53
Ⅰ.我が国及び諸外国における電力系統について 1

Ⅰ.我が国及び諸外国における電力系統について 7,049 58 95 7,202 2.2% MAIN 6,102 400 416 6,918 13.4% MAPP 15,107 458 80 15,645 3.6% NPCC 6,456 228 5 6,689 3.6%

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Ⅰ.我が国及び諸外国における電力系統について

1

我が国の主要電力系統の現状我が国の主要電力系統の現状

(出所)電気事業連合会

● 2つの周波数(50Hz/60Hz)で

 系統が分かれている。

● 2つの周波数(50Hz/60Hz)で

 系統が分かれている。

2

北海道

中 部

2750万kW

関 西

3306万kW

北 陸

551万kW

九 州

1706万kW

四 国

593万kW

中 国

1200万kW

南福光

●会社内の数値は、平成13年度末までの 大電力実績値 [1日 大(発電端)]

北本直流幹線

相馬双葉幹線

新信濃FC

佐久間FC

越前嶺南線

三重東近江線

阿南紀北直流幹線

西播東岡山線、山崎智頭線

関門連系線

本四連系線

FC:周波数変換設備

↓0万kW

↑183万KW

↓516万KW

↑0万kW

→0万KW

↓30万KW

↑0万KW

→150万KW

←27万KW

→46万KW

←79万KW

←0万KW

→255万KW

→140万KW

↓47万KW

↑138万KW

→218万KW

←9万KW

←0万KW

←0万KW

(送電容量60万kW)

(送電容量600万KW)

(送電容量90万KW)

(送電容量30万KW)

(送電容量557万KW)

(送電容量 557万KW)

(送電容量1666万KW)

(送電容量240万KW)

(送電容量140万KW)

(送電容量557万KW)

会社間連系線の整備状況及び想定潮流図(平成14年度)

会社間連系線の整備状況及び想定潮流図(平成14年度)

※資料の中における送電容量の数値は、会社間連系設備としての設計上の送電能力を表したものである。実際の系統運用における送電可能量は、設備故障を考慮した通過電流制約、安定度制約等により決定される。

約 2,000km

冬季:530万kW

夏期:482万kW

東 北

1470万kW

東 京

6430万kW

3

北海道

中 部

2750万kW

関 西

3306万kW

北 陸

551万kW

九 州

1706万kW

四 国

593万kW

中 国

1200万kW

南福光

●会社内の数値は、平成13年度末までの 大電力実績値 [1日 大(発電端)]

北本直流幹線

相馬双葉幹線

新信濃FC

佐久間FC

越前嶺南線

三重東近江線

阿南紀北直流幹線

西播東岡山線、山崎智頭線

関門連系線

本四連系線

FC:周波数変換設備

↓0万kW

↑174万KW

↓448万KW

↑0万kW

→30万KW

↓30万KW

↑0万KW

→119万KW

←27万KW

→41万KW

←109万KW

←0万KW

→127万KW

→140万KW

↓47万KW↑108万KW

→168万KW

←9万KW

←30万KW

←0万KW

(送電容量60万kW)

(送電容量600万KW)

(送電容量120万KW)

(送電容量30万KW)

(送電容量557万KW)

(送電容量 557万KW)

(送電容量1666万KW)

(送電容量240万KW)

(送電容量140万KW)

(送電容量557万KW)

※資料の中における送電容量の数値は、会社間連系設備としての設計上の送電能力を表したものである。実際の系統運用における送電可能量は、設備故障を考慮した通過電流制約、安定度制約等により決定される。

約 2,000km

冬季:530万kW

夏期:482万kW

東 北

1470万kW

東 京

6430万kW

東清水FC

会社間連系線の整備状況及び想定潮流図(平成18年度)

会社間連系線の整備状況及び想定潮流図(平成18年度)

4

平成23年頃における連系系統概要平成23年頃における連系系統概要平成23年頃における連系系統概要平成23年頃における連系系統概要

(出所)平成14年度供給計画

●地域間連系線の整備は概ね進んできているところ。

  中部電力㈱と北陸電力㈱間の南福光連系設備(直流連系、平成11年3月運開)

  関西電力㈱と四国電力㈱間の阿南紀北直流幹線(直流連系、平成12年6月運開)

  関西電力㈱と中国電力㈱間の山崎智頭線(交流2点目の連系、平成13年6月運開)

●現在新設計画されている地域間連系線は、東清水周波数変換設備

 (30万kW、平成15年度運開予定)のみ。

●地域間連系線の整備は概ね進んできているところ。

  中部電力㈱と北陸電力㈱間の南福光連系設備(直流連系、平成11年3月運開)

  関西電力㈱と四国電力㈱間の阿南紀北直流幹線(直流連系、平成12年6月運開)

  関西電力㈱と中国電力㈱間の山崎智頭線(交流2点目の連系、平成13年6月運開)

●現在新設計画されている地域間連系線は、東清水周波数変換設備

 (30万kW、平成15年度運開予定)のみ。

我が国の送電線整備状況我が国の送電線整備状況

5

米国の送電網(1)米国の送電網(1)

PJM ISO

(出所)PJM ISO

諸外国の送電網の形状の比較諸外国の送電網の形状の比較

6

米国の送電網(2)米国の送電網(2)

(出所)カリフォルニアエネルギー委員会

カリフォルニア州

ニューヨーク州

(出所)ニューヨークISO

7

欧州各国の送電網:国別の状況欧州各国の送電網:国別の状況

(出所)Swedish National Energy Administration, "Electricity market    2000"

北欧

(出所)National Grid,”7years Statement”

イングランド・ウェールズ フランス

(出所)RTE

ドイツ

(出所)DVG

8

10万kW

61万kW170万kW

130万kW

58万kW

37万kW

46万kW55万kW

55万kW

165万kW

**

22万kW

300万kW

120万kW

310万kW

200万kW285万kW

220万kW310万kW

170万kW

72.5万kW

**

220万kW110万kW

ドイツ

大電力6,997万kW

フランス

大電力7,190万kW

225万kW

スペイン大電力

3,125万kW

100万kW

イタリア大電力

4,794万kW

ポルトガル

85万kW

イギリス大電力

5,785万kW 200万kW

200万kW

オランダ

ベルギー

ルクセンブルク

ルクセンブルク

170万kW 280万kW

135万kW

スイス

**

**

46万kW

495万kW

デンマーク西

80万kW

オーストリア

**

**:事実上の制限なし

デンマーク東

スウェーデン大電力

2,580万kW

ノルウェー240万kW

フィンランド

100万kW

240万kW

95万kW

7万kW

165万kW

205万kW

115万kW

欧州各国の送電網:連系線の状況欧州各国の送電網:連系線の状況

●欧州では、地域的に隣接し、各国の電源構成が異なり、連系の

 利が大きいこともあり、周辺諸国と連系している場合が多い。

●特にドイツ、スイス等は欧州電力網における中継国となっている。

●欧州では、地域的に隣接し、各国の電源構成が異なり、連系の

 利が大きいこともあり、周辺諸国と連系している場合が多い。

●特にドイツ、スイス等は欧州電力網における中継国となっている。

(注1) ETSO(欧州系統運用者協会)では、年2回(夏期、冬期)国際連系線の送電可能容量を公開して    いる。(注2)東欧・ロシア、北アフリカ地域との連系容量は記載していない。(出所)ETSO、"Indicative values for Net Transfer Capacities ( NTC ) in Europe Winter 2001 - 2002,     working day, peak hours"、2001年10月

2000年年年年/2001年冬期送電可能容量年冬期送電可能容量年冬期送電可能容量年冬期送電可能容量

9

●米国の送電線建設見通しは2010年までに2001年比6.1%増で

 あり、需要の伸び(同18.7%)に比して小さい。投資促進メカニズ

 ムの構築が求められている。

●米国の送電線建設見通しは2010年までに2001年比6.1%増で

 あり、需要の伸び(同18.7%)に比して小さい。投資促進メカニズ

 ムの構築が求められている。

(注)MAPP、NPCCはカナダ分を除いており、WSCCはカナダ分、メキシコ分を除いている。(出所)NERC, “Reliability Assessment 2001-2010”, 2001年10月

米国における送電線建設見通し(米国における送電線建設見通し(米国における送電線建設見通し(米国における送電線建設見通し(230kV以上、マイル)以上、マイル)以上、マイル)以上、マイル)

北米各地域信頼度協議会北米各地域信頼度協議会北米各地域信頼度協議会北米各地域信頼度協議会

(出所)NERC

2001年 05/01追加 10/06追加 2010年 10/01増加率

ECAR 16,137 213 43 16,393 1.6%FRCC 6,669 390 228 7,287 9.3%MAAC 7,049 58 95 7,202 2.2%MAIN 6,102 400 416 6,918 13.4%MAPP 15,107 458 80 15,645 3.6%NPCC 6,456 228 5 6,689 3.6%SERC 28,453 1,581 1,.104 31,138 9.4%SPP 6,941 428 367 7,736 11.5%

東部系統計東部系統計東部系統計東部系統計 92,914 3756 1,234 99,008 6.6%西部系統(西部系統(西部系統(西部系統(WSCC)))) 56,865 2,296 475 59,636 4.9%ERCOT(テキサス系統)(テキサス系統)(テキサス系統)(テキサス系統) 7,175 588 91 7,854 9.5%

全米計全米計全米計全米計 156,954 6,640 2,904 166,498 6.1%

諸外国の送電線整備状況諸外国の送電線整備状況

米  国米  国

10

●EUでもフランス=ベネルクス=ドイツ間、イタリア国際連系箇所

 等で国際連系線の混雑が発生しており、その解消のため複数の

 プロジェクトが検討されている。

●なお、国際連系線の建設費用の当初負担については、各国間

 で明確な規則はなく、個別ケース毎に交渉が行われている模様。

●EUでもフランス=ベネルクス=ドイツ間、イタリア国際連系箇所

 等で国際連系線の混雑が発生しており、その解消のため複数の

 プロジェクトが検討されている。

●なお、国際連系線の建設費用の当初負担については、各国間

 で明確な規則はなく、個別ケース毎に交渉が行われている模様。

<優先度の高い連系線プロジェクト><優先度の高い連系線プロジェクト><優先度の高い連系線プロジェクト><優先度の高い連系線プロジェクト>①:フランス=ベネルクス=ドイツ(ネットワーク増強)②:イタリア国際連系(連系容量増)③:フランス=スペイン=ポルトガル(連系容量増)④:ギリシャ主要地域への連系⑤:英国=北欧(連系容量増)⑥:英国=アイルランド(連系容量増)⑦:デンマーク=ドイツ(連系容量増)

③ ②

②②

⑦⑥

⑥⑤

⑤ <混雑発生地域><混雑発生地域><混雑発生地域><混雑発生地域>・フランス=スペイン間・イタリア国際連系線・ベルギー=オランダ間・デンマーク=ドイツ間・アイルランド=英国間・英国国際連系線・ギリシャ国際連系線

(出所)EU委員会、"Infrastructure: the Energy Dimension"、2001年12月

第七回分科会資料より第七回分科会資料より第七回分科会資料より第七回分科会資料より

欧  州欧  州

11

Ⅱ.諸外国における送電部門の中立性確保策

12

諸外国の電気事業改革前後の電気事業体制諸外国の電気事業改革前後の電気事業体制

会計分離、運用分離

会計分離、運用分離

送電部門の組織分離

オーダー888で機能分離

オーダー2000でその強化

自由化法による規定

送電部門は会計分離・運用分離

送電部門は会計分離・運用分離、一部は分社化

送電部門を分割民営化

RTO(地域送電機関)設立の推進

自由化後の送電部門の組織形態

国営発送電会社民間発送電会社の寡占

国営発送電会社による独占

私営電気事業者、公営電気事業者、協同組合など様々な事業形態。

自由化前の組織形態

フランスドイツイギリス米国

送電部門の組織分離

送電部門の組織分離

送電部門の組織分離

送電部門の組織分離

自由化法による規定

送電部門を分割(西部、東部)*

送電子会社の合併

送電部門を分割送電部門を分割自由化後の組織形態

民営発送電会社(西部、東部)

国営発送電会社と民営電力会社

国営発送電会社国営発送電会社自由化前の組織形態

デンマークフィンランドスウェーデンノルウェー

*デンマーク東部は、系統運用を行うElkraft Systemと送電設備を所有するElkraft Transmissionに 分けられている。

*米国では1996年末で3,195の事業者、130を越える送電制御地域があった。

13

諸外国における送電部門の中立性確保策諸外国における送電部門の中立性確保策

公的機関介入方式会計分離、経営分離RTE(フランス)

意思決定への外部者関与なし

会計分離、経営分離

(6大電力のうち3社が分社化)

ドイツ

出資制限方式独立送電会社National Grid(イギリス)

公的機関介入方式独立送電会社Eltra(デンマーク)

公的機関介入方式独立系統運用機関Elkraft System(デンマーク)

公的機関介入方式独立送電会社Fingrid(フィンランド)

公的機関介入方式独立送電会社Svenska Kraftnät(スウェーデン)

