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我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

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我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について. 平成20年3月 農林水産省. 総合食料局食料企画課. 我が国の食料自給率の動向. ○  食料自給率は、国内の食料消費について国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標であり、示し方としては、 品目別自給率 、 穀物自給率 、 総合食料自給率(カロリーベース、生産額ベース) がある。  「食料自給率」 = (国内生産)  ÷  (国内消費)  ( ※ 生産が需要を上回り、その分が輸出に回れば 100% を超える) - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

我が国の食料自給率の現状及びその向上への取組について

平成20年3月農林水産省

総合食料局食料企画課

Page 2: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

○  食料自給率は、国内の食料消費について国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標であり、示し方としては、品目別自給率、穀物自給率、総合食料自給率(カロリーベース、生産額ベース)がある。     「食料自給率」 = (国内生産)  ÷  (国内消費)  (※生産が需要を上回り、その分が輸出に回れば

100% を超える)○  自給率を示すため、農産物を共通の「ものさし」で計る必要があり、①重量、②生産額、③カロリー(供給熱量)がある。○  我が国のカロリーベースの食料自給率は、平成 18 年度で 39 %となっており、長期的には低下傾向が続いている。また、主要先進国の中で最低の水準となっている。

総合食料自給率

自給率計算式(重量ベース)

 (米、小麦、大・裸麦のうち、飼料用を除く。)       

(米、小麦、大・裸麦、とうもろこし等。飼料用も含む。)       

=主食用穀物自給率

= 60%

27%=飼 料 用 を 含 む穀物全体の自給率

主食用穀物の国内生産量 [ 959万トン]主食用穀物の国内消費仕向量[ 1,600万トン]×100

穀物の国内生産量 [ 971万トン]穀物の国内消費仕向量[ 3,572万トン] ×100

穀物自給率

11

カロリーベースの食料自給率= 国民1人1日当たり国産熱量 [ 996kcal ]

国民1人1日当たり供給熱量 [ 2,548kcal ]×100  = 

39 % (注)国内の畜産物については、飼料自給率を乗じ、輸入飼料による供給熱量分を控除。

生産額ベースの食料自給率 = 食料の国内生産額 [ 10.2 兆円]食料の国内消費仕向額 [ 14.9 兆円] ×100  = 

68 % (注)国内の畜産物及び加工食品については、輸入飼料及び輸入食品原料の額を国内生産額から控除。

主要先進国の食料自給率(カロリーベース)食料自給率の動向

我が国の食料自給率の動向

39

73

27

6260

8068

86

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

40昭和 45 50 55 60 平成2 7 12

(%)

食料自給率(カロリーベース)

穀物自給率(飼料用を含む、重量ベース)

主食用穀物自給率(重量ベース)

食料自給率(生産額ベース)

18

60 53 48 40 4666 75 70 68

75 92 84104

131 142122 112

151129 128

0

50

100

150

200

日本 イギリス ドイツ フランス アメリカ

45S 55S H2 H15

Page 3: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

○  食料自給率の低下の要因は、国内生産の縮小というよりも、食生活の大きな変化により ・ 国内で自給可能な米の消費量が減少する一方、 ・ 国内で生産が困難な飼料穀物や油糧原料(大豆、なたね)を使用する畜産物や油脂の消費が増加したこと が大きな原因。

・米の消費の減少 (ピーク時の約1/2) 1人1年当たり  118.3kg(昭和 37年度)        ⇒  61.0kg(平成 18年度)・肉類の消費の増加(約 5倍に増加) 1人1年当たり   5.2kg(昭和 35年度)   ⇒  28.0kg(平成 18年度)・油脂類の消費の増加(約 3.5倍に増加) 1人1年当たり   4.3kg(昭和 35年度)   ⇒  14.5kg(平成 18年度)          ※平成 18年度は概算値

