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難しくない︕これから始めようオープンデータ
北海道後志総合振興局森林室森林整備課森林⼟⽊係⻑ 喜多 耕⼀
北海道・札幌市政策研究みらい会議 勉強会
みらい会議FBより
2016年2月19日
2 *
どうして森林室の職員がオープンデータのことを語っているかというと・・・
3 *
政策局のHPより
「北海道のオープンデータをもっと推進したい」を提案
4 *
提案した理由
地図(GIS)を使って、⾃分の仕事に役⽴てたいと思いました。しかしデータがない。地図はライセンスがいろいろ難しいんです。
オープンデータというのがあるみたい︕
5 *
2015年末までの北海道オープンデータ(試⾏版)のページ
11種類のオープンデータが公開されていた。
6 *
北海道職員にアンケートを実施(有効回答135名)
問オープンデータとは何か知っていますか︖
およそ7割の人はよく知らないと回答
問自治体が持つデータの公表について
8割近くの人が、公開した方がよいと回答
2015年4月29日まで
7 *
� データを持つ原課の⽴場で提案することで、少しでも進むのではないか。
� 職員にオープンデータというものが、少しでも普及するのではないか。
そんな思いで職員提案させていただき、今に⾄ります︕
8 *
オープンデータとはなにか︖
9 *
オープンデータとは
だれでも︕自由に︕⼆次利⽤できるデータのこと
※⾏政が持つデータで使われることが多い
10 *
ホームページで情報を公開しているじゃないか︕
ホームページの情報は自由に使えません︕
11 *
ホームページには著作権を主張する「(c)」(コピーライト)の表示があります。
(C)マークのあるホームページ情報は、⾒ることができるけど、利⽤することはできない︕
ガクッ
12 *
ホームページで「公開」することと
「オープンデータ」では何が違うのか︖
13 *
オープンデータの「オープン」は
「公開」ではなく「開放」︕※台湾では「オープンデータ」を「開放資料」と訳す。 これは非常に適切︕(by 庄司昌彦氏)
14 *
オープンデータ
15 *
オープンデータ
「CC-BY」は、クリエイティブコモンズというライセンスで、
⾃由に使っていいですよという目印︕
16 *
⾏政の持つデータはだれのものでしょうか︖
税⾦を使って作成された情報は、地域住⺠のもの。
地域住⺠が、誰でも自由に使えるようにしておくべき。
※個人情報やほかに権利のあるものは除く
17 *
日本はオープンデータ憲章に合意【オープンバイデフォルト】⾏政機関の持つデータは基本的にオープンデータとする︕
オープンガバメント(開かれた⾏政府)
18 *
⾏政の持つデータ(情報)は、以前から市⺠のもの。所有権が変わったわけではない。
19 *
「オープンバイデフォルト」も、「オープンガバメント」も、新しいことではなく、もともとやっていなければならなかった
こと。「きちんとやりましょうね」ということ。
20 *
オープンデータを⾏っている都市数=180都市※2016年2月15日現在
http://fukuno.jig.jp/2014/opendatajpodp
21 *
自治体のオープンデータが大きく進んだのが、
東日本大震災2011年3月11日
22 *
震災後4時間ほどでIT技術者たちが⽴ち上げた、震災情報を集約できるWebサイト
23 *
避難所の情報を位置情報付でWebサイトに掲載したい︕
自治体の公開している避難所情報がオープンデータで無い・・・︕
24 *
市役所、役場に問い合わせるも、現地はそれどころじゃない︕︕︕
※出典︓機関誌「智場」119号 よりシビックテックとオープンデータ 関 治之聞き⼿︓庄司昌彦
よく分からんから使わないでくれ︕
25 *
ボランティアで避難所データを探し、自分たちで位置を落とした
生データがあったらなぁ・・・
※出典︓機関誌「智場」119号 よりシビックテックとオープンデータ 関 治之聞き⼿︓庄司昌彦
Raw Data Now︕by ティム・バーナーズ=リー(Tim Berners-Lee) (World Wide Webの考案者)
今、⽣データがほしい︕
26 *
全国にオープンデータの流れが広がっていった
何か起こる前にデータをオープンにしておくべき︕
27 *
オープンにするリスク
オープンにするリスクよりも、オープンにしていなかった時のリスクが重要︕
• データが整理されていない。• 不確かな情報。• 変わるかもしれない情報。オープンデータにしていいのか︖
28 *
「sinsai.info」のように市⺠による迅速な対応がされる可能性が広がる。
29 *
室蘭市のマスコット「くじらん」
室蘭市はオープンデータをすごく推進しているよ︕︕
ぼくの下に⿊いものが⾒えるって︖
なにもないよ︕︕
30 *
地図(GIS)の生データをそのまま公開しています。その取組が、全国的に注目されています。
室蘭市「むろらんオープンデータライブラリ」
31 *
地番図をオープンデータとして公開して、各地で評判に︕※ただし精度は保証しない
室蘭市地番図をQGISで表示した地図
32 *
室蘭市はホームページすべてがオープンデータ︕つまり、ホームページに載っている情報は自由に利⽤できる︕すごい︕
