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30台監第49号 平成31年2月28日 殿 台東区監査委員 元 田 秀 治 大 場 賢 一 松 尾 伸 子 平成30年度指定管理者監査の結果について(報告) 地方自治法第199条第7項の規定に基づき、標記監査を実施しましたので、この 結果を同法第199条第9項の規定により、別紙のとおり報告いたします。 【写】

【写】 30台監第49号 殿 台東区監査委員 元 田 秀 治 …...30台監第49号 平成31年2月28日 殿 台東区監査委員 元 田 秀 治 大 場 賢 一 松 尾 伸

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3 0 台 監 第 4 9 号

平成31年2月28日

殿

台東区監査委員

元 田 秀 治

大 場 賢 一

松 尾 伸 子

平成30年度指定管理者監査の結果について(報告)

地方自治法第199条第7項の規定に基づき、標記監査を実施しましたので、この

結果を同法第199条第9項の規定により、別紙のとおり報告いたします。

【写】

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別紙

1 監 査 期 間

平成30年9月28日(金)~平成31年2月28日(木)

2 監 査 対 象

「東京都台東区監査事務実施要領」に定める指定管理者監査対象選定基準に基づき選

定し、指定管理者3団体を監査した。

指定管理者、施設及び主管課は、次のとおりである。

3 監 査 の 範 囲

原則として、平成29年度における公の施設の管理に係る出納その他の事務の執行に

ついて実施した。

4 監 査 の 観 点

年度計画の基本方針に基づき、指定管理者の公の施設の管理に係る出納その他の事務

が、その目的に沿って適正かつ効率的に執行されているかどうか、また、主管課の指定

管理者に対する指導・監督が適切に行われているかどうかを主眼として実施した。

5 留 意 事 項

協定等に則り、会計経理が適正かつ効率的に執行されているかに留意して監査を行った。

指 定 管 理 者 名 施 設 名 主 管 課

明 治 座・ 野村 不動産

パートナーズグループ 浅 草 公 会 堂 区 民 課

社会福祉法人 聖風会

特 別 養 護 老 人 ホ ー ム 台 東

高 齢 福 祉 課 た い と う 高 齢 者 在 宅

サ ー ビ ス セ ン タ ー

J N 共 同 事 業 体

社 会 教 育 セ ン タ ー

生 涯 学 習 課

千 束 社 会 教 育 館

小 島 社 会 教 育 館

根 岸 社 会 教 育 館

今 戸 社 会 教 育 館

清 島 温 水 プ ー ル スポーツ振興課

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6 監 査 の 方 法

監査委員は、指定管理者の出席を求め、あらかじめ提出を求めた監査資料に基づき、

質疑応答を行うとともに、必要に応じ施設の管理運営状況について実地調査を行った。

また、監査委員による監査に先立ち、事務局職員が関係資料や現地の調査等の予備監

査を行い、基本的な事実関係を確認した。

(1)実地監査、予備監査日程

指 定 管 理 者 実 地 監 査 日 予 備 監 査 日

社 会 福 祉 法 人 聖 風 会 11月 6日(火) 10月30日(火)

J N 共 同 事 業 体 11月 9日(金) 11月 1日(木)

明 治 座 ・ 野 村 不 動 産

パ ー ト ナ ー ズ グ ル ー プ 11月12日(月) 11月 7日(水)

(2)予備監査における主な確認書類

ア 主管課

(ア) 指定管理委託料等支出に関する書類

(指定、委託料等支出にかかる原議等諸書類)

(イ) 当該施設の指定管理に係る根拠となる条例、規則

(ウ) 基本協定書、年度協定書等

(エ) 指定管理者に関する調査票

イ 指定管理者

(ア) 指定管理施設に関する事業報告書

(イ) 指定管理施設に関する決算報告書

(ウ) 関係諸規程

(運営規程、経理規程、個人情報保護の基準等に関する規程等)

(エ) 給与・服務関係諸書類

(オ) 経理関係書類

(総勘定元帳、伝票、契約書、領収書、現金出納帳、預金残高証明等)

(カ) 収入関係書類

(区委託料等に関する書類、利用料収入に関する書類等)

(キ) 設備・備品管理関係書類(建物設備関係書類、備品台帳等)

