに、地域を布置。

・マジョリティは、「悪い、やや悪CL5」と「変らずCL.4」の共に20%で計40%を占める、寒いゾーンである。

・マイノリティは、「良い方向への」可能性を持った「何とも言えないCL.3」の19%と、 「良い悪い」の両方向への変わる[可能性を持った「変わるCL.2」の17%の変化ポジションである。

・マジョリティの反対側に、北海道と沖縄に加えて東海があり、北陸が消えた。

クラスタ ウオッチャー %

CL1 194 23.5CL2 139 16.8CL3 157 19.0CL4 165 20.0CL5 170 20.6

合計 825 100.0

何とも言えないCL.3

変らずCL.4

悪い、やや悪CL5

変わるCL.2

良い、やや良CL.1

Page 11: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

◆景気動向とその構成要因:(3/6)・・・ 3月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・景気ウオッチャーの業種を、景気マップに布置し、景気の良否や変化の動静を見る.「良い、やや良CL.1」に、旅行行楽観光と、書籍文具紙CDビデオが現れた。

・「悪い、やや悪CL5」は百貨店が際立っており食品飲料販売。「変らずCL.4」はスーパ、ショッピングセンターと乗用車販売関係も。

・ マイノリティの「何とも言えないCL.3」は、ホテル宿泊コンビニ、飲食サービス。

・「変わるCL.2」は、住宅関連家具、通信ECサービス等がある。

Dual ComBine Analysis

11

クラスタ別特徴

2016/4/30 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

「景気動向DI+業種因子」

景気動向の構成要因

5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、業種別アイテムを布置。

・悪い方向に、百貨店(前回からスーパと分離した)が突出した氷河期、スーパは「変わらない」方向で塩付期。

・変化軸方向には、住宅関連家具、通信ECサービスがあるが、前者はマイナス金利、後者は料金規制等、政策感度が高くなっているように思われる。

・「良い、やや良CL.1」に、旅行行楽観光と、書籍文具紙CDビデオ等が現れたが、期末や新学期効果か?

何とも言えないCL.3

変らずCL.4

悪い、やや悪CL5 変わるCL.2

良い、やや良CL.1

Page 12: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

◆景気動向とその構成要因:(4/6)・・・ 3月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の景気動向に、市場要因として、“市場の動き”を重ねて、それらの関係性を見る.

・「悪い、やや悪CL5」は販売量の動きがあり、その他競争相手の様子がある。「変らずCL.4」には単価の動きがある。

・「何とも言えないCL.3」は、来客数の動きがある。

・変化軸の変化の方向には、お客様の動きがある。

Dual ComBine Analysis

12

クラスタ別特徴

2016/4/30 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

景気動向の構成要因

「景気動向DI+市場因子」

5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、市場因子アイテムを布置。

・マジョリティの「悪い」方向には、販売量の動きがあるのは当然だが、その他競争相手の様子もあり、流通業態の変化もありそう。

・変化軸の、変わらない方向には、単価の動きがあり当然だが、逆に変化の方向には、お客様の様子があり、その現象や原因に興味がある。

・来客数の動きは、良い軸と相関があり、景気の良否は、これこそがポイントであろう。

何とも言えないCL.3

変らずCL.4

悪い、やや悪CL5

変わるCL.2

良い、やや良CL.1

Page 13: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

◆景気動向の構成要因:(5/6)・・・ 3月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の月別景気動向に、地域、業種と市場の各因子を重ねて、それらの綜合的関係性(連環性)を代表する具体像を抽出する。

・「良い、やや良CL.1」は、北海道で、旅行行楽関係の、来客数の動きが良くなっている。

・対照的に「悪い、やや悪CL5」は、近畿、百貨店の食品飲料販売関係で、その他競争相手の様子もあり、芳しくない。

・「変らずCL.4」は九州のスーパの単価の動きである。・「何とも言えないCL.3」では、東北のホテル宿泊の来客数の動きである。

Dual ComBine Analysis

13

クラスタ別特徴

2016/4/30 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

「景気動向DI+地域因子+業種因子+

市場因子」

景気動向の構成要因

5つのクラスタと空間構成

・景気要因DIと構成軸からなる俯瞰マップ上に、地域因子、業種因子、市場因子を布置。

・変化軸と相関が高い南関東では、住宅関連と通信ECサービスの、お客様の様子との相関が高い。日本の停滞感の中、マイナス金利やモバイル料金規制等の景気への政策感度が高まっている可能性がある。