☆米が大きく減少し、畜産物・油脂類が大きく増加

☆国民が消費する食料(カロリーベース)の5割以上は米、畜産物、油脂類で賄われている状況       【国民1人1日当たり供給熱量の構成の推移】

22

食料自給率低下の背景

畜産物

油脂類

小麦

いも類・でんぷん

砂糖類魚介類

その他

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

35昭和 40 45 50 55 60 平成2 7 12 18

394

368

320

217205

18平成 年度 2,548kcal

319

85 320

308

325152245133 130

310

55昭和 年度 2,563kcal

(kcal)35昭和 年度

2,291kcal

1,106

105

251142157

87

359

595770

品目別カロリー自給率 [ % ]

カロリーベース食料自給率 73%         39%【昭和 40 年度】   【平成1 8 年度】

輸入部分

輸入飼料による生産部分

自給部分米  100 %

          33 %油脂類

         31 %砂糖類魚介類  110 %

        28 %小麦

その他  68 %果実  86 %            41 %大豆野菜  100 %

畜産物 47 % 45 %

30

20

0

90

80

70

60

50

40

100

10

0 20 40 60 80 100

供給熱量割合  総供給熱量  2,459kcal / 人・日 [ % ]         [国産熱量  1,799kcal / 人・日]

供給熱量割合  総供給熱量  2,548kcal / 人・日 [ % ]         [国産熱量  996kcal / 人・日]

0 20 40 60 80 100

その他23%

果実 35%大豆 25%

野菜 76%

魚介類 59%

砂糖類 32%

小麦13%

油脂類 4%

畜産物16%

米 94%

30

20

0

90

80

70

60

50

40

100

10

51%

0 20 40 60 80 100

その他23%

果実 35%大豆 25%

野菜 76%

魚介類 59%

砂糖類 32%

小麦13%

油脂類 4%

畜産物16%

米 94%

30

20

0

90

80

70

60

50

40

100

10

30

20

0

90

80

70

60

50

40

100

10

51%

Page 4: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

 人口に比べ農地が狭く平坦でないといった不利な国土条件を有する我が国では、食生活の変化に伴い消費が増大している畜産物や油脂類の生産に必要な・ 飼料穀物(とうもろこし等)・ 油糧原料(大豆、なたね等)の十分な生産が困難であり、輸入に依存せざるを得ない状況

 現在、我が国が輸入している主な農産物の生産に必要な海外の農地面積は、国内農地面積 (467万 ha)の約 2.7倍に相当する1,245万 ha

  主要先進国の人口と農用地面積

  主な輸入農産物の生産に必要な海外の作付面積

 今の食生活では輸入に依存せざるを得ない

食料輸入をめぐる状況

33

1,278

596

825

598

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

日 本 英 国 ドイツ フランス

25

50

0

/国民1人当たり農地面積(a人)10人口( 万人)

人口

国民1人当たり農地面積

3.4

28.4

20.6

49.6

数値は日本が 2006年、その他の国が 2003年

Page 5: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

昭和40

年度当時 ごはん1日5杯

牛肉料理(1食 150g換算)月1回豚肉料理(1食 150g換算)月2回

たまご料理3週間で1パック牛乳(牛乳びん)週に2本

植物油( 1.5kg ボトル)年に3本野菜1日 300g 程度(重量野菜多い)

果実1日 80g 程度(りんごが3割)魚介類1日 80g 程度

○  食生活の変化を食料消費の推移で比較すると、昭和 40 年と現在では ・ 米については、 1 日 5 杯だったものが、 1 日 3 杯 ・ 牛肉については、月 1 回だったものが、月 3 回 ・ 植物油については、 1.5kg ボトルで年 3 本だったものが、年 9 本  となっているなど、食生活の変化とともに、品目別の食料消費量が大きく変化してきたことがわかる。

