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á - ジェトロ(日本貿易振興機構)...2012/08/03  · 35.1%) KPC (" o; 35.1%) PVN (25.1%) W { G ( ã Ä 4.7%) é ' o P :â½ Ä P :ê.z ç ãâ½ EPC 9Ô.3. n. 1 n j.39ÕÅî

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≪目 次≫

1. 中流部門と下流部門 .......................................................................................... P.1

概要 ................................................................................................................... P.2

中流・下流部門における PVN との提携 ........................................................... P.4

中流・下流プロジェクトマップ ........................................................................ P.5

Ca Mau ガス処理プラント ........................................................................... P.6

Dung Quat 製油所 ........................................................................................ P.7

Long Son 製油所 ........................................................................................... P.8

Ca Mau 肥料プラント .................................................................................. P.9

ペトロベトナムガス株式会社(PVGas) ................................................... P.10

ペトロベトナム石油化学&テキスタイルファイバー株式会社(PVTex) . P.11

2. 電力産業 .......................................................................................................... P.13

概要 ................................................................................................................. P.14

電力産業における PVN との提携 ................................................................... P.17

電力プロジェクトマップ ................................................................................. P.18

Song Hau 第 1 石炭火力発電所 .................................................................. P.19

Thai Binh 第 2 石炭火力発電所 .................................................................. P.20

Vung Ang 第 1 石炭火力発電所 .................................................................. P.21

Quang Trach 第 1 石炭火力発電所 ............................................................. P.22

Long Phu 第 1 石炭火力発電所 .................................................................. P.23

Dak Drinh 水力発電所 ............................................................................... P.24

Hua Na 水力発電所 .................................................................................... P.25

Hoa Thang 第 1 風力発電プロジェクト ..................................................... P.26

Nhon Trach 第 1 地熱発電所 ...................................................................... P.27

3. サービス .......................................................................................................... P.29

サービス分野における PVN との提携 ............................................................ P.30

サービス産業プロジェクトマップ .................................................................. P.31

海港 ................................................................................................................. P.32

Phuoc An 港プロジェクト(PAP) ............................................................ P.34

建設 ................................................................................................................. P.35

ペトロベトナム建設株式会社(PVC) ...................................................... P.37

ペトロベトナムタワー ................................................................................ P.38

造船所 ............................................................................................................. P.39

Dung Quat 造船所(DQS) ...................................................................... P.40

金融会社 .......................................................................................................... P.41

ペトロベトナムファイナンス会社(PVFC) ............................................. P.42

ペトロベトナム運輸会社(PVTrans) ....................................................... P.43

ペトロベトナム石油貯蔵会社(PVOS) .................................................... P.44

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中流部門と下流部門

1 Translated by JETRO

2. Mid and Downstream Industry

2

1. 中流部門と下流部門

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中流部門と下流部門

2 Translated by JETRO

中流部門と下流部門 概要

国全体の力強い経済成長を背景に、ベト

ナムの石油・ガス市場は急速に拡大して

いる。増大する需要に対応するため、ベ

トナムでは国内で中流部門・下流部門を

育成するという大掛かりな計画に乗り出

している。 次章では、市場開発、PVN が

外国人投資家に提供している参加機会に

ついて説明する。

急速に増大する石油・ガス需要

歴史的に見ると、ベトナム経済は年平均

7%の成長を続けており、今後も目覚まし

い成長が予測される。 ベトナムの石油消

費量は、2008 年~2011 年には年 4.7%増

加し、2011 年~2020 年にかけて年 6.2%

増加すると予測されている。(32 万 6 千バ

レル/日→55 万 4 千バレル/日)

出展: BMI ベトナム石油・ガスレポート 2011 年第4四半

ガス消費量は GDP(国内総生産)よりは

るかに速いスピードで増加している。主

な理由としては、ガス発電所の新たな建

設、 一般家庭や工場でガスを燃料として

利用する機会が増えてきたことが挙げら

れる。ガス消費量は 2008 年~2011 年の

間に年 8.3%増加し、ガス需要は 2011 年

~2020 年にかけて引き続き年 12.1%増加

し、2020 年には 248 億立方メートルに達

すると予測されている。

出展: BMI ベトナム石油・ガスレポート 2011 年第4四半

国内の中流部門・下流部門を育成して

需要の増加に対応する

中流部門に関し、ベトナム政府は新たな

貯蔵システムとガスパイプラインの建設

を通じてエネルギー安全保障を強化する

ため、大掛かりな拡張計画を承認した。

この計画を実行に移すため、 PVN は国の

ガス産業インフラの開発を目的とし、統

合的な産業を育成する。本計画の目的は、

南部のガス産業インフラを完成させ、北

部・中部地域においてインフラ建設を開

始することである。

また、追加投資を行って、Nam Con Son

2 ガスパイプライン、Cuu Long 盆地ガ

スパイプライン、B 鉱区の Omon ガスパ

イプライン、LNG 輸入プロジェクト2件

が実施される予定である。追加投資の目

的は、2015 年までに 140 億立方メートル、

2016 – 2025 年までに 150~190 億立方メ

ートルのガスを国内ガス田で産出するこ

とである。

計画では 2015 年までに総額 48 億米ドル

の開発を想定している。ベトナム南西沖

の新たなガス発見地点から新規ガスパイ

プラインが数か所で計画中の需要地域ま

で、効率的にガスを輸送することができ

る。

-

100

200

300

400

500

600

ベトナムの石油消費量 ('000 b/d)

0

5

10

15

20

25

30ベトナムのガス消費量 (bcm)

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中流部門と下流部門

3 Translated by JETRO

これまでベトナムでは、国内で消費され

る石油・ガス製品の多くを輸入に頼って

きた。石油と石油精製品はベトナムの輸

入額の第二位を占めており、2005~2011

年にかけ、平均してベトナムの総輸入額

のおよそ 11%を占めている。高付加価値

製品を創出し、輸入への依存を減らすた

め、ベトナム政府は中流部門と下流部門

を国内で育成するという意欲的な計画に

着手した。

下流部門におけるプロジェクトには、製

油所、肥料プラント、化学製品プラント、

エタノールプラントなどがある。

製油所の建設には特に力を入れる予定で

ある。これまでベトナムには 2010 年初め

に稼働開始し、1 日当たり 14 万 8 千バレ

ルの精製能力を持つ Dung Quat の製油所

1箇所しかなかった。PVN は、ベトナム

北部、南部、中部に製油所および石油化

学製品センターを3箇所建設する計画で

ある。 現在少なくとも2箇所の新たな製

油所プロジェクトが PVN と外資系企業に

よって計画されている。 Dung Quat 製油

所と計画中の Nghi Son 製油所の能力を合

計すれば、2016 年には国内需要の 60%を

供給できると予測されている。1

• Dung Quat 製油所: ベトナム初の製油

所で、2010 年に商業運転を開始。現在、

Dung Quat 製油所はフル稼働中で、国

内の石油需要のおよそ 30%を供給して

いる。PVN では、Dung Quat 製油所の

精製能力を 1 日当たり最大 19 万 2 千バ

レルまで引き上げるため、フィージビ

リティ・スタディの準備中である。能

力拡大後は、2018 年に商業運転を開始

予定である。

• Nghi Son 製油所: もう1箇所の大規模

製油所プロジェクト(1 日当たり 20 万

バレル)は、Thanh Hoa 省で実施予定

である。本プロジェクトは、出光 (日

1 出典: BMI 2012 第1四半期

本、 35.1%)、 KPC (クウェート、

35.1%)、PVN (25.1%)、三井化学 (日本、

4.7%)の合弁事業である。 本事業は認

可取得済であり、EPC(設計・調達・

建設)および実施の最終的な財源調整

を行っているところである。

• Long Son 製油所: PVN は 1 日当たり

生産量 20 万バレルの製油所を Ba Ria

– Vung Tau 省に開発する計画である。

本プロジェクトはおよそ 70~80 億米ド

ルを要し、2020 年以降に操業開始予定

である。現在 PVN では戦略的投資家や

資本家を選定中である。

石油化学製品およびバイオ燃料部門では、

PVN はバイオ燃料工場を 3 箇所計画中で、

2012 年に稼働開始予定である。Long Son

石油化学コンビナートのプロジェクト稼

働開始予定は 2017 年である。

PVN では魅力的な参加機会を提供

この大規模計画を成功させるため、PVN

は民間からの参加を呼び掛けており、産

業を将来的に成長させていくため、外国

人投資家向けに中~下流部門のバリュー

チェーンでの様々な参加機会を提供して

いる。開発の様々な段階での参加機会が

提供されている(下表参照)。

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中流部門と下流部門

4 Translated by JETRO

中流・下流部門における PVN との提携

FS 段階 FEED/EPC 段階 建設段階 運転段階

Ca Mau ガス処理プラント

Dung Quat 製油所 (既存)

Dung Quat 製油所 (拡張)

Long Son 製油所

Ca Mau 肥料プラント

ペトロベトナムガス会社 (PVGas)

ペトロベトナム石油化学&テ

キスタイルファイバー株式

会社(Dinh Vu ポリエステル

ファイバー工場)

参加機会については、次頁以降で詳細に説明する。

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中流部門と下流部門

5 Translated by JETRO

ペトロベトナム 中流・下流プロジェクトマップ

PVNcopyright 2011

無断複写・転載を禁ず

ペトロベトナム石油化学&テキスタイルファイバー

株式会社 (Dinh Vu ポリエステルファイバー工場)

所有者: PVN, PVFCCo, Vinatex, Phong Phu Corp.

Dung Quat 製油所

所有者: PVN

Long Son 製油所

所有者: PVN

ペトロベトナムガス会社 (PVGas)

所有者: PVN, others

Ca Mau ガス処理プラント

所有者: PVGas

Ca Mau 肥料プラント

所有者: PVN

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中流部門と下流部門

6 Translated by JETRO

Ca Mau ガス処理プラント

現状と今後の予定

経済的成果

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

• 主な事業活動: PM3-CAA、 46-Cai Nuoc、 B、

48/65、 52/97 鉱区で産出したガスの処理

• 立地: Ca Mau 省

• 処理能力

– ガス: 最大 2,248 万立方メートル/日

– LPG: 平均産出量: 647 トン/日

– コンデンセート:平均産出量: 255 トン/日

• 設備

– ガス処理プラント

– GPPから Mui Tram ターミナルまでのパイプラ

イン

– Mui Tram ターミナル

– Mui Tram ターミナルから 一点係留(Single

Point Mooring, SPM)までのパイプライン

• プロジェクト期間: 25 年

• 現所有: PVGas (100%)

• 商業運転開始予定:2015 年第4四半期

• 完了した作業

– フィージビリティースタディ (FS)

– 入札計画

– 環境影響評価 (EIA)報告

• 進行中の作業:

