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2017/2/16
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建築物解体時における事前調査の方法について
川崎市環境局環境対策部大気環境課
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内容
1 石綿の概要及び本セミナーの目的
2 本市の石綿飛散防止に係る取組みについて
3 レベル3建材の事前調査の方法、注意点について
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1 石綿の概要及び本セミナーの目的
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石綿について
石綿とはアスベストとも言われ天然に産出する繊維状の鉱物
1 耐久・耐熱性に優れている。2 曲げや引っ張りに強い。3 耐薬品性に優れている。4 熱・電気絶縁性に優れている。5 繊維状で紡織性を有する。
魔法の鉱物
・ 石綿を吸入することによって生じる疾患としては、中皮腫、肺がん等が知られている。・ 中皮腫は、胸膜や腹膜から発生する腫瘍で、きわめてまれながんである。石綿が唯一の知られている原因と言われ、潜伏期間は30年~50年とされている。
・ 中皮腫、肺がんともに閾値(生体に影響を与えるのに必要な最小量)については確認されていない。
人体への影響
現状
特性
・ 石綿の使用用途の多くは建材が占めており、現在は石綿の新たな使用は禁止されているが、現存する多くの建築物に石綿を含有した建材が使用されている。
・ 今後、老朽化により、石綿が使用された建築物の解体作業の増加が予測されている。
静かな時限爆弾
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写真出典 国土交通省 目で見るアスベスト建材
●吹付け石綿(レベル1建材)石綿を含有する吹付け材で、アスベストにセメント等の結合材と水を加え混合し、吹付け機を用いて吹付けた
もの。耐火等の目的で使用されている。
●石綿を含有する保温材、断熱材、耐火被覆材(レベル2建材)配管の曲線部、屋内の天井等で使用されている。
吹付石綿(レベル1)鉄骨の耐火被覆
配管の曲線部(レべル2)
天井断熱材(レベル2 石綿を含有した布を貼り付けている)
石綿含有建材の種類
レベル1建材、レベル2建材とも大気汚染防止法の規制対象 5
●石綿含有成形板(レベル3建材)
1 石綿含有成形板は、セメント等とともに成型された建材。2 耐熱・耐久性が高いので、建築物の内外装に広く使用されている。3 レベル1、2建材と比較して、通常の使用状態では飛散する可能性は低いが、不適切な解体工事を行うと石綿が飛散する。
天井(天井吸音板)
床(P
タイル)
屋根
外壁
外壁(波板スレート)
大気汚染防止法の規制対象外
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本セミナーの目的
・石綿を吸入することで、悪性中皮腫や肺がんなどの重篤な健康被害を生じる可能性がある。・現存する建築物の多くに石綿含有建材が使用されている。
・解体等工事の着工前に事前調査を行い、石綿含有建材の使用状況を把握する必要がある。・石綿含有建材を除去する際には、建材に合わせた適切な除去工事が必要である。
レベル1,2建材は大防法にて事前調査義務や除去作業基準が規定されている。
レベル3建材は大防法の規制対象外!このため、本市では市条例にて事前調査義務や除去作業基準を規定している。
本セミナーではレベル3建材の飛散防止対策を中心に解説します!!
