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SHONAN Campus 2017 湘 南 心理 社会学科 東海大学 文学部 Department of Psychological and Sociological Studies School of Letters

学 科案 心理 社会学科 - u-tokai.ac.jp · 社会の多くの方々から相談を受け付けてい ます。心理・社会学科に所属する臨床心理 士の先生とobの臨床心理士が相談を担当

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SHONANCampus

2 017学 科 案 内湘 南心理・社会学科

東海大学 文学部D

epartment of P

sychological and Sociological Studies

Sch

ool of Letters

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■ 心 理・社 会 学 科02

心 理・社 会 学 科

・心理・社会学科の学びのシステム・2つの学びの体系+学びの技法の連携で、学年に応じた学びのステップアップをはかります。

・臨床心理学・・脳と心・・行動分析学・

・パーソナリティ論・・認知心理学・

ほか

人間と心理人とこころを

科学し支援する学びの体系・地域社会論・・組織心理学・

・ジェンダーの心理学・・ジェンダーの社会学・・大衆行動論・

ほか

集団と社会共生する社会を構想し参画を目指す学びの体系

・臨床ボランティア実習1・2・・プロジェクト演習1・2・・心理学療法演習1・2・・質問紙調査演習1・2・・インタビュー調査演習・

ほか

演習・実習・研究法確かな知識や情報を

習得し活用する学びの技法

Department of Psychological and Sociological Studies School of Letters

 文学部心理・社会学科では、次のように教育目標を定めています。 心理学・社会心理学・社会学の学びや、統合的な多くのフィールド実践を通じて、実社会で活かせる“コミュニケーション能力”と“社会的構想力”を育てることを教育目標にしています。コミュニケーション能力とは、人間関係の充実に必要な社会的スキルです。社会構想力とは、社会的課題や問題に対して具体的な解決策や行動計画を提案できる力です。この2つの能力を基礎にして、心の安定に関する技法と、人と地域をつなぐ主導性を育成します。 この教育目標を理解し、その目標を達成するために自ら学ぶ意欲を持った人を求めます。

東海大学では建学の精神に基づき、「自ら考え、集い、挑み、成し遂げる」これら4つの力を身につけ、時代に即応できる人材を育成します。

東海大学が育成する力●●●●

本学全体及び各入学試験のアドミッション・ポリシーは、東海大学オフィシャルサイトにてご確認ください。

▶http://www.u-tokai.ac.jp/admissionpolicy

スマホ専用▶

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BP

Department of Psychological and Sociological Studies ■ 03

学科が伸ばす実用的な力① 学科が伸ばす実用的な力②

臨床ボランティア、プロジェクト、カウンセリングの実習や演習、ディスカッションによって、人のことばや気持ちを受けとめ、自分の考えや気持ちを適切に伝える力を伸ばします。

質問紙調査やインタビュー調査などの演習、ゼミナールや卒業論文のなかで、さまざまなメディアを駆使して事実や情報を収集し、有益な知識を得る経験を深め、現代社会を読み解く力を伸ばします。

多くのフィールド実践を通じて実社会で活かせるコミュニケーション能力と社会的構想力を育てます 心理・社会学科では、学生が心理学・社会心理学・社会学の学びを学年に応じて積み上げていくなかで、人間関係の充実に必要な社会的スキルや、社会的な問い、ニーズに対して具体的な解決策や行動計画を提案するための構想力を育てていきます。 1年次は、学生の能力を引き出す学びの環境として、少人数クラスの基礎ゼミナールを充実させています。教員とのオープンなやり取りを通じて、自分に合った学びのスタイルをデザインすることもできます。また、さまざまなフィールドで通用する知識を深め卒業後も活用することができるように、多くの演習・実習に参加して、体験を通じた実践的な学びを目指すこともできます。

実用的な力を高める科目群

カリキュラムの構成と能力育成の方針

サポートサポート

活用活用

コミュニケーション能力 社会的構想力

[講義]カウンセリング、家族関係論、ストレス心理学、人間関係の心理、コミュニティ心理学、コミュニティと社会支援など[演習・実習・研究法]心理学療法演習1・2、臨床ボランティア実習1・2、プロジェクト演習1・2、質問紙調査演習1・2、、インタビュー調査演習、社会調査入門、ゼミナール1~3、卒業論文、卒業演習など

心理学・社会学への実社会からのニーズ

・心理社会的支援人々の安心や安全への要請に対応する多くの技法・臨床療法・社会連携人と人、人と地域をつなぐ技法・企画力・主導性

コミュニケーション能力

さまざまなフィールドや集団において、相互の理解や受容、共生をはかるために不可欠な力

社会的構想力

社会的な課題解決や相互作用のために言葉や文章を取得し有効に活用する力

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BP興味や進路に沿った履修モデル

■ 心 理・社 会 学 科04

1年次 2年次 3年次 4年次

一人ひとりの目標の実現をサポート心理・社会学科では、①「社会に関心があり、社会の将来を提案していきたい」、②「人の心理に興味をもち、人間関係の構築にかかわっていきたい」、③「心理学の専門職業人としての進路を目指したい」という3つの科目履修モデルを設定しています。皆さんは、どのモデルに関心をもっていますか。もちろん、学生の一人ひとりの関心や進路はさまざまです。そのため本学科では、学生ごとに指導教員が対応しており、履修や進路について十分相談していけるようにコミュニケーション環境を整え、皆さんに合った学修をサポートしています。

・社会学概論

・社会心理学概論

・現代社会とマスメディア

・心理・社会学基礎ゼミ1

・現代文化論

・社会調査入門

・地域社会論

・プロジェクト演習1・2

・社会意識論

・組織心理学

・質問紙調査演習1・2

・ゼミナール1・2

・日本社会の変動

・コミュニティと社会支援

・ゼミナール3

・卒業論文・卒業演習

・心理学概論

・社会心理学概論

・学習心理学

・心理・社会学基礎ゼミ1

・パーソナリティ論

・人間関係の心理

・心理学測定演習

・コミュニティ心理学

・発達心理学

・家族関係論

・インタビュー調査演習

・ゼミナール1・2

・教育心理学

・ジェンダーの心理学

・ゼミナール3

・卒業論文・卒業演習

・心理学概論

・ストレス心理学

・学校心理学

・心理・社会学基礎ゼミ1

・パーソナリティ論

・カウンセリング

・心理学研究法

・臨床ボランティア実習1・2

・臨床心理学1・2

・脳と心

・心理アセスメント

・ゼミナール1・2

・精神医学

・心理療法演習

・ゼミナール3

・卒業論文・卒業演習

社会をデザインしたい

人々の意識や生き方を学び、社会や生活をよりよい方向に変えていく

人間関係をデザインしたい

人々の意識や行動を学び、人間関係づくりにかかわっていきたい

心理学の専門職業人になりたい

カウンセラー・臨床心理士・公認心理師の資格を目指したい

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Department of Psychological and Sociological Studies

School of Letters

Department of Psychological and Sociological Studies ■ 05

将来の進路

広告・エンターテインメント・

情報通信・ファッション・行政機関

などの仕事に就く

小売・金融・生活サービス・福祉・教育

などの仕事に就く

大学院に進学する・カウンセラー・臨床心理士・公認心理師

学科カリキュラムは、臨床心理士養成に向けた大学院課程に直結します!

