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第5章ごみゼロ社会に向けた施策 58 第5章 ごみゼロ社会に向けた施策 ごみゼロ社会に向けた施策体系 市民生活、事業活動の各段階において3Rを推進し、ごみの発生そのものが少ない 排出抑制の社会を目指し、また、ごみが発生しても資源として再生利用できる社会へ の転換を市民・事業者・行政が協働し推進していくごみゼロ社会形成に向けた主要施 策を次のとおりとします。 ■ごみゼロ社会に向けた施策の体系 1 市民のごみ減量リサイクル意識の高揚 2 ごみの発生抑制の推進 3 紙類・容器包装プラスチック類の減量 4 ごみ排出ルールの遵守・指導の徹底 5 生ごみ減量・リサイクルの促進 6 効率的で安全な収集・運搬体制の構築 7 高齢者や障がい者などのごみ出し対策 8 経済的なリサイクルシステム確立に向けた支援 9 集団資源回収等による資源ごみ回収の推進 10 再使用(リユース)の推進 11 環境美化・不法投棄防止の推進 12 情報提供の充実 13 事業者責任の推進 14 廃棄物処理を考慮した生産活動への転換促進 15 事業系資源ごみ分別の強化 16 環境配慮事業の推進 17 リサイクル産業の育成 18 事業系一般廃棄物の収集体制確立 19 事業者による回収ルートの構築推進 20 不法投棄防止対策の推進 21 3R(発生抑制・再使用・再生利用)の推進 22 環境教育・情報提供の推進 23 関係団体等との連携及び支援 24 ごみ減量・リサイクルが推進される料金体系の確立 25 ごみの広域処理の推進 26 ごみ処理経費の削減 27 安全で適正な中間処理と最終処分 28 災害時の総合的なごみ処理対策 施策体系1 家庭系ごみ減量・リサイクル推進の施策 施策体系3 市のごみ減量・リサイクル・適正処理の施策 施策体系2 事業系ごみ減量・リサイクル推進の施策

