30
- 1 - March March 平成30年 平成30年 (第64巻 第3号 通巻750号) (第64巻 第3号 通巻750号) 3月号 3月号 2018 2018 ISSN 2189-9827 ISSN 2189-9827 き ん じ ん ベニヤマタケ Hygrocybe coccinea 、山口県美祢市(秋吉台) 目  次 表紙のきのこに寄せて ベニヤマタケ(紅山茸) …………………………… 幸せブータン王国でのシイタケ作り …………………………… 原木栽培用推奨シイタケ品種の特性について ……………… きのこレシピ その18:乾シイタケのからしっこ………………… 13 1~3月の原木シイタケ栽培管理………………… 14 市    況 3月号 全農乾シイタケ情報 ……………………… 26 生シイタケの市況動向……………………………… 29 各地のきのこだより ………………………………………………………… 30

Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

- 1 -

MarchMarch平成30年平成30年

(第64巻 第3号 通巻750号)(第64巻 第3号 通巻750号)

3月号3月号

20182018

ISSN 2189-9827ISSN 2189-9827

き ん じ ん

ベニヤマタケ Hygrocybe coccinea 、山口県美祢市(秋吉台)

目  次表紙のきのこに寄せて ベニヤマタケ(紅山茸)… ……………………………2

幸せブータン王国でのシイタケ作り… ……………………………3

原木栽培用推奨シイタケ品種の特性について… ………………9

きのこレシピ その18:乾シイタケのからしっこ……………………13

栽 培 技 術 1~3月の原木シイタケ栽培管理……………………14

市    況 3月号…全農乾シイタケ情報…………………………26

       生シイタケの市況動向………………………………29

各地のきのこだより… ……………………………………………………………30

Page 2: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 2 -

 3月になるとそろそろ梅も咲き始め、徐々に春の気配がしてきました。まだ野生の地上性き

のこの発生は極めて限定されますが、ヌメリガサ科(Hygrophoraceae)、アカヤマタケ属

(Hygrocybe)に所属するベニヤマタケ(Hygrocybe coccinea (Schaeff.) P. Kumm.)は、

そんな初春に鮮やかな彩りを見せてくれるきのこだと思います。ベニヤマタケは傘と柄が鮮やか

な赤色で、ひだは黄橙色を呈し、全体が蝋細工のようなもろい肉質のきのこであり、北半球一帯

ならびにオーストラリア等に分布し、林内や特に草原地によく発生します。発生時期は春から秋

ですが、特に3〜4月が多いように思います。筆者の知る発生場所の1つに山口県美祢市の秋吉

台(日本最大のカルスト台地)があります。秋吉台はネザサやススキ等の群落から構成される草

地ですが、一部にナラ類やツバキなどの林も認められ、またクロアミメノセイヨウショウロが発

見された場所でもあり非常に興味深い地域です。

 そんな秋吉台では例年2月下旬に600年以上も続く伝統的な山焼きが行われます。鎮火後2週

間ほどすると、焼けて真っ黒になった地上に鮮やかな赤い色の可愛らしいベニヤマタケがぽつり

ぽつりと発生し始め、秋吉台の春を知らせてくれます。ベニヤマタケは「山口県のきのこ」とし

て、また地元では「アカナバ」と呼ばれ親しまれています。色を活かしてオムレツや炊き込みご

飯などはいかがでしょうか。

発生地の様子

焼け跡に発生したベニヤマタケ

表紙のきのこに寄せてベニヤマタケ(紅山茸)■ 牛島秀爾

(菌蕈研究所 主任研究員)

