12
2016年 3月 現在 貨物専用鉄道運営・維持管理支援プロジェクト 技プロ 南部インフラ開発マスタープラン策定準備調査 協準 16.16 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 基本方針 (大目標) 日印の共通の価値観を基礎とした「より早く,より包摂的で,持続可能な成長」の実現に向けた協力 重点分野1 (中目標) 連結性の強化 2014 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 投資促進アドバイザー 個別専門家 インフラ開発・投資促進アドバイザー 開発課題1-1 (小目標) 地域総合開発 地域回廊開発プログ ラム(DMIC・CBIC) 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1)(第三期) 有償 デリー・ムンバイ間の幹線貨物鉄道の整 備を含め,DMIC開発を支援する。また, CBICの開発を支援する。 2015 年度 2016 年度 2017 年度 【現状と課題】 インド国内の主要産業都市では,都市内及び都市間のインフラ整備が遅れており,投資誘致及び更なる経済成長のボトルネックとなっている ことから,その解消及び産業集積の高度化に向けた産業都市間の地域回廊開発が必要とされている。 2006年の日印首脳会談において,首都デリーと最大の商業都市ムンバイを結ぶ地域に工業団地,物流基地,発電所,道路,港湾,住居,商業 施設などのインフラを民間投資主体で整備する,日印共同の地域開発構想であるデリー・ムンバイ間産業大動脈(DMIC)構想及びその背骨とな る貨物専用鉄道(DFC)建設計画推進について合意され,その後も累次,首脳レベルで構想実現へ向けた取り組みを続けていくことが確認され ている。 また,2011年には日印首脳が,日系企業の集積が進む南部のチェンナイとバンガロール間の地域においても,チェンナイ・バンガロール間産 業回廊(CBIC)構想の実現に向けて日印が協力を進めることを決定したところ,我が国の技術協力により,2015年7月にはマスタープランが完成 した。今後,同プランに盛り込まれたインフラ及び開発拠点整備の具体的実施を進めることが首脳レベルで同意されている。 【開発課題への対応方針】 デリー・ムンバイ間産業大動脈(DMIC)及びチェンナイ・バンガロール間産業回廊(CBIC)構想実現に向けた資 金・技術協力を進める。 協力プログラム名 協力プログラム概要 案件名 スキーム 支援額 (億円) 備考 1361.00 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ2)(第二期) 有償 実施期間 2018 年度 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1)(第二期) 2019 年度 1036.64 有償 有償 130.00 グルガオン・バワル間都市鉄道整備計画準備調査 協準 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ2) インフラ開発・投資促進アドバイザー 個別専門家 タミル・ナド州投資促進プログラム

国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

2016年  3月 現在

貨物専用鉄道運営・維持管理支援プロジェクト 技プロ

南部インフラ開発マスタープラン策定準備調査 協準

16.16

国別援助方針 別紙

対インド国 事業展開計画

基本方針(大目標)

日印の共通の価値観を基礎とした「より早く,より包摂的で,持続可能な成長」の実現に向けた協力

重点分野1(中目標)

連結性の強化

2014年度以前

26.06

有償 902.62

個別専門家

貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償

投資促進アドバイザー 個別専門家

インフラ開発・投資促進アドバイザー

開発課題1-1(小目標)

地域総合開発

地域回廊開発プログラム(DMIC・CBIC)

貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1)(第三期) 有償

デリー・ムンバイ間の幹線貨物鉄道の整備を含め,DMIC開発を支援する。また,CBICの開発を支援する。

2015年度

2016年度

2017年度

【現状と課題】インド国内の主要産業都市では,都市内及び都市間のインフラ整備が遅れており,投資誘致及び更なる経済成長のボトルネックとなっていることから,その解消及び産業集積の高度化に向けた産業都市間の地域回廊開発が必要とされている。2006年の日印首脳会談において,首都デリーと最大の商業都市ムンバイを結ぶ地域に工業団地,物流基地,発電所,道路,港湾,住居,商業施設などのインフラを民間投資主体で整備する,日印共同の地域開発構想であるデリー・ムンバイ間産業大動脈(DMIC)構想及びその背骨となる貨物専用鉄道(DFC)建設計画推進について合意され,その後も累次,首脳レベルで構想実現へ向けた取り組みを続けていくことが確認されている。また,2011年には日印首脳が,日系企業の集積が進む南部のチェンナイとバンガロール間の地域においても,チェンナイ・バンガロール間産業回廊(CBIC)構想の実現に向けて日印が協力を進めることを決定したところ,我が国の技術協力により,2015年7月にはマスタープランが完成した。今後,同プランに盛り込まれたインフラ及び開発拠点整備の具体的実施を進めることが首脳レベルで同意されている。

【開発課題への対応方針】デリー・ムンバイ間産業大動脈(DMIC)及びチェンナイ・バンガロール間産業回廊(CBIC)構想実現に向けた資金・技術協力を進める。

協力プログラム名 協力プログラム概要 案件名 スキーム支援額

(億円)備考

1361.00貨物専用鉄道建設計画(フェーズ2)(第二期) 有償

実施期間

2018年度

貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1)(第二期)

2019年度

1036.64

有償

有償 130.00

グルガオン・バワル間都市鉄道整備計画準備調査 協準

貨物専用鉄道建設計画(フェーズ2)

インフラ開発・投資促進アドバイザー 個別専門家

タミル・ナド州投資促進プログラム

Page 2: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

ベンガルール上下水道整備計画(フェーズ3)準備調査 協準

ベンガルール都市圏ITS機器供与計画準備調査 協準

チェンナイ周辺環状道路整備計画準備調査 協準

ベンガルール及びマイソール都市圏ITSマスタープラン策定プロジェクト 開発計画

チェンナイ周辺環状道路建設計画準備調査 協準

チェンナイ海水淡水化プラント建設計画準備調査 協準

Page 3: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

北東州道路網連結性改善計画準備調査 協準

地域連結性ネットワークプログラム

南アジア地域内及び南アジア地域とASEAN地域との連結性向上による経済発展促進の観点から,インドの大都市間及び近隣諸国との基幹交通ネットワークの持続可能な整備・ボトルネックの解消・物流拠点の整備を通じて,旅客貨物輸送の効率化を支援し,開発の遅れている国境地域の経済社会開発支援を行う。