もちろん(c)コピーライトの表⽰も無し︕
33 *
北海道では、室蘭市のほかに、函館市、森町、⼋雲町、旭川市、そして札幌市がオープンデータに取り組んでいます。※2016年2月15日現在
34 *
北海道は2016年1月8日からオープンデータサイトを本格運⽤
35 *
250件以上のコンテンツがオープンデータに︕
36 *
北海道では、ホームページのデータをそのままの状態で、まずはオープンにすることを⾏っています。
どのような形であれ、まずはオープンデータとなっていることが重要︕
37 *
オープンデータはどのように利⽤されるか︖
• 地域課題の解決(シビックテック)• 新規ビジネスの創出• 災害対応
38 *
■ アプリに利⽤して地域課題解決︕
北海道観光客統計データ閲覧くんhttp://labo.colspan.net/hokkaido_tourism/
39 *観光客統計データ閲覧くんの元データはExcelファイル
40 *
■ アプリに利⽤して地域課題解決︕
【暫定版】ほっかいどう保育園マップhttp://2525map.github.io/hkd/
41 *
もともとは「さっぽろ保育園マップ」としてスタート札幌のデータはオープンデータでは無かった。
市役所からデータの提供を受けて開発
さっぽろ保育園マップ
http://papamama.codeforsapporo.org/
42 *
作者からの要望もあり、北海道は、保育所のデータをオープンデータで
公開し、保育園マップに使⽤された。さっぽろ保育園マップに比べて情報は少ない
ほっかいどう保育園マップ
43 *
「GitHub」はプログラムやデータを共有するwebサイト
保育園マップもGitHubでプログラムを共有し、全国様々なところで利⽤されています。
44 *税⾦はどこへ⾏った︖札幌市版
http://sapporo.spending.jp/
45 *5374.jp 札幌市版
http://sapporo.5374.jp/
46 *
ここですこしデータの話し
47 *
オープンデータは「機械判読できるデータ」が
望ましい
「機械判読できるデータ」とはコンピューターで
簡単に並び替えや抽出、集計などができるデータのこと
48 *
しかし
49 *
多くの自治体は、
ホームページではPDFで公開・・・
50 *
ホームページでは印刷することを考えて、汎⽤性の高いPDFを選択するのはいいと思います。
オープンデータにはなじまない
51 *
私たちになじみのあるファイル形式
Excelは機械判読可能かといわれれば微妙ですが・・・
52 *
PDFにする前のファイルを保存し、オープンデータとして公開するといいでしょう
ちょっと一手間
53 *
Wordや一太郎などのワープロソフトのデータは、機械判読しづらいものです。これらのデータはオープンデータには向きません。※PDFよりはいいかしれません・・・。
54 *Wikipediaのメインページ
55 *DBpedia JapaneseのメインページWikipediaの情報を、構造化したデータベースで掲載しています
56 *北海道の情報にも、さまざまなリンクが付けられているこのリンクから、いろんな情報を取得できる
57 *
北海道
札幌市
オリンピック
北島三郎
知内町
祭
紅白初音ミク
知事
高橋はるみ
雪まつり
北方領⼟
ロシア
根室市
「北海道」という情報から様々な情報にリンクできる
58 *Linkd Opendata
59 *
オープンデータを作る人たちが、Linkd Opendataを意識してデータ作りを⾏うと、利⽤者は、いろいろなところからデータを探す必要がなくなります。
北海道 札幌市
現在は、いろいろな情報をそれぞれ入手しなければならない
60 *
Linkd Opendata
札幌市
オリンピック
雪まつり
観光
防災
北海道
リンクをたどって様々な情報を入手できる
61 *
森町などが利⽤している「LinkData」Excelなどのデータを簡単にオープンデータにできます。
62 *
ExcelやCSVファイルをRDFというオープンデータに適したファイルに変換してくれる機能もあります。
63 *
今お話ししたデータ形式の話しは、オープンデータがある程度進んだときに考えるべき、第2ステップです。
64 *
今はまず、
自分の職場にあるデータをオープンデータにする︕
ということから始めるべきです。
65
難しい話しですみません。。。
66 *
ここからは難しくなくオープンデータをしようという話し
67 *
大事なことなのでもう一度言います。
⾃治体が税⾦で作成した情報は、住⺠のものです。
住⺠が誰でも自由に使えるようにする責任が⾃治体にはあります。これは新しいことではなく、本来なら今までも⾏っておくべきことだったのですが、オープンにはしていませんでした。
68 *
いままで⾏っていなかったことをやろうとすると抵抗があるのも事実
きちんと精査されていない
正確じゃないかもしれない情報
悪⽤されたらどうするのか︖
69 *
すでにホームページに公開している情報であれば、「ホームページだから正確でなくてもいい」とはなりません。
オープンデータは、自由に利⽤できるというだけ。
ホームページで許容している誤差なら、オープンデータでも許容して良いはずです
OK!