7 監 査 結 果

各指定管理者の管理運営にかかる出納、その他の事務処理については 、おおむね良好

におこなわれているものと認められ特に指摘・指示する事項はなかった。しかし、事務

処理上軽微ではあるが誤り等の事例や、施設の管理運営について改善を要する事例があ

り、その場で口頭にて注意した。今後の適正、適切な事務執行及び施設管理に留意され

たい。なお、各指定管理者に対する監査結果は、別紙のとおりである。

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団体名 社会福祉法人 聖風会

第1 監査対象の概要

1 団体の概要

聖風会は、1954年(昭和29年)12月に設立された社会福祉法人である。

理念として「最高に価値あるものをすべての人に」を掲げ、常時介護を必要とし、家庭で

介護を受けることが困難な高齢者に、常時介護、その他日常生活に必要なサービスを提供し、

高齢者の生活を支援することを目的に、社会福祉事業(第一種社会福祉事業、第二種社会福

祉事業)及び公益事業、収益事業を行っている。

2 対象施設の概要

団体が台東区において指定管理者として管理運営している施設は、次のとおりである。

(1)施設名等

(2)施設概要

所 在 地 台東1-25-5

開 設 年 月 平成13年6月

建 物 床 面 積 (特別養護老人ホーム台東)4,609.20㎡

(たいとう高齢者在宅サービスセンター)1,147.49㎡

定 員 (特別養護老人ホーム台東)特養50名、短期入所10名

(たいとう高齢者在宅サービスセンター)一般30名、認知症12名

3 施設の収支決算状況等(平成29年度) 単位:円

施 設 名 収 益 費 用 区からの指定

管 理 委 託 料

特別養護老人ホーム台東 294,084,391 314,660,517 40,180,200

た い と う 高 齢 者

在宅サービスセンター 93,801,569 98,690,880 2,263,000

計 387,885,960 413,351,397 42,443,200

施 設 名 設 置 条 例 指 定 期 間 施設の提供サービス

特別養護老人

ホ ー ム 台 東

東京都台東区立特別養護老人ホー

ム条例

(平成12年台東区条例第13号) 平成27年4

月から5年間

介護福祉施設サービ

ス等

たいとう高齢者

在宅サービス

セ ン タ ー

東京都台東区立高齢者在宅サービ

スセンター条例

(平成12年台東区条例第14号)

通所介護、認知症対応

型通所介護等

(別 紙)

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第2 監査の結果

特別養護老人ホーム台東では、近所に住んでいる軽度の認知症の方が、認知症予防の

ために裁縫を教えるボランティアをする新たな試みがなされており、地域の住民と積極

的に関わる活動をしていることがうかがえる。

その反面、区と団体との連携不足が見受けられた。連絡を密に取るとともに、情報共

有に努め、今後とも良質なサービスの提供と、安全で地域に根ざした施設運営を図られ

たい。

なお、当該指定管理に係る出納、その他の事務、施設管理については、おおむね良好

に行っているものと認められた。口頭にて注意した事項は以下のとおりである。

(口頭注意事項)

・旅費交通費の請求書・領収書の請求書の日付、領収日が記入されていないもの

・誘導灯のバッテリー不良

・自動水栓が故障しているもの

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監査委員による主な質疑事項

監査対象指定管理者 社会福祉法人 聖風会

監 査 実 施 日 平成30年11月6日(火)

主な質疑応答 (Q:監査委員 A:指定管理者)