Page 3: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 3 -

幸せブータン王国でのシイタケ作り■ 寺嶋芳江

 ブータン王国の西部できのこ栽培を手伝うという市民レベルの事業が、(独)国際協力機構

(JICA)の「草の根技術協力事業」として平成28年から始まりました。琉球大学がJICAから

委託を受け、ブータン農林省の国立きのこセンター(NMC)を相手方とし、同年7月から3年間

の活動を始めています。ブータンでは、シイタケの原木栽培(図1)、ヒラタケの稲わら袋栽培(図

2)が行われています。また、マツタケをはじめとする野生食用きのこが採取され、漢方薬とし

て高価な冬虫夏草(図3)も政府の管理のもとで取引されています。ブータンの野生きのこにつ

いては、菌蕈11月号(第63巻第11号)に詳しく報告されています。ここでは、シイタケを中

心にご紹介します。

 この国はヒマラヤ山脈の南麓に位置し、北は中国、南はインドに接しており、面積は九州ほど

です。緯度は沖縄と同じですが、北部は7,500m級の山々が連なり(図4)、南は標高500mの

インド平原に続く(図5)ことから、場所による標高の差が大きいことが特徴です。ブータン

は20県、201村から成り、全人口は徳島県

や高知県の人口に近い77万人です。国民の

約70%が農村に住んでいますが、小規模な

経営、急峻な地形、農業用水の確保が難し

いこと、道路整備が遅れていることなどか

ら、生産性は低く、国民の12%が貧困層と

いわれています。事業の対象地域は西部5県

で、国際空港があるパロ県、そこから車で東

へ1時間のティンプー県(首都)、その東南

のプナカ県と ワンドゥ・ポダン県および南

図1.ほだ木から発生したシイタケ 図2.ヒラタケの稲わら栽培

図3.パロ空港にある冬虫夏草の販売店

Page 4: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 4 -

のチュカ県です。パロ県と

ティンプー県は標高2,000

〜3,000mの地域で、日本

の高地に似た気候で、プナカ

とワンドゥ・ポダン県はこれ

よりやや暖かく、チュカ県は

さらに暖かい地域です。この

ように小面積の国でありなが

ら、地域によって気候に大き

な差があることが、ブータン

におけるきのこ栽培を難しく

しています。

 平成27年のシイタケとヒラ

タケの生産量は併せて19t、

販売額は約680万円(400

万ニュルタム)、マツタケな

どの食用野生きのこの販売額

は約2,550万円、冬虫夏草

は28,560万 円 で し た。 栽

培きのこは観光客向けのホテ

ルに直売されるか、近隣へ販

売されます。野生きのこは首

都で毎週開かれる食料品市

場、幹線道路の簡易販売所や

露店で売られています。人々

は日々の食事に欠かせない肉

やチーズと同様にきのこが大

変好きで、きのこは古くから

価値ある食材とされてきまし

た。現在では国内の需要量に

生産が追いつかず、ヒラタケ

(図6)やツクリタケがイン

ドから輸入されていますが、

農薬混入という新たな問題も

浮上しています。

図4.峠からヒマラヤ方面を臨む光景

図5.インドへ次ぐ平原

図6 .首都の市場で売られているインド製のヒラタケ

Page 5: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 5 -

 ブータンでは、シイ

タケはすべて原木を利

用して栽培されていま

す。栽培方法として

は、1990年頃、当時

のNMC職員が日本の

種菌会社で1年間研修

を受けたことがきっか

けで、その会社方式の

栽培方法が広められま

した。NMCが配布用

の種菌を製造し、政府

の貧困対策の一環とし

て、きのこ栽培の希望

者には無償で種菌を配

布しています。種菌には、おが粉とフスマを混合した培地を使い、これに母種菌を接種して配布

用とします。しかし、製造段階での種菌瓶の害菌汚染率は30%に達することもあり、農家に配

布された種菌瓶の下半分の培地での菌糸のまん延は少なく、種菌として極めて不適切なものでし

た(図7)。この原因として、①おが粉の粒形が粗く、空気孔として開けた孔がつぶれた(以前

は孔も開けていませんでした)、②標高が高い場所にもかかわらず滅菌釜の内部温度を測定して

いなかったため、温度が十分に上がっていなかった、③インド製のねじ口ビンを使っていたため、

ふたを閉めて滅菌した場合にビンがへこみ、ふたを緩めて滅菌すると放冷時に害菌が混入した、

④害菌の混入を恐れて菌糸の初期成長を促すためのフスマの割合を少なくしていたために、菌糸

のまわりが遅かった、⑤衛生的作業環境になく、知識も不足していた、などが挙げられます。

 政府の方針により、NMC

の施設は平成26年から2回

移転し、現在は首都から車

で15分ほどの郊外にありま

す。種菌製造の作業をこなし

つつ、畜産の旧施設を建て増

ししながら仕事をしており、

日本製の古い大型滅菌釜の取

り付けが遅れた、中古のクリ

ーンベンチが故障したなど苦

労がつきません。仏教の教え

から生き物の殺生を嫌う国柄

図7.菌糸の成長が不揃いな種菌

図8.ヒラタケ培地の作製風景

Page 6: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 6 -

であり、ネズミ、ハエの施設内への侵入が多いにもかかわらず、追い払うのみであり、これらは

害菌汚染の原因となっています。平成元年に国王は、公務員と学校の生徒に民族衣装(男性用ゴ・

女性用キラ)の着用、国語ゾンカ語の習得、伝統的礼儀作法の順守を布告しました。このため、

作業時にも民族衣装を着用します(図8)。しかし、この事業の開始から1年半が経過し、すべ

ての点について少しずつ改善がみられています。

 ナラ類やカシ類などが原木

として使われていますが、森

林保護の考えからこれらの木

を根本から切り倒すことはで

きず、枝のみ利用します。枝

は太さ10〜20cmほどであ

り、日本で使われている主幹

から切り出した原木とほぼ同

様の太さです。しかし、木の

成長が遅いために樹皮表面に

地衣類が多くみられ、曲がり

部分が多く、長さも不均一に

切断されています(図9)。

日本では原木用に伐採した

後、葉枯らしをしますが、切った枝を林内に置いておくと薪用として盗まれるということです。

このため、切った枝をすぐに持ち出し、生木の状態で接種します。

 NMCは製造した種菌を自ら農家へ配っており、ドリルや自動おが菌接種器を持ち込み、接種

を指導しています(図10)。原木と封ろう材料のみは農家が用意するとのことです。この指導業

務には長い出張時間と労力を

要し、NMCの普及作業の中

で主要部分を占めます。生木

状態の原木に接種後、立てて

並べ、その上に松葉を置いて

ビニールシートで覆うという

方法で管理していました(図

11)。この方法は日本から

伝えられましたが、ブータン

に導入される際に葉枯らし、

本伏せという重要な部分が欠

落してしまったようです。仮

伏せ状態から即、浸水が行わ

図9.原木用の曲がりの多い枝

図10.おが菌接種と封ろう作業

Page 7: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 7 -

れていました。原木内部に菌

糸が十分蔓延していない状態

で浸水を行うと、子実体発生

が見られないばかりでなく、

害菌の侵入をも招いてしま

います。平成29年2月に、

日本の原木栽培を視察しても

らい、科学的根拠に基づいて

仮伏せと本伏せの意味につい

て説明を繰り返した結果、現

在では、本伏せの重要性が

NMC職員に伝わったようで

す。日本では伏込みを野外や

ハウスを利用して行うことが

多いのですが、ブータンでは

木と石でできた風通しの悪い

頑丈な建物内で行っています

(図12)。一般的に、日本

の湿潤な気候に比べて降水量

が少なく、湿度も低く、紫外

線が強く、昼夜の寒暖差が大

きいのですが、細かい気候は

高地と低地、および山と谷に

よる微地形によって異なりま

す。この国の気候に合った栽

培方法を地点ごとに提案しな

ければなりません。

 ブータンで現在最も重要なことは、農家に良質の種菌を配布することです。日本のように良い

機械があれば自分たちも良い種菌が作ることができると、NMCの技術者たちは口々に言います

が、そうではありません。種菌を作る人の衛生観念、自国の設備と器具で健全な種菌を作るため

の応用力が最も重要です。この事業では、毎年8名ほどのブータン人を日本に招き、きのこ作り

を学習するというプログラムも組み入れています。平成30年2月に、種菌製造に関わるNMC技

術者が日本きのこセンターの菌蕈研究所と菌興椎茸協同組合の種菌育種場で4日間の研修を受け

ました(図13)。種菌育種場では、駒菌、おが菌、形成菌などの種類による製造と使用の方法

に関する長所と短所、種菌の検査と保管方法について説明を受け、母種菌から配布用種菌への衛

生的な接種方法を実習しました。研究所では、おが粉培地の作り方、接種について実習し(図

図11.ブータンでの植菌ほだ木伏せ込み状況

図12.植菌ほだ木伏せ込み用の頑強な建物

Page 8: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 8 -

14)、試験管の寒天培地の

作り方、寒天培地から次の寒

天培地への菌の接種について

実体験しました。研修初日に

ブータンの技術者にそれぞれ

の仕事と抱えている問題を発

表してもらい、終了日に日本

で学び、考えたことを披露し

てもらったことも有意義でし

た。同席いただいた菌蕈研究

所と種菌育種場の関係者の

方々からも、討議の中でブー

タンに即役立つ助言を頂戴し

ました。

 ブータンでは国を挙げて有機農法を進めようとしています。しかし、すべての農作物栽培を有

機農法で行うにはまだ道のりは遠いようです。日本でのきのこ栽培は農薬を極力使用しない方法

で行われています。きのこ栽培こそが、まさに、ブータンの政策に合致した作物の生産方法と言

えます。このことを自覚し、また大いに宣伝し、ブータンでのきのこ作りを行い、幸多い国を維

持してもらいたいと思います。

(国立大学法人琉球大学教授 農学博士)