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

58

第5章 ごみゼロ社会に向けた施策

ごみゼロ社会に向けた施策体系

市民生活、事業活動の各段階において3Rを推進し、ごみの発生そのものが少ない

排出抑制の社会を目指し、また、ごみが発生しても資源として再生利用できる社会へ

の転換を市民・事業者・行政が協働し推進していくごみゼロ社会形成に向けた主要施

策を次のとおりとします。

■ごみゼロ社会に向けた施策の体系

1 市民のごみ減量リサイクル意識の高揚 2 ごみの発生抑制の推進

3 紙類・容器包装プラスチック類の減量

4 ごみ排出ルールの遵守・指導の徹底

5 生ごみ減量・リサイクルの促進

6 効率的で安全な収集・運搬体制の構築

7 高齢者や障がい者などのごみ出し対策

8 経済的なリサイクルシステム確立に向けた支援

9 集団資源回収等による資源ごみ回収の推進

10 再使用(リユース)の推進

11 環境美化・不法投棄防止の推進

12 情報提供の充実

13 事業者責任の推進

14 廃棄物処理を考慮した生産活動への転換促進

15 事業系資源ごみ分別の強化

16 環境配慮事業の推進

17 リサイクル産業の育成

18 事業系一般廃棄物の収集体制確立

19 事業者による回収ルートの構築推進

20 不法投棄防止対策の推進

21 3R(発生抑制・再使用・再生利用)の推進

22 環境教育・情報提供の推進

23 関係団体等との連携及び支援

24 ごみ減量・リサイクルが推進される料金体系の確立

25 ごみの広域処理の推進

26 ごみ処理経費の削減

27 安全で適正な中間処理と最終処分

28 災害時の総合的なごみ処理対策

施策体系1 家庭系ごみ減量・リサイクル推進の施策

施策体系3 市のごみ減量・リサイクル・適正処理の施策

施策体系2 事業系ごみ減量・リサイクル推進の施策

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

59

大幅なごみの減量・資源化と市民意識の高揚という家庭ごみ手数料化の成果を維

持し、更なる拡大を図るためには、手数料化の実績を検証し、実態を踏まえたきめ細

かな対応をしていかなければなりません。

そのために、市民との協働により施策に積極的に取り組み、家庭系ごみの更なる

減量を進めていきます。

近年、家庭系可燃ごみ量は増加傾向にあります。世帯数の増加や平成27年10月か

ら硬質プラスチックが可燃ごみに分類変更になったことなどの影響を考慮すると手数

料化による排出抑制効果は、現在においても維持されていると言えますが、家庭系可

燃ごみ量の減量対策が必要であると考えています。

平成27年度から実施している家庭系可燃ごみ組成分析によると、依然として紙類と

プラスチック類などの資源化ができるご

みが多く含まれており、可燃ごみの増加

原因として手数料化の慣れや集合住宅等

入居者の分別意識の低さも一因であると

考えています。

資源ごみの分別方法や資源再商品化ま

での状況等ついて広報やホームページ、

ごみ分別アプリを有効に活用し、発生抑

制、再使用、再生利用について啓発活動

を推進することにより住民意識の高揚を

図ります。

これまでの「ごみをきちんと分別することがごみ減量につながる」という発想から、

「ごみは発生させない」という発生抑制へと発想を転換し、行動に移していくことが

必要です。

広報やホームページでの呼びかけはもとより、環境に配慮したイベント活動を実施

する事業者等と情報共有を図り、リデュースによるごみ減量を進めます。

(1)ごみを持ち込まない

ごみを減量するには、まず、ごみとなるような物を家庭に持ち込まないことが

大切です。商品の購入にあたっては、簡易包装の商品、繰り返し使用できる商品、

耐久性のある優れた商品、リサイクル商品及びグリーン商品などを優先すること

とし、また、レジ袋を削減するためマイバック持参運動(レジ袋の再使用でもよ

施策体系1 1 家庭系ごみ減量・リサイクル推進の施策

市民のごみ減量・リサイクル意識の高揚 1

ごみの発生抑制の推進 2

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

60

い)を推進していきます。

(2)もったいないの気持ち

ごみを捨てる前には「もったいない」、「まだ使える」という気持ちで使える

ものは最後まで使いきり、商品は修理しながらなるべく長期使用し、ごみの排出

量の削減に努めることとします。

また、ごみを捨てる時には「混ぜればごみ、分ければ資源」を合言葉に市のリ

サイクルのための分別区分を守ることもごみ減量につながります。

可燃ごみの中には、まだ、紙類とプラスチック類が多く含まれており、ごみゼロを

目指すためには紙類とプラスチック類の減量・資源化が必要不可欠となっています。

(1)紙類の減量

紙には、新聞紙、広告紙、コピー用紙、ハガキ、メモ用紙など資源となる多く

の種類があります。ダンボール、新聞紙、雑誌については種類ごとにまとめて資

源として排出できますが、それ以外の細かい紙については、多くは可燃ごみとし

て出されているのが現状となっていますので、広報や出前講座等を通じて分別を

徹底し資源化を促進します。

(2)容器包装プラスチック類の減量

① 容器包装プラスチックの使用を減らす努力を事業者・販売店に働きかけ、環

境負荷の小さな素材の利用などを促進します。

② マイバック運動など販売店独自の取り組みなどに積極的に支援するとともに、

プラスチック容器包装を使わないばら売り店などを推奨し、利用を呼びかけて

いきます。

③ 事業者責任を自主的に果たすことも重要ですので、事業者や販売店自らが取

り組む店頭回収や資源化を推奨し、取り組み内容を情報発信していきます。

④ 集会やイベントの弁当容器などの容器包装は各自で持ち帰り、資源として出

すよう働きかけていきます。

⑤ 資源となる容器包装プラスチックには多くの種類がありますので、分別し易

主な取り組み

・余計なものは買わない

・過剰包装を断る

・リサイクル品を優先して購入する

・使い捨て型商品を避ける

・詰め替え商品や耐久品を購入する

・買い物にはマイバッグや使用済みレジ袋を使用する

・ひとつの物を大事に長く使う

・環境に配慮した店舗を積極的に利用する

紙類・容器包装プラスチック類の減量 3

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

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い材質、表示をするよう事業者に働きかけるとともに、分別の仕方、出し方に