・「何とも言えない」方向には、東北や中国等のホテル宿泊旅行等の来客数の動きもあり、インバウンド効果の増減が良し悪しの決め手になっているように思われる。

何とも言えないCL.3

変らずCL.4

悪い、やや悪CL5

変わるCL.2

良い、やや良CL.1

Page 14: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

◆景気動向の構成要因:(6/6)・・・ 3月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の月別景気動向に、景気ウオッチャーの説明文のキーワードを布置し、景気動向の内容を見る.

・「良い」方向には、“台湾”、“韓国”、“団体客” 、“歓送迎会” 、“伊勢志摩”、“サミット”等がある。

・逆に「悪い」方向には、“高額”、“婦人”、 “衣料”、“化粧品”、“春物” 、“食品”、“気温”、“厳しい”等がある。

Dual ComBine Analysis

14

クラスタ別特

2016/4/30 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

景気動向の構成要因

「景気動向DI+キーワード

何とも言えないCL.3 変らずCL.4

悪い、やや悪CL5 変わるCL.2

良い、やや良CL.1

5つのクラスタと空間構成

・景気要因DIと構成軸からなる俯瞰マップ上に、キーワードを布置。

・悪い方向軸には、春物の婦人服や化粧品などと国内の消費パワーの衰えが感じられる。

・良い方向軸には、韓国、台湾、団体客、伊勢志摩サミット等の海外からのインバウンド効果が感じれれる。

・不変方向軸には、“客単価”、“買い上げ点数”、“前年並み”、“値上げ”等があるが、商品や顧客層の属性が乏しい。

・変化方向軸には、“深夜”、“将来”、“新規”、“物件”等特徴的な言葉があるが、文脈は定かではない。

Page 15: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

景気動向ペルソナ抽出 Dual ComBine Analysis

2016/4/30 15 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

・家計動向DIの5ランク判断のペルソナ分析

今回は、2016年3月の単月データについて、1)景気動向判断DIと、 2)地域要因、3)業種要因、4)市場要因、および、5)DIの説明文等の5要因の総合相関関係(連環性)を、マシーンラーニングによる情報圧縮法で、意味空間座標を造り、景気DI

動向をクラスタリングし、それらの典型的な事象を抽出した。

日本人特有の中庸選択志向から、“変わらない”反応が多いが、その暗黙的表現をいわば簡易型ディープラーニングで、“変化の要因”の読み取りに挑戦して見よう。

Page 16: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

Dual ComBine Analysis

◆ “良い、やや良CL.1“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・「良い、やや良CL.1」のDIは、“良くなっている”、“やや良くなっている”クラスタで、地域は北関東と南関東。

・業種としては、タクシーの運転手、住宅販売、設計事務所、旅行代理店などで、市場要因は、お客様の様子である。

・典型的なペルソナは、北関東のタクシーの運転手で、“3月は送別会等で動く時期である。ここ数年あまり良くないが、今年も送別会は少ないようで、一次会で解散し、深夜には客がいない。それでも、週末は多少動きが出ている。

16 2016/4/30

“良い、やや良CL.1“のペルソナ

良い、やや良CL.1

“良い、やや良

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特異事象は、北関東と南関東の住宅販売や設計事務所で、モデルルームへの来訪や大型物件の動きが始まっている。

キーワード

多く来訪多少増え利用気分旅行早く

高まっ驚い金会

内容時期良く

送別会桜

深夜相当物件客

始め

1 北関東 やや良く なっている タクシー運転手 お客様の様子

・3月は送別会等で動く時期である。ここ数年あまり良くないが、今年も送別会は少ないようで、一次会で解散し、深夜には客がいない。それでも、週末は多少動きが出ている。

2 北海道 やや良く なっている 住宅販売会社(役員) お客様の様子・分譲マンションのモデルルームへ来訪する客の購入意欲が高まっており、マンションの購入を決断するまでに要する時間が短くなってきている。

