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95 宮崎医会誌 2012 ; 36 : 95-101. 臨床研究 高齢男性において下部尿路症状(LUTS)の多く は,前立腺肥大症(BPH)が原因であり,BPH患 者の50〜75%が過活動膀胱(OAB)を合併すると いわれている 1) 。また,LUTSは排尿症状,蓄尿症状, 排尿後症状に分けられるが,特に蓄尿症状が患者の 生活の質(QOL)を低下させるとされている 2) 。こ のように,臨床の場において,蓄尿機能障害である OABの改善は,LUTS/BPHの治療において最も重 要な目標の一つである。BPHに対する薬物療法に 関しては,現在のところα1 遮断薬が第一選択であ り,BPHに伴うOABに対してもその有効性が数多 く報告されている 3,4,5) 。しかし,α1 遮断薬単独で は十分な効果が得られずに,約3分の1の患者で OABが残存することも報告されている 4) 。今回, LUTS/BPHに対するα1 遮断薬単独療法の有用性を 検討するとともに,OABが残存する患者背景を調 べる目的で,治療前後でのOABの有無に関して, 治療前の各症状スコア,年齢,前立腺体積について 検討をおこなったので報告する。 対象と方法 2008年6月から2010年5月までの2年間にLUTS を主訴として当診療所を受診し,LUTS/BPHと診 断した222例の未治療患者を評価対象とした。なお, 前立腺癌,尿路感染症,神経因性膀胱など明らかに LUTSの原因となる疾患が認められる患者,および 認知症など問診票に記入できない患者は対象から除 外した。治療はタムスロシン塩酸塩0.2mg/日,シ ロドシン8mg/日,およびナフトピジル75mg/日の 3剤を使用し,単独投与を基本とし,患者の希望に よりα1 遮断薬の変更や,抗コリン剤を追加投与し た患者は,今回の検討からは除外した。また,初診 時に前立腺体積および残尿量を超音波断層装置にて 経腹的に測定した。治療前,α1 遮断薬投与1ヵ月後, および3ヵ月後に国際前立腺症状スコア(IPSS), 過活動膀胱症状スコア(OABSS),QOLスコアの 調査を行い検討した。対象は連続して内服が継続さ れた患者のみで,一度でも再来の無かった患者は有 効性評価対象外とした。OABの判定には,過活動 膀胱ガイドラインの推奨する基準(尿意切迫感スコ 村岡泌尿器科内科(宮崎市) 過活動膀胱の有無による男性下部尿路症状/ 前立腺肥大症に対するα 1 遮断薬単独療法の 臨床的有用性の検討 村岡 敬介 要約:男性下部尿路症状/前立腺肥大症222例に対し,過活動膀胱(OAB)合併の有無によるα1遮断薬 単独療法の有用性とその限界について検討を行った。治療前後の,国際前立腺症状スコア(IPSS),過 活動膀胱症状スコア(OABSS),QOLの各スコア,および,年齢,前立腺体積を評価した。129例(58.1%) にOABの合併が認められ,OAB非合併群と,年齢,前立腺体積など患者背景には有意な差は認めなかっ た。OABの有無にかかわらず,α1 遮断薬単独療法でIPSS,OABSS,QOLの各スコアは有意に改善したが, 3ヵ月の治療で約28%の患者にOABが残存した。残存率は,70歳未満かつ前立腺体積45ml未満の患者 (18.2%)に比べ,70歳以上かつ前立腺体積45ml以上の患者(53.8%)が有意に高かった。 〔平成24年3月2日入稿,平成24年4月11日受理〕

臨床研究 - 宮崎県医師会ˆ’ 95 − 宮崎医会誌 2012 ; 36 : 95-101. 臨床研究 緒言 高齢男性において下部尿路症状(LUTS)の多く は,前立腺肥大症(BPH)が原因であり,BPH患

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宮崎医会誌 2012 ; 36 : 95-101.