ついて、市民がわかりやすいように啓蒙に努めます。

ごみ集積所では、ルールを守らないごみが出され、残されたり、カラスなどにより

ごみが散乱するなど問題があり、地域では苦慮している状況です。その状況を緩和す

るため、手数料化の実施と合わせて集合住宅の専用集積所化を進めていますが、未だ

改善されていないところがありますので、集合住宅の管理会社を通じて入居者への指

導の徹底と、北上市公衆衛生組合連合会と連携を図りながら地域の集積所の適正管理

に努めていきます。

また、ごみ情報の多言語化を図り、外国人へごみの分別・出し方を周知・指導して

いきます。

食材を計画的に購入し、消費期限・賞味期限切れの食品ロス等の無駄なごみを出

さないこと、食べ切れるだけの食材使用や生ごみの水切りに努めること、生ごみ処理

容器による生ごみの自家処理をするなど、生ごみの減量・リサイクル推進の行動を求

めていきます。

ごみ排出ルールの遵守・指導の徹底 4

生ごみ減量・リサイクルの促進 5

環境省 平成 27年度容器包装廃棄物の使用・排出実態

調査

【コラム】

北上市のごみ質分析にもあったように全国のごみ

質をみても紙類、プラスチック類容器包装類、生ご

みが7割以上を占めています。グラフからも分るよ

うに重量を減らすには生ごみと紙類、そして、容積

を減らすには紙類とプラスチック類を分別して資源

化することが最も重要となります。

もう少し詳細にみてみると、紙類には新聞紙、雑

誌、広告チラシ、ダイレクトメール、ダンボール、

紙箱などの資源が入っており、容器包装プラスチッ

ク類には、パック、カップ、弁当容器、商品の袋・

包装、ペットボトル、販売店のレジ袋などが入って

います。

生ごみの中身は、調理くずや食べ残しが多く、日

本の食品ロス 632 万トンのうち、 302 万トンは一般家

庭からのものと言われており、「お茶碗約1杯分

(約 136g)の食べ物」が毎日捨てられている計算に

なります。

消費者庁 食品ロス啓発用パンフレット

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

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ごみ量に応じた収集運搬体制を検討し、適時、効率化を図ります。

