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溶接施工
溶接施工要因 .................................................................................................................. 1
a溶接施工上の諸要因 .................................................................................................... 1
s溶接条件とその影響 .................................................................................................... 1
溶接条件の選定.............................................................................................................. 2
aワイヤ径........................................................................................................................ 2
s溶接電流、アーク電圧、溶接速度 ............................................................................. 3
dワイヤ突出し長さ ........................................................................................................ 4
fノズル径・ガス流量 .................................................................................................... 5
g溶接姿勢の影響 ............................................................................................................ 6
hトーチ角度.................................................................................................................... 7
jトーチ狙い位置 ............................................................................................................ 7
溶接条件参考表.............................................................................................................. 9
aCO2溶接 ......................................................................................................................... 9
sMAG溶接 .................................................................................................................... 15
dパルスMAG溶接 ......................................................................................................... 19
溶接経費の比較............................................................................................................ 21
アークスポット溶接 ................................................................................................... 22
aアークスポット溶接施工時の注意事項 ................................................................... 22
s使用ワイヤ径 .............................................................................................................. 22
d鋼材の表面状況 .......................................................................................................... 22
fアークスポットの形状 .............................................................................................. 23
gノズル形状 .................................................................................................................. 24
h間隙 ............................................................................................................................. 24
硬化肉盛溶接 ................................................................................................................ 25
a肉盛溶接の留意事項 .................................................................................................. 25
s肉盛用ワイヤと溶着金属の硬さ ............................................................................... 25
― 1―
溶接施工
溶接施工要因（1）溶接施工上の諸要因
（2）溶接条件とその影響
図5・1
表5・1
― 2―
溶接施行
溶接条件の選定（1）ワイヤ径
ア．板厚との関係（例）
図5・2は一般的なワイヤ径選定の目
安を示したもので実際には、さらに溶
接姿勢、開先形状、継手の種類、溶
接速度、母材の材質などの諸条件を考
慮して、使用ワイヤ径を決定すること。
イ．溶接電流とワイヤ溶融速度
ワイヤ溶融速度（g/min）＝溶着速度（g/min）×溶着効率であり、ワイヤ溶融速度はワイヤ突
出し長さにより変化する。図5・3、図5・4はその一例を示す。
母材の板厚、継手形状、開先形状が決まれば、それに応じて溶着量を算出できる。
ウ．適正電流・電圧範囲
図5・2
板厚 （ mm）
ワイヤ径 （ mm）
1.2
1.4
1.6
（ 1.8） 2.0
0.6 0.8 1.0 1.2 2.0 2.3 3.2 4.5 6 8 12 161.6
（100～350A）
（250～450A）（300A以上）
（350A以上）
φ0.6
φ0.8
φ1.0
φ1.2
φ1.4
φ1.6
図5・3 溶接電流に対するワイヤ溶融速度
φ0.8
φ1.0φ1.2
φ1.2
φ1.4φ1.6 φ2.0
φ2.4
図5・4 ワイヤ径による適正電流・電圧範囲
― 3―
溶接施工
（2）溶接電流、アーク電圧、溶接速度
図5・5
形状くずれる
― 4―
溶接施行
（3）ワイヤ突出し長さ
ア．適正ワイヤ突出し長さ
イ．ワイヤ突出し長さと電流変化
ワイヤ突出し長さ（チップ・
母材間距離）は溶接電流、ワ
イヤ溶融速度に影響を及ぼす。
・ワイヤ突出し長さを長くする
と同一ワイヤ送給速度にお
いて溶接電流は小さくなる。
・ワイヤ溶融速度は同一電流
においてワイヤ突出し長さ
を長くすると増加する。
図5・6 ワイヤ突出し長さlとチップ・
母材間距離L
アーク L
ワイヤ チップ
ノズル
図5・7 溶接電流に対する適正ワイヤ突出し長さ
図5・8 チップ・母材間距離と溶接電流
― 5―
溶接施工
（4）ノズル径・ガス流量
ア．適正ノズル径・ガス流量
図5・9
表5・2 適正ノズル径・適正シールドガス流量の目安
100 200 300 400 500
電流 （ A）
ノズル径 （ mm）
14
16
19
22
24
10～20 l /min
15～20
20～25
25～30
25～35
図5・10（a） 図5・10（b）
― 6―
溶接施行
（5）溶接姿勢の影響
ア．下進溶接
下進溶接では湯の先行が生じ、いわゆる“ざ
ぶとん”アークになるので、ビード外観・形状
は良好であるが、溶込みが浅くなるので注意す
る必要がある。
イ．上進溶接
上進溶接では逆に湯が後方に押し上げられ、
母材に直接アークしやすいので溶込みは深くな
るが余盛高でかつアンダーカットを生ずる傾向
となる。
（参考）
円周溶接
円周溶接の場合、トーチねらい位置はオフセット量で表わされ、ねらい位置によってビード形
状、溶込み形状が大きく変化するので適正な位置を設定することが望ましい。
下向位置ａに対しｃ側では下進姿勢となり、ｄ側では上進姿勢となる。
図5・11（a）
図5・11（b）
図5・12
― 7―
溶接施工
（6）トーチ角
前進角（前進溶接）
一般的には、前進角が大きすぎると溶融
金属が前方に押され、その上にアークが発
生するので溶込みが浅くなる傾向にある。
またスパッタ発生量も多くなる。
後退角（後進溶接）
アーク力により溶融金属が後方へ押し上
げられ、母材に直接アークが発生しやすく
溶込みが深く余盛高になる傾向にある。開
先内溶接など湯の先行を生じやすい場合は、
後退角を適用する溶接（後進溶接）が望ま
しい。
（7）トーチ狙い位置