臨床研究

緒 言

 高齢男性において下部尿路症状(LUTS)の多くは,前立腺肥大症(BPH)が原因であり,BPH患者の50〜75%が過活動膀胱(OAB)を合併するといわれている1)。また,LUTSは排尿症状,蓄尿症状,排尿後症状に分けられるが,特に蓄尿症状が患者の生活の質(QOL)を低下させるとされている2)。このように,臨床の場において,蓄尿機能障害であるOABの改善は,LUTS/BPHの治療において最も重要な目標の一つである。BPHに対する薬物療法に関しては,現在のところα1 遮断薬が第一選択であり,BPHに伴うOABに対してもその有効性が数多く報告されている3,4,5)。しかし,α1 遮断薬単独では十分な効果が得られずに,約3分の1の患者でOABが残存することも報告されている4)。今回,LUTS/BPHに対するα1 遮断薬単独療法の有用性を検討するとともに,OABが残存する患者背景を調べる目的で,治療前後でのOABの有無に関して,治療前の各症状スコア,年齢,前立腺体積について

検討をおこなったので報告する。

対象と方法

 2008年6月から2010年5月までの2年間にLUTSを主訴として当診療所を受診し,LUTS/BPHと診断した222例の未治療患者を評価対象とした。なお,前立腺癌,尿路感染症,神経因性膀胱など明らかにLUTSの原因となる疾患が認められる患者,および認知症など問診票に記入できない患者は対象から除外した。治療はタムスロシン塩酸塩0.2mg/日,シロドシン8mg/日,およびナフトピジル75mg/日の3剤を使用し,単独投与を基本とし,患者の希望によりα1 遮断薬の変更や,抗コリン剤を追加投与した患者は,今回の検討からは除外した。また,初診時に前立腺体積および残尿量を超音波断層装置にて経腹的に測定した。治療前,α1 遮断薬投与1ヵ月後,および3ヵ月後に国際前立腺症状スコア(IPSS),過活動膀胱症状スコア(OABSS),QOLスコアの調査を行い検討した。対象は連続して内服が継続された患者のみで,一度でも再来の無かった患者は有効性評価対象外とした。OABの判定には,過活動膀胱ガイドラインの推奨する基準(尿意切迫感スコ村岡泌尿器科内科(宮崎市)

過活動膀胱の有無による男性下部尿路症状/前立腺肥大症に対するα1遮断薬単独療法の

臨床的有用性の検討

村岡 敬介

要約:男性下部尿路症状/前立腺肥大症222例に対し,過活動膀胱(OAB)合併の有無によるα1遮断薬単独療法の有用性とその限界について検討を行った。治療前後の,国際前立腺症状スコア(IPSS),過活動膀胱症状スコア(OABSS),QOLの各スコア,および,年齢,前立腺体積を評価した。129例(58.1%)にOABの合併が認められ,OAB非合併群と,年齢,前立腺体積など患者背景には有意な差は認めなかった。OABの有無にかかわらず,α1遮断薬単独療法でIPSS,OABSS,QOLの各スコアは有意に改善したが,3ヵ月の治療で約28%の患者にOABが残存した。残存率は,70歳未満かつ前立腺体積45ml未満の患者

(18.2%)に比べ,70歳以上かつ前立腺体積45ml以上の患者(53.8%)が有意に高かった。 〔平成24年3月2日入稿,平成24年4月11日受理〕

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アが2点以上でOABSS合計スコアが3点以上)に従った。統計学的検討は,統計ソフトStateMate Ⅲ

(ATMS)を用い,治療前後の比較はWilcoxon signed-ranks test,対応のない2群間の比較はMann-Whitney U test,unpaired t test,およびカイ二乗検定にておこなった。いずれもp<0.05の場合を有意とした。

結 果

1.症例構成 使用したα1 遮断薬は,タムスロシン105例,シロドシン59例,ナフトピジル58例の計222症例で,3剤間の患者年齢,前立腺体積,および症状スコアには有意差は認めなかった。222例のうち,約1ヵ月後に再受診があり,安全性・有効性を評価できたのは188例(84.7%)であった。更に約3ヵ月後に継続して再受診があり,安全性を評価できたのは112例(50.5%)であった。そのうち,抗コリン剤を追加併用した20名および他のα1 遮断薬に変更した14例を除外した結果,約3ヵ月後にα1 遮断薬単独治療の有効性評価可能症例は78名(35.1%)であった。2.患者背景 対象222例のLUTS/BPH患者のうち,OAB合併は129例(58.1%)に認められ,OAB合併群129例とOAB非合併群93例の患者背景のうち年齢,前立腺体積,残尿量PSA値には有意な差は認めなかった