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2 本市の石綿飛散防止に係る取組みについて
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石綿含有成形板(レベル3建材)の除去工事
対象工事 使用面積 届出者
事前調査結果届出書 解体工事であり、対象建屋の総床面積80m2以上の工事
あり施工者
石綿排出等作業実施届出書 500m2以上
●施工前
対象工事 届出者
作業完了報告書 石綿排出等作業実施届出書の提出義務のある工事 施工者
●施工終了後
内容 実施義務
掲示板の設置 事前調査結果、石綿除去作業内容に関する掲示施工者
石綿含有成形板の除去 作業実施基準の遵守
●施工時
対象工事 実施義務
事前調査の実施全ての工事
施工者
発注者への事前調査結果説明
事前調査結果の3年間保存解体工事であり、対象建屋の総床面積80m2以上の工事
住民周知(広告物の配布等)
○上記は全て市条例にて規定9
石綿含有建材なし
●事前調査の実施
●発注者への事前調査結果の説明
●事前調査結果の保存○解体工事であり、対象建屋の総床面積が80m2以上の場合3年間保存
●施工前の届出○不要
●住民周知(掲示板)○特定粉じん排出等作業に該当しないことを表示
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(参考)吹付け石綿及び石綿含有保温材、断熱材、耐火被覆材(レベル1,2建材)の除去工事
対象工事 使用面積 届出者
特定粉じん排出等作業実施届出書※
全ての工事あり
発注者
事前調査結果届出書施工者
石綿濃度測定計画届出書 50㎡以上
●施工前
対象工事 実施義務
事前調査の実施※
全ての工事 施工者発注者への事前調査結果説明※
事前調査結果の3年間保存
住民周知(広告物の配布等)
○ ※は大防法による規定、それ以外は市条例にて規定
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(参考)吹付け石綿及び石綿含有保温材、断熱材、耐火被覆材(レベル1,2建材)の除去工事
対象工事 使用面積 申請者
作業完了報告書全ての工事
あり 発注者
石綿濃度測定結果報告書 50㎡以上 施工者
●施工時
内容 実施義務
掲示板の設置※ 事前調査結果、石綿除去作業内容に関する掲示
施工者石綿含有成形板の除去※ 作業実施基準の遵守
(隔離養生、湿潤化等)
周辺環境濃度測定 敷地境界等での環境濃度測定(使用面積が50㎡以上の工事に限る)
●施工後
○ ※は大防法による規定、それ以外は市条例にて規定12
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① 周辺住民への周知目的 :リスクコミュニケーションの一環として、周辺住民に、近隣で石綿の工事が
実施されているということを周知する。
対象工事:レベル3建材が使用されており床面積の合計が80㎡以上である建築物の解体工事
周知範囲:石綿排出等作業を行う区域の境界線からの水平距離で20メートルの範囲
周知時期:工事を始める前に周知すること
周知方法:説明会、戸別訪問、チラシ配布等
周知内容:当該事業者(施工者)の氏名又は名称石綿排出等作業の実施期間その他の当該特定排出等工事に関する事項(周辺住民に、石綿除去工事があること、飛散しないように適正に処理することを周知する)
その他 :川崎市では、住民だけでなく敷地内の従業員等に対しても工事内容を周知するよう指導している。 13
周知範囲について
周知範囲:石綿排出等作業を行う区域の境界線からの水平距離で20メートルの範囲
20m 20m
周知の対象 石綿排出等作業の区域
■建築物の解体の場合 ■広大な敷地の中の一部の建築物の解体の場合
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② 必要な掲示板
ア 事前調査の結果を公衆の見やすい箇所に表示(大防法、市条例にて規定)① 特定粉じん排出等工事を伴う建設工事に該当するか否か② 石綿含有建築材料の使用の有無について調査した年月日(調査を終了した年月日)③ 調査の方法(図面の確認、目視による確認、成分分析、石綿とみなす)④ 石綿含有建築材料の種類(吹付け、保温材等)⑤ 特定排出等工事を施工する事業者の氏名又は名称、住所及び連絡先、(法人の場合)代表者名
イ 作業内容を公衆の見やすい箇所に表示(市条例にて規定)① 特定排出等工事を施工する事業者の氏名又は名称、住所及び連絡先、(法人の場合)代表者名② 石綿排出等作業の実施の期間③ 石綿の飛散を防止するために講ずる措置の内容④ 特定工事を施工する者の現場責任者の氏名及び連絡場所
○ 掲示板の大きさ(条例で規定)・40cm×60cm以上(A2サイズ)
※ アとイの表示内容をそれぞれ別の掲示板に分けて掲示する場合は、それぞれの掲示板をA3サイズで作成しても構わない。 15
事前調査結果の掲示板例
事前調査の結果