3 南関東 やや良く なっている タクシー運転手 お客様の様子

・桜も早く咲き始め、深夜のタクシー利用客も多少増え、高速道を使うチケット客も多くなっている。前月の景気が悪かったためか、少し良くなったことで気分的に楽に運転できている。

4 南関東 やや良く なっている 旅行代理店(営業担当) お客様の様子・円高の影響により若干、旅行内容のグレードが高まっている。

5 南関東 やや良く なっている ゴルフ場(経営者) お客様の様子 ・客の会話を聞いていると、忙しいという客が多い。

6 南関東 良く なっている 設計事務所(経営者) お客様の様子

・取引先で新たに大型物件が動き始め、それに参画するよう要請がきている。先方から期待されていることに大きく変わりはないが、今までとは違う部署からの要請であり、正直なところ驚いている。

7 南関東 やや悪く なっている 住宅販売会社(経営者) お客様の様子

・前月と同じ回答になるが、当社は住宅を主に扱う不動産デベロッパー業と総合建設業だが、一昨年4月の消費税増税以降、全く販売量が伸びていない。客の所得が増えていないところに、増税と物価上昇などで、将来に不安を持っているため、住宅ローンをやがて支払えなくなるのではないかと心配しているようである。一方、総合建設業の方では、公共工事はたくさんあるが、工事原価が上昇しているため、赤字になってしまうこともよくある。

8 南関東 やや悪く なっている 設計事務所(所長) お客様の様子・継続物件をこなしてはいるが、手間の掛かるものが増え、収支のバランスが取れなくなってきている。

9 南関東 やや悪く なっている タクシー運転手 お客様の様子

・都内中心部の大企業の深夜残業が減っているため、非常に困っている。最近、深夜にタクシーに乗車するのは、大きな法律事務所の先生方やコンサルタント会社の方になってきている。

10 南関東 やや悪く なっている 家電量販店(店員) お客様の様子

・客の動きを見ると、購買需要が少なくなってきている。家電量販店は3月のシングル需要がどう動くかだが、リサイクルを利用し低予算で済ますという市場の動きも出ている現状では、新規購入は難しい。

Page 17: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

Dual ComBine Analysis

◆ “変らるCL.2のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“変わるCL.2”の地域は南関東で、DIは“やや悪くなっている”クラスタ。

・業種としては、住宅販、設計事務所、通信会社等で、市場因子は“お客様の様子”である。

・ペルソナは、南関東の設計事務所で、DIは“やや悪くなっている”とし、理由は“継続物件をこなしてはいるが、手間の掛かるものが増え、収支のバランスが取れなくなってきている。”としている。

17 2016/4/30

“変らずCL.2“のペルソナ

“変わるCL.2

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変わるCL.2 住宅販売や設計事務所等がやや悪くなっているとはいえ公共工事や物件の動きなどもあり、通信会社では電力の小売による動きもある。

1 南関東 やや悪く なっている 住宅販売会社(経営者) お客様の様子

・前月と同じ回答になるが、当社は住宅を主に扱う不動産デベロッパー業と総合建設業だが、一昨年4月の消費税増税以降、全く販売量が伸びていない。客の所得が増えていないところに、増税と物価上昇などで、将来に不安を持っているため、住宅ローンをやがて支払えなくなるのではないかと心配しているようである。一方、総合建設業の方では、公共工事はたくさんあるが、工事原価が上昇しているため、赤字になってしまうこともよくある。

2 南関東 やや悪く なっている 設計事務所(所長) お客様の様子・継続物件をこなしてはいるが、手間の掛かるものが増え、収支のバランスが取れなくなってきている。

3 南関東 やや悪く なっている タクシー運転手 お客様の様子・都内中心部の大企業の深夜残業が減っているため、非常に困っている。最近、深夜にタクシーに乗車するのは、大きな法律事務所の先生方やコンサルタント会社の方になってきている。

4 南関東 やや悪く なっている 家電量販店(店員) お客様の様子・客の動きを見ると、購買需要が少なくなってきている。家電量販店は3月のシングル需要がどう動くかだが、リサイクルを利用し低予算で済ますという市場の動きも出ている現状では、新規購入は難しい。