– フロントエンドエンジニアリング設計

(FEED)入札の決定

– サイト撤去

– EPC (設計、調達、建設)業者の選択に向けた

準備

• マーケットの将来性

– マーケット需要/成長: 2011 年から 2020 年に

かけてガス需要は年 12.1%の増加を続け、

2020 年には 248 億立方メートルに達すると予

測されている。ベトナム南部では、ガス発電

所、肥料工場、 企業向けや一般向けの住居な

どの建設により、平均成長率を上回る成長が

予測されている。

– 供給不足: ベトナム南部は現在ガス供給不足に

直面している。 Ca Mau ガス処理プラントの稼

働により供給不足の解消が期待される。

• 競争上の優位性

– 政府支援:

o 税制上の優遇措置

最大の法人税(CIT)優遇措置が受けられ

る予定。当初 15 年は 10%, 4 年間は法人

税免除、9 年間は 50%減税

現地で製造できず、固定資産を形成する

建設材料、機械、装置、ツール、予備部

品に課される輸入税を免除

o 土地賃貸料の割引

o その他、投資奨励地域における投資プロジ

ェクトに適用される優遇措置

– PVN の支援: PVGas は、当該プラントに対

し、ベトナム全土における顧客へのアクセス

を提供する。

– 既存のインフラ/技術: 近代的なガス・電力・

肥料複合施設のインフラ技術を利用可能。

– (燃料の)安定供給: PVGas から原材料の安定

的供給を受ける。

– 位置的な利点: 国内で最もガス消費量の多い地

域に位置し、Ca Mau 肥料プラントといった顧

客にも隣接している。

• 海外投資家の出資比率(上限): 49% • 投下資本: 約 7 億米ドル

• NPV: 2.4 億米ドル

• IRR: 16%

• 投資回収期間: 9.4 年

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中流部門と下流部門

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• マーケットの将来性

o マーケット需要/成長: 2010 年から 2025 年に

かけてベトナムにおける石油精製製品の平均的

な需要は急速に増加すると予測されているが、

現在は輸入に依存している。

o 供給不足: 現時点で、Dung Quat 製油所の供給

量は国全体の石油需要のおよそ 30%である。計

画中の Nghi Son 製油所とあわせ、2016 年には

国内需要の 60%を供給できると予測されてい

る。

• 競争上の優位性

– 政府支援

o 税制上の優遇措置

法人税(CIT)

操業開始から 15年間は 10%

初めて利益を出した年から 4 年間免

その後 9 年間は 50%減税

個人所得税: 50%減税

現地で製造できず、固定資産を形成する

機械、装置に課される輸入税を免除、一

部の材料については稼働から 5年間免除

o プロジェクト全期間において、土地賃貸料

と使用料を免除

o その他、政府から様々な財政的・非財政的

支援 (インフラなど) 。本プロジェクトは、

政府の中流部門・下流部門育成計画の核と

なる国家プロジェクトであり、投資奨励地

域内に位置しているため。

– 先発者利益:ベトナムで最初に稼働した製油所

である

– 既存のインフラ/技術: UOP などの国際ブランド

の近代技術

– (燃料の)安定供給: PV Oil により、長期的で

安定した、包括的石油供給源が保証されてい

• 海外投資家の出資比率(上限):既存プラント、拡

張プラントともに 49%

• 主な事業活動: LPG、無鉛ガソリン 、 Jet-A1/灯

油、ディーゼル、 燃料油(FO)、 ポリプロピレン、

硫黄の製造

• 立地: ベトナム中部 Quang Ngai 省

• 精製能力

– 既存プラント: 14 万 8 千バレル /日、 650 万立

方メートル/年

– 拡張プラント: 4 万 4 千バレル/日

• 設備

– 総面積: 土地 338 ヘクタール、海面 471 ヘク

タール(既存)、134.6 ヘクタール (拡張)

– 主な精製ユニット: CDU、 NHT、 ISOM、

CCR、 KTU、 RFCC、 LCO HDT、 LTU、

NTU、 ARU、 SWS、 CNU、 PRU、 SRU、

PPU。施設と敷地外施設は、グラスルーツ製油

所の基準を参考に設計。

– タンクファーム: 原油タンクファーム (52 万

立方メートル)、製品タンクファーム (39 万立

方メートル)、中間タンク (28 万立方メートル)

– 海洋施設

原油出荷設備 SPM(一点係留)

製品用桟橋: 3 万 DWT までの船舶

防波堤: 全長 1,600 メートル、高さ 10-11 メ

ートル

• プロジェクト期間: 20 年以上

• 現所有: PVN (100%)

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

• 既存プラント: 2010 年 6 月に商業運転を開始、設

備稼働率 100%を達成

• 拡張プラント:

– ベトナム政府よりプレフィージビリティースタ

ディ (Pre-FS)の認可取得済 – 輸入原油を使用 – DFS が間もなく完成 – 商業運転開始は 2018 年第1四半期を予定

• 投下資本: 約 30 億米ドル (既存プラント)

• NPV: 4 億米ドル (既存プラント、FS)

• IRR: 11.69% (既存プラント、FS)

• 投資回収期間: 15 年 (FS)

現状と今後の予定

経済的成果

Dung Quat 製油所

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中流部門と下流部門

8 Translated by JETRO

Long Son Refinery Project

• 投下資本: 70 – 80 億米ドル

• 財政フィージビリティ: 進行中

Long Son 製油所

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

現状と今後の予定

• 主な事業活動: LPG、無鉛ガソリン 、 Jet-A1/灯

油、ディーゼル、 燃料油、アスファルトなどの製

• 立地: Ba Ria - Vung Tau 省の Long Son 石油工業地

• 精製能力: 一日当たり 20 万バレル (10,000 立方メ

ートル/年)

• 設備

– 総面積:将来的な拡張も含めて 810 ヘクタール

– インフラと公共設備(電気、水道、通信)

• 技術: 高度精製の先端技術

• プロジェクト期間: 25 年以上

• 現所有: PVN (100%)

• 商業運転開始予定: 2020 年以降

• 進行中の作業: 戦略的外資パートナーを選定中

• マーケットの将来性

o マーケット需要/成長: 2010 年から 2025 年に

かけてベトナムにおける石油精製製品の平均的

な需要は急速に増加すると予測されている。

輸送燃料(ガソリン、ディーゼル、ガス油)は、

平均を上回る増加率を示すと予測されている。

o 供給不足: 現時点で、Dung Quat 製油所の供給

量は国全体の石油需要のおよそ 30%である。計

画中の Nghi Son 製油所とあわせ、2016 年には

国内需要の 60%を供給できると予測されてい

る。残りの不足分は Long Son 製油所で供給す

る予定である。

• 競争上の優位性

– 政府支援

o ベトナム政府とペトロベトナムの強力な支

援を受けている。本プロジェクトは、ベト

ナム南部における中流部門・下流部門育成

計画の核となる国家プロジェクトであるた

め。

o 税制上の優遇措置

法人税(CIT):

当初 30年は 10%

初めて利益を出した年から 4 年間免

その後 9 年間は 50%減税

o その他、国家の重要プロジェクトを対象と

した税制優遇措置が適用される予定。

– 良好な輸送インフラ: 原油輸入や製品の輸送な

どに利用される国内・国際海上輸送の玄関口近

くに 位置する。

– 位置的な利点: 国内需要の 60%を占めるベト

ナム最大の燃料消費マーケットである南部に位

置する。

– 追加設備: 海洋設備、発電、その他設備や技術

サービスの一部を Southern Petrochemical

Complex と共有できる。

• 海外投資家の出資比率(上限): 71%

経済的成果

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中流部門と下流部門

9 Translated by JETRO

Ca Mau Fertilizer Plant

Ca Mau 肥料プラント

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

• 主な事業活動: 粒状尿素の生産

• 立地: Ca Mau 省 U Minh 地区、Khanh An コミュ

ーンの Ca Mau ガス・電力・肥料複合施設

• 生産能力: 尿素 80 万トン/年

• 技術:

– デンマーク・Haldor Topsoe 社のアンモニア合

成技術

– イタリア・SAIPEM 社の尿素合成技術

– 日本・東京エンジニアリングの噴流 流動層造

粒技術

• 設備:

– 総面積:土地 52 ヘクタール

– はしけや船で尿素を輸出するための積込み機

– その他必要な設備

• 現所有: PVN (100%)

• 商業運転開始: 2012 年 4 月

• マーケットの将来性

– 供給不足:

o 現時点で、Ba Ria- Vung Tau の Phu My プ

ラントを除き、肥料プラントの大半はベト

ナム北部に位置する 。

o ベトナム全体の肥料使用量の 50%を消費す

るメコンデルタには肥料プラントがない。

• 競争上の優位性

– 政府支援

o 税制上の優遇措置

CIT(法人税):

操業開始から 15年間は 10%

初めて利益を出した年から 4 年間免

その後 9 年間は 50%減税

輸入関税:固定資産を形成する機械、装

置、ツール、予備部品に課される輸入税

を免除

o 土地賃貸料の免除

o ベトナム開発銀行が提供する低利信用枠を

利用可能。財務省が借入保証を提供

– 既存のインフラ/技術: Ca Mau ガス・電力・肥

料複合施設の 既存インフラ、設備、技術を 利

用可能

– 燃料の安定供給主な供給源は 2 箇所: 供給源 1:

PM3 鉱区– CAA, Cai Nuoc 炭鉱

– 位置的な利点: 国内最大の農業地帯であるメコ

ンデルタに近く、カンボジアへの輸出の主な玄

関口 でもある。 Ca Mau 省は尿素消費地域の中

心に位置するため、競合他社に比較して輸送費

が安く済むという利点がある。

• 海外投資家の出資比率(上限): 49%

• 投下資本: 9 億 20 万米ドル (FS)

• IRR: およそ 14% (FS)

現状と今後の予定

経済的成果

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中流部門と下流部門

10 Translated by JETRO

企業概要 投資に関する重要事項

マーケットの将来性: 2011 年から 2020 年にかけてガ

ス需要は年 12.1%の増加を続け、2020 年には 248 億

立方メートルに達すると予測されている。

競争上の優位性

– 政府・PVN の支援: PVGas は、PVN とその合弁会

社が所有する油田とガス田 からガス製品を捕集

し、輸送する独占権を有する。

– 市場シェア: 発電所に供給するガスの市場で優位

を占める。 PVGas は、ベトナムにおける発電量

のうち 40%で使用されるガスを供給している。

– 競争上の地位: LPG 市場で優位を占める。 PVGas

はベトナム最大の LPG 販売業者で、上流部門と

統合されている唯一の企業である。2010 年、

PVGas の LPG 生産量は 100 万トンに達し、国内

の総需要の 70%を供給している。

– 業績予測:年 18-20%の収入増加率を達成。

海外投資家の出資比率(上限): 21.7%

設立: 1990 年 9 月 20 日

主な事業活動

– 製品とサービス:ガスおよびガス製品の捕集、

輸送、貯蔵、加工および取引活動

– 地理的範囲

o ガス: Cuu Long, Nam Con Son, Malay-Tho

Chu 盆地、南東および南西地域、 Song

Hong 盆地(現在進行中)

o LPG: 国土全体

o コンデンセート: Ba Ria - Vung Tau 省

– 対象顧客

o ガス: 発電所、肥料工場、企業顧客(工業

地帯の工場)

o LPG: LPG 商社 (卸売)、 工業、 商業、住宅

用顧客 (小売)

o コンデンセート: コンデンセート処理工場

株式コード: GAS (HOSE)

現所有: PVN (96.7%)、その他投資家 (3.3%)

経済的成果

100万米ドル 2009 2010 2011

総資産 1,234 1,442 2,209

純収入 1,592 2,233 3,110

税引前利益 214 290 372

ROE 16% 22% 27%

ROA 15% 17% 14%

-

1,000

2,000

3,000

4,000

-

100

200

300

400

2011 2012 2013 2014 2015

100万

米ドル

財務実績 2011年-2015年

Profit before tax Net revenue

社史における重要事項と戦略的イニシアチブ

社史における重要事項

– 1995 年: 第 1 回ガスプロジェクトで初めてガスを

産出- Cuu Long 盆地

– 2002 年: 第 2 回ガスプロジェクトで初めてガスを

産出– Nam Con son 盆地

– 2007 年: 第 3 回ガスプロジェクトで初めてガスを

産出– PM3 鉱区

– 2010 年: IPO

– 2011 年: 正式に株式会社となる

主な戦略的目標

– ガス捕集を強化し、LNG 輸出を促進して国内需要

に対応する

– 国のガスパイプライン網と、地方のネットワーク

との接続に投資する

– LPG 貯蔵設備に投資して LPG 卸売市場の 70%

を、LPG の輸送チェーンを開拓して小売市場の

30%をカバーする

– ガスサービス提供企業大手に成長する(特に輸送、

メンテナンス、パイプ製造、塗装、貯蔵など)

