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スタンフォード大学での 留学テーマ 折田 賢児 1st Silicon Valley Lightning Talk 2014年11月14日(金) 1/9 日系企業 “中央研究所” 研究員 :今も スタンフォード大学 客員研究員 :’14年3月~’15年2月

Lightning talk orita_11142014

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スタンフォード大学での 留学テーマ

折田 賢児

1st Silicon Valley Lightning Talk 2014年11月14日(金)

1/9

日系企業 “中央研究所” 研究員 :今も

スタンフォード大学 客員研究員 :’14年3月~’15年2月

Who is Kenji Orita?

「企業」研究者

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1.光デバイス研究: 本職

・半導体 (青色/白色LED、レーザダイオード)

・水素生成 (Solar hydrogen)

2.ビジネス研究: ビジネスパーソンとして

・アーキテクチャー論、経営戦略

3.社会学研究: 社会人、日本人、人間として

・日本を元気にするには

アーキテクチャー論: 組み合せ/すり合わせ

製品アーキテクチャにより産業構造が異なる

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http://monoist.atmarkit.co.jp/fpro/articles/wwplm/02/images/2.gif

http://livedoor.blogimg.jp/ uii57002/imgs/0/4/04c0b7b4.jpg

なぜ日系部品メーカは儲からないのか

部品内部(省 スペース・電力・コスト): 「すり合わせ」が必要

商品全体の設計(顧客創造): 考慮する必要が低い

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利益確保の条件: ①高性能がシステムのキー ②代替がない

*顧客創造者側: システム構成要素として代替を目論む

⇒低利益率に落とされる(生かさず、殺さず)

日米の経営戦略の違い:すり合わせ++へ

日本は「資源アプローチ」に終始=>ゲームアプローチの恰好の餌食

5/9 http://thinkweb.co.jp/blog/wp-content/uploads/2013/05/1305164.jpg

イノベーションには「抽象思考」が必要

顧客を創造 <= 現状(自分や自分の会社)を超える視点が必要

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モノ

モノ

新結合

モノ

モノ

モノ

モノ

抽象思考

プロテスタンティズム vs 日本社会

■プロテスタンティズム: 神様と社会が分離(思考=行動が現状を超える)

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神様A

どうする?

どうする?

神様A

どうする?

どうする?

商売に専念 お金は投資

商売に専念 お金は投資

商売に専念 お金は投資

救済

予定

神様

■日本社会: 神様は共生を強制(思考=行動が状況に束縛)

日本を元気にするための、とりあえずの処方箋

①日本の社会全体の変革をめざす必要はない

・社会全体の変革は不必要(日本の良さが消滅するので)

・アントレプレナーとして生まれていた人が生きやすい領域を

社会の中に部分的に確保するだけでよい

②資本主義の精神を確立すること: お金の機能をフル利用

「他の人・世の中に役立つとお金が儲かる」

「お金が儲かるだけでは、役立っている証ではない」

「ルールに従わないと、その証にならない」

③個人の能力開発に拘らず、「政治」が上手になること

「自分のしたいこと=>他の人・世の中に役立たせる」

という政治的な処世術

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まとめ

完全なスライドは、こちらをご覧ください

http://www.slideshare.net/KenjiOrita/ss-41308594

コンタクト先

[email protected]

https://www.facebook.com/kenji.orita.92

https://www.linkedin.com/in/kenjiorita

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1.光デバイス研究: 光エネルギー(電気、水素)

2.ビジネス研究: 摺り合わせ++(プラプラ)を

3.社会学研究: イノベーション「特区」を

おまけ:日本社会の謎

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~社会学的な分析~

社会の平和戦略I ~異なる生活様式の衝突時

①欧米、中東の文化:一方の生活様式に従う(改宗、征服)

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②日本の文化:生活様式を折衷

「毎日3回、 お祈り」

「毎日3回、 お祈り」

「毎日3回、 お祈り」 神様1

「土曜日は安息日」 神様2

「毎日3回、 お祈り」

「毎日3回、 お祈り」

「毎日3回、 お祈り」 神様1

「土曜日は安息日」 神様2

お祈りは 正月だけ

お祈りは 正月だけ

お祈りは 正月だけ

お祈りは 正月だけ

社会の平和戦略II ~共存方法の違い

①欧米、中東の文化:空間的に分離し共存

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②日本の文化:共生を強制

「毎日3回、 お祈り」

「毎日3回、 お祈り」

「毎日3回、 お祈り」 神様1

「土曜日は安息日」

「土曜日は安息日」

「土曜日は安息日」 神様2

神様A

どうする?

どうしよう?

神様A

どうする?

どうしよう?

社会の平和戦略III ~まとめ

①一方の生活様式に従う

(欧米、中東の文化)

1) 生活様式(個性)を重視

2) 生活様式の違いを調整するために、

共通理念を明確化

(共通理念以外は自由)

3) 共通理念を担保する「神」

・人々から比較的隔離

=>言葉が自律的

・あまり人の願いは聞かない

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日本社会: 視野が自分が生きる「共同体」から脱出できない

(脱出するための自律的な言葉を維持できない)

②生活様式を折衷する

(太平洋、伝統社会の文化)

1) 協調性を最重要

「個性」を内面に限定

2) 生活様式の違いは、

問題発生の原因

3) 仲介するための「神」

・人々と共に生きる

=>言葉が状況依存性

・かなり人の願いを聞いてくれる

日本人は、なぜ前例や物まねをするのか?

