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専攻名 両専攻共通 必修・選択 選択必修 単位 2 学期 2Q 科⽬群 選択必修科⽬群 科⽬名 技術倫理 教員名 伏⾒ 靖 川⽥ 誠⼀ (英⽂表記) Engineering Ethics 概要 ものづくりアーキテクトは間違いのない意思決定をする必要がある。このような意思決定の際、技術倫理に関係する問題につ いて判断できるようになるためには、倫理問題についての理解を深める必要がある。特に、事前に起こりうる問題を想定して、 あらかじめその回答を⽤意するトレーニングを通じて技術倫理に関係する問題解決能⼒を取得することを⽬標として授業を 設計している。受講者には討論への参加と、演習課題についてレポートを提出することを求める。 ⽬的・狙い 本講義では、技術倫理について学び、あらかじめ判断⼒を養うトレーニングすることを学ぶ。企業を取り巻くいろ いろな問題が発⽣したとき、トップとしての判断、中間管理職としての判断、⼀般社員としての判断は、それぞれ の⽴場によって異なるであろう。また、法的な視点での議論は法学にゆだねるとしても、すべての法を熟知して産 業活動を実施することが困難な状況で最低限守るべき倫理基準などを学ぶことで、⾃然に法に抵触することなく業 務活動が円滑に実施できるようになるメリットは⼤きい。本授業は講義と、事例について考える演習とを通じて受 講者が判断⼒を培うことを⽀援する。受講者は、技術倫理問題について判断する⼒を獲得する。 前提知識 (履修条件) 技術倫理に関する興味を有すること。 到達⽬標 上位到達⽬標 複雑な技術倫理問題についても、合理的な判断ができるようになる。技術倫理問題を合理的に解決するための前提 となる情報を体系的に収集できるようになる。 最低到達⽬標 基本的な倫理判断についての理解が深まり、講義で⽤いた例題と同様な問題について倫理判断できるようになる。 専⾨職業集団が持つべき倫理綱領などを作成することができるようになる。 授業の形態 形態 実施 特徴・留意点 録画・対⾯混合授業 講義(双⽅向) 実習・演習(個⼈) 実習・演習(グループ) サテライト開講授業 その他 授業外の学習 事前配布資料及び教科書に基づいて予習・復習すること。インターネット等を⽤いて技術倫理事例にあたること。 授業の内容 講義は、第1,2回で技術倫理の概要を説明し、第3,4回で現代の倫理学についてテキストを参考に普遍的な倫 理学の考え⽅について概観すると共に応⽤倫理について紹介する。第5回以降は、実際に起きた事例や仮想事例に 基づき、グループで討議して理解・判断⼒を深める。さらに、技術関係の各種学協会の倫理規範を調査し、倫理規 範を⽐較検討することを通じて職業倫理の考え⽅から現代の倫理学が扱う諸問題について学ぶ。全講義を通じて、 ものづくりアーキテクトとして意思決定する演習を実施し、誤った判断をすることを防ぐトレーニングとする。 授業の計画 回数 内容 サテライト 開講 対⾯/録画 1 講義の⽬的と全体の授業計画を説明し、学⽣が本講義を受講するか否かの選択がで きるようにする。技術倫理を修得する意義や基本的な知識について学ぶ。 対⾯ 2 実際にあった典型的なケースについて学び、グループ討論し、発表を⾏う。 対⾯ 3 テキストに基づき、応⽤倫理学の基本原理である「最⼤多数の最⼤幸福原理」につ いて教員と学⽣との対話を通じて学ぶ。倫理学上の理論や、倫理学の応⽤として環 境倫理について学ぶなど、倫理判断が広い分野に適⽤できる可能性を持っているこ とを理解する。 対⾯ 4 仮想事例に基づいて、問題点や課題についてグループで検討し、発表を⾏う。 対⾯ 230

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専攻名  両専攻共通  必修・選択  選択必修  単位  2  学期  2Q 

科⽬群  選択必修科⽬群 科⽬名  技術倫理 

教員名 伏⾒  靖 

川⽥  誠⼀ (英⽂表記) Engineering Ethics 

 

概要 

ものづくりアーキテクトは間違いのない意思決定をする必要がある。このような意思決定の際、技術倫理に関係する問題について判断できるようになるためには、倫理問題についての理解を深める必要がある。特に、事前に起こりうる問題を想定して、あらかじめその回答を⽤意するトレーニングを通じて技術倫理に関係する問題解決能⼒を取得することを⽬標として授業を設計している。受講者には討論への参加と、演習課題についてレポートを提出することを求める。  

⽬的・狙い 

本講義では、技術倫理について学び、あらかじめ判断⼒を養うトレーニングすることを学ぶ。企業を取り巻くいろいろな問題が発⽣したとき、トップとしての判断、中間管理職としての判断、⼀般社員としての判断は、それぞれの⽴場によって異なるであろう。また、法的な視点での議論は法学にゆだねるとしても、すべての法を熟知して産業活動を実施することが困難な状況で最低限守るべき倫理基準などを学ぶことで、⾃然に法に抵触することなく業務活動が円滑に実施できるようになるメリットは⼤きい。本授業は講義と、事例について考える演習とを通じて受講者が判断⼒を培うことを⽀援する。受講者は、技術倫理問題について判断する⼒を獲得する。 

前提知識 

(履修条件) 

技術倫理に関する興味を有すること。 

到達⽬標 

上位到達⽬標 

複雑な技術倫理問題についても、合理的な判断ができるようになる。技術倫理問題を合理的に解決するための前提となる情報を体系的に収集できるようになる。 

最低到達⽬標 

基本的な倫理判断についての理解が深まり、講義で⽤いた例題と同様な問題について倫理判断できるようになる。専⾨職業集団が持つべき倫理綱領などを作成することができるようになる。 