016年4月より、文学研究科コミュニケーション学専攻臨床心理系が、臨床心理士養成の第1種指定大学院としてスタートします。

 これまでの第2種指定校では、臨床心理士の資格試験を受けるために、大学院卒業後カウンセリング業務に1年間従事する必要がありました。第1種指定によって、今後コミュニケーション学専攻臨床心理学系(前期博士課程)を修了すると、ただちに臨床心理士資格試験への受験資格を取得することができます。

 臨床心理学系では、大学構内に東海大学心理教育相談室を2013年に開設し、地域社会の多くの方々から相談を受け付けています。心理・社会学科に所属する臨床心理士の先生とOBの臨床心理士が相談を担当していますが、大学院生も運営に携わりながら、陪席や面接、プレイセラピーなどの実務を経験します。心理教育相談室は、これから大学院生が臨床心理士養成の実務経験を行う場としてますます大切な役割を果たしていきます。

2

公認心理師養成への東海大学の対応!

015年9月、第186回通常国会において公認心理師法案が承認されました。この法律は、公認心理師の資格を定め、国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とするものです。

この法律が執行されることにより、わが国は2年後に「公認心理師」という国家資格の心理専門家が誕生することとなります。 公認心理師になるためには、今のところ、学部で心理学に関する必須科目を履修した後、大学院に進学する必要があります。大学院で2年間の専門的な知識獲得と実習を経て、修了後、国家試験を受けて合格すると資格が得られます。 公認心理師は、将来、保健医療、福祉、教育などの分野において心理師として活躍するために必要な資格です。心理・社会学科は直結の大学院(コミュニケーション学専攻臨床心理学系)があります。将来、公認心理師の資格をとって、カウンセラーになりたい学生のためにカリキュラムを整備しています。将来、心理学分野の専門家になろうとして学生が満足できるようなカリキュラムを構成していきます。

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BP

■ 心 理・社 会 学 科06

心理・社会学科の特色ある授業

主 専 攻 科 目

 カウンセリングの事例を学び、実習を通じてカウンセリングの技能を身につけていきます。カウンセラーを志す人や人とかかわる仕事がしたい人にとって、とても実践的な授業となるでしょう。

 1年次の春セメスターに行われる少人数編成の演習です。学び方や研究発表の仕方など、日々の受講や研究活動に必要なアカデミックな技法を習得します。ゼミ生同士でのディスカッションやワークショップを通じて相互作用を重視した学習を行い、聞く力・悩む力・伝える力を高めていきます。

 心理・社会学科では、現代社会の諸問題を心と社会の両面から分析する力を身につけることを目指しています。心理学とは何か。社会学とは何か。各領域の基礎から応用までを学んでいく必修科目です。

 対人認知と自己認知、対人関係、説得と態度変化、逸脱行動や援助行動など、社会状況のなかの人間の心理と行動について学び、個人と社会のつながりを理解する基礎を身につけることができます。

 人間関係についての知識を学ぶだけでなく、数名のグループに分かれゲーム感覚で課題を行うことによって体験的に人間関係を学び、他者や自分自身と出会っていきます。

 親子関係、夫婦関係などをめぐる心理学の研究知見から、「家族」について学ぶ講義科目です。自らが育ってきた場としての家族を振り返り、将来の家族について考えるきっかけにもなるでしょう。

 人とかかわる基本的な考え方や方法を学んだ後、教育現場をはじめさまざまな場所に出向き、ボランティア活動を通してヒューマンサービスの実際を体験的に学習する授業です。実社会のニーズや組織の仕組みなどについても知ることができます。

●心理療法演習「箱庭療法」

●ゼミ風景

心理療法演習 1 ・ 2

心理・社会学基礎ゼミ 1

心理学概論/社会学概論

社会心理学概論

実践的なカウンセリングの演習授業

人間関係の心理

家族関係論

臨床ボランティア実習 1 ・ 2

人間関係を通して自分自身を発見する心と社会を基礎から学ぶ

由良 鞠奈さん 2012年度卒業

県立日立第一高等学校(茨城県)出身

 「人間関係の心理」では、人間関係に関する理論や諸問題を学びます。講義形式の授業だけでなく、グループワークなども実施。実際に自分で体験することで、多くのことを感じ、自分自身への新たな気づきを促すことができます。また、互いの意見を受け入れようとする姿勢が重視されているので、グループワークが苦手な人でも、人に意見を上手に伝える練習になると思います。 「家族関係論」では、「家族とはどういうものなのか」について、個人と家族のライフサイクル、夫婦関係や親子関係など、幅広い角度から勉強します。多様な家族のあり方を知ることができ、自分の過去を振り返り、家族との関係性を今後どのように築いていくかを考える良いきっかけになりました。

・授業体験・・・・・・

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Department of Psychological and Sociological Studies

School of Letters

Department of Psychological and Sociological Studies ■ 07

 核家族化や少子化、大学進学率の上昇など、身近な現象をとりあげながら、日本社会がどのように変容しつつあるか考える授業です。現代日本社会が直面している諸問題を、一段深い次元から捉え直す力を養います。

 わが国に「過密都市」と「過疎地域」がなぜ生まれ、それが解消されず多くの問題が放置されているのでしょうか。わが国の大都市部と地方都市が抱えている諸問題をとりあげ、基礎的な数値データをもとにしながら、その原因と解決の方向性を探っていきます。