4.79

支援額

(億円)

実施期間

2018年度

2019年度

インドの大都市間基幹交通ネットワークの持続可能な整備・ボトルネックの解消・物流拠点の整備を通じて,同国の経済社会開発支援を行う。

交通ネットワーク整備プログラム

協力プログラム名 協力プログラム概要

持続可能な山岳道路開発のための能力向上プロジェクト 技プロ

個別専門家

229.03

有償

ビハール州国道整備計画 有償

「チェンナイ港運営管理改善計画」に係る技術支援

高速道路運営維持管理の組織能力向上プロジェクト

高速鉄道開発計画プロジェクト

技プロ

技プロ

ビシャカパトナム港拡張計画

高速鉄道に係る制度整備支援プロジェクト 技プロ

開発課題1-2(小目標)

地域ネットワークの整備

日本の技術を生かした斜面対策計画(国道55号線改良計画)準備調査 協準

北東州道路網連結性改善計画(フェーズ1)(第一期) 協準

備考2014年度以前

2015年度

2016年度

スキーム 2017年度

5.32

【現状と課題】[交通幹線ネットワーク]インド政府は,第12次5か年計画(2012年4月~2017年3月)や国家道路交通政策等において,全国的にバランスの取れた道路網開発を掲げており,新規道路建設,既存道路拡幅・補強,橋梁架け替え,PPPによる案件形成,安全・エネルギー効率・社会環境保全の重視等の必要性に言及するとともに,空港や港湾等へのアクセス向上による円滑な一貫輸送の実現を課題としている。特に,国道開発計画Ⅲ~Ⅵ及び北東州とバングラデシュ・ミャンマーを結ぶ国境周辺道路の整備を推進している。鉄道に関しては,幹線鉄道の旅客・貨物の大量輸送を可能にする路線整備,設備・技術の近代化・高度化を通じた安全性・信頼性の向上,適切な料金政策の必要性について言及している。[地域連結性ネットワーク]北東州をはじめとする国境地域については,交通インフラ整備が整っておらず,国内外他地域との連結性が十分でないため,インド国内の他地域と比較しても経済開発が遅れている形となっている。そのような状況を受けて,インド政府は第12次5か年計画(2012年4月~2017年3月)において,特に北東州開発を重視しており,国道整備の特別プログラムへの予算措置等の対策を取っている。また,国境に近い立地を活かして,ハード・ソフト両面によるクロスボーダー交通の円滑化を進めることが,同地域の経済発展の鍵ともなっている。

【開発課題への対応方針】[交通幹線ネットワーク]インド国内6大都市圏や産業集積地域を中心に,インドの大都市間基幹交通ネットワークの持続可能な整備,ボトルネックの解消,物流拠点の整備等を通じて,旅客貨物輸送の効率化を支援し,同国の経済社会開発支援を行う。

[地域連結性ネットワーク]南アジア地域内及び南アジア地域とASEAN地域との連結性向上による経済発展促進の観点から,地域連結性ネットワークに対する支援を積極的に検討する。具体的には,短期的には北東州地域と近隣国を結ぶ国境周辺道路網の整備,中長期的には同地域以外の道路網や鉄道路線の整備及び国境間物流における税関やトランジット円滑化に係るソフト支援等を進める。

案件名

41.29

ツチコリン港拡張計画準備調査 協準

ビハール州国道整備計画(フェーズ2) 有償 214.26

ムンバイ湾横断道路建設計画準備調査 協準

4.91

マハトマガンジー橋補修計画準備調査 協準

国道55号線斜面災害対策計画準備調査 協準

Page 4: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

オディッシャ州送電網整備計画 有償 217.87

グジャラート州運河上太陽光発電プラント建設計画準備調査 協準

協準

実施期間

有償

マディヤ・プラデシュ州送電網増強計画 有償 154.57

2015年度

エネルギー需要の拡大するインドにおいて,電力供給能力と送配電能力を強化するべく,高効率電力供給施設(発電所,送配電網)の整備,既存施設の効率改善,送配電ロスの低減を継続的に支援するとともに,気候変動対策の観点から,新・再生可能エネルギー開発への支援及び需要側の省エネルギー促進を行う。

268.00

179.63

開発課題2-1(小目標)

エネルギーの安定供給

有償

省エネルギー技術(産業分野) 国別研修

有償

アンダマン・ニコバル諸島電力供給能力向上計画準備調査 協準

エネルギー供給・効率化プログラム

ハリヤナ州送変電網整備計画

中小零細企業・省エネ支援計画(フェーズ3)

有償

有償

ビハール州バラウニ超臨界発電所建設計画準備調査

ハリヤナ州配電設備改善計画 有償

有償

184.75

タミル・ナド州送電網整備計画

マディヤ・プラデシュ州送電網整備計画 有償

2018年度

2019年度

607.40

185.90

300.00新・再生可能エネルギー支援計画(フェーズ2)

アンドラ・プラデシュ州高圧配電網整備計画

重点分野2(中目標)