– ガス由来の新製品の研究開発、 CO2 の含有量が

高いガスの開発・加工技術に投資する

ペトロベトナムガス株式会社 (PVGas)

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中流部門と下流部門

11 Translated by JETRO

企業概要

経済的成果

投資に関する重要事項

• 社史における重要事項

– 2008 年 3 月:ベトナム石油ガス公社(PVN)とベ

トナム繊維縫製総公社 (Vinatex) 間で協力合

意。 後に Petrochemical and Textile Fiber 株式

会社(PVTEX JSC)を設立。

– 2008 年 8 月: PVTex と Vinatex 間で長期購買契

約に調印。サイアム三井 PTA(タイ)、丸紅

(日本)、三菱商事(日本)、双日(日本)と

3 年間の原料供給契約。

– 2009 年 7 月: ベトナム初のポリエステル工場で

ある Dinh Vu ポリエステルファイバー工場の

建設。投資総額は 3 億 2,485 万米ドル。

– 2009 年 8 月: PVTex とベトナム投資開発銀行

(BIDV)間で 2 億 2,500 万米ドルの信用契約を締

結。

– 2012 年: Dinh Vu 工場で稼働開始 (exp.)。

• マーケットの将来性: ベトナムにおける繊維とテ

キスタイルの国内需要は毎年 10-15%増加してい

る。現時点では主に輸入製品向けである。

• 競争上の優位性

– PVN と PVTex からの強力な支援: 海外市場に

アクセスするため。

– 先端技術と近代的設備: Dinh Vu のポリエステ

ル工場に世界最先端の技術が輸入されている。

よって、様々な PFS やフィラメント製品を製

造することができる。

– 市場シェア: 30% (予測)

– 顧客基盤: Vinatex や Phong Phu といった安定

した大企業を顧客に持つ。

– 業績予測: PVTex は、PSF 製品の需要の 90%,

フィラメント製品の需要の 50%に対応する能力

を持つ。

• 海外投資家の出資比率(上限): 20%

100万米ドル 2012 2013 2014 2015 2016

純収入 227 287 355 355 355

税引後収益 2 12 13 13 14

* 注:営業収入予測が初めて認識されたのは、Dinh Vu 工場

が商業運転を開始した 2012 年第3四半期。

• 設立: 2008 年

• 主な事業活動: ポリエステルファイバー、化学製品

の製造と取引、その他関連サービス

• 主要顧客: ベトナムの大手繊維製品および衣料品メ

ーカー。Vinatex グループ、 Phong Phu コーポレー

ション、ハノイテキスタイルカンパニー、Nha

Trang テキスタイルカンパニー

• 子会社

– PVTexNam Dinh

– PVTex Phu Bai

– PVTex Kinh Bac

• 現所有: PVN (56%)、 PVFCCo (25%)、 Vinatex

(14%)、Phong Phu コーポレーション(5%)

社史における重要事項と戦略的イニシアチブ

ペトロベトナム石油化学 &テキスタイルファイバー株式会社 (PVTex)

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電力産業

13 Translated by JETRO

3. 電力産業

2. 電力産業

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電力産業

14 Translated by JETRO

電力産業概要 ベトナムの電力市場は継続的な電力不足に悩まさ

れている。途切れることのない需要の増加により、

自由化が進む電力セクターでは大規模な発電容量

の拡大が求められている。PVN は外国投資家に

対してこのセクターへの参加機会を数多く提供し

ている。

電力需要は供給を上回る1

ベトナム経済は約 7%の割合で成長を続けており、

今後も目覚しい成長が続くと予測されている。こ

の国で進行している産業転換と増加しつつある一

人当たり所得が電力需要の過度の増加をもたらし

た。2008 – 2011 年にかけて電力消費量は毎年

14.4%増加し、2008 年には 62.6 TWh であったの

が 2011 年には 93.6 TWh になった。同期間の発

電容量の増加率は年間 13.7%に過ぎなかった。

資料:BMI Vietnam Power Report Q1 2012

この国の発電・送電網システムはすでに緊迫して

いる。その発電資源は火力発電と水力発電所で構

成される。火力発電は発電容量の 73%を占めてお

り、天然ガス発電(44%)、石炭発電(27%)、

石油発電(2%)が含まれる。水力発電は残りの

27%を占めるが天候によって変動しがちである。

送電損失は発電電力の 10%で計算され、電力使用

者は日常的に停電に見舞われている。2010 年の

不足電力は 7 TWh にまでなることが報告されて

いる。中国からの電力輸入は年間 1 TWh 未満と

いうわずかなものであり、状況改善には役立って

いない。

1 BMI Q4 2011,

途切れることのない需要の増加により発電容

量の拡大が必要

電力消費量は 2021 年には 246 TWh に達すると

予想されており、2011 年から 2021 年まで年平均

10.1%の増加率ということになる。この需要に対

処して供給予備力を発電容量の尐なくとも 25-

30%の水準に回復するためには、火力、水力、原

子力発電所の建設によって 2011 年の 20,000

MW から 2020 年までに 62,000 MW 以上に増や

す必要がある。

資料: BMI Vietnam Power Report Q1 2012

拡張計画は電源の多様化のためにも想定されてい

る。石炭発電の割合は 46%まで大きく増加する

ことが予想される一方、天然ガスや水力による発

電割合はそれぞれ 29%と 23%に減尐すると予測

されている。マスタープランによると、再生可能

エネルギー(すなわち風力、太陽光、バイオマス

発電)の割合は実質的にゼロの状態から 2020 年

には 4.5%、2030 年には 6%に増加することにな

っている。ベトナムの国家電力開発マスタープラ

ン2では、2011 年から 2030 年にかけての発電所

および送配電網の改善・開発のために必要な投資

総額は 1,238 億ドルになると見積もられている。

電力セクターの自由化が投資を促進するはず

ベトナムの電力業界参入者は主に 3 者である。

Electricity of Vietnam(EVN)は発電事業を展開

する 3 事業者の 1 つであり、送配電において独占

2 ベトナム国家電力開発マスタープラン(2011 – 2030)

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電力産業

15 Translated by JETRO

的地位を保っている。発電セグメントで事業を展

開している残りの 2 者は PVN と Vietnam

National Coal and Minerals Industry Group

(Vinacomin)である。国内外の民間投資家が発

電において果たす役割は大きくなりつつある。新

たな 2 か所の外資系 BOT 発電所が 2011 年に認可

されており、その他複数の外資系 BOT 発電所が

交渉過程にある。発電における EVN のシェアは

徐々に減尐しており、2011 年のシェアはわずか

53%である。

資料:PVN 市場調査

ベトナムの市場経済への移行を支援して投資を促

進するために、政府は商工省(MoIT)に 2005

年から 2024 年までの電力市場自由化に向けての

3 段階の計画実施を任命した。

ステージ 1、2005-2014 年:競争的な発電

市場を確立し、補助金をなくす。

ステージ 2、2015-2022 年:競争的な卸売

市場を確立する。

ステージ 3、2022 年以降:競争的な小売

市場を確立する。

自由化ロードマップ実現のための取り組みの一環

として、MoIT は電力卸売価格と電力買電契約

(PPA)のための枠組みを 2011 年に導入した。

この方策は、より競争的な市場に向けての重要な

一歩となる。電力セクター民営化に向けてのもう

1 つの動きは 2011 年初めの PPP 規制の公布であ

った。

ベトナムの電源開発ロードマップにおける首相決

こうした展開状況に加えてさらに、MoIT は 2011

年 3 月、小売価格の 7%の値上げに同意した。電

気料金は現在、5.54 セント/kWh である。インフ

レを抑えるための政府の継続的努力によってこれ

以上の値上げが直ちに行われる可能性は低いが、

市場参加者は近い将来の小売価格のさらなる値上

げを期待している。供給側の価格に関しては、政

府は電力事業者に利益をもたらす有利な租税政策

を設けた。電力生産者は法人税における最高の優

遇措置、地代の優遇、ならびに一定の物品に対す

る輸入税免除を受けることができるであろう。石

炭の輸入税は 0%になった。その他にも財務・非

財務支援が受けられる。

PVN は電力セクターへの魅力的な参入機会を提

PVN は EVN に次ぐ第 2 位の発電会社としての地

位を固めようと奮闘しており、2015 年までに電

力生産において 20%の市場シェアを達成するこ

とを目指している。2011 年末には PVN は全国の

送電線網に 131 億 KWh を供給する 5 件の電力プ

ロジェクトを設けており、国内電力生産全体の約

14%を占める。

2015 年までに国内の総発電電力量の 20%を生産

するという目標を達成するために、PVN は以下

に重点を置く。

既存および新規ガス田を使用するガス電

力プロジェクト。

輸入石炭を使用する石炭火力発電所。

PVN は電力プロジェクトのための石炭供

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電力産業

16 Translated by JETRO

給を確保するために海洋炭鉱の取得も検

討する。

採算性の高い水力発電所。

風力および再生可能エネルギープロジェ

クト。

資料: PVN 市場調査

PVN は外国人投資家にベトナムの電力セクター

成長に向けての共同参加を呼び掛けている。外国

からの参加が可能なプロジェクトは合計で 9 件あ

る(下表参照)。

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電力産業

17 Translated by JETRO

電力産業における PVN との提携

計画段階 認可段階 建設段階 運転段階

Song Hau 第 1 石炭火力発電所

Hoa Thang 第 1 風力発電所

Thai Binh 第 2 石炭火力発電所

Vung Ang 第 1 石炭火力発電所

Quang Trach 第 1 石炭火力発電所

Long Phu 第 1 石炭火力発電所

DakDrinh 水力発電所

Hua Na 水力発電所

Nhon Trach 第 1 地熱発電所

以下に内容を詳しく説明する。

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電力産業

18 Translated by JETRO

PETROVIETNAM 電力プロジェクトマップ

PVNcopyright 2011 All right reserved

Hoa Thang 風力発電所

所有者:PVN

Nhon Trach 第 1 地熱発電所

所有者:PV Power

Dak Drink 水力発電所

所有者:PVN

Song Hau 第 1 発電所

所有者: PVN

Long Phu 第 1 発電所

所有者:PVN

Thai Binh 第 2 発電所

所有者: PVN

Hua Na 水力発電所

所有者:PV Power

Vung Ang 第 1 発電所

所有者:PVN.