平成25年4月に完全施行された小型家電リサイクル法や平成 27年6月に成立した

水銀汚濁防止法などによる小型家電や蛍光管等水銀使用廃製品の収集方法について具

体的検討を行い、収集サービスの向上に努めます。

また、生ごみの分別収集については、市民ニーズや費用対効果など総合的に判断

し、検討していきます。

なお、収集にあたっては収集作業の安全や効率を高めつつ、ごみ収集運搬車両の

安全な運行管理を行います。

現在のステーション方式によるごみ収集は、高齢者・障がい者等ごみの分別・出

し方が困難な市民にとって問題となっており、今後さらなる高齢化が進みごみ質が変

化することが見込まれることから、他自治体のごみ出し支援策や地域支援、戸別収集

などを研究し、収集形態のあり方を検討します。

市民、事業者、NPO 等各種団体がごみ減量とリサイクル推進など、積極的に環境

にやさしい行動を実践できるよう、環境に関する情報を収集し提供するとともに、関

係者同士が自主的に活発な交流を行い、情報発信等を行うことができる「ごみ減量懇

話会」などのシステムづくりを支援します。

集団資源回収は、回収量が年々減少していることから、活性化が図られるよう回

収実態を調査し、増加に向けた支援を検討します。

また、利便性の高い店頭回収について、引き続きホームページ等で情報提供し、

利用促進を図るとともに資源ごみの多様化によるニーズを把握し、拠点回収の実施頻

集団資源回収の取り組み

・定期的に回収団体等に対しアンケートを実施し、事業の改善を検討する

・集団資源回収補助事業の情報を定期的に発信して、周知に努め、回収団体数の増加

を図る

・補助対象品目や補助単価の見直し

・回収団体の育成のための啓発推進

効率的で安全な収集・運搬体制の構築 6

高齢者や障がい者などのごみ出し対策 7

経済的なリサイクルシステム確立に向けた支援 8

集団資源回収等による資源ごみ回収の推進 9

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

63

度や回収品目の拡大について検討し、市民が利用しやすい資源ごみ回収ルートの構築

を研究していきます。

不用となったごみの中には、まだまだ使えるものがたくさん含まれています。

様々な伝達手段を活用し、環境関連イベントやフリーマーケットなどの開催、リサイ

クルショップ関連の情報などを提供し、不用品等の譲渡・交換の活性化を図り、リユ

ースによるごみ減量を進めます。

また、原材料の採取、製造、流通、使用、廃棄などに伴う環境への負荷が少ない

リターナブルびん等の容器の利用を促進していきます。

広場、道路等のごみの散乱を防止し、美しい街づくりを推進するため、キャンペ

ーン、PR 等の普及啓発事業を実施するとともに、クリーン活動等を行う美化団体の

活動を支援します。また、ごみの不法投棄やポイ捨てを防止するため、ごみ減量専任

指導員等による定期的なパトロールや不法投棄監視カメラの設置など、地域の公衆衛

生組合と連携を図りながら、良好な地域環境の保全に努めます。

また、不法投棄の排出者が特定できる場合には、直接指導や他の自治体等関係機

関と連携した指導が必要になります。各広域振興局等が市町村及び関係団体を構成員

として設置している不法投棄通報ネットワークを活用し、未然防止、早期発見、迅速

な対応に一層努めていきます。

ごみ出しルールの周知・指導の強化及び住民サービスの向上を図るため、平成28

年3月からごみ分別アプリ「モバ支所」を配信し、携帯端末を活用した効率的・効果

的な情報提供を行っています。

見やすくわかりやすい、タイムリーで有用なごみ情報の提供を心がけ、利用者拡

大とごみ減量・3Rの意識向上を図っていきます。

再使用(リユース)の推進

10

環境美化・不法投棄防止の推進 11

情報提供の充実 12

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

64

主な取り組み

・梱包資材・容器包装を簡素化する

・修理体制の整備に努める

・牛乳パックやトレイなどの店頭自主回収を拡充する

・リサイクル品を優先して販売する

・ごみの分別の徹底と適正処理に努め再資源化する

・リサイクル商品の活用や購入

市で処理されるごみのうち、事業系ごみは4割を超えています。事業系ごみの減量

とリサイクルを図り、ごみの総排出量を抑制することは、焼却による環境負荷の低減、

コスト縮減につながります。

(1) ごみの発生抑制を考えた商品の開発と製造

廃棄物の発生を抑制するため、事業者において、使い捨て製品の製造販売や

過剰包装の自粛、再資源化しやすい製品の製造・販売、製品の長寿命化等を図

るなど、製品の開発・製造段階、流通段階での配慮が行われ、事業者自らがご

みの減量化・リサイクル推進に自主的に取り組むことが求められています。

このため、チラシ・広告の作成・配布の削減、レジ袋の削減、ばら売り、ごみ

にならないような簡易包装の商品、繰り返し使用できる商品、耐久性に優れた商

品等の商品開発や販売に努めるとともに、製造工程の工夫や修理体制の整備など

により、ごみの排出抑制に努めるよう啓発を図っていきます。

(2) ごみの適正処理とリサイクルの推進

事業活動に伴って生じたごみは、自らの責任において処理しなければなりませ

ん。発生したごみを廃棄物処理法等の環境法令に沿った適正な処分や分別の徹底、

資源化できるごみの再資源化に努めるようホームページやパンフレット配布など

により事業系ごみの分別・出し方について情報提供や指導を行っていきます。

また、店頭回収の積極的実施、環境に配慮したリサイクル商品やリサイクル資

源の積極的な購入や活用に努めるよう啓発を図っていきます。

(3) 環境配慮事業所への支援

事業者責任を推進するため、エコショップ、エコアクション21、ISO取得など、

取得事業所の拡大と支援を進めていきます。

施策体系2 2 事業系ごみ減量・リサイクル推進の施策

事業者責任の推進 13

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

65

容器包装プラスチックの材質や表示など、資源循環型の社会システムを構築する

ため、環境に優しい廃棄物処理を考慮した生産活動へと産業構造を転換させるように、