判断基準の「主義」「原理」に従わない⇒行動様式が未確定

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神様A

どうする?

どうしよう?

神様A

どうする?

どうしよう?

神様A 昔/他のサークルの風習1

昔/他のサークルの風習1

神様A

昔/他のサークルの風習1

(権力者を回避しつつ)行動様式確定のために、前例や物まねが必要

日本人は、なぜ「主義」「原則」が嫌われるのか?

日本人にとって、行動様式の違いによる非共生=敵対だから

(共生により潜在的敵対関係を解消しようとするから)

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神様A

土曜も働く

神様A

土曜も働く

「土曜日は安息日」 神様B

「土曜日は安息日」

非共生 =「敵対」

非共生 =「敵対」

「土曜日は安息日」

日本人は、どうやって「柔軟」に暮らしているのか?

人間が神様を操作する(神様が願いを叶えてくれる)

<=「神様は共生を願っている」という信仰

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神様A

土曜も働く

神様A+B

勤勉は 美徳

「土曜日は安息日」 神様B

非共生 =「敵対」

皆で 仲良く

日本人は、「個性」「価値観」をどう捉えるのか? 「内面」「こころ」を重視(外形的行動は軽視)

<=仏教の有/無の二重言語戦略が、「論理矛盾」を隠す

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買春反対

本当は 嫌だ

買春反対

買春は嫌だ

神様が与える「抽象思考」

神様=時空間や状況に依存しない=社会を超越する視野

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買春反対 買春反対 買春反対 神様1

買春反対 買春反対 買春反対

M. ウェバー: プロテスタンティズムと資本主義

「神様は誰を救ってくれるか予めきめている」(予定説)

「人間の努力では、救済は決まらない(決まってはならない)」 ⇒

①完全に神様が社会から隔離=高度の抽象性

②救済されるかどうか不明な、極度の不安

③教えに従うことが、(ひょっとしたら)自分が救済される証かも

④商売収入は教えに従うことができている証かも。

お金に溺れて無駄使いせず、次の商売に使わなければ。

⇒現状の時空間を超えた思考⇒伝統社会からの資本主義の離脱

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商売に専念 お金は投資

商売に専念 お金は投資

商売に専念 お金は投資 救済 予定

神様

イノベーションとは:人とモノの新結合

モノの蓄積 =>社会/顧客のニーズが変化

顧客の創造 =>自分や自分の会社の現状を超える視点が必要

抽象思考(現実を脱出する道具)が不可欠

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モノ

モノ

新結合

モノ

モノ

モノ

モノ

抽象思考

日本を元気にするための提案

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~罠に掛からないために~

とりあえずの処方箋①

①日本の社会全体の変革をめざす必要はない

(実質的に不可能であり、不必要)

・アントレプレナーとして生まれていた人が生きやすい領域を

社会の中に部分的に確保するだけでよい

「まあ、そんな人がいてもいいかなあ」

「いざという時に、役立つかも」

*日本が「すり合せ」により高度な素材・部品を開発し、

世界に提供することは、人類にとっての宝

(持続可能なように、もう少し利益率を上げるだけで十分)

*日本のそういう良さを殺してはいけない

*アントレプレーは持って生まれた資質に依存する人間類型。

彼らを、芸術家やスポーツ選手のように扱えばよい。

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とりあえずの処方箋②

②資本主義の精神を確立すること

「他の人・世の中に役立つとお金が儲かる」

「お金が儲かるだけでは、役立っている証ではない」

「ルールに従わないと証にならない」

*「お金」への態度が、日本では依然として伝統社会的。

「お金=汚い」という態度が却って資本主義を歪ませている

*「お金持ち」「リーダー」への嫉妬をどう処理するかは、

個人の価値観の問題ではなく、社会的な価値観の課題

*「お金」の正体について、キチンと考えたことがありますか?

今までの議論は、日本での資本主義の発動に効果がない (実存哲学的あるいはウェバー的社会学の視点がない)

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とりあえずの処方箋③

③個人の能力開発に拘らず、「政治」が上手になること

・自分のしたいこと=>他の人・世の中に役立たせる、

という政治的な処世術の訓練をすること

*アントレプレー=個人の能力、という捉え方が、

彼らを社会的に孤立させる(ポイントは、社会の受容)

・「個人の能力」という捉え方=奴隷の分離統治

*異質の社会的受容は、今まで妥協(実質的には彼らの抹殺)

・自分/家族/友人/友人外の社会、という価値観の階層

・「友人外の社会」まで「友人」間の価値観を伸ばして、

社会的な結合を生み出そうとする

(日本の会社の密着性、お歳暮などのプレゼント交換など)

・発明者に「友人」と同じように人格を求める

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お疲れ様でした

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[email protected]

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