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1 中央大学 渡辺ゼミナール こけもも 金谷萌 中村美咲 藤縄健人 山中永圭 吉田光男 レ・ホアン・アン

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1

中央大学 渡辺ゼミナール こけもも

金谷萌 中村美咲 藤縄健人 山中永圭 吉田光男 レ・ホアン・アン

問題意識

研究内容

研究目的

研究意義

2

もくじ

分析モデル

仮説立案

今後の課題

参考文献

問題意識

3

会社・部活・ゼミ

4

リーダー

社長・部長・ゼミ長

問題意識

5

リーダーとは

ある集団において、一番上の地位についており集団の目標達成のためになされる影響力の行使を行う人物

問題意識

6

リーダーに対する信頼が重要である

先行研究

企業では社長も課長などの管理職も任命されてリーダーになることが圧倒的に多い。そのようなリーダーの場合、フォロワーからの信頼が重要である

金井(2005)

リーダーシップの最も重要なキーワードは、フォロワーからの信頼である Kouzes and Posner(1995)

7

問題意識

「はい」

25

30

35

40

45

50

55

60

年度

会社最高経営層に信頼感を持っている

従業員のリーダーに対する信頼は減少傾向にある

調査対象:29~59歳 一般従業員 出所:2007年版 『産業人メンタルヘルス白書』

%

問題意識

8

信頼とは

主に「ポジティブな期待」と、「積極的な他者の行動の受け入れ」を意味する

Cook and Wall(1980)

問題意識

9

信頼

信頼とは主にポジティブな期待と、積極的な他者の行動を受け入れ

Cook and Wall(1980)

問題意識

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リーダーの信頼を高めるものとは

リーダーの誠実な行動がフォロワーのリーダーに対する信頼感を高める 施ほか(2006)

リーダー自身の行動があげられている

リーダーは集団の課題に貢献しうる有能性をフォロワーに示すことによって信頼が蓄積されていく

Hollander(1974)

フォロワーのリーダーに対する手続き的公正の知覚は結果として、リーダーへの信頼を生む

Korsaard et al.(1995)

リーダーの信頼を高めるのは、 リーダー自身の行動だけなの

問題意識

11

フォロワーのリーダーに対する信頼感を高めるのは、

リーダー自身の行動だけなのか

問題意識

12

組織の中には

副部長 副社長 副ゼミ長

社長 部長 ゼミ長

サブリーダーが存在する

問題意識

13

サブリーダーとは

ある集団において、二番目の地位についており集団の目標達成のためになされる影響力の行使を行い、またリーダーの代行役やリーダーの補佐役を担う人物

フォロワーとは

ある集団において、リーダーやサブリーダー以外の集団成員

問題意識

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先行研究

集団に2人以上のリーダーが存在するときに、集団やフォロワーにどのような効果が示されるかということは、ほとんど検討されていない

Day et al. (2004) Pearce and Conger (2003)

今までの研究では主に 単独リーダーを対象としていた

サブリーダーの研究はほとんどない

研究内容

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研究内容

企業におけるサブリーダーに注目

次長 課長補佐 係長補佐

研究内容

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0% 20% 40% 60% 80% 100%

上司から叱責された部下のフォロー

上司の個人的補佐

特命事項の責任者

部・課の年間方針の作成

取引先との下交渉・打診

社外からのクレーム処理

部・課の業務計画の立案

他部局との下交渉・打診

課長(係長)の作業進捗の監督

突発事項に対しての対処

部・課内の課・係間の調整

上司のとりまとめの補佐

上司の意思決定のための情報収集

上司不在時の代行

部下の能力育成

サブリーダーの職務内容 日置ほか(1998)

優先的に行う いつも行う 状況によっては行う 行うことはない

調査対象: 25社・団体における145名のサブリーダー 調査時期:1995年9月

研究内容

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代理行動 ゲート

キーパー 情報収集

日置ほか(1998)による因子分析の結果

*日置ほか(1998)による因子分析結果をもとに発表者が命名

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研究内容

代理行動

係長の作業進捗の監督

上司不在時の代行

課の年間方針の作成

課内の係間の調整

部下の能力育成

課の業務計画の立案

リーダーに代わりリーダー業務の一部を担う行動

日置ほか(1998)

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研究内容

ゲートキーパー

組織内の他部局との下交渉・打診

突発事項についてのとりあえずの対処

社外からのクレーム処理

リーダーのために行う緩衝行動

日置ほか(1998)

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研究内容 日置ほか(1998)

情報収集

上司の意思決定のための情報収集

上司の課内とりまとめの補佐

リーダーの意思決定をサポートする行動

研究目的

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企業組織において サブリーダーの職務が

リーダー認知に与える影響

研究目的

企業において、 サブリーダーの職務が フォロワーのリーダーに対する信頼にどう影響を与えているか明らかにする

研究意義

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研究意義

リーダーの信頼を高める新たな方法を提示できる

実証研究の少ないサブリーダー研究に寄与する

分析モデル

26

27

分析モデル

…(+)