大気汚染防止法第18条の17第4項の規定による表示川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例第67条の3の規定による表示
特定粉じん排出等作業を伴う建設工事に該当 する しない
石綿含有建築材料の有無を調査した日 平成○○年○○月○○日(調査を終了した年月日)
調査の方法 図面で確認、目視で確認、成分分析等
建築物等の解体等作業を行う期間 平成 ○○年○○月○○日~平成○○年○○月○○日
建築物等の解体等作業を伴う建築工事を施工しようとする者の氏名(法人にあっては名称及び代表者の氏名)
住所及び連絡先
石綿(アスベスト)使用状況
吹付け材
保温材・断熱材・耐火被覆材
成形板
なし・あり (使用箇所: )
なし・あり (使用箇所: )
なし・あり (使用箇所:屋根、キッチン床 )
○○株式会社 代表取締役 ○○ ○○
川崎市○○区○○町○丁目○-○ 電話番号044-○○○-○○○○
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作業実施基準の掲示板例
建築物等の解体等の作業に関するお知らせ
当現場では、・石綿障害予防規則及び川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例に基づき、適切な石綿のばく露防止対策及び石綿粉じんの飛散防止対策
川崎市役所へ・川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例に基づく届出
を行っております。
平成 ○○年 ○○月 ○○日(表示日)
施工(元請)事業者○○株式会社 代表取締役○○○○住所:○○県○○市○○町○丁目○番地○号
現場責任者氏名:(○○株式会社 ○○事業部)○○ ○○
連絡先:044-○○○-○○○○
届出年月日 平成 ○○年 ○○月 ○○日
届出内容(石綿のばく露防止対策及び石綿粉じんの飛散防止対策の内容)
石綿のばく露防止措置及び石綿粉じんの飛散防止措置の概要
・養生(飛散防止幕の設置等) ・手作業による原型のままの除去作業・立入禁止措置 ・保護具、保護衣の使用・湿潤措置
○○○○を石綿作業主任者に選任しています。
石綿に係る特別の教育を受講した者が作業を行っています。受講した特別の教育:○○○○の実施した講習(平成 年 月受講)
作業期間平成 ○○年 ○○月 ○○日~
平成 ○○年○○月○○日
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事前調査結果の掲示板例(石綿含有建材使用無し)
事前調査の結果
大気汚染防止法第18条の17第4項の規定による表示
・当解体等工事は、特定粉じん排出等作業を伴う建設工事に該当しません。【石綿(アスベスト)含有の吹付け材・保温材・断熱材・耐火被覆材の除去作業はありません。】
調査を終了した年月日 平成 ○○年 ○○月 ○○日
調査の方法 図面で確認、目視で確認、成分分析等
建築物等を調査し、解体等作業を伴う建築工事を施工する者の氏名(法人にあっては名称及び代表者の氏名)
住所及び連絡先
○○株式会社 代表取締役 ○○ ○○
川崎市○○区○○町○丁目○-○ 電話番号044-○○○-○○○○
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③ 作業実施基準
ア 建築物等の周囲にその高さ以上の幕等の設置※
※屋内であれば、開口部の目張り養生等で代替可
イ 湿潤化して除去
ウ 原則として手作業により原形を保ったまま除去
○石綿含有成形板(レベル3建材)の除去を行う際は、下記の作業基準を遵守すること
養生
湿潤化
手ばらし
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④必要な届出
ア 事前調査結果届出書
○届出対象 :レベル3建材が使用されており床面積の合計が80㎡以上である建築物の解体工事の施工者 (+レベル1,2建材の除去工事の施工者)
※届出単位は建屋毎ですが、同一敷地内で複数の建屋を解体する際には届出を一通にまとめていただいて構いません。
○届出期限 :石綿排出作業開始日の14日前まで(届出日から作業開始日までは中14日空けて下さい!)
○提出書類 :・事前調査結果届出書 記載内容は石綿含有建材の使用箇所、使用面積、調査方法など・石綿含有建築材料使用状況図面 石綿含有建材の使用箇所がわかる図面・住民周知計画 住民周知の対象範囲、周知時期、周知の際に配布した資料・工程表
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イ 石綿排出等作業実施届出書
○届出対象 :レベル3建材が使用されていて床面積の合計が80㎡以上であり、かつ使用されているレベル3建材の使用面積が500㎡以上の建築物の解体工事の施工者
※届出単位は建屋毎であり、複数の建屋を同時に解体する場合でも建屋毎に使用面積が500㎡超えるかどうかで届出対象となるか判断します。
○届出期限 :石綿排出作業開始日の14日前まで(届出日は14日間に含まれないので注意!)
