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ストーリーテリングとUX Yoshinori Wakizaka @UX TOKYO

HCD-net ワークショップ part1

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Page 1: HCD-net ワークショップ part1

ストーリーテリングとUXYoshinori Wakizaka @UX TOKYO

Page 2: HCD-net ワークショップ part1

脇阪 善則Yoshinori Wakizaka

UI Designer

User Researcher

Usability Engineer

Usability Specialist

Project Manager twitter @wackiesrockfacebook Yoshinori Wakizaka

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ストーリーテリングについて

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ザンビアの物語

95年6月、ザンビアの小さな町で活動する医療関係者が、アメリカ国立疾病予防センター(CDC)のホームページにアクセスし、マラリアの治療に必要な情報を入手しました。これは世界最貧国の一つであるザンビアの、首都から600キロメートルも離れた小さな町で起こった出来事です。その点について思いを巡らせてみてください。

(c)2004 Harvard Business School Publishing Corporation

Page 5: HCD-net ワークショップ part1

ザンビアの物語

ここで我々が最も注目すべきは、世界銀行がこの件にまったく関与していないということです。貧困対策に関するさまざまなノウハウを持っているはずの我々が、何百万人に及ぶ人々にその知識を提供する機会すらないのです。もし我々がそのような機会を持っていて、そんな方法で知識を共有できる仕組みを持っていることを考えてみてください。今後我々は、どのような組織になるべきなのでしょうか。

(c)2004 Harvard Business School Publishing Corporation

Stephen Deninng (Ex. World Bank Program Director)

Page 6: HCD-net ワークショップ part1

ストーリーの持つ力

Page 7: HCD-net ワークショップ part1

ストーリーの持つ力

行動を引き出す

自らの人となりを伝える

価値観を伝達する

コラボレーションを育む

噂を管理する

知識を共有する

人々を未来に導く

Page 8: HCD-net ワークショップ part1

ストーリーテリングとは

• 出来事やアイディアを伝えるための方法のひとつ• 背後にある理由や動機を含めて伝えることができる• 言葉やイメージ、サウンドなどいろんな手段を使って伝える

ストーリーの形式を使って情報を共有すること

ストーリーテラー オーディエンス

ストーリー

Page 9: HCD-net ワークショップ part1

ある筋立てに沿った出来事の流れ、キャラクターの心の変化

Event

Context Event

Event

Context

Context

Emotion

ストーリーとは?

Page 10: HCD-net ワークショップ part1

UX × ストーリー

Page 11: HCD-net ワークショップ part1

ストーリーテラー オーディエンス

ストーリー

ユーザーエクスペリエンスのためのストーリー

状況理解&記述• Brainstorming & Discussion

• New concept & design

• Test scenario

出来事コンテクスト + アイディア+

• Context of use

• Use case

• Pain& Issue

デザイン&評価

Page 12: HCD-net ワークショップ part1

UCDプロセスとストーリーテリング

ストーリーを集める

UXチーム

分類してまとめたストーリー

ストーリー ストーリー

ストーリー ストーリー

UXチーム

ストーリー

デザインアイデア

UXの担当者 ユーザビリティ調査の参加者

そして私は…テストシナリオとしてのストーリー

利用の状況の把握と明示

システムが特定のユーザ及び組織の要求事項を満たす

設計による解決策の作成

ユーザと組織の要求事項の明示

要求事項に対する設計の評価

人間中心設計の必要性の特定

ストーリーを作るストーリーを使う

ストーリーを選ぶ

Page 13: HCD-net ワークショップ part1

Event Event Event Event

シナリオ:連続した出来事を説明するもの

アネクドート(逸話): 個人的な体験を表す出来事

Event Event Event

Event 4

プロット: キャラクターに起こった出来事の筋立てEvent

1Event

3Event

2

ストーリーの元になるもの

Page 14: HCD-net ワークショップ part1

キャラクター ペルソナ+内面的な心の動き&行動

ペルソナ エモーショナルなゴール+UXの全体像

プロファイル デモグラフィックデータ+コンテクスト

Event

Context Event

Event

Context

Context

Emotion

ペルソナとストーリー

Page 15: HCD-net ワークショップ part1

ストーリーテラー オーディエンス

ストーリー

Event

Context Event

Event

Context

Context

Emotion

オーディエンス

デモグラフィックス・20代中盤・どこかの大学生・自宅でウェブを利用している・造園家として働いている

P5 - ジミー

・私はただ、これを自分のホームページとして使います。何故ならウェブでサイン アップした時に、そのページが表示されるからです。・ストーリー:彼の妹は、インターネットで誤って自分が欲しいものとは別のものを 買ってしまった。この注文をキャンセルしようとしたが、それはできなかった。彼 らは彼女の返品を受け付けようとはしなかった。そこで彼女は、最終的にその商 品の代金をクレジットカードで支払った。それは、さほど高い買い物ではなかっ たが、家族は皆、この悲惨な物語を彼女から聞かされている。そして長い間、彼 をオンラインから遠ざけている。・試合結果を控えておくのに、ESPNを使っている。友達は、携帯電話にスコアを 送るのに”何か”を使っていて、ジミーもそれを使いたいと思っている。・Youtubeが大好きで、友達と”おばかな”ビデオをたくさん見ている。