Quang Trach 第 1 発電所

所有者:PVN

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電力産業

19 Translated by JETRO

• 主要事業活動:発電

• 場所:Hau Giang 省 Chau Thanh 県 Phu Huu A コ

ミューン

• 発電容量:1200 MW(600 MW、2 基)

• 総面積:115,2 ha

• 主要パラメータ:

– ユニット定格出力(raw):600 MW (RO)

– ユニット構成:超臨界圧ボイラー1、タービン

1、発電機 1

– 最大平均運転時間:6,500 時間/年

– 所内率: ≤6.4%

– 石炭総消費量:320 万トン/年

– 石油総消費量:~6,000 トン/年(2 ユニット)

– 主燃料:インドネシア/オーストラリアから輸

入される石炭、低位発熱量約 5,725 Kcal/ Kg、

灰分約 15%

– 二次燃料:石油 No.2B(ベトナム規格 6239-

2002)。

• 技術:先進燃焼技術(低 NOx)と組み合わせ

た従来技術。

• プロジェクト期間および PPA:30 年

• 現在の所有者:PVN(100%)

• スケジュール:

– COD ユニット 1:2017 年 6 月

– COD ユニット 2:2018 年 12 月

• 完了済みの作業:

– 敷地整理

– 建設用給水・電気設備

– FS

• 進行中の作業:

– FEED

– Key business

• 燃料供給契約:石炭取引量枠組み協定(COFA)

署名済み

• 競争上の優位性:

– 政府支援:

o 財務省は PVN の参加持分のための外債に対

して保証を提供する予定

o 税制上の優遇措置:以下を始めとする特別奨

励プロジェクトに適用される最高の税制上

の優遇措置を受けられる見通し:

CIT:

運転開始から最初の 15 年間は 10%

利益を出した最初の年から 4 年間は

免除

その後の 9 年間は 50%軽減

CER 販売に対する免税

現地で製造できない、固定資産を形成す

る建設材料、機械類、機器、工具および

予備部品に対する輸入税免除

o 安い土地整備費用

o 地代の値引き

– 有利な立地:港や国道へのアクセスが簡単

• 海外投資家の出資比率(上限):49%

• 投下資本:1,633 百万ドル

• 資金源:PVN、ECA、商業貸付

• NPV:250 百万ドル(FS)

• IRR:12% (FS)

• 回収期間:16 年(FS)

現在と今後の予定 経済的成果

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

Song Hau 第 1 石炭火力発電所

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電力産業

20 Translated by JETRO

• 主要事業活動:発電

• 場所:Thai Binh 省 Thai Thuy 県 My Loc コミュー

• 発電容量:1,200 MW(600 MW、2 基)

• 総面積:254.22 ha

• 主要パラメータ:

– ユニット構成:亜臨界圧ボイラー1、タービン

1、発電機 1

– Tmax:6,500h

– 送電系統接続:220kV 開閉所経由で全国の送電

線網に接続

– 主変圧器:220/21 kV、3 相、750 MVA

– 石炭総消費量:約 300 万トン/年、発熱量約

5,300 Kcal/Kg、灰分 25% - 30%

– 石油総消費量:約 10,800 トン/年

• 技術:先進燃焼技術(低 NOx)と組み合わせた亜

臨界技術

• プロジェクト期間および PPA:30 年

• 現在の所有者:PVN(100%)

• 投資認可:No. 08121000230、2012 年 1 月 12 日

に Thai Binh Provincial People’s Committee により

発行

• スケジュール:

– COD ユニット 1:2015 年 9 月

– COD ユニット 2:2016 年 3 月

• 完了済みの作業:

– FEED

– 敷地整備

– EPC 工事業者選定

– 主要設備供給契約者選定

• 進行中の作業:

– 石炭供給/石炭荷役契約の確定

– 建設

– PPA について EVN と交渉中

• 燃料供給契約:Vinacomin から地元石炭供給

• 競争上の優位性:

– 政府支援:

o 税制上の優遇措置:

CIT:

運転開始から最初の 15 年間は 10%

利益を出した最初の年から 4 年間は

免除

その後の 9 年間は 50%軽減

CER 販売に対する免税

輸入税免除

o 安い土地整備費用

o 地代および土地使用料の値引き

o 特別奨励プロジェクトに適用されるその他の

インセンティブ

– 有利な立地:港や国道にアクセスしやすい

• 海外投資家の出資比率(上限):49%

• 投下資本:1,656 百万ドル

• 資金源:PVN、ECA(EPC 契約に基づく外資部分

の最高 85%)、商業貸付

• NPV:301.8 百万ドル(FS)

• IRR:12%(FS)

• 回収期間:16 年(FS)

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

経済的成果 現状と今後の予定

Thai Binh 第 2 石炭火力発電所

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電力産業

21 Translated by JETRO

• 主要事業活動:発電

• 場所:Ha Tinh 省 Ky Anh 県 Ky Loi コミューン

• 発電容量:1,200 MW(600 MW、2 基)

• 総面積:183 ha

• 主要パラメータ:

– ユニット定格出力(raw):600MW(RO)

– ユニット構成:亜臨界圧ボイラー1、タービン

1、発電機 1

– 最大平均運転時間:6,500 時間/年

– 所内率:≤ 7.8 %

– 石炭総消費量:320 万トン/年、発熱量約 5,050

Kcal/Kg、灰分 25%

– 主燃料:国内石炭(No 5、ベトナム規格)

– 二次燃料:点火時および燃焼時の二次燃料は燃

料油になる。

• 技術:亜臨界技術

• プロジェクト期間および PPA:30 年

• 現在の所有者:PVN(100%)

• 投資認可:No. 28221000009、Ha Tinh 省 Vung

Ang 経済区管理委員会により 2008 年 2 月 12 日に

初回発行、2010 年 4 月 2 日に修正

• スケジュール:

– PAC ユニット 1:2013 年 6 月

– PAC ユニット 2:2013 年 12 月

• 完了済みの作業:

– FS、FEED、費用見積

– 主要施設区域の敷地整備

– 建設用給水・電気設備

• 進行中の作業:

– 石炭供給/石炭荷役契約の確定

– 建設

– PPA について EVN と交渉中

プロジェクト概要

現状と今後の予定

• 燃料供給契約:Vinacomin から地元石炭供給

• 競争上の優位性:

– 政府支援:

o 税制上の優遇措置:

CIT:

運転開始から最初の 15 年間は 10%

利益を出した最初の年から 4 年間は

免除

その後の 9 年間は 50%軽減

個人所得税:50%軽減

現地で製造できない、固定資産を形成す

る原材料、機械類、機器、工具および予

備部品に対する輸入税免除

CER 販売に対する免税

o 土地使用料、敷地整備、人材育成、広告費

o 100%借入保証

• 海外投資家の出資比率(上限):49%

• 投下資本:1,595 百万ドル

• 資金源:PVN、ECA、商業貸付

• NPV:116.72 百万ドル(FS)

• IRR:12%(FS)

• 回収期間:14 年(FS)

経済的成果

投資に関する主な検討事項

Vung Ang 第 1 石炭火力発電所

Page 26: á - ジェトロ(日本貿易振興機構)...2012/08/03  · 35.1%) KPC (" o; 35.1%) PVN (25.1%) W { G ( ã Ä 4.7%) é ' o P :â½ Ä P :ê.z ç ãâ½ EPC 9Ô.3. n. 1 n j.39ÕÅî

電力産業

22 Translated by JETRO

• 主要事業活動:発電

• 場所:Quang Binh 省 Quang Trach 県 Quang Dong

コミューン

• 発電容量:1,200 MW(600 MW、2 基)

• 総面積:344 ha

• 主要パラメータ:

– ユニット定格出力(正味):600 MW

– ユニット構成:超臨界圧ボイラー1、タービン

1、発電機 1

– 最大運転時間:6,500 時間/年

– 所内率:≤ 7.8%

– 石炭総消費量:310 万トン/年、発熱量約 5,900

Kcal/Kg、灰分 11%

– 主燃料:オーストラリアまたはインドネシアか

らの輸入石炭

– 点火時および燃焼時の二次燃料は燃料油にな

る。

o DO 総消費量:~ 4,218 トン/年

• 技術:超臨界技術

• プロジェクト期間および PPA:30 年

• 現在の所有者:PVN(100%)

• 投資認可:No. 29221000021、Quang Binh 省

Quang Binh 経済区管理委員会により 2011 年 4 月

6 日発行

• スケジュール:

– COD ユニット 1:2016 年 1 月

– COD ユニット 2:2016 年 6 月

• 完了済みの作業:

– FS、FEED、費用見積

– 主要施設区域の土地整備および設定

• 進行中の作業:

– EPC 契約

• 燃料供給契約:石炭取引量枠組み協定(COFA)

署名済み

• 競争上の優位性:

– 政府支援:

o 税制上の優遇措置:

CIT:

運転開始から最初の 15 年間は 10%

利益を出した最初の年から 4 年間は

免除

その後の 9 年間は 50%軽減

CER 販売に対する免税

個人所得税:50%軽減

現地で製造できない、固定資産を形成す

る原材料、機械類、機器、工具および予

備部品に対する輸入税免除

o Quang Binh 省によるその他のインセンティ

– 先進技術:先進燃焼技術(低 Sox)、ESP、

FGD 装置と組み合わせた超臨界技術。このプ

ロジェクトは環境要件を満たすだけでなく、電

気料金も下げる。

• 海外投資家の出資比率(上限):49%

• 投下資本:1,778 百万ドル

• 資金源:PVN、ECA、商業貸付

• NPV:246 百万ドル(FS)

• IRR:12%(FS)

• 回収期間:13 年(FS)

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

現状と今後の予定

経済的成果

Quang Trach 第 1 石炭火力発電所

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電力産業

23 Translated by JETRO

Long Phu 第 1 石炭火力発電所

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

• 主要事業活動:発電

• 場所:ベトナム Soc Trang 省 Long Phu 県 Long

Duc コミューン

• 発電容量:1200 MW(600 MW、2 基)

• 総面積:115,2 ha

• 主要パラメータ

– ユニット定格出力(raw):600 MW (RO)

– ユニット構成:超臨界圧ボイラー1、タービン

1、発電機 1

– 石炭総消費量:320 万トン/年

– 主燃料:インドネシア/オーストラリアから輸

入される石炭、低位発熱量約 5,725 Kcal/ Kg、

灰分約 15%(最大)

– 点火および負荷が定格負荷の 40%未満の燃焼

時の二次燃料は燃料油になる。

• 技術:先進燃焼技術(低 NOx)と組み合わせた従

来技術

• プロジェクト期間および PPA:30 年

• 現在の所有者:PVN(100%)

• 投資認可:No. 59121000059、2009 年 5 月 8 日に

Soc Trang Provincial People’s Committee により発

• スケジュール:

– COD ユニット 1:2015 年

– COD ユニット 2:2016 年

• 完了済みの作業:

– FS、FEED、費用見積

– 主要施設区域の土地整備および設定

• 進行中の作業:

– EPC 契約

• 燃料供給契約:石炭取引量枠組み協定(COFA)

署名済み

• 競争上の優位性:

– 政府支援:

o 税制上の優遇措置:

CIT:

運転開始から最初の 15 年間は 10%

利益を出した最初の年から 4 年間は

免除

その後の 9 年間は 50%軽減

CER 販売に対する免税

現地で製造できない、固定資産を形成す

る原材料、機械類、機器、工具および予

備部品に対する輸入税免除

o 安い土地整備費用

o 財務省による Petrovietnam 参加持分のための

保証付き海外融資を受けられる予定

– 有利な立地:建設時のプロジェクトのための石

炭、石油、石灰石、機器および資材輸送は問題

なくできるであろう。

• 海外投資家の出資比率(上限):49%

現状と今後の予定

経済的成果

Economic Performance • 投下資本:1,595 百万ドル

• 資金源:PVN、ECA、商業貸付

• NPV:175.9 百万ドル(FS)

• IRR:12%(FS)

• 回収期間:15 年(FS)

Page 28: á - ジェトロ(日本貿易振興機構)...2012/08/03  · 35.1%) KPC (" o; 35.1%) PVN (25.1%) W { G ( ã Ä 4.7%) é ' o P :â½ Ä P :ê.z ç ãâ½ EPC 9Ô.3. n. 1 n j.39ÕÅî

電力産業

24 Translated by JETRO

• 主要事業活動:発電

• 場所:Quang Ngai 市から 70 km に位置する

Dakdrinh 川の集水域

• 発電容量:125 MW(2 基)

• 能力:

– 年間発電量:540,246,000,000 KWh

• 主要パラメータ:

– 総面積:2,293 ha

– トンネル:10,325 km

– 年間平均流量:31.89 m3/s

– 年間総流出量:1,005.7 x 106 m3

– 総流量:248.51 x 106 m3

– 有効流量:205.18 x 106 m3

• 技術:ベトナムおよびアメリカの設計基準に準拠

• プロジェクト期間および PPA:40 年

• 現在の所有者:PV Power(93.32%)、BIDV

(2.8%)、Licogi(1.48%)、SongDa Group

(1.4%)、DHC の従業員(1%)