図13.研修終了証を手にしたブータン技術者

図14.菌蕈研究所での接種研修の様子

Page 9: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 9 -

原木栽培用推奨シイタケ品種の特性について■ 一般財団法人日本きのこセンター

乾シイタケ用品種菌興115号:極厚肉・美味でブランド力のある人気品種

【きのこの特徴】極厚肉・美味で、石川県(ブランド名:のとてまり)、鳥取県(同:鳥取茸王)

などでブランド化が進められている人気品種。特に、きのこの美味しさには定評があり、本品種

の「椎茸ステーキ」は絶品です。

【栽培特性】形成菌を使用すると、1年ほだ木からも発生があります。種駒の発生最盛期は2年

ほだ木。林内での露地栽培のほか、ハウス栽培にも適します。冬季に袋掛け、ビニール被覆栽培

により、極厚肉・大型きのこが収穫できます(菌蕈2016年1月号参照)

【発生型:発生温度】低中温型(冬春型):晩秋、最低気温が8℃を下回る日が続くと発生が始まり、

5℃以下になると発生量が多くなります。冬〜春にかけて、ほだ場の最高気温が10〜13℃の日

が続くと本格的に発生します。

Page 10: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 10 -

菌興193号:大型でヒダが美しい

【きのこの特徴】大型で、ヒダが密で美しい。傘周縁の巻き込みが強く、反転しにくいなどの特

徴があります。

【栽培特性】発生の最盛期は3年ほだ木。ほだ木寿命は長く、古ほだ木になっても大型のきのこ

が採取できます。冬〜春にかけて分散的に発生します。

【発生型:発生温度】低中温型(冬春型):菌興115号と同様、晩秋、最低気温が8℃を下まわ

る日が続くと発生が始まります。晩秋は分散的に発生し、秋子率は115号よりも高い。

菌興240号:大型・厚肉で安定多収

【きのこの特徴】大型・厚肉で、ヒダも美しい。傘周縁の巻き込みが強く、反転しにくい。こう

しんでも、どんこでも幅広い品柄で良品生産が可能な品種です。

【栽培特性】発生の最盛期は2年ほだ木。コナラ2年ほだ木の秋の発生率は、通常年で30%程度。

暖冬年には、晩秋から春まで分散的に発生します。

【発生型:発生温度】中低温型(春秋型):秋、ほだ場の最低気温が10℃以下に安定すると発生

量が増えます。冬〜春にかけて、ほだ場の最高気温が10〜13℃の日が続くと発生量が増加しま

す。

Page 11: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 11 -

菌興324号:硬い肉質の美味しい

【きのこの特徴】傘は大きく、円形平山型で、ヒダが美しい。さっくりとした硬い肉質を持ち、

美味しさに定評があります。

【栽培特性】走り子(植菌年の秋から春の発生)が多く、分散発生するため、生出荷にも適します。

【発生型:発生温度】中温型(秋春型):秋、ほだ場の最低気温が14℃以下になるときのこの発

生が始まり、翌4月にかけて分散的に発生します。春の発生は最高気温が10℃以上になる頃か

ら始まります。

生シイタケ用品種菌興702号:芽数を増やしやすい豊産型

【きのこの特徴】傘は円形丸山型で明るい茶褐色。傘肉は厚く、硬さは普通です。

【栽培特性】形成菌を用いた多孔植菌により、ほだ化を促進すれば、植菌年に2回程度の使用が

可能です。冬期に保温保湿すれば周年栽培も可能。休養中の散水によって芽数を増やしやすい豊

産型品種です。

【発生型】高中温型(周年型)、芽出し温度:13〜18℃、成長温度:13〜28℃

Page 12: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 12 -

菌興697号:夏に強く、厚肉で美味しい

【きのこの特徴】厚肉で、明るい褐色のきのこ。肉質が硬いので食感が良く、旨味もあって美味

しい。

【栽培特性】形成菌を用いた多孔植菌により、ほだ化を促進すれば、植菌年の使用が可能。真夏

でも、発生量、品質が良く、厚肉のきのこが採れます。冬季の休養や浸水前管理の温度は15℃

以上とします。

【発生型】高中温型(周年型)、芽出し温度:13〜18℃、成長温度:13〜28℃

菌興537号:大型・良質きのこを確実生産

【きのこの特徴】大型・厚肉のきのこ。肉質も良く、美味しさにも定評があります。

【栽培特性】高温性の品種の中でも晩生で、2夏経過のほだ木を使用すると大型・良質なきのこ

が確実に採取できます。一方、古ほだ木になっても、きのこは大型で品質の劣化が少ない。低温

耐性にやや欠けるため、秋は早めにハウス休養に切り替えます。

【発生型】高中温型(周年型)、芽出し温度:13〜18℃、成長温度:13〜28℃

(菌蕈研究所 上席主任研究員 寺島和寿)

Page 13: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 13 -

●材料(2人分)                                   

 乾シイタケ・・・・・・35g    水・・・・・・・・・・100cc

 シイタケの戻し水・・・1カップ(200cc)    和風だし・・・・・・・大さじ1弱

 麺つゆ+水・・・・・・1カップ(200cc)    砂糖・・・・・・・・・15g

 酒かす・・・・・・・・80g            塩・・・・・・・・・・小さじ1/2

 からし・・・・・・・・8g(お好みで増減)

●作り方                                       (1)乾シイタケは柄を切った後、たっぷりの水で戻す。(2)麺つゆに水を入れ、すまし汁程度に薄めておく。(3)鍋に(2)と戻したシイタケを入れ、沸騰後10分煮る。(4)煮含めたら、ざるに入れて煮汁を切り、冷ます。(5)ボールに酒かすを小さくちぎって入れ、水で溶いておく。その中に和風だし、砂糖、塩を

入れ、よく混ぜる。(6)冷ましたシイタケと(5)とからしをよく混ぜる。                                           

2018年は乾シイタケのレシピをご紹介します!★「こんな食べ方もあるよ!」というご提案もお待ちしております♪情報の宛先は、下記までお願いします。一般財団法人日本きのこセンター http://www.kinokonet.com/                                           

(知財活用部門)

きのこレシピその18:乾シイタケのからしっこ■ 岡崎萌生

※すぐに食べても美味しいけれど、1〜2日経つと味がマイルドになるよ! 冷蔵庫で保存してね!!