5 南関東 やや悪く なっている その他サービス[学習塾](経営者)お客様の様子 ・実際に、客からやや悪くなるといった声があった。

6 南関東 良く なっている 設計事務所(経営者) お客様の様子・取引先で新たに大型物件が動き始め、それに参画するよう要請がきている。先方から期待されていることに大きく変わりはないが、今までとは違う部署からの要請であり、正直なところ驚いている。

7 南関東 やや悪く なっている 通信会社(営業担当) お客様の様子 ・新規加入、コース変更共に、下位コースを選択する傾向が強い。

8 南関東 やや悪く なっている 設計事務所(経営者) それ以外

・年度末ということで、各企業とも、残っている仕事を片付け、締切に入っている。従って、当社の仕事も民間事業はなかなか折衝しにくく、動きづらくなっている。行政の方は、ほとんど締めはなく、4月に入ると各自治体は入札が始まる。当社では大体6割強、公共の設計監理をしているため、行政案件も並行して動いてしまい、8~12月までは大変忙しく、3月を越えるころにはまた仕事がなくなるという、大きな波がある。

9 南関東 やや悪く なっている 設計事務所(所長) 競争相手の様子・非常に新築物件が少ない。地域差が非常に広がり、仕事量も非常に少ないというのが現状である。

10 南関東 やや良く なっている 通信会社(管理担当) お客様の様子・薄利ながら、電力小売自由化による売上増、解約減の効果が出ているように感じている。3月以降、競合他社からの切替など、動きが出ている。

キーワード

方出しまう難しい客減っ始め動く将来深夜仕事量新規物件消費タクシー公共仕事住宅ローン行政悪く悪工事感じ驚い

Page 18: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

Dual ComBine Analysis

◆ “何とも言えないCL.3“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“何とも言えないCL.3”は、DIは“変わらない”クラスタで、地域は、東北、中国である。

・業種としては、コンビニ、スーパ、都市型ホテルなどで、市場因子は“来客数の動き”である。

・ペルソナは、“宿泊はインバウンドが好調に推移しているが、団体客は伸び悩み個人客が増加している。宴会は件数が前年並みであるが、客数が減少している。レストランは各店舗ともに来客数、売上が減少している。”

18 2016/4/30

“何とも言えないCL.3“のペルソナ

“何とも言えないCL.3“

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何とも言えないCL.3

東北と中国とも“来客の動き”次第で、“何とも言えない”状況で、前者ではスーパ、コンビニでの増減があり、後者では都市型ホテルでインバウンド効果もあるが、売上には微妙。

キーワード

来客数宿泊個人客たばこ客数既存店そのまま変化値上げ客単価補っ変わら微減伸び悩ん単価宴会団体客買上点数推移増加前年並み迎経過歓送つながっ

地域 DI 業種 市場 理由

1 東北 変わらない コンビニ(エリア担当) 来客数の動き ・来客数は前年比100%を堅持している。

2 東北 変わらない コンビニ(経営者) 来客数の動き・来客数は2%増加しているものの、単価は低下しており、全体としてぎりぎり100%を維持している状態である。

3 中国 変わらない 都市型ホテル(企画担当) 来客数の動き・宿泊はインバウンドが好調に推移しているが、団体客は伸び悩み個人客が増加している。宴会は件数が前年並みであるが、客数が減少している。レストランは各店舗ともに来客数、売上が減少している。

4 中国 変わらない 都市型ホテル(スタッフ) 来客数の動き・歓送迎会時期であるが来客数はあまり増えず、単価で補っている状態であり、前年並みである。

5 中国 変わらない スーパー(総務担当) 来客数の動き・客単価は前年よりやや上向きで推移しているが、来客数が伸び悩んでいる。

6 中国 変わらない スーパー(管理担当) 来客数の動き ・来客数、客単価ともに大きな変化はみられない。

7 東北 変わらない スーパー(経営者) 来客数の動き ・既存店の来客数、単価共に堅調に推移している。

8 東北 変わらない スーパー(総務担当) 来客数の動き・来客数が増加しており、それに伴い買上点数も増えている。しかし、1品単価が下がった分、客単価が低下している。