公的機関介入方式独立送電会社Statnett(ノルウェー)

構成員分散方式独立系統運用機関ERCOT ISO(米国)

公的機関介入方式独立系統運用機関カリフォルニアISO(米国)

構成員分散方式独立系統運用機関PJM ISO(米国)

意思決定機関のメンバー構成方法

形態

●構成員分散方式:系統運用機関に出資している利害関係者の権利が集中化しないよう、

 理事会等の構成面で分散し、中立化を図る方式

●公的機関介入:系統運用機関の意思決定機関に公的機関からメンバーとして派遣もしく

 は任命することができる。

*RTO(地域送電機関):広域的な系統運用を行う送電機関。オーダー2000で要件が定

 められている。市場参加者からの独立性、信頼度維持の責任、送電線建設の責任等を

 満たす必要あり。

●米国ではFERCの命令(オーダー888・889、オーダー2000)、欧州ではEU電力

 指令により、送電線保有者にアンバンドリングの義務が課されている。

●米国ではRTOの形成により、市場参加者からの独立性が担保される予定である。

●欧州ではEU指令上の義務では会計分離・経営分離となっているが、フランスでは

 送電部門を独立の部門として物理的に隔離しており、ドイツでは大手電力会社が

 主体的に送電部門の分社化を実施している。その他の国々では送電会社の形態

 が一般的である。

●米国ではFERCの命令(オーダー888・889、オーダー2000)、欧州ではEU電力

 指令により、送電線保有者にアンバンドリングの義務が課されている。

●米国ではRTOの形成により、市場参加者からの独立性が担保される予定である。

●欧州ではEU指令上の義務では会計分離・経営分離となっているが、フランスでは

 送電部門を独立の部門として物理的に隔離しており、ドイツでは大手電力会社が

 主体的に送電部門の分社化を実施している。その他の国々では送電会社の形態

 が一般的である。

第三回分科会資料より第三回分科会資料より第三回分科会資料より第三回分科会資料より

14

●連邦エネルギー委員会(FERC)のオーダー888・889、及びオーダー2000により

 系統運用部門の他部門からのアンバンドリングが義務付けられた。

●オーダー888・889(1996年)では、オープンアクセス送電料金表によって自社と

 他社を区別せず、非差別的に送電線を利用することができるようにすること等が

 要求され、オーダー2000(1999年)では、より進んで全ての市場参加者から独立

 したRTO(地域送電機関)の設立が要求されている。

●2000年10月に新規RTO申請が行われたが、2001年7月FERCは広域的なRTO 形成を目指し、4大RTO形成命令(北東部、南東部、中西部、西部)を出し、議論

 が行われている。

●RTOの形成により、広域的な系統運営・送電計画の実施、地域を跨る託送におけ

 る託送料金の累積・加算問題(パンケーキ問題)の減少などが期待されている。

●連邦エネルギー委員会(FERC)のオーダー888・889、及びオーダー2000により

 系統運用部門の他部門からのアンバンドリングが義務付けられた。

●オーダー888・889(1996年)では、オープンアクセス送電料金表によって自社と

 他社を区別せず、非差別的に送電線を利用することができるようにすること等が

 要求され、オーダー2000(1999年)では、より進んで全ての市場参加者から独立

 したRTO(地域送電機関)の設立が要求されている。

●2000年10月に新規RTO申請が行われたが、2001年7月FERCは広域的なRTO 形成を目指し、4大RTO形成命令(北東部、南東部、中西部、西部)を出し、議論

 が行われている。

●RTOの形成により、広域的な系統運営・送電計画の実施、地域を跨る託送におけ

 る託送料金の累積・加算問題(パンケーキ問題)の減少などが期待されている。

◎RTOとして求められる特性・機能は以下のとおり

•RTOの特性

–①独立性の確保、②地域的規模の確保、③運用制御の権限、④短期的な系統信頼度の確保

•RTOの機能

–①送電料金表の管理と送電料金の設定、②市場メカニズムを利用した送電線混雑の管理、

 ③ループフロー問題の解決、④補助的サービスの提供、⑤OASISの管理、⑥市場の監視、

 ⑦送電系統拡張計画の責任、⑧他地域との協調

→ RTOは、地域送電機関として、独立性を確保しつつ、系統運用を実施し、送電料金の設定等を  行うもの。

◎RTOとして求められる特性・機能は以下のとおり

•RTOの特性

–①独立性の確保、②地域的規模の確保、③運用制御の権限、④短期的な系統信頼度の確保

•RTOの機能

–①送電料金表の管理と送電料金の設定、②市場メカニズムを利用した送電線混雑の管理、

 ③ループフロー問題の解決、④補助的サービスの提供、⑤OASISの管理、⑥市場の監視、

 ⑦送電系統拡張計画の責任、⑧他地域との協調

→ RTOは、地域送電機関として、独立性を確保しつつ、系統運用を実施し、送電料金の設定等を  行うもの。

2001年年年年12月時点月時点月時点月時点将来の将来の将来の将来のRTO構想構想構想構想

送電部門の中立性確保策:米国RTO形成に向けた動き

送電部門の中立性確保策:米国RTO形成に向けた動き

15

�大規模RTOとしては、FERCから初の認可を得て、2002年2月に送電サービスを

 開始。

� 終的には隣接するAlliance RTO、SPP、TRANSLinkと統合案が提案されている。

�多数の系統制御地域があり、各々でMISOの一部が系統運用を実施しながら統一

 的な電力市場を形成することを目標としている。

�市場設計の概要(段階的に実現)

○入札ベース給電指令(系統制約)

○インバランス調整及び混雑管理のためのLMP(地点別限界価格)

○金融的送電権

○リアルタイム市場、一日前市場

○複数系統エリアからなるMidwest大の電力市場

☆制度としては連邦エネルギー規制委員会の提唱するSMD(標準市場設計)に

 近い設計を目指している。

�大規模RTOとしては、FERCから初の認可を得て、2002年2月に送電サービスを

 開始。

� 終的には隣接するAlliance RTO、SPP、TRANSLinkと統合案が提案されている。

�多数の系統制御地域があり、各々でMISOの一部が系統運用を実施しながら統一

 的な電力市場を形成することを目標としている。

�市場設計の概要(段階的に実現)

○入札ベース給電指令(系統制約)

○インバランス調整及び混雑管理のためのLMP(地点別限界価格)

○金融的送電権

○リアルタイム市場、一日前市場

○複数系統エリアからなるMidwest大の電力市場

☆制度としては連邦エネルギー規制委員会の提唱するSMD(標準市場設計)に

 近い設計を目指している。

終的には、Midwest ISO、SPP、Alliance RTO、TRANSLinkが統合化し、単一のRTOとなる予定。(全地域合計で2億kWを超える規 模となる。)

終的には、Midwest ISO、SPP、Alliance RTO、TRANSLinkが統合化し、単一のRTOとなる予定。(全地域合計で2億kWを超える規 模となる。)

<現状>●参加事業者数:送電線保有者20、条件付メンバー4、独立送電会社2、カナダ電力会社1、 非送電線保有者42●市場規模: 大電力8,100万kW、800万件以上の顧客、15州及びカナダ1州<将来>●SPP、Alliance RTO等の参加により、発電設備容量で2億kW以上、顧客数3千万件を超える 巨大なRTOとなる予定

<現状>●参加事業者数:送電線保有者20、条件付メンバー4、独立送電会社2、カナダ電力会社1、 非送電線保有者42●市場規模: 大電力8,100万kW、800万件以上の顧客、15州及びカナダ1州<将来>●SPP、Alliance RTO等の参加により、発電設備容量で2億kW以上、顧客数3千万件を超える 巨大なRTOとなる予定

(注)Midwest ISOとSPPの合併は、2002年第二四半期末までに行われる予定。

送電部門の中立性確保策:Midwest ISOの概要①

送電部門の中立性確保策:Midwest ISOの概要①

16

(出所)By Roberto F. Paliza, “The Midwest ISO Market Design”, Federal Energy Regulatory Commission Electricity Market Design and Structure Conference, January 22-23, 2002

                   <Midwest ISOの現行の機能>●系統監視:統合中央給電システムにより、送電システムの監視と管理を行っている。●長期系統設備計画の策定:ISOが送電線建設計画策定の責任を負う。費用、環境要因、 信頼性確保の観点から広域的な送電計画の策定を行う。計画の策定は、利害関係者の 合意に基づき行われ、送電線保有者は計画に基づき送電線敷設の責任を課せられている。 ●スケジューリング:託送の申し込みに伴うルート調整等●送電料金表の管理:各社の送電料金表の管理とFERCとの調整 ●市場監視:市場支配力の監視等

送電部門の中立性確保策:Midwest ISOの概要②

送電部門の中立性確保策:Midwest ISOの概要②

17

PJM

PJM West

Midwest ISO

Southwest Power Pool

TRANSLink

(注)表掲の数値には、TRANSLinkはMidwestに含ま  れ、またPJM WestはPJM ISOに含まれる。(出所)http://www.miso-pjm-spp.com/

�Midwest ISO、PJM ISO 及びSPPは、卸電力単一市場形成に向けた協議を開始。

(2002年1月)

� 終的には“one-stop shop”が可能な市場形成を目指す。

○PJMが使用するLMP(Locational Marginal Pricing:地点別限界価格)方式を

 採用。

○米国26州、ワシントンDC、カナダマニトバ州を跨ぐ北米 大の電力市場となる。

○ 大電力1億8,435万kW、発電設備容量2億351万kWと日本全国に匹敵する

 単一卸電力市場。 ○2005年末までに取引システムを統合し、共通のインターフェイスを備えた単一

 電力市場を形成する。

�Midwest ISO、PJM ISO 及びSPPは、卸電力単一市場形成に向けた協議を開始。

(2002年1月)

� 終的には“one-stop shop”が可能な市場形成を目指す。

○PJMが使用するLMP(Locational Marginal Pricing:地点別限界価格)方式を

 採用。

○米国26州、ワシントンDC、カナダマニトバ州を跨ぐ北米 大の電力市場となる。

○ 大電力1億8,435万kW、発電設備容量2億351万kWと日本全国に匹敵する

 単一卸電力市場。 ○2005年末までに取引システムを統合し、共通のインターフェイスを備えた単一

 電力市場を形成する。

52

 送電線保有者20 条件付メンバー4 独立送電会社2 カナダ電力会社1 非送電線保有者42

200

参加事業者数

4,180万kW3,860万kWSPP

9,007万kW8,331万kWMidwestISO

7,164万kW6,245万kWPJM ISO

発電設備容量大電力

                      <共通化項目>                      <共通化項目>                      <共通化項目>                      <共通化項目>①一日前市場、②リアルタイム市場、③決済システム、④契約スケジューリング、⑤地域送電モデル、⑥送電サービス、⑦金融的送電権市場、⑧市場監視

                      <共通化項目>                      <共通化項目>                      <共通化項目>                      <共通化項目>①一日前市場、②リアルタイム市場、③決済システム、④契約スケジューリング、⑤地域送電モデル、⑥送電サービス、⑦金融的送電権市場、⑧市場監視

送電部門の中立性確保策:Midwest-PJM-SPP共通市場の形成

送電部門の中立性確保策:Midwest-PJM-SPP共通市場の形成

18

●フランスでは、国営企業による発送電一貫体制を維持した上での自由化を選択した

 ものの、EDFの送電部門であるRTEの実質的な独立性は高い。RTEはEDFの一部

 門であるが、RTE責任者の任命権の制限、会計分離、情報遮断等が法的に行われ

 ている。

●フランスでは、国営企業による発送電一貫体制を維持した上での自由化を選択した

 ものの、EDFの送電部門であるRTEの実質的な独立性は高い。RTEはEDFの一部

 門であるが、RTE責任者の任命権の制限、会計分離、情報遮断等が法的に行われ

 ている。

●系統運用規則は、RTEが利害関係者によるワーキング・グループを設置して策 定している。CREは特に関与しておらず、業界の自主協定の扱いになっている。 但し、RTEと託送サービス利用者の間で紛争が発生した場合には、CREが紛争

 処理にあたることになっている。

法的にはEDFの一部門であるが、②責任者任命権の制限が課せられている。

④RTEの職員は情報の秘匿義務が課せられており、 違反の場合には刑法により15,000ユーロの罰金が

 課せられる。これに加え,職業上の処罰もある。営 業上取扱注意義務のある情報が対象。⑤EDFとRTEの人事交流の制限については、国務

 院省令で詳細が決まる予定。現在は良識に任され ており、CREが監視している状態。

③RTE責任者の EDF理事会出席禁止、

④情報遮断、⑤人事交流の禁止

①会計分離の監視

①会計分離の監視

①CREが定めた会計分離規則に従い、RTE、 EDFがそれぞれ損益計算書・貸借対照表を 作成する。CREは、会計分離規則に違反した と認定した場合には、年間売上高の5%を罰