• 投資認可:No. 34121000029、2008 年 6 月 25 日

に Quang Ngai Provincial People’s Committee によ

り発行

• スケジュール:

– 開始:2009 年 4 月

– COD ユニット 1:2013 年第 3 四半期

– COD ユニット 2:2013 年第 4 四半期

• 完了済みの作業:

– 敷地整備および設定(建屋区域、ダム区域、給

水トンネル区域など)

• 進行中の作業:

– 敷地整備(集水域)

– 施設の主要機能品目の建設

– PPA について EVN と交渉中

• 競争上の優位性:

– 政府支援:

o 税制上の優遇措置:

CIT:

運転開始から最初の 15 年間は 10%

利益を出した最初の年から 4 年間は

免除

その後の 9 年間は 50%軽減

現地で製造できない、固定資産を形成す

る原材料、機械類、機器、工具および予

備部品に対する輸入税免除

o 地代の値引き

– 有利な地形: 幅 15-20 メートル、勾配 25%の

導水路

– 有利な立地:地質的に安定し、ダムおよびその

他の電力システム構造物の建設に都合の良い地

域にある

– 資金調達方法:NEXI(日本)による低金利の

保証付き融資

• 海外投資家の出資比率(上限):42.32%

• 投下資本:238 百万ドル

• 資金源:PVPower、BIDV、Licogi、SongDa

Group、DHC の従業員、Credit Agricole、NEXI

• NPV:23 百万ドル(FS)

• IRR:11.68%(FS)

• 回収期間:12 年(FS)

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

現状と今後の予定

経済的成果

Dak Drinh 水力発電所

Page 29: á - ジェトロ(日本貿易振興機構)...2012/08/03  · 35.1%) KPC (" o; 35.1%) PVN (25.1%) W { G ( ã Ä 4.7%) é ' o P :â½ Ä P :ê.z ç ãâ½ EPC 9Ô.3. n. 1 n j.39ÕÅî

電力産業

25 Translated by JETRO

経済的成果

• 主要事業活動:発電

• 場所:Nghe An 省 Que Phong 県 Dong Van コミュ

ーン

• 発電容量:180 MW(90 MW、2 基)

• 能力:年間発電量:717,600,000 KWh

• 主要パラメータ:

– 総面積:2,412 ha

– 集水域:5,345 km2

– 平均流量:94.63 m3/s

– 最大流量水位:240 m

– 最低水位:215 m

– 総貯水量:569,350,000 m3

– 有効貯水量:390,990,000 m3

– 無効貯水量:178,360,000 m3

– 最大流量水位での表面積:21.3 km2

• プロジェクト期間および PPA:40 年

• 現在の所有者:PV Power(82.2%)、Lilama、

BIDV および MB(17.8%)

• 投資認可:No. 271110000013、2008 年 3 月 26 日

に Nghe An Provincial People’s Committee により

発行

• スケジュール:

– プロジェクト開始:2008 年 3 月

– 流速減衰:2010 年 1 月

– COD ユニット 1 および 2:2012 年第 4 四半期

• 完了済みの作業:

– 初年度に関する PPA は締結されており、長期

PPA の枠組みとなる。

• 進行中の作業:

– 敷地整備

– 施設の主要機能品目の建設

– PPA について EVN と交渉中

• 競争上の優位性:

– 政府支援:

o 税制上の優遇措置:

CIT:

運転開始から最初の 15 年間は 10%

利益を出した最初の年から 4 年間は

免除

その後の 9 年間は 50%軽減

現地で製造できない、固定資産を形成す

る建設材料、機械類、機器、工具および

予備部品に対する輸入税免除

o 地代の値引き

o プロジェクトでは発電電力の 100%が全国の

送電線網に優先的に送られる。

– プロジェクトの資金調達:有利な利率での

BIDV からの融資

• 海外投資家の出資比率(上限):31.2%

• 投下資本:288 百万ドル

• 資金源:PV Power HHC 持分(97 百万ドル)、

VDB(128 百万ドル)、商業貸付(35 百万ドル)

• NPV:26 百万ドル(FS)

• IRR:9.69%(FS)

• 回収期間:23 年(FS)

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

現状と今後の予定

Hua Na 水力発電所

Page 30: á - ジェトロ(日本貿易振興機構)...2012/08/03  · 35.1%) KPC (" o; 35.1%) PVN (25.1%) W { G ( ã Ä 4.7%) é ' o P :â½ Ä P :ê.z ç ãâ½ EPC 9Ô.3. n. 1 n j.39ÕÅî

電力産業

26 Translated by JETRO

• 主要事業活動:風力発電

• 場所:Binh Thuan 省 Bac Binh 県 Hoa Thang コミ

ューン

• 発電容量:49.5 MW(1.5 MW、33 基)

• 総面積:18 ha

• 主要パラメータ:

– 予想生産量:121,818.6 MWh/年

– 利用率:28.1%

– 石炭総消費量:300 – 350 万トン/年

– 実現作業に含まれるもの

o 高さ約 82.9 メートルのタワー付きタービン

o 内部 22 KV ネットワーク

o 2 昇圧変電所:22/110 KV

o 110 KV 送電線で 22/110 KV 昇圧変電所と

EVN の送電系統を接続

o 建設および運転用輸送道路

o オペレーションハウス

• プロジェクト期間および PPA:20 年

• 現在の所有者:PVPower (100%)

• スケジュール:

– FS 承認:2012 年

– EPC 契約:2013 年

– COD:2013 年第 4 四半期

• 完了済みの作業:

– Pre-FS 確立

• 進行中の作業:

– 地質、地理的調査

– FS 展開

• 競争上の優位性:

– 政府支援:

o ベトナムにおける風力発電プロジェクトのた

めの機構支援に関する首相決定 No.

37/2011/QD-TTg に明記される恩恵を受け

られる。全電気出力が優先的に送電系統に

送られる。

o 税制上の優遇措置:以下を始めとする特別奨

励プロジェクトに適用される最高の税制上

の優遇措置を受けられる見通し:

CIT:

運転開始から最初の 15 年間は 10%

利益を出した最初の年から 4 年間は

免除

その後の 9 年間は 50%軽減

CER 販売に対する免税

現地で製造できない、固定資産を形成

する建設材料、機械類、機器、工具お

よび予備部品に対する輸入税免除

o 安い土地整備費用

o 地代の値引き

– 有利な立地:風力発電に適した場所。施設は風

速 6-8 m/s の沿岸地域にある。

– 低コスト信用貸しの利用:プロジェクトはおそ

らく再生可能エネルギープロジェクトに対して

提供される ECA 貸付またはその他の低金利貸

付を受けることができる。

• 海外投資家の出資比率(上限):49%

• 投下資本:83 百万ドル

• 資金源:PVN、ECA、商業貸付

• IRR:10%(pre-FS)

• 回収期間:17 年(pre-FS)

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

現状と今後の予定

経済的成果

Hoa Thang 第 1 風力発電プロジェクト

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電力産業

27 Translated by JETRO

Nhon Trach 第 1 地熱発電所

• PPA は EVN と締結済み

• 燃料供給契約:PV Gas との長期契約(2031 年まで)

• 競争上の優位性:

– 政府支援:

o 税制上の優遇措置:

CIT:

運転開始から最初の 15 年間は 10%

利益を出した最初の年から 4 年間は

免除

その後の 9 年間は 50%軽減

CER 販売に対する免税

現地で製造できない、固定資産を形成す

る建設材料、機械類、機器、工具および

予備部品に対する輸入税免除

– 優れた立地および十分に開発済みのインフラ:

最も開発が進んでいる南東部の省、Dong Nai

に設置

• 海外投資家の出資比率(上限):49%

財務実績

単位百万ドル 2009 年 2010 年

収益 50.0 147.4

粗利益 -2.5 10.4

税引き前利益 -5.6 4.6

税引き後利益 -5.6 4.6

2012 – 2015 年予測

単位百万ドル 2012

2013

2014

2015

収益 128.9 154.7 151.7 118.9

税引き前利益 9.4 13.6 13.3 8.6

発電量(単位 10

億 KWh)

2.5 3.1 3.1 2.5

• 主要事業活動:発電

• 場所:Dong Nai 省 Nhon Trach 県 Phuoc Khanh コ

ミューン

• 発電容量:450 MW

• 施設:ガスタービンおよび蒸気タービン 2

• 総投資額:322 百万ドル

• プロジェクト期間および PPA:25 年

• 現在の所有者:PV Power(100%)

社史における重要事項

経済的成果

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

– 2007 年 3 月 26 日:Nhon Trach 第 1 地熱発電

所建設開始

– 2008 年 5 月:最初のタービン GT11 運転開始

– 2008 年 7 月:タービン GT12 運転開始

– 2009 年 4 月:タービン ST18 運転開始

– 2009 年 8 月:商業運転開始

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サービス

29 Translated by JETRO

4. Services

3. サービス

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サービス

30 Translated by JETRO

サービス分野における PVN との提携

計画段階 許認可段階 建設段階 操業段階

Phuoc An 港

Dung Quat 造船所

ペトロベトナム建設会社(PVC)

ペトロベトナムタワー

ペトロベトナムファイナンス (PVFC)

ペトロベトナム運輸会社(PVTrans)

ペトロベトナム石油貯蔵会社 (PVOS)

Page 35: á - ジェトロ(日本貿易振興機構)...2012/08/03  · 35.1%) KPC (" o; 35.1%) PVN (25.1%) W { G ( ã Ä 4.7%) é ' o P :â½ Ä P :ê.z ç ãâ½ EPC 9Ô.3. n. 1 n j.39ÕÅî

サービス

31 Translated by JETRO

ペトロベトナムタワー

所有者: PVC

ペトロベトナム建設会社 (PVC)

所有者: PVN, VanEck Association Corp.,

Vietwealth Corp., others

ペトロベトナム・ファイナンス(PVFC)

所有者: PVN, Morgan Stanley, others

Dung Quat 造船所

所有者: PVN

ペトロベトナム石油貯蔵会社 (PVOS)

所有者: PVOil, Binh Son Petrochemical Company Ltd.

(BSR), SEK

ペトロベトナム運輸会社 (PVTrans)

所有者: PVN, PVFC, ACB, others

Phuoc An 港

所有者: PVN, Sonadezi Corp., others Dong Nai

PVNcopyright 2011 All right reserved

PETROVIETNAM サービス産業プロジェクトマップ

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サービス

32 Translated by JETRO

海港 Dong Nai 省に位置する Phuoc An 港プロジェクト

は、大水深の国際港であり、年間取扱能力は 250 万

TEU または 650 万トンである。同港は、主に、同

省内の工業地帯に関する輸出入品目を取り扱ってい

る。

海上貿易の拡大は港の過剰使用を招いた

ベトナムの貿易総額は、2011 年には 1,910 億米ドル

で、2011 年から 2016 年にかけて年率 16%で増加し、

2016 年には 4,020 億米ドルに達すると見込まれてい

る。1 Vietnam Seaports Association に加盟してい

る 54 海港の 2009 年の取扱貨物量および取扱コンテ

ナ量は、それぞれ、1 億 7,200 万トンと 540 万 TEU

となっている。また、2000 年から 2009 年にかけて

の平均年間増加率は、貨物が 16%、コンテナが 20%

であった(下の図を参照)。この貿易量の大幅な増

加により、多くの港が過剰に使用されることになっ

た。これは、港のインフラが同率で拡大することが

できなかったからである。過剰使用は、ホーチミン

市のような経済中心地の近くが最も顕著である。最

大のサイゴン新港では、2000 年から 2009 年にかけ

て、取扱一般貨物量が 24%、取扱コンテナ量が 22%

増加した。2

出所:Vietnam Seaports Association (VPA)