○提出書類 :・石綿排出等作業実施届出書 記載内容は石綿含有建材の除去方法、使用箇所、使用面積など・石綿含有建築材料使用状況図面 石綿含有建材の使用箇所がわかる図面・建築物の概要、配置図 作業場や周辺がわかる付近見取図 掲示板の設置位置を記載すること・養生図 養生の平面図及び立面図・工程表 ・施工要領 ・管理体制図及び緊急連絡網 ・掲示板の内容・使用機材のカタログ等 ・産業廃棄物処理委託契約書の写し
※石綿排出等作業実施届出書の提出が必要な工事に関しては、石綿排出等作業完了後30日以内に作業完了報告書の提出が必要となります。 21
届出書の作成について○大気汚染防止法及び市条例に基づく届出書全般について
●川崎市建築物等の解体等作業におけるアスベストの飛散防止ガイドライン
・全届出書の作成にあたっての解説や注意点を掲載
・http://www.city.kawasaki.jp/300/page/0000017031.html
○個々の届出書について
●届出様式、届出書作成ガイド及び掲示板記載例
・それぞれの届出書の原本と作成ガイドを掲載
・http://www.city.kawasaki.jp/300/page/0000016948.html
※届出様式や掲示板の作成例をダウンロードできます。
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注文者(発注者)の配慮等
○解体等工事の注文者は、施工者に対し設計図書その他の当該解体等作業を行う建築物等における石綿含有建材の使用の状況に関する情報の提供に努めなければならない。
○石綿含有建材の除去を伴う解体等工事の注文者は、施工者に対し施工方法、工期等について、作業実施基準の遵守を妨げるおそれのある条件を付さないように配慮しなければならない。
適切な除去工事実施には発注者の協力が必要です!特に工期や費用面での配慮が重要!
市条例では、解体等工事の発注者に対し、以下の規定を設けています。
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⑤ 立入検査について
○検査内容・石綿含有建材の見落としがないか
アスベストアナライザーを活用・掲示板が掲示されているか・作業基準を守っているか(養生・湿潤化・手ばらし)
○対象となる工事事前調査結果届が提出された建築物の解体工事(原則全件立入検査を実施)
※その他、石綿未使用の解体現場に対し、月数回抜き打ちで立入検査を実施しています。
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携帯型石綿分析装置(通称:アナライザー)
特徴
・前処理が不要で迅速に石綿の含有の有無を判断可能(7秒程度)
・石綿含有率1%以上で測定可能※アンソフィライトは2%から・石綿の種類まで判定(定性のみ可能)(アモサイトとクロシドライトはAm/Cr とまとめて表示)
Thermo scientificmicroPHAZIR-ASTM
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立入検査の様子
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立入件数(レベル3建材除去工事)
○石綿含有成形板使用の届出があった現場に対しては
全件立入検査を実施。(平成27年度 708件)
○建設リサイクル法所管課と合同で石綿未使用の
解体現場を対象に月数回の抜き打ち検査を実施。
(平成27年度 116件)
合計年間824件立入検査を実施(平成27年度)27
平成27年6月29日毎日新聞 朝刊
川崎市ではH26年度、届け出のあったレベル3の解体工事649件を立ち入り調査した結果、約6割で申請になかった石綿を含む建材が見つかった。
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立入検査結果市の検査で見つかった部位・建材別順位(件数)
使用建材 主な使用箇所
1位床材(229件)
クッションフロアPタイル
トイレ・洗面所・台所の床
2位内装 壁材(225件)
ケイ酸カルシウム板フレキシブルボード
台所・浴室の壁
3位天井(213件)
吸音板ケイ酸カルシウム板
洋室・台所・廊下の天井
4位軒天(53件)
ケイ酸カルシウム板フレキシブルボード
軒天
5位戸袋(38件)
ケイ酸カルシウム板フレキシブルボード
戸袋裏
タイル裏等見えない部分に使われていることが多い
外装材であるため飛散した場合、影響が高い
集計期間:H27年11月~H28年10月
他の部位に比べ使用頻度が高い
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3 レベル3建材の事前調査について
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しかし・・・
石綿含有建材の使用箇所がわからなければ、飛散防止対策が適切に行えず、周囲にアスベストを飛散させてしまうだけではなく、作業員自身が知らない間に石綿を吸い込んでしまう。
作業員への健康被害を未然に防ぐ第1歩が適切な事前調査の実施です!