 金として課すことが出来る。 EDFとRTEの内部取引については、新たに協

 定を締結し明示化している。②EDFは、RTE責任者の任命はできない。 EDFは3名の候補者を選定し、CREが審査

 した後、エネルギー担当大臣が任命を行う。③RTE責任者のEDF理事会出席は禁止され

 ている。

*RTE(gestionnaire du Réseau de Transport d’Electricité):送電系統管理部門  CRE(Commission de régulation de l‘électricité):電力規制委員会

CRE((((電力規制委員会)電力規制委員会)電力規制委員会)電力規制委員会)

RTE((((送電系統管理部門)送電系統管理部門)送電系統管理部門)送電系統管理部門)

EDF((((フランス電力公社)フランス電力公社)フランス電力公社)フランス電力公社)

送電部門の中立性確保策:フランスにおける送電部門中立化策

送電部門の中立性確保策:フランスにおける送電部門中立化策

19

1998年5月託送料金協定(VVⅠ)

2000年2月系統使用協定(VVⅡ)

2001年12月系統使用協定(VVⅡ+)

1998年4月エネルギー事業法(電力自由化法)

系統運用者システム使用者

BDI、VIK産業需要家、トレーダー

VDN系統運用者

VZBV小規模需要家

発電事業者、供給事業者

配電事業者

ARE、VKU

VDEW(電気事業者

連合会)に所属

協定合意書VVⅡ+

�系統運用者協会(VDN)によって、送電系統運用規則(Grid Code)、配電系統運用規則(Distribution Code)が作成され、系統アクセス手続き、系統計画・運用規則、

消費者要件が規定されている。�計量器関係では、メーターリング規則(Metering Code)が作成され、計量費用、デ

ータ処理に関する事項を扱っている。

●ドイツでは、1998年エネルギー事業法により小売全面自由化した。送配電部門は、

 会計分離、機能分離(送電部門をその他部門から分離して運用)の義務が課させら

 れ、託送方法は「交渉による第三者アクセス」を選択した。

●「交渉による第三者アクセス」方式を選択したことで、利害関係者間で協議を行い、

 託送規則、系統運用規則の作成、公表を行っている。独立規制機関を設置せず、自

 主的な調整プロセスで運用規則を決めているので、「自己規制方式」

 (Self-Regulating)と呼ばれている。

●これまで系統アクセスに関る規則は、1998年VVⅠ、2000年VVⅡ、2001年VVⅡ+ と順次改定され、利用者のニーズに適合させているとしている。

●ドイツでは、1998年エネルギー事業法により小売全面自由化した。送配電部門は、

 会計分離、機能分離(送電部門をその他部門から分離して運用)の義務が課させら

 れ、託送方法は「交渉による第三者アクセス」を選択した。

●「交渉による第三者アクセス」方式を選択したことで、利害関係者間で協議を行い、

 託送規則、系統運用規則の作成、公表を行っている。独立規制機関を設置せず、自

 主的な調整プロセスで運用規則を決めているので、「自己規制方式」

 (Self-Regulating)と呼ばれている。

●これまで系統アクセスに関る規則は、1998年VVⅠ、2000年VVⅡ、2001年VVⅡ+ と順次改定され、利用者のニーズに適合させているとしている。

(注)交渉による第三者アクセス:当事者間の交渉で託送料金を決定する方式。電力会社は目安と  なる託送料金水準を公表することになっている。

送電部門の中立性確保策:ドイツにおける送電部門中立化策

送電部門の中立性確保策:ドイツにおける送電部門中立化策

20

米国におけるRTOに対する独立性に関する規則及び情報遮断方法

米国におけるRTOに対する独立性に関する規則及び情報遮断方法

3.  米国では、FERCのオーダー888において、送電部門の従事する従業員は、卸電力の購入・販売に従事する従業員に対し、OASISに掲載しない送電線情報(送電線利用者との交渉の過程で得た情報などを含む)を提供してはならない、また、行動規則に反する方法で情報をOASISに掲載してはならない旨の規定がある。

1. RTOの独立性に関しては、18CFRにおいてRTOは、いかなる市場参加者からも独立していなければならない旨規定しており、独立性の実証として以下を要求している。

① RTOの従業員及び非役員管理職は、いかなる市場参加者とも金銭的関係を持ってはいけない。

② RTOは、いかなる市場参加者若しくはそのグループによる支配からも独立した意志決定プロセスを有していなければならない。

③ RTOは、その運用する設備を用いた送電サービスを提供するための料金、期間、条件を提案するに当たって、排他的かつ独立した権限を有していなければならない。

④ 監査について

1) 市場参加者が所有者としての利害を有するRTOは、RTOの意志決定プロセスの独立性に係る遵守状況の監査を、RTO承認後2年後及びその後3年毎に受けなければならない。ただし、FERCの監査が行われる場合はその限りではない。

2) 市場参加者が所有者としての利害を有しないRTOは、遵守状況の監査をRTO承認後2年後に行われなければならない。

2. RTOのガバニングに関する要件

① FERCは、RTOの運営理事会については、特に定型化せず、その意志決定の市場参加者からの独立性を基準にケース・バイ・ケースで判断。

(例)・利益代表者により構成される理事会   ・特定の利益団体の代表者とその他の代表者により構成される理事会   ・上部組織としての独立理事会と、下部組織としての利益代表者による理事会

を設置する2層構造の理事会② FERCは、所有権については、議決権のない受動的な所有権と、議決権のある能動的な所有権に分けて整理している。1) 議決権のない受動的な所有権については、RTOの意志決定に影響を与えず、RTOの運営の公平性が確保されていると判断した場合に、RTOと資本関係のない独立検査機関の検査を要求して承認。

2) 議決権のある能動的な所有権については、承認後5年間は許容。ただし、原則として5%以下としている。5%を超える場合や移行期間の延長申請でも、ケース・バイ・ケースで判断する意向。また、RTOと資本関係のない独立検査機関の検査は同様に要求。また、市場参加者フグループとしての能動的所有権は、全体で15%まで。

21

EU指令及びフランスにおける独立性に関する規則及び情報遮断

EU指令及びフランスにおける独立性に関する規則及び情報遮断

1) 1996年12月19日のEU指令9条に基づき、各送電系統運用者は、商業的に機微な情報の秘密を確保する必要があるため、フランスにおいては、2000年2月10日法第16条によって、「公共送電系統運用者は、経済的、商業的、産業的、金融的又は技術的な情報の秘密を確保することが必要である。自由で公正な競争に基づく原則と、非差別の原則に反する情報の伝達は、法律でこれを禁ずる。」とされている。また、違反した場合には、100,000フラン(175万円(1フラン=17.5円))以上の罰金とされている。

2) 2001年7月16日の政令により、機微な情報の特性が規定されている。公共送配電系統への接続契約の内容のみならず、その準備及び適用に関する意見交換書類、供給契約、送電費用、電気の特性、供給及び消費、接続契約並びに供給契約の期間、技術的又は金銭的情報、違反の状況に関連する情報は機微な情報とされている。他の公共送電系統運用者とのミッションを達成するための情報交換や、規制機関、税務当局等への情報開示は認められている。

*RTEは、情報遮断のため、EDFとは事務所を独立して設置している。

1. エッセンシャル・ファシリティーである系統を所有する垂直統合型の電気事業者に対してアンバンドリングを義務付け。

①送電系統運用者の経営分離 送電系統運用部門は、垂直統合型電力会社の利害から独立して業務を遂行しなけれ ばならない。②送電部門及び配電部門と他の部門との間の会計分離③送電系統運用者の情報遮断 送電系統運用者が社内の他の部門に競合事業者のコンフィデンシャルな情報を漏洩 しないこと。

第9条第9条第9条第9条     送電系統運用者は、当該事業から得られた商業的に機微な情報の秘密保持を図らなけれ送電系統運用者は、当該事業から得られた商業的に機微な情報の秘密保持を図らなけれ送電系統運用者は、当該事業から得られた商業的に機微な情報の秘密保持を図らなけれ送電系統運用者は、当該事業から得られた商業的に機微な情報の秘密保持を図らなければならない。ばならない。ばならない。ばならない。

<具体的なEU指令の規定>

2. フランスにおける情報遮断方法

22

Ⅲ.中立機関のガバナンス

23

現行制度における中立・公平・透明化措置の概要現行制度における中立・公平・透明化措置の概要

小売部分自由化前 小売部分自由化後(新制度小売部分自由化後(新制度小売部分自由化後(新制度小売部分自由化後(新制度))))

【平成12年3月21日より実施】【平成12年3月21日より実施】【平成12年3月21日より実施】【平成12年3月21日より実施】

電力会社 電力会社

デパート、大病院、大規模オフィスビルなど

大工場など

新規参入者

料金規制 料金規制 自由料金(競争)

発電所

送電線

発電所 発電所

電力会社の電力会社の電力会社の電力会社の

送電線送電線送電線送電線

(区域外の電力会社も含む)

デパート、大病院、大規模オフィスビルなど

大工場など家庭 中小工場

など事務所ビル・商店街など

家庭 中小工場など

事務所ビル・商店街など

通産省・公正取引委員会連名の「適正な電力「適正な電力「適正な電力「適正な電力取引についての指針」取引についての指針」取引についての指針」取引についての指針」

電力会社が、託送約款託送約款託送約款託送約款を経済省に届出

大口の需要家(全体の約3割約3割約3割約3割)

大口の需要家(全体の約3割約3割約3割約3割)

料金引き下げ時の届出制導入

選択メニューの設定の柔軟化

<小売部分自由化前>

●同一主体(一般電気事業者)内の各部門間の調整を通じ、発送配電設備の一体的な形成・運用を確保。

●供給区域間の取引は補完的な位置付け。

●中央電力協議会が、各供給区域間の送電連系の促進といった広域運用の促進や取引ルールの制定等を実施。

<小売部分自由化後>

●各社送配電部門が調整を行う発電・販売部門が多数の事業者から構成されるように変化。異なる事業者間の調整が必要に。

●PPSと一般電気事業者を律する公平で透明なルールの設定。

-適正な電力取引についての指針の整備、給電指令マニュアル等の策定・公表、接続供給約款の届出制、接続供給料金算定ルールの制定。

<小売部分自由化前>

●同一主体(一般電気事業者)内の各部門間の調整を通じ、発送配電設備の一体的な形成・運用を確保。

●供給区域間の取引は補完的な位置付け。

●中央電力協議会が、各供給区域間の送電連系の促進といった広域運用の促進や取引ルールの制定等を実施。

<小売部分自由化後>

●各社送配電部門が調整を行う発電・販売部門が多数の事業者から構成されるように変化。異なる事業者間の調整が必要に。

●PPSと一般電気事業者を律する公平で透明なルールの設定。

-適正な電力取引についての指針の整備、給電指令マニュアル等の策定・公表、接続供給約款の届出制、接続供給料金算定ルールの制定。

24

系統運用規則の中立性確保策系統運用規則の中立性確保策

独立規制委員会(CRE、電力規制委員会)による紛争処理

独禁当局(カルテル庁)による紛争処理

ガス・電力消費者会議(GECC) が苦情処理を行った後、独立規制委員会(GEMA)による紛争処理

・ISO、RTO内の紛争処理委員会で調停。

・独立規制委員会(FERC、連邦エネルギー規制委員会)による紛争処理。

紛争処理

利害関係者の自主協定(GridCode)

系統運用者協会の自主協定(Grid Code)

Grid Codeとして公開され、GEMAの認可が必要

ISO、RTOの系統運用規則(FERCの認可必要)

系統運用規則

フランスドイツイギリス米国

独禁当局(競争委員会)による紛争処理

独禁当局(競争庁)による紛争処理

独禁当局(競争庁)による紛争処理

監督官庁(NVE、水資源エネルギー庁)及び独禁当局(競争庁)による紛争処理

紛争処理

利害関係者の助言を得てTSOが作成

利害関係者の助言を得てTSOが作成

利害関係者の助言を得てTSOが作成

利害関係者の助言を得てTSOが作成

系統運用規則

デンマークフィンランドスウェーデンノルウェー

(注)イギリスのGEMA(ガス・電力市場委員会 )は、OFGEM(ガス・電力規制委員会)の上部組織。

25

中立機関のガバナンス:系統運用規則の中立性確保策①

中立機関のガバナンス:系統運用規則の中立性確保策①

•Grid Code(系統運用規則)• ERCOT Protocol(議定書)、SystemOperation Guide(系統運用ガイド)、ERCOT Operations Procedures(系統運用手続き)

• PJM Operating Agreement(運用協定)、PJM Manual(マニュアル)

系統運用規則の名称

• 理事会のメンバーについては、セクター毎にセグメント構成が割り当てられた理事は、法人会員による投票を通じて選ばれる。

• 会員は自らの活動領域に従って、3つの

セクター(発電部門、送配電部門、販売部門)のいずれかの正会員となることが出来る。3つのセクターの理事は法人会員のみから選任され、他の部門では準会員として投票権を持つことは出来ないが、理事としての被選挙権は持つ。

• 消費者部門の理事は、理事会の承認とPUCTの承認を得て理事が指名する。

• 独立委員7名は会員委員会の投票による選出を受ける。

• 会員は5つのセクター(発電設備保有者、

送電設備保有者、他供給者、配電事業者、 終需要家)のいずれかに属し、各セクター毎の多数決による投票を経てセクターの一票となる。承認票が過半数を占めた場合に、独立委員会の委員として承認される。