(表1)。OABの有無別で初診時の各スコアを2群間で比較すると,QOLスコア,IPSSおよびOABSS

はともにOAB合併群が有意に高かったが,IPSSの排尿症状スコアおよびサブスコアのうち尿腺途絶および尿勢低下スコアでは2群間に有意差を認めなかった(表2)。3.α1遮断薬単独療法の効果 OABの有無にかかわらず,IPSS,QOLスコアはα1 遮断薬単独による治療開始約1ヵ月後には有意な改善がみられ,OABSSはOAB合併群で約1ヵ月後に,OAB非合併群でも約3ヶ月後には有意な改善が認められた(図1)。OABの合併率は,治療前の58.1%が1ヶ月後には42.6%,3ヵ月後には28.2%と減少した。治療3ヵ月後でOAB合併の有無による治療前の患者背景の比較では,OAB合併群はOAB非 合 併 群 に 比 べ, 有 意 に 年 齢, 初 診 時 のOABSS,及びQOLスコアが高かったが,前立腺体積,残尿量,及び初診時のIPSSには有意な差を認めなかった(表3)。4.�年齢・前立腺体積からみた治療前後のOAB合併率

 治療前後でのOABの合併率は,年齢は70歳,前立腺体積を45mlで区分し検討した結果,治療前には70歳未満かつ45ml未満の患者が53.0%であるのに対し,70歳以上かつ45ml以上の患者は68.0%とOABの合併率に有意な差は認めなかった。しかし,治療3ヵ月後でのOABの合併率は70歳未満かつ45ml未満の患者が18.2%であるのに対し,70歳以上かつ45ml以上の患者は53.8%と有意に高かった(表4)。5.�年齢・前立腺体積からみたOABの重症度と改

表1.Differences in clinical characteristics between patients with or without OAB.

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村岡 敬介:LUTS/BPHに対するα1 遮断薬単独療法

表2.Differences in baseline symptom scores between patients with or without OAB.

図1.�Changes of symptom scores in patients with or without OAB at 1 and 3months after α-1 blocker monotherapy.

善スコア 治療前において,年齢とIPSSの蓄尿症状スコア及びOABSSは有意に相関し(p<0.001),年齢が高

いほどOABの重症度が高い一方で,前立腺体積とOABSSには相関は認めなかった(図2)。治療3ヵ月後において,OABSSの改善スコアは,年齢間に

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表3.�Clinical characteristics of patients with or without OAB 3 months after α-1 blocker monotherapy.

表4.%OAB�before�and�3�months�after�α-1�blocker�monotherapy.

はほぼ差はないのに対し,前立腺体積が45ml以上の群は45ml未満の群に比べ有意差はないもののOABSSの改善スコアが悪く,OABSSの夜間頻尿スコアは有意に改善が悪かった(表5)。6.安全性 有害事象として,タムスロシンによる薬疹と思わ

れる症例が1例とシロドシンによる鼻閉が1例,シロドシン内服後に失禁の悪化を訴えた1例は内服を中止した。

考 察

 過活動膀胱(OAB)は,尿意切迫感を必須とし

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村岡 敬介:LUTS/BPHに対するα1 遮断薬単独療法

表5.Changes�in�OABSS�between�before�and�3�months�after�α-1�blocker�monotherapy.

図2.Relationship between severity of OAB and patients' characteristics.

頻尿や夜間頻尿などの蓄尿症状を伴う症状症候群であり,その病因は,神経性と非神経性に分けられ,非神経性には前立腺肥大症(BPH)などの下部尿路閉塞(BOO),加齢,骨盤底の脆弱化,および特発性が含まれる1)。BPHにおいて高頻度にOABが合併することが知られているが,今回の結果でも,58.1%の症例にOABを認められ,従来の報告とほぼ同様の結果であった。 BPHにOABが合併する原因としては,BOOに伴

う膀胱壁の進展と高圧,尿道の易刺激性がその根底にあると考えられている1)。今回の検討で,OABの有無による年齢や前立腺体積といった患者背景に有意差は認めなかったが,年齢とOABの重症度が相関することは,加齢がOABの発生の重要な要素であることを改めて認識する結果であった。その一方で,今回,前立腺体積とOABの重症度が相関しなかったことは,“Haldの3つの輪6)”で示されるように,良性前立腺肥大(BPE)とBOOは必ずしも