Page 14: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 14 -

乾シイタケ栽培1.原木の玉切り時期について

 適期に伐採した原木は玉切り時期を迎えています。若木(10〜15年生)は伐採後30〜40日、

15年生以上のものは50〜60日が玉切りの目安となります。ただし、その年の天候や黄葉具合

により多少異なるため、原木元口のひび割れ状態も目安にしてほしい(下図参照)。若木では小

口中心部からのひび割れが三分の二くらいまで入った時、老木では樹皮に近い部分まで細かいひ

びが入った時が玉切りの適期です(下図参照)。

 近年、様々な害菌が多発しています。原木の葉枯らしが十分でなく、材内部に余分な水分が残

っていることも一因です。また、生木状の原木ではシイタケ菌の材内部への伸長が妨げられるた

め、「うわほだ木」となり、きのこの発生不良や小型化の原因となるので十分注意しましょう。

2.植菌について

 玉切り後は集材して笠木を掛け、直射日光に当てないようにします。直射日光に長時間当てる

と害菌の侵入や原木の表面硬化の一因となります。集材が終わればなるべく早く植菌にかかるよ

うにしましょう。特に、菌興169号や170号は早めの植菌でほだ化を進め軟ほだ木を作ること

で、起こし木(2年ほだ木)からの発生も可能になります。また、初年度から発生の少ない品種は、

栽培技術1~3月の原木シイタケ栽培管理

一指し指大の枝を曲げると、折れにくく(折れてしまうのは生木か、枯れすぎ)ささくれがたつ時期、若木ではひび割れが木口の半径の⅔ぐらい入った時期

老木では、ひび割れがすすみ、樹皮に近い部分に細かいひびが多くできる時期

玉切りの適期

4~5㎝ 20~25㎝

4~5㎝

コマ菌 木口直径(㎝)の2.5~3倍が標準

深穴植菌する

深穴

Page 15: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 15 -

なるべく若木を使うことが1年目の収量アップにつながります。老木や岩肌原木は深孔植菌や駒

数を多くし、ほだ化を進めるようにしたいものです。 

3.仮伏せについて

 冬期に植菌したほだ木は直ちに仮伏せを行い、シイタケ菌の初期活着伸長を促すようにしまし

ょう。寒く乾燥した条件下では、シイタケ菌が伸長できないばかりか種菌が弱って活着が遅れ良

いほだ木が作れないことにつながります。特に、種菌の乾燥は禁物ですので注意しましょう。

 基本的な作業は、下図のように、ほだ木を30cm程度の棒積みか束立てにし、笠木・遮光ネ

ットなどで庇陰した上からビニールまたはブルーシートで覆います。ただし、駒菌は比較的乾燥

に強いので笠木等で覆う程度でもよいが、形成菌・オガ菌では必ず被覆を行い保湿・保温を図り

ます。シイタケ菌の活着・伸長がスムーズにいくかどうかで、ほだ化の良し悪し、発生量・品質

などに大きく影響しますので、適期作業に心掛けてください。

4.寒子作りについて

 1月〜2月は、寒さも厳しくなるため、寒子の良品作り対策が必要となります。

 寒い時期の芽きりは放置すれば枯死や変形する恐れがあるが、手を掛ければ立派な厚肉品が収

穫できる最適時期です。防風垣設置、ビニール被覆、袋掛け等で保温・保湿をはかり良品をより

多く生産したいものです。

 防風垣は、ほだ場を囲むように設置します。広いほだ場では二重、三重に設置し効果を高めま

玉切った原木には直射日光を当てない

笠木(枝葉)裸地棒積み 林内

30~50㎝の低い棒積みにする 束立て

笠木、ネットで直射日光を防ぐ

裸 地

(コマ菌の仮伏せ)ビニール

(オガ菌の仮伏せ) コモ、ネット

※シイタケ菌が十分に活着 すれば本伏せする

Page 16: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 16 -

しょう。ビニール被覆は、風が入り込んだりビニールが飛ばされないように、裾をしっかり止め

ておくようにします。

5.袋掛けで単価アップ

(1)袋掛けの効果は

 ①芽切ったシイタケの枯死を防ぎ成長を促進します。

 ②一回り大きなシイタケとなり収穫できます。

 ③乾燥仕上がりが軽く、色も良くなります。

(2)袋掛けの時期は

 寒い時期(12月〜2月の厳寒期)ほど袋掛けの成長促進効果が大きい。下図のように袋内

の温度が高くなるからです。

(3)袋掛けの方法(ポイント)

 ①袋を掛ける芽の大きさは500円玉大に成長してから掛けます。ただし、乾燥などのためそ

こまで成長できない場合は早めに掛けても良いでしょう。

 ②できるだけ芽が乾いた状態で袋を掛ける。芽の水分が多いと、腐る恐れがあり商品価値の高

袋を掛けたきのこ(右)と掛けなかったきのこ(左)品種:菌興115号

袋掛けの一例

温度(℃)