理事の選出方法

イングランド・ウェールズテキサス州米国北東部7州、ワシントンDC(ペンシルベニア州等)

• 発電事業者・小売事業者等の代表者から成るGrid CodeReview Panelが設置され、GridCodeをGEMAが認可する前に、

修正に対する要望書を提出することが出来る。

• Technical Advisory Committee(TAC)

を設置することで、理事会へ提案を行うことが出来る。TAC委員は、6つのセグメント(IPP、小売事業者、パワー・マーケター、IOU、公営電気事業者、協同組合営電気事業者)より各4名、消費者団体より5名の計29名で構成される。 低21票の肯定票により、決議を採択することが出来る。

• TACは、Protocolの改正、系統運用方

法、送電計画等、各種問題について委員会を設置し、理事会へ提案を行うことが出来る。但し、各委員会ともに提案を行うことが出来るのみ。

• 送電線保有者は送電設備所有者協定(Transmission Owner Agreement)、LSEは信頼度保証協定( Reliabil i tyAssurance Agreement)、送電線利用

者はオープンアクセス送電料金表(Open Access Transmission Tariff)に加入することになっているが、各々委員会が設置されており、PJMの監視を行う。

ま た 、 会 員 委 員 会 は 運 用 協 定(Operating Agreement)の 終処理者

となっている。

意思決定プロセスへの利害関係者の関与

• 送電ライセンスを通じた規制が行われており、ガバナンスについては通常の株式会社と同形態。

• 但し、1989年電気法に基づくアンバンドリングのため、NGC社

株式保有制限あり(ナショナルグリッドの会社規約に従い、1989年電気法に規定されるライ

センス保持者、プール加盟者、地域電力会社が加盟する企業グループは、NGCの議決投票権株式の1%以上の権利を保持

しない)。• なお、ライセンス内容の変更については、NGCの同意の下、GEMA(ガス電力市場局)が行い、同意が得られない場合には、競争委員会の裁定による。

• 理事会は21人のメンバーにより構成さ

れる。理事会のメンバーは、発電部門、送配電部門、販売部門より各5名・5票、消費者部門より4名・5票、及びCEO1名で構成されることが規定されている。また各セクターの内訳は事業者の種別(セグメント)で規定されている。

• 特に定めのある場合を除き、業務処理についての理事会の定足数は13名であ

る。また、理事会の決議とするためには、15名の肯定票が必要である。

• 8名で構成される。4名は経営レベルで

の役職経験者、財務・エンジニアリング・法規制の専門家であること、1名は送電建設計画関与経験者、1名は金融取引

の経験者であることが規定されている。• 過去5年間に関係会社に在籍したことが

なく、就任後も関係会社とビジネス関係を持たないことが要件。

理事会の構成

• 1989年電気法、同法に基づく送電ライセンス

• SB7(州法)、ERCOT Protocol• PJM Operating Agreement(運用協定)設立準拠法、協定等

• 独立送電会社• 独立系統運用者• 独立系統運用者系統運用者の形態

• National Grid Company• ERCOT ISO• PJM ISO系統運用者

26

中立機関のガバナンス:系統運用規則の中立性確保策②

中立機関のガバナンス:系統運用規則の中立性確保策②

• 系統運用規則(Grid Code)• 系統運用規則(Grid Code)• 内規で規定(Open Procedure(開放手続き)、 r e s t r i c t e dProcedure(制限手続き)、Negotiated Procedure(交渉手続き)、Direct Procurement(直接獲得方法)、がある模様)

系統運用規則の名称

• 系統運用規則は、RTEの下

に設置されたワーキング・グループで作成される。利害関係者はこのワーキング・グループに参加している模様。

• インバランス価格やアンシラリー・サービス価格等、送電部門に係る価格面はCREが決定している。

• 送電料金、接続規則等に係る系統使用協定(VVⅡ+)は、発電事

業者、自家発事業者、需要家、トレーダー等の利害関係者の交渉により決定される。

• 但し、系統運用規則(Grid Code)は、UCTE及びETSOの基準に従

い、系統運用者の協会であるDVG(現VDN)が作成している。

• User Council:送電線を利用す

る主要な顧客グループの代表者5名で構成されている。理事

会に対し提案する権限を有している。

• プール市場に参加している系統利用者は、Statnett社が送電

線利用に関する重要事項を決定する際、その会議に出席し交渉することができる

意思決定プロセスへの利害関係者の関与

• EDFの送電部門RTE所長はEDFの3名の推薦から独立規制機関CRE(電力規制委員

会)が審査し、エネルギー担当大臣が任命する形態をとっている。関係団体への転職も禁じられている。

• なお、RTEの所長はEDFの取

締役会のメンバーになれない。RTEの所長の権限は法律で

規定されている。ネットワークの唯一の責任者という扱いで、EDFはコントロールできないこ

とになっている。

• 系統運用機関である6大電力会社

などの垂直統合型電気事業者には、送電事業と他の部門との会計分離および運営分離を義務付け。

• 系統運用機関には、独立法人化の義務はない。しかし、送電線利用と電力取引を分離するため純粋持株会社の傘下で機能毎(発電、系統運用、卸取引、小売販売等)に別会社化する事例もある(RWE、E.on)

• Statnett は、NVEによる送電ラ

イセンスの発給を受けて業務を行うという、ライセンスを通じた規制を受けている。そのため、ガバナンスに関する規定なし。

• 但し、系統運用ルールや送電線建設計画の策定に、利害関係者が関与する枠組みが構築されている。

理事会の構成、理事の選出方法

フランスドイツノルウェー

• 2000年電力自由化法• 1998年エネルギー事業法、2001年系統使用協定(VVⅡ+)

• 1991年エネルギー法設立準拠法、協定等

• 会計分離、運用分離• 会計分離、運用分離• 独立送電会社系統運用者の形態

• EDFの送電部門RTE• RWE Net等6大電力会社• Statnett系統運用者

27

中立機関のガバナンス:PJM ISOにおける系統運用規則決定ルール

中立機関のガバナンス:PJM ISOにおける系統運用規則決定ルール

北米信頼度協議会(NERC)

大西洋岸中部委員会(MAAC)

基準に準拠

「PJM運用協定」"Operating Agreement,

PJM Interconnection, L.L.C"

連邦エネルギー規制委員会(FERC)

基準に準拠承認

マニュアル"PJM Mannual"

具体化

独立委員会(Independent Board)

PJM連系事務所(PJM OI)

指揮・監視

作成、修正

メンバー委員会(Members Committee)

投票による委員の承認

市場参加者いずれかの部門に所属 加入

承認

運用協定修正案

発電設備保有者

送電設備保有者

他供給者配電

事業者終

需要家

(出所)PJM ISO, “Operational Agreement”等より作成

• PJM ISOにおいては、PJM運用協定(Operating Agreement, PJM Interconnection,L.L.C)において、系統運用に関する事項を決定している。PJM運用協定は、全ての市場参加者が所属するメンバー委員会(Members Committee)の承認を必要とし、

終的には独立規制機関である連邦エネルギー委員会の承認を受ける必要がある。•なお、PJM運用協定作成にあたっては、北米信頼度協議会及び大西洋岸中部委員

会の定める基準に合致していることが必要である。• PJM運用協定を具体化したPJMマニュアルは、会員委員会により承認された独立委員会(Independent Board)の指揮、監視を受けるPJM連系事務所が作成、修正を行

うことになっている。

• PJM ISOにおいては、PJM運用協定(Operating Agreement, PJM Interconnection,L.L.C)において、系統運用に関する事項を決定している。PJM運用協定は、全ての市場参加者が所属するメンバー委員会(Members Committee)の承認を必要とし、

終的には独立規制機関である連邦エネルギー委員会の承認を受ける必要がある。•なお、PJM運用協定作成にあたっては、北米信頼度協議会及び大西洋岸中部委員

会の定める基準に合致していることが必要である。• PJM運用協定を具体化したPJMマニュアルは、会員委員会により承認された独立委員会(Independent Board)の指揮、監視を受けるPJM連系事務所が作成、修正を行

うことになっている。

• 市場参加者は、メンバー委員会において5つのセクターのいずれかに属することができ、同時に他のセクターのメンバーとなることはできない。メンバー委員会の議決には、セクター毎の投票比率を合計して、全体の2/3を超える賛成を得ることが必要である。

• 市場参加者は、メンバー委員会において5つのセクターのいずれかに属することができ、同時に他のセクターのメンバーとなることはできない。メンバー委員会の議決には、セクター毎の投票比率を合計して、全体の2/3を超える賛成を得ることが必要である。

市場参加者と市場参加者と市場参加者と市場参加者とPJM運用協定決定プロセスの関係運用協定決定プロセスの関係運用協定決定プロセスの関係運用協定決定プロセスの関係市場参加者と市場参加者と市場参加者と市場参加者とPJM運用協定決定プロセスの関係運用協定決定プロセスの関係運用協定決定プロセスの関係運用協定決定プロセスの関係

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中立機関のガバナンス:ERCOT ISOにおける系統運用規則決定ルール

中立機関のガバナンス:ERCOT ISOにおける系統運用規則決定ルール

• ERCOT ISOにおいては、ERCOT議定書(ERCOT Protocol)がERCOTの運営に関する基本的な原則を定めた協定となっている。ERCOT議定書は、複数の委員会によ

る審査の後、理事会により承認を受け、 終的にはテキサス州公益事業委員会の承認を受ける必要がある。

•なお、ERCOT ISOは、地域信頼度協議会の一つでもあり、北米信頼度協議会の基準

に合致していることが必要である。• ERCOT議定書を具体化した系統運用ガイド(System Operation Guide)は、複数の委員会による審査の後、理事会により承認を受ける。これをより詳細化したERCOT運営手続き(ERCOT Operation Guide)は、理事会の監督を受けるERCOT事務局が作

成、修正を行うことになっている。

• ERCOT ISOにおいては、ERCOT議定書(ERCOT Protocol)がERCOTの運営に関する基本的な原則を定めた協定となっている。ERCOT議定書は、複数の委員会によ

る審査の後、理事会により承認を受け、 終的にはテキサス州公益事業委員会の承認を受ける必要がある。

•なお、ERCOT ISOは、地域信頼度協議会の一つでもあり、北米信頼度協議会の基準

に合致していることが必要である。• ERCOT議定書を具体化した系統運用ガイド(System Operation Guide)は、複数の委員会による審査の後、理事会により承認を受ける。これをより詳細化したERCOT運営手続き(ERCOT Operation Guide)は、理事会の監督を受けるERCOT事務局が作

成、修正を行うことになっている。

市場参加者と市場参加者と市場参加者と市場参加者とERCOT議定書、系統運用ガイド等決定プロセス議定書、系統運用ガイド等決定プロセス議定書、系統運用ガイド等決定プロセス議定書、系統運用ガイド等決定プロセス市場参加者と市場参加者と市場参加者と市場参加者とERCOT議定書、系統運用ガイド等決定プロセス議定書、系統運用ガイド等決定プロセス議定書、系統運用ガイド等決定プロセス議定書、系統運用ガイド等決定プロセス

ERCOT議定書

(ERCOT Protocol)

系統運用ガイド(System Operation Guide)

テキサス州公益事業委員会

(PUCT)

北米信頼度協議会(NERC)

基準に準拠

・議定書の審査、承認・監視等

具体化

テキサス電力選択法(SB7)

法律に準拠

理事会(Independent Board)

ERCOT事務局

議定書改定委員会(Protocol Revisions

Committee)

審査、承認

技術助言委員会(Technical Adovisory

Committee)

役員の選任、監視等

審査

審査、承認

審査、承認

ERCOT運営手続き

(ERCOT OperationsProcedures)

具体化

市場参加者

信頼度及び運営委員会(Reliability and

Operation Committee)

委員会の設置

セクター

発電部門

送配電部門

販売部門

消費者部門

理事を選出

いずれかのセクターに所属

経営形態別のセクターに所属し、委員を選任*

作成、修正

*経営形態別のセクターには、IPP、パワー・マーケター、公営電気事業者、消費者、小売事業者、私営電気事業者、協同組合、の7分類ある。

(出所)ERCOT ISO, “ERCOT Protocol”、”By Laws”、”System Operation Guide”等より作成

• 市場参加者は、発電、送配電、販売、消費者の4つのセクターのいずれかに属することができ、同時に他の

セクターのメンバーとなることはできない。発電、送配電、販売の各セクター毎に理事が選任され、他の理事は州公益事業委員会の承認を受けて決定する。

• 市場参加者はまた経営形態別の7つのセクター毎に所属し、各セクター毎に技術助言委員会の委員が選任

される。委員の選任には、理事会の承認を受ける必要あり。

• 市場参加者は、発電、送配電、販売、消費者の4つのセクターのいずれかに属することができ、同時に他の

セクターのメンバーとなることはできない。発電、送配電、販売の各セクター毎に理事が選任され、他の理事は州公益事業委員会の承認を受けて決定する。

• 市場参加者はまた経営形態別の7つのセクター毎に所属し、各セクター毎に技術助言委員会の委員が選任

される。委員の選任には、理事会の承認を受ける必要あり。

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中立機関のガバナンス:NGCにおける系統運用規則決定ルール

