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緩和医療教育スライド 消化器症状

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緩和医療教育スライド 消化器症状. 社会保険神戸中央病院 緩和ケア病棟 新城 拓也編. 消化器症状のマネージメント. 1. 嘔気・嘔吐 2. 消化管閉塞 3. 便秘 4. Case study 現場での対応. 消化器症状のマネージメント. 1. 嘔気・嘔吐 2. 消化管閉塞 3. 便秘 4. Case study 現場での対応. 1. 嘔気・嘔吐の一般的事項. Q1 がん患者のどのくらいの人に嘔気・嘔吐があるのか ?. 頻度. Grond S J Pain Symptom Manage. 9 :372-382, 1994 - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: 緩和医療教育スライド 消化器症状

緩和医療教育スライド 消化器症状

社会保険神戸中央病院緩和ケア病棟新城 拓也編

Page 2: 緩和医療教育スライド 消化器症状

消化器症状のマネージメント

• 1. 嘔気 嘔吐・• 2. 消化管閉塞• 3. 便秘• 4. Case study 現場での対応

Page 3: 緩和医療教育スライド 消化器症状

消化器症状のマネージメント

• 1. 嘔気 嘔吐・• 2. 消化管閉塞• 3. 便秘• 4. Case study 現場での対応

Page 4: 緩和医療教育スライド 消化器症状

1. 嘔気 嘔吐の一般的事項・

頻度

Q1 がん患者のどのくらいの人に嘔気 嘔吐があるのか・ ?

Grond S1) 1994 ペインクリニック初診時1635 名がん患者

27% 嘔気20% 嘔吐

Morita T2) 1999 ホスピス入院患者150+200 名

嘔気 嘔吐 ・29% 入院時48% 死亡まで

1) Grond S J Pain Symptom Manage. 9:372-382, 19942) Morita T J Pain Symptom Manage 18:338-346,1999

Page 5: 緩和医療教育スライド 消化器症状

嘔気 嘔吐の定義・

Nausea= 嘔気 , 悪心 嘔吐に先だって起こる不快な感覚

Vomiting= 嘔吐 消化管内容物を , 口から排出する現象

Q2 嘔気 嘔吐という言葉はどう使い分けているのか・ ?

金芳堂 内科診断学より

Page 6: 緩和医療教育スライド 消化器症状

嘔気  持続時間  1 日のうちで○時間 強さ     10 段階で○

嘔吐     回数      1 日のうちで○回(エピソードで数えることが多い * ) ( * 補足 嘔吐 1 エピソードとは 1 回嘔吐したことではなく , 嘔吐発作の一連の経過を指す すなわち 。 短時間に連続して ,2,3 回の嘔吐があったとしてもそれは「 1 エピソード として数える 〜」 JCOG 有害事象共通用語規準 v3.0 日本語訳より)

 量       一回○m L 性状(色調 , 臭い) 食物残渣、消化液(黄緑 ) 、             便(茶 便臭・ ) 、出血(黒・赤 )

嘔気 嘔吐に対する患者本人の評価・  STAS**      0-1   今の治療で満足          2     もう少し緩和してほしい 急、いでいない          3 <  緩和してほしい

Q3 嘔気 嘔吐は・ , 何を観察したらよいのか ?

**STAS 日本語版より2.症状が患者に及ぼす影響:痛み以外の症状が患者に及ぼす影響症状名 ( )0 = なし1 = 時折の、または断続的な単一または複数の症状があるが、日常生活を普通に送っており、患者が今以上の治療を必要としない症状である。2 = 中等度の症状。時に調子の悪い日もある。病状からみると、可能なはずの日常生活動作に支障をきたすことがある。3 = たびたび強い症状がある。症状によって日常生活動作や物事への集中力に著しく支障をきたす。4 = 持続的な耐えられない激しい症状。他のことを考えることができない。

Page 7: 緩和医療教育スライド 消化器症状

Q4 嘔気 嘔吐は・ , なぜ起こるのか ?