【特別養護老人ホーム台東・たいとう高齢者在宅サービスセンター】

Q 特別養護老人ホーム台東は2千万円の赤字となっているが、その理由は。

A 近隣に特別養護老人ホームができ、ショートステイの利用率が下がった事が大き

い。

Q 軽度の認知症の方が、認知症の予防のために裁縫を教えるボランティアをされて

いるが、このようなアイディアはどのように出たのか。

A たいとう地域包括支援センターが民生委員と連携し、アイディアを出してくれ

る。

Q デイサービスの利用が減少している理由は何か。

利用者が重度化している。全介助が必要になっており、入院やショートステイ、

老人保健施設の利用が増えている。また認知症対応デイの言葉のイメージが良く

ないため、利用者が他の施設を選ぶ事も多い。

Q 協力病院や嘱託医との連携について課題はあるのか。

A 協力病院の永寿総合病院や医師会からの嘱託医との連携が十分に図れていない。

Q 施設側の要望に区が十分に対応しきれていないとのことだが、各特別養護老人ホ

ームが連携して区へ申入れをする機会はあるのか。

A 施設長会はあるが、相談員レベルで申入れする機会がほしい。

監査委員の要望

・相談員レベルではないと挙がらない意見もあるので、各施設の要望を調べ、相談員

レベルの会議を開いてほしい。

・施設側は日々の事なので色々な要望があるが、所管は複数の施設を管理しており、

すぐに対応することが困難なこともある。連絡を密にして情報共有を図り、時期を

明確にして対応してほしい。

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団体名 JN共同事業体

第1 監査対象の概要

1 団体の概要

株式会社JTBコミュニケーションデザインは1988年(昭和63年)に設立され、20

16年(平成28年)4月に株式会社JTBコミュニケーションデザインとして営業を開始し

た。主な業務内容はイベント・コンベンション事業、広告・プロモーション事業である。指定

管理者としての運営実績は、なかのZERO(中野区もみじ山文化センター)、北とぴあ、板橋

区立文化会館を受託している。

野村不動産パートナーズ株式会社はビル・マンションの総合管理会社として1977年(昭

和52年)に設立され、主な業務内容はビルマネジメント事業、建築インテリア事業、プロパ

ティマネジメント事業である。指定管理者としての運営実績は、浅草公会堂、なかのZERO

(中野区もみじ山文化センター)を受託している。

野村不動産ライフ&スポーツ株式会社は1989年(平成元年)に設立され、主な業務内容

はフィットネス事業、スクール事業、イベント事業である。指定管理者としての運営実績は、

東綾瀬公園温水プールを受託している。

JN共同事業体は上記3社による共同事業体で、台東区立社会教育センター、千束社会教育館、

小島社会教育館、根岸社会教育館、今戸社会教育館、清島温水プールについては、2017年(平

成29年)4月から5年間、指定管理者として指定されている。

2 対象施設の概要

団体が台東区において指定管理者として管理運営している施設は、次のとおりである。

(1)施設名等

施 設 名 設 置 条 例 指 定 期 間 設 置 目 的

社会教育センター

東京都台東区立社会教

育センター及び社会教

育館条例(平成2年台

東区条例第27号)

平成29年4

月から5年間

社会教育の振興を図る

ため

千 束 社 会 教 育 館

小 島 社 会 教 育 館

根 岸 社 会 教 育 館

今 戸 社 会 教 育 館

社会教育センター

清 島 温 水 プ ー ル

東京都台東区体育施設

条例(昭和50年台東

区条例第12号)

区民の体育及びレクリ

エーションの振興並び

に児童、生徒の体位及

び体力の向上を図り、

もって心身の健全な発

達に寄与するため

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(2)施設概要

3 施設の収支決算状況等(平成29年度) 単位:円

施 設 名 収 入 収 入 の う ち

利 用 料 金 支 出

区からの指定

管理委託料

社会教育センター 87,632,320 2,306,320 86,259,443 85,326,000

千束社会教育館 15,664,395 1,627,395 15,664,395 14,037,000

小島社会教育館 15,008,390 1,672,390 15,008,390 13,336,000

根岸社会教育館 16,077,445 2,410,445 16,077,445 13,667,000

今戸社会教育館 16,688,655 1,254,655 16,688,655 15,434,000

社会教育センター

清島温水プール 73,035,117 20,635,117 74,477,825 52,400,000

計 224,106,322 29,906,322 224,176,153 194,200,000

施 設 名

( 開 設 年 月 ) 所在(併設施設等) 施 設 内 容 建物延床面積

社会教育センター

(平成3年4月)

東上野6-16-8

( 上 野 小 学 校 )

ホール(130名)

会議室(40名)

調理室(32名)

和室(20名)

1,689㎡

千 束 社 会 教 育 館

(昭和40年4月)

浅草4-24-13

(千束小学校3階)

ホール(50名)

会議室(45名)

和室(25名)

579㎡

小 島 社 会 教 育 館

(昭和41年10月)

小 島 1 - 5 - 2

(小島ビル2階)

ホール(100名)

会議室

(30名、20名×2室)

和室(15名、30名)

704㎡

根 岸 社 会 教 育 館

(昭和47年10月)

根岸5-18-13

( 根 岸 図 書 館 )

ホール(60名)

会議室(40名、30名)

和室(40名)

567㎡

今 戸 社 会 教 育 館

(昭和52年11月)

今戸2-26-12

( 待 乳 保 育 園 )

ホール(50名)

会議室(30名、40名)

和室(30名)

527㎡

社会教育センター

清 島 温 水 プ ー ル

(平成3年5月)

東上野6-16-8

(社会教育センター

地下1階)