授業の形態 

形態  実施  特徴・留意点 

録画・対⾯混合授業  ―   

対⾯授業 

講義(双⽅向)  ○   

実習・演習(個⼈)  ○   

実習・演習(グループ)  ○   

サテライト開講授業  ―   

その他  ―   

授業外の学習 事前配布資料及び教科書に基づいて予習・復習すること。インターネット等を⽤いて技術倫理事例にあたること。 

授業の内容 

講義は、第1,2回で技術倫理の概要を説明し、第3,4回で現代の倫理学についてテキストを参考に普遍的な倫理学の考え⽅について概観すると共に応⽤倫理について紹介する。第5回以降は、実際に起きた事例や仮想事例に基づき、グループで討議して理解・判断⼒を深める。さらに、技術関係の各種学協会の倫理規範を調査し、倫理規範を⽐較検討することを通じて職業倫理の考え⽅から現代の倫理学が扱う諸問題について学ぶ。全講義を通じて、ものづくりアーキテクトとして意思決定する演習を実施し、誤った判断をすることを防ぐトレーニングとする。 

 

 

授業の計画 

回数  内容 サテライト 開講 対⾯/録画 

第 1 回 講義の⽬的と全体の授業計画を説明し、学⽣が本講義を受講するか否かの選択ができるようにする。技術倫理を修得する意義や基本的な知識について学ぶ。 

ー  対⾯ 

第 2 回 実際にあった典型的なケースについて学び、グループ討論し、発表を⾏う。 

 ー  対⾯ 

第 3 回 

テキストに基づき、応⽤倫理学の基本原理である「最⼤多数の最⼤幸福原理」について教員と学⽣との対話を通じて学ぶ。倫理学上の理論や、倫理学の応⽤として環境倫理について学ぶなど、倫理判断が広い分野に適⽤できる可能性を持っていることを理解する。 

ー  対⾯ 

第 4 回 仮想事例に基づいて、問題点や課題についてグループで検討し、発表を⾏う。 

 ー  対⾯ 

230

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第 5 回 技術倫理に関係する基本的な⽤語や概念について学習する。 

 ー  対⾯ 

第 6 回 技術倫理事例グループ演習(1) 

仮想事例に基づいて、問題点や課題についてグループで検討する。 ー  対⾯ 

第 7 回 

技術倫理事例グループ演習(2) 

検討結果をグループ単位でプレゼンテーションし、質疑応答を⾏う。質疑応答を踏まえたレポートⅠを翌週までに提出する。 

ー  対⾯ 

第 8 回 

倫理綱領作成グループ演習(1) 

⽇本及び欧⽶の科学技術分野における学協会の倫理綱領について、どのような倫理判断で構築されているのか分析的し理解し、架空の職能集団を仮定し、その倫理綱領を作成する。 

ー  対⾯ 

第 9 回 

倫理綱領作成グループ演習(2) 

演習で作成した倫理綱領についてグループ単位でプレゼンテーションし、質疑応答を⾏う。質疑応答を踏まえたレポートⅡを翌週までに提出する。 

ー  対⾯ 

第 10 回 

技術倫理事例グループ演習(1) 

実際に事故が発⽣した事例を報告書に基づいて検討し、事故の発⽣状況の調査、事故の原因の究明、事故を総括して技術倫理的な課題を抽出する。取りまとめのプレゼンテーションスライドの作成。 

ー  対⾯ 

第 11 回 

技術倫理グループ演習(2) 

演習で作成した倫理綱領についてグループ単位でプレゼンテーションし、質疑応答を⾏う。質疑応答を踏まえたレポートⅢを提出する。 

ー  対⾯ 

第 12 回 技術倫理事例個⼈学習(1) 

任意の事例を各⾃で調査し、プレゼンテーション資料を作成し、個⼈発表を⾏う。 ー  対⾯ 

第 13 回 技術倫理事例個⼈学習(2) 

任意の事例を各⾃で調査し、プレゼンテーション資料を作成し、個⼈発表を⾏う。 ー  対⾯ 

第 14 回 第1回〜第13回までの総括、質疑応答等 

 ー  対⾯ 

第 15 回 仮想事例に基づいて、問題点や課題について検討し、個⼈レポートⅣを講義終了時までに作成する。 

ー  対⾯ 

試験 技術倫理に関する筆記試験を実施する。 

 ー  対⾯ 

成績評価 

次の3つのポイントで評価する(合計 100  点満点) 

グループワークに伴う個⼈レポートⅠ〜Ⅳ  40 点 

個⼈発表  10 点 

最終試験  50  点 

教科書・教材 加藤  尚武  (著):現代倫理学⼊⾨  (講談社学術⽂庫),杉本泰治・⾼城重厚(著):⼤学講義 技術者の倫理⼊⾨(丸善出版)

 

参考図書 応⽤倫理学や、インターネット上の事故調査資料など。 

 

獲得可能なコンピテンシー 獲得可能度合 

(◎  ○  △  -)獲得可能な内容 

メタ 

コミュニケーション  ○  他者との関わりを通じて課題を抽出し、解決案を策定できる能⼒継続的学修・研究の  ー   

チーム活動  ○  技術倫理問題を解決するためチームで調査し解決できる能⼒ 

コア 

発想⼒  ○  複雑な技術倫理課題を理解し課題解決案を発想できる能⼒ 

表現⼒  ○  プレゼンテーション資料にまとめ、⼈に効果的に伝える能⼒ 

設計⼒  ー   

開発⼒  ー   

分析⼒  ○  複雑な事例から課題に対応する部分を抽出する能⼒ 

 

 

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