73 %

昭和55

年度当時1日4杯 月2回 2週間で1パック弱 週に3本月5回 年に7本

1日 310g 程度(緑黄色野菜増加)1日 110g 程度(みかんが約4割) 1日 100g 程度

53 %

平成18

年度1日3杯 月3回 週に3本月6回 年に9本2週間で1パック強 1日 260g 程度(緑黄色野菜以外は減少)1日 110g 程度 1日 90g 程度

- 輸入物増 - - 輸入物増 -

39 %

※ カロリーベースの食料自給率

食生活の変化と食料自給率の変化

44

Page 6: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

○  我が国の食料消費については、かつて、米、野菜、魚、大豆を中心とした伝統的な食生活のパターンに、肉類、牛乳・乳製品、油脂、果実が豊富に加わって、多様性があり、かつ栄養バランスが優れたいわゆる「日本型食生活」が実現していた。○  しかしながら、米の消費量が大きく減少する中で、食料自給率が大きく低下するとともに、脂質の摂取過多など栄養バランスの崩れによる国民の健康への影響が懸念される状況になってきている。また、食習慣の乱れなども大きな問題となってきている。

☆ 食品の廃棄や食べ残しの増加

生活習慣病の増加(平成 14年) 糖尿病患者数: 228万人(昭和 62年の約2倍) 高血圧性疾患: 699万人国民医療費の増加(平成 14年度) 総額 31兆円(昭和 60年度の約2倍)

☆ 食生活の変化 → 食料自給率の低下 これに加え、栄養バランスの崩れ

 供給熱量に対する両熱量の差分は、食品の廃棄・食べ残しの目安になり、その差分は昭和 42年度の 12%から平成 17年度の 28%へ拡大していることから、食品の廃棄・食べ残しは増加していると考えられる。

○ 供給熱量(食料需給表)と摂取熱量(国民栄養調査)の推移○ 食生活における PFCバランスの推移(供給ベース)P 12.9

C

58.0

F

29.1

P 13.0

C

61.5

F

25.5

P(たんぱく質 ) 12.2

C(炭水化物 )

71.6

F(脂質 )

16.2

(資料)農林水産省「食料需給表」、厚生労働省「国民健康・栄養調査」(注)1.酒類を含まない。   2.両熱量は、統計の調査方法及び熱量の算出方法が全く異なり、単純には比較できない    ため、両熱量の差はあくまで食べ残し・廃棄の目安として位置付け。

昭和40年度   昭和55年度   平成18年度

食生活の変化をめぐる様々な問題

(H18 )概算値2, 548

(H17)2, 5732, 6532, 5962, 5172, 497

供給熱量

(H17)1, 851

1, 9852, 0462, 1912, 202摂取熱量

1, 000

1, 500

2, 000

2, 500

3, 000

40昭和 45 50 55 60 2平成 7 12 18

(kcal)

Page 7: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

○  食料消費の変化の大きな要因としては、経済成長に伴う生活水準の向上、ライフスタイルの変化等により食事の内容が変化し、従来、和食中心であったものが、洋風化、多様化してきたことが考えられる。○  米を中心とした和食と洋食・中華等では使用される原料が大きく異なっており、結果的に、このような食事内容の変化が食料自給率の低下につながっている。

(参考)食事内容による食料自給率の違い

Page 8: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

○  食料・農業・農村基本法における食料自給率目標の取扱い

第二条 2  国民に対する食料の安定的な供給については、世界の食料需給及び貿易が不安定な要素を有していることにかんがみ、国内農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせて行わなければならない。4  国民が最低限度必要とする食料は、凶作、輸入の途絶等の不測の要因により国内における需給が相当の期間著しくひっ迫し、またはひっ迫するおそれがある場合においても、国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に著しい支障を生じないよう、供給の確保が図られなければならない。第十五条 2  基本計画は次に掲げる事項について定めるものとする。  二 食料自給率の目標3  前項第二号に掲げる食料自給率の目標は、その向上を図ることを旨とし、国内の農業生産及び食料消費に関する指針として、農業者その他の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定めるものとする。第十九条 国は、第二条第四項に規定する場合において、国民が最低限度必要とする食料の供給を確保するため必要があると認めるときは、食料の増産、流通の制限その他必要な施策を講ずるものとする。 

食料・農業・農村基本法(平成 11年法律第 106号) (抄 )