全国都市清掃会議等の団体等を通じて業界への協力を要請するとともに、国に対して

法律及び制度の整備を要請します。

事業系ごみの中には、紙類等多くの資源ごみが含まれています。

事業者責任としてごみ減量とリサイクルの意識の啓蒙を図り、ごみ収集運搬業者

と資源物回収業者、資源物処理業者が連携し、排出事業者が資源ごみを出しやすい環

境を構築していきます。

また、岩手県産業・地域ゼロエミッション推進事業費補助などの周知・活用による

環境に配慮した事業活動の促進を行います。

平成27年7月に改正された食品リサイクル促進に関する国の基本方針では、地域

の事情に合わせた取り組みや廃棄物処理費用とリサイクル処理費用の比較考量による

リサイクルの遅れ等を背景とした廃棄物処理料金の検討などについて示されており、

市内の事業系生ごみの処理実態の把握、他の自治体等の取り組みなどの研究、再生利

用事業者等との情報共有を通し、生ごみのリサイクルに取り組む事業所が増加するよ

う働きかけていきます。

平成16年度から「いわてエコショップ認定制度」を積極的に活用し、現在、19店舗

がエコショップ認定を受けています。広報・ホームページなどで積極的にエコショッ

【コラム】 ゼロ・エミッション

ものの生産など産業から排出される全ての廃棄物や副産物を、ほかの産業の資

源として活用し、全体として廃棄物を出さない生産の在り方を目指すもので、資

源の有効活用と最終処分場不足の面から有効な手段といえます。

例えば、A社の副産物をB社の原材料に転換し、B社の廃棄物をC社の再生資

源に転換するように、1社だけではなく複数の企業が連携して産業をつくり出し

ていくようなことです。

ゼロ・エミッションは、リサイクルによる資源の有効活用にとどまらず、廃棄物

処理に伴って発生する温室効果ガスの削減につながることから、循環型社会の構

築には必要不可欠なものと考えられています。

廃棄物処理を考慮した生産活動への転換促進 14

事業系資源ごみ分別の強化 15

環境配慮事業の推進 16

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

66

プ認定店の取り組みの周知、利用促進、認定店の増加に繫げます。店舗相互の情報等

の交換ができる環境を構築し、発生抑制の活動に対しての支援活動を行っていきます。

また、マイはし・マイボトル等の利用促進や容器貸出等による発生抑制・再使用、

ごみ分別によるリサイクルなどをイベント等で実施している事業者やリサイクルショ

ップ等と情報共有し、市民へ情報提供していきます。

製造技術やリサイクル技術の高度化による資源ごみの多様化やリサイクルの市民

ニーズを把握し、資源循環が進められるようリサイクル事業者に対し、事業展開に必

要な情報の提供を行い、リサイクル産業(企業)の育成に努めます。

事業系ごみの収集運搬は、事業者自ら行うことが原則であり、市清掃事業所

及び岩手中部クリーンセンター、資源回収業者への自己搬入か収集運搬許可業

者との委託契約により処理することになります。

しかし、一部では家庭ごみとして事業系ごみが、ごみ集積所及び資源ごみス

【コラム】 エコショップ認定制度

岩手県、市町村と指定NPOで「エコショップ認定制度」を実施しています。

「エコショップ」とは、ごみの減量化やリサイクルに積極的に取り組むお店の

ことです。認定制度は、認定店に認定書と認定プレートを贈り、環境に配慮して

いるお店としての姿勢を広くアピールしていただくとともに、県、市町村で認定

店の情報を広くPRし利用を推奨します。

●認定店のメリット

「認定書」と「認定プレート」が送られ、その認定マークを利用して広告を

行うことができます。

●どうすれば認定店になれる

簡易包装の呼び掛けや買い物袋の持参促進などのごみの減量化、 ISO14001

などの取得、トレイや牛乳パックなどの回収や広告チラシに再生紙を利用する

などのリサイクル促進など、環境に配慮した取り組み計画を作成していただき

ます。審査の結果、取り組みが評価されると認定店になることができます。

●認定店になるためのポイント

①ごみ減量リサイクルの取り組み計画が作成されていること。

②計画の中に、制度で定めている項目のうち、5項目が

入っていること。

③取り組み計画に沿って取り組みが行われていること。

④取り組み結果について、自ら評価が行われていること。

リサイクル産業の育成 17

事業系一般廃棄物の収集体制確立 18

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

67

テーションに排出されている実態があるほか、市で処理できない廃棄物が中間

処理施設へ持込まれることもあり、不法投棄通報ネットワークを活用し、指導

を行っていきます。

資源回収ボックスの設置、店頭分別回収など事業者によるごみ回収ルートの構築を

していきます。

本市では、不法投棄されやすい地理的要因を持っています。山間部における不法

投棄のほか、工業地域周辺における森林への不法投棄も顕著であり、不法投棄をさせ

ない地域づくりをめざし、不法投棄撲滅に向け、市民と行政が連携し、監視活動や不

法投棄の原状回復活動などに取り組んでいきます。

主な取り組み

・事業者責任の徹底

・発生抑制に努め、地域内での資源循環を推進

・排出者責任に応じた費用負担

・民間が主体となった資源循環

・すべての市民・事業者が循環社会づくりへの参加

・充実した情報提供

事業者による回収ルートの構築推進 19

不法投棄防止対策の推進 20

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

68

ごみゼロ社会を形成するため、市民、事業者、市が、それぞれ資源循環の役割と

責任を持ち、協働してごみ減量・リサイクル・再生品の利用等の環境にやさしい行動

を起こしていかなければなりません。

3Rの中でも「ごみを発生させない」ことが最も重要です。発生抑制に重点を置い

て取り組み、どうしても出てくるごみについては、再使用や再生利用による資源化に

取り組んでいきます。

(1) 発生抑制(リデュース)の推進

ごみが発生しない取り組みを実践できるよう市民・事業者・市が情報を共有し、

環境意識の向上を図り、協働してごみゼロ社会を目指します。

①マイバック持参運動の推進(レジ袋の削減)

