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1月24日にサーブコープ恵比寿ガーデンプレイスタワーにて開催した、ビジネス交流会のプレゼンテーション資料です。 【デジタルコンテンツビジネスにおける法的リスクとは?】 ゲストスピーカー: E&R総合法律会計事務所 代表弁護士 四宮 隆史(しのみや たかし)様 <講演概要> スマートフォン、iPad等のタブレット端末、電子書籍端末といったモバイル端末が急速に普及している中、映像・音楽・電子書籍・ゲーム・スケジュール管理等のアプリを活用する人がますます増えています。 アプリの種類はこうしたビジネスツールにとどまらず、自社サービスの宣伝及び露出のためのアプリを頒布するという広告手法があらゆる業種で一般化されつつあります。今回の講演では、モバイルアプリを始めとするデジタルコンテンツのビジネスを展開するうえで留意すべき法的リスクを、主要なポイントに絞って概説いたしました。 <講演者プロフィール> 慶應義塾大学経済学部卒。TV番組ディレクターとしての勤務を経て、弁護士(第二東京弁護士会)として活躍する。TMI総合法律事務所での勤務を経て2007年に独立。 2010年3月、公認会計士、税理士との提携により、エンタテインメント、コンテンツ、IT分野の総合サービスオフィス「E&R総合法律会計事務所」を開設。主に映画、テレビ、音楽、出版、広告、スポーツ等のエンタテインメントビジネス&ローを専門領域とし、コンテンツ関連企業の不祥事対応(第三者委員会、内部調査委員会の設置等)も多く扱う。 主な著書、セミナー等に、「小説で読む知的財産法~最新知財ビジネスの法実務」('10 法学書院)、「プロデューサーカリキュラム」('11 経済産業省/UNIJAPAN 共著)、特許庁・九州経済産業局「デジタルコンテンツセミナー」('10)、関東経済産業局等「ネットワーク系事業者向け海外展開支援セミナー」('11)など。 E&R総合法律会計事務所 ウェブサイト: http://www.entertainment-and-rights.com/ サーブコープ 公式ウェブサイト: http://www.servcorp.co.jp/ フェイスブックページ: http://www.facebook.com/ServcorpJapan
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デジタルコンテンツビジネスデジタルコンテンツビジネスデジタルコンテンツビジネスデジタルコンテンツビジネスにおけるにおけるにおけるにおける法的法的法的法的リスクリスクリスクリスクとはとはとはとは????
E&R総合法律会計事務所
代表弁護士 四宮隆史
コンテンツビジネスコンテンツビジネスコンテンツビジネスコンテンツビジネスにおけるにおけるにおけるにおけるLegal Issues
主に2つの段階(フェーズ)において発生
①コンテンツの「制作段階(Production Phase)」
契約類型:デザイン、コンセプト、プログラム、実演等に関す
る業務委託契約、資金調達のための契約(任意組合、匿名組合、金銭消費貸借契約)、ライセンス(IN)契約、、等
②コンテンツの「流通段階(Distribution Phase)」
契約類型:ライセンス(OUT)契約、販売委託契約、広告出
稿契約、代理店契約(エージェント契約)、共同事業契約
コンテンツコンテンツコンテンツコンテンツのののの「「「「流通段階流通段階流通段階流通段階」」」」におけるにおけるにおけるにおける2222つのつのつのつの類型類型類型類型
� 物流型
・・・CD、DVD、出版物等の有形的な媒体にコ
ンテンツを複製し、流通させる
� 配信型
・・・テレビ、ラジオ等の放送、インターネット配信など、コンテンツを無形のまま流通させる
「物流型」から「配信型」に移行しつつあるが、法制度や契約実務は未だ「配信型」のモデルに追いついていない。
「「「「物流型物流型物流型物流型」」」」におけるにおけるにおけるにおける基本流通基本流通基本流通基本流通ラインラインラインライン
コンテンツ製作者=権利元
DVD
メーカーDVD
販売会社
権利譲渡又はライセンス
ex. DVDの流通の場合
委託販売
DVDの納品
①
③
①は権利譲渡又は権利許諾(ライセンス)の契約。②はコンテンツ以外のものとほぼ同じ、物販の契約。③はDVDの売買契約又はレンタル契約。
ユーザー
②
物販
