21
弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓 弓弓弓 弓 (7) 弓弓弓弓 弓弓弓弓 弓弓 1. (1) 弓弓弓弓弓弓弓 弓弓弓弓弓弓 弓弓弓弓弓弓弓弓 、、 弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓 弓弓 弓弓 弓弓 弓弓 弓弓弓弓弓弓弓弓弓 、体 弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓(2) 弓弓弓弓 弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓 弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓 、、 弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓 弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓弓 、。

弓射への力学的アプローチ(その7) 赤門支部 鈴木千輝

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弓射への力学的アプローチ(その7) 赤門支部 鈴木千輝. 1.目的 (1) 昨年に引き続き、押手の伸び、緩みは矢速をどれ      だけ加速または減速させるのかを、弓・弦・矢・身体の相互作用を力学モデルに置き換えた弓射シミュレータの計算により考察する。 (2) そのため、力学モデルに弓の粘性抵抗を導入し、矢速の実測値とシミュレータの計算値を比較し、モデルの精度を高める。. 2.検討テーマ. (1) 「エネルギー転換率」を定義する。 - PowerPoint PPT Presentation

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弓射への力学的アプローチ(その7)赤門支部 鈴木千輝 

1.目的(1) 昨年に引き続き、押手の伸び、緩みは矢速をどれ      だけ加速または減速させるのかを、弓・弦・矢・身体の相互作用を力学モデルに置き換えた弓射シミュレータの計算により考察する。(2) そのため、力学モデルに弓の粘性抵抗を導入し、矢速の実測値とシミュレータの計算値を比較し、モデルの精度を高める。

Page 2: 弓射への力学的アプローチ(その7) 赤門支部 鈴木千輝

2.検討テーマ

(1) 「エネルギー転換率」を定義する。(2) 井出氏によるカーボン伸弓 14Kgf( 以降 CB14 と

略記)についての発射台を用いた矢速実測データから、現実の「エネルギー転換率」を求める。

(3) 実測に使った弓( CB14) を力学モデルに置き換える。

 その際、モデルに弓の粘性抵抗を導入する。(4) 弓射シミュレータによる計算により、「エネル

ギー転換率」を変化させる要因を明らかにする。(5) その上で、押手の伸び、緩みの矢速への影響を、

弓射シミュレータの計算により求める。

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3.エネルギー転換率とは?

会の状態

弦を張った状態

弓になした仕事

(%)弓になした仕事矢の運動エネルギー  エネルギー転換率

D

D

dDDF

J

J

)((J)

100)(

)((%)

弓になした仕事とは?

0 10 20 30 40 50 60 70

弦を張った状態

会の状態

エネルギー(J)

(J )弓の弾性エネルギー (J )弦の弾性エネルギー (J )弓になした仕事

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4.現実のエネルギー転換率課題:エネルギー転換率はどんな要因できまるのか?

100

80

60

40

20

0

20

40

60

60 40 20 0 20 40 60 80弓になした仕事( J)

矢速( m/sec)

引き

の大

きさ

(cm

)

矢の

運動

エネ

ルギ

ー(J

)

エネルギー転換率

100%

80%

60%

40%

20%

矢26

g矢

35g

カーボン伸弓 14Kgf ・押手不動 ( データは井出氏の測定による )

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5.力学モデル (1)弓の静的特性の力学モデル計算値と測定値はほぼ一致

(CB14)引きの大きさと弓の荷重

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20(m)引きの大きさ

(N)

弓の荷重

モデルによる計算値CB14測定値

CB14- 90cm引き の形状比較

-1

-0.5

0

0.5

1

1.5

0 0.5 1

計算値

測定値

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6.力学モデル (2)

・次の式で力学モデルに弓の粘性抵抗を導入

・記号の意味   M i,j     :弓の曲げモーメント   Me i,j    :弾性による曲げモーメント   Mr i,j  :粘性による曲げモーメン

ト   Eb    :弓のヤング率  Rb :弓の粘性抵抗率   I i   :弓の断面二次モーメント  Crv i,j    :弓の曲率    C oi :弦を張らない状態の弓の曲

率   Δ t   :計算の時間間隔  添字 i,j  :弓のポイント i および 時刻 j を表す

jijiji MrMeM ,,,

2/)2( ,1,, ijijiibji CoCrvCrvIEMe

tCrvCrvIRMr jijiibji /)( ,1,,

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7.力学モデル (3)