②エコポイント制度の検討

③リユースカップ・容器の利用やマイはし・マイボトルの持参

④リサイクル商品の購入

⑤ばら売り・量り売り商品の購入

⑥簡易包装商品の購入

(2) 再使用(リユース)の推進

ごみの発生抑制の次に位置するもので、物を大切に扱い、故障しても修理して

使用することが重要です。

また、不用となったごみの中には、まだまだ使えるものがたくさん含まれてい

ます。不用品等の譲渡・交換の活性化を図り、リユースによるごみ減量を進めて

いきます。再使用は、原材料の採取、製造等に伴う環境への負荷は生じさせませ

ん。

①フリーマーケットの開催や情報の提供

②レンタル・リース等の活用

③リユース容器(一升びん、牛乳びんなど)の使用と販路の拡大

(3) 再生利用(リサイクル)の推進

消費者は、ごみを分別して排出し、リサイクルされた商品を積極的に使用する

ことで資源物が有効に回ります。

事業者は、資源となる廃棄物を回収することや製造過程で発生する廃棄物を原

材料として再生利用することが重要です。

市は、集団資源回収の活性化と小型家電等の資源回収について市民ニーズの把

施策体系3 3 市のごみ減量・リサイクル・適正処理の施策

3R(発生抑制・再使用・再生利用)の推進 21

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

69

握を行い、多様化する資源ごみの再資源化を推進していきます。

①家庭ごみの分別が促進されるよう呼び掛ける

②資源の出しやすい環境を整える

③リサイクル商品を積極的に購入する

④集団資源回収団体の育成補助

⑤自家処理の普及のため生ごみ処理容器等の補助を行う

⑥市で処理できない物品でも、事業者でリサイクルできる物の情報提供

様々な情報伝達手段を用い、ごみの分別・出し方、ごみ処理の状況などを分かり

易く情報提供をしていきます。

また、本市を含む3市1町の広域処理を行う岩手中部クリーンセンターは、「ご

み」を効率よく「エネルギー」に変え、焼却灰をセメント原料にするなど環境に配慮

した施設になっています。蒸気タービン発電、太陽光発電、雪を利用した夏期空調・

保冷設備(雪室)など、エネルギー・環境の先端技術等を総合的に体験することがで

き、小中学生のごみ減量・分別意識の高揚が期待できます。従来の市清掃事業所と合

わせ施設見学などによる環境教育の場としての活用促進を図っていきます。

(1) ごみの分別・出し方などルールについて学習できるよう、出前講座の内容の充

実を図ります。

(2) 小中学生のごみ減量・分別意識の高揚を図るため、市清掃事業所や岩手中部ク

リーンセンターの施設見学などにより環境教育を推進していきます。

(3) 地域に応じた情報を収集分析し、地域の公衆衛生指導員と連携をとりながら的

確なきめ細かい啓発活動を行うことにより、ごみ減量と資源化の取り組みを推進

します。

(1) ごみ減量・リサイクルの推進、集積所管理、不法投棄防止、清掃活動など、ご

みに係る問題については、北上市公衆衛生組合連合会と連携を図りながら定期的

パトロール実施や監視カメラの設置による対策や地区清掃活動や市クリーン活動

によるごみ減量・3Rの推進等環境意識の向上により防止を図り、他の自治体等

関係機関と連携し、排出者指導を行っていきます。

(2) 環境美化活動を行う地域団体・企業団体等に対しては、ボランティア袋及び土

のう袋の無料配布など、活動を支援していきます。

(3) 市民、事業者、市内団体、行政で構成する、ごみ減量・リサイクル推進等の意

環境教育・情報提供の推進 22

関係団体等との連携及び支援 23

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

70

主な取り組み

・手数料化の検証

・ごみ処理費用と手数料の使途の可視化

・資源ごみ処理(収集から再商品化まで)の可視化

・生ごみ処理容器等の利用促進を図る

・ごみの減量やリサイクルに取り組む市民の活動を支援する

・出前講座や市広報紙等により啓発活動を積極的に行う

・関係団体と連携をとり適正なごみ処理を行う