嘔気 嘔吐・

消化管閉塞あり 消化管閉塞なし

まず , 二つに分けて考える

第 2章へ 次のスライドへ

Page 8: 緩和医療教育スライド 消化器症状

肝 腸

前庭神経

CTZ化学受容体引金帯

VC嘔吐中枢

高位中枢

5HT3

5HT3D2

H1

H1 5HT2

Achm

Achm

迷走神経血流(薬剤 ,毒物 ,代謝物の影響) 伸展受容器

伸展受容器

( Oxford Textbook of Palliative Medicine 3rd 2004 より改変)

CTZ:chemoreceptor trigger zoneVC:vomiting center

D2

Achm

消化管閉塞がないときのモデル

Page 9: 緩和医療教育スライド 消化器症状

例 1 薬剤による嘔吐(モルヒネの場合)

肝 腸

前庭神経

CTZ化学受容体引金帯

VC嘔吐中枢

高位中枢

5HT3

5HT3D2

H1

H1 5HT2

Achm

Achm

迷走神経血流(薬剤 ,毒物 ,代謝物の影響) 伸展受容器

伸展受容器

モルヒネ

抗ヒスタミン薬トラベルミンドラマミン

セレネース

ノバミン

Achm

D2

Page 10: 緩和医療教育スライド 消化器症状

例 2 薬剤による嘔吐(抗がん剤による early emesis の場合)

肝 腸

前庭神経

CTZ化学受容体引金帯

VC嘔吐中枢

高位中枢

5HT3

5HT3D2

H1

H1 5HT2

Achm

Achm

迷走神経血流(薬剤 ,毒物 ,代謝物の影響) 伸展受容器

伸展受容器

抗がん剤(シスプラチンなど)

カイトリルゾフランナゼアなど

Achm

D2

Page 11: 緩和医療教育スライド 消化器症状

例 3 消化管が原因の嘔気 嘔吐(消化管運動麻痺や便秘)・

肝 腸

前庭神経

CTZ化学受容体引金帯

VC嘔吐中枢

高位中枢

5HT3

5HT3D2

H1

H1 5HT2

Achm

Achm

迷走神経血流(薬剤 ,毒物 ,代謝物の影響) 伸展受容器

伸展受容器

消化管運動麻痺

プリンペランナウゼリン

Achm

D2

便秘(腸管拡張)

下剤

Page 12: 緩和医療教育スライド 消化器症状

例 4 高カルシウム血症による嘔吐

肝 腸

前庭神経

CTZ化学受容体引金帯

VC嘔吐中枢

高位中枢

5HT3

5HT3D2

H1

H1 5HT2

Achm

Achm

迷走神経血流(薬剤 ,毒物 ,代謝物の影響) 伸展受容器

伸展受容器

高カルシウム血症

アレディア ,ビスフォナールなど(ビスホスホネート製剤)

Achm

D2

Page 13: 緩和医療教育スライド 消化器症状

例 5 脳病変による嘔吐(脳腫瘍など)

肝 腸

前庭神経

CTZ化学受容体引金帯

VC嘔吐中枢

高位中枢

5HT3

5HT3D2

H1

H1 5HT2

Achm

Achm

迷走神経血流(薬剤 ,毒物 ,代謝物の影響) 伸展受容器

伸展受容器

脳腫瘍

手術 ,放射線療法

頭蓋内圧の亢進

薬物療法ステロイドグリセオール

脳浮腫

Achm

D2

脳の様々な場所への作用抗ヒスタミン薬トラベルミンドラマミン

Page 14: 緩和医療教育スライド 消化器症状

原因の同定

治療の選択

目標の設定何が原因なのか ?原因は一つなのか ?

原因に応じた ,薬物と治療の選択

Q5 嘔気 嘔吐の治療の流れは・ ?