(*)注:このデータは、VPA に加盟する 54 港のみに関するもので

ある。

同国は、2015 年までに年間 5~6 億トン、2020 年ま

でに同 9~11 億トン、2030 年までに同 21 億トンの

貨物を取り扱うことができる海港システムを開発す

ることを計画している。中央政府は、2010 年から

2020 年にかけて、港インフラを開発するために総額

1 BMI 海運報告書、 2012 年第 1 四半期 2 Vietnam Seaports Association

360~440 兆 VND(190~230 億米ドル)の投資を行

う必要がある。同国の戦略は、国際基準を満たせる

大水深の海港を開発することに置かれている。中央

政府が重視している主な投資手法の 1 つは、外国投

資家を引き付け、資金提供を奨励する大規模海港プ

ロジェクトに対する官民パートナーシップ(PPP)

である。

工業活動を考慮すると、Dong Nai 省は魅力的な港立地候補地である

Phuoc An 港の主要標的市場の 1 つである Dong Nai

省は、ベトナム南東部に位置している。同省は、国

内外の投資家から海運業および製造業に多額投資が

行われている工業省である。同省の名目 GDP は約 4

億米ドル(ベトナムの GDP の 4%)で、2007 年か

ら 2010 年にかけては年率 21%で成長した。同省の

工業生産総額は、2009 年には 130 億米ドルを超え、

2005 年から 2009 年にかけての年間増加率は 22.7%

に達した。3

現在、Dong Nai 省には 30 を超える工業団地があり、

その企業は 1,200 社を超えている。最大級の工業団

地としては、総面積が 3,340 へクタールの Nhon

Trach 大規模工業団地がある。同省の 2010 年におけ

るコンテナと一般貨物の輸出入取扱量は、約 3,175 万

トンであった。Nhon Trach 大規模工業団地の同年の

輸出入量は、1,172 万トンで、同省の総取扱量の 37%

を占めた。

3 ベトナム GSO

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サービス

33 Translated by JETRO

現在、Dong Nai 川で稼働している港は 3 つに過ぎな

い。5,000DWT の船舶を受け入れることができる

Dong Nai 一般貨物港、および、1,000DWT の船舶し

か受け入れることができない SCT ガス専門港と VT

ガス専門港である。年間総取扱量が 60 万トンを超え

るこれらの港4 は、Dong Nai 省の貿易量のごく一部

を占めるに過ぎない。同省の 3,100 万トンを超える

貨物、および、Nhon Trach 大規模工業団地の 1,100

万トンを超える貨物は、トラック、コンテナあるい

はホーチミン市および他の省の港を経由する船舶で、

他の省に輸送されている。しかし、これらの輸送は

コストと時間がかかる。

Phuoc An 港プロジェクトは、ベトナム最大級の港を

開発することを計画している。同港は、6 万トンまで

の船舶を受け入れることができ、第 1 段階では、年

間 240 万トンの貨物を取り扱うことができる。しか

し、第 1 段階における Phuoc An 港の能力は、Dong

Nai 省の総貿易量のわずか 8%、Nhon Trach 大規模

工業団地の総貿易量の 20%に相当するものである。

したがって、同港の能力を将来拡大することによっ

て、同省の貿易量処理能力を拡大できる大きな余地

がある。

4 Dong Nai 産業促進センターの組織構成 (www.khuyencongdongnai.org.vn)

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サービス

34 Translated by JETRO

• 重要な事業活動:大水深海港の建設および操業

• 位置:Dong Nai 省、 Nhon Trach 県、Phuoc An

郡の Thi Vai 川の右岸

• 受入能力:同港は、60,000DWT までの船舶を受

け入れられるよう設計されている。

• 取扱能力: 年間 250 万 TEU または 650 万トン

• 技術:近代的なハイテク設計・設備・操業モデル

• 施設:

– 港の総面積:183 ヘクタール

– バースの総面積:全長 3,050m、コンテナ・バ

ース(6)、一般貨物バース(4)(バースの受

入限度:60,000 DWT)

– 水深:15 m;

– 物流区域:港から 5 km 離れた場所にあり、総

面積 555 ヘクタール。倉庫、石油・ガス・サー

ビス区域、鉄道駅、修理工場、コンテナヤー

ド、液体貯蔵区域などがある。

• プロジェクト期間:50 年

• 現在の所有者:PVN (80%)、Sonadezi Corp.(15%)、

その他投資家 (5%)

• 投資許可:No. 47121000233 (5 段階)

• 完成した作業:

– 建設に関する詳細な計画

– 環境影響評価報告書

– 港用地および物流区域用地の一部の引渡し

– FS および基本設計

• 進行中の作業

– 残りの用地の引渡し

– 第 1 段階の詳細な設計

– 第 1 段階の建設

• プロジェクト期間: 2010~ 2020 年

– 第 1 段階の建設: 2012~ 2014 年

• 市場の可能性: 巨大な貨物取扱量。Nhon Trach 工業

団地に立地する企業の総貨物量は、2010 年には約

1,100 万トンで、増加率がさらに拡大することが見込

まれている。

• 燃料供給契約:PV Gas との長期契約(2031 年まで)

• 競争上の優位性:

– 政府支援:

o PAP は、重要プロジェクトなので、中央政府お

よび Dong Nai 省政府から、かなりの資金的およ

び非資金的援助を受けた。

o 税制優遇措置:

CIT:

操業開始から最初の 15 年間、10%

利益を計上した最初の年から 4年間、免除

その後の 9年間、50%の削減

輸入税:最初の 5 年間、免除

– 巨大な用地面積:土地は約 800 ヘクタールで、物

流区域は 555 ヘクタールである。この面積は、

Thi Vai 地域の他の港より大きい。

– 有利な立地:同港は、Dong Nai 省に位置する多く

の重要な大型工業団地の近くに立地しており、こ

れらの工業団地の需要増大に対処することが期待

されている。

– 便利な連結:国道 51 号、HCM-Long Thanh-Dau

Giay 幹線道路および Ben Luc-Long Thanh 幹線道路

を通じて、Dong Nai 省、Binh Duong 省 、ホーチミ

ン市およびメコンデルタ地帯に至る交通インフラが

並行的に完成している利点がある。このプロジェク

トは、物流区域まで鉄道線路が敷かれており、国の

鉄道に連結されている。「ゼロ」ブイから PAP ま

ではわずか 40 km である

(サイゴン港の場合には 90 km)。

• 海外投資家の出資比率(上限): 49%

• 投下資本:以下の 5 段階に対して 9 億 7,900 万米

ドル

– 第 1 段階:1 億米ドル

– 第 2 段階:2 億 3,400 万米ドル

– 第 3 段階:1 億 9,100 万米ドル

– 第 4 段階:2 億 2,700 万米ドル

– 第 5 段階:1 億 7,700 万米ドル

• NPV: 1 億 1,900 万米ドル(FS:5 段階)

• IRR: 19% (FS:5 段階)

• 投資回収期間:18 年 (FS、5 段階)

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

現状と今後の予定

経済的効果

Phuoc An 港プロジェクト (PAP)

Page 39: á - ジェトロ(日本貿易振興機構)...2012/08/03  · 35.1%) KPC (" o; 35.1%) PVN (25.1%) W { G ( ã Ä 4.7%) é ' o P :â½ Ä P :ê.z ç ãâ½ EPC 9Ô.3. n. 1 n j.39ÕÅî

サービス

35 Translated by JETRO

建設

Petrovietnam Construction Joint Stock

Corporation (PVC)は、2015 年までに、総合的な建設・投資グループとなり、ベトナムの建設業界のリーダーになることを目標にしている。さらに、同社は、石油産業における伝統的プロジェクトに加えて、住宅・商業設備・工業設備の建設部門、および、インフラ設備の建設部門にも進出している。

建設市場は、好調で、2 桁の成長率を示している。

ベトナムの建設市場は総じて好調である。同市場は、

住宅、商業設備、工業設備およびインフラ設備部門

に分類される。住宅、商業設備、工業設備の建設部

門は、2008 年から 2011 年にかけて、年 13%の高い

成長率を示した。建設市場は、2011 年の 46 億米ド

ルから、2021 年には 215 億米ドルへと、10 年間で年

率 17%の成長率で拡大すると見込まれている。5

ベトナムの経済成長率、所得の増加、大きな人口お

よび急速な都市化が、住宅および商業設備プロジェ

クトに対する需要を増加させた。中央政府の住宅開

発マスター・プランによると、ベトナムは、住宅需

要を満たすため、2020 年までに 10 億 m2の住宅地を

新たに必要としている。したがって、建設部門は極

めて魅力的である。CBRE Vietnam によると、今後

10 年間において、ホーチミン、ハノイ、ダナン、カ

ントー、ニャチャン、ハイフォンおよびブンタウな

どの大都市において、約 2,000 の住宅・商業設備建

設プロジェクトが計画されるか、または、完成予定

となっている。工業部門では、中央政府は、2015 年

までに、新たに 115 の工業団地を建設し、既存の 27

5 出所:BMI、 2012 年第 1 四半期

(*) 注:ベトナムの不動産市場の総額には、住宅(住居、宅地)、工業(工業団地、工場)、商業(事務所建物、ホテル、病院)に関する建設部門が含まれる。

の工業団地を 32,000 ヘクタール拡張することを計画

している。

インフラ部門では、PVN は、主に発電所およびパイ

プライン部門で活動を行っている。電力産業の概要

で示したとおり、ベトナムは電力不足に直面してい

るので、野心的な発電所建設プログラムを実行する。

電力部門の建設総額は、2008 年から 2011 年にかけ

て 4%増加したが、2011 年から 2016 年にかけては

14%という高い比率で増加すると見込まれている。1.

石油・ガス・パイプラインは、最近になって登場し

たものなので、2011 年のベトナムの建設部門の総額

に占める比率はわずか 0.4%に過ぎない。しかし、ガ

ス部門の成長と共に、新たなパイプラインの建設が

進むと見込まれる。ベトナムにおけるパイプライン

建設契約の平均額は 10 億米ドルと推定されるので、

新たなパイプライン・プロジェクトは、大きな収益

をもたらす可能性がある。

PVC は、建設産業において、大きな収益増加率を有

する第 2 位の企業である

上位 10 社の建設会社は、2010 年の建設市場におい

て約 29%のシェアを占めた。国営建設会社である

Vinaconex グループは 10.7%の市場シェアを有し、第

1 位である。PVC は、市場シェアが 5.2%で、第 2 位

となっている。Coteccons Group は、2010 年におい

て、建設市場で 2.4%のシェアを有する民間最大の建

設会社である。PVC の好業績は、その市場シェアの

みならず、高い収益増加率にも表れている。PVC は、

2008 年から 2010 年にかけて、144%という業界最大

の成長率を達成した。PVC は、その専門業務の他、

PVN グループとの関係という大きな財産を有してい

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サービス

36 Translated by JETRO

る。これにより、同社は、PVN グループの建設プロ

ジェクトに優先的に参加することができる。さらに、

中央政府との関係があるので、地方当局と交渉する

際に有利となっている。PVC は、これらのプロジェ

クトの内、287 の建設プロジェクトを実施した。金

額の内訳は、住宅・商業プロジェクトが 14%、電力

が 62%、インフラ・工業が 8%、石油が 16%である。

電力建設市場における PVC のシェアは 17%である。

石油・ガス市場では、同社は最初は下請業者であっ

たが、その後、複雑な技術条件を伴う大規模プロジ

ェクトを実施できる大手の EPC コントラクターに成

長した。この技術は、次の優れたプロジェクトの受

注で証明されている。Vung Ang 火力発電プラントの

ための石油・ガス輸送・貯蔵システム、ブンタウ県

の General Ashore Service、Long Hai から Phu My 工

業地区に至る石油パイプライン、および、Dung

Quat 製油所。

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サービス

37 Translated by JETRO

• 重要な事業活動:

– 石油専門の建設

– 発電所の建設

– 工業設備の建設

– 土木建築

• 実施した重要な建設プロジェクト:

– 発電所:Nhon Trach 2 発電所、Vung Ang 1 火

力発電所、バイオ・エタノール・エネルギー・

プラント

– 工業プロジェクト:ハイフォンにおける Dinh

Vu ポリエステル・プラント

– 商業プロジェクト:ベトナム石油研究所、内務

省事務所、および、天然資源・環境省

銘柄コード:PVX (HNX)

現在の所有者:PVN (53.26%)、VanEck

Association Corp. (4%)、Vietwealth Corp. (2%)、

その他投資家 (40.74%)

• 社史における重要事項:

– 1983 年: 石油・ガス建設複合工場として設立さ

れた。

– 2009 年: 株式会社化され、株式が公開され、

Petrovietnam Construction Joint Stock

Company (PVC)が設立された。

– 2012 年: 資本金が 5 兆 VND(約 2 億 4,200 万

米ドル)に増額された。

• 主要戦略:PVC は、工業生産、機械工学および不

動産にまで事業を拡大した。重要プロジェクトを

挙げると、Tien Giang 石油・ガス工業団地、石油

用鋼管生産プロジェクト、Tan Vien 環境配慮型観

光地域などがある。

• 市場の可能性:2 桁の市場成長率。住宅・商業・

工業部門および発電部門は、それぞれ、17% (2011

~2021 年) および 14% (2011~2015 年)の割合で成

長すると予想されている。国内石油産業の状況を

考慮すると、10 億米ドルを超えるプロジェクトの

発注機会がいくつか生じると予想される。

• 競争上の優位性:

– 政府および PVN との強固な関係:政府およ

び PVN のプロジェクトに対する特権的権利

を有している。

– 強い競争力: PVC は、建設市場で第 2 位であ

り、石油・ガス産業を専門とする建設会社と

しては最大の会社であり、優れた実績を有し

ている。

– 顧客基盤: PVN グループの企業のみなら

ず、他の企業も顧客にしている。

– 業績見通し:PVC の業績は、EPC 事業が拡大

しているため、2015 年まで年率 20%で増加

する見込みである。

• 海外投資家の出資比率(上限):17%

業績

100 万米ドル 2009 2010 2011

資本金 84.3 130.7 121.1

税引前利益 15.6 49.3 18.4

税引後利益 12.9 38.8 14.5

ROE 13% 25% 10%

ROA 4.05% 5.94% 1.77%

業績見通し: 2012~2015 年

100 万米ドル 2012 2013 2014 2015

資本金 234.4 272.2 355.8 432.4

売上高 586.1 680.6 800.5 934.0

税引前利益 59.0 68.5 80.6 94.0

プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

社史における重要事項と戦略的イニシアチブ

経済的効果

ペトロベトナム建設株式会社 (PVC)

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サービス

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• 重要な事業活動:事務所、ホテル、家具付き高級

アパート および貿易センターで構成された総合ビ

ルの運営

• 位置:ハノイ市、Tu Liem 県、Me Tri 郡

• 主要数字:

– 用地の総面積: 64,964 m2

– 建設区域:12,133 m2

– 建築密度:18.68%

– 総床面積:337,276 m2(地下区域を除く)

– 地下区域: 78,000 m2

– 土地利用係数: 5.19 倍

– 階数:79 階(地下区域を除く)

– 地下の階数:2 階

– 建物の高さ:360 m

• プロジェクト期間:50 years

• 現在の所有者:PVC (100%)

• プロジェクト・スケジュール:

– 建設:3 年

– 運用:47 年

• 完了した作業:概念設計(ペリ・クラーク・ペ

リ・アーキテクツ、米国)

• 継続中の作業:

– FS: コンサルタント選定段階

– 整地:整地計画を作成するため、Me Tri 人民

委員会および Tu Liem 土地開発センターと協

議が行われている。

プロジェクト概要

• 投下資本:5 憶 7,100 万米ドル(予備 FS)

• NPV:1,505 万米ドル

• IRR:15.74%

• 投資回収期間:10 年 2 ヵ月

経済的効果

現状と今後の予定

• 競争上の優位性:

– 政府支援:優遇的な CIT 料率、免税期間、控

除、輸入税免除、用地費削減などを含め、有利

な税制優遇措置の適用が期待できる。

– 有利な立地: ハノイ市の新しい商業中心地に

位置し、かつ、近隣郊外の交通の中心地であ

る。同地域には、ナショナル・コンベンショ

ン・センター、My Dinh ナショナル・スタジア

ムなどの多くの重要なプロジェクトがある。

• 海外投資家の出資比率(上限): 49%

投資に関する主な検討事項

ペトロベトナムタワー

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サービス

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造船所 ベトナム中部の Quang Ngai 省に位置する Dung

Quat 造船所は、ベトナム最大級の造船所であり、300,000DWT までの船舶を建造することができる。

新造船および修理に対する旺盛な需要

ベトナム造船業は世界第 5 位の規模であり、世界市

場に占めるシェアは 2004 年の 0.4%から、2010 年に

は 0.9%に増加した。6 同国の造船量は、2004 年か

ら 2010 年にかけて年率 25%で増加した。同国は、

2010 年には、252 隻の新造船を受注し、総トン数は

250 万トンに上った。

ベトナムの老朽船を代替し、かつ、船腹量を拡大す

るため、2015 年までに 800 隻以上(総重量 400 万

トン強)の新造船、2020 年までに 1,100 隻(総重量

約 400 万トン)の新造船が必要になると見込まれて

いる。船種別では、原油タンカー、石油タンカー、

コンテナ船および一般貨物船が必要とされている。

同国は、国内船舶に関して、2015 年まで、平均で年

609 回、2020 年まで、同年 699 回のドック入りが必

要になる。

2010 年には、ベトナムは、1,000 DWT を超える船舶

を建造・修理できる 120 の造船所を有していた。し

かし、6,500 トンを超える船舶を修理し、かつ、

300,000 DWT 以上の船舶を建造できる造船所は、わ

ずか 4 つしかない。Dung Quat 造船所は、ベトナム

最大級の造船所で、300,000 DWT までの船舶を建造

し、50,000 DWT までの大型船舶と 150,000 DWT ま

での石油タンカーを修理することができる。同造船

所の年間造船能力は 110 万 DWT である。

ベトナムの造船所は、国内の総修理需要の約 46%を

充足している。2010 年には、国内の船舶を修理のた

めに移動させるコストとして約 7,500 万米ドルが発

生した。これは、ベトナムの造船所の能力が国内需

要を充足できないことによるものである。

Quang Ngai 省は競争上有利な位置に立地

している

ベトナムの造船マスター・プランでは、中央部の開

発において優先すべき 4 つの造船所が特定されてい

る。この内の 3 つは、Khanh Hoa 省に位置している。

Quang Ngai 省に位置するのは Dung Quat 造船所のみ

である。Quang Ngai 省は、ベトナム中央部において

最も魅力的な投資環境を有している省の 1 つとして

6 日本造船工業会の報告書

知られている。同省は、2011 年のベトナム省競争力

指数報告書において第 18 位にランクされている。こ

れは、Khanh Hoa 省の第 34 位よりはるかに高い。

投資家の観点からは、Quang Ngai 省は、Khanh Hoa

省に比べて、法的諸制度、市場参入コスト、土地利

用、透明性、情報の利用、規制順守に関する時間的

コストおよび非公式の料金などの点で高い競争力が

ある。その結果、Quang Ngai 省は、将来開発される

可能性が最も高い地域になっている。

出所: ベトナム PCI 2011

Dung Quat 造船所は、需要増を踏まえて、事業を拡

大することを計画している。さらに、同社は、利益

率を高めるための対策も検討している。

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サービス

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• 重要な事業活動:造船・修理、海底油井掘削機お

よび浮遊設備

• 位置:Quang Ngai 省、Binh Son 県、Tan Hy 郡

• 能力: DQS は、300,000 DWT までの船舶を建造

することができる。

• 施設:

– DQS の総面積:118 ヘクタール

– 製造ワークショップ区域:40,000 m²

– 配管ワークショップ区域:10,000 m²

– 組立ワークショップ区域:16,500 m²

– 機械ワークショップ区域: 4,000 m²

– ストックヤード区域:乾ドック No.1 (308 x 86

x 14 m) (使用中)、乾ドック No.2 (520 x 110

x 14 m).(建設中)

• 現在の所有者:PVN の 100%子会社である Dung

Quat Shipbuilding Industry Company Limited が

100%保有

• 投資許可:No. 4300338693、 Quang Ngai 省の

Dung Quat 経済地域局発行

• プロジェクト・スケジュール:

– 第 1 段階:第 1 段階の能力拡張のために必要な

5,400 万米ドルの投資を要求

– 第 2 段階( 2015~2020 年):4 億 7,100 万米

ドルの投資を要求

• 投下資本:7 億 4,915 万米ドル

• 第 1 段階拡張の NPV:779 万米ドル (FS)

• 第 1 段階の投資回収期間:16 年 10 ヵ月

プロジェクト概要

経済的効果

現状と今後の予定

• 市場の可能性:

– ベトナムの造船量は、2004 年から 2010 年に

かけて、年率 25%の増加率を実現した。ベトナ

ムの老朽船を代替し、かつ、船腹量を拡大する

ため、2015 年までに 800 隻以上(総重量 400

万トン強)の新造船、2020 年までに 1,100 隻

(総重量約 400 万トン)の新造船が必要にな

ると見込まれている。

– ベトナムの造船所は、国内の修理需要の約 46%

を充足している。同国は、国内船舶に関して、

2015 年まで、平均で年 609 回、2020 年まで、

同年 699 回のドック入りが必要になる。

• 競争上の優位性:

– 政府支援:

o 国家的優先プロジェクトに対しては、中央政

府から様々な資金優遇策および非資金的優

遇策の適用の他、Quang Ngai 省人民委員会

からも大きな支援を受けることができる。

o 税制優遇措置:

CIT:

操業開始から最初の 15 年間、10%

利益を計上した最初の年から 4年間、

免除

その後の 9年間、50%の削減

固定資産を形成するための建設資材、機

械、機器、工具および予備部品に対する

輸入税は免除される。

o 2003 年から 2018 年にかけて、土地賃貸料は

免除される。

– 有利な立地: DQS は、大水深の多機能港に位

置しており、50,000 DWT までの貨物船と

150,000 DWT までの石油タンカーを修理し、

かつ、105,000 DWT までの船舶を建造するこ

とができる。

• 海外投資家の出資比率(上限):49%

投資に関する主な検討事項

Dung Quat 造船所 (DQS)

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サービス

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金融会社 Petrovietnam Finance Corporation (PVFC) は、主に石油・ガス産業の企業に金融商品・サービスを提供する重要な金融機関に成長した。

