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くりかえし漢字ドリル 3
日本図書教材協会
Ⅱ.くりかえし漢字ドリルの使い方
(1)学習内容を意識させる
「くりかえし漢字ドリル」の初めの頁や目次には、各単元で学習する漢字を一覧にして示し
てあります。
この一覧表を学期初めに、「1学期にどんな漢字を学ぶのか?」と、子どもたちに提示します。
この後、「見たことある漢字はあるかな?」と問うてみます。
子どもたちは、「この漢字見たことあるよ」「社会で資料を調べたときにあった漢字だ」「新
聞のゆうなんとか(夕刊)の『刊』だ」と語るでしょう(むろん、学年の発達段階によります)。
もし、子どもたちから出ないようでしたら、例えば、「『読』は、図書室で見たことないかな?」
と記憶を取り出す呼び水を向けてあげればよいでしょう。これは、自分の周りに漢字が存在し
ていることを意識させるためと、この学期での漢字学習の全体を意識させるためです。
(2)既習漢字と新出漢字を結びつける
(1)に続き、「これまで学習した漢字と似てるなと思う漢字はあるかな?」と問うてみると、
「『可』は、『何』に似ている」「『評』は、『話』や『談』と偏が同じだ」といった形に着目した
©Disney
くりかえし漢字ドリル 4
日本図書教材協会
答えが返ってくるでしょう。しかし、あまり時間をかける必要はありません。大事なことは、「既
習漢字と結びつけられるぞ」といった意識を喚起できる段階でよいでしょう。細かくは、この
後の個々の漢字の学習で取り上げます。その前段階、いわば漢字の「見方」の導入です。
(3)漢字の「見方・考え方」に着目させる
「くりかえし漢字ドリル」には、漢字の下に「使い方、覚え方、送りがな、にた字、読み方、
成り立ち、言葉遊び、でき方、字の形、部首、反対語、」等教材出版各社が工夫した表題で、
漢字の成り立ちや読み方、部首などに着目する知識が載せられています。紙面の都合で、一字
の漢字にすべてを盛り込むことは不可能なため、教材出版各社がそれぞれの漢字のポイントと
考えるものを学年の発達段階に合わせて載せています。
これらは、漢字の記憶を助けるだけでなく、漢字の「見方・考え方」を意識させる重要な内
容になります。授業で漢字を学習する段階で、これらのポイントを使い、漢字の知識を深める
ことができます。例えば、「成り立ち」を学ぶことは、昔の人が、対象をどのように捉えたか
を昔の人と対話することになります。また、「使い方」であれば、訓読みは同じでも、文脈に
より使い方が違うことを意識させることになり、間違いやすい使用法に気をつけさせることに
なります。
くりかえし漢字ドリル 5
日本図書教材協会
(4)漢字の「見方・考え方」を鍛える
教材出版各社のタイトルは違いますが、漢字を使ったクイズがところどころに差し込まれて
います。これは、子どもたちが楽しみながら、漢字の「見方・考え方」を深化させるものです。
具体的には、既習漢字がどのようなつくりになっているかを再度整理しながら学ぶことになり
ます。
こうしたクイズをもとに、「下の学年のために、漢字クイズを作ってあげよう」「友だち同士
で漢字クイズを楽しもう」と、自分たちのクイズを作る学習が考えられます。「同音・同訓」「偏・
旁」などに着目して、学習した漢字を子どもたちは整理しながら、漢字の特徴を学ぶことにな
るでしょう。
(5)学習した漢字一覧から文章を振り返る
「くりかえし漢字ドリル」の初めの頁や目次に、各単元で学ぶ漢字が掲載されていることが
あります。上記の(1)と(2)で、導入時に使う方法を述べました。
単元の最終時にも、この初めの頁や目次が使えます。例えば、2年生の「スイミー」では、「魚・
くりかえし漢字ドリル 6
日本図書教材協会
前・元・岩・教・光」を学習しました。そこで、子どもたちに次のように語りかけてみてはど
うでしょう。
「スイミーでは、この6つの漢字を習ったね。この漢字が物語のどんなところで使われてい
たか思い出してみよう。」
子どもたちは、「魚はスイミーのことだったよ」「海のなかに岩があった」などと、漢字が使
われた文脈を語り始めることでしょう。漢字の使い方を学習した文脈に位置づけながら、学習
した文章内容を振り返りつつ漢字の使い方を再確認することになります。
(6)漢字学習の繰り返しの習慣化
「くりかえし漢字ドリル」の最後には、練習した日付を記入する頁(「がんばりチェック表」
など)がついています。これをしっかりつけさせ、単元の最後や学期の途中で確認させる作業
によって、自分の学習の歩みを練習と習得の関連で捉えることになります。簡単な作業ですが、
それを続けることは、漢字を覚える技術を習得する上で大事な習慣です。低学年の間にしっか
りつけたいものです。高学年では、自分の練習方法を振り返らせ(メタ認知)、次の学期には
どのようにしていくかを考えさせる機会となります。
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