 教員と学生で調査したいテーマを選び、アンケート調査を企画・実施し、コンピュータによる分析と報告書の作成を実際に体験しながら、人間や社会を分析する方法を学びます。

心理・社会学科

体育学部生涯スポーツ学科

北欧学科

アジア文明学科

ヨーロッパ文明学科

英語文化コミュニケーション学科

政治経済学部経営学科

政治経済学部政治学科

観光学部観光学科

文芸創作学科

広報メディア学科

情報通信学部情報メディア学科

健康科学部社会福祉学科 教養学部

人間環境学科社会環境課程

教育・福祉・カウンセリングの分野で働きたい人

国際的な仕事がしたい人

現代社会やビジネスに関心のある人

情報メディアの分野で働きたい人

マスコミやジャーナリズムの仕事がしたい人

他学部・他学科の副専攻科目の例

放送ジャーナリズム論、雑誌メディア論、広報・広告論など

文芸批評入門、現代文学の展望、映画史入門など

英語学入門、コミュニケーション学入門、異文化間コミュニケーションなど

相談援助の基盤と専門職、障害者福祉論A・

B、子ども家庭福祉論A・Bなど

広報メディア学科の副専攻科目

文芸創作学科の副専攻科目

英語文化コミュニケーション学科の副専攻科目

健康科学部社会福祉学科の副専攻科目

文学部の14学科・専攻と東海大学の他学部・他学科の授業が受けられます*医学部医学科を除く

●調査演習風景

質問紙調査演習 1・2

日本社会の変動

地域社会論

 個人的努力では解決できない社会問題をかかえた現場への参加活動の企画・提案・活動・評価を経験し、支援者と被支援者という隔たりを越えた関係構築を学んでいきます。

プロジェクト演習 1 ・ 2

日常の身近な変化に着目して現代社会を考える 調査法、分析力を身につける

 インタビュー調査の諸手続きを学び、テーマを決めて学内外の人々にインタビューを実施します。録音を起こして記録を作り、その結果を議論しながら報告書を作成します。これまでに行われた調査のテーマは、「働くこととは」、「子どもから見た親」、「昭和の時代を語る」などです。

インタビュー調査演習

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BP

■ 心 理・社 会 学 科08

浅井 千秋 教授芳川 玲子 教授C.AsaiR.Yoshikawa

学科フィールド紹介1

心理学ではフィールドに出かけ、子どもたちを支援する実習があります。その一つ「臨床ボランディア実習」では、「メンタルサポーター」の体験をします。小中学校

や養護学校などへ出向き、いじめ防止のための学級活動、対人関係が苦手な生徒の接し方の模索など、実際に小中学生に接しながら、現場のニーズに合わせて活動を行います。 メンタルサポーター体験後は「やってよかった」ばかりでなく、「もっとこうすればよかった」という思いが出てきます。それでも「自己成長感」、「自分の能力に対する自信」、「感受性」、「問題解決力」が体験前より高くなったと感じている学生が多いようです。心理学は実践的な学問です。実践的な学びを通じて、将来の社会人としての自信も身につきます。

心理学関連の専任教員

心理・社会学科では、現代の人間と社会に関する心理学と社会学の専門家が、ゼミナールなどの少人数クラスで学生の教育とサポートに当たっています。

●サポーターの話し合い

・担当科目・

社会心理学概論、人間関係の心理、組織心理学など

学校教育と不適応、発達心理学、心理アセスメント、臨床ボランディア実習など

・ 専 門 ・

社会心理学・担当科目・

・ 専 門 ・

心理学

有沢 孝治 准教授K.Arisawa

・担当科目・

人間関係の心理、カウンセリング、心理療法演習など

・ 専 門 ・

心理学

芳川ゼミの学外体験

【研究テーマ】組織で働く人の仕事に対する意欲やストレス、職業や企業への適応、職場のメンバーや学校の友人との人間関係と葛藤、大学生の仕事の価値観や職業選択などについて研究しています。また、管理職や看護職、大学生や教員などを対象にグループで話し合いながら学ぶ体験的な学習方法を用いて、職場や学校で役立つコミュニケーション能力を育てる教育研修を行っています。【授業】組織のなかで働く人の行動や心理を学ぶ「組織心理学」では、働くことの意味や優れたリーダーの特徴について話し合い、働くことについて考える実習を行っています。【ゼミナール】働く人の仕事に対する意欲やストレス、職場の人間関係や学校の友人関係などについて、テーマごとのチームでインタビュー調査を行い、その結果を分析して報告書にまとめます。こうした経験は自他の心理を深く理解し、意欲を持って仕事に取り組み、人と信頼関係を築いていく上で大切です。

【研究テーマ】いじめ、発達障害、自殺など学校で発生しているさまざまな問題について子ども、家庭、教師などの観点から研究をしています。特に不登校について複数の研究発表をしています。病院臨床心理学の領域では、ストレス、PTSD、コンサルテーションが主な研究領域になります。また、最近は大学生の無気力や学業を含む大学生活にかかわるさまざまな問題についても研究を進めています。【授業】「学校教育と不適応」は、子どもがなぜ学校教育の中で不適応を起こすのかを探究する科目です。不登校やいじめ・非行はどのような状況のなかで発生しやすく、どのような対応がなされているのかを学びます。【ゼミナール】学生はまず自分の大まかな研究方向を決め、入ゼミ後の3年次は全員で共通した基礎文献をともに読み、理解を深めます。さらに4年次までに自分の研究テーマを決め、一年間をかけて、自分が考案した手法で研究し、卒業論文にまとめていきます。4年間の勉強の集大成となる卒業論文をまとめることで、社会人として必要な企画力、課題解決力やプレゼン力も身につけることができます。また、このゼミは大学院生との触れ合いが多いことも特色で、心理職を目指す学生にとって多方面的な知識を身につけやすいと思います。

【研究テーマ】中学生や大学生、対人援助職に就いている人々の人間関係(友人関係、職場での同僚・上司との関係、対象者との関係など)やコミュニケーション行動に注目しています。どのような活動や体験が人々の良質なコミュニケーションを促し、人間関係の問題の予防に貢献できるのかを考え、心理教育の考え方を柱にグループ体験プログラムの開発とその効果について検討しています。【授業】「人間関係の心理」では、人間関係のなかで起こる諸問題、人間関係研究の沿革、印象形成などについて考え、グループアプローチに関する演習を行います。【ゼミナール】心理教育的グループアプローチの学修とともに、ゼミ生各自で研究テーマを決め、それについて発表と議論を重ねていきます。自分の研究がどのようなことに役に立つのかも考えていきます。また、学生主導の3・4年次合同合宿を行い、各自の研究成果について集中的に検討します。この内容を資料集としてまとめます。