ベトナム最大の金融会社

ベトナムには、計 18 の金融会社が存在する。7 こ

れら金融会社の資本金合計額は 9 億 5,400 万米ドル

である。これらの会社は、ビジネス・モデルに応じ

て、大きく 2 つのグループ―消費者金融会社

(CFC)および事業金融会社(BFC)―に分けられる。

CFC はすべて外資系企業であり、BFC は国営企業グ

ループの子会社または関連会社である。現在、ベト

ナムで営業を行っている金融会社の内の 12 社は、国

営企業グループの地元会社である。他の 6 社は、外

資系企業である。BFC は、主に企業を相手とし、関

連性があるか、または、業界に関する知識を有して

いる特定産業の企業およびその株主に事業金融サー

ビスを提供している。

出所:ベトナム中央銀行

資本金上位 7 社はすべて、国内企業である。

Petrovietnam Finance (PVFC)は、資本金が最大であ

り、その額は 2011 年時点で 6 兆 VND 8(2 億 9,100

万米ドル)である。これに、 EVN Finance と

Vietnam Shipping Finance が続く。PVFC は、2010

年に、6 兆 4,000 億 VND(3 億 3,500 万米ドル)を

超える最大の収益を上げた。これは、第 2 位の EVN

Finance の収益の 3 倍である。9

出所:各企業のウェブサイト

7 金融会社は、個人および/または企業に融資を行う会社である。 8 ベトナム中央銀行 9 各企業のウェブサイトの閲覧に基づく。

強固な関係および専門知識

PVFC は、法人融資、プロジェクト金融、保証・債権

買取り、法人向け資金調達、M&A などを含め、ベト

ナムの金融会社の中で最も総合的な金融商品・サー

ビスを法人顧客に提供している。

PVFC は、PVN グループの石油・ガス関連の中核企

業、関連企業および非 PVN グループの企業などの大

きな顧客基盤を有している。2009 年現在、PVFC の

法人顧客の約 50%は、非 PVN グループの企業である。

事業上有利なのは、同社が、石油・ガス部門に関す

る深い専門知識を有していること、および、PVFC の

プロジェクトおよびグループ企業に関して特権的扱

いを受けているためである。

PVN およびその戦略的パートナーであるモルガン・

スタンレーの支援を受けられる大手上場金融会社で

ある同社は、国際金融市場にも進出し、成果を上げ

ている。

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サービス

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プロジェクト概要 投資に関する主な検討事項

業績

100 万米ドル 2008 2009 2010 2011

収益 46.4 112.5 109.4 263.4

税引前利益 -4.3 37.8 30.0 26.8

純利益 -1.5 31.8 25.8 23.2

業績見通し:2012~2015 年

100 万米ドル 2012 2013 2014 2015

売上高 426.7 521.8 652.9 778.3

税引前利益 85.3 115.7 147.5 193.4

税引後利益 64.0 86.8 110.6 145.1

• 社史における重要事項:

– 2000 年 6 月:金融会社として設立された。

– 2005 年: 資本金を 3,000 億 VND に増額し、

Vung Tau 支店と取引事務所(No. 21 / No.

22)を開設した。

– 2006 年: 資本金を 1 兆 VND に増額し、PVFC

の社債(6,900 億 VND)の発行を成功させ、

ダナンに支店を開設した。

– 2007 年: 資本金を 3 兆 VND に増額し、PVFC

の社債(1 兆 5,000 億 VND)の発行を成功さ

せ、IPO を成功させ、ハイフォン、ナムディ

ン、カントー、サイゴンおよび Thang Long

に支店を開設した。

– 2008 年: 正式に株式会社に転換し、資本金を

5 兆 VND に増額した。株式の 10%をモルガ

ン・スタンレーに売却した。ホーチミン証券

取引所(HOSE)に上場し、タインホア支店

および Long Bien 取引事務所を開設した。

2009 年: Quang Ngai 事務所を開設した。

経済的効果

社史における重要事項と戦略的イニシアチブ

• 重要な事業活動

– 法人金融商品・サービス (法人融資、プロジ

ェクト金融、保証・債権買取り)

– 法人向けの金融アドバイス・サービス

(法人向け資金調達、M&A、法人向けの一

般的アドバイス・サービス、法人の再建)

– 金融市場・外国為替に関するサービス、投資

銘柄コード:PVF (HOSE)

• 現在の所有者:PVN (78%)、モルガン・スタン

レー(10%)、その他の投資家 (12%)

• 競争上の優位性:

– 競争状態:ベトナム最大の非銀行金融会社

– 政府/PVN の支援: PVN および政府のプロジ

ェクトに対する優遇的待遇

– 顧客基盤: PVN グループの企業のみならず、

他の企業にも金融サービスを提供している。

– 業績見通し:

o 強固な資金調達力: HOSE および SGX-ST

に上場している。

o 石油・ガス産業に対する深い専門知識:石

油・ガス・プロジェクトに対する豊富な資

金調達経験

o 強固な関係:PVFC は、ベトナムの国家機

関・規制当局、および、国内外の大手銀行

と密接な関係を有している。

o モルガン・スタンレーとの戦略的提携:

モルガン・スタンレーは、リスク管理、技

術系従業員に対する訓練および企業統治を

含め、特定機能分野に関する専門知識を提

供している。

o 強力なリスク管理: PVFC は、信用格付け

システムを開発し、ベトナム中央銀行から

承認を得た最初の企業となった。

• 海外投資家の出資比率(上限):15%

ペトロベトナムファイナンス会社 (PVFC)

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サービス

43 Translated by JETRO

• 設立:2002 年 5 月

• 重要な事業活動

– ベトナムからの/への原油、精製油、ガスお

よび石油製品の輸送、ならびに、中東からア

ジア太平洋地域までの特定ルートにおける石

油の輸送

– 沖合での石油技術サービス

– 物流サービス

銘柄コード:PVT (HOSE)

• 現在の所有者:PVN (58.4%)、PVFC (8.3%)、

ACB (3.9%)、その他の株主 (29.4%)

業績

100 万米ドル 2008 2009 2010 2011

粗利益 12.4 8.4 19.1 18.9

税引前利益 7.5 0.5 3.2 3.2

税引後利益 4.2 0.5 3.9 2.1

ROA 1.17% 0.14% 0.97% 0.54%

ROE 1.46% 0.16% 3.20% 1.89%

業績見通し:2011 ~2015 年

100 万米ドル 2012 2013 2014 2015

純収益 192.9 247.7 315.8 399.1

税引前利益 5.1 19.2 28.2 39.6

税引後利益 3.9 14.4 21.2 29.7

経済的効果

Financial data

VN

D

mil

lio

n

200

Financial performance

Fi

D

mil

lio

n

200

Financial performance

社史における重要事項

• 市場の可能性:

– ベトナムの石油・ガス輸送量の大幅な増加:

石油・ガス輸送量は、2015 年には 3,780 万ト

ン、2020 年には 6,850 万トンに増加すると見

られている。

– 石油・ガス・サービス市場の拡大:PVN が開

発する石油・ガス・プロジェクトの増加、お

よび、国際石油輸送市場の拡大

• 競争上の優位性:

– 政府/PVN の支援:Petrovietnam の子会社と

して、輸送サービスを専門とする PV Trans

は、PVN から強力な支援を得ている。

– 競争状態: ベトナムの石油・ガス産業にとっ

ての最大の輸送会社であり、近代的な 17 隻の

船舶(総トン数:44 万 2,600 DWT)を有して

いる。この規模は、ベトナムの石油・ガス船

舶(原油タンカー、製品タンカー、LPG タン

カー、沖合補給船、FSO 船および FPSO 船)

の総トン数の 28%に相当するものである。

– 顧客基盤:

o Dung Quat 製油所との独占契約:

同社は、Dung Quat 製油所向けの原油およ

び同製油所の製品の約 30%に関して、独占

的輸送権を有している。

o 強力な国際的顧客基盤:

シェル、エクソン・モービル、BP、LG お

よびカルテックスなど、強力で安定的な国

際的顧客基盤

o ベトナムにおける FSO/FPSO の正式提供

者:

Dai Hung, Chim Sao and Dua などの油田に

対してサービスを提供している(計 10 億米

ドル)。

– 業績見通し:

新たな製油所(Nghi Son、Long Son)、PVN

の発電所向けの石炭、および、PVN の子会社

向けの他の貨物に対して、輸送サービスを提

供する大きな機会が存在する。

• 海外投資家の出資比率(上限):22.4%

投資に関する主な検討事項

– 2002 年: 国営企業として設立された。

– 2006 年: 株式会社化のプロセスの開始

– 2007 年 7 月: 同社は正式に PVTrans

Corporation となり、PVN が過半数の株式を

取得した。

プロジェクト概要

ペトロベトナム運輸会社 (PVTrans)

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サービス

44 Translated by JETRO

社史における重要事項

• 重要な事業活動:主に製油所で使用される原油お

よび石油製品の貯蔵・供給用の地下ターミナルを

建設し、運営する。

• 現在の所有者:PVOil (19%)、Binh Son

Petrochemical Company Ltd (BSR) (10%)、SEK

(71%)

プロジェクト概要 主要プロジェクト #1 - Long Son 地下石油

貯蔵ターミナル

投資に関する主な検討事項

2008 年: Long Son 地下石油貯蔵ターミナル・プロ

ジェクトに関し、投資証書を受領した。

2009 年: Long Son 地下石油貯蔵ターミナル・プロ

ジェクトについての詳細な実行可能性調査報告書

に関して、GeoStock との間でコンサルティング契

約を締結した。

2010 年: Dung Quat 地下石油貯蔵ターミナル・プ

ロジェクトに関し、投資証書を受領した。

位置:ベトナム国、バリア・ブンタウ 省、ブンタ

ウ市、Long Son 郡、Long Son 石油工業地区

投下資本:3 億 5,000 万米ドル

施設:

– 地下貯蔵書:原油および石油製品の貯蔵能力は

205 万 m3

– SPM: 250,000~300,000 DWT

– 原油パイプライン:全長 1.1km、直径 38 イン

チ、流量 6,000m3/h、作動圧力 10 kg/cm2

現在の状況:基本設計が完成した。

経済性(予備 FS):

– NPV: 1 億 3,560 万米ドル

– IRR: 14.87%

• 市場の可能性:

– ベトナムの原油埋蔵量は、2020 年には 110 万

m3、2022 年には 310 万 m3 に達すると見込ま

れている。

– 石油・ガス・サービス市場の拡大:PVN が開発

する石油・ガス・プロジェクトの増加

• 競争上の優位性:

– 競争状態: 先発者利益。同社は、ベトナムにお

いて、貯蔵設備の建設、操業およびリースを行

う最初の企業となった。

– 顧客基盤: PVN グループの企業(Long Son /

Dung Quat 製油所など)、および、その他の企

業(National Stockpile Agent、石油取引会社な

ど)が顧客である。

– 石油貯蔵事業における株主の経験:

o PV Oil: 石油取引会社

o Binh Son Petrochemical Company Ltd:

Dung Quat 製油所の建設と操業

o SEK: 韓国における地下炭化水素貯蔵書の建設

と操業

• 海外投資家の出資比率(上限):29%

主要プロジェクト #2 – Dung Quat

地下石油貯蔵ターミナル

位置:ベトナム国、Quang Ngai 省、Binh Son

県、Binh Thuan 郡、Dung Quat 経済地域

投下資本:3 億 4,000 万米ドル

施設:

– 地下貯蔵所:原油および石油製品の貯蔵能力は

160 万 m3

– 桟橋/SPM:

SPM: 110,000 DWT、新 SPM: 250,000DWT、

桟橋:15,000 DWT~30,000 DWT(50,000

DWT まで拡張可能)

– パイプライン・システム:新 SPM までの原油

パイプラインは全長 2km、製油所までは全長

7km。

現在の状況:

– 予備 FS が終了した。

– PVOS と BSR との間での貯蔵設備リース契約に

関する交渉が行われている。

経済性(予備 FS):

– NPV: 1 億 4,460 万米ドル

– IRR: 14.76%

– 投資回収期間:9 年

ペトロベトナム石油貯蔵会社 (PVOS)

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【お問い合わせ】

PETRO VIETNAM

MS. LE THI THU HUONG(レー・ティ・トゥ・フオン)

Deputy General Manager ‐ Investment & Development Division

Tel:+84 4 3772 5891 FAX:+84 4 3826 5942 E-mail:[email protected]

MS. VU MAI TRANG(ブー・マイ・チャン)

Specialist ‐ Investment& Development Division

Tel:+84 4 38252526/7332 FAX:+84 4 3826 5942 E-mail:[email protected]

ジェトロ・ハノイ事務所

MR. NISHIKAWA(西川)

Tel:+84 4 38250630 FAX:+84 4 38250552 E-mail:[email protected]