中立機関のガバナンス:NGCにおける系統運用規則決定ルール

• National Grid Companyは、ガス電力市場委員会(GEMA)が発給する送電ライセンス(Transmission License)に従い、系統運用規則(Grid Code)を作成、公開し、これを

遵守しなければならない。系統運用規則は、系統利用者の代表から成る系統運用規則パネルから修正要望を受付けた後、ガス電力市場委員会による承認を受ける。

• National Grid Companyは、ガス電力市場委員会(GEMA)が発給する送電ライセンス(Transmission License)に従い、系統運用規則(Grid Code)を作成、公開し、これを

遵守しなければならない。系統運用規則は、系統利用者の代表から成る系統運用規則パネルから修正要望を受付けた後、ガス電力市場委員会による承認を受ける。

市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス

(出所)National Gridホームページ等より作成

ガス電力市場委員会(GEMA)

担当国務大臣(貿易産業省、DTI)

競争委員会

1989年電気法

(Electricity Act)送電ライセンス

(Transmission License)

National Grid Company

拒否権変更権限

委員任命

ガス電力市場局(OFGEM)

・ライセンス条件の遵守・系統運用規則作成義務同意

NGCが同意しない

場合、裁定

系統運用規則(Grid Code)

作成

系統運用規則パネル(Grid Code Panel)

修正要望

市場参加者

発電事業者、小売事業者等の代表

変更権限、承認

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中立機関のガバナンス:北欧諸国における系統運用規則決定ルール

中立機関のガバナンス:北欧諸国における系統運用規則決定ルール

•北欧4ヶ国の5つの系統運用者(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、東デンマーク、

西デンマーク)は、一般に独立送電会社の形態を取り(注)、かつ政府が意思決定プロセスに参加することで、独立性を担保しているものと考えられている。

•各系統運用者は、内部に市場参加者から成る「利用者委員会」を設置しており、系統運用規則に対して修正要望等を提出することが可能になっている。

•また、北欧の系統運用者協会であるNordelを中心に、各国間の調整を行っている。

•北欧4ヶ国の5つの系統運用者(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、東デンマーク、

西デンマーク)は、一般に独立送電会社の形態を取り(注)、かつ政府が意思決定プロセスに参加することで、独立性を担保しているものと考えられている。

•各系統運用者は、内部に市場参加者から成る「利用者委員会」を設置しており、系統運用規則に対して修正要望等を提出することが可能になっている。

•また、北欧の系統運用者協会であるNordelを中心に、各国間の調整を行っている。

(注)東デンマークのElkraft Systemのみ独立系統運用会社の形態を取っている。

市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス市場参加者と系統運用規則策定プロセス

(出所)各TSOホームページ、Noredl Operations committee、” System Operation Agreement”等より作成

系統運用者(一般に送電機関)

送電ライセンス(Transmission License)

担当官庁

・ライセンスの付与・運用の監視

出資等を通じて、意思決定プロセスに参加

系統運用規則(Grid Code)

利用者委員会(User Council)

市場参加者

発電事業者、小売事業者等の代表

修正要望

作成

北欧系統運用者協会(Nordel)

基準に合致

31

中立機関のガバナンス:ドイツにおける系統運用規則決定ルール

中立機関のガバナンス:ドイツにおける系統運用規則決定ルール

� ドイツでは、「自主規制方式」が採用されており、系統アクセス規則及び系統運用規則は民間により作成されている。

� 系統利用協定(VVⅡ+)– ドイツエネルギー事業法では、系統へのアクセスを「交渉に基づく第三者アクセス」によるもの

と規定し、民間の自主的な交渉に委ねている。– これにより、利害関係団体の交渉により系統アクセス規則が作成され、1998年VVⅠに作成

後、利用者のニーズに合わせて2000年VVⅡ、2001年VVⅡ+と順次改定されている。– 2001年系統利用協定(VVⅡ+)は、BDI(ドイツ連邦産業協会)、VIK(自家発協会)、VDEW(

電気事業者協会)、ARE(地域公益事業協会)、VDN(系統運用者協会)、VKU(公営公益事業協会)の6団体により作成されており、2002年1月より2003年12月まで効力を有するものとしている。

� 系統運用規則(Grid Code)– ドイツエネルギー事業法では、系統運用者に送電線への 小限の技術的接続要件を決定し

、公表する義務を負うことを定めている。また、同法は系統運用者に対して、系統への電力の投入及び接続線の利用に関する公平な基準を決定し、非差別的にそれを適用しなければならないことを定めている。

– ドイツの送電線を保有する6社の協会であるDVG(注)は、2000年に系統運用規則(Grid Code)を作成し、公表している。技術的要件で規則が構成されているため、事情の変更が無い限り修正は行われないことになっている。

� ドイツでは、「自主規制方式」が採用されており、系統アクセス規則及び系統運用規則は民間により作成されている。

� 系統利用協定(VVⅡ+)– ドイツエネルギー事業法では、系統へのアクセスを「交渉に基づく第三者アクセス」によるもの

と規定し、民間の自主的な交渉に委ねている。– これにより、利害関係団体の交渉により系統アクセス規則が作成され、1998年VVⅠに作成

後、利用者のニーズに合わせて2000年VVⅡ、2001年VVⅡ+と順次改定されている。– 2001年系統利用協定(VVⅡ+)は、BDI(ドイツ連邦産業協会)、VIK(自家発協会)、VDEW(

電気事業者協会)、ARE(地域公益事業協会)、VDN(系統運用者協会)、VKU(公営公益事業協会)の6団体により作成されており、2002年1月より2003年12月まで効力を有するものとしている。

� 系統運用規則(Grid Code)– ドイツエネルギー事業法では、系統運用者に送電線への 小限の技術的接続要件を決定し

、公表する義務を負うことを定めている。また、同法は系統運用者に対して、系統への電力の投入及び接続線の利用に関する公平な基準を決定し、非差別的にそれを適用しなければならないことを定めている。

– ドイツの送電線を保有する6社の協会であるDVG(注)は、2000年に系統運用規則(Grid Code)を作成し、公表している。技術的要件で規則が構成されているため、事情の変更が無い限り修正は行われないことになっている。

(注)現在は、電気事業者の協会であるVDEWと合併し、地方系統・地域系統(配電系統)の運用者を含めた系統運用者の協会であるVDN(連邦系統運用者協会)に移行している。

1998年5月託送料金協定(VVⅠ)

2000年2月系統使用協定(VVⅡ)

2001年12月系統使用協定(VVⅡ+)

1998年4月エネルギー事業法(電力自由化法)

系統運用者システム使用者

BDI、VIK産業需要家、トレーダー

VDN系統運用者

VZBV小規模需要家

発電事業者、供給事業者

配電事業者

ARE、VKU

VDEW(電気事業者

連合会)に所属

協定合意書VVⅡ+

32

諸外国における系統運用機関役職員の秘密保持義務の例

諸外国における系統運用機関役職員の秘密保持義務の例

• 系統運用者間の自主協定である系統運用規則(Grid Code)で、系統運用者の情報の取扱につ

いて規定。– システム使用者から受け取るデータ及び情報については、絶対的な信頼を得るよう取り扱わねばならない。但しその情報が、システム・オペレーターの業務に基づくもの、第三者のもの、もしくは第三者が利用可能なデータを提供するものから得たとものなど、合法的に認められた公のものである場合には、この限りではない。 (Grid Code7.3)

ドイツ系統運用規則(Grid Code)

• 2000年電力自由化法第16条では、公共のTSOは、経済、商業、工業、財務または技術的な性

質の、その伝達が法に基づく自由で公正な競争と被差別の法則に反するような情報にたいして、秘密を保持するよう規定している。

• また、EDF送電部門(RTE)の従業員が、準公務員の位置付けであることに伴い、2001年7月16日法令(Décret no 2001-630)で秘密情報の性質について明記し、それらの情報配分の管理上問題となる行為を定めている。職員の情報漏洩に対しては刑法により15,000ユーロ(=約173万円(注))の罰金が課せられる。これに加え、職業上の処罰もある。

フランス電力自由化法等

EU指令

• 行動規約により、従業員の情報管理等について、規定している。主な内容は、以下の通り。– 従業員は、卸電力の購入、販売、給電等、市場感応度の高い情報は、公的な手続きを経ずに公開してはならない。また、これらの情報を用いて利得を得てはならない。

– 従業員は、自らの職に伴い得たPJM ISOに帰属する情報を、公的な手続きを経ずに公開しては

ならない。また、これらの情報を用いて利得を得てはならない。– 従業員は、誠実さと責任を持って業務にあたらねばならない。契約の大小に係らず、情報を秘匿してはならない。

– 従業員は、PJM ISOに係る権利と財産を守る義務を負う。個人的な目的のために、PJM ISOに

係る情報を利用してはならない。

PJM ISO行動規約(Code of Conductand Standards ofBusiness Ethics)

• 送電部門に従事する従業員は、卸電力の購入・販売に従事する従業員に対し、OASISに掲載し

ない送電線情報(送電線利用者との交渉の過程で得た情報なども含む)を提供してはならない。また、行動規則に反する方法で情報をOASISに掲載してはならない。

米国(オーダー889)

内容

(注)1ユーロ=115円で算出。

・送電系統運用者は、当該事業から得られた商業的に機微な情報の秘密保持を図らなければならない。(EU指令第9条)

33

米国PJMのメンバー委員会における意思決定メカニズム

米国PJMのメンバー委員会における意思決定メカニズム

  各参加企業は、発電設備保有者、送電線所有者、供給事業者、需要家又は配電事業者のどれか一つのセクターを選択し、PJMメンバー委員会の議決権を得る(重複は認められない)。  各セクター毎の投票比率を合計して、全体の2/3を超える議決を得れば議案は可決される。

<例> セクター                 各セクターの議決比率 発電設備保有者(7社参加 5社賛成)   5/7   0.71 送電線所有者(8社参加 2社賛成)    2/8   0.25 供給事業者(23社参加 21社賛成) 21/23   0.91 需要家(5社参加 5社賛成)       5/5   1.00 配電事業者(0社参加)            -      - 合 計                        2.88

 ③必要な議決は、4セクター×0.667=2.68 ④よって議案は可決。

34

組織のガバナンスの事例組織のガバナンスの事例

35

有限責任中間法人 公益法人 株式会社

根拠法

中間法人法 民法 商法

招集

●社員総会:理事の過半数の請求があったとき。年1回一定の時期に開催(29条)。●総社員の議決権の 1/10 を有する社員は、社員総会の招集を請求可能。(定款で別の定めを行うことも可。)(30条)。

●通常総会(社団法人):少なくとも年1回開催(60条)。●臨時総会(社団法人):総社員の1/5 以上より請求があったとき。ただし、定数は定款により変更可(61条)。●財団法人については総会の規程なし。

●定時総会:年1回一定の時期に招集。年2回以上利益の配当を行う会社は、決算期毎に招集可(234条)。●臨時総会:必要ある場合に随時招集(235条)。●6ヶ月前より引き続き総株主の議決権の 3/100 以上を有する株主は、取締役会に対して総会の招集を請求可(237条)。

出席

●総社員の議決権の過半数(法律又は定款に別段の定めがあるときを除く)(34条)。

●総株主の議決権の過半数を有する株主の出席(商法又は定款に別段の定めのある場合を除く)(239条)。

議決権

●社員は、各一個の議決権(定款で別の定めを行うことも可)(33条)。

●社員の表決権は平等。ただし、定款に別段別段の定めがある場合を除く(65条)。

●各株主は、1株につき1個の議決権。ただし、1単元の株式の数を定めている場合は1単元の株式に付き1個の議決権(241条)。●会社が自己で保有する株式については議決権なし(241条)。

議決

●出席した社員の過半数(法律又は定款に別段の定めがあるときを除く)(34条)。

●出席した株主の議決権の過半数(商法又は定款に別段の定めのある場合を除く)(239条)。●重要事項(営業の全部譲渡、経営の委任等)については、総株主の議決権の過半数を有する株主の出席、及びその議決権の 2/3 以上(245条)。

定数

●1人又は数人(39条)。 ●1人又は数人(52条)。 ●3人以上(255条)。

選任

●定款において理事又は監事を定めなかったときは、法人成立前に、社員総会において理事又は監事を選任しなければならない(13条 1項)。●社員総会にて選任(40条)。●前項の社員総会は、各社員が招集することができる(13 条 2項)。

●取締役は株主総会において選任(254条)。●選任決議については、総会に出席を要すべき株主の議決権が、定款においても 1/3 未満としてはならない(256条の2)。