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Department of Psychological and Sociological Studies

School of Letters

Department of Psychological and Sociological Studies ■ 09

心理学関連の専任教員

菅沼 真樹 准教授山田 幸恵 准教授M.SuganumaS.Yamada

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菅沼ゼミナールでは、学外での体験学習の機会を積極的に取り入れています。主な活動の一つは、高齢者福祉施設、児

童福祉施設での見学やボランティア活動です。たとえば、高齢者福祉施設で歌やゲームなどのレクリエーションに参加したり、食事をご一緒したり交流しながら、現場で求められる心理的課題や心理的援助を学んでいきます。こうした自然な場面は、学内の授業で学んだ「傾聴」を実践するチャンスでもあります。学内では出会うことの難しい方々とのやりとりを通して、その楽しさと難しさを実感していきます。

 ほかにも、心理臨床的センスを養うためのワークショップを開催しています。学内の通常授業では実感をともなって理解するのはなかなか容易ではありません。夏休みと春休みに卒業生や大学院生と合同で、さまざまな心理臨床的なワークを体験することで、頭だけではなく体と心で理解していきます。

・担当科目・

家族関係論、心理学概論、心理学実験演習など

臨床心理学、パーソナリティ論、心理学測定演習など

・ 専 門 ・

心理学・担当科目・

・ 専 門 ・

心理学

宮森 孝史 教授T.Miyamori

・担当科目・

脳と心、心理療法演習など

・ 専 門 ・

心理学

学科フィールド紹介菅沼ゼミの学外体験

【研究テーマ】対人場面における不安について研究しています。対人場面における不安での困難感は、20%くらいの人が感じていると言われています。大学生でも、ゼミで発表をする、サークルのコンパであまりよく知らない人と会う、就職活動で面接を受けるなど、人前で何らかのパフォーマンスをすることはよくあります。そのようなときに少しでも不安を軽くするにはどうしたらいいか、ということについて研究しています。またもう一つのテーマ、大規模災害後のこころのケアについても研究しています。【授業】「臨床心理学」では、こころの問題をどのようにとらえるのか、こころの問題への介入方法について学び、問題をかかえた人のこころについて考えていきます。【ゼミナール】まず心理学の論文を読み、その論文について発表をします。これまでの生活のなかで疑問に思ったこと、不思議に思ったこと、知りたいと思ったことなどの自分の興味や関心に関連する論文を読み進めるなかで自分の研究テーマを決めていきます。そして調査や実験を行って得たデータを分析し、考察していきます。

【研究テーマ】主に人生後半期にある人々の心の課題やそれへの援助のあり方について、臨床心理士としての医療機関などでの心理臨床経験をもとに考えます。妊娠や出産、子どもを失うこと、大病にみまわれること、老いることが、その人や家族にどのような影響を及ぼし、そのときにどのような心理援助が求められるのか。人生が予想どおりにならないとき、人はどのようにその状況を生き抜くのか。臨床現場で得た問題意識を大切にしながら考えていきます。【授業】「家族関係論」では、発達心理学と臨床心理学の観点から、夫婦関係、親子関係、高齢者との関係などを中心に、家族をめぐる諸問題について考えていきます。【ゼミナール】3年次ではグループ研究を行い、その成果を冊子にまとめます。学生が主体的に研究テーマを設定し、関連する書籍や論文を調べ、アンケート調査やインタビュー調査を行ってデータを収集、分析します。学内で大学生を対象に調査を行うほか、現役の保育士、介護士、医療職といった専門職の方々や、乳幼児の父母、孫と同居中の祖父母などさまざまな発達段階にある方々の協力を得ながら研究をまとめる経験を、4年次での卒業論文へと発展させていきます。

【研究テーマ】リハビリテーション病院での臨床活動の後、大学に移りました。そのときの経験から、脳の損傷による認知機能の変化の評価、それに対する介入を中心とする神経心理学が専門です。高次脳機能障害、認知発達障害(自閉症、ADHD、LDなど)、認知症、精神疾患等への介入(改善を期待した働きかけ)が現在の臨床的関心です。【授業】「脳と心」では、人間の認知機能(知覚、記憶、注意、学習、感情など)をつくり上げる脳のはたらき、さらに人格の形成や対人関係にかかわる力動システムを脳の視点から考える機会としています。“心”(人間とは何か)を解明しようとしているのが脳科学最大のテーマです。それでは、脳が分かれば心も分かると言えるのか? ここから、心理学の可能性についても考えてもらいたいと思っています。【ゼミナール】私は、臨床心理士として、これまで病院、教育相談、被害者支援、また、NPO活動(地域福祉)、カウンセリングルームにかかわってきました。活動領域が広い分、学生の関心ある臨床的テーマに幅広く対応できると考えています。

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BP

■ 心 理・社 会 学 科10

社会学関連の専任教員

大山 七穂 教授小川 恒夫 教授N.OyamaT.Ogawa

交流会やサークル活動で充実の学生生活3

私は授業で中国語とフランス語を履修し、さらに日中交流会とフランス語フランス文化研究会という二つのサークル活動に参加していました。日中交流会では、

中国・台湾の留学生との交流や、日本語と中国語の相互学習などを行うため、中国や台湾に関する情報交換の時間が豊富です。そのため一緒に中国語を学習する仲間を増やす機会になり、毎日がとても充実していました。フランス語サークルでは、フランス語を学習するだけでなく、文化祭や合宿を行うなど、いろいろな活動を実施。また、交流の機会を増やすため、こうしたサークル活動のほかにも、積極的に留学生のスピーチコンテストの練習をサポートし、毎週水曜日の昼休みに行われる「アラブデー」という交流会などに参加しました。

・担当科目・

社会意識論、ジェンダーの社会学、ジェンダーの心理学、インタビュー調査演習など

・ 専 門 ・

社会心理学・担当科目・

現代社会とマスメディア、地域社会論など

・ 専 門 ・

社会学

元田 州彦 教授K.Motoda

・担当科目・

コミュニティと社会支援など

・ 専 門 ・

社会学

石橋 知征さん 2012年度卒業              私立東海大学付属望洋高等学校             [現:東海大学付属市原望洋高等学校](千葉県)出身