ゲート キーパー

有能さ 業務の円滑度

情報収集

信頼度

意見くみ上げ 公正さ

代理行動 ①

⑦ ⑥

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分析モデル 変数項目 変数の定義

代理行動 サブリーダーが組織内部の基盤を整備しているとフォロワーが認知する程度

ゲートキーパー サブリーダーがリーダーに先立っての対処行動をしているとフォロワーが認知する程度

業務の円滑度 明確な分担に基づいて職場での仕事を確実かつ能率的にこなしているとフォロワーが認知する程度

有能さ リーダーの課題達成能力をフォロワーが認知する程度

情報収集 サブリーダーが上司の意思決定を助けているとフォロワーが認知する程度

意見のくみ上げ 意思決定においてリーダーが部下の意見を考慮しているとフォロワーが認知する程度

公正さ リーダーの意思決定プロセスがフォロワーに公正だと認知される程度

信頼度 フォロワーのリーダーへの信頼の程度

仮説立案

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30

仮説立案

業務の円滑度 代理行動

明確な分担に基づいて職場での仕事を確実かつ能率的にこなしているとフォロワーが認知する程度

リーダーに代わりリーダー業務の一部を担う行動

サブリーダーとリーダーが仕事を分担することで、 リーダーは重要な業務に集中することができる

サブリーダーが「準備・雑用」といった行動を行うことで、リーダーの円滑なリーダーシップ行動の発揮を促すことになると考えられる

鈴木(2009)

【仮説①】 サブリーダーの代理行動はリーダー業務の円滑度を 高める

31

仮説立案

ゲートキーパー 業務の円滑度

リーダーのために行う 緩衝行動

リーダーが交渉しやすい環境をサブリーダーが作ることで、 交渉が成功しやすくなる

副が下交渉・打診を行うことで、上司の下交渉との前に「間」をつくることができる。上司は、その間に相手の言い分を冷静に検討することが出来る

日置ほか(1998)

【仮説②】 サブリーダーのゲートキーパー行動はリーダー業務の円滑度を高める

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仮説立案

有能さ 業務の円滑度

リーダーの課題達成能力をフォロワーが認知する程度

フォロワーは、リーダーの業務が円滑に進んでいると リーダーが環境に効果的に変革していると認知する

職務上の責任を果たしたり、部下の問題解決や目標達成をサポートできる能力があることを有能という

Mayer et al.(1995)、McKnight et al.(2002)

【仮説③】 リーダー業務の円滑度はフォロワーによるリーダーの有能さの認知を高める

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仮説立案

有能さ 信頼度

リーダーが集団の課題に貢献しうる有能性を示すことによってフォロワーからの信頼が蓄積されていく

E.P. Hollander(1974)

フォロワーがリーダーの有能さを感じると、 そのリーダーへのポジティブな期待が高まる

信頼蓄積理論

リーダーへのポジティブな期待 【仮説④】 フォロワーによるリーダーの有能さの認知はリーダーへの信頼度を高める

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仮説立案

意思決定においてリーダーが部下の意見を考慮しているとフォロワーが認知する程度

情報収集 意見くみ上げ

リーダーの意思決定を サポートする行動

サブリーダーがフォロワーの情報を収集することによって、 リーダーが意思決定にフォロワーの意見を反映しやすくなる

意思決定問題において、リーダーは情報面で部下に依存する 金井(1991)

【仮説⑤】 サブリーダーの情報収集は、リーダーがフォロワーの意見をくみ上げる程度を高める

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仮説立案

意見くみ上げ 公正さ

意思決定の場面で、リーダーやサブリーダーに限らず、フォロワーの意見も組み上げることによりフォロワーはリーダーに公正さを感じる

•発言機会の多さ •意見反映可能性 •参加者への尊重性 など

Leventhal (1980)、馬場(2002)、青木・鈴木(2005)

リーダーの意思決定プロセスがフォロワーに公正だと認知される程度

意思決定へのメンバーの発言と影響力は手続き的公正の知覚へ影響を与える Korsgard, Schweigel, & Sapieza (1995)

手続き的公正 【仮説⑥】 リーダーによるフォロワーの意見のくみ上げがリーダーの公正さを高める

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仮説立案

信頼度 公正さ

手続き的公正の知覚は結果として、結果への献身、集団愛着、リーダーへの信頼を生む

Korsaard et al.(1995)