石綿含有成形板(レベル3)は、作業基準(養生、手ばらし、湿潤化)を順守することで飛散を抑制することができる。
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条例で規定されている事前調査の方法
・設計図書などの資料による確認・目視による確認
ただし、石綿含有とみなす場合は分析の必要なし。
これらの方法で石綿使用の有無が確認できない場合は、分析を行うことによって確認を行う
※平成18年9月1日以降は石綿が含有した建材は使用できなくなっているため、それ以降に着工した建築物については原則として石綿含有建材の使用がない。
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設計図書などの資料による調査
設計図面や改修履歴などにより、建物の構造や建材の概要を把握するとともに、現地では確認しにくい天井裏や壁の裏などの部分について、あらかじめ情報を得ておく。
ただし、改修等で設計当時とは異なる建材が使用されている場合があるため、設計図書の情報だけに頼るのではなく、現地での目視による確認も合わせて行うことが重要。
上記資料から建材の製品名や型番などがわかれば、石綿含有建材データベースで石綿含有情報が調べられる。国土交通省・経済産業省http://www.asbestos-database.jp/
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目視による調査使用されている建材の種類を確認。
また、建材の裏面などには石綿含有についての記載やマーク、建材の製品名、型番などが書かれている場合があるので、その情報をもとに石綿含有の有無を確認する。
含有していないことが分かった場合・・・処分費や対策工事費の削減!
含有していることが分かった場合・・・分析費用の削減!
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データベースを利用した調査
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分析、みなしによる調査
分析による確認
設計図書や目視によっても
石綿含有の有無が分からない。
石綿含有とみなして処分
石綿含有が疑われる建材であるが、分析を行わない場合は・・・
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主なレベル3建材
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屋根用化粧スレート(コロニアル)
・セメントが主原料で非常に固く、耐久性が高い。・叩くと薄いセメント板を叩いたような乾いた音がする。・住宅の屋根や外壁に使用されている。
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窯業系サイディング
・セメントと繊維質を主原料として板状に成形したもの。・バール等で削ると繊維質混じりのセメントが露出する。・戸建て住宅の外壁に使用されている。
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ケイ酸カルシウム板第1種(ケイカル板)
・ケイ酸質原料、石灰質原料が主成分で、積層状のものが多い。・石膏ボードがあまり使えない水回りや半外部に使用されてる。(軒天、台所や浴室の壁・天井)
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スレートボード(フレキシブルボード)
・セメントに繊維を混ぜて補強したもので、ケイ酸カルシウム板より比重が大きく衝撃に強い。・軒天、壁材、浴室や車庫の天井等に使用される。・叩くと薄いセメント板を叩いたような乾いた音がする。 42
ロックウール(岩綿)吸音板
・岩綿を圧縮して板状にしたもので、比重がとても小さく、天井に使用される・バールなどで叩くと容易に削れる。
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ビニル床シート(CF)
・塩化ビニルを主原料としたシート。・クッション性、耐水性が高いため、トイレ・洗面所・台所等水回りの床に多く使用される。
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ビニル床タイル(Pタイル)
・プラスチック樹脂を原料としたタイル。・耐久性、耐水性に優れ、オフィスや飲食店、学校等の土足で使用される屋内に広く使われている。・住宅では台所等の水回りの床に使用されていることが多い。 45
レベル3建材の使用箇所及び判別方法
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屋根
・石綿含有建材の代表例:化粧スレート(製造時期:1961~2004年)このほかセメント瓦に含有している場合もある。
・判別方法現場での目視。一部を取り外し、建材の裏を見て、建材名や石綿の記載を確認。
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外壁
・石綿含有建材の代表例:窯業系サイディング(製造時期:1960~2004年)
このほか、まれにスレートボード・押出セメント成形板・ケイ酸カルシウム板が使用されていることもある。・判別方法現場での目視。一部を取り外し、建材の裏を見て、建材名や石綿の記載を確認。
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軒天
・石綿含有建材の代表例:ケイ酸カルシウム板、フレキシブルボード(製造時期:1952~2004年)
・判別方法目視のほか、バールなどで叩いて音や破片から建材の種類を判断。 49