気温

時刻

袋内きのこ袋外きのこ

Page 17: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 17 -

いシイタケにはなりにくい。降雨後はしばらく乾かしてから掛けます。

 ③発生しているすべてのきのこに掛けるのではなく、柄(足)の太さ、きのこの状態などから

将来大形に成長しそうなきのこを選択して掛けるようにします。

 ④通気性の低い袋を芽が500円玉大の時に掛け、その後に大きくなり傘の表面に亀裂が入り

出したら通気性のある防曇袋に掛け換えると良品のシイタケが採れます。

 ⑤ほだ場を明るくして日射を多く取り入れようにします。防風垣も同時に設置しましょう。

 ⑥肉質の締まったきのこに仕上げるためには、収穫予定の1〜2日前に袋を取り外気に当てて、

出来るだけきのこの水分を減少させるのがコツです。

 ⑦形きのこの発生しやすい品種(菌興115号など)を導入しましょう。

(4)袋掛けのデメリットは

 ①急激な温度上昇により、きのこがバレることもあります。

 ②雨子状態で袋を掛けると、袋の中で芽が腐ることもあります。

 ③袋を外す場合は天気を見て行い、雨を当てないようにしましょう。

(5)袋掛けの効果の調査結果

 下表は、1月に菌興115号のきのこ(親指大まで成長しているきのこ)に2種類の通気性の違

う袋を掛けた場合の試験調査結果です。

 明らかに、無処理よりは袋掛けをした方がきのこが大きく、生の個重は2倍、傘の肉厚は1.5

倍以上になっています。2種類の袋掛けには大差はないが、通気性の低い方がきのこがわずかに

大きくなる傾向です。この理由としては、気温の低い時期の袋掛けであったために、保温・保湿

効果が高くなる通気性の低い袋の方が、きのこの成長に効果が高かったと言えます。逆に春先の

気温が高い時は、品質の低下を招くことがあります。

項 目 傘 径 柄 長 傘 厚 生個重 乾個重 調査数

通気性 低 8.1cm 5.2cm 2.4cm 106g 13.3g 10個体

通気性 高 7.6 5.3 2.1 94 11.1 10

無処理   6.0 4.1 1.4 49 8.7 10

実施期間:1月8日〜2月8日 場所:落葉樹と針葉樹の混交林内

(6)袋掛けのまとめ

 袋掛けの目的は、当然ながら、きのこの周囲の温度や湿度を上昇させることにあります。寒冷

地では冬季はきのこ温度が常に5℃以下であるためにきのこが成長できません。また、この時期

は乾燥が厳しく、水分不足によってきのこの成長が停止します。袋掛けによって袋内の温度と湿

度が上昇すれば、きのこは成長できるようになります。

 袋掛けをしたきのこの温度を時間をおって調査すると、日中外気が5℃以下でも、袋を掛ける

と15℃以上に上昇します。また、袋掛けの効果は日当たりの良い場所で大きく、日陰では小さ

くなります。

Page 18: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 18 -

6.菌興240号の乾燥方法について

(1)菌興240号の特徴について

 菌興240号は中低温性の品種であり、最低気温が10℃以下に安定すると発生量が増えます。

暖冬の年は晩秋から翌春にかけて分散的に発生しやすい品種として注目されています。特徴とし

て、傘は大きく、円形丸山型。柄は短く石突きに向かうほど細く、採取しやすい。傘周縁の巻き

込みが強く反転しにくい、そして大葉の比率が高いことなどが挙げられます。

(2)菌興240号の乾燥について

 菌興240号は、多くの水分を含む雨子でのエビラに詰め込み過ぎの状態で乾燥を行うと、水

分が抜けるのに時間がかかるため色が悪くなることがあります。しかし、乾燥方法を工夫すれば

雨子を上手に乾燥することができます。本格的な春子シーズンを前に240号の特徴を踏まえた

乾燥方法を以下に紹介します。

【日和子の乾燥】乾燥機満杯詰め 使用乾燥機 TC-45 KK-45

  設定 第1設定 温度設定は 40℃からスタート 2 時間、ダンパー2番(少し閉め)

     第2設定 温度設定は 43℃に設定して 3 時間、ダンパー 4 番(1/ 3閉め)

     第3設定 温度設定は 45℃に設定して 8 時間、ダンパー6番(2/ 3閉め)

     第4設定 温度設定は 50℃に設定して最後まで、ダンパー8番(全閉)

※極端にエビラ枚数の少ない場合(15枚以下)は、第1設定のダンパーを閉めて4番からスター

トしても構いません。

【雨子の乾燥】 乾燥機満杯詰め 使用乾燥機 TC-45 KK-45

  設定 1段階 温度設定は 35℃からスタート 5 時間、ダンパー1番(全開)

     2段階 温度設定は 38℃に設定して 5 時間、ダンパー3番(1/ 3閉め)

     3段階 温度設定は 45℃に設定して 10 時間、ダンパー6番(2/ 3閉め)

     4段階 温度設定は 50℃に設定して最後まで、ダンパー8番(全閉)

※雨子の乾燥は、乾燥機の機種や条件によってかなり左右されるが、ポイントは十分に湿気を排

出することにあります。ダンパーを早く閉めると乾燥機内の湿度が上昇して煮子の原因になり

ます。温度管理も重要ですが、雨子の場合はダンパーを開け気味に管理することが良品に乾燥

するためのポイントです。

(3)ダンパーと燃費の関係(乾燥不良による損失)

 ダンパー調整で気になるのが燃費との関係でしょう。灯油価格が少しづつ高騰する中、少しで

も燃料消費を抑えようと、ダンパーを早めに閉めると色が付き過ぎで商品価値が落ちます。商品

価値が落ちると、燃料を節約しても大きな損失が出るので注意したいものです。

Page 19: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 19 -

【例】30 枚差し乾燥機満杯詰め乾燥の場合 ( 約 20㎏乾シイタケ )

   乾シイタケ 単価 売上金額   燃料  灯油単価  燃料費  

   20kg × 4,000 円= 80,000 円    50L × 90 円 = 4,500 円

   ※燃費を節約するということは ⇒ 排気量を絞る ( ダンパーを閉める )

   ※色が悪くなると ⇒ 単価が 1,000 円安くなります。

【例】燃費を 30%節約して単価が 1,000 円安くなる場合

   乾シイタケ 単価 売上金額   燃料  灯油単価  燃料費

   20kg × 3,000 円= 60,000 円    35L × 90 円 = 3,150 円

   ※売上金額は- 20,000 円で燃料費は+ 1,350 円になり、損失は 18,650 円。

   ※燃料費を節約することで、色が悪くなり、単価が落ちて大きな損失となります。

(4)最後に

 今回は240号の乾燥について説明しましたが、乾燥機だけでの乾燥の場合は、燃料費を過剰

に節約すると色落ちして品質が落ち、大きな損失を招くので、品質重視の乾燥に心がけるように

したいものです。また、薪室乾燥室も持っている方は出来るだけ併用して、燃料節約だけでなく、

しっかりと乾燥して欲しいと思います。

(九州日向事務所 谷口和利)

菌興240号の乾燥前 菌興240号の乾燥後

Page 20: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 20 -

生シイタケ栽培 1〜3月は、生シイタケの需要に合わせた発生操作に加え植菌作業の適期を迎えます。シイタ

ケ栽培においては、浸水や散水などのきのこを生やすための管理も重要ですが、1本のほだ木か

らより多くの収量を得るために、ほだ木作りが重要となってきます。特に生シイタケ栽培におい

ては、植菌後のこの1〜3月の仮伏せ管理がその後のほだ化に大きく関ってくることになります。

1.冬菌(低中温性品種)の浸水栽培

 「菌興115号・141号・118号の発生操作」

 ※2回目の操作は浸水、散水にかかわらず、1回目に発生したきのこが完全に採り終わってい

なくても、ある程度のところで見切りをつけ、早めに次の操作を行うようにしましょう。た

だし、集中発生や発生過多となった場合は、空いているビニールハウスなどを利用して休養

を行うことが大切です。

収 穫 1回目(拾い込み)の発生終了。

① 浸 水 新ホダ木 (オガ・形成菌) 12時間

新ホダ木 (コマ菌) 24時間

凍結する寒さが来たら、2年~3年ホダ木の浸水も開始。

2~3年ホダ木 (オガ・形成菌) 24時間

2~3年ホダ木 (コマ菌) ※24時間 (36~48 時間)