腹部のレントゲン頭部の CT,MRI血液検査 電解質の異常 肝障害 腎障害など

Page 15: 緩和医療教育スライド 消化器症状

目標の設定

Q6 嘔気 嘔吐の治療で・ ,目標設定をどの様に組み立てるか ?

治療効果はどうか ?

嘔気 持続時間・強さ嘔吐 回数・量経口摂取総合評価  STAS

結果

個別性

患者自身の考えはどうか ? 1 )吐くくらいなら食べたくない2 )吐いたとしても食べたい3 )吐かないものだけ食べたいなど

結果 ,個別性をふまえた個々の目標設定

嘔気 , 嘔吐を扱う study では嘔気の評価としては持続時間、強さ;嘔吐の評価としては回数(エピソード数)などで表現されている。

Page 16: 緩和医療教育スライド 消化器症状

Q7 嘔気 嘔吐の治療薬には何があるか・ ?   中枢性 末梢性

フェノチアジン系 ピーゼットシー , トリラホン(ペルフェナジン) ノバミン(プロクラルペラジン) コントミン ,ウインタミン(クロルプロマジン)

抗ヒスタミン薬 ドラマミン , トラベルミン クロールトリメトン

ストロカインアトロピンブスコパンコリオパン

プリンペランナウゼリン

カイトリルゾフランセロトーンナゼアナボバンシンセロン

D2

D2

H1

5HT3

ガスモチンセレキノンガナトン

Achm

前庭神経

CTZ化学受容体引金帯

VC嘔吐中枢

高位中枢

5HT3

5HT3D2

H1

H1 5HT2

Achm

Achm

迷走神経

D2

Achmその他

副腎皮質ステロイド剤ベンゾジアゼピン系薬剤

D2

セレネース

H1 Achm

ピレチア ,ヒベルナ(プロメタジン)

H1 Achm

5HT3D2 H1 Achm

ヒルナミン(レボメプロマジン )オランザピン(ジプレキサ)

Page 17: 緩和医療教育スライド 消化器症状

嘔気 嘔吐に関する・ RCTs

Ondansetron ゾフランTropisetron ナボバンMetoclopramide プリンペランChlorpromazine コントミン ,ウインタミン

Q8 嘔気 嘔吐の治療における・ evidence は ?

Author Sample Stydy design

Regime Findings

1 Hardy J, 2002

92 オピオイドによる嘔気

RCT ゾフラン 24mg/日

vsプリンペラン 30mg/日

vs placebo

嘔気 ,嘔吐消失率

17,48%36,52%23,33% 3 群間に差なし

2 Mystakidou K,1998

280 除外 化学 ,放射線療法 , 消化管閉塞 ,薬物 , 中枢神経 ,代謝性

RCT プリンペラン 40mg/日+ステロイド (デカドロン 2mg/日)

vs コントミン +ステロイド

vs ナボバン 5mgなど7通りの組合せ

嘔吐の消失率 ナボバン 78.9%>コントミン +ステロイド 33.3% >プリンペラン +ステロイド 23.6% ナボバンを含む群が有意に高値

3 Bruera E,2000

26 胃内容物停滞 RCT プリンペラン 80mg/日 (徐放剤 ,本邦未発売)

vs placebo

プリンペラン >placebo 17 ± 12 mm vs 12 ± 10 mm

VAS値が有意に低い

1) Hardy J Support Care Cancer 10:231-236,20022) Mystakidou K Cancer 83:1214-1223,19983) Bruera E J Pain Symptom Manage 19:427-435,2000

Page 18: 緩和医療教育スライド 消化器症状

Evidence の高い trial ではないが , 有効性が示唆されているものAuthor Sample Study de

signRegime Findings

1 Bentley A,2001

(PalliatMed15:247-253)

40 35% 胃内容停滞 ,消化管閉塞30% 薬剤 ,電解質異常

Prospec-tive audit

原因( 7つに分類)に応じたガイドラインに従い治療を行う(薬剤 セレネース , プリンペラン , ブスコパン , ナウゼリン , レボトミン , シクリジン ,ステロイドなど)