産業競争力の強化

【現状と課題】インドの電力セクターは,供給能力増と効率化の両立,電源の多様化,地域格差の解消という3つの課題を抱えている。慢性化する電力供給不足に対して,省エネ推進の他,発電の主力である火力発電の効率化(高効率石炭火力発電設備の導入促進,老朽化した施設のリハビリやリプレイス等のハード面,及び効率的な運転方法などのソフト面とも)への支援ニーズが大きい。ただし,この課題に対しては民間企業による電源開発が急速に進められており,UMPP(大規模火力プロジェクト)などの効率的な大規模電源の開発も開始されている。他方,設備の老朽化や盗電等に起因する送配電ロス率は2011年度で全国平均21.14%となっており,中国(5.73%) ,インドネシア(9.14%)といった他の途上国と比べても極めて高い。そのため,施設の更新や効率的な送配電技術の導入による送配電のロス低減の余地は大きく,資金協力を中心に積極的に支援すべき分野といえる。電力の安定供給のためには,供給能力を増強するだけでなく,電源を多様化させる必要がある。特にインド政府が政策的に進めている再生可能エネルギーの利用はCO2排出削減の観点からも重要性が高い。地方での電力供給については,インド政府の定義による農村電化率は2012年度末で92.6%であるが,貧困ライン以下の世帯電化率は70.6%とも言われている。格差是正の観点からも地方電化は最も大きな課題の一つであり,貧困州や人口の多い地域における配電能力強化に関するニーズは高い。上記の課題の解決に向けて,インドの第12次5か年計画においては,約118,537MWの新規電源開発(うち30,000MWを再生可能エネルギー)及び中央送電公社による地域間基幹送電線(220kV以上)の容量の38,650MWから75,750MWまでの増加の計画が立てられている。また,地方電化の推進に向けては,2014年11月に立ち上げられた新世帯電化促進プログラム(DUGJY:Deendayal Upadhyaya Gram Jyoti Yojana)に基づき,全世帯の電力アクセス確保を目標に,世帯電化に必要な配電線や変電設備等の新設・増強の支援,及び,貧困層に対する電気の利用に必要な設備の無償提供を実施してきている。

【開発課題への対応方針】環境負荷の低い技術を適用しながら,高効率な電力供給施設(超超臨界・超臨界)の整備による電力供給能力と送配電能力(高圧電線・低ロス電線・スマートグリッド等)の強化を行う。また,省エネルギー及び再生可能エネルギーの促進を通じて,エネルギーの効率的な利用及び電源の多様化に貢献する。さらに,DMIC・CBIC等の重点地域の産業発展に資するスマートグリッド事業などの電力施設整備を検討する。資源分野については,長期研修を含む政府人材育成(開発計画・法制度整備,鉱物資源管理,鉱山環境・保安対策)を行う。

協力プログラム名 協力プログラム概要 案件名 スキーム

有償

有償

支援額

(億円)備考

2017年度

2016年度

2014年度以前

236.97

300.00

プルリア揚水発電所建設計画

バンガロール配電網設備高度化計画

209.02

ハイデラバード都市圏送電網整備計画

106.43

Page 5: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

有償

1488.87

486.91

199.81チェンナイ・メトロ建設計画(第四期) 有償

598.51

デリー高速輸送システム建設計画フェーズ3(第二期) 有償

420.27

アーメダバード・メトロ計画(第一期)

217.51

ハイデラバード外環道路建設計画(フェーズ1) 有償 418.53

447.04

バンガロール・メトロ建設計画(第二期) 有償 198.32

チェンナイ・メトロ建設計画 有償

急速に都市化が進むインドの6大都市(デリー,ムンバイ,コルカタ,チェンナイ,ベンガルール及びハイデラバード)及びメトロを必要とする中規模都市を中心に,渋滞の緩和・旅客貨物輸送の効率化・都市環境の改善等を目的として,地下鉄や外環道路等の建設による大都市圏の交通網の整備や実施機関の能力向上を支援し,同国の経済社会開発支援を行う。

開発課題2-2(小目標)

都市交通

デリー高速輸送システム建設計画フェーズ3 有償都市交通プログラム

コルカタ東西地下鉄建設計画 有償

チェンナイ・メトロ建設計画(第三期) 有償

コルカタ東西地下鉄建設計画(第二期) 有償

バンガロール・メトロ建設計画 有償

チェンナイ・メトロ建設計画(第二期) 有償

ハイデラバード外環道路建設計画(フェーズ2) 有償

1279.00

64.37

【現状と課題】インドの大都市では,道路交通需要の増加に伴う交通渋滞による経済損失及び大気汚染・騒音等の自動車公害による健康被害が重大な問題となっており,都市開発計画を踏まえた大規模な公共交通インフラの拡充が必要となっている。2006年に策定された国家都市交通政策では,急増する都市人口とその移動ニーズに対応するために,安全,安価,高速,快適で信頼度の高い,持続可能な交通手段を提供することが目標として掲げられている。第12次5ヶ年計画(2012年4月~2017年3月)において,インド政府は公共交通システムの整備に重点を置き,鉄道事業に対して5年間で1兆3千億ルピーの投資を計画している。

【開発課題への対応方針】急速に都市化が進むインドの6大都市(デリー,ムンバイ,コルカタ,チェンナイ,ベンガルール,ハイデラバード)及びメトロを必要とする中規模都市を中心に,を中心に,渋滞の緩和・旅客貨物輸送の効率化・都市環境の改善等を目的として,地下鉄や外環道路等の建設による大都市圏の交通網の整備や実施機関の能力向上を支援し,都市の産業競争力強化やビジネス環境改善に資する基盤整備を行う。

628.07

710.00

234.02

ムンバイメトロ3号線建設計画 有償

Page 6: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

ポートブレア産業訓練研修所改善アドバイザー 個別専門家

高度・産業人材育成プログラム

自然災害の減災と復旧のための情報ネットワーク構築に関する研究

産業競争力向上の鍵となる製造業を牽引していく人材や適切な技術力を持つ人材の供給基盤を強化すべく,製造業振興に係る人材育成やビジネス環境整備の支援を行う。

新設IITのうちハイデラバード校(IIT-H)への支援を日本が担うことに関する日印の首脳合意を踏まえ,日本側は支援コンソーシアムを設置し産官学で協働している。ODAポーションを担う本プログラムにおいては,キャンパス施設の整備,共同研究の促進,研究者の交流,研修員の受入れといったソフト・ハード両面のスキーム横断的な重層的支援を展開し,IIT-Hの環境整備と能力向上を行う。これを通じ,わが国の大学・産業界とIIT-Hとの間で産学の研究ネットワークを形成し,将来にわたる日印連携体制を構築する。