* 水温を 10℃くらいまで上げるか、クギ目などを入れ短時間で吸水させた方が発生したきのこの

品質が良い。水温が低い場合は 48時間浸水とする。

② 寒ざらし(水切り) 屋外にて 5~7日間

屋外で芽切り温度が確保できなくなれば、屋内へ(無加温ハウス)。

反対に、8℃以下の低温が十分得られない場合は、芽切りまで屋外に置く。

③ 成 長 ハウス内温度

日中 15~20℃ 夜間 0~5℃

* 基本的には無加温で。日中でも温度が上がらなければ、日中のみ加温しても良いが、

夜間は加温せず温度較差をつける。(ボリューム感のあるきのこに育てる)。

④ 収 穫 採取後は、ハウス内(凍結しない所)で20~30日休養(寒冷地は連続使用可)。

その後は①~④の繰り返し。

※ハウス内での使用は露地発生の1カ月前までを目安とし、使用後は浸水を行ってほだ場へ戻すと春子の発生も 可能となります。

寒ざらし(屋外の場合) ビニール

(すっぽり覆う) 遮光ネット

菌興115号・118号・141号の発生操作の手順

Page 21: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 21 -

2.夏菌(高中温性品種)の浸水栽培

 「菌興697号・702号・537号の発生操作」

 オガ・形成菌の1年ほだ木を昨秋から使用している人は、1〜3月期にはすでに2〜3回転目を

迎えていると思います。厳寒期に使用の際は、冬菌とは違い温度管理を徹底することが重要です。

特に今シーズンは寒さが厳しいため低温対策を十分に行う必要があります。

(1)浸水:水の温度は10℃以上を確保し(最適は13〜18℃ )、浸水時間は12時間以上を目

安とします(次回発生のため種菌部に吸水させるため)。

(2)芽出し温度:13〜18℃。

(3)成長温度:13〜28℃。

(4)休養:使用回数が増すと、きのこの発生が植菌孔から樹皮発生へと変化します。このこと

を踏まえ、樹皮面の腐朽を進めることが重要となります。樹皮の熟度促進のためには温度と

水分が必要であり、休養ハウスの日中の温度は25℃程度を確保し、ハウス内温度が上昇し

た後から散水管理を行います。

3.夏出しへ向けての事前管理(菌興697号、537号)

 菌興697号、537号を春以降に使用する場合は、使用前少なくとも1カ月前には下述のよう

な事前管理を行い、発生し易いほだ木に仕上げましょう。

 戸外で冬越しを行った場合は、ハウス内に持ち込み密な井桁か薪積み(あまり高くならないよ

うに)し、乾きにくいように組む。第一に、ほだ木を暖めることを心掛ける。ほだ木温度が上が

る7〜10日後から散水を開始します。

 休養舎(20℃一定)であれば30〜40日を目安に事前管理を行う。温度較差のつく場所で

日中一時的に30℃まで上昇するようであればなお良い。また、無加温ハウスの場合は内張りに

遮光ネットを張り、日中のハウス内温度が30℃付近まで上昇した時が散水の目安となります。

晩秋にハウスに取り込んでいた場合も、冬期間の散水や被覆はせず、そのままの状態で過ごさせ、

前述のように温度確保ができてから散水を開始しましょう(図1)。

「ハウス構造」

ラブシート (サニーコート)

春先 遮光ネット (ブルーシート)

厳寒期

内張りで庇陰調整を図る。厳寒期、成長温度が確保できない時はビニールやサニーコートなどで 2重張りにする。

降雪の心配がなくなったら屋根に遮光ネットを張る。

(降雪が心配な場合ブルーシー トを掛ける)

Page 22: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 22 -

4.植菌・仮伏せ

 1〜3月に植菌をする場合は、原木は事前にハウス内に取り込んでおくようにしましょう。植

菌を終えたほだ木は、その日のうちに図2のようにビニールやシルバーポリなどで、しっかりと

囲います。その際、ビニールの裾と地面の間に隙間が開かないようにすっぽり覆います。被覆資

材としてブルーシートは水滴が付きにくいので、あまり望ましくありません(特に古いものは不

向き)。ブルーシートを使う場合は、必ずポリシートなどでしっかりと囲った上からブルーシー

トを掛けるようにします。ほだ木の組み方は縦(束立て)でも横(棒積み)でもどちらでも良いが、

束立ての方がほだ木作りにおいて、ほだ木間のほだ化の差は付きにくいようです。また、ほだ化

のバラつきを少なくするためにも、仮伏せ中、1回は天地返しを行うことを勧めます。

 ビニールを掛けていても被覆内温度が低過ぎると発菌が遅れ、長期間そのまま放置されると、

低温乾燥状態になることがあります。被覆内の最低温度が5℃以上(適温10〜20℃)になる

よう保湿・保温管理を行います(下図参照)。

図1.ハウス内に取り込み、温度が上昇してくる3月から散水開始

麻袋やダンボールなど

ビニールやシルバーポリなど

青シートで囲う場合は、必ず中にポリを掛け、二重にする

棒積み束立て

Page 23: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 23 -

 「仮伏せの初期の注意点」

(1)被覆内の水滴の確認

 被覆を始めてから2〜3日中に被覆資材(ビニールやポリ)の内側に水滴がついているかを確認

しましょう(図2,3)。水滴が確認できない場合は、ほだ木が完全に覆われていないか、被覆が

剥がれていることが考えられます。今一度、被覆が十分か確認を行いましょう。その際、ほだ木

が過乾燥になっていると考えられる場合は、濡れる程度の散水を行い再被覆します。また、前述

のように被覆内の温度が低い場合も水滴が付きにくくなります。被覆内の温度を10℃に保てる

ように、ハウス内の温度を上げてください。

(2)オガ菌の発菌状態の確認

 形成菌の場合は、発泡栓の下のオガ菌が白く発菌しているか、フーローの場合もフーロー下の

オガ菌が白く発菌しているかを確認するようにしましょう(図4、5、6)。

図2.仮伏せ中のほだ木(ビニール被覆)

図4.種菌部の発菌

図3.被覆の内側の水滴を確認

図5.種菌部の発菌(過乾燥)

Page 24: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 24 -

図6.活着の確認

(3)植菌が3月中〜下旬となってしまった場合は屋外(林内)での被覆仮伏せとします(図7)。

ビニール被覆もハウス内での仮伏せより遅くまで実施することができますので、初期の活着・伸

長の促進に繋がります。

 「仮伏せ後期の注意点」

 被覆内温度が25℃以上にならないよう

に注意しましょう。特に仮伏せ後半(5月

上旬頃)はシイタケ菌自身が呼吸熱をかな

り発するようになって来るので、外気温よ

り被覆内温度が上がることがあります。油

断は禁物。

 次に、被覆仮伏せ終了の目安は、①木口

より菌糸紋の発菌が見られる(図8)、あ

るいは②被覆内温度が25℃以下に維持す

ることが困難になった場合です。①の条件

を満たしていなくても②の状態になったら

被覆を剥ぐようにします。被覆は一度に全て剥がさずに、ビニール、ラブシート、麻袋などで周

囲を囲うにして、徐々に環境にならしていくようにします(図9)。屋外の被覆仮伏せでは、ビ

活着を確認仮伏せの初期~中期は、被覆していてもオガ種菌部の乾燥に注意して下さい。種菌部が乾燥している場合は、被覆内に濡れる程度の散水を(朝に)行ってください。材内への菌糸伸長(活着)を促す。