77

食料・農業・農村基本法における食料自給率等の位置付け

Page 9: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

旧基本計画 (平成 12年) 新基本計画 (平成 17年)

②金額ベース(参考) ② 生産額ベース(①と同等の目標)

○45%目標( 27年度)が実現し  た次の段階に実現が見込まれ るよう条件整備を推進

 

基本的には、 5割以上を目指す

新たな国産農産物の需要先の開拓 ・輸出の更なる拡大 ・革新的な新技術を通じた生産性の大幅な向上等

食料・農業・農村基本計画における食料自給率目標の考え方

平成9年度41 % 平成 22 年度

45 % 平成 15 年度40 %

米     24.3 %

畜産物   2.6 %小麦・大豆 1.5 %

野菜、果実、   魚介類等       13.0 %

米     24.0 %

畜産物   4.0 %小麦・大豆 2.4 %

野菜、果実、   魚介類等       14.7 % 野菜、果実、    魚介類等

12.8 %

米  22.1 %小麦・大豆 2.3 %畜産物  2.5 %

野菜、果実、   魚介類等       14.5 %

米     23.3 %

畜産物   4.3 %小麦・大豆 2.8 %

基本的には、 5割以上を目指す

① カロリーベース ① カロリーベース平成 27 年度

45 %【実績】H11~ H15 年 40 %で横ばい 

平成9年度71 %

米  15.4 %

野菜、果実、   魚介類等 37.8 %畜産物  17.8 %小麦・大豆  0.3 %

平成 22 年度74 %

米  14.9 %

野菜、果実、   魚介類等 39.9%

小麦・大豆  0.5 %畜産物  19.1 %

平成 15 年度 70 %

米   16.9 %

野菜、果実、   魚介類等 38.9 %畜産物  14.0 %小麦・大豆  0.4 %

米     17.0 %畜産物  15.9 %小麦・大豆  0.4 %

平成 27 年度 76 %野菜、果実、   魚介類等      42.9 % カロリーが低い野菜、果実や飼料自給率が低い畜産物の生産活動を適切に評価

【実績】H11~ H15 年 69 %~ 72 %で推移

88

Page 10: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

重点的に取り組むべき事項

分かりやすく実践的な「食育」と「地産地消」の全国展開

国産農産物の消費拡大の促進

国産農産物に対する消費者の信頼の確保

対応方向

○  今回の食料自給率目標の策定に当たっては、旧目標の達成状況の検証と課題を踏まえつつ、今後、重点的に取り組むべき事項を明確化したところ。○  また、施策の推進に当たっては、工程管理を適切に実施し、施策の評価を行い、翌年以降の施策の改善に反映させていくことが必要。○  食料消費の面においては、より分かりやすい、実践的な「食育」と「地産地消」の全国展開、国産農産物の消費拡大の促進、国産農産物に対する消費者の信頼の確保等に特に力をいれて対応していく必要がある。 

・ 米を中心に多様な副食から構成され、栄養バランスが優れた「日本型食生活」の実践を促進する観点に立って、米、野菜、果実等の消費拡大の取組を推進。・ 特に、国内で自給可能な農産物である米の消費拡大が図られるよう、米需要の実態やその変化に対応し、消費拡大運動の明確化・重点化や、新規需要の開拓等を推進。 

・ 国産農産物が一層消費者から選択されるものとなるよう、生産者・事業者による食品の安全性向上に向けた取組の促進、食品表示やトレーサビリティ・システムを通じた国産農産物に関する情報提供を充実化。

・ 一層多くの国民が、自らの食生活を見直し、栄養バランスの改善等に向け具体的な行動を容易に起こすことができるように推進。・ 食事バランスガイドの策定及びこれを活用したより分かりやすく実践的な食育の取組を国民的運動として展開するとともに、地産地消の取組を推進。