【研究テーマ】日本社会は「よく空気を読め!」といわれます。一度熱狂すると反対の意見を言えなくなる空気が支配しやすい社会です。それでも反論や疑問を提示すると、会社や地域や学校でも制裁や非難・炎上の対象になる可能性があるため、反論することにかなりの勇気がいります。少し大きなテーマになりますが、たとえば、少年法厳罰化、原発、安保法、性的マイノリティー、移民、生殖医療など多くの争点があります。しかし、これらの争点への、いいところと悪いところの洗い出し過程がなく、根拠が不透明な感情中心の空気だけで決められていくと、息苦しいだけでなく、選択の幅を狭めてしまいます。これが結局、世論をとんでもない方向に持っていってしまった歴史を私たちは知っています。そんな空気にいつでも水が差せる空気を作れる報道、マスメディア報道とは何だろうかと考えています。【授業】「現代社会とマスメディア」では、報道が少しずつ人々の価値観を変化させていくことをいろいろな争点から考察します。歴史的に見ると偏った見方を助長した事例をみながら報道の社会変革性や危険性を見つめます。【ゼミナール】現代日本社会の課題のなかから“マスメディア”と“地域社会”をキーワードとして、自分の研究テーマを決め、考察を深めていきます。関連図書の輪読だけでなく、「プロジェクト演習」と連携して、特定地域との連携活動を行います。その考察や活動成果は、建学祭展示や学科新聞、卒論にまとめていきたいと考えています。

【研究テーマ】女性の政治参画について研究をしています。世界各国と比較すると、日本の国会における女性議員比率は9.5%で、189か国中145位と低率です(2015年8月)。社会の男女不平等度を表すジェンダー・ギャップ指数をみても世界145か国中101位と低い値ですが(2015年10月)、これは女性の政治参画が進んでいないことが大きな要因の一つとなっています。日本ではなぜこれほどまでに女性が政治にかかわらないのか、女性が政治にかかわると何が変わってくるのか、社会の仕組みや男女の意識をもとに、日本のジェンダーの問題と政策を考えていきます。【授業】「社会意識論」では、戦後の日本社会における価値意識の変遷や、女性・若者・高齢者をとりまく意識の変化を追って、その背後にある社会的諸要因を考えていきます。【ゼミナール】社会の問題や現象についてジェンダー(性別)という視点から再考します。3年次の前半はジェンダーに関する基礎的文献を輪読し、後半は自分のテーマに沿った実証的研究を試みて、1万字程度のゼミ論を作成します。4年次には、文献研究によってテーマを絞りながら、ゼミ論を卒業研究に発展させていきます。

【研究テーマ】身体、年齢、性別などによって社会のなかで「自分の声」が届きにくい人々を「言葉のマイノリティー (少数派 )」として捉え、周辺部に追いやられがちな人々の自立、社会との共生を社会支援の観点から研究しています。特に自分のセクシュアリティが社会から受容されにくい人 (々LGBTQ)がどのような生き方のなかで受容や承認を獲得していくのかを調べています。人々のなかの「小さな声」に耳を傾けることが社会と自分自身の新たな発見につながります。【授業】「コミュニティと社会支援」では、地域を横断したネットワークの関連からさまざまな境遇の人々が互いに支えあう持続的な生活連携について学んでもらいます。【ゼミナール】少人数のゼミナールでは、主に二つのことを目指します。まず人の意識や行動を変えるという目的をもって、自分の考えを明確に伝える技能を高めていくこと。次に、社会のなかにある「小さな声」を各自が見つけ出し、その声の持ち主たちの生き方や社会とのかかわりを捉えていくことです。事実に基づいた立論と、立論をめぐっての活発なディスカッションを通じて、自分の意識や行動に自信をもつことを期待します。

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Department of Psychological and Sociological Studies

School of Letters

Department of Psychological and Sociological Studies ■ 11

社会学関連の専任教員

石垣 尚志 准教授飯島 裕介 准教授T.IshigakiY.Iijima

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現在、1年次春学期に「心理・社会学基礎ゼミ1」という必修科目があります。この「基礎ゼミ1」の授業の一環として、通称「写

真プロジェクト」という活動を行っています。 写真プロジェクトとは、グループごとにテーマを決めて、そのテーマを表現するための写真を撮影します。テーマは、たとえば、(1)人のつながり(野球の試合の応援席、親子、家族など)、(2)場所(電車〈宮城と東京の電車の違い〉、東京〈渋谷の昼と夜〉、聖地巡礼など)、というような設定をします。 発表に向けて必要なことは、まずグループで「話し合う」ことです。

撮ってきた写真をもとに、どの写真を使って、どんな発表をするのかについて話し合います。この「共同作業」の場は、自分とは違う視点や考え方を発見する場にもなります。さらに、「写真を撮る」という行為は、普段は意識せずに通り過ぎていた風景や出来事に、いつもとは違う視線を向けることです。写真プロジェクトには、自分・家族・日常生活・通学路・街・社会について、知っていたようで知らなかったこと、これまで気づかなかったことを発見するという驚きの体験があります。※写真は今回の出展作の一部です。

●癒し(犬) ●親子(親と子の手)

・担当科目・

大衆行動論、現代文化論、インタビュー調査演習など

社会学概論、社会変動論など

・ 専 門 ・

社会学・担当科目・

・ 専 門 ・

社会学

田中 康夫 教授Y.Tanaka

・担当科目・

社会学概論、社会調査入門、インタビュー調査演習など

・ 専 門 ・

社会学

学科フィールド紹介心理・社会学基礎ゼミ1「合同発表会」

【研究テーマ】なぜ「こころ」に関心をもつ人が多いのでしょうか? なぜ「自分のやりたいこと」を進学や就職の際に問いかける人が多いのでしょうか? こうした私たちが当たり前のように受け取っていることにこそ、私たちの生きている社会の特徴が反映されています。では、その特徴とは何でしょうか? 私たちの生きている社会は、大くくりには近代社会と言われています。私は、ドイツを中心に戦後の社会学や社会を研究することで、私たちが生きている、この近代社会について、日々、考えています。【授業】「社会学概論」では、学校・恋愛・結婚・家族・仕事・国家・宗教・死など、私たちが現代社会を生きるなかで出会うさまざまな出来事や事柄を順に取り上げながら、社会学の基本的な考え方を学びます。【ゼミナール】3年次では、共通の文献を読んだ上で議論し知見を深めるほか、ゼミ全体で設定したテーマのもとで共同研究を実施します。4年次では、各自の問題、関心にしたがって設定したテーマを個人毎に研究し、卒業論文にまとめることを目指しています。懇親会や夏・冬合宿などでの交流も重視し、卒業後も続く持続的な人間関係の形成に努めています。