図7.屋外(林内)での仮伏せ

図8.木口からの発菌

Page 25: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 25 -

ニールシート等から遮光ネットに換えるようにします。

 散水については、午前中に短時間散水を行い保湿を図る。また、ほだ木温度が上昇しすぎる場

合は温度を抑えるための散水も併用して行います。

 形成菌の場合、仮伏せ後半に植え穴のフタ材が持ち上がれば本伏せへ移行しましょう。そして、

移動刺激での植菌孔の膨らみを抑えるため移動5日位前からは散水を控えるようにします。

(関東・東北事務所 米澤秀行)

図9.仮伏せ後期のビニールによる側面被覆

全国の向こう3カ月気象予報(平成30年2月23日、気象庁発表)

3月 北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多いでしょう。北日本太平洋

側では、平年に比べ晴れの日が少ないでしょう。東日本日本海側では、天気は数日の周期で変わ

るでしょう。東日本太平洋側と西日本では、天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べ晴れ

の日が少ないでしょう。気温は、北日本で高い確率50%、東・西日本で平年並または高い確率

ともに40%です。降水量は、北・東・西日本太平洋側で多い確率50%、西日本日本海側で平年

並または多い確率ともに40%です。

4月 北・東日本日本海側では、天気は数日の周期で変わるでしょう。北・東日本太平洋側では、

天気は数日の周期で変わり、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。西日本では、天気は数日の

周期で変わりますが、平年に比べ晴れの日が多いでしょう。気温は、北日本で平年並または高い

確率ともに40%です。降水量は、西日本で平年並または少ない確率ともに40%です。

5月 北日本と東日本太平洋側では、天気は数日の周期で変わるでしょう。東日本日本海側と西

日本では、天気は数日の周期で変わり、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。気温は、全国で

平年並または高い確率ともに40%です。

Page 26: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 26 -

市 況3月号 全農乾シイタケ情報■ 全農椎茸事業所

1.平成29年産の乾シイタケの輸出入状況について

 乾シイタケの平成29年の年間輸出量は前年比86%の26t、単価は前年比110%の6,409

円/kgとなりました。昨年の品柄から想定すると、良品数量が少なく、単価高になったと考えら

れます。また、輸入数量については前年比98%の5,050tと再び減少傾向となりました。国産

の減少ほどには輸入も数量が伸びておらず、量販店の売り場等を見ても国産は国産の売り場を確

保し、輸入との棲み分けが出来ていることがわかりますが、供給量の減少に伴い全体の需要量も

減少していますので、今後も国産の生産量を維持し、売り場をしっかり確保していけるよう頑張

りましょう。

2.第51回全農乾椎茸品評会開催について

 全農では生産意欲の向上・技術研鑽の場として、毎年、全農乾椎茸品評会を開催しており、今

年は第51回品評会を以下のとおり埼玉県久喜市で開催します。開催要領は3月中旬に関係各所

へ送付予定です。本会取引商社も品評会特別入札会は、良品を仕入れる絶好の機会と捉えており、

出席商社数も通常の入札会より多く、積極的な買いが入ります。前回の第50回大会には27府県

から608点のご出品をいただきました。今年もさらに多くの県から、多くのご出品をいただき

ますよう皆様の一層のご協力をよろしくお願い

します。

「品評会日程・場所」

 6月13日(水):夕方 産地交流会(さいた

ま市)

 6月14日(木):展示・表彰式典 久喜総合

文化会館(久喜市)

 6月15日(金):品評会特別入札会 全農椎

茸事業所(久喜市)

3.入札状況(品柄・出品数量等)

 全農入札状況:2月は出品が少なく休市となり、ご迷惑をおかけしました。今月は3月7日に

開催できる見通しとなっています。引き続き、4月以降の入札に向けご出品をよろしくお願いし

ます。

 産地状況:全国的に降雪があり、作業が遅れている地域もあるようです。四国では、雪解けと

同時に一回目の芽切りがあり、発生状況も良いとのことですが、その後の低温のため大きくなら

ないままのものが多いとのことです。水分は降雪で十分とのことですので、今後の発生に期待し

第50回全農乾椎茸品評会表彰記念式典(参考資料)

Page 27: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 27 -

ています。市況は堅調なため、一枚でも多く良品の採取をお願いします。

4.乾シイタケ販売動向・一般情勢

 贈答:贈答需要に復調の兆しは見えていません。それに代わって、仏事などの需要においては

例年以上に引合いは強く、堅調な販売が行われています。

 家庭用・小袋:年明けの帰り注文は低調で、店舗や問屋に在庫が残り、厳しい販売情勢となっ

ています。今後は、3月桃の節句や4〜5月の行楽シーズンへ向けた売り込みが続いていきます。

業務・加工用:量販店のバックヤード向け惣菜の需要が堅調な売れゆきを示しています。中国産

が主力ですが、生協店舗やこだわりのある店舗では国産品が使用されており、今後の需要拡大に

期待感があります。

 輸出入:12月の輸出量は4.2tと昨年対比150%。1〜12月の累計での輸出量は26tで昨年

対比86%となっています。12月の輸入量は437tで、単価は1,209円でした。輸入量は昨年

対比85%で、単価は同96%。1〜12月の累計での輸入量は5,050tと昨年の5,134tから減っ

ています。

5.事業所から

 今年は寒い冬となりましたが、事業所周辺でもようやく春の息吹が感じられるようになりまし

た。全国的に降雪量が多く、地域によってはかなり作業に遅れたが生じているとの声が聞かれま

す。いよいよ春子のシーズンに突入し忙しくなる時期とは思いますが、体調にも安全にも十分に

ご注意いただければと思います。

 先日、朝日新聞の土曜版に乾物に関する記事がありました。それによると、野菜の乾物・海藻

への1世帯あたりの支出は2016年に710円/月で、2012年の647円/月を底に上昇に転じた

との明るい情報を発見しました。乾物にすることによっての「うまみ成分」が食材に閉じ込めら

れることにより付加価値が生まれること等が紹介されていました。我々ももっともっと国産原木

乾シイタケの良さを広く多くの消費者へPRできるよう取り組んでまいります。

6.今後の全農椎茸事業所入札日程

3月:7日

4月:11日、18日(静岡現地特別入札会)、25日(第1回九州現地入札会)

5月:9日、16日、30日(第2回九州現地入札会)

Page 28: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 28 -

乾シイタケの輸出実績(平成29年12月、財務省貿易統計より)

乾シイタケの輸入実績(平成29年12月、財務省貿易統計より)

12月 1月〜12月

数量 Kg 価額(千円) 単価(円 /Kg) 数量 Kg 価額(千円) 単価(円 /Kg)