9 東北 変わらない コンビニ(経営者) 来客数の動き

・来客数の減少が全体の数字に影響しているが、前年から落ち込んでいる来客数は、回復する兆しのないままで推移している。また、たばこについても前年から一貫して販売量が減少しており、そのマイナス分がそのまま売上の減少につながっている。当店の全体的な売上に対してたばこが占める割合は18%のため、かなりの影響となっている。

10 東北 変わらない 一般レストラン(経営者) 来客数の動き・商品の値上げをしてから1年が経過したが、来客数は相変わらず前年を下回ったままである。

Page 19: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

Dual ComBine Analysis

◆ “変わらずCL.4“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“変わらずCL.4”のDIは“変わらない”クラスタで、地域は、ほぼ全国に広がっている。

・業種としては、スーパで、市場因子は“販売量の動き”、“単価の動き”もあるが“来客数の動き”が目立つ。

・ペルソナは、東北のスーパ、DIは“変わらない”で、理由は“3月は1品平均単価、来客数共に前年並みで推移しており、買上点数は前年を若干上回っている。しかし、傾向的には改善を実感できるほどではない。”市場要因は“単価の動き”としている。

19 2016/4/30

“悪くなったCL.4“のペルソナ

“悪くなったCL.4“

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変わらずCL.4 日本のマジョリティを占める“変わらない”DIの代表業種は、全国的にスーパであり、その市場要因として単価や買い上げ点数の変動もあるが主要因を「来客数」としている。

地域 DI 業種 市場 理由

1 北陸 変わらない スーパー(店舗管理) 販売量の動き・客単価上昇による売上形成になっている。来客数は前年並みの推移であるが、1人当たり点数が落ちており、単価増で推移している状況である。

2 東北 変わらない スーパー(経営者) 単価の動き・3月は1品平均単価、来客数共に前年並みで推移しており、買上点数は前年を若干上回っている。しかし、傾向的には改善を実感できるほどではない。

3 四国 変わらない スーパー(企画担当) 来客数の動き

・来店客数はほぼ前年並みで推移しているが、客単価が若干下がっているため売上高は前年比で厳しい状況になっている。原料高騰による値上げから1年経っていないため、買い控えなどが見られる。

4 中国 変わらない スーパー(総務担当) 来客数の動き・客単価は前年よりやや上向きで推移しているが、来客数が伸び悩んでいる。

5 東北 変わらない スーパー(経営者) 来客数の動き ・既存店の来客数、単価共に堅調に推移している。

6 東海 変わらない スーパー(商品開発担当) 来客数の動き・来客数は前年同期の97.8%と、依然として苦しい状況が続いている。客単価は、前年比102%と好調を維持しているため、来客数をどう伸ばすかが重要である。

7 中国 変わらない スーパー(管理担当) 来客数の動き ・来客数、客単価ともに大きな変化はみられない。

8 東北 変わらない スーパー(総務担当) 来客数の動き・来客数が増加しており、それに伴い買上点数も増えている。しかし、1品単価が下がった分、客単価が低下している。

9 北海道 変わらない スーパー(役員) 来客数の動き・商品単価の上昇が落ち着き、客1人当たりの買上点数が前年比100%を若干オーバーしている。客単価も前年を2%前後上回って推移しているが、来客数がやや低下している。

10 中国 変わらない 都市型ホテル(企画担当) 来客数の動き

・宿泊はインバウンドが好調に推移しているが、団体客は伸び悩み個人客が増加している。宴会は件数が前年並みであるが、客数が減少している。レストランは各店舗ともに来客数、売上が減少している。

キーワード

前年並み比推移買上点数改善大きな客単価売上点数単価平均維持堅調値上げ変化状況当たり伸び悩ん続い好調傾向伸び依然として前後客数

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Dual ComBine Analysis

◆ “悪い、やや悪CL5“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“悪い、やや悪CL5.”ののDIは、 “やや悪くなっている”で、地域は、近畿、南関東など。