理事/取締役

条件等

●役員構成に関する規程なし。 ●役員構成に関する法律上の規程なし(別途指導監督基準あり)。

開催

●取締役は、3か月に一回以上、業務の執行状況を取締役会に報告(260条)。

出席

理事会/取締役会

議決

●取締役の過半数が出席し、出席した取締役の過半数をもって行う。ただし定款において要件を加重することは可(260条の2)。

その他

●業務の執行:定款に別段の定めがある場合を除き、その過半数の意見により決定したところに従う(44条)。

●理事が数人の場合は、定款又は寄附行為に別段の定めがない場合、法人の事務は理事の過半数を持って決まる(52条)。

中間法人について中間法人について

1.中間法人とは、社員に共通する利益を図ることを目的とし、かつ、剰余金を社員に分配することを目的としない社団であり、設立については、その主たる事務所の所在地において、設立の登記をすることによって成立する。

2.中間法人には、社員が債権者との関係で、法人の責務について対外的な責任を負わない有限責任中間法人と、社員が債権者との関係で、法人の責務について法人と連帯して責任を負う無限責任中間法人とが存在する。この点に関連して、有限責任中間法人については基金制度が設けられている。

3.組織、運営の点では、有限責任中間法人では、社員総会、理事、監事といった機関を設けてその運営を行うのに対し、無限責任中間法人では、社員が業務の執行を行うとともに、その業務は定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数の意見により決定したところに従う。なお、有限責任中間法人の社員総会における議決権については、各1個の議決権が基本であるが、定款で別の定めを行うことも可能である。

中間法人制度とは、中間法人法に基づき、平成14年4月から開始された新しい法人制度である。

36

Ⅳ.中立機関の業務

37

PJMの送電ゾーンの送電ゾーンの送電ゾーンの送電ゾーン

送電拡張諮問委員会

全会員、州規制機関、

その他利害関係者

参加可能①長期送電サービスの申

し込みに伴い送電容量

不足が発生した場合

②地域信頼度協議会の

評価で拡張の必要性が

生じた場合

③PJMによる信頼度評

価で送電容量不足を確

認した場合

④送電線所有者等から

送電線の拡張の提案が

あった場合

PJMによる

送電線拡張調査

送電線拡張計画

(10年間)

隣接地域信頼度協議会、

送電線保有者と調整

承認

既存の送電線拡張

計画、発電所新設・

廃止計画、負荷予

測を反映

独立委員会の承認

地域信頼度協議会へ提出・

審査

建設着工

費用回収や用地確保等の条件が整った時点で送電線保有者に建設義務があることを送電線所有者協定で合意(出所)PJM ISO, “Operating Agreement”等より日本エネルギー経済研究所作成

PJM ISOにおける送電線拡張プロセスにおける送電線拡張プロセスにおける送電線拡張プロセスにおける送電線拡張プロセス

●PJMでは、広域系統の拡張の必要性が生じた場合、送電線保有事業者からの 代表も参加するPJMの計画委員会による系統解析等を通じて拡張計画を策定。 利害関係者の意見を聴取し、会員、州規制機関等から成る委員会による承認 を行う。●現在設立が進められている各RTO(地域送電機関)には、「送電系統拡張計 画の責任 」が課せられており、PJMのように利害調整を行いながら広域送電 線の整備を行う形式となる模様。●なお、実際の計画内容はIPPの電源線新設がほとんどであり、広域送電線 の建設は進んでいない。

●PJMでは、広域系統の拡張の必要性が生じた場合、送電線保有事業者からの 代表も参加するPJMの計画委員会による系統解析等を通じて拡張計画を策定。 利害関係者の意見を聴取し、会員、州規制機関等から成る委員会による承認 を行う。●現在設立が進められている各RTO(地域送電機関)には、「送電系統拡張計 画の責任 」が課せられており、PJMのように利害調整を行いながら広域送電 線の整備を行う形式となる模様。●なお、実際の計画内容はIPPの電源線新設がほとんどであり、広域送電線 の建設は進んでいない。

PJMでは11の送電ゾーンが存在し、8社が保有しているが、相互に地理的に入り組んでおり、調整を行う必要性が高い。

諸外国における広域送電線整備の状況(米国)諸外国における広域送電線整備の状況(米国)

38

<優先度の高い連系線プロジェクト><優先度の高い連系線プロジェクト><優先度の高い連系線プロジェクト><優先度の高い連系線プロジェクト>①:フランス=ベネルクス=ドイツ(ネットワーク増強)②:イタリア国際連系(連系容量増)③:フランス=スペイン=ポルトガル(連系容量増)④:ギリシャ主要地域への連系⑤:英国=北欧(連系容量増)⑥:英国=アイルランド(連系容量増)⑦:デンマーク=ドイツ(連系容量増)

③ ②

②②

⑦⑥

⑥⑤

⑤ <混雑発生地域><混雑発生地域><混雑発生地域><混雑発生地域>・フランス=スペイン間・イタリア国際連系線・ベルギー=オランダ間・デンマーク=ドイツ間・アイルランド=英国間・英国国際連系線・ギリシャ国際連系線

●EUではフランス=ベネルクス=ドイツ間、イタリア国際連系箇所等で国際連系線の

 混雑が発生している。その解消や供給力調達のため複数のプロジェクトが策定され

 ている。

●なお、国際連系線の建設費用の当初負担については、各国間で明確な規則はなく、

 個別ケース毎に交渉が行われている模様。

●EUではフランス=ベネルクス=ドイツ間、イタリア国際連系箇所等で国際連系線の

 混雑が発生している。その解消や供給力調達のため複数のプロジェクトが策定され

 ている。

●なお、国際連系線の建設費用の当初負担については、各国間で明確な規則はなく、

 個別ケース毎に交渉が行われている模様。

(出所)EU委員会、"Infrastructure: the Energy Dimension"、2001年12月

諸外国における広域送電線整備の状況(欧州)諸外国における広域送電線整備の状況(欧州)

39

●規制緩和が行われると、市場参加者が多数となるため、発電計画や負荷予測

 と調整しながら、公平な送電線建設計画をいかにして策定するかが安定供給上

 重要となる。

●米国のISOのうち、送電線の建設計画の調整・立案機能を有するのはPJM ISO である。

 一方で、カリフォルニアISOとERCOT ISOは送電線建設計画策定への関与が

 低く、送電線保有者に大きく依存した送電線建設となっている。

 ☆なお、FERCのオーダー2000では、RTOには送電線建設計画策定の 終的

  な責任を有することが求められている。

●欧州では、ドイツやフランス等を除き送電線を保有する送電会社の形態が一般

 的であり、各発電事業者からの長期的な発電計画を踏まえた上での長期送電計

 画が策定されている。

 ☆ドイツでは、市場参加者の意見を踏まえた系統運用者間の合意であるGrid  Codeによって、送電線建設に関する規則を定めている。

●規制緩和が行われると、市場参加者が多数となるため、発電計画や負荷予測

 と調整しながら、公平な送電線建設計画をいかにして策定するかが安定供給上

 重要となる。

●米国のISOのうち、送電線の建設計画の調整・立案機能を有するのはPJM ISO である。

 一方で、カリフォルニアISOとERCOT ISOは送電線建設計画策定への関与が

 低く、送電線保有者に大きく依存した送電線建設となっている。

 ☆なお、FERCのオーダー2000では、RTOには送電線建設計画策定の 終的

  な責任を有することが求められている。

●欧州では、ドイツやフランス等を除き送電線を保有する送電会社の形態が一般

 的であり、各発電事業者からの長期的な発電計画を踏まえた上での長期送電計

 画が策定されている。

 ☆ドイツでは、市場参加者の意見を踏まえた系統運用者間の合意であるGrid  Codeによって、送電線建設に関する規則を定めている。

*テキサスの接続応諾義務:送電線保有者は、接続を希望する者に不当に差別することなく送電線を利

 用させる義務があり、発電所新設に伴う電源線建設及び連係設備の増強に関する費用は、送電事業者

 が負担することになっている。

*PJMの送電線建設調整機能:PJMでは、計画策定の際に送電保有者の合意が得られない場合でも、

 代替手段の検討や費用負担方法の見直し等で、確実な計画の実現に向けての調整を行う機能が与え

 られている。

諸外国における送電線建設方法諸外国における送電線建設方法

n.a.

自ら建設

推奨

同上

ISOが計画を承認(電力会社に前提付き設備建設義務有り)

建設計画への関与

6大電力会社

Statnett

ISOが調整

ISOが調整プロセスを主導

ISOが計画準備

計画策定

6大電力会社6大電力会社6大電力会社ドイツ

National Gridイギリス

StatnettStatnettStatnettノルウェー

電力会社電力会社ERCOT ISOテキサス

電力会社電力会社カリフォルニアISOカリフォルニア

電力会社orその他

電力会社PJM ISOペンシルベニア、ニュージャージー、メリーランド等

建設主体送電線の所有

系統運用者

National Grid National Grid National Grid同上

40

• PJM ISOでは、系統運用と一体となった卸電力市場(エネルギー市場)を構築、運用している。PJM ISOでは、給電計画・指令を、エネルギー市場を通じて行っているのが

特徴。• PJM ISOへ加入するには、PJM運用協定に加入する必要があるが、同協定はPJMISOの運用方法のみならずエネルギー市場の運用についても規定している。

•小売事業者(LSE、Load Serving Entity)がPJM ISOに加入する場合には、PJM運用

協定と共に、信頼度維持に係る信頼度保証協定に加入する必要がある。

• PJM ISOでは、系統運用と一体となった卸電力市場(エネルギー市場)を構築、運用している。PJM ISOでは、給電計画・指令を、エネルギー市場を通じて行っているのが

特徴。• PJM ISOへ加入するには、PJM運用協定に加入する必要があるが、同協定はPJMISOの運用方法のみならずエネルギー市場の運用についても規定している。

•小売事業者(LSE、Load Serving Entity)がPJM ISOに加入する場合には、PJM運用

協定と共に、信頼度維持に係る信頼度保証協定に加入する必要がある。

PJMの供給エリアの供給エリアの供給エリアの供給エリアPJMの供給エリアの供給エリアの供給エリアの供給エリア

(出所)PJM ISO

PJMで開設されている市場で開設されている市場で開設されている市場で開設されている市場PJMで開設されている市場で開設されている市場で開設されている市場で開設されている市場

(注)金融的送電権とは、特定の送電線で発生する混雑料金収入を受け取ることが出来る権利であり、これを保有することで、仮に混雑が発生して混雑料金が課せられても相殺できる。

� 容量権市場     発電設備事前確保義務

� エネルギー市場エネルギー市場エネルギー市場エネルギー市場

�一日前市場

�リアルタイム市場

� 金融的送電権市場

� アンシラリーサービス市場

�周波数制御サービス市場

�予備力等は契約ベースでPJMが調達

� 容量権市場     発電設備事前確保義務

� エネルギー市場エネルギー市場エネルギー市場エネルギー市場

�一日前市場

�リアルタイム市場

� 金融的送電権市場

� アンシラリーサービス市場

�周波数制御サービス市場

�予備力等は契約ベースでPJMが調達

LMP(地点別限界

価格)

市場参加者とTSOの関係市場参加者とTSOの関係

G G G G G

L L L L L

LSE(Load Serving Entity)(小売事業者)

自己電源 相対契約 スポット市場

容量権市場で「容量権」調達が必要

●接続地点のLMPで決済

●混雑発生時には個々の 電源で異なる価格に

●接続地点のLMPで決済

●混雑発生時には個々の 接続地点で引出価格が 異なることも

(発電)(発電)(発電)(発電)

(消費)(消費)(消費)(消費)

LMP LMP LMP LMP LMP

LMP LMP LMP LMPLMP

「「「「PJM運用協定」運用協定」運用協定」運用協定」"Operating Agreement, PJM

Interconnection, L.L.C"

PJM-ISO及びPJM市場の運営方法について

規定している。

加入

加入

PJMエネルギー市場エネルギー市場エネルギー市場エネルギー市場給電計画・指令(エネルギー市場を活用)

加入

「信頼度保証協定」「信頼度保証協定」「信頼度保証協定」「信頼度保証協定」"Reliability Assurance

Agreement"

PJM内での信頼度維持に関する事項を規定

している。

系統運用者と電力市場の関係:PJM ISOにおけるエネルギー市場の位置付け

系統運用者と電力市場の関係:PJM ISOにおけるエネルギー市場の位置付け

41

系統運用者と電力市場の関係:北欧における取引所と系統運用者の関係

系統運用者と電力市場の関係:北欧における取引所と系統運用者の関係

•北欧4ヶ国の系統運用者(TSO、Transmission System Operator)は、共通の電力市場Nord Poolを設立しており、系統運用と密接な関係を持った取引所運営を行ってい

る。• Nord Poolは、スポット市場を通じて国際電力輸出入取引の管理を行う他、需給調整

のための時間前市場(スウェーデンとフィンランドが対象)、リアルタイム市場取引を系統運用者に提供している。

•機能的な取引所運営のため、系統運用者は送電線停止計画や国際連系線託送可能容量等に関する情報の提供を行うなどしている。

•北欧4ヶ国の系統運用者(TSO、Transmission System Operator)は、共通の電力市場Nord Poolを設立しており、系統運用と密接な関係を持った取引所運営を行ってい