              竹弓並17 Kgf の粘性抵抗測定例                (詳細は平成16年度生弓会報を参照のこと)

17Kgf竹弓並 の抵抗値測定値

1.E+04

1.E+05

1.E+06

1.E+07

1.E+08

1.E+09

0.1 1 10 100 1000f(Hz)

Rb(

Ns/

)㎡

竹弓平均値

Page 8: 弓射への力学的アプローチ(その7) 赤門支部 鈴木千輝

8.力学モデル (4)

・次の式で力学モデルに弦の粘性抵抗を導入

・記号の意味  τi,j : 弦の張力   τei,j : 弾性による弦張力   τri,j : 粘性による弦張力   εi,j : 弦の歪    Es : 弦の弾性係数   Rs : 弦の粘性係数

Δt : 計算の時間間隔  添字 i,j : 弦のポイント i  および 時刻jを表す

tRr

Ee

re

jijisji

jijisji

jijiji

/

2/

,1,,

,1,,

,,,

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9.力学モデル (5)       弦(飛翔弦伸寸 1 号)の粘性係数測定値          (弦に錘を吊るしてたたき、その振動減衰から測

定)飛翔弦伸寸1号の粘性係数の測定値

10

100

1000

1 10 100f(Hz)

Rs(

Ns)

弦の粘性係数(測定値)

平均値

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10.エネルギー転換率の変化要因弓の粘性抵抗と矢の質量に対するエネル キ ゙ー 転換率の変化(計算値)

CB14 Rs=150(Ns)( 、 、手の内不動の場合)

50

55

60

65

70

75

80

0.0E+00 5.0E+07 1.0E+08 1.5E+08 2.0E+08Rb(Ns/ )弓の粘性抵抗 ㎡

(%)

エネルギー転換率

22.5g矢26g矢35g矢

58.69%64.00%

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11.エネルギー転換率の測定値と計算値の比較 

Rs=150Ns 、 Rb=1.3*108Ns/ ㎡とすると測定値と計算値はよく一致する。

CB14のエネルギー転換率の測定値と計算値の比較Rs=150Ns Rb1.3*10̂ 8Ns/(押手不動、 、 ㎡で計算)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1(m)引きの大きさ

(%)

エネルギー転換率

26g矢 (測定値)35g矢 (測定値)

26g矢 (計算値)35g矢 (計算値)

Page 12: 弓射への力学的アプローチ(その7) 赤門支部 鈴木千輝

12.弓になした仕事のエネルギー収支 ( 計算値)

26g CB14Kgf 87.5cm Rs150Ns Rb1.3*10矢 、 、引き 、 、 8Ns/㎡、押手不動部位 エネルギーの分類 J )弦を張った状態( (J )矢と弦の分離時 (J )エネルギーの増減 (%)エネルギー分配率弓 運動エネルギー 0.0 5.3 5.3 10.5

弾性エネルギー 14.6 13.4 -1.1 -2.3粘性による損失 0.0 10.2 10.2 20.1空気抵抗による損失 0.0 0.2 0.2 0.4

弦 運動エネルギー 0.0 1.0 1.0 2.0弾性エネルギー 0.8 3.0 2.2 4.3粘性による損失 0.0 2.5 2.5 5.0空気抵抗による損失 0.0 0.7 0.7 1.4

矢 運動エネルギー 0.0 29.5 29.5 58.5①弓・弦・矢のエネルギー合計 15.4 65.9 50.5 100.0②離れ以降、押手が弓になした仕事 0.0 0.0③=① ②=- 会までに弓になした仕事 50.5 100.0

35g CB14Kgf 87.5cm Rs150Ns Rb1.3*10矢 、 、引き 、 、 8Ns/㎡、押手不動部位 エネルギーの分類 J )弦を張った状態( (J )矢と弦の分離時 (J )エネルギーの増減 (%)エネルギー分配率弓 運動エネルギー 0.0 4.3 4.3 8.6

弾性エネルギー 14.6 13.6 -0.9 -1.9粘性による損失 0.0 9.1 9.1 18.0空気抵抗による損失 0.0 0.2 0.2 0.3

弦 運動エネルギー 0.0 1.4 1.4 2.7弾性エネルギー 0.8 2.4 1.5 3.0粘性による損失 0.0 2.0 2.0 3.9空気抵抗による損失 0.0 0.6 0.6 1.1