・業種としては、典型的に百貨店で、市場因子は“お客様の様子”と“販売量の動き”である。いわば百貨店は氷河期である。

・ペルソナは、近畿の百貨店“やや悪くなっている”で、“今月のインバウンドによる売上は前年比で6%減となる見通し。化粧品は前年を大きく上回っているものの、特選ブランド品や時計などの高額品の売上減少が顕著で、昨年に大きく増えた反動が出ている。”

20 2016/4/30

“悪い、やや悪CL5“のペルソナ

“やや悪CL

5“

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悪い、やや悪CL5 百貨店は、食料品等一部を除き、婦人服や化粧品など、主要な顧客層の様子や高級品などへの支出減が厳しく、傾向的に“やや悪くなっている”という氷河期状態。

地域 DI 業種 市場 理由

1 近畿 やや悪く なっている 百貨店(服飾品担当) お客様の様子

・春物商品の出足は悪くなかったものの、3週目の気温の低下とともに来店動機が減り、やや下降気味である。一方、化粧品の売上は前年比で2けた成長と好調に推移し、春の化粧品や国産ブランドを中心としたスキンケア商材の動きも順調である。ただし、ラグジュアリー商品では好調が続いているものの、婦人服や婦人靴が前年を下回り、顧客の買い控えが感じられる。また、バーゲンから定価販売に切り替わったが、新しい商材への関心がみられず、通年で使えるような商材を中心とした買い方が店頭で目立つ。金利、株価などの先行きの不透明さも、客の財布のひもを固くしていると感じる。

2 近畿 やや悪く なっている 百貨店(売場主任) お客様の様子

・今月の売上は目標を下回る見込みである。中盤以降は回復したが、特に前半が厳しい状況であった。前年は店のオープン1周年であったため、その集客増の反動もあるが、国内客による商品の購入には慎重さが増している。バーゲン自体の動きも良くないことから、価格の問題ではなく、購入自体を抑える傾向となっている。

3 近畿 やや悪く なっている 百貨店(企画担当) お客様の様子・今月のインバウンドによる売上は前年比で6%減となる見通し。化粧品は前年を大きく上回っているものの、特選ブランド品や時計などの高額品の売上減少が顕著で、昨年に大きく増えた反動が出ている。

4 近畿 やや悪く なっている 百貨店(営業企画) お客様の様子・今必要な物を、必要な量だけ買うような、生活防衛や節約志向の意識を感じる。比較的食料品が堅調である点も、消費マインドの冷え込みの影響だと感じる。

5 南関東 やや悪く なっている 百貨店(営業担当) 販売量の動き・服飾雑貨、食料品は比較的堅調な動きを見せているものの、婦人、紳士アパレルの動きは非常に厳しい。服飾雑貨はインバウンド需要に支えられている状況であり、3月に入り国内需要は伸び悩みがみられる。

6 北関東 やや悪く なっている 百貨店(販売促進担当) 販売量の動き・婦人服を中心としたアパレル全般の不調が継続している。大型食品物産展など、好調に推移しているカテゴリーもあるが、アパレルのマイナス分をカバーするには至っていない。

7 北陸 やや悪く なっている 百貨店(売場主任) 販売量の動き

・例年、3月はお祝いや内祝などのギフト、ファッション関連の買換え、新生活準備品などの自家需要が活発に動くなど、購買モチベーションが高い時期である。しかし、本年は春物のファッション関連が苦戦している。特に消費をけん引してきた富裕層の買上が鈍い。

8 近畿 やや悪く なっている 百貨店(営業担当) 競争相手の様子・海外の高級ブランド品メーカーや、ほかの百貨店からのイベントや催しの案内が強烈であり、少ない顧客の取り合いが激しくなってきている。

9 近畿 やや悪く なっている 百貨店(外商担当) 販売量の動き・寒い日が続くなどの天候不順により、春物の婦人服の売上が低調である。インバウンド売上も、従来は好調であった高級時計や宝飾品の動きに、以前ほどの勢いがなくなってきている。

10 南関東 やや悪く なっている 百貨店(店長) 販売量の動き・社会の不透明さが増していることに加えて、天候、特に気温が不安定だったことが、春物の衣料を中心に動かない要因と考えている。