る。• Nord Poolは、スポット市場を通じて国際電力輸出入取引の管理を行う他、需給調整

のための時間前市場(スウェーデンとフィンランドが対象)、リアルタイム市場取引を系統運用者に提供している。

•機能的な取引所運営のため、系統運用者は送電線停止計画や国際連系線託送可能容量等に関する情報の提供を行うなどしている。

<電力取引所><電力取引所><電力取引所><電力取引所>Nord Pool

北欧北欧北欧北欧4ヶ国ヶ国ヶ国ヶ国TSO

各国間で協定を結び、TSOがNord Poolに加入・出資

・送電線停止計画・国際連系線託送可能容量等

<ノルウェーTSO>Statnett

<スウェーデンTSO> Svenska Kraftnät

<フィンランドTSO> Fingrid

<西デンマークTSO> Eltra

<東デンマークTSO> Elkraft System

・取引市場の提供(リアルタイム市場、時間前市場)・取引結果の通知・国際取引に係る混在管理等

市場参加者

・同時同量義務の監視・インバランス量の計測、インバランス決済

・同時同量義務(バランシング・グループに 所属)・インバランス決済

加入契約、売買

<清算機関><清算機関><清算機関><清算機関>

Nordic ElectricityClearing House

清算契約

取引データ、清算契約

(注)Nord Poolスポット市場は、2002年1月より組織改正でNord Poolの子会社であるNord PoolSpot ASAが運営することになった。Nord Pool Spot ASAは、北欧各国の5つのTSOとNord Poolがそれぞれ20%出資となっている。

市場参加者と市場参加者と市場参加者と市場参加者とTSOの関係の関係の関係の関係市場参加者と市場参加者と市場参加者と市場参加者とTSOの関係の関係の関係の関係

42

系統運用者と電力市場の関係:ドイツにおける取引所と系統運用者の関係

系統運用者と電力市場の関係:ドイツにおける取引所と系統運用者の関係

バランシング・グループ(BG)

参加事業者A

バランシング・グループ(BG)

参加事業者B

電力取引所電力取引所電力取引所電力取引所<<<<EEX>>>>

・スケジュールの通知 ・スケジュールの通知

スケジュールの通知

加入契約・売買

発電 消費

売り手A100 EEX100

・・・・

・・・ ・・・

・・・・

発電 消費

買い手B100EEX100

・・・・

・・・ ・・・

・・・・

スポット市場へ販売

スポット市場から購入

・送電混雑状況 の通知等

・送電混雑状況 の通知等

清算機関

清算契約

清算契約、取引データ

清算機関

清算契約

清算契約、取引データ

インバランス決済TSOは同時同量の監視

インバランス決済TSOは同時同量の監視

� 取引所への参加事業者は、取引所規則を定めた取引合意文書と清算機関との契約を結ぶとともに、自らの所属する系統エリア内でいずれかのバランシング・グループ(BG:Balancing Group)に加入していなければならない。

� EEXは、TSOから送られてくる送電混雑状況を元にスポット取引の入札を実施し、正午12時に締め切られる。送電混雑が発生している場合にスポット取引に制限を受ける場合には、ゾーン価格制により混雑解消を行い、12時30分までに取引を確定させ、各TSOに取引結果(スケジュール)を通知する。

� 参加事業者は、バランシング・グループとしての同時同量義務を自らの所属する系統エリアのTSOの監視の下で果たすことで、取引所取引の義務を果たしたと見なされる。発生したインバランス量は、TSOとの間でインバランス決済が行われる

ことになる。

市場参加者と市場参加者と市場参加者と市場参加者とTSOのののの関係関係関係関係市場参加者と市場参加者と市場参加者と市場参加者とTSOのののの関係関係関係関係

43

系統運用者と電力市場の関係:フランスにおける取引所と系統運用者の関係

系統運用者と電力市場の関係:フランスにおける取引所と系統運用者の関係

� 取引所への参加事業者は、取引所規則を定めた取引合意文書と清算機関との契約を結ぶとともに、系統運用者であるRTEとバランス責任主体(BR:BalanceResponsibility)契約を結ばなければならない。

� 取引所への入札は、受渡日一日前の午前11時(パリ時間)に締め切られ、15分後に市場参加者へ取引結果の通知が送られた後、11時半にRTEへ取引所での取引結

果が通知される。� 取引所取引の結果は、午後4時(パリ時間)に確定する。RTEが集計した結果によっ

ては取引の確定に修正が加えられる可能性もある。� 参加事業者は、バランス責任主体としての同時同量義務をRTEの監視の下で果た

すことで、取引所取引の義務を果たしたと見なされる。発生したインバランス量は、RTEとの間でインバランス決済が行われることになる。

参加事業者バランス責任主体契約

清算契約取引データ、清算契約

取引データ、バランス・レポート

購入側(発電側) 販売側(消費側)

発電消費

発電側計

輸入

輸出購入

販売Powernextから購入

消費側計

一致させるように同時同量

一日前取引スケジュール確定時点で固定化

加入、売買

購入側(発電側) 販売側(消費側)

発電消費

発電側計

輸入

輸出

購入

販売

Powernextへ販売

消費側計

一致させるように同時同量

バランス責任主体

参加事業者

バランス責任主体

購入

販売

市場参加者と契約関係市場参加者と契約関係市場参加者と契約関係市場参加者と契約関係市場参加者と契約関係市場参加者と契約関係市場参加者と契約関係市場参加者と契約関係

(注)Clearnetは決済機関

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中立機関の業務①中立機関の業務①

• リアルタイム市場を開設• 一日前市場、リアルタイム市場を開設卸電力市場の運営

• 提出された送電線作業停止計画を調整して、承認する権限を有する。

• 発電ユニット保守のための作業停止計画については、市場参加者は情報の提出義務を負う。

• 提出された作業停止計画を調整して、承認する権限を有する。系統信頼度を損なうと判断すれば、一旦承認した計画でも変更させることが出来る。

発送電設備保守のための作業停止計画への権限

• ERCOTは各送電業者からの報告を受け、PUCTの規則によって要求された

送電線建設に関する年間レポートを作成する。このレポートでは、ERCOT系統システム全体の現在の状況、および今後起こりうる混雑地域を取上げ、今後の送電線建設の推奨をする。

• 地域送電線拡張にあたっては、運用協定の地域送電線拡張協定で規定。

• 関係者を交えた送電拡張諮問委員会(TEAC)を設置し、 終的には理事会の承

認を必要とする。

送電線建設計画

• 定期的に運用報告書(OperationalReport)を公表

• 市場監視局により監視。毎週等、定期的にレポートを公表。

市場監視

• 小売事業者等からの情報提供を受け、過去のデータを基に推計

• 12ヶ月各週(毎月公表)、5年(年2回公

表)

• 配電事業者の提出する値を基に作成• 翌年の夏・冬(毎年公表)、10年間(毎年公

表)

需要予測

• ERCOT ISOは地域信頼度協議会を兼

ねており、信頼度評価も実施。

• 地域信頼度協議会であるMAAC(太平洋岸中部委員会)が実施。(PJM ISOとは事実

上一体の関係を有している。)

信頼度評価

• 統合中央給電システムにより、送電システムの運用、監視と管理を行っている。

• 統合中央給電システムにより、送電システムの運用、監視と管理を行っている。

中央給電連絡機能

• 託送料金算定規則に従い送電線保有者が算定した託送料金表を管理。

• 託送料金算定規則に従い送電線保有者が算定した託送料金表を管理し、FERCの認

可を得る窓口となる。

託送料金の管理

• テキサス州• ペンシルベニア州、ニュージャージー州、メリーランド州等

地域

• MIS(ERCOT電子市場情報提供システム)を構築し、管理

• OASISを構築し、管理情報公開システム(OASIS(注

1))の運用

• テキサス行政手続法(APA) に基づき、代替的紛争解決法(ADR) の仲裁、調

停プロセスを実施。

• 仲介・調停委員会を設置紛争処理

ERCOT ISOPJM ISO

(注1)OASIS:利用可能送電能力(ATC)と合計送電能力(TTC) を掲載した情報公開システムをOASISと呼ぶ。

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中立機関の業務②中立機関の業務②

• 一日前市場、リアルタイム市場を開設• なし(将来的に一日前市場、リアルタイム市場を開設予定)

卸電力市場の運営

• 送電設備保守のための作業停止計画を承認・却下する権限を有する。(RTO)

• 発電ユニット保守のための作業停止計画については、必ずしも権限を持たなくてもよい。(RTO)

• 送電設備保守のための作業停止計画を承認・却下する権限を有する。

• 発電ユニット保守のための作業停止計画については、信頼度維持の観点から計画の再調整を指示することが出来る。

発送電設備保守のための作業停止計画への権限

• RTOは、系統信頼度を確保し、効率的な送電サー

ビスを提供するために必要な送電系統拡張計画を策定し、送電線所有者に指示する 終責任を有する。

• ISOが送電線建設計画策定の責任を負う。

計画の策定は、利害関係者の合意に基づき行われ、送電線保有者は計画に基づき送電線敷設の責任を課せられている。

送電線建設計画

• 市場の欠陥や市場支配力の行使を認めた場合には、必要な改善措置を提案しなければならない。(RTO)

• 内部に市場監視局(MMU(注3))設置(SMD)• 独立的な広域諮問委員会(RSAC(注4))からの助言を得る。(SMD)

• 独立的な市場監視委員会(IMM)設置市場監視

• OASISを構築し、管理

• 紛争処理委員会を設置

• 託送料金算定規則に従い送電線保有者が算定した託送料金表を管理し、FERCの認

可を得る窓口となる。

• 対象地域の地域信頼度評議会が実施。(MAPP、MAIN、ECAR、SPP)

• 配電事業者等の提出する値を基に作成• 5年~10年(毎年)

• 統合中央給電システムにより、送電システムの監視と管理を行っている。

• イリノイ州等の米国15州及びカナダ1州

Midwest ISO

• 配電事業者等、利害関係者の提出する値を基に、毎年地域の需要予測を作成(SMD)

需要予測

• 北米信頼度協議会(NERC)及び地域信頼度協

議会の基準に従う。信頼度評価

• RTOは管轄下にある全ての送電線の運用制御

に責任を有する。中央給電連絡機能

• 発送電設備の効率的利用及び拡張促進のため、送電料金表管理及び、二重取りのない送電料金体系を確立する義務を有する。

託送料金の管理

地域

• RTOがOASISを一元的に管理する。情報公開システム(OASIS)の運用

• 内部に扮装処理手続きを設置する。(SMD)紛争処理

RTO、SMD(注2)の要件

(注2)SMD:Standard Market Design(標準市場設計)、ここでは2002年7月末にFERCより提案された内容に基づいている。(注3)MMU:Market Monitoring Unit(市場監視局)(注4)RSAC:Regional State Advisory Committees(送電機関のエリアに含まれる州の代表者で構成される)

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Ⅴ.その他の中立機関の業務

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●地点間送電サービスとして申し込み(年、月、週、日)

●全量NordPoolのスポット市場を通じて決定

●ベルギー、デンマーク:入札(年、月、日)●他は託送申込による

●イギリス:入札(3年、年、日)●他は託送申込による

連系線空容量配分方法

当日~1年先翌週、当日混雑発生期間、長期的な状況

当該週、2日前、当日

対象期間

●PJM ISOの開設するOASISを通じて閲覧可能

●北欧共通のEDIELという情報システムを構築●Nord Poolのホームページでも閲覧可能

●RWE Netのホームページで閲覧可能

●RTEのホームページで閲覧可能

通知方法

PJM ISOStatnettRWE NetRTE系統運用機関

米国ノルウェードイツフランス

(注)ETSO(欧州系統運用者協会)では、年2回(夏期、冬期)国際連系線の託送可能容量を公開して   いる他、系統運用者間の情報システム構築に関する協議を行っている。

各国の国際(地域間)連系線託送可能容量確認方法各国の国際(地域間)連系線託送可能容量確認方法各国の国際(地域間)連系線託送可能容量確認方法各国の国際(地域間)連系線託送可能容量確認方法

●連系線の託送可能容量の公表は、共通の情報システムやインターネットを通じて行

 われる例が多い。

●託送可能容量の配分は、通常は託送申込を通じて配分される。欧州の一部では入札入札入札入札

 が実施されており、また北欧では国際連系線を経由する電力取引を全てスポット市場スポット市場スポット市場スポット市場

 を介するものとしている。米国では、混雑の状況によって送電線利用の可否が決まる

 託送契約の種類(Firm、、、、non-Firm)がある。

●連系線の託送可能容量の公表は、共通の情報システムやインターネットを通じて行

 われる例が多い。

●託送可能容量の配分は、通常は託送申込を通じて配分される。欧州の一部では入札入札入札入札

 が実施されており、また北欧では国際連系線を経由する電力取引を全てスポット市場スポット市場スポット市場スポット市場

 を介するものとしている。米国では、混雑の状況によって送電線利用の可否が決まる

 託送契約の種類(Firm、、、、non-Firm)がある。

国際連系線託送容量確認方法国際連系線託送容量確認方法

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緊急時の措置:PJM ISOの例緊急時の措置:PJM ISOの例