70 *
悪⽤されたら・・・と言う心配もごもっともですが、悪⽤する人は、利⽤できないホームページの情報でも悪⽤します。
オープンデータでは利⽤規約に公開者の責務に関して記載がきちんとしてあります。(ホームページでは無い場合がある)
悪⽤した人は法律で裁かれます。
71 *
北海道が今進めているのは、「ホームページにある情報をオープンデータにしよう︕」ということです。ホームページの情報は利⽤しても構わない情報がほとんどだと思われます。
※⼀部写真や地図や画像など、第三者が権利を持つもの以外
72 *
オープンデータ化が簡単なのは自分の職場の「ホームページの情報」をオープンデータ化することです。
ホームページ自体オープンデータにするのが一番簡単でしょう︕CC-BYマークをつけるだけ︕
73 *
オープンデータを⾒える化するとき、地図を使うことが多いです
出典︓地理院地図
74 *
皆さんは仕事でどんな地図を使っていますか︖
75 *GoogleMap︖
76 *Yahoo地図︖
77 *GoogleEarth︖
78 *
Web地図をこんな使い⽅していませんか︖
79 *
アクセスマップ
ホームページにキャプチャ画像を貼り付けてアクセスマップに利⽤(このHPは架空のものです)
80 *看板に印刷して位置図として利⽤(この写真は、はめ込み合成した架空の写真です)
81 *
居酒屋 オープン
事務所
居酒屋 オープン19:00〜 飲み放題3,000円 予約名︓喜多
飲み会の案内図を作成し配布(この地図と居酒屋は架空のものです)
82 *
このようなGooglemapや
Yahoo地図などの利⽤は、
すべて利⽤規約違反です︕︕
エエッ〜︕︖
83 *
印刷ボタンはついていますが、印刷して使えるのは個人利⽤の範囲内です。
84 *
利⽤規約違反は、
著作権の侵害となりますので注意が必要です︕︕
� アプリの背景地図にGoogleMapを使うことはできますが、印刷することはできません。
85 *
私たちが仕事で使える
地図は何があるでしょうか︖
86 *
Web地図の「地理院地図」出典明⽰だけで基本的には自由に使⽤することができます。
出典︓地理院地図
87 *
しかし、使⽤⽤途によっては、測量法の申請が必要になりますので注意が必要です。
出典︓地理院地図
88 *
もっと自由な地図はないのか︖
あるよ︕
89 *
OpenStreetMap
90 *
OpenStreetMap
地図のWikipediaといわれているもので、世界中のユーザーが編集している地図です。
91 *
出典を明⽰するだけで、自由に利⽤することができます。
OpenStreetMap Contributors. CC BY-SA 2.0
92 *
OpenStreetMapのライセンスは、CC-BY-SA出展明⽰とライセンスの継承が条件
オープンデータと同じライセンスを持つ地図がOpenStreetMap
93 *
つまりみんなで作る地図のオープンデータ
94 *
書き込まれている地域 書き込まれていない地域
みんなで作る地図ですので、書き込んでいる地域と書き込まれていない地域があります。
必要ならばかきこめばいいんです。地図書きは、誰でも参加できます。
95 *
上ノ国町のGoogleMapとOpenStreetMapとの比較
OpenStreetMapの方が書き込まれていて建物などが詳しい
96 *
倶知安町のGoogleMapとOpenStreetMapとの比較
OpenStreetMapの方が書き込まれていて建物などが詳しい
97 *
大阪府の富⽥林市は、地形図をオープンデータにして、OpenStreetMapに投入しました
オープンデータにした地形図 道路や建物データ
OpenStreetMap Contributors. CC BY-SA 2.0
市役所で使う背景図はほとんどOpenStreetMapを使えることとなり、地図の購⼊、更新料が削減されるまた、様々な情報を統合することができ、市⺠と市役所が同じ地図を利⽤することができる
98 *
避難所情報を自分で入⼒し、避難地図を作る。タグで様々な情報を地図に付加できる
OpenStreetMapで作った情報を、スマホアプリで表⽰し、
ルート検索なども⾏えます。
地図アプリ「MAPS.ME」
99 *
公共データをオープンデータに︕
OpenStreetMapなどと連携
⾃分たちでオープンデータを作る
地域課題解決
地図を利⽤
情報を利⽤
自治体など
市⺠とか
オープンデータ提供
OpenStreetMapを使うと、オープンデータの利⽤が進む︕かも
100 *
大きな市以外、今後人口減少が進み、過疎化がいっそう加速する︕
2040年に人⼝がどれくらい減るか表した地図対2010年の割合(国⽴社会保障・人⼝問題研究所のデータ)赤い部分は50%以上人⼝が減少する地域
101 *
地域の⽅々は、いろいろな手法で地域活性化させようと
がんばっています︕
オープンデータが、
一つの手助けになればいいなと思っています。
102 *
自治体職員としてはオープンデータは情報を⾒直すいい機会です。
�正しくなかったデータ�利⽤しづらいデータ�今まで公開していかなかったデータ
⾒直して、オープンデータにしてみてはいかがでしょうか︕
103 *
ありがとうございました
終
※このスライドは、後で「Slide Share」 というサイトでシェアします。↓だってオープンデータですから︕
皆さんもオープンデータに取り組んでみてください︕
難しくありませんよ。