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一致しておらず,前立腺容量だけではOABの一因であるBOOの程度を予想することが困難であることを意味している。さらに,OAB合併群とOAB非合併群の間の各症状スコアにおいて,尿腺途絶,尿勢低下の2つの排尿症状スコアのみに有意差を認めなかったことは,BPHにおけるOABの発現機序においても,単純にBOOがOABを起こしているのではないことを示唆するものとも考えられた。 現在,BPHに対しての薬物療法は,α1 遮断薬が第一選択であるが,OABを伴うBPHに対しても同様にα1 遮断薬が使用され,OABを改善することが報告されている3,4,6)。近年,α1 遮断薬が,OAB症状を改善するメカニズムは,C繊維を介した尿道−膀胱反射経路を抑制すること7)や,膀胱血流の改善効果8)などが報告されている。しかし,タムスロシンでOABが消失するのは3人に2人であるという報告5)にもあるように,α1 遮断薬単独ではOABが残存するのも事実である。今回の検討でも,3ヵ月でOABの合併率は治療前の58.1%から28.2%へ減少し,α1 遮断薬単独でもOABの改善は認められるものの完全には消失しておらず,α1 遮断薬単独ではOABの消失に限界があると考えられる。 我々は,OABを伴うBPH患者105例に対しタムスロシン単独療法を行った結果,3ヵ月でOABが消失しない症例は約3割で,これらの患者は,有意差はないものの,高齢者で初診時の前立腺が大きいといった傾向にある事を報告した9)。今回の検討では,3剤のα1 遮断薬を使用しており,各薬剤間の効果やOABの改善度に差がある可能性が否定できないものの,一般の外来診療において使用頻度が高い3剤での検討において,年齢70歳以上で前立腺体積が45ml以上の患者は,70歳未満で45ml未満の患者に比べ,α1 遮断薬単独での3ヵ月の治療では,有意差を持って残存するOABの合併率が高い結果を得たことは重要と考える。BPHはMTOPS試験のサブ解析などで明らかになっているように,進行性の疾患であり,α1 遮断薬による薬物療法の予後規定因子として,下部尿路症状スコア,前立腺容積,最高尿流率,加齢などが挙げられている10,11)。今回の検討で,年齢や前立腺体積は,LUTS/BPHに伴うOABの治療に関しても,α1 遮断薬単独療法の限界

を予測する上で重要な因子であると思われる。 日常診療において,α1 遮断薬単独療法では改善しないOABに対し,抗コリン剤が併用されており,α1 遮断薬との併用効果や安全性12,13,14)も報告されてきた。近年,我が国においても,TAABO試験15)

やASSIST試験16)といったエビデンスレベルの高い報告もされている。しかし,大きな前立腺において,抗コリン剤の併用は排尿筋の収縮を抑制する作用のため,急性尿閉などの危険性があるのも否定できず,今回の検討で,前立腺体積が大きいほど,α1 遮断薬単独療法ではOABの改善が悪いことは,抗コリン剤の併用を考える上で,臨床的に重要な問題である。 近年,本邦においても5α還元酵素阻害剤であるデユタステリドが臨床的に使用可能になり,BPHに対する薬物療法において,“前立腺の縮小”に伴うLUTSの 改 善 効 果 に も 期 待 が も た れ て い る。CombAT試験でも明らかになったように,α1 遮断薬とデユタステリドの併用療法は,特に大きな前立腺ほどIPSSの改善に有効である16)。今後,前立腺の大きな患者のOAB症状において,抗コリン剤併用による尿閉などの危険性も否定できない場合,デユタステリドの併用も選択肢の一つとして期待される。

参 考 文 献

1) 日本排尿機能学会.過活動膀胱ガイドライン作成委員会編集.過活動膀胱診療ガイドライン.ブラックウエルパブリッシング,東京,2005.

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村岡 敬介:LUTS/BPHに対するα1 遮断薬単独療法

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Investigation of the Clinical Efficacy of Treatment with α- 1 Blocker Monotherapy for Male Lower Urinary Tract Symptoms / Benign Prostatic Hyperplasia Patients With or Without an Overactive Bladder

Keisuke Muraoka

From Muraoka Clinic of Urology and Internal medicine, Miyazaki.

AbstractWe investigated the efficacy and limitation of α- 1 blocker monotherapy in 222 patients with male lower urinary tract symptoms / benign prostate hyperplasia with or without an overactive bladder

(OAB). The international prostate symptom score(IPSS), OAB symptom score(OABSS), quality of life(QOL)index, patients' age and prostate volume were assessed before and after monotherapy. OAB coexisted with BPH in 58.1% of the patients, and no significant differences between patients with and without OAB were found in the patients' background, including the age and prostate volume. α- 1 blocker monotherapy improved IPSS, OABSS, and the QOL index regardless of the coexistence of OAB, whereas OAB persisted in about 28% of the patients three months after the monotherapy. The rate of the presence of persistent OAB was significantly higher in patients of ≧ 70 yr and with a prostate volume of 45 ml than those of < 70 yr and with a prostate volume < 45 ml(53.8 vs. 18.2% , respectively).

Key�words:lower urinary tract symptoms, benign prostatic hyperplasia, overactive bladder, α- 1 blocker monotherapy