水平すみ肉溶接では垂直板側にアンダーカット、水平板側にオーバーラップを生じ易い傾向
にある。250A以上ではワイヤ溶融量も多くアーク力、重力の影響を受け、これらの欠陥を生じ
易いのでワイヤ狙い位置を水平板側に1～2mmずらす方が望ましい。
図5・15
図5・14
図5・13
図5・16
― 8―
溶接施行
参考：溶接条件の設定手順例
図5・18 水平すみ肉溶接における脚長と必要溶着量図5・17 ワイヤ溶融速度・ワイヤ送給速度と溶接電流例
5
5
17
4
― 9―
溶接施工
溶接条件参考表（1）CO2溶接
ア．Ⅰ形下向突合せ溶接条件（裏当て金なし）
イ．Ⅰ形下向突合せ溶接条件例（裏当て金あり）
表5・3
シールドガス流量 （ l /min）
ワイヤ突 出し長さ （ mm）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
ルート 間 隔 （ mm）
ワイヤ径 （ mm）
板 厚 （ mm）
2010～ 1560～ 7027～ 30270～ 30001.26
10～ 1510～ 1530～ 3524～ 25200～ 2301.2～ 1.51.2
2015～ 2030～ 4030～ 35300～ 3500～ 1.21.28
2015～ 2040～ 5037～ 38380～ 4200～ 1.21.6
2020～ 2550～ 6038～ 41420～ 4800～ 1.21.612
表5・4
銅 当 金 シールドガス流量 （ l /min）
ワイヤ突 出し長さ （ mm）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
ルート 間 隔 （ mm）
ワイヤ径 （ mm）
板 厚 （ mm）
板 厚 12mm以 上 水冷式 溝付 深さ 3～ 4mm
幅 6～ 8mm
2015～ 2035～ 4528～ 33280～ 3300～ 0.81.26
2015～ 2040～ 4537～ 38380～ 4200～ 0.81.6
2015～ 2035～ 4037～ 40400～ 4500～ 0.81.69
― 10―
溶接施行
ウ．V形下向突合せ溶接条件例（裏当て金あり）
エ．X形下向突合せ溶接条件例
表5・5
シールドガス流量 （ l /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
先端距離 （ l mm）
速 度 （ cm /min）
ワイヤ径 （ mm）
溶接 順序
継手形状寸法 板 厚 mm（ ） （gmm） （amm） （θ）
2536～ 38460～ 5001250～ 601.611.054510
2536～ 38490～ 5201235～ 451.611.054512
2536～ 38490～ 5201045～ 551.611.044516
2536～ 38490～ 5201540～ 501.62
2535～ 36400～ 520840～ 501.61
1.044520 2536～ 38480～ 5001040～ 501.62
2537～ 39480～ 5001540～ 501.63
2536～ 38500～ 540840～ 501.61
1.034525 2536～ 38480～ 5001035～ 451.62
2537～ 39480～ 5001535～ 451.63
表5・6
シールドガス流量 （ l /min）
先端距離 （ l mm）
電 圧 （V）
電 流 （A）
速 度 （ cm /min）
溶接手順 ワイヤ径 （ mm）
突 合 部 （a mm）
開先角度 （ θ 1， θ 2度 ）
板 厚
25
25
10
10
36～ 38
36～ 38
460～ 500
460～ 500
50～ 60
50～ 60
1（表） 2（裏）
1.664516
25
25
8
8
36～ 38
36～ 38
480～ 500
480～ 500
50～ 60
50～ 60
1（表） 2（裏）
1.664520
25
25
8
8
37～ 40
37～ 40
500～ 540
500～ 540
45～ 55
45～ 55
1（表） 2（裏）
2.064525
25
25
8
8
37～ 40
37～ 40
520～ 560
520～ 560
28～ 32
28～ 32
1（表） 2（裏）
2.064532
mm（ ）
― 11―
溶接施工
オ．下向すみ肉溶接条件例
カ．水平すみ肉一層溶接条件例
表5・7
シールドガス流量 （ l /min）
ワイヤ突 出し長さ （ mm）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
ワイヤ径 （ mm）
脚 長 （ mm）
板 厚
2015～ 2060～ 7030～ 35300～ 3301.24～ 4.5
6 2015～ 2040～ 4530～ 35300～ 3501.26～ 7
2015～ 2045～ 5037～ 38380～ 4001.66～ 7
2015～ 2040～ 4530～ 36300～ 3501.268
2015～ 2040～ 4538～ 42430～ 4801.68～ 9
2015～ 2030～ 4038～ 42430～ 4801.61012
2020～ 2525～ 3039～ 42450～ 4801.612～ 13
mm（ ）
表5・8
シールドガス流量 （ l /mm）
電 圧 （V）
電 流 （A）
速 度 （ cm /min）
ワイヤ径 （ mm）
ワイヤ突 出し長さ （ mm）
脚 長 （ mm）
板 厚