【研究テーマ】地方の映画館や映画上映会・映画祭の調査をしています。調査に行く映画館は、商業ビルやショッピングセンターにある大規模な映画館(シネマコンプレックス)ではなく、スクリーンが一つか二つで、100~200席くらいの大きさの「街の映画館」です。地方都市では映画館がどんどん閉館しています。そうしたなか「街の映画館」はどのような工夫をしているのか、「街の映画館」を通して地域コミュニティでどのような人間関係のネットワークがつくり出されているのかということを調べています。あなたが住んでいる街に映画館はありますか?【授業】「大衆行動論」では、個人ではなく集団となったときに人がどのような行動をして考えるのかということを考察していきます。【ゼミナール】3・4年次の学生が各自で決めたテーマについて、文献(本、論文、新聞・雑誌記事)や統計データを調べ、インタビュー調査や「現場」に行く(フィールドワーク)などにより情報を集めて、発表を行います。その発表についてほかの学生とともに議論をしながら、考えをさらに発展させて、私たちの社会や日常生活とのかかわりについて考察していきます。

【研究テーマ】政治社会学の観点から、日本の政治社会のあり方、特に世論や住民運動、投票行動など政治意識論や政治文化論に関連するものを調査、研究してきました。日本では、人が集まったときにどのように物事が決まるのかに関心があります。友人同士ではどのように物事が決まるのでしょうか? 恋人同士ではどうでしょう? 皆さんは、そのようなことを考えたことはありませんか? これも立派な社会学的テーマです。【授業】「社会学概論」では、行為を基盤として社会の仕組み、特徴、変化を説明しています。【ゼミナール】3年次では、広く社会学の視点から、みんなで相談をしてテーマを決め、文献を読み、レポートにまとめます。4年次では、学生が各自で研究テーマを決め、文献(本、論文、新聞・雑誌記事)や統計データを調べ、考察を行って、発表します。発表した内容は、ほかの学生とともに議論をして、さらに考えを発展させていきます。そしてテーマの見つけ方や絞り込み方(研究課題の立て方)、関連資料の収集方法、資料を活用した立論の仕方、議論の深め方などを学びます。これらはどの分野や仕事においても必要とされる、共通の作業です。

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■ 心 理・社 会 学 科12

卒 業 生 からのメッセ ー ジBP濱田 紘史さん 2007年度卒業 横浜市戸塚区役所生活支援課(臨床心理士)

 心理・社会学科での4年間で対人援助に関心を抱いていった私は、専門職として人とかかわる仕事に就きたいと考え大学院へ進み、大学院修了後はスクールカウンセラーとして仕事を始めました。次第にクライエントの心理面のみではなく、学校や家庭といった環境面からもかかわっていきたいという思いを抱くようになり、現在は横浜市戸塚区役所で社会福祉職として仕事をしています。 対人援助職として仕事をするなかで、自分とは何か、クライエントは何者なのか、クライエントを取り巻く環境に課題はないのかといった基本的な視点をもつことがとても大事だと感じています。振り返ってみれば、心理・社会学科では心理学や社会学を通じて個人や集団、社会全体について考えるきっかけを与えてくれました。そのきっかけを生かして、自己とは何か、他者とは何か、社会とはどうあるべきかということに、自分なりの答えを出してみたことが、今の私の仕事につながり、糧になっています。

桐田 咲智代さん 1998年度卒業 元札幌テレビ放送株式会社アナウンサー

 入学当初からの私の夢は「アナウンサーになる」ことでした。そのために、社会学・心理学とマスコミの勉強ができる本学科を志望しました。実際に、マスメディア報道と心理的影響についての研究はとても有意義なもので、入社後も学んだことを意識して仕事に取り組めました。また、セメスター制度を効率よく利用し、海外留学やアナウンスの専門知識を学ぶ時間にもあてました。私の就職活動は波乱万丈でしたが、学科の先生や現在のキャリア就職センターの方が大きな支えと情報源になり、結果的に札幌と仙台の放送局内定を獲得することができたのだと思います。今となっては、北は北海道、南は福岡までアナウンサー受験行脚したことは、私の一生の宝物です。現在は、フリーアナウンサー兼キャリアカウンセラー(就活カウンセラー)として活動の幅を広げています。皆さんも、本学科で学び、学んだことを活かして社会に貢献できる仕事に就けるよう頑張ってください。大学4年間はとても貴重な時間です。自分で、自分だけにできる目標=夢を設定し、その夢への道を築いていってください。応援しています。

相澤 牧さん 1997年度卒業 茅ヶ崎市役所

 採用されて最初の配属は図書館、その後情報推進課へ異動し、現在はシステムの運用管理や情報化施策の検討などを担当しています。自分の所属の仕事以外にも選挙のときは投票所や開票所での業務、台風などの災害時には避難所要員として業務をすることもあります。 市役所の仕事は裾野が広いので、今はやりたいことが具体的でなくても、人や地域のために役に立ちたいという気持ちがあれば、やりがいをもって仕事に取り組め、経験を重ねることにより進みたい方向性を見定めることのできる職場だと思います。また、自分がかかわる施策一つでその地域をダイナミックに変貌させる可能性も秘めています。安定志向=公務員ではなく、心理・社会学科で学んだことを活かして、「この地域を変えてみせる!」という気持ちでぜひチャレンジしてみてください。

福島 天士さん 2001年度卒業 株式会社博報堂プロダクツ

 もし自分の将来に不安を抱いているなら、まずは、自分自身をしっかり知っておこう。 私の場合、大学では心理学を中心に、社会について、そして自己分析について学び、自分とは何か、人とは何かに気づけたことが大きな糧になっています。 今、私は総合制作事業会社でプロモーションプロデューサーをしています。業務は、クライアントの悩みを聞き、課題解決につながるものを消費者に提供すること。自分の制作物で人が幸せな良い選択をして、それが大きな波となって、社会が動いたとき、何よりやりがいを感じます。広告では、まず自分=人を理解することが不可欠です。 人を知り(行動心理)、人を動かす (大衆心理)ことができなければ、広告は作れません。ぜひ、皆さんも自分を知り、人を知ることの重要性に気がついてください。それが今後の人生で何よりの財産になりますから。