嘔気( score 1 best-5 worst)

82% ( 28/34 )が消失嘔吐( score 1best-5 worst)

84% ( 26/31 )が消失

2 Wilson J,2002(J Palliat Care

18:84-91)

48 胃内容停滞

open プリンペラン 80-160mg/日 (徐放剤 ,本邦未発売)症状に合わせて漸増

嘔気の改善度Not 27%,Slightly 7%

Moderately 29%

Moderately to Highly 2%

Highly 33%

3 Bruera E,1996(J Pain Symptom Manage 11:147-153)

100 連続 100例

Retrospectivecohort

プリンペラン 60mg-120mg/日デカドロン 0-20mg/日の組合せで 3段階Step 4はセレネースなどその他の薬剤とし 4段階の ladder

嘔気 , 嘔吐( score 0 best-4 worst)

3.6,3.5 (n=89 step 1)

3.1,3.3 (n=12 step 2)

2.7,3.3 (n=13 step 3)

3.3,2.6 (n=25 step 4)

98% の改善率

4 Passik SD,2002(J Pain Symptom Manage 23:526-532)

15 オピオイド治療中

open ジプレキサ 0-10mg/ 日 嘔気( score 0 best-4 worst)Score 0 1 2 3 4

0mg 0 3 2 5 4

5mg 8 6 0 1 0

10mg 10 2 1 1 0 ( 人数 )

Page 19: 緩和医療教育スライド 消化器症状

消化器症状のマネージメント

• 1. 嘔気 嘔吐・• 2. 消化管閉塞• 3. 便秘• 4. Case study 現場での対応

Page 20: 緩和医療教育スライド 消化器症状

Q1 消化管閉塞とはどんな状態か ?原因は何か ?

口腔から ,肛門に至るまでの消化管に閉塞が生じること。

原因1. 悪性腫瘍 ・消化器がん ・骨盤内悪性腫瘍 (卵巣 , 子宮 ,膀胱 ,前立腺がん) ・がん性腹膜炎2.良性 ・手術後の癒着 ・ヘルニア

Page 21: 緩和医療教育スライド 消化器症状

閉塞部位による , 嘔吐の特徴

上部消化管(食道 ,胃 ,十二指腸)  未消化 ,胃液 ,十二指腸液や胆汁が混ざる 黄色・緑色 食後すぐに嘔吐、胸焼け 腹痛 腹満は少ない・

下部消化管(小腸 ,大腸)  便汁 , 便臭のある吐物 黒色・茶色 腹痛 腹満・

Q2 消化管閉塞の嘔吐に特徴はあるのか ?

Page 22: 緩和医療教育スライド 消化器症状

( Oxford Textbook of Palliative Medicine 3rd 2004 より改変)

消化管閉塞(完全もしくは部分閉塞)

腸管運動の低下 ,停止腸管収縮運動の亢進

↓疼痛(疝痛)

腸管の拡張↓

腸管内容物の↑↓

腸粘膜面積の↑↓

腸管内分泌の↑( H2O,Na,Cl)

持続した疼痛(腸管の膨張 ,腫瘍 ,肝腫大)

腸管粘膜の損傷↓

腸管の浮腫 , うっ血を伴う炎症化学物質の産生 (プロスタグランジン ,VIP 等)

嘔気嘔吐

Q3 消化管閉塞の症状はどの様に起こるのか ?

Page 23: 緩和医療教育スライド 消化器症状

消化管閉塞(完全もしくは部分閉塞)

腸管運動の低下 ,停止腸管収縮運動の亢進

↓疼痛(疝痛)

腸管の拡張↓

腸管内容物の↑↓

腸粘膜面積の↑↓

腸管内分泌の↑( H2O,Na,Cl)

持続した疼痛(腸管の膨張 ,腫瘍 ,肝腫大)

腸管粘膜の損傷↓

腸管の浮腫 , うっ血を伴う炎症化学物質の産生 (プロスタグランジン ,VIP 等)

嘔気嘔吐

外科的手術

プリンペラン サンドスタチン

オピオイド

ブスコパンバイパス術人工肛門PEGPTEG

ドレナージ 経鼻胃管イレウス管

ステロイド

Q4 消化管閉塞の治療は ?