消費面に関して重点的に取り組むべき事項と具体的な対応方向  

99

Page 11: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

・ 消費者・実需者ニーズに的確に対応した農業生産が行われるよう、経営感覚に優れた担い手の育成・確保に向けて各種施策を集中的・重点的に実施。・ 担い手が、地産地消や消費者への直接販売、異業種の知恵を活用した技術開発や新規販路の開拓への取組を含め、主体性と創意工夫を十分発揮できる環境を整備。

重点的に取り組むべき事項 対応方向

○  農業生産面においては、経営感覚に優れた担い手による需要に即した生産の促進、食品産業と農業の連携の強化、効率的な農地利用の推進等に特に力をいれて対応していく必要がある。 

経営感覚に優れた担い手による需要に即した生産の促進

食品産業と農業の連携の強化

効率的な農地利用の推進

・ 加工・外食向けの農産物需要が今後とも増大することが見込まれる中で、食品産業によって国産農産物が選択されるよう、食品産業と農業を結びつけるコーディネーターの育成・確保や加工・外食用需要に対応した産地サイドの取組の推進等を通じて、食品産業と農業の連携を促進。

・ 農業生産にとって最も基礎的な資源である農地が最大限に利用され、需要に即した国内農業生産が増大するよう、担い手への農地の利用集積や新規参入の促進、農業生産基盤の整備等を通じて、不作付地・耕作放棄地の解消等を含め、農地の効率的な利用と利用率の向上に向けた取組を促進。

農業生産面に関して重点的に取り組むべき事項と具体的な対応方向  

11 00

Page 12: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

食料自給率向上に効果が高い4つの重点品目、6つの重点事項に取組を集中

食料自給率は低下し39

%(カロリーベース)。45%の目標達成は危機的状

消費面の取組

生産面の取組

その他

取組の強化

○  食料の未来を描く戦略会議と連携、国民へのメッセージの効果的な発信(打ち出されるメッセージを各種広報に活用、一貫性のある効果的な情報発信を図る)○  農林水産物・食品の輸出促進(「我が国農林水産物・食品の総合的な輸出戦略」に沿った総合的な取組を推進する)○  耕作放棄地対策の一層の推進(5年程度を目処に、農業上重要な地域を中心に耕作放棄地ゼロを目指す)○  大臣官房に「食料安全保障課」(仮称)を新設(食料自給率向上対策の推進体制の充実・強化)

油脂類の過剰摂取の抑制等

食料自給率に関する戦略的広報の推進

食育の推進

米の消費拡大

飼料自給率の向上

野菜の生産拡大

○  緑肥作物の飼料への転換、耕作放棄地や水田裏における飼料作物作付の普及・促進【粗飼料増産未利用資源活用促進対策事業  424百万円】【国産粗飼料増産対策事業  1,822百万円】

○  リサイクル・ループ(※)の活用等によるエコフィードの増産(※食品関連事業者と農業者等が連携して食品廃棄物を飼料等として再生利用し、得られた畜産物等を利用する循環型の取組)【エコフィード緊急増産対策事業  792百万円】

最近の食料をめぐる情勢の変化①  国際食料需給の引き締まり ・バイオエタノール・開発途上国の経済発展により穀物価格が上昇 ・飼料価格の上昇

④ 栄養バランスの悪化 ・脂質の摂取割合の増加 ・メタボリックシンドロームの増加 (成人男性の2人に1人はメタボリックシンドロームの疑いがあるかあるいはその予備群)

⑥ 食の外部化の進展 ・中食等、調理食品への支出の増加 ・業務用・加工用野菜の需要の増加と国産野菜等の対応の遅れ(主要野菜の加工・業務用に占める国産の割合)  平成2年 88% ⇒ 平成17年 68%

③  環境に関する意識の高まり・海外からの農産物輸入の増加に伴う二酸化炭 素の排出量の増加、間接的な水輸入量の増加 (フードマイレージ・バーチャルウォーター)・食品廃棄物の有効活用の必要 (本年6月には、食品リサイクル法が改正)

⑤ 耕作放棄地の増加 ・耕作放棄地は 38.6万 haまで増加(平成7年 24.4万 ha ⇒ 平成 17年 38.6万 ha)