水谷 正志さん

 高校時代、カウンセラーの先生から「カニッツアの錯視」というものを教えていただいたことから、心理学の世界に目を開かされ、人間心理を学びたいという気持ちが高まりました。大学では心理学概論をはじめ、神経心理学、臨床心理学、社会心理学など、さまざまな角度から心理学を学ぶことができました。その後、大学院に進み、学習心理学、精神医学、心身医学、グループアプローチについても学ぶことができました。 大学院修了後は、心理臨床の場に就職しました。医師、臨床心理士、精神保健福祉士、社会福祉士の上司たちのもとで半年間、クライエントのアセスメント、カウンセリングの行い方、リラクセーション・トレーニングの方法などについて、厳しい訓練を積み、先日クライエントの方を担当できる段階にまで進みました。不登校やパニック障害のクライエントの方が、一歩ずつよくなってこられている姿に感動する毎日です。

2011年度大学院(文学研究科コミュニケーション学専攻)修了 横浜心理トレーニングセンター

卒業生 からのメッセージ

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BP

Department of Psychological and Sociological Studies ■ 13

就 職

 心理学を専門として活かしたい人は、学校・病院・企業のカウンセラーのほかに、県や市などの各自治体の心理職試験に合格し、公共の教育・福祉機関で働く道もあります。一般企業では、教育・研究を行う仕事、広告・宣伝に携わる仕事、サービスや商品を販売する仕事に就く人が多くいます。社会学系では通信を含めた情報関連産業や、市場調査を行う調査関連企業の部局課に採用されています。

カウンセラーを目指す

◎臨床心理士 【日本臨床心理士資格認定協会認定】 本学科卒業後、本大学院文学研究科コミュニケーション学専攻臨床心理学系修士課程を修了し(本学科から推薦制度あり)、1年間の実習体験を経て受験資格が得られます。本課程修了生の臨床心理士試験への合格者は50名を超え、神奈川県をはじめ全国で活躍しています。 なお、本大学院では「心理教育相談室」が開設され、現在、第1種認定(大学院修了の年に認定試験を受験できる)の移行に向けた準備を進めています。

◎学会認定カウンセラー 【日本カウンセリング学会認定】 本学科卒業後、本大学院文学研究科コミュニケーション学専攻臨床心理学系修士課程を修了し(本学科からの推薦制度あり)、論文発表、学会発表、研修参加などを経て、資格取得の申請ができます。

大学院

◎文学研究科 コミュニケーション学専攻  コミュニケーション学専攻内には、メディア学系、社会学系、臨床心理学系という3つの学問系列があり、それらを有機的に関連させて、コミュニケーションに関する専門職業人養成と研究者養成のための教育、研究の充実をはかっています。 特に、心理・社会学科の学びを活かし、さらに深く追究できる学問系列として、社会学系と臨床心理学系が挙げられます。社会学系では、コミュニケーションを行う人間の集合である社会の諸問題を対象とする専門家、臨床心理学系では、コミュニケーションを行う個人の心の働きに注目する臨床心理学の専門家をそれぞれ養成することを目標としています。

本学科では、きめ細やかな就職支援体制を整え、毎年多くの卒業生を社会に送り出しています。ここでは就職実績と大学院進学、取得可能な資格についてご紹介します。

●心理・社会学科 イメージキャラクター

◎卒業生の主な就職先(2014年度)

●2014年度産業別就職先

情報通信業10.0%

複合サービス事業4.0%

教育・学習支援業4.0%

金融・保険業8.0%

製造業9.0%

卸売・小売業23.0%

宿泊業・飲食サービス業3.0%

●建設業エクス・アドメディア●製造業ブルボン、不二家、クロスカンパニー、エム・アイ・ディー、田辺三菱製薬、森井電業、河合楽器製作所●情報通信業イッツ・コミュニケーションズ、インフォメーションクリエーティブ、ヤマトシステム開発、フューチャーイン、クオーレ、アイスタイル、あしたのチーム、ボルテージ●運輸業・郵便業東日本旅客鉄道、日本交通、菱倉運輸●卸売・小売業カインズ、MS1880、オリンパスメディカルサイエンス販売、エス・ピーパック、東急百貨店、JAL-DFS、はるやま商事、ビームス、やまと、ディーゼルジャパン、アレシア、ノジマ、メガネドラッグ、和真、クリエイト エス・ディー、タサカ、スーパーバリュー、オンデーズ●金融・保険業山梨中央銀行、みずほフィナンシャルグループ、横浜信用金庫、住友生命保険、第一生命保険、アドバンテッジリスクマネジメント●不動産業・物品賃貸業

◎卒業生の主な進学先(2014年度)東海大学大学院、上智大学大学院、東洋英和女学院大学大学院、明治大学大学院、早稲田大学大学院

運輸業・郵便業4.0%

建設業1.0%

生活関連サービス業・娯楽業5.0%

医療・福祉業14.0%

サービス業3.0%

学術研究・専門・技術サービス業5.0%

不動産業・物品賃貸業5.0%

公務員2.0%

Tokyo net worth、東洋グリーン建物、FIRST PLANNING 、トーカイ●学術研究・専門・技術サービス業Wiz、アヴェンテ、スカウト、ベンチャーバンク●宿泊業・飲食サービス業ソラーレホテルズアンドリゾーツ、チタカ・インターナショナル・フーズ●生活関連サービス業・娯楽業サン・ライフ、高見、JTB首都圏、カスミトラベル●教育・学習支援業大宮教育センター、幼児活動研究会●医療・福祉業長野県厚生農業協同組合連合会富士見高原医療福祉センター富士見高原病院、MRT、県央福祉会、中心会、木下の介護、ベネッセスタイルケア、オリックス・リビング、江寿会、グローバルキッズ、イー・ケア、Fits横濱●複合サービス事業日本郵便、横浜農業協同組合、セレサ川崎農業協同組合●サービス業エイジェック、ディップ●公務員防衛省、川崎市役所

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SC HOOLOFLETTERS

http://www.u-tokai.ac. jp/academics/undergraduate/ letters/

文学部のアドミッションポリシーについては、本学ホームページに掲載しておりますのでそちらをご覧ください。http://www.u-tokai.ac.jp/about/philosophy_history/concept/admission_policy.html

現代は激動の時代。東海大学文学部は、そのなかを生き抜くための「自分の座標軸」を獲得する場所です。文学部の14学科・専攻では、授業から課外活動にいたるあらゆる領域で、そのための環境づくりに取り組んでいます。

世界をより的確に知るために、英語力を鍛えようと思っています!