中枢性制吐剤

Page 24: 緩和医療教育スライド 消化器症状

Q5 消化管閉塞に対する ,手術 , ドレナージの処置の使い分けは ?

胃 ,十二指腸での閉塞

原因 胃がん ,膵臓がん ,肝臓がん薬剤 あまり効果が期待できない手術 PEG (胃ろうから外に内容物を排出) PTEG

消化管バイパス術 (ステント留置術)処置 経鼻胃管 (=short tube,NG tube)

食道での閉塞原因 食道がん ,肺がん薬剤 効果が期待できない手術 ステント留置術 バルーン拡張術

小腸 ,大腸での閉塞原因 大腸がん , がん性腹膜炎薬剤 サンドスタチン ステロイド    中枢性制吐剤手術 消化管バイパス術 人工肛門造設術 (ステント留置術)処置 経鼻胃管 イレウス管

個々の患者様の全身状態や ,処置の侵襲度により選択する方法が異なる

Page 25: 緩和医療教育スライド 消化器症状

消化管閉塞の治療に関する RCTs( steroid の治療)

Q6 消化管閉塞の治療の evidence は ?

Author Sample Stydy design

Regime Findings

1 Hardy J, 1998

39 消化管閉塞の患者( 28日以内に化学療法を受けた患者も含む)

RCT デカドロン 16mg5日間 vs placebo 5 日間( cross over)

消化管閉塞の改善率

ステロイド 13/21 62%Placebo 8/14 57%統計学的な有意差なし

2 Laval G,2000

52 手術不適応の消化管閉塞( 28日以内の化学療法の患者は除外)

RCT ソルメドロール 40mg or

ソルメドロール 240mg vs placebo

消化管閉塞の改善率経鼻胃管なし ( 40 名)

ステロイド 19/28 68%

Placebo 4/12 33.5%全患者( 52 名)(経鼻胃管あり 12 名を含む)

ステロイド 22/37 59%

Placebo 5/15 33.5%

有意差なしステロイドの濃度による差はなし

3 Feuer DJ, 2003

Cochrane database,Review

メタ分析

NNT=6

( ステロイド剤で 1 人の消化管閉塞を治癒を得るために 6 人の患者が必要)

1) Hardy J Palliat Med 12:437-442,19982) Laval G Palliat Med 14:3-10,20003) Feuer DJ Cochrane database of systematic reviews,2003

Dexamethasone デカドロンMethylprednisolone ソルメドロール

Page 26: 緩和医療教育スライド 消化器症状

サンドスタチンの治療に関する RCTs

Author Sample Stydy design

Regime Findings

1 Mercadante S,2000

18 手術不適応の消化管閉塞 ,他の制吐剤 ,経鼻胃管なし

RCT サンドスタチン 0.3mg vs ブスコパン 60mg

投与前から 48時間後まで嘔気(スコア 0,1,2,3)サンドスタチン 1.5→0.4ブスコパン 2→1.7嘔吐 (episode)サンドスタチン 5.5→0.4ブスコパン 5.3→2.8サンドスタチン >ブスコパン

2 Mystakidou K,2002

68 手術不適応の消化管閉塞

RCT サンドスタチン

0.6-0.8mg ( + クロルプロマジン 15-25mg )

Vs ブスコパン60-80mg

(クロルプロマジン 15-25mg )

投与前から ,3 日目まで嘔気サンドスタチン -93.4%

ブスコパン -86.2%

嘔吐サンドスタチン -82.1%

ブスコパン -67%

サンドスタチン >ブスコパン

Octreotide サンドスタチンHysoscine butylbromide ブスコパン

1) Mercadante S Support Care Cancer 8:188-191,20002) Mystakidou K Anticancer Res 22:1187-1192,2002