キーワード

服婦人春物気温比較的厳しい動き高級服飾雑貨化粧品物紳士宝飾時計定価顧客先行き食料富裕回り品中心衣料支え百貨店以前鈍いオープンモチベーション展国内需要自家需要動かギフト高額固く

Page 21: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

入力データと構成 Dual ComBine Analysis

2016/4/30 21 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

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全国の景気動向の政府の見解 Dual ComBine Analysis

◆今月の内閣府の見解

・内閣府は、“3月の現状判断DIは、前月比0.8ポイント上昇の45.4となった。家計動向関連DIは、サービス関連などが上昇したこと等から上昇した。”としている。

先月は、 “家計動向関連DIは、小売関連などが低下したこと等から低下した。”としていたので、上昇の説明となった。

•“今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、消費動向等への懸念により、このところ弱さがみられる。”

2016/4/30 22

内閣府の見解

平成27年3月調査結果(抜粋):景気ウォッチャー調査

3月の現状判断DIは、前月比0.8ポイント上昇の45.4となった。

家計動向関連DIは、サービス関連などが上昇したこと等から上昇した。企業動向関連DIは、製造業等が上昇したことから上昇した。雇用関連DIは、低下した。

3月の先行き判断DIは、前月比1.5ポイント低下の46.7となった。

雇用関連DIは上昇した一方で、家計動向関連DI及び企業動向関連DIは低下した。

なお、季節調整値でみると、現状判断DIは前月比3.0ポイント低下の41.6となり、先行き判断DIは前月比0.4ポイント低下の45.3となった。

今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、消費動向等への懸念により、このところ弱さがみられる。先行きについては、観光需要や公共事業前倒しへの期待等がある一方で、引き続き、先行き不安や金融資本市場の動向が企業、家計のマインド等に与える影響に留意する必要がある」とまとめられる。

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

http://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0408watcher/menu.html

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「景気ウオッチャー調査」データから処理の概要~ Dual ComBine Analysis

◆データ処理の概要

1.入力データ

・内閣府の「景気ウォッチャー調査」 データ.

ただし、この調査には家計動向関連、企業動向関連、製造業、および雇用関連DIの3種があるが、家計動向関連の現状判断のみを扱う.

2.前処理手法

・景気の動きを観察できる人々からインタビューした景気動向に関する具体的状況の説明文を解析し、地域を11の景気影響要因により特徴付ける.それをもとに、各地域の代表的な景気動向に関する具体的状況の説明文とキーワードを抽出する.

3.連環データ分析による処理

・地域、季節影響要因、キーワード、説明文の関係をクロス表に表現.連環データ分析により、機械学習とAIルールで、情報圧縮し、DCBマップに展開して、意味を抽出.

データ例 処理

◆「景気ウオッチャー調査データ」例

・例:北海道の一部のみ掲載.“3ヵ月くらい前”に比べ景況感を訊ね、その理由を訊いている.

・“良くなっている”、“やや良くなっている”、“変わらない”、“やや悪くなっている”、“悪くなっている”

◆データ処理の概要

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Page 24: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年04月号(2016年3月度データ)

全国の景気動向の構成

景気ウオッチャー調査

調査の目的:地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て、地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。

対象地域:北海道、東北、北関東、南関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の11地域。

調査客体:家計動向、企業動向、雇用等、代表的な経済活動項目の動向を敏感に反映する現象を観察できる業種の適当な職種の中から選定した2,050人を調査客体とする

調査期間:毎月、当月時点であり、調査期間は毎月25日から月末である。

調査事項:景気の現状に対する判断(方向性) 、その理由 、および追加説明及び具体的状況の説明

調査客体数:平成13年8月調査以降は2,050人(全国11地域)。ただし、家計の景気動向ウオッチャーは840人程度。

DIの算出方法 :景気の現状、または、景気の先行きに対する5段階の判断に、それぞれ以下の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて、DIを算出している。

評価 良くなっている やや良くなっている 変わらない やや悪くなっている 悪くなっている評価 良くなる やや良くなる 変わらない やや悪くなる 悪くなる評価 (良い) (やや良い) (どちらともいえない) (やや悪い) (悪い)