見交換や情報の共有の場を設け、意識の高揚を図る組織を支援していきます。

ごみ処理の実態やごみ処理手数料の使途などを市民に可視化し、ごみ減量と3R

の意識向上を図るとともに市清掃事業所に搬入されるごみ処理手数料及び家庭ごみ処

理手数料の適正化を図り、ごみ減量・リサイクルが推進される料金体系の確立を目指

します。

平成27年10月から花巻市、北上市、遠野市、西和賀町の4市町による広域での可燃

ごみの焼却処理を実施しています。

なお、不燃ごみ及び資源ごみについても平成37年度供用開始を目途に広域のリサ

イクルプラザにおいて中間処理を行う計画があります。ごみ処理の広域化による処理

の効率化とごみ処理経費の削減に努めていきます。

ごみの減量に努めるとともに、収集運搬経費、中間処理経費、最終処分費などコス

ト削減に向けた施策を推進し、ごみ処理経費の削減に努めます。

可燃ごみ中間処理は、岩手中部広域行政組合の中間処理施設である岩手中部クリー

ンセンターにおいて、4市町による広域処理が行われています。

不燃ごみ中間処理は、広域のリサイクルプラザによる中間処理が行われるまでの

間、市清掃事業所で行うことになっており、適正な運転管理、維持管理、事故や故障

ごみ減量・リサイクルが推進される料金体系の確立 24

ごみの広域処理の推進 25

ごみ処理経費の削減 26

安全で適正な中間処理と最終処分 27

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

71

が発生しないよう安全管理に努めていきます。

資源ごみについても、広域のリサイクルプラザにおいて中間処理を行う計画があ

りますが、引き続き、民間業者によるリサイクルを推進していきます。

現在、埋立を行っている臥牛最終処分場は、環境対策として環境基準を遵守し適

正な維持管理を行うとともに、周辺環境等についても定期的にモニタリングを行い、

結果を公表するなど、安全・安心な埋立処分を続けていきます。

今後も限られた処分空間を有効活用するために、焼却灰や不燃物残渣など決めら

れた埋立を徹底することによって、最終処分場の延命化を図ります。

災害廃棄物の処理は、市町村が行う固有事務として位置付けられています。

災害によって一時的に発生する大量の廃棄物及び災害後に被災地域から恒常的に

発生する廃棄物について、仮置場の設置、収集、運搬、処分及び再生など他の自治体

等と連携した処理体制が必要です。非常災害時において、生活環境を保全するととも

に公衆衛生が確保できるよう、平時から災害廃棄物の迅速かつ円滑な処理が必要なた

め、関係団体等との協力関係構築に向けた協定等の締結をめざします。

また、災害発生時の廃棄物処理の指針となる災害廃棄物処理計画の策定を検討し

ていきます。

災害廃棄物処理・障害物除去の方針

1 災害によって一時的に発生する大量の廃棄物及び災害後に被災地から恒常的に発

生する廃棄物を、迅速かつ円滑に処理し、被災地における環境衛生の確保を図る。

2 ごみ処理施設、し尿処理施設等が損壊した場合における処理について、他の自治

体等との連携による広域的な処理体制の確立及び廃棄物処理業者等との連携を図

る。

3 被災住民の日常生活に直接障害となっている土砂災害及び道路、河川等の利用の

障害となっている障害物を、迅速かつ円滑に除去し、被災者の保護、交通の確保

等を図る。

災害時の総合的なごみ処理対策 28

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第5章ごみゼロ社会に向けた施策

72

計画について、計画の策定(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、見直し(Action)

のPDCAサイクルにより、継続的に計画の点検、見直し、評価を行います。

なお、中長期的なごみ処理施策を定めているごみ処理基本計画の目標の達成をめざ

し、より具体的なごみ処理施策の内容となっているごみ処理実施計画を毎年策定し、

ごみ処理基本計画の進捗状況の確認を行います。

4 計画の点検、評価、見直し