人的交流や日印理解の促進 (日本語教育, スポーツ分野) JOCV

インド工科大学ハイデラバード校日印産学研究ネットワーク構築支援プロジェクト

科学技術

4.66

【開発課題への対応方針】[産業人材育成]民間セクターと連携した製造業の経営幹部や技術者の育成,訓練機関・大学の強化・拡大支援,及び産業人材育成支援機関への技術協力・資金支援等を通じ,技術者の育成や雇用創出に繋がる支援を行う。

[高等教育]累次の首脳会談で支援が合意されているインド工科大学ハイデラバード校(IIT-H)支援は,日印関係強化の観点からも,また,日印の産学ネットワークを強化する観点からも,意義が高い。具体的には,キャンパス整備(円借款,技術協力),研究・人材交流促進と教育・研究面での日印ネットワークの形成,地球規模問題科学技術協力(SATREPS)などを有機的に組み合わせて展開する。日印のトップレベルの大学・研究機関間の交流を促進し,中長期的には大学間・本邦企業とIITHとの直接の協力に軸足を移していく。

11.96

2016年度

2017年度

53.32

備考

2015年度

6.46

177.03

インド工科大学ハイデラバード校整備計画 有償

包括的成長のための製造業経営幹部育成支援プロジェクト 技プロ

インド工科大学ハイデラバード校整備計画(フェーズ2)

技プロ

人的交流や日印理解の促進(青少年活動) JOCV

4.42

【有償専門家派遣】タミル・ナド州製造業人材育成 個別専門家

有償

支援額

(億円)2014年度以前

開発課題2-3(小目標)

人的資源開発・人材交流促進

協力プログラム名 協力プログラム概要 案件名 スキーム

学際的研究交流を通じたインド工科大学ハイデラバード校キャンパスデザイン支援プロジェクト

技プロ

技能評価システム移転促進事業 厚生労働省技協

【現状と課題】[産業人材育成]インドでは,1990年以来20年間で人口が約3億5千万人増加しており,特に労働力人口は人口増加率を上回るペースで急速に増加している。今後,インドの人口構成が所謂「人口ボーナス」を享受する時期を迎え,更に労働力人口が増加し,2022年までに7億人に達する見込みであるが,そのうち5億人は技術・技能向上のため,何らかの訓練を必要とすると見込まれている。一方,現在労働力人口の10%しか技能訓練を受けていないのが実情であり,近年の継続的な経済成長により産業界が求めるようになっている高い技能・技術を備えた人材が絶対的に不足する状況となっている。セクター別で雇用を見ると,就労人口の5割以上を占める農業セクターの雇用伸び率は年率1%未満となっており,またインドの近年の経済成長を牽引してきたIT関連を中心とするサービス産業の今後の雇用面での貢献は限定的である。GDPに占める製造業の割合は中国やタイ等の東南アジア諸国と比較して低く15%程度であり,また,製造業が雇用に占める割合は10%強に留まっている。近年の緊縮財政政策で公的セクターが徐々に縮小する傾向にある中,民間セクターの振興とこれを通じた雇用の吸収が期待されているところ,製造業は雇用の受け皿として大きく期待されている。第12次5か年計画(2012年4月~2017年3月)は,急速な人口増加に対応する雇用創出を重要な課題と位置づけており,非農業部門において約5千万人の雇用創出が可能として,特に労働集約的な製造業の振興を優先課題としている。また,国家製造業政策(2011年)においては,2022年までに製造業において1億人の新規雇用創出を行うことを方針として掲げている。[高等教育]第11次5か年計画(2007年4月~2012年3月)では,8つのインド工科大学(IITs)を含む51大学が新設され,高等教育機関への就学率は17.9%(2011-2012年)となったが,未だ20%を下回っている。第12次5か年計画(2012年4月~2017年3月)では,同就学率を2017年に25.2%まで引き上げることを目標としている。理工学系高等教育はインドの産業を支える人材育成の重要な機能を担っており,中でもIITsは,工学及び科学技術分野の大学及び大学院から成り,産業分野の急激な変化に対応するための国際レベルの教育と研究の機会を提供している。

2019年度

学際的研究交流を通じたインド工科大学ハイデラバード校キャンパスデザイン支援プロジェクトフォローアップ

技プロ

社会・産業インフラとしての法定計量 国別研修

2018年度

実施期間

Page 7: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

コミュニティー開発分野の青年海外協力隊派遣 JOCV

個別研修

農業・農村開発プログラム

ヒマーチャル・プラデシュ州作物多様化推進計画 有償

重点分野3(中目標)

協力プログラム概要 案件名 スキーム

農業の生産性を向上させ,かつ,旱魃などの天候に左右されず安定した農業生産量を確保するため,灌漑施設等の農業生産基盤の整備及び農業用水利用の効率化を支援していく。また,都市部との格差・不均衡是正という観点から,貧困層が多く居住する農村部の生活環境改善に資する基礎インフラの整備への支援も行っていく。

食料安全保障に留意しつつ,基幹農産物の安定供給と高付加価値農産物生産へ向けた技術開発,農業多角化に向けた営農改善,及び,これらの普及を支援する。また,地域特性に応じ比較優位を最大化する,きめ細かい生産性向上計画を作成することで,農村における生計向上の支援を行う。