矢 運動エネルギー 0.0 32.3 32.3 64.1①弓・弦・矢のエネルギー合計 15.4 65.8 50.5 100.0②離れ以降、押手が弓になした仕事 0.0 0.0③=① ②=- 会までに弓になした仕事 50.5 100.0

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13.エネルギー分配率(計算値再掲)

「会までに弓になした仕事」のエネルギー分配率CB14Kgf 87.5cm Rs150Ns Rb1.3*10̂ 8Ns/、引き 、 、 ㎡、押手不動

- 2.3 - 1.910.5 8.6

20.1 18.0

0.4 0.32.0 2.74.3 3.05.0

3.91.4

1.1

58.5 64.1

- 20

0

20

40

60

80

100

120

矢26g 矢35g

矢の種別

エネルギー分配率(%)

矢:運動エネルギー

弦:空気抵抗による損失

弦:粘性による損失

弦:弾性エネルギー

弦:運動エネルギー

弓:空気抵抗による損失

弓:粘性による損失

弓:運動エネルギー

弓:弾性エネルギー

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14.押手の伸び・緩み効果 (1)

・身体系計算モデル  井出氏の行射中の身体の振動測定によると、手首の振

動が大きい。今回は手首の動きに着目する。

  

Fgy(t) M

ここを不動と仮定R

K

y(t) So=Fgy(0)/ K

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15.押手の伸び・緩み効果 (2)

・計算ケース(以下の4ケースを想定)

会 離れ 会 離れ

ケース1 - - - - 押手不動ケース2 30,000 0 S0 0 筋肉が弛緩

ケース3 30,000 30,000 S0 S0 緩まない

ケース4 30,000 30,000 S0 2*S0 伸びようとしている

CB14 87.5cm 26g Rs150Ns Rb1.3*10、引き 、矢 、 、 8Ns/㎡

M 0.4(Kg) R=23(Ns/ m)手首質量 = 、抵抗 で一定とする。S0=0.0044(m)

K(N/ m)バネ定数 S(m)収縮量 離れのイメージ計算ケース

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16.押手の伸び・緩み効果 (3)

・計算結果(エネルギー転換率)

矢の分離時間 矢速 矢の運動エ

ネルギー会までに弓になした仕事

エネルギー転換率

(msec) (m/ sec) (J ) (J ) (%)

ケース1 27.45 47.67 29.55 50.11 58.97

ケース2 26.15 46.99 28.71 50.11 57.30

ケース3 27.60 47.21 28.98 50.11 57.83

ケース4 27.55 48.12 30.10 50.11 60.06

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17.押手の伸び・緩み効果 (4)

・計算結果(押手の伸び)

0.8

0.81

0.82

0.83

0.84

0.85

0.86

0.87

0.88

0 5 10 15 20 25 30(msec)離れ以降の時間経過

(m)

押手位置変化

1ケースケース2ケース3ケース4

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18.押手の伸び・緩み効果 (5)

・計算結果(押手が弓を押す力)

-300

-200

-100

0

100

200

300

0 5 10 15 20 25 30(msec)離れ以降の時間経過

(N)

押手が弓を押す力

ケース1ケース2ケース3ケース4

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19.押手の伸び・緩み効果 (6)

・計算結果(離れ以降、押手が弓になした仕事)

-4

-3

-2

-1

0

1

2

0 5 10 15 20 25 30(msec)離れ以降の時間経過

(J)

押手が弓になした仕事

ケース1ケース2ケース3ケース4

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20.結果の考察

1. 力学モデルに弓の粘性を導入。 エネルギー転換率の計算値は測定値によく一致。2. 押手が不動の場合、エネルギー転換率を変化させる要因

を検討。  (1) 矢の質量が大きいほど転換率は上昇。  (2) 弓の粘性が大きいほど転換率は低下し、影響は大。  (3) 弦の弾性エネルギーと粘性による損失の合計が弓に

なした仕事の8%前後。   弦の粘弾性特性の違いがエネルギー転換率に影響す

るものと予測。3. 弓射シミュレータの計算により、押手の伸び・緩みがエ

ネルギー転換率をそれぞれ上昇・低下させることを確認。

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21.今後の課題

1. 二次元モデルにおける矢速減少要素の導入  (1)勝手の緩み効果の導入2. 身体系モデルの構築  (2) 体幹、腕、手首を含む総合的モデルの構築  (3) 測定結果の観察、分析によるパラメータの推定

3.三次元モデルへの拡張  (1) 押手による弓の捻り効果の検討  (2) 弓返りメカニズムの検討  (3) 弦音の解明