戸袋
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・判別方法雨戸を引き出して、戸袋の隙間から目視で建材を確認する。隙間から見ても使用している建材がわからない場合は、部屋側の壁を壊して建材を直接確認する。
・戸袋の裏にケイ酸カルシウム板、フレキシブルボードが張られている場合がある。
建物の内側の壁を壊して、戸袋裏の建材を確認
内装材(天井)
・石綿含有建材の例:ロックウール吸音板、パルプセメント板
浴室の天井は、ケイ酸カルシウム板やフレキシブルボードが使用されている場合がある。
・判別方法目視のほか、バールなどで叩いて音や破片から建材の種類を判断。
調査漏れ数3位
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内装(壁)
・石綿含有建材の例:ケイ酸カルシウム板
特に台所の壁には、石膏ボードに紛れてケイ酸カルシウム板が使用されている場合がある。
・判別方法目視のほか、バールなどで叩いて破片から判断。
調査漏れ数2位
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石綿が含有している石膏ボードについて対象製品は1970~1986年までに製造されたもの。この期間に製造された石膏ボード製品のうち、含有しているものは1%弱である。なお、上記対象製品は一般住宅ではほとんど使われていない。
一般社団法人 石膏ボード工業会HPより
製 品 防火材料認定番号
1 9mm厚準不燃石膏吸音ボード 第2006号、第2019号
2 9mm厚化粧石膏吸音ボード 第2014号、第2010号
3 7mm厚アスベスト石膏積層板 第1012号
4 9mm厚アスベスト石膏積層板 第1013号
5 9mm厚グラスウール石膏積層板 第1014号
6 9mm厚不燃石膏積層板 第1004号
7 7mm厚準不燃アスベスト石膏積層板 第2008号
8 15mm厚ガラス繊維網入り石膏ボード -
9 12mm厚化粧石膏板(個) (個)第1425号
※ RC造の建物では石膏ボードに石綿が含有しているケースが見られる。
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台所のコンロ周辺
タイルの下地 スレート板 化粧パネル
コンロ周辺は耐火を目的として、ほかの内装と異なる建材を使用していることが多い。また、直接視認できない箇所に使われていることも多く、調査漏れの多い箇所である。
54
台所コンロ周辺の調査方法①
タイル壁の場合は、バールなどで破砕して、下地材を確認します。
下地材がケイ酸カルシウム板やフレキシブルボードであれば、石綿が含有している可能性が高い。
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金属板の場合
金属板の裏に石綿含有建材が張られている場合があるため、バールなどで金属板をはがして下地材を確認。
はがす前 はがした後
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台所の調査方法③
化粧パネルを使用している場合は、設計図書や建材に印字されている製品名から石綿含有の有無を確認します。
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浴室・天井
ケイ酸カルシウム板・フレキシブルボードが使用している場合がある。特に集合住宅に上記建材が使用されていることが多い。
【調査方法】
目視のほか、バールなどで叩いて音や破片から建材の種類を判断。
・壁
タイル下地材やFRP裏面にケイ酸カルシウム板などが使用されている可能性がある。【調査方法】バールなどで破砕して、下地材などを確認。 58
玄関・トイレ・廊下・洋室・台所(床)
・Pタイル、クッションフロア、合板、石タイルなどがある。Pタイル、クッションフロアは石綿含有の可能性あり・判別方法目視で判断。絨毯・カーペットなどの下に張られている場合もある。
調査漏れ数1位
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クッションフロアについて
・表面に凹凸がある柄物は石綿含有の可能性が高い。
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ただし、凹凸がない無地の物であるからといって、すべてが石綿を含有していないクッションフロアというわけではないので、施工年や設計図書、分析結果など、他の情報も含めて石綿含有の判断が必要。
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戸建て以外の建物に見られる建材①
ベランダ仕切り板:フレキシブルボード
外廊下、外階段:押出成形セメント板
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戸建て以外の建物に見られる建材②
外壁・屋根:波板スレート主に工場で使用されている
屋上防水:ルーフィング主にRC造の屋上に施工される製造時期:~1987年 62
戸建て以外の建物に見られる建材③
給排水管:石綿円筒管天井:ひる石吹付け
レベル1建材のため特に注意!分析が必要! 63
調査結果の共有について
●事前調査の結果が現場の作業員に知らされていない場合がある。
(届出されている石綿含有建材を作業員が把握していない。)
⇒ 適切な石綿飛散防止対策を行うためには、元請け業者だけではなく、下請け業者も含めて調査結果を共有する必要がある。
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調査結果
発注者
下請け業者など作業員
法律で規定
飛散防止
暴露防止
文書で説明