農村部での非農業部門の振興への支援を通じ,所得の低い農業労働者の非農業部門への自発的な移行を促し,農村地域全体の底上げを支援する。

持続的で包摂的な成長への支援

【現状と課題】インド農業部門のGDPに占める割合は長期減少傾向にあり,1950年代には約50%を占めていたのが2001~02年には24%に,2009~10年には14.7%にまで低下している。しかし,依然として人口の約7割が農村部に居住し,就業人口の約6割が農業に従事していることから,農業・農村開発はインドの社会経済発展に不可欠と考えられる。インドにおける農業は,近年は農業技術革新(単収)及び灌漑施設等のインフラ整備が滞る中,成長率は著しく鈍化しており,第10次及び第11次5か年計画期間を通じて平均2.9%となっている。また,低い灌漑率(35%)及び高い天水依存のため,南西モンスーンの影響を受けやすく,生産量は気候による変動を大きく受けている。加えて,近年の国際的な食糧不足,食糧価格高騰を受け,国内では食料安全保障に対する関心が高まっている。インド政府は第12次5か年計画(2012年4月~2017年3月)において,農業部門の平均成長率の目標を4%に設定し,農業部門の成長が包摂的な成長には重要であるとして,特に小規模農家の農業経営に焦点をおいている。同政府は,農業・農村開発のために2005年以降MGNREGA(MahatmaGandhi National Rural Employment Gurantee Act) による農村への雇用機会の提供,様々な政府スキームによる住居の確保,全天候型道路整備,安全水の供給,灌漑施設整備等,農村の環境改善・インフラ整備を積極的に進めている。また,同計画期間中に第11次5か年計画で策定された米,小麦及び豆の増産を目的とした国家食料安全保障ミッションと農業及び農業関連部門への資金配賦の政府スキームであるRKVY(Rakshtriya Krishi Vikas Yojana)を統合し,主要作物の種類及び生産量を増加させることを目指している。農業部門の改善に向けた課題としては,水資源不足の解消及び農村インフラの整備,農業技術の研究開発投資と普及,農業生産性の向上及び農作物の高付加価値化・多様化の推進,農村の生計向上及び雇用機会の創出などがある。

ラジャスタン水資源セクター・生計向上計画準備調査 協準

0.15

2016年度

2017年度

50.01

239.74

46.52

4.80

実施期間

2018年度

2019年度

備考支援額

(億円)

開発課題3-1(小目標)

農村における経済開発と生計向上

【開発課題への対応方針】農村環境や農村インフラ整備を通じた農村部における農業生産量の安定化,及び,農業生産性向上や収入多角化を通じた農村の所得向上を推進することを目的とする。具体的には,「農村環境・インフラの整備」の観点では,天水農業地域などの開発の遅れた農村部において灌漑施設やアクセス農道などの生産基盤を整備するとともに,灌漑効率の高いマイクロ灌漑の導入や水利組合の設立・育成など農業用水水利用の効率化に資する活動を支援し,天候に左右されない安定した農業生産量の確保を図る。また,「農村の所得向上」の観点では,野菜や果物などの小さな農地から高い所得が期待できる高付加価値農産物の生産拡大,畜産や農産加工など農業の多角化を推進するため,貧困農家向けの低コスト適正栽培技術の開発,農業その他生計手段の多角化に向けた営農改善・技術普及,貧困層向けのマイクロファイナンス等を支援し,農家所得の増大を図る。

2.74

6.34ヒマーチャル・プラデシュ州作物多様化推進プロジェクト 技プロ

ミゾラム州持続可能な農業のための土地・水資源開発計画プロジェクト 開発計画

アンドラ・プラデシュ州灌漑・生計改善計画 有償

レンガリ灌漑計画(フェーズ2) 有償 339.59

マディヤ・プラデシュ州大豆増産プロジェクト 技プロ

2015年度

2014年度以前

二化性養蚕技術実用化促進計画 F/U

協準ジャルカンド州点滴灌漑による園芸作物促進計画準備調査

有機農業推進の基盤整備事業 日本NGO

ジャルカンド州点滴灌漑による園芸作物促進計画 有償

農業分野の草の根技術協力 草の根技協

中央・州政府水資源開発エンジニア向け研修

ヒマーチャル・プラデシュ州作物多様化推進プロジェクト(フェーズ2) 技プロ 7.60

Page 8: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

保健衛生・教育訓練分野の草の根・人間の安全保障無償資金協力 草の根無償 5.00

タミル・ナド州都市保健強化計画

母子保健分野の草の根技術協力 草の根技協

無償

保健分野の青年海外協力隊派遣 JOCV

チェンナイ小児病院改善計画

1.20ポリオ撲滅計画(ユニセフ連携) 無償

障害者支援分野の草の根技術協力 草の根技協

ラジャスタン州における乳幼児の総合的栄養改善事業 日本NGO

実施期間

2018年度

255.37

2019年度

基礎的社会サービス向上プログラム

MDGs達成のための乳幼児・妊産婦の死亡率改善への貢献を念頭に,以下に重点を置いた支援を行う。1. 乳幼児の主要な死因である感染症対策の強化。2. 貧困層に幅広く,直接裨益する保健医療サービスへのアクセスの向上。

開発課題3-2(小目標)