25m×7コース 1,906㎡

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第2 監査の結果

平成29年度から指定管理者となり、利用者ニーズに応じたサービスの向上を図るとと

もに、スポーツクラブで得られた指導のノウハウを活かすことにより、清島温水プールの

講座参加者も増え、団体の努力がうかがえる。

今後も施設利用者の増加に向け、3社の得意分野を活かし、魅力あるサービスの提供

と、安全かつ利用者満足度の向上を目指した施設運営を図られたい。

なお、当該指定管理に係る出納、その他の事務、施設管理については、おおむね良好

に行っているものと認められた。口頭にて注意した事項は以下のとおりである。

(口頭注意事項)

・支出承認書兼出金伝票の決裁欄の押印もれ

・入金伝票はあるが、証憑書類のないもの

・入金伝票の処理もれ

・手書き出勤簿、特勤命令簿の記入もれ

・屋上・ベランダの排水溝に土や落ち葉が堆積し、清掃が必要なもの

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監査委員による主な質疑事項

監査対象指定管理者 JN共同事業体

監 査 実 施 日 平成30年11月9日(金)

主な質疑応答 (Q:監査委員 A:指定管理者)

【社会教育センター、千束社会教育館、小島社会教育館、根岸社会教育館、

今戸社会教育館、社会教育センター清島温水プール】

Q 3社の共同事業体だが、代表はJTBなのか。

A JTBが全体の指揮統括をしている。

Q 引継ぎにあたって苦労したことはあるのか。

前指定管理者が指定管理者制度の導入前から管理運営を行っており、指定管理者

制度と業務委託の法律上の違い等を事業者も台東区も整理できていない状況が

課題だった。

Q プール講座の参加者数が増加したのは、スポーツクラブのノウハウが活きたの

か。

A スポーツクラブで得られた指導のノウハウが、利用者とのニーズにマッチした事

が考えられる。

Q 根岸社会教育館の利用率が一番高いのはどのような理由か。

日比谷線三ノ輪駅のエレベータ-が近くにあり、立地が良い。2 階の根岸図書館

の利用者が、1 階の根岸社会教育館に興味を持ち、講座に参加されるようになる

ケースもある。

Q 緊急災害時の対応マニュアルは明確になっているのか。

初年度にマニュアルを整備した。各施設にあわせた、より現実的なマニュアルに

詰める必要があるので、災害時に利用者の誘導が迅速にできるように改訂を進め

ている。

Q 利用者アンケートで指定管理者が変わったことについての反応はあるのか。

A 指定管理者が変わったことよりも、スタッフが笑顔で感じの良い対応をしてくれ

たというような、対応についての評価が高い。

Q 29 年度は収支がマイナスだが、今後どのように改善ができると考えているのか。

初年度は前年の実績データが十分に引き継がれていない部分もあり、経費執行や

会議室貸出の予算立ても手探りの部分が多かった。今年は前年度、前々年度の実

績ベースにより効果的・効率的な経費の執行、予算管理を心掛ける。

監査委員要望

・3社の得意分野を活かし、効率的かつ効果的な施設運営を進めてほしい。

・スタッフのマルチタスク化は面白い考え方である。スタッフがマルチタスク化に対

応するのは大変だと思うが、利用者のためにも力を入れて工夫してもらいたい。

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団体名 明治座・野村不動産パートナーズグループ

第1 監査対象の概要

1 団体の概要

株式会社明治座は、1873年(明治6年)に創業し、1950年(昭和25年)5月に株

式会社として設立された。主な業務内容は、演劇興行、不動産賃貸・管理、ケータリング事業

である。また、明治座グループとして俳優養成機関・明治座アカデミーの運営や、都内を中心

に外食産業も手掛けている。指定管理者としての運営実績は、浅草公会堂が初めてである。

野村不動産パートナーズ株式会社はビル・マンションの総合管理会社として1977年(昭

和52年)に設立され、主な業務内容はビルマネジメント事業、建築インテリア事業、プロパ

ティマネジメント事業である。指定管理者としての運営実績は、台東区立社会教育センター、

千束社会教育館、小島社会教育館、根岸社会教育館、今戸社会教育館、なかのZERO(中野

区もみじ山文化センター)を受託している。

明治座・野村不動産パートナーズグループは、上記2社の共同事業体で、浅草公会堂につい

ては、2014年(平成26年)4月から5年間、指定管理者として指定されている。

2 対象施設の概要

団体が台東区において指定管理者として管理運営している施設は、次のとおりである。

(1)施設名等

(2)施設概要

所 在 地 浅草1-38-6

開 設 年 月 1977年(昭和52年)10月

建物延床面積 12,185.69㎡

施設内容及び

利 用 定 員

ホール(1,082席)、第1集会室(洋室70名)、第2集会室(和室

50名)、第3集会室(和室50名)、展示ホール

3 施設の収支決算状況等(平成29年度) 単位:円

施 設 名 収 入 収 入 の う ち

利 用 料 金 等 支 出

区からの指定

管理委託料

浅 草 公 会 堂 256,811,902 155,811,902 245,603,373 101,000,000

施 設 名 設 置 条 例 指 定 期 間 設 置 目 的

浅 草 公 会 堂

東京都台東区立浅草公会堂の

設 置 等 に 関 す る 条 例

(昭和52年台東区条例第9号)