Page 27: 緩和医療教育スライド 消化器症状

消化器症状のマネージメント

• 1. 嘔気 嘔吐・• 2. 消化管閉塞• 3. 便秘• 4. Case study 現場での対応

Page 28: 緩和医療教育スライド 消化器症状

便秘

薬剤

オピオイド抗うつ剤利尿剤など

基礎疾患

糖尿病甲状腺機能低下症痔核

腫瘍による

消化管閉塞腫瘍による腸管の圧迫

脊椎転移による膀胱直腸障害麻痺性イレウス

高カルシウム血症

病状の進行による

長期臥床食事量の低下抑うつ

Q1 便秘はなぜ起こるのか ?

Page 29: 緩和医療教育スライド 消化器症状

診断 排便回数 便の性状(硬さ、量)

腹部レントゲンで残留便を評価する 直腸診で糞塊を確認する

Q2 便秘をどの様に診断するか ?

Page 30: 緩和医療教育スライド 消化器症状

便秘

嘔気 嘔吐・

食欲低下

疼痛(腹痛)

新たな症状の出現を防ぐ

Q3 便秘をなぜ治療するか ?

便塊の停滞による不快感裂肛など

Page 31: 緩和医療教育スライド 消化器症状

Q4 どの様に治療をするのか ?

1. 便を軟らかくする薬

2.腸管の動きを強くする薬

酸化マグネシウムラクツロース大黄末

ガナトン ,ガスモチンラキソベロンアローゼン ,プルゼニド

3.直腸を刺激する

レシカルボン ,テレミンソフト坐薬グリセリン浣腸

4. ケア

腹部のマッサージ全身運動温罨法ツボ

Page 32: 緩和医療教育スライド 消化器症状

消化器症状のマネージメント

• 1. 嘔気 嘔吐・• 2. 消化管閉塞• 3. 便秘• 4. Case study 現場での対応

Page 33: 緩和医療教育スライド 消化器症状

イレウスのため絶飲食の指示時々嘔気があるが、嘔吐はない

口腔内の乾燥と口渇が強い口臭も目立ち始めている

症例 1絶飲食中の患者が「のどがすごく渇く」と訴える

Page 34: 緩和医療教育スライド 消化器症状

症例 1ANSWER

★口腔内を定期的に観察する 口渇の原因(汚染、乾燥、感染)を するアセスメント  ←患者の口腔内 が薄くなるセルフケア

★乾燥させない(=唾液の分泌を促す) * 乾いた分泌物の除去 * 濡れガーゼ、氷水、レモンなど柑橘系の汁を少量含む、うがい *水溶性潤滑剤( ・ ・ )、白ごま油 オーラルバランス アズノール ウエットケア *加湿器 ★感染を起こさない *舌苔の除去、消毒剤 *抗菌剤( ・ )← 使用中ファンギゾン フロリード ステロイド ★口臭予防 * 含嗽ダラシン *齲歯、歯周病、入れ歯の不良

★口腔 へケアチーム コンサルト

Page 35: 緩和医療教育スライド 消化器症状

肝腫大が著明食べると嘔気があり食残渣物を嘔吐する消化管閉塞はないもう少し食べるために何とかして欲しい

症例 2肝腫大のため、

「食べるとおなかがすぐいっぱいになるけど、

もう少し食べたい」

Page 36: 緩和医療教育スライド 消化器症状

★病態を理解する *肝腫大によって胃・十二指腸の圧迫→胃の排出障害 *肝の主要の炎症が、胃・十二指腸に波及→胃の不快感

★対処【薬物的】 * や など蠕動促進薬を使用するプリンペラン ガスモチン *食直前、または、持続投与で!! *炎症を抑えるためにステロイド剤を投与する *制酸剤 抗潰瘍剤は症状改善が得られないことも多い、