基礎的社会サービスの向上

【現状と課題】「乳幼児死亡率の削減」,「妊産婦の健康の改善」,「HIV/エイズ,マラリア,その他の疾病の蔓延の防止」というミレニアム開発目標(MDGs)達成のためには,世界の貧困人口の約3分の1が居住するインドにおける健康指標の改善が不可欠である。しかし,5歳未満児死亡率が56(出生千対)(WHO, 2012),妊産婦死亡率が190(出生10万対)(WHO, 2012)と,依然として厳しい状況である。インド政府は第12次5か年計画(2012年4月~2017年3月)においても保健医療分野の改善を重点分野として定めている。同計画では,保健医療サービスの強化を目的として,国家都市保健ミッション(NUHM, National Urban Health Mission)を実施し,特に都市部のスラム地域などの貧困層への保健サービスを提供することを目標としている。また,第10次5か年計画において策定した国家農村保健ミッション(NRHM,National Rural Health Mission)を,国家保健ミッション(NHM, National Health Mission)へ統合し,全ての国民に保健サービスへのアクセスを確保するとともに,必要な時に負担可能な費用で保健サービスを受けられるというユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC, UniversalHealth Coverage)の実現を目指している。当該分野の改善に向けた課題は,医療施設の整備・拡充の必要性のみならず,貧困層が利用する保健医療施設における質の高い医師・医療技術者の絶対数の不足,住民の保健医療に関する意識の薄さ,衛生面・栄養面の改善及び地方行政組織の能力強化など多岐に亘る。

【開発課題への対応方針】インドのMDGsにおける乳幼児・妊産婦の死亡率等の保健指標が南アジア諸国の中でも悪いことを踏まえ,乳幼児の主要な死因である感染症対策の強化及び幅広く貧困層に直接裨益する保健医療サービスへのアクセスの向上を重点に支援を行う。具体的には,インド政府が進める国家農村保健ミッションや都市部の貧困層を対象とする国家保健ミッションの推進・連携を行いつつ,医療施設・機材整備と医療人材育成を組み合わせた医療インフラの確立,保健・衛生分野での人材育成,及びトイレ整備支援等を通じたジェンダー主流化のための女性の地位向上に資する支援を行う。

協力プログラム名 協力プログラム概要 案件名 スキーム支援額

(億円)備考

2014年度以前

2015年度

2016年度

2017年度

病院経営・財務管理 国別研修

14.95

院内感染管理指導者養成研修 国別研修

アジア地域におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成のための社会保険制度強化 国別研修

0.53

有償

適正な医薬品の供給・品質管理・使用に向けた薬事行政及び薬剤師の役割 国別研修

Page 9: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

139.37

有償

開発課題3-3(小目標)

環境問題・気候変動への対応

【現状と課題】[森林資源管理]インドは,20世紀初頭には,国土の約40%程度が森林であったが,昨今は森林被覆率が23.8%(2011年)と世界平均の31%(2010年)よりも低い。貧困層を含む多くの人々が,家畜飼料,燃料,収入等を森林に依存しているが,近年の人口増加により森林への負荷が高まっており,森林の劣化が進行している。これにより,森林資源の減少に加え,森林の水土保全機能の低下による農業用水・飲料用水の不足等の影響が生じ,森林に生活を依存する貧困層の生活を圧迫し,森林への負荷を加速するという悪循環に陥っている。また,インドの森林の疎林率は41.6%(2011年)と高く,森林に期待される役割を十分果たしていないため,森林の質の向上は,森林面積の拡大と併せて重要な課題である。かかる状況に対応するため,インド政府は,第12次5か年計画(2012年4月~2017年3月)終了時点までに500万ヘクタールの緑化の実施を目標としている。加えて,同計画において,共同森林管理委員会の森林資源管理能力の強化,森林管理モニタリング体制の確立,森林資源依存者の代替生計手段の確立支援,情報管理システムの強化及び人材開発の推進に重点が置かれている。

[上下水道・衛生改善・公害防止対策(廃棄物管理,大気汚染改善)]インドでは,人口増加や経済成長により環境への負荷が増大し,都市部において廃棄物問題,大気汚染,生活環境の悪化,河川・湖沼の水質汚濁等,多岐に亘る開発課題が生じている。また,都市を中心に,安全な飲料水の確保及び下水処理等が喫緊かつ将来に亘る重要な課題となっている。具体的には,上水道については,各戸給水栓と公共栓を合わせた上水道普及率が都市部人口の64%に留まる等,急速な都市化に伴う需給ギャップ拡大に伴い十分な水質・水量・給水時間が確保されていないこと,下水道については,都市部の下水管接続率が3割以下に留まっており,下水処理能力を超過した汚水が排出されることにより,地域住民の衛生・生活環境が脅かされていること等が,課題となっている。これを受けてインド政府は,第12次5か年計画において都市部全人口への上水供給及び下水・衛生施設の提供を政策目標として掲げている。特に,上水道については人口増加による需要増大に対して水源が限られていることに鑑み,無収水対策や再生利用水の活用等による効率的な水利用を,下水道については全ての都市部上水道施設に対応した下水処理施設の整備を,政策目標として掲げている。また,各州・自治体に対し包括的な都市開発計画を策定し,国家都市再生ミッション(AMRUT)等による支援を活用しつつ目標の達成を図るよう求めている。河川・湖沼の水質汚濁については,主に自然浄化能力を超える量の未処理排水の流入が原因であるところ,これまで国家河川保全計画(NRCP)及び国家湖沼保全計画(NLCP)を策定し,下水処理場の建設等の対策を進めてきた。第12次5か年計画においては,未処理排水を防ぐためには上水道施設整備のスピードに合わせて下水処理施設を建設する必要があると強調されており,全ての都市排水を処理した上で河川に放流すること,及び,全ての主要河川の水質を指定利用水質まで改善することを政策目標としている。地下水については,過剰揚水による地下水位の低下や,砒素,フッ素汚染等の水質問題が顕在化しており,過剰揚水の防止や節水技術の普及等が課題として,国家環境政策2006において具体的な行動指針が設定されている。公害防止対策については,都市部を中心に廃棄物処理や大気汚染等の公害防止が課題となっており,第12次5か年計画(2012年4月~2017年3月)において,廃棄物については,市民の意識向上,組織立った回収及び処理,最適なリサイクル及び処理方法の選択等が,また,大気汚染については,すべての大都市で大気質を米国大気環境基準(NAAQS)に改善することが,それぞれ政策目標として設定されている。[防災]インドは地理気候的に洪水,サイクロン,干ばつ,地滑り・斜面崩壊,地震・津波,など様々な自然災害が多発しているが,近年は地球温暖化の影響でこれらの災害が甚大化する傾向にある。ビハール州,アッサム州,西ベンガル州や北東諸州においては,毎年モンスーン時期に発生する洪水や土砂崩れにより甚大な被害が発生している。加えて,北部ヒマラヤ地域はインドプレートとユーラシアプレートの収束境界に位置しており,中~大規模な地震活動が活発な地域である。また,これらの災害多発地域は貧困層が多い地域と概ね合致しており,災害による被害が貧困層のさらなる困窮に拍車をかけている。かかる状況を受け,インド政府は2004年に国家レベルの防災枠組みを策定したほか,2005年に防災法を制定し,各州に防災計画の策定を義務付けた。2007年には州防災計画作成のためのガイドラインも策定されている。組織面では,防災政策・計画・ガイドラインの策定およびそれらの実施を調整する機関として首相を議長とする国家防災委員会(NDMA)が設置されているほか,各州に州防災委員会(SDMAs)が設置されている。また,NDMAのもと,災害軽減および緊急対応のための人材育成を促進する機関として,国家防災協会(NIDM),迅速な災害対策を行う機関として国家災害対応部隊(NDRF)が設置されている。これらの取り組みの一方で,これまでのところ政府の対策は被害者の救出や支援などの事後応急対策にとどまっており,災害の予測,被害の軽減のための対策,中長期的な復興計画策定等の知見や技術の蓄積は乏しいのが現状である。