2030～ 31310～ 3201201.21233.2
2033～ 34360～ 3801201.21244.5
2035～ 37420～ 4401201.21556
2035～ 37420～ 4401001.62068
2035～ 37420～ 440601.620810
mm（ ）
― 12―
溶接施行
キ．立向下進突合せ溶接条件例
ク．立向下進すみ肉溶接条件例
表5・9
備 考 シールド ガス流量 （ l /min）
ワイヤ突出し長さ （ mm）
速 度 （ cm/min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
パス数 ワイヤ径
開 先 形 状 板 厚
15～ 201050～ 7020～ 21110～ 12010.92
15～ 201240～ 5022～ 24160～ 17011.03
15
裏波溶接
～ 201230～ 4022～ 23130～ 14021.06
15～ 201220～ 40
20～ 40
22～ 23
22～ 24
130～ 140
160～ 1704～ 51.012
（mm） mm（ ）
表5・10
シールドガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm/min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
パス数 ワイヤ径
開 先 形 状 脚 長
15～ 2040～ 5022～ 24180～ 22011.25
15～ 2025～ 3022～ 24180～ 22011.28
15～ 20
50～ 70
50～ 70
50～ 70
22～ 24
22～ 24
22～ 24
180～ 220
180～ 220
180～ 220
31.210
（mm） mm（ ）
― 13―
溶接施工
ケ．立向上進突合せ溶接条件例
コ．立向上進すみ肉溶接条件例
表5・11
備 考 シールドガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm/min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
パス数 ワイヤ径 （ mm）
開 先 形 状 板 厚
裏波溶接
157～ 1220～ 21140～ 16011.06
157～ 12
5～ 819～ 20
20～ 21
130～ 140
140～ 16021.012
mm（ ）
表5・12
シールドガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm/min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
パス数 ワイヤ径 （ mm ）
開 先 形 状 脚 長
2010～ 1518～ 20110～ 14010.95
208～ 1219～ 22120～ 15011.28
205～ 819～ 22120～ 15011.218
203～ 520～ 23130～ 18011.212
mm（ ）
― 14―
溶接施行
サ．横向溶接条件例
表5・13
備 考 シールドガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm/min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
パス数 ワイヤ径 （ mm ）
開 先 形 状 板 厚
裏波溶接
1518～ 22
15～ 25
19～ 20
20～ 21
1パス 130～ 140
2～ 4パス 150～ 160
41.06
1518～ 22
15～ 25
19～ 20
20～ 21
1パス 130～ 140
2～ 7パス 150～ 160
71.012
2030～ 40
40～ 50
25～ 29
24～ 26
1～ 4パス 240～ 260
5～ 7パス 200～ 240
71.215
2035～ 45
40～ 50
27～ 32
26～ 30
1～ 10パス 280～ 310
11～ 13パス 260～ 300
131.625
mm（ ）
― 15―
溶接施工
（2）MAG溶接
ア．Ⅰ形突合せ溶接条件例（裏当て金なし） 表5・14
イ．Ⅰ形突合せ溶接条件例（裏当て金あり） 表5・15
開 先 形 状 パ ス 数 シールド ガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
ワイヤ径 （ mm）
ル ー ト ギャップ g（ mm）
板 厚
110～ 1540～ 501530～ 400.6～ 0.800.8
110～ 1535～ 501550～ 600.8～ 0.901.0
11535～ 5015～ 1660～ 700.8～ 0.901.2
11540～ 6016～ 17100～ 1100.9～ 1.201.6
11550～ 6016～ 18100～ 1201.0～ 1.20.82.0
11550～ 6017～ 19110～ 1301.0～ 1.20.8～ 1.22.3
11530～ 4017～ 19120～ 1401.21.0～ 1.53.2
1① 1540～ 5017～ 19150～ 160
1.20.54.5
1② 1550～ 6018～ 20160～ 160
1① 15～ 2040～ 5021～ 23220～ 230
1.21.06.0
1② 15～ 2050～ 6022～ 25230～ 250