点数 100.0 75.0 50.0 25.00 0.0

Dual ComBine Analysis

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景気ウオッチャー調査のジャンル別構成

・内閣府の定義 ・連環データマガジンでは、18業種に独自に再分類している。

小売関連 商店街・一般小売店 商店街代表者一般小売店経営者・店員

百貨店 百貨店売場主任・担当者スーパー スーパー店長・店員

コンビニエンスストア コンビニエリア担当・店長衣料品専門店 衣料品専門店経営者・店員家電量販店 家電量販店経営者・店員

乗用車・自動車備品販売店 乗用車・自動車備品販売店経営者・店員その他小売店 住関連専門店経営者・店員

その他専門店経営者・店員その他小売の動向を把握できる者

飲食関連 高級レストラン経営者・スタッフ一般レストラン経営者・スタッフスナック経営者その他飲食の動向を把握できる者

サービス関連 旅行・交通関連 観光型ホテル・旅館経営者・スタッフ都市型ホテル・旅館経営者・スタッフ旅行代理店経営者・従業員タクシー運転手

通信会社 通信会社社員レジャー施設関連 観光名所、遊園地、テーマパーク職員

ゴルフ場経営者・従業員パチンコ店経営者・従業員競輪・競馬・競艇場職員その他レジャー施設職員

その他サービス 美容室経営者・従業員その他サービスの動向を把握できる者

住宅関連 設計事務所所長・職員住宅販売会社経営者・従業員その他住宅投資の動向を把握できる者その他家計の動向を把握できる者

Dual ComBine Analysis

景気ウオッチャーのジャン

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景気ウオッチャー調査のジャンル別構成

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あとがき

今月も 2016年3月度のみのデータを分析したが、地域特性よりも業種の特性と、景気ウオッチャーの景気判断DIを重視し,その説明文、地域、業種、市場動向等の諸属性を、セルフサービスBI.のAI.ツールである連環データ分析で、 5類型化してそのプロファイリングを行った。その5類型を代表するいわばペルソナもAIで抽出した。

最近、囲碁名人を破ったGoogle アルファやクイズチャンピオンを破ったIBMのワトソン等が注目されているが、いずれも正解があるいわば規範的問題の範囲を出ていない。前者はディープラーニングと強化学習で、後者は膨大なテキストデータを人力とコンピュータとの力技で構造化し強化学習した賜物である。

この社会情報天気図で使った連環データ分析のアルゴリズムでは、マシーンラーニングは使っているが、ディープラーニングも強化学習も使っていない。それは正解が無いいわばノーマティブでない問題だからである。ただ、 “変化しない”と表明している裏の暗黙知的な世界の探索には、時間があれば、ディープラーニングのアプローチも検討してみたい。

従来、データ解析では質的データと量的データを統合して解析する理論やソフトが十分には開発されてこなかった。しかし、技術や政策などのビジネスのイノベーションには、計量的KPIとその現象の背景やそうした構造を定性的に説明できるモデルが必要である。それは、イノベーションがヒトの心と手段とプロセスの心の相互距離のブレークスルーだからでもある。

この景気ウオッチャー調査データは、極めて大切な実験であるが、ただ、定性的なプロファイリングまでには、サンプル数が少ないのと、説明が単調で、売上=顧客数X単価X買い上げ点数的に数値の上がり下がりだけの記述もある。どのような商材がどのような客層に、どのような状況で購入されたかの説明が欲しい。その点、百貨店業のコメントは情報が多い。

AIでは、言葉のリンケージデータが肝になる。連想や類推など、言葉のネットワークデータの蓄積とアクセスの容易性が、技術や政策のイノベーションの基盤となる。日本にそうした日本語コーパスを提供する知識サーバが無く、Google一社に独占され、かつ自由なアクセスが許されていない現状は、悲惨である。その根源には、日本の曖昧な著作権法があることを広く理解される必要がある。国立国語研究所のような限られた規模の力だけでは、後世に悔いが残る。

広く皆さまからのご批判やアドバイス、コメントなどを頂戴できれば幸いです。 平成28年4月30日

Dual ComBine Analysis

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発行 データ・ケーキベーカ 株式会社

編集 連環データ分析研究会

イラスト Hisam. Chyan

Photo T. Hirata & Aki . kara

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