【開発課題への対応方針】[森林資源管理]住民参加型による持続可能な森林資源管理及び森林資源に依存する貧困層の生計向上と安定化を目指し,参加型手法による森林資源管理及び生物多様性保全,持続可能な生計向上活動支援,及び治山を軸とする植生回復による災害対策・防災支援を行う。また,インド第12次5か年計画において言及されているREDD+との関連を認識し,案件形成を図る。具体的には,インドで長年実施されているJFM (Joint Forest Management)を支援すると共に,GIS等を活用した森林モニタリングに対する支援を実施し,森林保全事業において実施される小規模インフラ整備や副林産物を活用した小規模ビジネス等の活性化し,関連するマーケティング及び運営管理支援を実施する。これらの森林資源管理事業を通して,適宜対象州,対象地域における生物多様性保護を検証し,地域住民に負担を掛けすぎない生物多様性保全計画策定・遂行を支援する。

[上下水道・衛生改善・公害防止対策(廃棄物管理,大気汚染改善)]インドの主要都市における生活環境の改善を図ることを目的に,上下水道・衛生施設の絶対的な不足状態へ対応すべく,都市圏を中心としたインフラ開発,事業運営機関の財務持続性の確保,事業運営機関の能力向上,貧困層(スラム)への衛生改善を始めとする公共サービスの拡大,市民参加の促進と住民の啓発に取り組む。特にDMIC・CBIC地域や民間投資を促進し得る都市や地域での事業を優先的に行う。他方で,貧困削減の観点からは,水源の質が悪くフッ素症等健康被害を及ぼしている地域等の他,環境保護や水資源の保全の観点から,重要度の高い川や湖の浄化事業に対しても選択的に支援を行う。支援にあたっては,組織強化や財務持続性に関して明確なアクションプランを有していること,具体的且つ詳細な人材育成計画を有していること,用地取得やF/S等の事前準備が十分になされていることを満たす事業を支援対象とする。また,無収水対策,再生利用水のための高度処理,海水淡水化技術等の日本企業・自治体の知見,経験,及び先進的技術を積極的に活用する。従来の円借款資金による支援に加え,民間資金を活用したPPP事業に対する支援も行う。また,人口増大や経済発展に伴う都市部を中心とした公害対策として,廃棄物対策や大気汚染等の対策に資するインフラ整備・実施機関のキャパシティービルディングに係る案件形成を行う。

[防災]山間部における災害対策として,類似した環境が多い我が国の砂防技術や斜面対策技術が活用できる可能性が高く,先方政府からも我が国の技術への期待感が示されている。今後の対応として,2013年に洪水・土砂災害により甚大な被害を受けたウッタラカンド州において,森林防災および土砂災害・斜面対策,防災能力向上の支援を検討するほか,主に山岳州や洪水多発地域を対象として基礎情報収集・確認調査を実施し,同地域における自然災害や必要となる対策等に関してより詳細な情報を収集して案件形成を図る。他方,インド国内では,2013年にウッタラカンド州で発生した洪水災害以降,地震や洪水などを対象にした災害リスクファイナンスに対する注目が高まっていることから,他ドナー機関や我が国の保険会社,損保会社との連携も視野に入れて案件形成の可能性を検討する。

森林資源管理プログラム

インド全土において,荒廃林の復元による森林の量的・質的改善,土壌劣化の防止,水土保全機能低下の防止,生物多様性保全等,多岐にわたる支援を地域の実情に応じ,柔軟に行う。森林管理の持続性確保のため,インド政府の共同森林管理(Joint Forest Management:JFM)にかかる取り組みを支援し,住民の生計向上や,ステークホルダーの能力向上等様々な取組を推進する。また,森林局職員の能力開発を重視し,これを支える中央政府・州政府の研修機能の強化を支援する。

有償

グジャラート州森林開発計画(フェーズ2) 有償

2018年度

2019年度

77.25

152.09

オリッサ州森林セクター開発計画 有償

カルナタカ州持続的森林資源管理・生物多様性保全計画 有償

ウッタル・プラデシュ州参加型森林資源管理・貧困削減計画 有償

実施期間

タミル・ナド州植林計画(フェーズ 2)