手続き的公正効果

リーダーに公正さを感じると、そのリーダーへの ポジティブな期待が高まる

リーダーへのポジティブな期待 【仮説⑦】 リーダーの公正さは部下のリーダーへの信頼度を高める

今後の課題

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今後の課題

ヒアリングによるロジックの強化 質問票調査の実施 統計処理に基づくモデルの検証

参考文献

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参考文献 青木俊明, 鈴木温(2005)「社会資本整備における賛否態度の形成:公正の絆理論と態度変容モデルの統合」『実験社会心理学研究』 第45巻, 第1号, pp.42-54. 金井壽宏(1991)『変革型ミドルの探求』白桃書房 金井壽宏(1999)『経営組織』日本経済新聞社 金井壽宏(2005)『リーダーシップ入門』日本経済新聞社 黒川正流, 三隅二不二(1975)「組織体における下位組織集団の大きさがその集団のリーダーシップ行動評価に及ぼす効果に関する研究」『実験社会心理学研究』第15巻, 第1号, pp.62-73. 公益財団法人日本生産性本部(2007)『産業人メンタルヘルス白書』 高口央, 坂田桐子, 黒川正流(2005)「企業組織における管理監督者と組合リーダーによるリーダーシップの効果」『実験社会心理学研究』第44巻, 第2号, pp. 83-97. 施桂栄, 浦光博, 菅沼崇( 2006,)「リーダーの誠実性の統合モデルに関する実証的研究 -社会的交換の視点から-」『産業・組織心理学研究』第19巻, 第2号, pp.3-11. 鈴木繕将 (2007)「複数リーダーの組み合わせがメンバーの適応感に及ぼす影響」『北星学園大学大学院社会福祉学研究科北星学園大学大学院論集 』第11巻, pp.107-124. 鈴木繕将(2009)「部活動集団におけるサブリーダーの補佐行動についての検討 : 補佐行動尺度の作成およびリーダーシップ行動との関連」『北星学園大学大学院社会福祉学研究科北星学園大学大学院論集』第12巻, pp.141-156. 永田良昭(1965a)「集団の体制化に及ぼす課題の困難度の効果Ⅰ」『心理学研究』第36巻, 第4号, pp. 197-201. 永田良昭(1965b)「集団の体制化に及ぼす課題の困難度の効果Ⅱ」『心理学研究』第36巻, 第6号, pp. 321-325.

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参考文献 日野健太(2010)『リーダーシップとフォロワー・アプローチ』文眞堂 日置弘一郎, 森雄繁, 高尾義明, 太源有(1998)『日本企業の「副」の研究』白桃書房 淵上克義(2002)『リーダーシップの社会心理学』ナカニシヤ出版 三隅二不二(1972)『現代経営学全集第7巻 リーダーシップ』ダイヤモンド社 山下洋史(1996)『人的資源管理の理論と実際』東京経済情報出版 山下洋史(2005)『情報・知識共有を基礎としたマネジメント・モデル』東京経済情報出版 山下洋史(2006)『情報化時代の人的資源管理』東京経済情報出版

42

参考文献 Cook, J., & Wall, T. (1980) “New work attitude measures of trust,

organizational commitment and personal need non-fulfillment.” Jornal of Occupational Psychology. Vol. 53, pp.39-52.

Day, D., Gronn, P., & Salas, E. (2004) “Leadership capacity in teams.” Leadership Quarterly, Vol.15, pp.857-880.

Korsgaard, Schweiger, Sapienza.(1995) “Building Commitment, Attachment, and Trust in Strategic Decision-Making Teams: The Role of Procedural Justice.” Academy of Management Journal , Vol. 38, No.1, pp.60-84.

Kouzes, James M. & Barry Z. Posner. 岩下貢 翻(1995)『信頼のリーダーシップ』生産性出版

Mayer, R. C., Davis, J. H., & Schoorman, F. D.(1995) “An integrative model of

organizational trust.”Academy of Management Review . Vol.20, pp.709-734. McKnight, D. H., Choudhury, V. & Kacmer, C.(2002) “Developing and

Validating Trust Measures for E-Commerce.”Information Systems Research, Vol.13, No.3, pp.334-359.

Mehra, A., Smith, B. R., Dixion, A. L. & Robertson, B. (2006)“Distributed leadership perceptions and team performance.”The leadership Quaterly, Vol.17, pp.232-245.

Pearce, C. L., & Conger, J. A.(2003) “Shared leadership-reframing the hows and whys of leadership.” Thousand Oaks, CA: Sage.

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参考文献 Peter Smith Ring and Andrew H. van de Ven. (1994) “Developmental

Processes of Cooperative Interorganizational Relationships.”The Acdemy of Management Review. Vol.19, No.1, pp.90-118.

Snyderman, G. M. (1998) Leadership style of head nurse and job satisfaction of registered nurses and aids. U. M. I Disseration informaiton service.

Van den Bos, K., Wilke, H. A. M., & Lind, E. A.(1998) “When do we need procedural fairness?: the role of trust in authority.”Journal of Personality and Social Psychology, Vol.75, pp.1449-1458.

Van den Bos, K., Wilke, H. A. M., Lind, E.A., & Vermunt, R.(1998)“Evaluating outcomes by means of the fair process effect: Evidence for different processes in fair ness and satisfaction judgments.” Journal of Personality and Social Psychology, Vol.74, pp.1493-1503.

Thank you for your attention.

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