1① 2040～ 5023～ 26230～ 250
1.21.09.0
1② 2050～ 6027～ 30270～ 290
mm（ ）
開 先 形 状 パ ス 数 シールド ガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
ワイヤ径 （ mm）
ル ー ト ギャップ g（ mm）
板 厚
11550～ 6017～ 19130～ 1401.21.22.3
115～ 2060～ 7018～ 20160～ 1801.21.53.2
12060～ 7021～ 23210～ 2301.22.04.5
12050～ 6024～ 26240～ 2601.22.06.0
mm（ ）
― 16―
溶接施行
ウ．V.X形突合せ溶接条件例 表5・16
開 先 形 状 パ ス 数 シ ー ル ド ガス （ 褄 / 褥 ）
速 度 （ 袍 / 褥 ）
電 圧 （V）
電 流 （A）
ワイヤ径 （ 袢 φ）
ルート面 h （ 袢 ）
ル ー ト ギャップ g （ 袢 ）
板 厚 t （ 袢 ）
2
表 20～ 2530～ 4030～ 33300～ 350
1.2
4～ 60～ 0.512
裏 ＊ 20～ 2545～ 5030～ 33300～ 350
2
表 20～ 2540～ 5034～ 37380～ 420
1.6
裏 ＊ 20～ 2550～ 5534～ 37380～ 420
2
表 20～ 2525～ 3031～ 33320～ 350
1.2
4～ 60～ 0.516
裏 ＊ 20～ 2530～ 3531～ 33320～ 350
2
表 20～ 2530～ 3534～ 37390～ 420
1.6
裏 ＊ 20～ 2535～ 4034～ 37390～ 420
2
表 20～ 2530～ 3530～ 33300～ 350
1.2
4～ 6016
裏 20～ 2530～ 3530～ 33300～ 350
2
表 20～ 2535～ 4034～ 37380～ 420
1.6
裏 20～ 2535～ 4034～ 37380～ 420
2
表 20～ 2525～ 3034～ 38400～ 450
1.6
4～ 6019
裏 20～ 2525～ 3034～ 38400～ 450
表 ・ 裏 4
120～ 2545～ 5034～ 37400～ 420
1.6
220～ 2535～ 4034～ 37400～ 420
＊裏ハツリ有り
― 17―
溶接施工
エ．水平すみ肉溶接条件例 表5・17
オ．下向すみ肉溶接条件例 表5・18
継 手 形 状 パ ス 数 シールド ガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
ワイヤ径 （ mm）
脚 長 l（ mm）
板 厚
115～ 2035～ 4516～ 18110～ 1301.0 1.23.0～ 3.52.3
115～ 2035～ 4517～ 19130～ 1501.0 1.23.5～ 4.03.2
12045～ 5521～ 24200～ 2501.24.5～ 5.04.5
12045～ 5027～ 30270～ 3001.25.0～ 6.06
12040～ 5027～ 31280～ 3201.2
6.0～ 7.09
120～ 2545～ 5532～ 36360～ 4001.6
120～ 2530～ 3530～ 34300～ 3501.2
7.0～ 8.012
120～ 2540～ 5033～ 37380～ 4101.6
mm（ ）
継 手 形 状 パ ス 数 シールド ガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
ワイヤ径 （ mm）
脚 長 l（ mm）
板 厚
115～ 2040～ 5017～ 19120～ 1401.0 1.23.0～ 3.52.3
115～ 2045～ 5518～ 20140～ 1701.0 1.23.5～ 4.03.2
12045～ 5521～ 24200～ 2501.24.5～ 5.04.5
12040～ 5026～ 30270～ 3001.25.0～ 6.06
120～ 2540～ 5030～ 34300～ 3501.2
6.0～ 8.09
120～ 2545～ 6032～ 36360～ 4001.6
120～ 2525～ 3531～ 34320～ 3501.2
10.0～12.012
120～ 2525～ 4035～ 38400～ 4301.6
mm（ ）
― 18―
溶接施行
カ．重ねすみ肉溶接条件例 表5・19
キ．立向すみ肉下進溶接例 表5・20
ク．立向すみ肉上進溶接例 表5・21
継 手 形 状 パ ス 数 狙い位置 シールド ガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
ワイヤ径 （ mm）
板 厚
1A10～ 1550～ 6016～ 1780～ 1000.8～ 1.01.2
1A10～ 1550～ 6017～ 19100～ 1200.9～ 1.21.6
1Aまたは B15～ 2050～ 6017～ 20100～ 1301.0～ 1.22.0
1B15～ 2045～ 5517～ 20120～ 1401.0～ 1.22.3
1B15～ 2045～ 5517～ 20130～ 1601.23.2
1B2045～ 5518～ 20150～ 2001.24.5
mm（ ）