★対処【ケア】 *食後は右側臥位   (肝臓が重力で下にさがり ができる)スペース *食事の工夫    1回あたりの量を少なく 回数を工夫する、 。

症例 2Answer

Page 37: 緩和医療教育スライド 消化器症状

症例 3胃管が入っているが、「水が飲みたい」

にてNG が挿入されているイレウス チューフ口渇が強く「水を飲みたい」と言ている医師の指示は絶飲食である

Page 38: 緩和医療教育スライド 消化器症状

★「 NG が入っているから絶飲食ではなくチューブ 入っているからこそ水分摂取できる」と考える ←「飲めば少しでも身体の栄養になる」と考える患者もいる ←「嘔気や腹痛は耐えられても、口渇に耐えられない」患者もいる *間欠的に NG 挿入しているなら、水を飲んでから挿チューブ入する *持続的に留置しているなら、飲水は可とする

★かき氷は量が少なくても爽快感がある

★口腔ケアをおこない口渇を防ぐ

★上記を評価して患者の意向をまとめた上で、主治医に相談する

症例 3 Answer

Page 39: 緩和医療教育スライド 消化器症状

NG が留置されているチューブ鼻が痛くなってきて、発赤している入れ替えもつらい

症例 4胃管で、「鼻が痛い」

Page 40: 緩和医療教育スライド 消化器症状

★固定方法をかえる   *下向き(鼻孔に密着させない)   * (鼻管 )アダプター アタッチメント

★毎日観察する

★ はできるだけ細いものを使う(チューブ E-8 など ) :嚥下チームに相談

★生活スタイルにあわせて間欠挿入を試してみる (症状のある時、夕方入れて抜く、夕方入れて夜間留置し朝抜く)

★PEG 、 PTEG について早期に相談する

★消化管液を減らす内科的治療を主治医に相談する  ( 、ステロイド、輸液減量)サンドスタチン

症例 4 Answer

Page 41: 緩和医療教育スライド 消化器症状

にてNGチューブが挿入されているイレウス「食べたい」と言われている。医師の指示は絶飲食である。

症例 5胃管が入っているが、「食べたい…」

Page 42: 緩和医療教育スライド 消化器症状

★患者の気持ちを理解する *現実的に食べることは無理かもしれないと感じていても、   現状と希望とのギャップに苦悩していることを理解する ←「飲めば少しでも身体の栄養になる」と考える患者もいる ←「先がないならせめて味わうことを楽しみにしたい。そのためなら嘔気 腹痛のリスクは背負える」と考える患者もいる・  *少量でも入れることが重要か?味を楽しむことが重要か?   *患者の気持ちに共感する

★患者の認識を踏まえて、主治医と検討する

★可能であれば流動食を考慮してみる *場合によっては、「もどしても食べる」「噛んで味わって吐き出す」という選択肢もある

症例5 Answer

Page 43: 緩和医療教育スライド 消化器症状

のため嘔吐があるイレウス薬剤を使用したが効果はない医師からの指示は NG 挿入の指示があるチューブしかし、患者は NG の留置は拒否しているチューブ

症例 6嘔吐しているが、胃管を拒否する

Page 44: 緩和医療教育スライド 消化器症状

★なぜ、拒否しているかを知り、不安に応じる *嘔吐が苦痛であっても、患者にとっての対処や段階であることが多い 「何でこんなに吐いてしまうのだろう」⇒病態の説明(理解の不足)か否認 「病気がこのまま、どんどん進んでいくのだろうか」 「他の患者は管を入れてからどんどん悪くなった」 ⇒不安に共感 「以前に管を入れた時はとても辛かった」   ⇒つらくない方法の提示(細いチューブ、鎮静薬使用、途中でやめてもよい)  「管が入ったらこのままずっと抜けないのではないか」   ⇒間歇的方法、薬物などにより抜去できる可能性を希望として提示

★間欠的挿入を患者の認識にあわせて考える * NG を入れる=留置ではなく、症状の強い時、夜間だけなど間欠的な方法 *「いれてみたらそう苦しくもなかった」なら留置するか患者にきく

★ 嘔吐のパターンを ⇒速やかに対処できるように工夫するアセスメント  *はきそうな時間帯にガーグルベース、シート、訪室、薬物  E.g., 食後、 1 回たまって抜いた後 12 時間くらい、夕方・・・など

症例 6 Answer

Page 45: 緩和医療教育スライド 消化器症状

悪液質が進んでいるため嘔気があり、食欲がわかない消化管閉塞はない工夫する方法は?