中 国 0 0 0 0 0 0

台 湾 982 6,162 6,275 4,664 24,253 5,200

香 港 3,012 21,658 7,191 15,706 110,555 7,039

ベ ト ナ ム 0 0 0 31 321 10,355

シ ン ガ ポ ー ル 0 0 0 789 5,918 7,501

マ レ ー シ ア 0 0 0 248 1,683 6,786

マ カ オ 0 0 0 193 357 1,850

サウジアラビア 0 0 261 897 3,437

レ バ ノ ン 0 0 0 40 274 6,850

イ ギ リ ス 0 0 0 150 997 6,647

オ ラ ン ダ 45 392 8,711 565 3,895 6,894

ベ ル ギ ー 0 0 0 60 479 7,983

カ ナ ダ 0 0 0 165 1,069 6,479

アメリカ合衆国 147 1,081 7,354 2,641 12,619 4,778

オーストラリア 0 0 0 315 2,214 7,029

合  計 4,186 29,293 6,998 25,828 165,531 6,409

前年対比 150.0% 123.7% 82.4% 86.0% 94.5% 109.8%

前年実績 2,790 23,680 8,487 30,026 175,203 5,835

12月 1月〜12月

数量 Kg 価額(千円) 単価(円 /Kg) 数量 Kg 価額(千円) 単価(円 /Kg)

韓 国 2,078 6,259 3,012 9,868 27,257 2,762

中 国 432,233 518,749 1,200 5,034,994 6,100,340 1,212

台 湾 0 0 0 0 0 0

香 港 2,460 3,265 1,327 4,770 6,775 1,420

合  計 436,771 528,273 1,209 5,049,632 6,134,372 1,215

前年対比 85.4% 81.8% 95.8% 98.4% 97.6% 99.2%

前年実績 511,146 645,618 1,263 5,133,894 6,285,073 1,224

Page 29: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 29 -

市 況生シイタケの市況動向

大阪市場

 2月上旬の生シイタケ入荷量は前年比90%の69t(国産前年比89%の68.4t、輸入前年

比301%の0.6t)でした。価格は前年比101%のキロ1,066円(国産前年比101%のキロ

1,069円、輸入前年比129%のキロ716円)でした。

 同月中旬の入荷量は前年比82%の52t(国産前年比82%の51.6t、輸入前年比139%の

0.4t)でした。価格は前年比101%のキロ1,078円(国産前年比101%のキロ1,081円、輸

入前年比137%のキロ737円)でした。

 2月に入っても寒波、雪により青果物全般に高値推移する中、生シイタケについては野菜の高

値による消費者の買い惜しみ、また1月の高値反動もあり前年に比べ数量減の前年並みの販売と

なりました。3月に入り気温の上昇とともに春商材へ売り場が変わって行くため、中旬以降、現

況より厳しい販売が予想されます。

(大阪中央卸売市場 大阪中央青果㈱ 蔬菜部 田島範弘)

生シイタケの輸入実績(平成29年12月、財務省貿易統計より)

その他の生鮮冷蔵きのこの輸入実績(平成29年12月、財務省貿易統計より)

12月 1〜12月数量 Kg 価額(千円) 単価(円 /Kg) 数量 Kg 価額(千円) 単価(円 /Kg)

韓 国 0 0 0 240 384 1,600中 国 427,191 124,900 292 2,108,081 681,670 323

合  計 427,191 124,900 292 2,108,321 682,054 324前年対比 145.6% 129.1% 88.6% 104.6% 99.6% 95.2%前年実績 293,336 96,769 330 2,014,813 684,805 340

12月 1〜12月数量 Kg 価額(千円) 単価(円 /Kg) 数量 Kg 価額(千円) 単価(円 /Kg)

韓 国 29,805 7,189 241 127,619 36,322 285中 国 663 904 1,363 8,839 12,582 1,423フ ラ ン ス 1,371 2,379 1,735 14,975 30,618 2,045ポ ル ト ガ ル 0 0 0 50 241 4,820ス ペ イ ン 0 0 0 540 2,070 3,833イ タ リ ア 320 542 1,694 16,683 66,672 3,996ポ ー ラ ン ド 0 0 0 999 2,639 2,642ル ー マ ニ ア 0 0 0 11,780 51,495 4,371ブ ル ガ リ ア 0 0 0 2,518 5,125 2,035ト ル コ 0 0 0 1,432 9,388 6,556リ ト ア ニ ア 726 2,320 3,196 5,129 11,427 2,228ボスニア・ヘルツェゴビナ 129 345 2,674 129 345 2,674マ ケ ド ニ ア 0 0 0 1,086 3,193 2,940カ ナ ダ 0 0 0 773 2,395 3,098

合  計 33,014 13,679 414 192,552 234,512 1,218前年対比 122.6% 92.3% 75.3% 96.3% 103.3% 107.3%前年実績 26,939 14,817 550 200,023 226,964 1,135

Page 30: Created Date 3/8/2018 10:29:31 AM

菌蕈3月号(第64巻 第3号 750号)

- 30 -

各地のきのこだよりきのこセンターニュース

ブータン国立きのこセンター職員が菌蕈研究所および菌興椎茸協同組合種菌育成場でシイタケ等きのこ種菌の製造技術を学ぶ 平成30年2月13日から16日の4日間、昨年9月のブータン王国政府関係者の来所に続い

て、ブータン国立きのこセンター職員5名(RINZIN WANGMOさん、RITA GURUNGさん、

YESHI IHENDUPさん、TENZIN WANGMOさん、DORJIさん)ときのこ生産を行っている

企業(Farm Machinery Corporation Limited)の職員1名(KARMA DEMAさん)が来鳥し、(一

財)日本きのこセンター菌蕈研究所と菌興椎茸協同組合種菌育成場でシイタケ等きのこの種菌製

造技術習得のための研修を受けました。今回の研修も、JICA(独立行政法人国際協力機構)の

「草の根パートナー型プロジェクト(リーダー:琉球大学寺嶋芳江教授)」の支援で実施されま

した。

 ブータンにおける原木シイタケ栽培の種菌は現行国立きのこセンターが製造・供給しています

が、より安定かつ良質

な種菌製造が課題とな

っており、研修生の皆

さんは非常に熱心に各

種の実習に取り組んで

いました。今回の研修

が、ブータンにおける

シイタケ等きのこ種菌

の製造の安定化に繋が

り、原木シイタケ栽培

の発展に貢献するもの

と期待しています。

(菌蕈研究所

     寺島和寿)形成種菌の製造実習に取り組む研修生の皆さん

菌蕈3月号(第 64 巻 第3号 通巻 750 号) 発行日:平成 30 年3月5日 発 行:一般財団法人日本きのこセンター     鳥取県鳥取市富安 1 丁目 84 番地     ☎ 0857-22-6161、http://www.kinokonet.com/ 編 集:菌蕈編集委員会     記事、写真およびデータの無断転載を禁じます。