継 手 形 状 パ ス 数 シールド ガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
ワイヤ径 （ mm）
脚 長 l（ mm）
板 厚
110～ 1550～ 6516～ 1760～ 900.8～ 1.01.5～ 2.01.2
110～ 1550～ 6516～ 1790～ 1201.0～ 1.22.0～ 3.01.6
115～ 2050～ 6517～ 18110～ 1401.0～ 1.23.0～ 4.02.3
115～ 2050～ 6517～ 19130～ 1601.24.0～ 5.03.2
12050～ 6018～ 20150～ 1801.25.0～ 6.04.5
12050～ 6018～ 21170～ 2001.26.0～ 7.06.0
mm（ ）
継 手 形 状 パ ス 数 シールド ガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
ワイヤ径 （ mm）
脚 長 l（ mm）
板 厚
115～ 205～ 1517～ 20130～ 1501.27.0～ 8.09.0
1205～ 1517～ 20140～ 1601.210～ 1212.0
mm（ ）
― 19―
溶接施工
（3）パルスMAG溶接
ア．下向突合せ,両面溶接 表5・22
イ．下向突合せ片面溶接 表5・23
開 先 形 状 シールド ガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
パ ス 数 ワイヤ径 （ mm）
板 厚
2025～ 3525～ 27160～ 180①
1.26.0
2025～ 3526～ 28170～ 190②
2025～ 3529～ 31260～ 280①
1.29.0
2025～ 3530～ 32280～ 300②
2035～ 4530～ 32270～ 2901
1.212.0
20～ 2535～ 4533～ 35320～ 3402
2040～ 5031～ 33290～ 310表 1． 2
1.219.0 20～ 2540～ 5033～ 35330～ 350裏 1
2040～ 5030～ 32270～ 290裏 2
mm（ ）
開 先 形 状 シールド ガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm /min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
パ ス 数 ワイヤ径 （ mm）
板 厚
15～2045～5524～ 25130～ 15011.23.2
15～ 2020～ 3023～ 24120～ 1401
1.26.0
2020～ 3025～ 27140～ 1602
2020～ 2524～ 25180～ 1901
1.212.0 2020～ 3026～ 27200～ 2102
2020～ 3026～ 27200～ 2103
mm（ ）
― 20―
溶接施行
ウ．水平すみ肉溶接 表5・24
開 先 形 状 シールド ガス流量 （ l /min）
速 度 （ cm/min）
電 圧 （V）
電 流 （A）
パ ス 数 ワイヤ径 （ mm）
脚 長 l（ mm）
板 厚
2055～ 6526～ 27140～ 16011.23～ 43.2
2035～ 4526～ 27160～ 18011.24.5～ 5.54.5
2035～ 4527～ 28190～ 21011.25.5～ 6.56.0
2030～ 4029～ 30240～ 26011.27.0～ 8.09.0
2040～ 5026～ 27180～ 2001
1.29.0～ 11.012.0 2040～ 5026～ 28180～ 2002
2040～ 5026～ 28180～ 2003
2040～ 5026～ 28220～ 2301
1.211～ 1316.0 2040～ 5026～ 28220～ 2302
2040～ 5026～ 28210～ 2203
mm（ ）
― 21―
溶接施工
溶接経費の比較
表5・25 水平すみ肉溶接における溶接経費比較
備 考 CO2溶接 MAG溶接 溶接方法
継手形状
1.21.2ワ イ ヤ 径 （ mm）
溶
接
条
件
＊印は実験値を示す。 MAG溶 接 は ビ ー ド 形 状 が 平 滑 に な る た め、溶 接 速 度 が 速 く、ワ イ ヤ の 使 用 量 が 少ない。 （計算上の必要な金属量 ＝ 79.5 g/m）
180＊ 180＊ 溶 接 電 流 （ A）
20＊ 18＊ ア ー ク 電 圧 （ V）
40＊ 48＊ 溶 接 速 度 （ cm /min）
20＊ 20＊ シールドガス流量 （ l /min）
111＊ 85＊ ワ イ ヤ 使 用 量 （ g /m）
2.52.1ア ー ク 時 間 （ min）
ワイヤ使用量×ワイヤ単価 350350ワ イ ヤ 単 価 （円 /kg）
材 料 費 の 計 算
0.101× 350＝ 35.40.085× 350＝ 29.8ワ イ ヤ 費 （円 /m）
ガス流量×アーク時間×ガス単価
0.30（ 150円 /kg） 1.00（ 1,000円 /m 3） ガ ス 単 価 （円 / l ）
20× 2.5× 0.3＝ 15.020× 2.1× 1.0＝ 42.0ガ ス 費 （円 /m）
──────× 1005050ア ー ク 発 生 率 （％）
工 賃 の 計 算
2.5/50× 100＝ 5.002.1/50× 100＝ 4.20作 業 時 間 （ min/m）