――文学部では、【TOEIC®テスト団体受験】の機会を提供。1・2年次は無料で受験できるほか、さまざまな受験優遇策を用意しています。

海外研修旅行に行きます。直接世界を体験して、学んだ言葉を活かしたい!

――文学部には、アジア、ヨーロッパ、北欧、アメリカ大陸へ出かける【海外研修授業】があります。またアラビア語、ギリシア語など【多様なアジア・ヨーロッパの言語の入門科目】も用意されています。

まずは日本語の表現力、コミュニケーション力を磨くことを考えています!

――文学部では、すべての授業で【読む(Read)・書く(Write)・話す(Speak)3つの力を養う目標】をシラバス(授業計画)に掲げ、全教

員が工夫して授業に臨んでいます。オムニバス形式の文学部共通授業【ことばの世界】も開講されています。

情報発信の力をつけたい。メッセージを広く社会に届ける活動をしています!

――文学部には【キャンパススタジオ】があり、学生たちが主体となって放送番組(テレビ、ラジオ、ネット放送)を制作し、社会的にも高い評価を受けています。

先生方と一緒に、大学での研究や学びを地域の皆さんと共有するイベントを開いています!

――文学部には、専用の小さな博物館【文学部展示室】(3号館4階)があります。また【知のコスモス】の名のもとに、教員の研究を紹介する番組や、講演会・イベントなども頻繁に開かれ、地域の皆さんと学びあう場が生まれています。

「人間とは何か」「世界の多様性」について、幅広い視点を身につけたい!

――文学部には、【知のフロンティア】など学科・専攻の枠を超えたオムニバス授業や、教育研究プロジェクトがいくつもあります。【副専攻制度】も充実。交流することから学びも広がります。

先輩たちは、今、何をしているの?――14学科・専攻在学生へのインタビューから――

■ 心 理・社 会 学 科14

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SC HOOLOFLETTERS

資 格

文学部は、皆さんの資格取得を応援し、レベルアップの場を提供します。

◆高等学校教諭一種免許状・・・教科:公民◆中学校教諭一種免許状・・・・・・教科:社会

【教職課程】 学科・専攻・課程に設置され、特定の免許教科について、高等学校及び中学校の教員免許状を取得するために学修します。本学科の卒業者で、卒業までに教職に必要な所定の科目(教職に関する科目、教科に関する科目など)を修得すれば、下記の免許教科についての免許状を取得することができます。

【学芸員課程】 博物館学芸員の資格を取得するために必要な知識と技術を学修します。博物館・美術館・水族館・動物園・資料館など、歴史・芸術・自然科学などに関する資料を収集、展示する機関で働く学芸員は、専門職としての資格が必要です。学芸員に必要な所定の科目を修得し、本学科を卒業することで、資格を取得できます。

【司書・司書教諭課程】 司書・司書教諭の資格を取得するために必要な基礎知識と技術を学修します。 生涯学習が盛んとなってきている現代社会において、図書館の文献・資料は、独自の学習・研究で早急に諸情報を収集する場合だけでなく、多種多様な知的関心を充足させるのに欠かせないものとなっています。 図書館の利用者に的確な情報を提供することは司書の役目であり、大量の情報が集約された文献・資料、あるいはデータベース化された記録媒体などから情報を提供するための知識と技術が求められています。 司書に必要な所定の科目を修得し、本学科を卒業することで、資格を取得できます。 なお、司書教諭とは、学校図書館の教育・専門的職務に従事する教員をいい、教職課程を履修し、本学科所定の科目を修得すれば取得できます。

【社会教育主事】 21世紀は生涯教育の時代といわれています。こうした時代に力を発揮するのが社会教育主事の資格です。社会教育を行う方に指導と助言をすることのできる資格です。所定の科目を修得し、1年以上の社会教育主事補の職を経験し、試験に合格すれば、資格を取得できます。

・当・該・学・科・で・取・得・で・き・る・免・許・

●教員試験講座 教員採用試験に出題される科目のうち、一般教養・教職教養・面接対策・論作文に的を絞り、指導経験豊富な講師陣によって行われる実践的な特別講座です。

●公務員講座 各種の公務員試験に出題される教養・専門科目のなかでも出題数の大半を占める主要科目を中心に、問題演習などを含めて実際の試験に即した授業を行います。

●そのほかにも、金融セミナーや、マスコミ講座・日商簿記(2級・3級)・秘書検定(1級・準1級・2級)などの講座・勉強会を実施しています。

各種講座について (含有料)

●JOB-LEAGUEは東海大学のインターンシップ(企業での就業体験)制度です。 他大学より早く、2年次の春期休暇中に実施しています。先輩の体験談もあるガイダンスが秋に開催されます。

東海大学JOB-LEAGUE

LEVEL UP!

文学部[学科構成]文 明 系●文明学科 ●アジア文明学科 ●ヨーロッパ文明学科 ●アメリカ文明学科 ●北欧学科 歴 史 系●歴史学科 日本史専攻  ●歴史学科 東洋史専攻 ●歴史学科 西洋史専攻 ●歴史学科 考古学専攻言語文学系●日本文学科 ●文芸創作学科 ●英語文化コミュニケーション学科現代社会系●広報メディア学科 ●心理・社会学科

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Department of Psychological and Sociological StudiesSchool of Letters

2016.4 BP19◎本案内は、特に記載がない限り2016年4月現在の内容を掲載しています。

常に未来を見据え自らが取り組むべき課題を探求する力

多様な人々の力を結集する力

困難かつ大きな課題に勇気をもって挑戦する力

失敗や挫折を乗り越えて目標を実現していく力

成し遂げ力挑み力

集い力自ら考える力

「4つの力」のイメージキャラクターリッキー

「明日の歴史を担う強い使命感と豊かな人間性をもった人材」に育つよう、全学を挙げて取り組んでいます。

東 海 大 学 は 4 つの力を育 成します。

〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1Tel:0463-58-6422(直通) Fax:0463-50-2186

入試広報課