⑦ 海外における日本食ブーム

② 食の安全に関する関心の高まり ・消費者の食に対する志向のうち最も高いのは「健康と安全」

○  加工・業務用のモデル産地形成を促進、新たな品目の追加等による対応の強化【加工・業務用対応型園芸作物生産流通拡大事業  54百万円】○ 強い農業づくり交付金については、加工・業務用野菜の需要に取り組む産地の共同利用施設の整備等を強化

従来の取組○  パンフレット・ホームページ等による情報提供○  内閣府政府広報等の活用○  「食事バランスガイド」を活用した食育の推進

○  食育の推進における食生活全体の中でのごはん食の推進○  米飯学校給食の推進○  食育の推進による脂質の過剰摂取の抑制

○  加工・業務用需要に対応した野菜生産に関するガイドラインの作成・普及

○  耕畜連携の強化等による飼料増産の推進 ○  エコフィード(食品残さの飼料化)の理解醸成 (シンポジウムの開催、安全性ガイドラインの策定等)

(太字は 20年度予算要求において新規・拡充要求している事項)

○ 米の消費拡大が期待される、「朝ごはんビジネス」の支援等(関連業界等と連携) ○  油脂類の使用を大きく節約できる業務用フライヤーの普及に向けた食品産業界への働きかけの実施

○ 食事バランスガイドと教育ファームの展開による食育の一層の推進

○  国民の食料自給率向上への関心が深まるよう、メディアミックス(多様なメディアを効果的に組み合わせた広報)の手法を活用するなどの戦略的な広報活動を実施【食料自給率戦略広報推進事業  1,700百万円】

食料自給率向上に向けた戦略的対応の強化  

11 11

Page 13: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

○  食料自給率と不測時の食料安全保障

  平常時における安定供給

食料の安定供給の確保(基本理念)

   不測時の食料安全保障

食料自給率目標の実現に向けての需要に対応した国内農業生産の増大の取組

農地・農業用水等の確保・整備、担い手の確保・育成、農業技術水準の向上等による食料供給力の確保・強化

食料自給率目標の実現 不測時における生産転換等の円滑かつ確実な実施

第2 食料自給率の目標2.食料自給率の目標の設定に当たっての基本的考え方(1)食料安全保障の確保と食料供給力の強化(略)

食料自給率の目標を策定し、その達成に向けて、我が国の気候風土に根ざした持続的な生産装置である水田を始めとする農地や農業用水等の必要な農業資源の確保、農業の担い手の確保及び育成、農業技術水準の向上等を図ることは、国内の農業生産の増大や不測時における食料安全保障の確保につながるものであり、これらの取組を通じて国内農業の食料供給力の強化を図っていくこととする。

○  食料・農業・農村基本計画における食料供給力の考え方食料・農業・農村基本計画(平成 17年 3月 25日閣議決定) (抄)

○  カロリーベース及び生産額ベースのいずれの場合にも、食料自給率は、平時の食生活とそれを前提とした国内生産を反映したものであり、量より質を求める消費者ニーズや、無駄や廃棄を伴う食生活の在り方に左右される面がある。したがって、食料自給率の水準は、国内農業が不測の事態においても国民に最低限度必要な食料を供給できるかどうかを直接的に示すものではない。○  一方、食料自給率の目標を策定し、その達成に向けて、必要な農地、農業用水等の農業資源の確保、農業の担い手の確保及び育成、農業技術水準の向上等を図ることは、国民が最低限度必要とする食料の供給の確保につながるものであり、これらの取組を通じて食料供給力の確保を図っていくことが重要である。

不測時の食料安全保障と食料供給力

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Page 14: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

○ 14 3不測時の食料安全保障マニュアル(平成 年 月策定)の概要

事態の深刻度(レベル)に応じ国民が最低限度必要とする食料の供給の確保が図られるよう、以下の取組を実施。

○ レベル1以降の事態に発展するおそれがある場合(レベル0)(1) 食料供給の見通しに関する情報収集・分析・提供(2) 備蓄の活用及び輸入先の多角化・代替品輸入の確保(3) 規格外品の出荷・流通や廃棄の抑制など食品産業事業者等の取組の促進(4) 価格動向等の調査・監視、関係事業者への要請、指導 等

