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Jumvo 2.0 における デザイナーとエンジニア の連携 ジェネシックス 伊野・永野 1243日火曜日

Jumvo 2.0 における デザイナーとエンジニアの連携

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Jumvo 2.0 における

デザイナーとエンジニアの連携

ジェネシックス 伊野・永野

12年4月3日火曜日

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• こんなことを話します 永野,伊野 (1分)

• Jumvoとは

• プロトタイピング(永野)

• Jumvo 1.0まで (永野)

• Jumvo 2.0 / UX + Prototype + UI (伊野)

• まとめ12年4月3日火曜日

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Jumvoとは

• iPhoneアプリ

• http://jumvo.com

• ボイスメッセージング・サービス

• 友だちと声を送りあう、声のSMS

• 友だちリストにFacebookを使う

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目指したこと• 毎日使う、電話/SMSのようなサービス

• なので高度なインターフェイスが必要

•使い勝手が超重要• 高度 == 使いやすい、楽しい、やりたいことがすぐにできる、気持ちがいい、

かっこいい、がゆえに手になじむ12年4月3日火曜日

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• SMS(現、Messages)のようにシンプルで使いやすい

• Tweetie(現、Twitter公式)みたいに高度なインターフェイスを持つアプリは

• いったい、どうやったら作れるのか?12年4月3日火曜日

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高度なUIを実現するには1. 世界のすべてを完全に把握した、完全なるデザイナー(ネ申)が (天地を創造するように) 仕様のすべてを決定する

2. (優秀な?)デザイナーとあーだこーだ言いながら磨き上げていく=> ネ申 はいないので2しかないよね!

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2でいくとして• これまでの経験上、動かしてみないと分からない部分が多いし、だから仕様はゴロゴロ変わる。そして柔軟に変えていかないとよいものはできない

• つまり、仕様はなかなか決まらないし、あーだこーだ言うプロセスが重要

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• 仕様を確定させることが難しいのだ!

• 仕様 == UIのすべてのヴィジュアルと動き、 サウンドエフェクトなど

• 仕様が決まれば、(誰でも)作れる

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ここまでのまとめ1. 結局動かしてみないと分からない部分が多い

2. あーだこーだ言いながら磨き上げていく必要がある=> 変更を前提とした動くものベースの開発をやればいいんじゃないか=>プロトタイピング・ベースの開発!

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プロトタイピング• プロトタイピング(Prototyping)とは、実働するモデル(プロトタイプ)を早期に製作する手法およびその過程を意味する。その目的は、設計を様々な観点から検証するためだったり、機能やアイデアを形にすることでユーザーから早めにフィードバックを得るためだったり様々である。http://ja.wikipedia.org/wiki/プロトタイピング

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プロトタイピング

• 広い意味で使っちゃってますが概ね• (変更前提で)動くものベースで開発

• 迷ったら複数パターン動かしてみる• ひとまず動くようにして操作の流れを繋ぐ

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お断り

• プロトタイピングの手法を勉強したわけではないので手法や用語に詳しいわけではありません。あくまで(特にiPhoneアプリでは) 仕様を決めるのが難しいので、動くものベースでやっただけ

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• 実際にどうやって作っていったのか

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Jumvo 1.0• デザイナーのアサイン予定が1ヶ月先だった

• 企画は出したが、面白いかは不明であった

• 企画段階から、開発手法を模索しているので、と言われてプロトタイピングを提案していた

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•スケッチ描いて + 藤井幹大さん、伊野さんに相談しつつ コア機能を実装

=> 声を送れるようにしてDemo => g6みんな「面白い!」

4月末~5末

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6月~6月下旬

• デザイナー アサイン(カルビン)

• 動かしては検証。デザイン案 => 実装 => デザイン案 => 実装 => デザイン案 =>実装 (2, 3周?)

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6月末~7月上旬

• いい加減、仕様決めないと終わらないよ => まとめ作業

• 1.0完成 (8月にリリース)

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• そんな感じで動かしてはあーだこーだ言いつつ、開発

• スピード感をもって (2ヶ月半ぐらい)

使いやすいものが作れたと自負

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• Jumvo 1.0は後半、動かしてみて試せばいい、の方向によりすぎて、デザイナーが決めきれない状態があった(軸)

• すべての判定が動くものベースに行くとまずい(まずはこうあるべき、がないと)

• デザイナーがプロトタイプに引っ張られる危険性が高い

問題点

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• 評判

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• この体験は、おそらく多くの人に衝撃を与えるだろう (Techwave)

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• このアプリはとても使いやすくていいですね!すばらしいアプリです。(AppBank)

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Apple Rewind 2011受賞

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• が、しかし、ダウンロード数伸びず....

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UXデザイン

もう一段上のレベルのGUIを所望され、2.0開発へむけアサインされる。

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あまりうまく回ってなかった1.0の問題

・UXDとUIDとプロトタイピングがバラバラに機能していた…・動くからといってプロトタイピングに頼りすぎて仕様が 決められず…

もう一度ぐるぐるをうまく機能させるために、死ぬ気でUX・UIのデザイン主導体制に。

UXデザイン

体験することが仕様決定につながらない逆に時間ばかりとられる

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その前に、UXデザインってなに?

【 Wikipedia 】ユーザーがある製品やシステムを使ったときに得られる経験や満足

【 genesix 】使う人の「ゴール」を発見して道筋を設定すること!