平成26年4

月から5年間

区民の福祉を増進し

文化の向上を図るため

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第2 監査の結果

施設運営管理システムサービスを開始し、受付や抽選会での待ち時間が短縮されるな

ど、利用者目線に立った使いやすい施設運営を取組み、ホールの利用率が85%以上と

なり前年度よりも4.3%上昇させた。

集会室については、第2集会室と展示ホールの利用率が前年度を上回ったが、第1集

会室と第3集会室の利用率は前年度を下回っている。広報や周知活動に積極的に取組ま

れていることがうかがえるが、引き続き利用者の増加に努められたい。

今後も魅力あるサービスの提供と安全面に配慮した施設運営を望むものである。

なお、当該指定管理に係る出納、その他の事務、施設管理については、おおむね良好

に行っているものと認められた。口頭にて注意した事項は以下のとおりである。

(口頭注意事項)

・契約書に契約締結年月日が記入されていないもの

・領収書に宛名が記入されていないもの

・利用取消還付金小口現金申請に受領年月日が記入されていないもの

・手書きタイムカードと提出用タイムカードで休憩時間が異なるもの

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監査委員による主な質問事項

監査対象指定管理者 明治座・野村不動産パートナーズグループ

監 査 実 施 日 平成30年11月12日(月)

主な質疑応答 (Q:監査委員 A:指定管理者)

【浅草公会堂】

Q アンケートの回収方法等を工夫した効果はどうか。

A 各集会室の電話の横にアンケート用紙と回収箱を設置し、回答を○×で簡単に記

入できるように改善したところ回収率が上がっている。

Q ホールの稼働率が高いが予約の取りにくさはあるのか。

1 年前の 1 日が抽選日で、土日は人気があり抽選になる。公開抽選のため、希望

日が取れなくても納得してもらえる。また、キャンセルが出たときは 2 番目の方

に案内している。

Q 自主事業で新たな事業を考えているのか。

ホールで『鼓童』の公演を数年行っている。今年は読み聞かせ教室や殺陣教室、

親子映画上映会を開催した。オリンピックに向けて外国人を取り込むために、平

日に殺陣と舞踊ショーを展示ホールで開催したところ盛況だった。今はオリンピ

ックに向けて外国人を取り込むことを優先させている。

Q 警備員の対応が良いが、職員の教育で注意している点はあるのか。

A 現場を見てインスペクション(品質調査)を定期的に行い、その結果をフィード

バックしている。

Q 29 年度の新たな取り組みで、外国人観光客に対するサービスの対応をしている

が、来館する外国人は多いのか。

A 道案内で来館される方が多く、受付に Wi‐Fi を設置している。また歌舞伎の公

演は外国人の観客が多い。

Q アンケート集計結果から分かったことは何か。

A 施設的な面は満足していただいている。支払い手続きを振込にしてほしいとの要

望や、施設申込を WEB 予約できるようにしてほしいなどの要望もある。

Q 防災訓練は観客がいる状況での避難誘導を行っているのか。

A 休館日に観客がいる想定でやっている。

監査委員の要望

・自主事業で区民の事も積極的に考えていただきたい。

・観客がいる状況での避難は大変なので、避難訓練コンサートを企画し、最悪の状況

を想定した訓練をしてほしい。

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8 ま と め

今回の監査対象とした指定管理者は、今期指定期間の5年目の明治座・野村不動産パートナ

ーズグループ、4年目の社会福祉法人聖風会、2年目のJN共同事業体の3団体である。各指

定管理者は、これまでの管理運営で培った知識と経験、民間事業者としてのノウハウを活かし、

区との協定に沿って、区民サービスの向上に努めていることが認められた。

各所管課においては、関係法令や協定等に沿ったサービスの提供が確実に行われているかど

うか監督し、引き続き適切な指導や助言に努められたい。

今後とも、区と指定管理者は連携を深め、利用者のニーズを的確に把握し、満足いただける

サービスの向上を目指した施設運営が図られることを要望する。