○ 特定の品目の供給が、平時の供給を2割以上下回ると予測される場合(レベル1)

(1) 緊急増産( )国民生活安定緊急措置法

(2) 適正な流通の確保のための売渡し、輸送、保管に関する指示等( )国民生活安定緊急措置法、買占め等防止法、食糧法

(3) 標準価格の設定等の価格の規制( )国民生活安定緊急措置法 等

○ 2,000kcal1人1日当たり供給熱量が を下回ると予測される場合(レベル2)

(1) 熱量確保を優先した生産転換( )国民生活安定緊急措置法

(2) 既存農地以外の土地の利用土地利用に関する法令の規定に基づき、既存農地以外の土地であって比

較的容易に食料生産を行い得る土地(原野等)において食料生産を実施(3) 割当て、配給及び物価統制の実施

(国民生活安定緊急措置法、食糧法、物価統制令)(4) 石油の供給が減少する場合の農林漁業者への優先的な供給(石油需給適正化法) 等

○ 価格・流通の安定対策に係る法令の概要

法令名 措置の概要 発動実績( 48 49買占め等 ・買占め又は売惜しみを行う 第一次石油危機時 昭 ~ 年)

24 (防止法 事業者に対する売渡しの指 に 物資 食料関係は、大豆、大示・命令 豆油、大豆かす、醤油、精製糖の

)5物資 が指定。( 49国民生活 ・標準価格、特定標準価格の 第一次石油危機時 昭 年)に4

(安定緊急 設定 これを超えて販売す 物資(食料関係はなし)について措置法 る事業者に対する価格引下 標準価格を設定。

)げの指示・生産・輸入・保管等の指示・割当て・配給、使用・譲渡制限等

(物価統制 ・統制額の設定 これを超え 終戦直後に最高時で約1万件が指令 る取引の禁止) 定されたが、順次解除され、現在

は公衆浴場入浴料金のみ指定。食糧法 ・米 穀の出荷・販売事業者に なし

対する譲渡、保管等に関する命令

・米 穀の生産者に対する売渡しの指示

・米 穀の割当て・配給、使用・譲渡制限等

○  なお、国内における需給が長期間にわたり著しくひっ迫するような不測の事態が発生し、国民が最低限度必要とする食料を確保するため必要があるときは、不測時の食料安全保障マニュアルや関係法令等に基づき、 ① 熱量効率の高い作物への生産転換等による食料の増産 ② 必要な物資について割当て・配給    等の措置を講ずることとしており、平素からそのための体制を点検・整備しておくことが必要である。

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Page 15: 我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について

茶碗1杯(精米 75g分)粉吹きいも 1皿(じゃがいも 2個・ 300g分)ぬか漬け 1皿(野菜 90g分)

焼き魚1切(魚の切り身 84g分)

果物(りんご 1/4 ・ 50g分相当)

朝 食

昼 食

夕 食 牛乳(牛乳 33g /日分)

たまご(鶏卵 7g /日分)

6日にコップ 1杯

7日に1個

食肉(肉類 12g /日分)9日に1食

砂糖小さじ 6杯、油脂小さじ 0.6杯調味料 (1日分)

うどん(小麦 53g /日分)

2 日に1杯

納豆(大豆 33g /日分)

3日に 2パック

焼きいも 2本(さつまいも 2本・ 200g分)

○PFCバランス P: 12( 13 )、F: 10( 29)、C: 78( 58)  ※( )内は平成 15年度の値 

茶碗1杯(精米 75g分) 焼きいも 1本(さつまいも 1本・ 100g分)

蒸かしいも 1個(じゃがいも 1個・ 150g分)

2日に 1杯みそ汁(みそ 9g /日分)

(参考)国内生産のみで 2,020kcal 供給する場合の一日の食事のメニュー例

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