発電

初期

力警

下警

需要

荷削

期予

警告

下警

重要

の負

手引

基づ

荷遮

発電

負荷

削減

テレ

ラジ

荷削

要建

負荷

的需

負荷

に基

負荷

警報 警告 行動

(出所)PJM Manual for Emergency Operations より作成

容量不足時緊急手続きのフロー容量不足時緊急手続きのフロー

� PJM ISOはエリア監視、緊急宣言、参加者運用指示に関して責任を有し、緊急事態の管理

、緩和、終了それぞれにおいて非差別的に会員に適用される。

� PJM ISOと会員会社は、協定やMAACの信頼度基準、PJMマニュアルなどに基づいて行動し、緊急宣言は解除されるまで拘束力を持ち、既存契約があってもPJM ISOの指示に従う。PJM ISOは参加者からエネルギーを売買し、緊急時に対応する権限を有する。

� 各会員会社は、PJM ISOの命令、承認のもと系統操作、発電、負荷制限等の措置を講ずる

� PJM ISOはエリア監視、緊急宣言、参加者運用指示に関して責任を有し、緊急事態の管理

、緩和、終了それぞれにおいて非差別的に会員に適用される。

� PJM ISOと会員会社は、協定やMAACの信頼度基準、PJMマニュアルなどに基づいて行動し、緊急宣言は解除されるまで拘束力を持ち、既存契約があってもPJM ISOの指示に従う。PJM ISOは参加者からエネルギーを売買し、緊急時に対応する権限を有する。

� 各会員会社は、PJM ISOの命令、承認のもと系統操作、発電、負荷制限等の措置を講ずる

◎ 容量不足時の対応

� 警報:会員企業の供給不足に対する準備期間を与えるため、実際の緊急事態に先立って発表される。

� 警告:PJM制御区域の供給信頼度に影響を与えるような現実の容量不足や不測の事態について会員企業に通知する目的から、現在の運用状態の間に(緊急体制に入る前に)発表される。

� 緊急事態に対する実際の行動:順に 大緊急発電、負荷管理(第1段階~第4段階)、需要家に対するラジオ・テレビ使用抑制要求、電圧低下及び非不可欠負荷削減、需要家による自主的な負荷削減、手引書に基づく負荷遮断の6段階で実施される。

◎ 送電、その他緊急時の対応

� 緊急運用マニュアルにより、雷等の自然災害やシステム障害時、異常気象時の安定性維持のための運用が定められている。

◎ 容量不足時の対応

� 警報:会員企業の供給不足に対する準備期間を与えるため、実際の緊急事態に先立って発表される。

� 警告:PJM制御区域の供給信頼度に影響を与えるような現実の容量不足や不測の事態について会員企業に通知する目的から、現在の運用状態の間に(緊急体制に入る前に)発表される。

� 緊急事態に対する実際の行動:順に 大緊急発電、負荷管理(第1段階~第4段階)、需要家に対するラジオ・テレビ使用抑制要求、電圧低下及び非不可欠負荷削減、需要家による自主的な負荷削減、手引書に基づく負荷遮断の6段階で実施される。

◎ 送電、その他緊急時の対応

� 緊急運用マニュアルにより、雷等の自然災害やシステム障害時、異常気象時の安定性維持のための運用が定められている。

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緊急時の措置:カリフォルニア ISOの例緊急時の措置:カリフォルニア ISOの例

輪番停電等で負荷の削減を実施の可能性

輪番停電の実施による需給逼迫の回避を準備

予備率1.5%以下となる状態が2時間以内に予想される

ステージ3

供給遮断可能需要家は、通知に基づき負荷を削減の可能性

供給遮断可能需要家の供給遮断による需給逼迫の回避を準備

予備率5%以下となる状態が2時間以内に予想される

ステージ2

発電可能容量の大値を ISOに

通知する義務

需要家への節電の呼びかけ

予備率7%以下となる状態が2時間以内に予想される

ステージ1緊 急警報

(E mergency)

発電可能容量の大値を ISOに

通知する義務

市場以外からの電力調達を市場に通知

翌日の取引開始前に需要予想に対して供給力が不足

注意警報

(Warning)

市場参加者に対応を通知

翌日の需要予想に対して供給力が不足

警戒警報

(Alert)

需要家発電事業者系統運用者状態警報レベル

� 緊急時系統運用手続き(Emergency Operations Procedures)に従い、ISO及び市場参加者は行動することが求められる。警報レベルは大きく5段階に分けられ、

原則的に需要予測と供給力(予備力)の観点から、警報が発せられる。

� 緊急時系統運用手続き(Emergency Operations Procedures)に従い、ISO及び市場参加者は行動することが求められる。警報レベルは大きく5段階に分けられ、

原則的に需要予測と供給力(予備力)の観点から、警報が発せられる。

(出所)カリフォルニアISO, “Alerts, Warnings, and Emergency -- White Paper”等より作成

70

26

181

180

168

2001

1365547ステージ3

4620--ステージ2

2808568ステージ1緊 急警報

2233427注意警報

26577128警戒警報

計200019991998警報レベル

警報の発動回数警報の発動回数

(注)2001年は、10月16日までの値(出所)カリフォルニアISO、”System Status Log”より作成

警報レベルと系統運用者・市場参加者の対応 警報レベルと系統運用者・市場参加者の対応

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諸外国における需要予測の方法諸外国における需要予測の方法

•翌年の夏・冬(毎年公表)

•10年間(毎年公表)

•各社等からの提出する値を基に作成

•WECC(西部電力調整委員会)

米国西部地域(カリフォルニア州、オレゴン州等)

•7年(Seven YearStatementで公表)

•需要家、配電事業者等から提出される情報を基に高成長シナリオ、低成長シナリオを算出

•National Grid(送電会社)イギリス

•3年( 新は2002年~2004年)

•9年( 新は2002年~2010年見通し)

•各国系統運用者の提出する値を集計

•Nordel(系統運用者協会)北欧

•翌年の夏・冬(毎年公表)

•10年間(毎年公表)

•配電事業者の提出する値を基に作成

•PJM ISO(独立系統運用者)

ペンシルベニア州、ニュージャージー州、メリーランド州等

•20年•連邦経済省の委託を受けて、統計局が公表する情報等を基に推計

•Prognos AG(民間のコン

サルティング会社)ドイツ

•詳細は未決定•詳細は未決定•RTE(系統運用者)フランス

•3年(毎年公表)•各国の提出する値を集計•UCTE(電力系統調整協議会)

大陸欧州

•12ヶ月各週(毎月公表)

•5年(年2回公表)

•小売事業者等からの情報提供を受け、過去のデータを基に推計

•ERCOT ISO(独立系統運用者)

テキサス州

•地域毎の信頼度協議会の提出する値を集計

算定方法

•翌年の夏・冬(毎年公表)

•10年間(毎年公表)

•NERC(北米信頼度協議会)

北米

対象期間策定主体国・地域

� 米国ではNERC(北米信頼度協議会)が毎年10年先までの需要( 大

電力・需要電力量)の見通しを公表している関係で、各地域信頼度協議会を中心に10年程度の需要予測を実施する場合が多い。

� 欧州では、大陸欧州でUCTEが毎年3年の需要( 大電力)見通しを作

成しているものの、各国で対象期間の異なる場合が多い。

� 米国ではNERC(北米信頼度協議会)が毎年10年先までの需要( 大

電力・需要電力量)の見通しを公表している関係で、各地域信頼度協議会を中心に10年程度の需要予測を実施する場合が多い。

� 欧州では、大陸欧州でUCTEが毎年3年の需要( 大電力)見通しを作

成しているものの、各国で対象期間の異なる場合が多い。

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米国における送電線同時公開システム(OASIS)の概要

米国における送電線同時公開システム(OASIS)の概要

米国連邦エネルギー規制委員会(FERC)は、1996年、「送電線の開放、及び回収不能投資費用に関する規則(Order 888)」および「送電線の情報公開、及びその運用の基準に関する規則(Order 889)」を発令し、送電線の利用を開放させるとともに、全ての市場参加者が同じ条件で公平に送電線を利用できるよう、送電線に関する情報を公開することを要求している。

1. 送電線同時情報公開システム(OASIS)による情報公開状況   送電線の利用希望者が、インターネットを通じてアクセスできる送電線同時情報公開システムは、OASIS(Open Access Same Time Information Systems)と呼ばれ、送電線の所有者又は系統運用者は、これを構築、管理し、送電線利用者に非差別的に送電線に関する情報を公開している。

2. 情報を公開する必要のある送電線   送電線提供者が、OASISに合計可能送電電力(TTC)と利用可能送電電力(ATC)を公開する義務のある送電線の種類は以下のとおりであり、すべての送電線利用者に対する非差別的な情報提供を可能にすることを目的としている。

 ・2つの制御地域を連系する送電線 ・過去12ヶ月以内に24時間以上、送電サービスの利用申請の拒否や送電サービ  スに基づき電力取引の制限が実施された送電線 ・送電線利用者から情報の掲載希望があった送電線

3. 公開される情報   次の各項目については、すべてOASISに表示しなければならない。 ・合計可能送電能力(TTC)と利用可能送電能力(ATC) ・送電サービスの内容と価格 ・アンシラリーサービスの内容と価格 ・送電線利用の申請と回答 ・送電系統状況に関する情報 ・送電線利用計画に関する情報   実際には、個々の発電出力や需要の変化に伴って送電系統の潮流状況も変化するので、系統状況で変化する合計可能送電能力(TTC)と利用可能送電能力(ATC)を時々刻々と算定してOASISで公開することは現実的に不可能であるため、必要な送電線に限って、月次別(当月以降12ヶ月間)、日次別i当日以降30日間)及び時間帯別(現時点から168時間)を算定して公開されている。

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Ⅵ.中立機関の定めるルールの担保方法Ⅵ.中立機関の定めるルールの担保方法

• 系統使用協定(VVⅡ+)に違反した場合は、仲裁裁判所で処理される。

• 系統運用規則(Grid Code)では罰則の規程なし。

• 罰則等は州法で規定。

• 仲裁・調停委員会で当事者間の紛争として処理することも出来る。

• 小売販売を行う場合には、小売事業者としての位置付けになる。

• 仲裁・調停委員会で当事者間の紛争として処理することも出来る。

マーケター(卸電力取引事業者)

• 系統使用協定(VVⅡ+)に違反した場合は、仲裁裁判所で処理される。

• 系統運用規則(Grid Code)では罰則の規程なし。

• 供給力確保義務の違反に対して、ERCOTは罰金(不足料金)

を課すことが出来る。

• 仲裁・調停委員会で当事者間の紛争として処理することも出来る。

• 供給力確保義務の違反に対して、PJMは罰金(不足料金)を課すこ

とが出来る。

• 信頼度保証協定の義務に違反した場合には、PJMは罰則を課す

ことが出来る。

小売事業者

• 系統使用協定(VVⅡ+)に違反した場合は、仲裁裁判所で処理される。

• 系統運用規則(Grid Code)では罰則の規程なし。

• 発電事業者の罰則は、州法で規定される程度。

• ERCOTの運用に関しては、計

画から外れた発電所の運用はインバランス料金が適用され、これがペナルティーに相当すると考えられている。

• 仲裁・調停委員会で当事者間の紛争として処理することも出来る。

• 発電事業者の罰則は、州法で規定される程度。

• PJMの運用に関しては、計画か

ら外れた発電所の運用はインバランス料金が適用され、これがペナルティーに相当すると考えられている。

• 仲裁・調停委員会で当事者間の紛争として処理することも出来る。

発電事業者

ドイツERCOT ISOPJM ISO

• 接続義務、託送義務、供給の途絶の場合には、引き起こされた損害を補償する義務を負う。(電力市場法第44条)

• ライセンス無くもしくはライセンス条件に反する系統運用を行った者は、罰金もしくは 大6ヶ月の禁固刑が適用される。(同法第45条)

• 不法に発電所を建設した場合、もしくは使用燃料を無許可に変更した場合、罰金もしくは 大6ヶ月の罰則が適用される。(同法第46条)

フィンランド

• ライセンス保有者がライセンス条件、行政命令、及び行動基準に違反した場合、GEMA(ガス電力市場局)が罰金を課すことが出来る。罰金は年商の10%の範囲内。(公益事業法第59条)

• ライセンス保有者に違反、もしくは違反の恐れがある場合に、GEMAはその遵守を命令することが出来る。(公益事業法60法)

イギリス

• CRE(電力規制委員会)に制裁権限が与えられており、不当な行為を行った業者に対して系統アクセスの禁止や年商の5%までの罰金を科すこともできる。(電力自由化法第40条)

フランス

罰則規定

自主協定における担保方法例自主協定における担保方法例自主協定における担保方法例自主協定における担保方法例自主協定における担保方法例自主協定における担保方法例自主協定における担保方法例自主協定における担保方法例

法律による担保方法例法律による担保方法例法律による担保方法例法律による担保方法例法律による担保方法例法律による担保方法例法律による担保方法例法律による担保方法例

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