作業時間×工賃単価× 1/603,0003,000工 賃 単 価 （円 /時間）
5.00× 3,000× 1/60＝ 2504.20× 3,000× 1/60＝ 210工 賃 （円 /m）
550,000550,000溶 接 機 価 格 （円）
そ
の
他
──────────×単価 ───────＝ 2.7──────× 18＝ 2.0電 力 費 （ 18円 /KWH）
（円 /m）
──────────────── ─────────＝ 4.6───────＝ 3.9償 却 費 （円 /m）
────────────── ─────────＝ 2.3─────────＝ 1.9保 守 費 （円 /m）
35.429.8ワ イ ヤ 費 溶 接 費 （
円 ／ m）
15.042.0ガ ス 費
2.72.0電 力 費
6.95.8償 却 保 守 費
250210工 賃
310289.6合 計
180× 18× 2.1
60× 1,000
550,000× 4.20
5× 250× 8× 60
550,000× 0.1× 4.20
250× 8× 60
550,000× 0.1× 5.00
250× 8× 60
550,000× 5.00
5× 250× 8× 60
180× 20× 2.5
60× 1,000× 18
アーク時間 アーク発生率
電流×電圧×アーク時間 60× 1,000
溶接機価格×作業時間 5（年） × 250（日） × 8時間× 60（分）
溶接機価格× 0.1×作業時間 250（日） × 8（時間） × 60（分）
― 22―
溶接施行
アークスポット溶接CO2溶接による深溶込みを利用してアークスポット溶接を行うことができる。
（1）アークスポット溶接施工時の注意事項
ア．板厚
アークスポットの強度はナゲ
ット径の大きさにより決まるの
で点円の大きさが同じでも上側
の鋼板が薄い程、ナゲット径は
大きくなる。そのため薄板側か
らアークスポットすることが望
ましい。（図5・19）
板厚が１mm程度では適当な
裏当てを用いる。また、板厚が１
mm程度では上板側に孔をあけ
る栓溶接法により細径ワイヤ低
電流溶接法にて行う場合もある。
一般に上側の板厚が3.2mm程度
の厚さまでは穿孔は不要である
がとくに要求される場合には孔
あけして栓溶接とする。
（図5・20）、（図5・21）
（2）使用ワイヤ径
使用ワイヤ径は鋼板の板厚によって変える。上側の鋼板が1.2mm、下側の鋼板が1.6mm以上のとき
はφ1.6（1.4）ワイヤ、これら以下の場合はφ1.2ワイヤを使用。
（3）鋼材の表面状況
抵抗溶接の場合のような表面処理は必
要でないが、あまりひどい表面の油や錆
は有害である。
錆止めペイントを塗布する場合は、ブ
ローホール等の内部欠陥を生じやすい。
図5・19 アーク・スポット
図5・20 極めて薄い板のスポット溶接には裏当金を用いる
図5・21 アーク・スポットの余盛と孔あけとの関係
図5・22 ペイントを塗布した鋼板の溶接
― 23―
溶接施工
（4）アークスポットの形状
主要なアークスポット溶接条件は溶接電流と
アーク電圧及び溶接時間である。
溶込みには電流がもっとも大きな影響を与え
る。よいスポットを作るには、適当な電流と溶
接時間が必要で、アーク電圧は適当でなければ
いけない。
アークスポット円がある方向に散るときは被
溶接物へのアース接続部の位置、ノズル形状に
注意することが必要である。
図5・25 磁気吹きによる点円の散り
図5・23 溶接電流および溶接時間とスポット形状
図5・24 アーク・スポットの形状とアーク電圧
― 24―
溶接施行
（5）ノズル形状
溶接部の形状によってノズル形状は適当に工
夫し加工する必要がある。（図5・26）
（6）間隙
アークスポットの強度には板間の間隙が大き
な影響を及ぼす。
間隙の許容範囲は T/3mm程度である。
（図5・27、図5・28）
図5・26 スポット溶接部の形状とノズルの形状
図5・27 間隙とスポット
図5・28 上板の厚さと間隙の許容限
（mm）
― 25―
溶接施工
硬化肉盛溶接HV200～500程度の硬化肉盛はCO2、MAG溶接によって能率的に肉盛作業を行うことが出来る。
（1）肉盛溶接の留意事項
ア．母材の清掃
母材表面の油脂、ほこり、表面亀裂、表面硬化層を溶剤（アセトン、トリクレン等）、研削
によって完全に除去する。
イ．予熱
プロパン―空気バーナーによって徐々に加熱し、予熱温度としては一般に200～300℃の範
囲に加熱する。
ウ．溶接
3層以上の肉盛を行う場合は、3層肉盛溶接毎に600～680℃の焼なまし処理を施し、その後
更に肉盛溶接を行う。
エ．後熱
溶接終了後600～680℃焼なまし処理を施し残留応力を除去する。
（2）肉盛用ワイヤと溶着金属の硬さ
DS250、350、450はCO2アーク溶接によってHV250～350（DS250）、HV350～450（DS350）、
HV450～550（DS450）の溶着金属を得ることができる。
表5・26 溶着金属の硬さの例
溶着金属のビッカース硬さ（HV） シールドガス 溶接条件 ワイヤ銘柄
900℃ 油冷 700℃ 焼鈍 溶接のまま
370～ 400215315CO2350A-38V
DS250230339CO2190A-21V
400～
――
450240400CO2350A-38V
DS350245405CO2190A-21V
325491CO2400A-36VDS450
320472CO2200A-21V