症例 7嘔吐はないが、

「食欲がわかない・・・」

Page 46: 緩和医療教育スライド 消化器症状

★食事の内容の工夫をする *口当たりの良いもの( かき氷など)フルーツ シャーベット  *盛り付け(少なく)、ラッピング(臭い混じらないように)の工夫 *栄養科へ相談  *家族に好みのものを差し入れしてもらうようにする

★食事の時間を工夫する *嘔気の少ない時間帯へ調整する

★食事の場所を工夫する *家族と一緒に食事ができるように

★食思不振の原因を評価。治療する  高カルシウム血症、脳転移、薬物、便秘・・・  悪液質⇒ 、 、ステロイド プロゲステロン EPA など

症例 7 Answer

Page 47: 緩和医療教育スライド 消化器症状

嘔気、嘔吐に対してプリンペランを投与している最初は効果があったが、最近、プリンペランを投与すると嘔気や腹痛が目立つ

症例 8プリンペランを投与すると、「痛くなる」「よけい吐く」

Page 48: 緩和医療教育スライド 消化器症状

★症状が悪化するのは本当か、再現性をもう一度確認する *カルテを見直す:プリンペランと症状増悪は一致しているか? *症状悪化時の腹部蠕動を聞く(亢進しすぎているか?)

★消化管閉塞がある場合、閉塞が悪化するとプリンペランで嘔気や疼痛が悪化する ⇒状態の再評価を主治医に依頼する ⇒レントゲン 腹部所見・ ⇒中枢性制吐剤、サンドスタチン、ステロイドなどへ変更を検討 *中枢性制吐剤は時に眠気がでることがあるので患者・家族と相談する

   (眠気が出るなら使いたくない患者 家族もいる)・

症例 8 Answer

Page 49: 緩和医療教育スライド 消化器症状

モルヒネを始めてから嘔吐が強まっているモルヒネのための嘔吐でいいのか?

症例 9モルヒネを飲むと、「吐く」

Page 50: 緩和医療教育スライド 消化器症状

★症状が悪化するのは本当か、再現性をもう一度確認する *カルテを見直す:モルヒネ内服と症状増悪は一致しているか? *他の原因は?    高カルシウム血症、便秘、脳転移・・・・★ 複数の原因のため治療対応が一つに絞り込めないこともある

★嘔気・嘔吐の原因として便秘を忘れない。おなかを見る *全身衰弱による活動低下時は特に便秘になりやすい *一見、下痢があっても、溢流性下痢もある

症例 9 Answer

Page 51: 緩和医療教育スライド 消化器症状

NGチューブ挿入中であるが少しずつ嘔吐する夜間口角から吐物が垂れるNG を適宜サクションするものの少量しか引けてこない薬剤を嘔吐に対して使用するが効果が乏しい

症例 10胃管挿入中だが

嘔吐がみられ 夜も口角から流れ出る、

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★NGチューブを挿入していても嘔吐することがある *胃内容が小さい *吐物が粘稠 出血でつまる・ *腫瘍からの刺激 *咽頭の刺激 *臭気

★側臥位、ベットアップをし、誤嚥を防ぐ★口腔 を忘れないケア

★前駆症状がないか観察し、嘔吐する前にサクション・投薬する  E.g., しゃっくり、時間間隔

★消化液を減少させる薬物(サンドスタチン、ステロイド、輸液減量)

症例 10 Answer