トリプラ州森林環境改善・貧困削減計画

協力プログラム名 協力プログラム概要 案件名 スキーム支援額

(億円)備考

2014年度以前

2015年度

2016年度

2017年度

ハリヤナ州森林資源管理・貧困削減計画 有償

175.21

98.18

133.45

62.80

Page 10: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

ベンガルール上下水道整備計画(フェーズ3)準備調査 協準

有償

52.41有償

上下水道関連施設等整備,事業運営機関の財務持続性の確保と能力向上,貧困層(スラム)への公共サービスの拡大,廃棄物対策や大気汚染等の対策等の公害対策,市民参加の促進と住民の啓発に取り組む。その際,効率性向上のため民間参入の促進に努める。

上下水道・衛生改善・公害防止対策プログラム

アムリトサール下水道整備計画 有償 69.61

ケララ州上水道整備計画(フェーズ3) 有償 127.27

アグラ上水道整備計画 有償 248.22

ホゲナカル上水道整備・フッ素症対策計画(フェーズ2) 有償 170.95

ラジャスタン州地方給水・フッ素症対策計画 有償 375.98

ジャイプール無収水対策プロジェクト 技プロ 4.08

ホゲナカル上水道整備・フッ素症対策計画 有償 223.87

5.11

ゴア州無収水対策プロジェクトフェーズ2 技プロ 5.57

ゴア州上下水道整備計画 有償 228.06

ゴア州無収水対策プロジェクト 技プロ

フセイン・サガール湖流域改善計画 有償 77.29

バンガロール上下水道整備計画(フェーズ2) 有償 703.55

コルカタ廃棄物管理改善プロジェクト 技プロ

コルカタ廃棄物管理改善計画 有償 35.84

ガンジス川浄化計画準備調査 協準

ガンジス川流域都市衛生環境改善計画(バラナシ) 有償 111.84

113.90

63.71

34.93

シッキム州生物多様性保全・森林管理計画支援 53.84

スワン川総合流域保全計画 有償

西ベンガル州森林・生物多様性保全計画 有償

森林管理能力強化・人材育成計画

157.49

88.29

ラジャスタン州植林・生物多様性保全計画(フェーズ2) 有償

ウッタラカンド州森林資源管理計画 有償

タミル・ナド州生物多様性保全・植林計画 有償

Page 11: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

113.90

北東州道路網連結性改善計画準備調査 協準

0.26

国道55号線斜面災害対策計画準備調査

オディッシャ州総合衛生改善計画(第二期) 有償 257.96

ネロール上下水道整備計画 協準

分散型汚水処理と浄化槽技術 個別研修

協準

グワハティ下水道整備計画 有償 156.20

協準

山間地域等における砂防,斜面対策を含むインフラ整備および防災管理能力向上,災害多発州・地域における災害リスクファイナンスに関する支援を行う。

防災プログラムウッタラカンド州森林資源管理計画 有償

ウッタラカンド州山地災害対策プロジェクト 技プロ 3.00

バラナシ市における参加型コミュニティ防災推進支援事業 日本NGO

ヤムナ川流域諸都市下水等整備計画(フェーズ3) 有償 325.71

西ベンガル州上水道整備計画 有償 144.25

インパール上水道改善計画準備調査 協準

チェンナイ海水淡水化プラント建設計画準備調査

デリー上水道運営・維持管理能力強化円借款附帯プロジェクト 技プロ 4.30

グワハティ上水道整備計画 有償 294.53

タミルナドゥ州都市インフラ整備計画 有償 85.51

デリー上水道改善計画 有償 289.75

オリッサ州総合衛生改善計画 有償 190.61

ランチ下水道整備計画準備調査 協準

プネ市ムラ・ムタ川汚染緩和計画準備調査 協準

エネルギー消費最小型下水処理技術の開発プロジェクト 科学技術 3.97

プネ市ムラ・ムタ川汚染緩和計画 有償 190.64

下水道セクター技術政策アドバイザー 個別専門家

Page 12: 国別援助方針 別紙 対インド国 事業展開計画 年度 以前 26.06 有償 902.62 個別専門家 貨物専用鉄道建設計画(フェーズ1) 有償 ... 1) 有償

その他その他

個別の案件

【凡例】 「協準」(=全ての協力準備調査)、「詳細設計」(=詳細設計)、「技プロ」(=技術協力プロジェクト)、「開発計画」(=開発計画調査型技術協力)、「個別専門家」、「個別機材」、「国別研修」、「課題別研修他」(=課題別研修及び青年研修)、「JOCV」(=青年海外協力隊)、「SV」(=シニア海外ボランティア)、「第三国専門家」、「第三国研修」、「現地国内研修」、「科学技術」(=科学技術協力(技プロ型及び個別専門家型))、「草の根技協」(=草の根技術協力)、「○○省技協」(=外務省・JICA以外の省庁及び独立行政法人等が実施している技術協力)、「民間提案型技協」(=開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業)、「無償」(=以下に特記するサブ・スキームを除く全ての無償資金協力)、「水産無償」(=水産無償資金協力)、「食糧援助」(=食糧援助)、「一般文化」(=一般文化無償資金協力)、「草の根文化」(=草の根文化無償資金協力)、「緊急無償」(=緊急無償資金協力)、「日本NGO」(=日本NGO連携無償資金協力)、「草の根無償」(=草の根・人間の安全保障無償資金協力)、「有償」(=円借款、海外投融資)、「マルチ」(=国際機関等を通じた多国間協力スキーム)、「中小企業支援」(=中小企業海外展開支援事業「基礎調査」、「案件化調査」及び「普及・実証事業」、並びに中小企業連携促進基礎調査)、実線「―――」(=実施期間)、破線「- - - -」(=実施予定期間)

官民連携インフラファイナンス計画(IIFCL) 有償 500.00

アジャンタ・エローラ遺跡保護・観光基盤整備計画(フェーズ2) 有償 73.31

その他分野の草の根技術協力 草の根技協

シップリサイクルヤード改善計画準備調査 協準