「「「「配信型配信型配信型配信型」」」」におけるにおけるにおけるにおける基本流通基本流通基本流通基本流通ラインラインラインライン
コンテンツ製作者=権利元
配信会社
権利譲渡又はライセンス
Ex. インターネット配信の場合
④においても「番販(番組販売)」等、「販売」という用語が使われることがあるが、物販における「販売」とは意味が異なる。⑤は、配信サービスとコンテンツの利用許諾(ライセンス)が混合した契約形態。
ユーザー
④
⑤
「「「「配信型配信型配信型配信型」」」」のののの主主主主なななな特徴特徴特徴特徴
� 配信型は、上流から下流まで「ライセンスの連鎖」。
� 製造原価や中間マージンを最小化できる。
� 「返品」という概念がない。
� 配信型の場合、納入→検収→修補→納品完了→倉庫保管といったプロセスが必要ない。(配信プラットフォームに適合するデータ形式か否かの検収は必要)
� 配信型は、ITや放送システム等の配信プラットフォームを利
用するため、各配信プラットフォーム固有の規制に配慮する必要がある。各国特有の規制にも配慮。
� コピー&不正アクセスの防止策
� 配信型は、権利元とユーザーと近接しているため消費者保護の観点がより重要視される。
「「「「配信型配信型配信型配信型」」」」でででで留意留意留意留意すべきすべきすべきすべき法的問題点法的問題点法的問題点法的問題点
� ライセンスの連鎖→権利処理
� 消費者保護の観点→消費者保護を目的の一つとする法律に留意
・消費者契約法
・電子契約法
・資金決済に関する法律
・景品等表示法
・特定商取引法
・個人情報保護法
「「「「権利処理権利処理権利処理権利処理」」」」におけるにおけるにおけるにおける留意点留意点留意点留意点
処理すべき主な権利→キーワードは、”Chain of Title”
①著作権法に定める権利(著作権、著作者人格権、著作隣接権)・諸外国における法制度や商慣習にも留意②特許権、商標権等のその他の知的財産権③人格的な権利(名誉権、プライバシー権、肖像権、パブリシティ権)
<<<<参考参考参考参考①①①①>>>>フェアユースフェアユースフェアユースフェアユース((((公正利用公正利用公正利用公正利用))))とはとはとはとは????
もともとはアメリカの古い判例で登場した概念で、かかる判例の見解を踏まえて、1976年、米国著作権法107条にフェアユース概念が規定された。
★米国著作権法107条(概略)批評、解説、ニュース報道、授業、研究ま
たは調査等を目的とする著作権のある著作物のフェア・ユースは、著作権の侵害とならない。著作物の使用がフェア・ユースとなるか否かを判断する場合に考慮すべき要素は、以下のものを含む。(1)使用の目的および性質(2)著作物の性質(3)著作物全体との関連における使用された部分の量および実質性(4)著作物の潜在的市場または価値に対
する使用の影響
<<<<参考参考参考参考①①①①>>>>日本版日本版日本版日本版フェアユースフェアユースフェアユースフェアユース規定規定規定規定はははは????
文化庁の文化審議会著作権分科会(平成23年1月25日)に提出された「権利制限の一般規定」(いわゆる日本版フェアユース規定)の導入に関する報告書によると、無許諾利用を認めるケースは、以下の3点に限
定される方向。
① 写真や映像の撮影に伴ういわゆる「写り込み」などの「著作物の付随的な利用」
② CD録音過程の中間複製などの「適法利用過程での著作物利用」
③ 技術検証の著作物素材利用などの「著作物の表現を享受しない利用」
デベロッパー(開発会社)デベロッパー(開発会社)
アプリ提供会社アプリ提供会社
アグリゲーターアグリゲーター 広告代理店広告代理店
マーケットプレイス①デバイスメーカー系(AppleのApp Storeなど)②キャリア系(NTTドコモのドコモマーケットなど)③プラットフォーム系(GoogleのAndroid Marketなど)
マーケットプレイス①デバイスメーカー系(AppleのApp Storeなど)②キャリア系(NTTドコモのドコモマーケットなど)③プラットフォーム系(GoogleのAndroid Marketなど)
制作委託契約、共同事業契約
販売委託契約 共同事業契約、販売委託契約
アプリ内コンテンツ提供者アプリ内コンテンツ提供者
ライセンス契約
<<<<参考参考参考参考②②②②>>>>モバイルアプリビジネスモバイルアプリビジネスモバイルアプリビジネスモバイルアプリビジネス概観概観概観概観