UXデザイン

ゴール例使う人が認識してることではないかも。無意識。調査・インタビュー

Jumvoエモーショナルストレスなくコミニュケーションがとれる。ファンクショナル今より気軽かつ手軽にもっと感情豊かなメッセージングとそれを通じたコ

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なんでUXデザインが必要なのか?

◎ 使う人を使う人の「ゴール」に導く  → プロダクトにとって必要

◎ 開発チーム内の「道しるべ」になる  → 対開発チームにとって必要

  ・ドライブで言うと「目的地」みたいなもの  ・これを共有して同じ車に乗る感じ  ・道に迷った時、意見が割れた時に目的地を意識する

UXデザイン

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ゴール

ペルソナ

アプリケーション定義ステートメント

もっと気持ちを伝え合いたい人のためのもっと気軽で手軽なボイスメッセージングアプリ

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さらに、UIデザインってなに?

使う人が「ゴール」を達成するための手助けとしてインターフェイスを設計すること

(UIデザイン ≒ インタラクションデザイン)

UIデザイン

UXはゴールUIはその到達方法

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なんでUIデザインが必要なのか?

◎ 使う人を「ゴール」に辿り着く手助けをする

◎ ドライブでいうと、「ハンドルさばき」「ギヤチェンジ」  などの専門技術のこと  → いくら技術があってもUXデザインがないと目的地には   辿りつかない

UIデザイン

かっこ良くするためではない。

あくまでゴール。ゴールがかっこわるいならかっこ悪くする。

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UXデザイン

UIデザイン

プロトタイピング UIデザイン

ぐるぐる ぐるぐる

ぐるぐる

デザイン主導ではあるが、それぞれ自立して動いてた

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UXDとUIDの間におけるプロトタイピング開発の効果

◎ リアルな体験による体験の検証◎ 仕様のスムーズな決定◎ ドライブ感のある開発(実際に見れると楽しい)◎ 不確実性の回避

UIデザイン

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UXD × PT × UID 例1

◎ 大きくて、同じ位置に(親指の  届く範囲に)メインボタンを設置

UXDのゴール・「もっと気軽で手軽な」・ストレスなくコミニュケーションがとれる~

UIデザイン

直感的簡単に見ただけで分かるような

会社帰りに歩きながらでもミスタップしないように

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◎ 送信までのタップ数を最小限に (対SMS)

UXDのゴール・「もっと気軽で手軽な」・ストレスなくコミニュケーションがとれる~

SMS:6タップJumvo:5タップ

UIデザイン

UXD × PT × UID 例2

5タップ!

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◎ セグメントによる利用シーンの  切り分け

ペルソナ(マネキン)の配役による機能の共存・主役:仲のいい人と親密なコミニュケーション・脇役:友だちとワイワイ楽しむ

UIデザイン

UXD × PT × UID 例3

両方を一緒くたにすると使いにくくなる両方ダメになる

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Page 43: Jumvo 2.0 における デザイナーとエンジニアの連携

◎ 送信中のプログレスバーの削除

UXDのゴール・ストレスなくコミニュケーションがとれる~

「普通はあるけど、ほんとにいるの?」

UIデザイン

UXD × PT × UID 例4

使う人にはこっちの処理中は関係ないそういう時にゴールを参照して

ここのは一例実際のぐるぐるの中ではもっと細かく色々やってた

いきなり完了

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UI設計する時に気をつけてること

1) 触りたくなるビジュアルであるか  …直感的に美しく、ダイレクトに訴える(短期的な関係の構築)

2) デザイン(設計)は透明であるか  …プロダクトの目的に集中(中期的な関係の構築)

3) 温かみがあるか  …使う人をもてなしているか(長期的な関係の構築)

1)出会ってすぐ「お!」や親しみやすい使いやすくて目に止まらないのじゃ意味ない/触るのがイヤじゃないっていうのは案外重要(アイコン・質感)

2) エモーショナルな感動のあとに残るのは使いやすいUIであるべき(UI)モリモリデザインで賞味期限が短いと飽きられてしまう

3) インターフェイスとの長い信頼関係、思想

3つのバランス

ちょっと脱線して…

UIデザイン

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UX + Prototyping + UI

デザイナーから見た、ぐるぐるの良い点

◎ 体験しながらUIのブラッシュアップができる◎ チーム内でずれた意見が出にくい◎「ゴール」とずれていないか逐一検証できる◎ チーム内の合意が容易

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なぜうまくいったのか(たぶん)

UX + Prototyping + UI

◎ プロトタイピングをやったことで  ・「体験の検証」「仕様の決定」をその場で素早く行えた

◎ UXデザインがあったことで  ・常に「共通のゴール」を見ていることができた

◎ UX・プロトタイピング・UIを常にぐるぐる回すことで  ・色々試せるから、どんどんよいものになっていった  ・早い段階で「不確実性を回避」できた

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問題点

• 動くものがあるとそれにひっぱられる

• 何をしたいのか明確な意思がなければ、おそらく仕様爆発する(捨てられない)

• コードを倍ぐらい書くことになる

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言いたいこと(永野)

• 「仕様が来なくて締め切りに間に合わないよー」と嘆いている時間があるならば、何か動かしみれば

• この機能は絶対ある!というのが1個はあるはずなので何か作れば

• 動かさないと分からないことが絶対ある

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Page 49: Jumvo 2.0 における デザイナーとエンジニアの連携

• 目的の共有をしてないとプロダクトもチームもブレる

言いたいこと(伊野)

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