お気に入りのページ:ISP(ホームページ)ヤフーESPNTravelocity and ExpediaYouTubeWebMDSportsAuthority

ニーズ:慣れ親しんだサイトでする様に”失敗すること”を恐れないようにしたい

コメント、引用、ストーリー

安心してオンラインバンキングを利用することはできないが、オンラインショップで買い物をするだろう。スポーツの試合結果をみるためにウェブを利用する。ホテルをオンラインで予約したことがある。新しいことはウェブで検索して調べる。

ペルソナ

ペルソナとオーディエンス

Page 16: HCD-net ワークショップ part1

Event

Context Event

Event

Context

Context

Emotion

•ストーリー:リッチな要素+一連の流れ

Event Event Event Event

•タスクシナリオ:機能、出来事を可視化

シナリオとストーリー

Page 17: HCD-net ワークショップ part1

日常の世界

冒険の世界

冒険へのきっかけ

はじまりと試練

日常世界への帰還

目的の達成

世界の境界線

ストーリーに構造を与える

構造(パタン):質の担保、効率化

Page 18: HCD-net ワークショップ part1

ストーリーをクラフトする

ストーリーパタン:英雄構造日常の世界

冒険の世界

冒険へのきっかけ

はじまりと試練

日常世界への帰還

目的の達成

世界の境界線

-英雄的構造は以下の4つのステップから成り立っています•冒険へのきっかけ:日常世界からはじまり、冒険へと誘われます•儀式や試練:儀式や試練に突き当たり、それを仲間と共に克服します•目的を達成する:冒険の目的を果たすことにおより目的を達成します•帰還する:冒険により成長した主人公は、日常世界に帰っていきます

例:バスを待つ  [アクションへの呼びかけ]氷雪の中で作業させられることほど気の滅入るものはありません。公共の交通機関を使うときは特にそうです。[拒絶]サンドラは毛布を頭までかぶって、病欠の電話をしようかどうかを考えていました。自分がどれだけ雪を好きじゃないかを考えながら、ラジオの広告を聞いていたのです。何十回も聞いたことがある広告でしたが、ちゃんと聞いたのはこれが初めてでした。 [超自然的な]「RideFindがあれば」、「バスが今どこにいるのか、二度と考える必要はないでしょう。」と、広告は説明していました。[冒険を受け入れる]「そうよ」、彼女は思った。「これを試す時がきたんだわ。」 [儀式と試練]一時間後、彼女は起き上がり、着替えて出発の準備をしました。[試練]外に出ると、彼女の家の玄関の両側に雪がかき分けられ、山のように積上っていました。[試練]歩道を歩いていると、地面が凍っているせいで滑って転んでしまいました。彼女は地面に尻餅をつきながら、玄関を物欲しそうに眺めて思いました。今なら無事に家に帰って、病欠の電話ができるのです。[試練]彼女は立ち直りながら、1台のバスがゆっくりと通り過ぎて行くのを見ました。彼女が乗る路線のバスでしょうか?それとも違うバスでしょうか?これは、RideFindの番号を試すのにちょうどよいタイミングに思えました。[試練]彼女はバス停の標識があるポールの前に滑り込み、標識から雪を払って、ラジオ広告が言う通りに停留所の番号を見つけました。 [目標の達成]そこで彼女は携帯を取り出しました。そして、手袋を外しました。番号を打って…返事が来るのを待ちます。この時もしバスが15分以上来なかったら、引き返して家に帰っていたでしょう。数秒後、さっそく返信が来ました。[帰還(暗黙的)]バスはあと10分で到着するそうです。 [知識を利用する]彼女が待っている間に他にも人が来たので、サンドラはよい知らせを教えてあげました。[解決]その朝、二人とも無事仕事に間に合いました。

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UXのためのストーリーテリング

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ストーリーテラー オーディエンス

ストーリー

UXのためのストーリーテリング

ユーザーのインサイトを理解するアイディアを生み出す、デザインを評価する

ストーリーテリングによって共感を呼ぶ、価値を伝える

Page 21: HCD-net ワークショップ part1

ストーリーの伝え方

ストーリーテリングにはいろんな方法がある

• Oral Storytelling:口頭で伝える• Written Storytelling:文書で伝える• Multimedia Storytelling:ビデオやアニメを交えて伝える

Oral Written Multimedia

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ストーリーの作り方と伝え方

ストーリーテリングでの4つのステップ

• 集める• 作る• 使う• 共有する

ストーリー

ストーリーテリングのプロセスは、以下のように素材を揃える、ストーリを作る、使う、共有するといったフェーズに分かれており、リサーチ結果やデザインのインサイトを共有したり、新しいデザインアイデアを探索する際に役に立ちます。この本を最初から通して読むことをお勧めしますが、以下のチャートから必要な箇所をピックアップして読み進めることもできます。

PROCESS OF STORYTELLING FOR USER EXPERIENCE

再評価する

オーディエンスからのフィードバック

繰り返しのループ

改善する

揃える

・ストーリーを聞く・ストーリーを集める・ストーリーを選択する

3章6章7章

作る

・ストーリーをクラフトする・ストーリーの構成を組み立てる・構成とプロットを作る

11章13章14章

使う

・デザインアイデアを生み出す・ストーリーで評価する

8章9章

共有する

・ストーリーを共有する・ストーリーの伝え方

10章15章

・ストーリーとは?     1章・ストーリーの効果     2章・ストーリーの倫理     4章・UXプロセス(UCD)  5章

・オーディエンスへの配慮 12章

集める

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